JP4638690B2 - 積層体およびプリント配線板 - Google Patents
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Description
本発明に係るポリイミド樹脂組成物は、少なくとも有機チオール化合物と、熱可塑性ポリイミド樹脂とからなっている。すなわち、本発明のポリイミド樹脂組成物は、有機チオール化合物が熱可塑性ポリイミド樹脂の中に添加されている、または有機チオール化合物が熱可塑性ポリイミド樹脂表面に担持されている構成を有している。また、本発明のポリイミド樹脂組成物は、上記のように、少なくとも有機チオール化合物と、熱可塑性ポリイミド樹脂とを含む構成であればよく、有機チオール化合物および熱可塑性ポリイミド樹脂以外の成分を含むポリイミド樹脂組成物であってもよい。
上記熱可塑性ポリイミド樹脂は、一般式(1)
熱可塑性ポリイミド樹脂は、原料となる酸二無水物化合物とジアミン化合物とから合成される。上記熱可塑性ポリイミド樹脂を得るための酸二無水物化合物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)、p−フェニレンジフタル酸無水物等のテトラカルボン酸二無水物から選ばれる1種類または2種類以上の酸二無水物化合物を用いることが好ましい。
また、上記熱可塑性ポリイミド樹脂を得るためのジアミン化合物としては、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン、ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルヘキサフルオロプロパン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルN−フェニルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェニキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキ サフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド等から選ばれる1種類または2種類以上のジアミン化合物を用いることが好ましい。
上記熱可塑性ポリイミド樹脂を得るための酸二無水物化合物とジアミン化合物との組み合わせとしては、上記に挙げた酸二無水物残基を与える酸二無水物化合物から選ばれた少なくとも1種類の酸二無水物化合物と、上記に挙げたジアミン残基を与えるジアミン化合物から選ばれた少なくとも1種類のジアミン化合物との組み合わせが好ましい。また、その中でも酸二無水物化合物としては、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸無水物、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)が、ジアミン化合物としては、1,3−ジアミノベンゼン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンが工業的に入手可能であり、また、これらの組み合わせから得られる熱可塑性ポリイミド樹脂は、吸水率が低くなる、誘電率が小さい、誘電正接が小さい等の優れた特性を有するとともに、本発明の効果である無電解メッキ膜との接着強度を上げる効果を発現するため特に好ましい。
本発明のポリイミド樹脂組成物に用いられる熱可塑性ポリイミド樹脂は、前駆体であるポリアミド酸をイミド化することにより得られる。上記酸二無水物化合物の少なくとも1種類とジアミン化合物の少なくとも1種類とを、実質的等モル量となるように有機溶媒中に溶解、反応させることによりポリアミド酸有機溶媒溶液を得ることができる。
次に本発明の有機チオール化合物について説明する。本発明で用いる有機チオール化合物は、1つの分子内に1つ以上のSM基(ただし、Mはそれぞれ、H、Li,Na,K、から選ばれる任意の元素)を持つ化合物を言い、2つ以上のSM基をもつ化合物である有機ジチオール化合物または有機トリチオール化合物などである事がより好ましい。2つ以上のSM基を持つ化合物がより好ましい理由は、少なくともSM基の1つが熱可塑性ポリイミド樹脂と化学結合を形成し、他のSM基が無電解メッキ膜と結合することにより、ポリイミド樹脂組成物と無電解メッキ膜とが強固な接着性を発現するためである。
具体的には、一般式(2)および一般式(3)におけるM 1 としてH、M 2 としてHまたはNa、一般式(2)におけるRとして、H、C2H5、C4H9、SH、さらに一般式(3)におけるR1−N−R2として、N(CH3)2、NH(C6H5)、N(C4H9)2、N(C8H17)2、N(C12H25)2、N(CH2CH=CH2)2、NHC8H16CH=CHC8H17、NCH2C6H4CH=CH2(C8H17)、NHC6H4N(CH3)2などを例示する事ができる。
上述のように、上記の有機チオール化合物は、熱可塑性ポリイミド樹脂の中に添加されている構成であってもよく、後述するプリント配線板の製造過程において、熱可塑性ポリイミド樹脂表面に溶液浸漬などの表面処理を実施することによって、熱可塑性ポリイミド樹脂表面に担持されている構成であってもよい。
ここで、有機チオール化合物を熱可塑性ポリイミド樹脂の中に添加する方法について説明する。有機チオール化合物を熱可塑性ポリイミド樹脂に添加する方法としては、熱可塑性ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸の状態で添加してもよく、熱可塑性ポリイミド樹脂と有機チオール化合物とを溶解する溶媒を用いて添加してもよい。上記溶媒としては、アミド系溶媒すなわちN,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどを用いることが好ましく、N,N−ジメチルフォルムアミドを用いることが特に好ましい。また、上記一般式(2)および一般式(3)に示すトリアジンチオール誘導体の中で、M1、M2の少なくとも一つがNaなどのアルカリ金属である場合には、アルカリ性の水溶液やアルカリ性メタノールに可溶である場合が多く、これらの溶媒も熱可塑性ポリイミド樹脂へのトリアジンチオール誘導体の添加に好ましく用いられる。なお、熱可塑性ポリイミド樹脂に対する有機ジチオール化合物の添加量は重量比で10%以下であることが好ましい。また、有機ジチオール化合物の添加量は2%以下であることがより好ましく、1%以下の添加量でも十分にその効果を発揮し、0.01%でもその効果が認められ、0.001%でも効果が確認できる事がある。以上のように、熱可塑性ポリイミド樹脂に有機チオール化合物を添加することによって、成形体、単層シート、または支持体上に熱可塑性ポリイミド樹脂を層状に形成した積層体等からなるポリイミド樹脂組成物を得ることができる。
熱可塑性ポリイミド樹脂表面に有機チオール化合物を担持させる方法としては、有機チオール化合物を溶解した溶媒に熱可塑性ポリイミド樹脂を浸漬するか、あるいは該溶媒を用いて、熱可塑性ポリイミド樹脂の表面が適度な厚みとなるように膨潤および/または溶解させることにより、表面に有機チオール化合物を担持する方法を用いることが好ましい。熱可塑性ポリイミド樹脂表面に強固に担持された有機チオール化合物は、後述するプリント配線板の製造工程にて熱可塑性ポリイミド樹脂表面に無電解メッキ膜を形成するための触媒や、触媒を介して無電解メッキ膜と強固に結合するため、結果として、本発明のポリイミド樹脂組成物と無電解メッキ膜との接着性を高めることが可能となる。なお、熱可塑性ポリイミド樹脂表面に有機チオール化合物を担持させる方法は、プリント配線板の製造工程にて熱可塑性ポリイミド樹脂の表面処理を実施することにより行われるため、その詳細については後述する。
上記熱可塑性ポリイミド樹脂に加えて、接着性や耐熱性、加工性などの諸特性を改善させるために、耐熱性や低吸湿性などの諸特性を損なわない範囲でその他の成分を含有させてもよい。その他の成分としては、エポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ヒドロシリル硬化樹脂、アリル硬化樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂;高分子鎖の側鎖または末端にアリル基、ビニル基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基などの反応性基を有する側鎖反応性基型熱硬化性高分子を挙げることができる。上記その他の成分は、単独にまたは適宜組み合わせて含有させることができる。
本発明のポリイミド樹脂組成物は、層状に形成することによって、ポリイミド樹脂組成物を用いてなる単層シートとすることができる。また、有機チオール化合物を溶解した溶媒に熱可塑性ポリイミド樹脂を浸漬することによって、または熱可塑性ポリイミド樹脂表面に有機チオール化合物を担持させることによって、ポリイミド樹脂組成物の表面処理がされていることが好ましい。なお、単層シートの具体的な製造方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。
本発明のポリイミド樹脂組成物と、他の高分子フィルムとを積層することにより積層体を得ることができる。本発明のポリイミド樹脂組成物を、例えばプリント配線板に適用する為には、本発明のポリイミド樹脂組成物からなる層(以下、熱可塑性ポリイミド樹脂層という)と、他の高分子フィルムとの積層体であることが好ましい。積層体を用いることが好ましい理由は、積層体を用いる事によりプリント配線板が低熱膨張性、高弾性率、耐熱性等の性質を具備するためである。積層体は、高分子フィルム上にポリイミド樹脂組成物を塗布することにより作製することが可能となっている。高分子フィルムとしては、特に制限はなく、例えば、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、フェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶高分子、エポキシ樹脂などを使用することが可能である。特に高分子フィルムを支持体として用いるには、高分子フィルムが非熱可塑性ポリイミド樹脂であることが、プリント配線板にとって重要な特性である、平均熱膨張係数を小さくすることが可能であるので、好ましい。すなわち、熱可塑性ポリイミド樹脂層と、非熱可塑性ポリイミド樹脂からなる層(以下、非熱可塑性ポリイミド樹脂層という)とからなる積層体であることが耐熱性、寸法安定性、界面の密着性等の観点より最も好ましい。
上記の積層体に使用される非熱可塑性ポリイミド樹脂については特に制限はなく、ポリイミド樹脂組成物の耐熱性、寸法安定性、界面の密着性を満足する物であれば公知の非熱可塑性ポリイミド樹脂を用いる事ができ、その製造方法についても公知の方法を用いる事ができる。
上記「熱可塑性ポリイミド樹脂層/非熱可塑性ポリイミド樹脂層」からなる積層体の製造には各種方法が適用できる。例えば、熱可塑性ポリイミド樹脂が溶媒に不溶性である場合は、前駆体のポリアミド酸の溶液を非熱可塑性ポリイミド樹脂層上に流延塗布し、上記のイミド化方法、すなわち熱キュア法またはケミカルキュア法によりイミド化と溶媒乾燥とを行うことによって熱可塑性ポリイミド樹脂層を形成することができる。一方、熱可塑性ポリイミド樹脂が溶媒溶解性を示す場合は、一度熱可塑性ポリイミド樹脂を粉体状、繊維状、フィルム状の形態で得た後、溶媒に溶解した熱可塑性ポリイミド溶液を非熱可塑性ポリイミド樹脂層上に流延塗布し溶媒乾燥させることによって熱可塑性ポリイミド樹脂層を形成することが可能であり、不溶性である場合と同様に前駆体のポリアミド酸を非熱可塑性ポリイミド樹脂層上に流延塗布する方法も適用可能である。積層体を形成するための別の方法としては、あらかじめ熱可塑性ポリイミド樹脂からなるフィルムを製造した後、非熱可塑性ポリイミド樹脂層上にプレス加工、ラミネート加工等の公知の方法を行うことによって積層体を得ることも可能である。
なお、上記積層体としては、上記「熱可塑性ポリイミド樹脂層/非熱可塑性ポリイミド樹脂層」からなる積層体の他に、例えば、非熱可塑性ポリイミド樹脂層の両面に熱可塑性ポリイミド層を形成した、「熱可塑性ポリイミド樹脂層/非熱可塑性ポリイミド樹脂層/熱可塑性ポリイミド樹脂層」からなる積層体を用いることができる。
また、上記積層体としては、上記「熱可塑性ポリイミド樹脂層/非熱可塑性ポリイミド樹脂層」からなる積層体を用いて、非熱可塑性ポリイミド樹脂層の熱可塑性ポリイミド樹脂層が形成された面と反対側の面上に金属薄層が形成された、「熱可塑性ポリイミド樹脂層/非熱可塑性ポリイミド樹脂層/金属薄層」からなる積層体を用いることができる。「熱可塑性ポリイミド樹脂層/非熱可塑性ポリイミド樹脂層/金属薄層」からなる積層体の金属薄層は、例えば、湿式メッキ法により形成した銅箔層でもよく、凹凸の形成された銅箔を直接、非熱可塑性ポリイミド樹脂層上に接着した銅箔層(例えば、適当な表面凹凸を有する銅箔上に前駆体のポリアミド酸の溶液を流延塗布し、熱キュア法またはケミカルキュア法によりイミド化と溶媒乾燥とを行うことによって、銅箔上に非熱可塑性ポリイミド層を形成したもの)でもよく、あるいは適当な接着剤を介して銅箔層と非熱可塑性ポリイミド樹脂層とを張り合わせた形態の銅箔層でもよい。接着剤を介して非熱可塑性ポリイミド樹脂層と銅箔層とを接着させる方法は、熱ラミネート方法、熱プレス方法等の公知の方法を使用することができる。
さらに、上記積層体としては、上記「熱可塑性ポリイミド樹脂層/非熱可塑性ポリイミド樹脂層」からなる積層体を用いて、非熱可塑性ポリイミド樹脂層の熱可塑性ポリイミド樹脂層が形成された面と反対側の面上に接着層が形成された、「熱可塑性ポリイミド樹脂層/非熱可塑性ポリイミド樹脂層/接着層」からなる積層体を用いることができる。「熱可塑性ポリイミド樹脂層/非熱可塑性ポリイミド樹脂層/接着層」からなる積層体の接着層には、通常の接着性樹脂を用いることができ、適当な樹脂流れ性を有するとともに、強固な接着性を実現できるものであれば公知の技術を適用することができる。この接着層に用いられる接着性樹脂としては、大きくは、熱可塑性樹脂を用いた熱融着性の接着性樹脂、熱硬化性樹脂の硬化反応を利用した硬化型接着性樹脂、の二種類に分けることができる。
次に、本発明のポリイミド樹脂組成物からなる積層体を用いたプリント配線板、およびプリント配線板を製造する方法について説明する。本発明のポリイミド樹脂組成物を用いてなる単層シートおよび積層体を用いることによりプリント配線板を得ることができる。本実施の形態においては、積層体として「熱可塑性ポリイミド樹脂層/非熱可塑性ポリイミド樹脂層」、「熱可塑性ポリイミド樹脂層/非熱可塑性ポリイミド樹脂層/熱可塑性ポリイミド樹脂層」、「熱可塑性ポリイミド樹脂層/非熱可塑性ポリイミド樹脂層/接着層」、「熱可塑性ポリイミド樹脂層/非熱可塑性ポリイミド樹脂層/金属薄層」を例に挙げて説明する。
上述のように、本発明のポリイミド樹脂組成物は、熱可塑性ポリイミド樹脂と有機チオール化合物とからなっており、有機チオール化合物は各種積層体の形態において熱可塑性ポリイミド樹脂に予め添加されていてもよく、プリント配線板の製造工程の中で熱可塑性ポリイミド樹脂層の表面処理を実施するという形で添加されていてもよい。前者の場合、有機チオール化合物を含有する熱可塑性ポリイミド樹脂材料、または有機チオール化合物を含有する熱可塑性ポリイミド樹脂を用いた各種積層体となる。後者の場合、熱可塑性ポリイミド樹脂層を有する各種積層体に対して、プリント配線板の製造途中の段階で熱可塑性ポリイミド樹脂層の表面処理が実施されることにより、有機チオール化合物を含有する熱可塑性ポリイミド樹脂層になる。
本発明のプリント配線板を製造する方法においては、いかなる種類の積層体を用いた場合であっても、積層体の熱可塑性ポリイミド樹脂層上に無電解メッキ膜を形成する無電解金属膜形成工程が行われる。また、上記無電解メッキ膜としては、無電解銅メッキ膜、無電解ニッケルメッキ膜、無電解金メッキ膜が好ましく使用され、無電解銅メッキ膜がより好ましく使用可能である。無電解金属として例えば無電解銅を用いた場合には、(1)クリーナーコンディショナーによる熱可塑性ポリイミド樹脂層表面の洗浄、(2)水洗、(3)酸性溶液中での触媒のプレディップ、(4)アルカリ溶液中での触媒付与、(5)水洗、(6)還元、(7)水洗、(8)無電解銅メッキ、(9)水洗の各工程をこの順に行うことによって無電解銅メッキ膜を形成することができる。
なお、熱可塑性ポリイミド樹脂層上に有機チオール化合物を担持させるための表面処理工程は、上記工程の(1)と(2)との工程間で実施するか、あるいは(4)の工程で触媒付与と同時に実施するのが好ましい。上記工程(1)と(2)との間で熱可塑性ポリイミド樹脂層の表面処理を行うために用いられる溶媒としては、メタノール、グリコール類、テトラヒドロフラン、アルカリ性水溶液、アルカリ性メタノール溶液、アミド系溶媒すなわちN,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどであり、N,N−ジメチルフォルムアミドが特に好ましく用いられる。この様な溶剤に溶解される有機チオール化合物は、一般に0.01〜5%溶液が用いられ、0.1〜1%溶液がより好ましく用いられる。処理時間、処理温度などの処理条件は、有機チオール化合物を熱可塑性ポリイミド樹脂層に担持させるための最適な条件から選択すればよい。これにより、熱可塑性ポリイミド樹脂層上に有機チオール化合物を担持させることができる。また、この様な溶剤で表面処理した熱可塑性ポリイミド樹脂層は、必要に応じて水やメタノールで洗浄され、次の工程、すなわち酸性溶液中での触媒のプレディップ、アルカリ溶液中での触媒付与、水洗、還元、水洗、無電解銅メッキ、水洗、の工程にまわされる。
次に、積層体として「熱可塑性ポリイミド樹脂層/非熱可塑性ポリイミド樹脂層」からなる積層体を用いた場合におけるプリント配線板の製造方法を説明する。
第一のプリント配線板の製造方法として、まず、有機チオール化合物を含有する熱可塑性ポリイミド樹脂層表面にパラジウム触媒を担持し、その後無電解銅メッキ膜を形成する。さらに無電解銅メッキ膜上にレジスト膜を形成し、露光、エッチングにより回路の形成を予定する部分のレジスト膜を取り除く。次に無電解銅メッキ膜が露出する部分を給電電極として使用して、電解銅を用いたパターンメッキ方法により回路を形成するための電解銅メッキ膜が形成される。次いで、レジスト膜部分を取り除き、不要部分の無電解銅メッキ膜をエッチングにより取り除くことで回路が形成される。なお、この方法はセミアディティブ法と呼ばれる方法である。
第二のプリント配線板の製造方法は以下のように行われる。まず上記第一のプリント配線板の製造方法と同様に、有機チオール化合物を含有する熱可塑性ポリイミド樹脂層表面にパラジウム触媒担持を施し、無電解銅メッキ膜を形成する。次に無電解銅メッキ膜表面に電解銅メッキ膜を形成した後に、電解銅メッキ膜表面にレジスト膜を形成し、露光、現像により回路を形成しない部分のレジスト膜を除去し、次にエッチングにより不要な電解銅メッキ膜および無電解銅メッキ膜を取り除くことで回路が形成される。
次に、積層体として「熱可塑性ポリイミド樹脂層/非熱可塑性ポリイミド樹脂層/熱可塑性ポリイミド樹脂層」からなる積層体を用いた場合におけるプリント配線板の製造方法について説明する。
第三のプリント配線板の製造方法として、まず積層体を貫通するビアホールを形成する。ビアホールの形成は炭酸ガスレーザーやUV−YAGレーザー、パンチング、ドリリング等を用いた穴開け方法によって行うことができる。小さなビアホールを形成する場合には、炭酸ガスレーザーやUV−YAGレーザーを用いた穴開け方法を用いることが好ましい。ビアホールを形成した後に、ビアホール内部およびビアホール周辺に生成した、ポリイミド分解物や熱による炭化物を主成分とするスミヤを除去するデスミヤ工程を実施する。次にパラジウム触媒を熱可塑性ポリイミド樹脂層表面に担持させる触媒担持工程を行い、熱可塑性ポリイミド樹脂層表面およびビアホール内部に無電解銅メッキ膜を形成する。さらに無電解銅メッキ膜表面にレジスト膜を形成し、露光、現像により回路の形成を予定する部分のレジスト膜を取り除く。次に無電解銅メッキ膜が露出する部分を給電電極として使用して、電解銅を用いたパターンメッキ方法により回路を形成するための電解銅メッキ膜を形成する。ついでレジスト膜部分を取り除き、不要部分の無電解銅メッキ膜をエッチングにより取り除くことで回路が形成される。
第四のプリント配線板の製造方法は以下のように行われる。まず、上記積層体を貫通するビアホールを形成する。次に上記第三のプリント配線板の製造方法と同様にデスミヤ工程、触媒担持工程を経て、熱可塑性ポリイミド樹脂層表面およびビアホール内部に無電解銅メッキ膜を形成する。次に無電解銅メッキ膜表面に電解銅を用いたパターンメッキ方法により電解銅メッキ膜を形成し、積層体両面をビアホールによって電気的に接続する。次に電解銅メッキ膜表面にレジスト膜を形成し、露光、現像により回路を形成しない部分のレジスト膜を除去し、次にエッチングにより不要な電解銅メッキ膜および無電解銅メッキ膜を取り除くことで回路が形成される。
次に、積層体として「熱可塑性ポリイミド樹脂層/非熱可塑性ポリイミド樹脂層/接着層」からなる3層構造の積層体を用いた場合におけるプリント配線板の製造方法について説明する。まず、積層体の接着層と内層回路を有する内層基板とを対向させて積層、硬化させる。次に、炭酸ガスレーザーやUV−YAGレーザーを用いた穴開け方法によって積層体を貫通し、内層回路まで至るビアホールを形成した後、デスミヤ工程および触媒担持工程を行う。そして、上記第三のプリント配線板の製造方法または第四のプリント配線板の製造方法と同様の方法にて回路が形成される。
次に、積層体として「熱可塑性ポリイミド樹脂層/非熱可塑性ポリイミド樹脂層/金属薄層」からなる積層体を用いた場合におけるプリント配線板の製造方法について説明する。
第五のプリント配線板の製造方法として、まず、熱可塑性ポリイミド樹脂層と非熱可塑性ポリイミド樹脂層とを貫通し、金属薄層に至るまたは金属薄層を貫通するビアホールを形成する。ビアホールの形成は炭酸ガスレーザーやUV−YAGレーザー、パンチング、ドリリング等を用いた穴開け方法によって行うことができる。ビアホール形成後、熱可塑性ポリイミド樹脂層表面およびビアホール内部に生成したスミヤを除去するデスミヤ工程を行い、パラジウム触媒を熱可塑性ポリイミド樹脂層表面に担持させる触媒担持工程を行う。さらに、熱可塑性ポリイミド樹脂層表面およびビアホール内部に無電解銅メッキ膜を形成した後に、無電解銅メッキ膜上にレジスト膜を形成し、露光、現像により回路の形成を予定する部分のレジスト膜を取り除く。次に無電解メッキ膜が露出する部分を給電電極として使用して、電解銅を用いたパターンメッキ方法により回路を形成するための電解銅メッキ膜を形成する。ついでレジスト膜部分を取り除き、不要部分の無電解銅メッキ膜をエッチングにより取り除くことで回路が形成される。
第六のプリント配線板の製造方法は以下のように行われる。まず、熱可塑性ポリイミド樹脂層と非熱可塑性ポリイミド樹脂層を貫通し、金属薄層に至るまたは金属薄層を貫通するビアホールを形成する。上記第五のプリント配線板の製造方法と同様にデスミヤ工程、触媒担持工程を行い、次いで無電解銅メッキ膜を形成する。次に無電解銅メッキ膜上に電解銅を用いたパターンメッキ方法により電解銅メッキ膜を形成し、積層体両面をビアホールによって電気的に接続する。次に電解銅メッキ膜表面にレジスト膜を形成し、露光、現像により回路を形成しない部分のレジスト膜を取り除き、エッチングにより不要な電解銅メッキ膜および無電解銅メッキ膜を取り除くことで回路が形成される。
熱可塑性ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸を作製する方法の一例を以下に説明する。まず、1,2−ビス[2−(4−アミノフェノキシ)エトキシ]エタン(以下、DA3EGという)0.30molと、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(以下、BAPPという)0.70molとをN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFという)に溶解した。そしてこのDMF溶液を撹拌しながら3,3’,4,4’−エチレングリコールジベンゾエートテトラカルボン酸二無水物(以下TMEGという)0.83molおよび3,3’,4,4‘−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下BTDAという)0.17molを加えた。その後、約25℃、約1時間攪拌することにより固形分濃度が20wt%のポリアミド酸のDMF溶液を得た。
次に、熱可塑性ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸を作製する方法の他の例を以下に説明する。BAPPをDMFに均一に溶解し、撹拌しながら酸二無水物として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とエチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)とのモル比が4:1となるように添加し、かつ酸二無水物のモル数と等モルになるようにジアミンを添加して約25℃、約1時間撹拌した。これにより固形分濃度が20wt%のポリアミド酸のDMF溶液を得た。
次に、熱可塑性ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸を作製する方法のさらに他の例を以下に説明する。ジアミンとして1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’−ジヒドロキシベンジジンとをモル比4:1となるようにDMFに溶解した。そして、このDMF溶液を撹拌しながら酸二無水物として4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)をジアミンと等モルになるように添加して約25℃、約1時間撹拌することにより、固形分濃度が20wt%のポリアミド酸のDMF溶液を得た。
次に、本実施例にて用いる有機チオール化合物について以下に説明する。本実施例においては、有機チオール化合物として、アルドリッチ社製の以下の試薬を用いた。有機モノチオール化合物としては、2−マーカプトピリジン(略号:MPY)、2−マーカプトピリミジン(略号:MPM)、2−マーカプトベンゾイミダゾール(略号:MBI)、2−マーカプトベンゾチアゾール(略号:MBT)の4種類を用いた。また、有機ジチオール化合物としては、2,5−ジマーカプト−1,3,4−チアジアゾール(略号:DMT)、2,5−ジマーカプト−1,3,4−チアジアゾール,ジポタシウム塩(略号:DMTN)、2−マーカプトエチルエーテル(略号:DME)、2−マーカプトエチルスルフィド(略号:DMES)の4種類を用いた。さらに、トリアジンチオール化合物として、三協化成(株)社製のトリチオシアヌル酸(略号:TT)、トリチオシアヌル酸モノナトリウム塩(略号:TTN)、6−ジブチルアミノ−1、3,5トリアジンジチオール(略号:DB)、6−ジブチルアミノ−1、3,5トリアジンジチオールモノナトリウム塩(略号:DBN)、6−アニリノ−1、3,5、トリアジンチオール(略号:AF)、6アニリノ−1、3,5、トリアジンチオールモノナトリウム塩(略号:AFN)の6種類を用いた。
本実施例においては、非熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムとして、3種類の鐘淵化学社製アピカルフィルム(AH:厚さ25μm、NPI:厚さ25μm、HP:厚さ25μm)を用いた。
次に、本実施例における積層体の作製方法について説明する。上記の3種類の非熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムをコアフィルムとして用い、その両面あるいは片面に、グラビヤコーターを用いて上記作製法X、YまたはZで作製した熱可塑性ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸のDMF溶液を塗布した。
次に、接着層を作成し、「熱可塑性ポリイミド樹脂層/非熱可塑性ポリイミド樹脂層/接着層」からなる積層体を作製する方法について説明する。窒素雰囲気下でDMFに1当量のビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン(以下BAPS−Mという)を溶解した。DMF溶液を冷却しながら撹拌し、1当量の4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)(以下、BPADAという)を溶解、重合することにより固形分濃度が30重量%のポリアミド酸重合体溶液を得た。このポリアミド酸重合体溶液を200℃、665Paの減圧下で180分加熱することにより、固形の熱可塑性ポリイミド樹脂を得た。上記で得た熱可塑性ポリイミド樹脂と、ノボラック型のエポキシ樹脂(エピコート1032H60:油化シェル社製)と、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(以下、4,4’−DDSとする)とを、各重量比が70/30/9になるように混合し、混合物をジオキソランに固形分濃度が20重量%になるように溶解することによって接着剤溶液を得た。得られた接着剤溶液を上記にて得た「熱可塑性ポリイミド樹脂層/非熱可塑性ポリイミド樹脂層」からなる積層体の非熱可塑性ポリイミド樹脂層上に、乾燥後の厚みが12.5μmになるように塗布し、170℃で2分間乾燥させることにより接着層が形成され、「熱可塑性ポリイミド樹脂層/非熱可塑性ポリイミド樹脂層/接着層」からなる積層体を得た。次に、銅箔が形成された厚さ12μmのガラスエポキシ銅張積層板から内層回路板を作製し、次いで上記の積層体を温度200℃、熱板圧力3MPa、プレス時間2時間、真空条件1KPaの条件で真空プレスすることにより内層回路板に積層、硬化した。
上記手法にて得た積層体の熱可塑性ポリイミド樹脂層と、熱可塑性ポリイミド樹脂層上に形成する無電解メッキ膜との接着強度を、IPC―TM−650−method.2.4.9に従い、パターン幅3mm、剥離角度90度、剥離速度50mm/minで測定した。
上記接着強度の耐環境安定性を調べる目的でプレッシャークッカー試験を、121℃、100%RH、96時間、の条件下で行った。
光波干渉式表面粗さ計ZYGO社製NewView5030システムを用いて、下記の条件でフィルム表面の表面粗度Rz(十点平均粗さ)を測定した。
(測定条件)
対物レンズ:50倍ミラウ、イメージズーム:2、FDA Res:Normal
解析条件:
リムーブ(Remove):シリンダー、フィルター:High Pass
フィルター下限開口径(Filter Low Waven):0.002mm
(平均熱膨張係数の測定)
平均熱膨張係数の測定は、下記条件でTMA−50(商品名、島津製作所製)を使用して測定し、測定結果における100℃〜200℃間の平均の熱膨張率を試料の熱膨張率とした。
測定方法:引張モード(試料にかかる荷重が0gとなるように調整)
昇温速度:10℃/分
測定範囲:30℃〜300℃
(実施例1〜18)
上記作製法X、YまたはZにて作製したポリアミド酸のDMF溶液に6種類のトリアジンチオール化合物(TT、TTN、AF、AFN、DB、DBN)を個別に添加することによって18種類の熱可塑性ポリイミド樹脂からなる単層シートを作製した。その後、熱可塑性ポリイミド樹脂フィルム上に電解銅メッキ層を形成して接着強度等の測定を行った。以下具体的に説明する。まず、上記6種類のトリアジンチオール誘導体のうちの1つを、上記作製法X、YまたはZにて作製したポリアミド酸のDMF溶液に、ポリイミド樹脂組成物量に対して重量比で0.1%となるように添加した。添加後、ポリアミド酸のDMF溶液をアルムニウム箔表面に塗布し、剥離後熱処理する方法で熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムを作製した。熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムの厚さは25μmとした。なお、比較のためにトリアジンチオール誘導体を添加していない熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムも作製した。そして、上記各熱可塑性ポリイミド樹脂フィルム上に無電解銅メッキ膜を形成した。具体的な無電解銅メッキ膜形成の条件は表1に示す通りであり、その工程条件はアトテック社の無電解銅メッキプロセスに準じた条件にて行った。
上記作製法Xにて作製したポリアミド酸のDMF溶液に8種類の有機チオール化合物(MPY、MPM、MBI、MBT、DMT、DMTN、DME、DMES)を個別に添加することによって8種類の熱可塑性ポリイミド樹脂からなる単層シートを作製した。その後、熱可塑性ポリイミド樹脂フィルム上に電解銅メッキ膜を形成して接着強度等の測定を行った。以下具体的に説明する。まず、上記8種類の有機チオール化合物のうちの1つを、上記作製法Xにて作製したポリアミド酸のDMF溶液に、ポリイミド樹脂組成物量に対して重量比で0.1%となるように添加した。添加後、ポリアミド酸のDMF溶液をアルミニウム箔表面に塗布し、剥離後熱処理する方法で熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムを作製した。そして、上記実施例1の方法と同じ方法を用いて無電解銅メッキ膜、および電解銅メッキ膜を形成し、常温での接着強度、プレッシャークッカー試験後の接着強度を測定した。その結果を表3に示す。表3に示すように、有機モノチオール化合物を添加した熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムを用いた場合の接着強度はいずれも6N/cm以上であり、有機ジチオール化合物を添加した熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムを用いた場合の接着強度は8N/cm以上となっており、いずれの場合も優れた接着強度を示した。また、PCT試験後の接着強度もそれぞれ3N/cm以上、5N/cm以上であり、本発明の有効性が確認できた。
上記作製法Xにて作製したポリアミド酸のDMF溶液に2種類のトリアジンチオール誘導体(TT、DB)を、ポリイミド樹脂組成物量に対する添加量を変えて個別に添加することによって12種類の熱可塑性ポリイミド樹脂からなる単層シートを作製した。その後、熱可塑性ポリイミド樹脂フィルム上に電解銅メッキ膜を形成して接着強度等の測定を行った。以下具体的に説明する。まず、上記2種類のトリアジンチオール誘導体のうちの1つを、上記作製法Xにて作製したポリアミド酸のDMF溶液に、ポリイミド樹脂組成物量に対して重量比で0.001%、0.1%、1%、4%、および10%となるように添加した。添加後、ポリアミド酸のDMF溶液をアルミニウム箔表面に塗布し、剥離後熱処理する方法で熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムを作製した。熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムの厚さは25μmとした。そして、上記実施例1の方法と同じ方法を用いて無電解銅メッキ膜、および電解銅メッキ膜を形成し、常温での接着強度、プレッシャークッカー試験後の接着強度を測定した。その結果を表4に示す。表4に示すように、トリアジンチオール誘導体の添加量としては10%以下が適当で、0.001%の添加量でも本発明の効果を認めることが出来た。
本参考例では、作製法X、YまたはZにて作製したポリアミド酸のDMF溶液に有機チオール化合物を添加することにより熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムを作製するのではなく、熱可塑性ポリイミド樹脂フィルム上に無電解銅メッキ膜を形成する工程の中で有機チオール化合物を添加することによって、有機チオール化合物が担持された熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムを作製し、その接着強度等を測定した。
本参考例では、作製法X、YまたはZにて作製したポリアミド酸のDMF溶液に有機チオール化合物を添加することにより熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムを作製するのではなく、熱可塑性ポリイミド樹脂フィルム上に無電解銅メッキ膜を形成する工程のクリーナーコンディショナー液による処理の後に、有機チオール化合物を添加することによって、有機チオール化合物が担持された熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムを作製し、その接着強度等を測定した。
次に、市販のフィルムと熱可塑性ポリイミド樹脂層との積層体を作成した後に、熱可塑性ポリイミド樹脂層上に電解銅メッキ膜を形成して接着強度等を測定した。
次に、非熱可塑性ポリイミド樹脂層と熱可塑性ポリイミド樹脂層とからなる積層体を作製した後に、熱可塑性ポリイミド樹脂層上に無電解銅メッキ膜、電解銅メッキ膜を形成して接着強度等を測定した。
次に、非熱可塑性ポリイミド樹脂層の両面に熱可塑性ポリイミド樹脂層を積層した積層体を作成し、積層体の熱膨張係数を測定した。また、熱可塑性ポリイミド樹脂層上に電解銅メッキ膜を形成して接着強度等を測定した。
次に、Y/HP/Y(Yの厚さは4μm、HPの厚さは25μm)の構成を有する積層体を作製し、この積層体を用いて以下の方法で回路を形成した。
次に、X/HP/Cu(Xの厚さは1μm、HPの厚さは25μm、銅箔層の厚さは15μm)の構成を有する積層体を作製し、この積層体を用いて以下の方法で回路を形成した。
レジスト(旭化成ドライレジストAQ)をコーティングし、露光、現像を行った後に、通常のサブトラクティブ法を用いることにより熱可塑性ポリイミド樹脂層側の表面にはライン/スペースの値が20μm/20μmである回路が、銅箔層側の表面にはライン/スペースの値が100μm/100μmである回路が形成されたプリント配線板を得た。エッチング液には塩化第二鉄水溶液を用いた。得られたプリント配線板は設計値通りのライン/スペースの値を有しており、また、回路パターンは9N/cmの強度で強固に接着していた。
次に、「熱可塑性ポリイミド樹脂層/非熱可塑性ポリイミド樹脂層/接着層」の構成を有する積層体を作成し、この積層体を用いて以下の方法で回路を形成した。
Claims (8)
- ポリイミド樹脂組成物からなる層と、高分子フィルムとが積層された積層体であって、
上記ポリイミド樹脂組成物からなる層は、上記高分子フィルムの片面または両面に積層され、
上記ポリイミド樹脂組成物は、
少なくとも有機チオール化合物を、熱可塑性ポリイミド樹脂に添加してなり、
上記有機チオール化合物は、
一般式(2)
一般式(3)
で示される、トリアジンジチオール誘導体またはトリアジントリチオール誘導体であり、
上記熱可塑性ポリイミド樹脂は、
一般式(1)
にて表される構造を有するポリイミド前駆体から得られるポリイミド樹脂であり、
上記一般式(1)中のAおよびBは、群(1)
上記一般式(1)中のXおよびYは、群(2)
- 上記高分子フィルムは、非熱可塑性ポリイミド樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 上記ポリイミド樹脂組成物からなる層と、上記非熱可塑性ポリイミド樹脂からなる層と、金属薄層とがこの順に積層されていることを特徴とする請求項2に記載の積層体。
- 上記ポリイミド樹脂組成物からなる層と、上記非熱可塑性ポリイミド樹脂からなる層と、接着層とがこの順に積層されていることを特徴とする請求項2に記載の積層体。
- 上記ポリイミド樹脂組成物は、上記熱可塑性ポリイミド樹脂に対する重量比で0.001%以上、0.01%以下の範囲内で上記有機チオール化合物を含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載の積層体を用いてなることを特徴とするプリント配線板。
- ポリイミド樹脂組成物を用いてなる単層シートを用いてなるプリント配線板であり、
上記ポリイミド樹脂組成物は、
少なくとも有機チオール化合物を、熱可塑性ポリイミド樹脂に添加してなり、
上記有機チオール化合物は、
一般式(2)
一般式(3)
で示される、トリアジンジチオール誘導体またはトリアジントリチオール誘導体であり、
上記熱可塑性ポリイミド樹脂は、
一般式(1)
にて表される構造を有するポリイミド前駆体から得られるポリイミド樹脂であり、
上記一般式(1)中のAおよびBは、群(1)
上記一般式(1)中のXおよびYは、群(2)
- 上記ポリイミド樹脂組成物は、上記熱可塑性ポリイミド樹脂に対する重量比で0.001%以上、0.01%以下の範囲内で上記有機チオール化合物を含有していることを特徴とする請求項7に記載のプリント配線板。
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