JP4638645B2 - 酵素活性の存在を検出するための色原体基質の使用 - Google Patents
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Description
【0001】
【従来の技術】
かなり以前から、微生物の特徴的な酵素活性の有無を決定するために特別な基質が用いられてきた。基質を選択することで、反応の有無から、微生物の属の種類を特徴づける、またはある特定の微生物属の株および/または種を識別することが可能である。
【0002】
酵素の合成基質は二つの部分から成り、明らかにすべき酵素活性の特異的な第1部分を下記で標的部分と呼び、マーカーの代用となる第2部分を下記でマーカー部分と呼ぶ。
【0003】
これらの特殊な基質は蛍光体または色原体であってもよい。実際には、これは第2マーカー部分、または一つまたは複数のその他の化合物とのその反応による生成物であり、この第2部分が第1の標的部分ともはや結合しない場合に、蛍光体または色原体である。この件については、本出願人の名において登録されている特許出願PCT/FR99/00781を参照されたい。
【0004】
本件の場合、これはアリザリンまたはアントラロビン(Anthrarobines)をベースにした色原体基質であり、一般にこの基質の形態下に僅かに着色される。しかしながら、マーカー部分による着色は、ヒドロラーゼにより、したがって前記マーカー部分に対する標的部分の分離により強化されるおよび/または変化する。好ましくは、金属塩、アルカリ性pHのような検出体の存在が、得られた生成物の着色特性を向上させる。
【0005】
着色された金属キレートを形成するアリザリンの能力は19世紀に発見された。アリザリンが初めて植物 Rubia tinctorum(アカネ科セイヨウアカネ)から単離された1826年以来、その着色特性が衣服の染色に使われてきた。
【0006】
アリザリンの全面的な合成は、GraebeおよびLiebermannにより1869年に記載されている。同年、W.H.Perkinは、下記の式のアントラセン核のR3、R4、R5、R6、R7、R8の各位置上のさまざまな置換基を提案することで、合成することのできるアリザリンの数を拡大した。
【0007】
【化3】
【0008】
アリザリンは着色剤でないが、金属性酸化物を伴う不溶性の染料を形成する。たとえば、位置R3がスルフォン基により置換されている場合、アルミニウム塩とのキレート化により鮮やかな深紅色になり、クロムとのキレート化では赤紫色になる。その他の例では、3−ニトロアリザリンおよび4−ニトロアリザリンは、それらに結合した金属塩に応じてさまざまな着色キレートを産出する。染色においてアリザリンによりもたらされるメリットは、大部分、このように形成された金属キレートの、石鹸、酸、水酸化アルカリ金属等に対する安定性である。
【0009】
簡単に合成できる各種アリザリンの中で、特に3−ニトロアリザリンおよび4−ニトロアリザリンから得られる4−アミノアリザリンに注目する。4−アミノアリザリンは下記の式で表される。
【0010】
【化4】
【0011】
この分子はアルミニウムの存在下に赤紫色を出すため、特に興味深い分子である。さらにこの分子は、アルザリンキノリン(その一例、緑色のアリザリンα−キノリンは下記の式で表される)の当業者に公知のSkraup反応を使った合成の出発点として使用される。
【0012】
【化5】
【0013】
置換反応および環化反応によって、さまざまな性質を有する修飾された広い範囲のアリザリンを得ることができる。
【0014】
技術明細書にはまた、生物学的および生物医学的適用がすでに存在することが示されている。キレートの存在下のヒドロキシアントラキノンは素早く反応するため、生物学的試料における金属の有無の判断テストに優先的に用いられている。
【0015】
デソキシアリザリンまたはアントラセン−1,2,10−トリオールとも呼ばれる、アリザリンの還元生成物であるアントラビンはすでに当業者に公知である。この還元は、水酸化亜鉛またはアンモニア水、2価のスズを含む酸塩化物、等の反応により起こる。この化合物の一般式は次の通りである。
【0016】
【化6】
【0017】
しかし、酵素活性の検出基質としてのアリザリン、アントラキノン誘導体またはアントラビンの使用については今のところ明らかな情報はまったくない。したがってアリザリンに対して少なくとも一つの標的部分を固定するための基質の合成が必要である。これらの基質は、マーカーと標的の二つの部分において加水分解が起こらなくなった瞬間から、金属イオンの存在下には反応しないという利点がある。一方不溶性キレートの形成は次のような本質的な利点がある。
・低濃度であっても感度は非常に高く、そのための基質は少量でよい、
・反応媒質の組成物、および特に多価カチオン(その定義は本明細書の終わりの特別項目に示されている)および/または使用されるpHにより容易に適用の要求に適合させることが可能な加水分解生成物の色、
・必要な基質が簡単に合成でき、しかも(上記で言及した高い感受性のため)量も少なくてすみ、このため製造価格を低く抑えることができる、
・色の拡散が非常に僅かで、このためコロニーを容易に分離および識別できる、・(上記で言及した高い感受性のおかげで)使用する基質は少量であるので阻害は僅かである。
【0018】
したがってアリザリンの各誘導体は、Koenigs−Knorr(Koenings,W.and KnorrE.,34,957,1901)というかなり古典的な方法を用いて合成され、主にグリコシドに結合されてきた。α−グリコシドに関しては、これらの合成はHelferich法により行われる(Helferich B.ら、Ber.,66,378(1933)およびBer.,77,194(1944)。その他の誘導体は、脂肪酸の短い鎖を有するエステル、およびリン酸エステルまたは硫酸エステルに結合されている。
【0019】
今日使用されている基質は、たとえば、下記で本発明による基質の一つであるアリザリン−β−D−ガラクトシドとの比較研究の対象になる5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシドである。
【0020】
本発明に準じて、本発明による基質は技術明細書に記載されている基質よりも著しく有効である。このようにこれらの基質は、研究対照となる同一の酵素活性に対してより多くの微生物の種および/または株を検出する。
【0021】
本発明による基質は多少なりと他の文献にも記載されている。
たとえば、マサワキ・テルユキらの論文「Selective solvent extraction of ruberythric acid from madder roots and subsequent hydrolysis with −glucosidase≫,J.Ferment.Bioeng.(1996),81(6), 567−569,」は、これらを着色料として使用するために、選択溶媒を使ってアカネの根からアントラキノンを抽出することに関するものである。その目的は特に糖に結合したアリザリン−2−o−プリメベロシド等のアントラキノンの中からアリザリンを抽出することである。このためにβ−グルコシダーゼを介してアリザリン−2−o−プリメベロシドを加水分解する。
【0022】
もう一つの論文は「Van der Plas,Linus H.W.らの ≪Anthraquinone glycosylation and hydrolysis in Morinda citrifolia cell suspensions.Regulation and function ≫,J.Plant.Physiol.,(1998),152(2/3),235−241,」に由来するものであり、糖の存在に対する植物の細胞内のグリコシル化したプリメベロシドの生物学的解釈を提案している(240頁、第1欄、第3段落)。この始まりはある種のアントラキノンの加水分解に因る。
【0023】
最後の文献は、Mateju.J.らの突然変異種 Streptomyces aureofaciens B96の『グリコシド化』活性に関する「Microbial glucosidation if dihydroxyanthraquinones. General properties of glucosidation system 」,Folia Microbiol.(Prague)(1974),19(4),307−316」に由来するものである。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの論文は本出願人の発明とは間接的なつながりしかない。確かにこれらすべての論文がアリザリン(またのその他のアントラキノン)をベースにした基質について論じているが、多様性において限界があり(言及されている分子も僅かである)、すべてが生合成により得られている(最初の二つの論文では、プリメベロシドと植物による生成物を結合させた基質、3番目の論文では、多種のグリコシドとバクテリア Streptomyces griseusによる生成物を結合させた基質)。 さらにこれらの基質は酵素検出のための診断テストの役目は果たさない。
【0025】
【課題を解決するための手段】
この目的のために、本発明は、下記の一般式、
【0026】
【化7】
(式中、
−R1は標的部分またはH、R2は標的部分またはH、R1およびR2の少なくとも一つは標的部分である、
−R3はH、SO3H、Cl、Br、F、I、NO2、NH2、NR9R10、アシルアミノ、アミノアリール、またはNHCOX型のアミノアシルアミノであり、アルキル、アリールおよびアラルキルまたはアラニンのようなα-アミノ酸残基に等しいXを伴う、
−R4はH、SO3H、Cl、Br、F、I、NO2、NH2、NR9R10、OH、アシルアミノ、アミノアリール、またはNHCOX型のアミノアシルアミノであり、アルキル、アリールおよびアラルキルまたはアラニンのようなα-アミノ酸残基に等しいXを伴う、
−異なる別の方法により、R3およびR4は互いに連結して少なくとも5員環、好ましくは6員環を形成する、
−R5、R6、R7、R8はそれぞれ次の原子または原子団、すなわちH、ハロゲン、特にClまたはBr、OH、SO3H、アルキルまたはアルコキシの一つから成る。
−R9およびR10は、それぞれ独立して、メチル、アルキル、アリール、アラルキルから成り、または一方で、R9またはR10は環(ピペリジン、ピロリジン、モルフォリン、等)を構成し、他方でR10またはR9は水素原子である)
で表される色原体基質の使用であって、酵素活性の有無を検出することができる色原体基質の使用である。
【0027】
特別な場合において、中央環のケトンは水酸化物原子団の形態下に還元されており、水酸化物原子団において水素原子の少なくとも一つは場合によってはメチル、アルキル、アリール、アラルキル原子団により代えられている。
【0028】
本発明はまた、下記の一般式
【0029】
【化8】
(式中、
−R1は標的部分またはH、R2は標的部分またはH、R1およびR2の少なくとも一つは標的部分である、
−R3はH、SO3H、Cl、Br、F、I、NO2、NH2、NR9R10、アシルアミノ、アミノアリール、またはNHCOX型のアミノアシルアミノであり、アルキル、アリールおよびアラルキルまたはアラニンのようなα-アミノ酸残基に等しいXを伴う、
−R4はH、SO3H、Cl、Br、F、I、NO2、NH2、NR9R10、OH、アシルアミノ、アミノアリール、またはNHCOX型のアミノアシルアミノであり、アルキル、アリールおよびアラルキルまたはアラニンのようなα-アミノ酸残基に等しいXを伴う、
−異なる別の方法により、R3およびR4は互いに連結して少なくとも5員環、好ましくは6員環を形成する、
−R5、R6、R7、R8はそれぞれ次の原子または原子団の一つから成る。すなわちH、ハロゲン、特にClまたはBr、OH、SO3H、アルキルまたはアルコキシ、
−R9およびR10は、それぞれ独立して、メチル、アルキル、アリール、アラルキルから成り、または一方で、R9またはR10は環(ピペリジン、ピロリジン、モルフォリン、等)を構成し、他方でR10またはR9は水素原子である、
−R11は次の原子または原子団の一つから成る。すなわち、H、SO3H、Cl、Br、F、I、NO2、NH2、NR9R10、アルキル、アリール、アラルキル、アシルアミノ、アミノアリール、またはNHCOX型のアミノアシルアミノであり、アルキル、アリール、アラルキルまたはα-アミノ酸残基に等しいXを伴う、
−R12はH、メチル、アルキル、アリール、アラルキルから成る)
で表される色原体基質の使用であって、酵素活性の有無を検出することができる色原体基質の使用である。
【0030】
上記基質の一つが加水分解されている特殊な例では、マーカー部分は、位置1および2で二つの水酸基を有するアリザリンから成る。この分子は別名1,2−ジヒドロキシアントラキノン−α−D−ガラクトシドであり、その一般式は、ガラクトースによって成る標的部分に結合しており、以下の通りである。
【0031】
【化9】
【0032】
βカラクトシダーゼによるその加水分解生成物は、以下の構造式の、鉄塩の存在下の、キレートを形成している。
【0033】
【化10】
【0034】
上記の展開されたすべてのモデルケースにおいて好ましくは、R1はH、R2は標的部分である。
【0035】
より詳しくは、標的部分は以下の分子の一つから成る。
−水酸基にαまたはβにおいて連結しているモノ−、ジ−および/またはポリサッカリドから成るグルコシド、
−α-アミノ酸またはペプチド、
−−O−CO−(CH2)n−CH3のような有機酸、nは0〜20、
−硫酸塩、燐酸塩、ピロ硫酸塩、ピロ燐酸塩または燐酸ジエステル。
【0036】
特殊な場合において、R3およびR4は、好ましくはR3またはR4に隣接するNと共に置換されたまたはされていないC3Nの鎖により構成され、互いに連結して6員環を形成している。
【0037】
前記のような、酵素活性の有無を検出するための少なくとも一つの基質の第1使用方法により、本方法は、
−標的部分が、検出すべき酵素活性と関連している少なくとも一つの基質を、そのそのような酵素活性を有する少なくとも一つの微生物を含んでいると思われる試料および少なくとも一つのカチオン型の存在下に配置する、
−不溶性の着色されたキレートの形成を観察する、
工程から成る。
【0038】
好ましくは、基質は、酵素活性により解放されるマーカー部分に対して適応した少なくとも一つのカチオン型の存在下に配置される。
【0039】
さらに好ましくは、不溶性キレートを形成するために用いられてもよいカチオン型にはFe2+、Al3+、Mn2 +、Sn2+またはCu2+がある。
【0040】
少なくとも二つの異なる酵素活性の存在を検出することができるように、上記のような少なくとも二つの基質を使用する場合、使用方法は、
−その標的部分が、検出すべき少なくとも二つの酵素活性と関連している少なくとも二つの基質を、このような酵素活性を有する少なくとも一つの微生物を含んでいると思われる試料、および少なくとも一つのカチオン型の存在下に配置する、
−少なくとも二つの異なる着色または第3の着色の出現を観察する、
工程から成る。
【0041】
この後者の場合、基質は、酵素活性により解放されるマーカー部分に対して適応した少なくとも一つの、好ましくは唯一つのカチオン型の存在下に配置される。
【0042】
これらすべてのモデルケースにおいて、酵素活性の存在の検出を可能とするための、上記のような少なくとも一つの基質の使用、またはすでに上記した使用と組み合わせたこの使用は、
−その標的部分が、検出すべき酵素活性と関連している少なくとも一つの基質を、このような酵素活性を有する少なくとも一つの微生物を含んでいると思われる試料の存在下に、適切なpHを有する反応媒質内に配置する、
−少なくとも一つの着色の出現を観察する、
工程から成る。
【0043】
好ましくは、少なくとも二つの基質を使用する場合、酵素活性により解放されるマーカー部分に対して適応した唯一つのカチオン型を使用する。
【0044】
好ましい使用方法により、上記の各使用では、一つまたは複数の微生物を一つまたは複数の基質を含む培地に押し出す中間工程が含まれる。
【0045】
グリコシダーゼ酵素活性を検出することが望まれる場合は、標的部分には特に次を用いる。
・グルコース、
・ガラクトース
・マンノース
・キシロース
・グルクロン酸、または
・N−アセチルグルコサミン。
【0046】
ホスファターゼ酵素活性を検出することが望まれる場合は、標的部分として特に燐酸または置換誘導体を用いる。
【0047】
スルファターゼ酵素活性を検出することが望まれる場合は、標的部分として特に硫酸または置換誘導体を用いる。
【0048】
リパーゼまたはホスファリパーゼ酵素活性を検出することが望まれる場合は、標的部分として特に次のものを用いる。
・飽和または不飽和脂肪酸、または置換誘導体、
・酢酸または置換誘導体、
・酪酸または置換誘導体、
・オクタン酸または置換誘導体、または
・イノシトール−1−燐酸のようなエステル化された燐酸基。
【0049】
本発明はまた、上記で定義されたような少なくとも一つの基質および培地を含む、微生物の少なくとも一つの株および/または種を検出することができる組成物にも関する。
【0050】
組成物が少なくとも二つの基質を含む場合、反応後の生成物は、微生物の少なくとも一つの株または種の顕現されたさまざまな酵素活性を識別できる異なる色を呈している。
【0051】
好ましくは組成物は、液体、ゲル化されたまたは固体(たとえば適当な液体中で戻すことができる乾燥したもの)の培地により構成される。
【0052】
さらに好ましくは、基質の濃度は10〜500mg/リットル、好ましくは30〜150mg/リットル、さらにより好ましくは50mg/リットルである。
【0053】
したがって本発明は、一方で存在を検出することが望まれる微生物または酵素の存在下に、他方でさらに場合によってはカチオンの存在下に、特殊な色を呈する、初期に僅かに着色される新規の基質に関する。本発明はまたこの基質によって行われうる使用、ならびにこの基質を含む組成物にも関する。
【0054】
カチオンの存在は特に興味深いものであるが、しかしながらこれなしで済ますことも可能である。その場合は、好ましくはアルカリpHを有する組成物を使用することも可能である。また二つの条件、すなわちカチオンとアルカリ性pH両方を合わせてもよい。
【0055】
使用するカチオンが異なると、テストされた微生物のコロニーは異なる色になる。鉄、マンガン、スズ、アルミニウム等のこれらのカチオンは、テストされる試料中に存在する自由イオンによる阻害を避けるまたはこれを最小限にするために、きわめて低い濃度で使用される。
【0056】
しかし、ある種の金属イオンはより高い濃度で、特別な微生物種を選別することができる選択的な阻害性をもち、これは付加的な有利点となる。
【0057】
【発明の実施の形態】
基質の合成
1)アリザリン−2−β−D−グルコシド
ロバートソンら(J.Chem.Soc.(1930),1136および(1933),1167)により、アリザリンは位置2の水酸基のレベルで特異的にグリコシル化されており、位置1での固定も可能であるが、位置2での共役がより容易である。
【0058】
この基質はロバートソンにより記載された(1933年)、しかし変更されている方法を用いて調製される。6gのアリザリン試料がアセトン70ml内で懸濁され、0.28mol/リットルの水酸化カリウム70mlと混合されて、塩を形成する。これに、アセト−ブロモ−グルコース6.6gを含み、エーテルおよびアセトンを1:1の割合で含む混合物40mlを会合させる。約14時間撹拌する。続いてアセトン中に、1.25mol/リットルの水酸化カリウム7ml、次にアセト−ブロモーグルコース0.6モル/リットル15mlを添加する。予備混合物をさらに約10時間撹拌する。エーテルおよびアセトンを減圧下に抽出し、冷却させた酢酸を添加してpHを約5.5に戻す。混合物および反応しなかったアリザリンを濾過し、水で洗浄して、一晩かけて50℃で乾燥する。
【0059】
このようにして黄色の固体を得、これを冷却した酢酸70ml中に懸濁状態にして、5分間環流させる。これにより冷却し、濾過する、さらに酢酸により洗浄することができる。続いて濾過物を1時間別にしておき、残留アリザリンから分離する。この手順を10℃で繰り返し、濃い黄色の濾過物を得る。
【0060】
こうして得られたものを乾燥させて、二塩化メタン200ml中に溶解し、続いてトリエチルアミン2mlを添加する。酸化アルミニウムを溶液中であらかじめ混合し、試料テストを行って、薄層クロマトグラフィー(CCM)によりアリザリンが残っていないことが示されるまで混合を続ける。酸化アルミニウムを抽出し、残留溶液を回転にかけて蒸発させ、黄色の固体を生成する。この固体を、数滴の酢酸の存在下に、加熱したエタノールから再結晶化し、アリザリンテトラアセチル−グルコシド2.02gを得る。
【0061】
アリザリンテトラアセチル−グルコシド1.1gをエタノール60ml中に懸濁状態にして、そこへ0.125mol/リットルの水性水酸化ナトリウム30mlを添加して、赤色の溶液を生成する。この状態を65℃で10分間維持して、次いで0℃まで冷却する。次にグリコシル化された赤色のアリザリンのナトリウム塩を真空濾過で抽出し、エーテルで洗浄して、乾燥する。この方法でアリザリン−2−β−グルコシドのナトリウム塩を0.9g得ることができる。この生成物を当業者に公知の技術により精製して、アリザリン−2−β−D−グルコシドを得ることも可能である。
【0062】
2)アリザリン−2−β−D−ガラクトシドの合成
この基質もまた、ロバートソンにより記述され(1933年)、しかし修正されている方法を用いて調製される。アリザリン6gである試料をアセトン70ml中に懸濁状態にして、0.28mol/リットルの水酸化カリウム70mlと混合して塩を形成させる。これに、エーテルおよびアセトンを1:1の割合で含み、アセト−ブロモ−ガラクトース6.6gを含む混合物40mlを会合させる。約14時間撹拌する。続いてアセトン中に、1.25mol/リットルの水性水酸化カリウム7ml、続いてアセト−ブロモ−ガラクトシド10.6モル/リットル5mlを添加する。さらにこの予備混合物を約10時間撹拌する。エーテルおよびアセトンを減圧下に抽出し、冷却した酢酸を添加することでpHを約5.5に戻す。混合物および反応しなかったアリザリンを濾過し、水で洗浄して、50℃で一晩かけて乾燥させる。
【0063】
得られたものを二塩化メタン200ml中に溶解し、次いでトリエチルアミン2mlを添加する。酸化アルミニウムを、試料テストを行ってCCMによりアリザリンが残っていないことが示されるまで溶液中に添加する。酸化アルミニウムを抽出し、残留溶液を回転させることで蒸発し、黄色の固体を生成する。この固体を数滴の酢酸の存在下に加熱したエタノールから再結晶化して、アリザリンテトラアセチル−ガラクトシド1.96gを得る。
【0064】
アリザリンテトラアセチル−ガラクトシド1.1gをエタノール60ml中に再懸濁化して、そこへ0.125mol/リットルの水性水酸化ナトリウム30mlを添加して赤色の溶液を生成する。この状態を65℃で10分間維持し、次いで0℃まで冷却する。次にグリコシル化された赤色のアリザリンのナトリウム塩を真空濾過により抽出して、エーテルで洗浄して、乾燥する。この方法により、赤色の微晶質粉末形態下のアリザリン−2−β−D−ガラクトシドのナトリウム塩0.86gを得ることができる。
【0065】
3)アリザリン−2−酢酸塩の合成
この基質は当業者に公知の技術により調製する。アリザリン2グラムをピリジン5ml中に溶解し、無水酢酸2.5mlおよびピリジン5mlの混合物で処理する。室温に16時間放置した後、黄色の溶液を、氷を入れた塩酸100ml中に注ぐ。酢酸塩の沈殿物を吸込み濾過により抽出し、水で洗浄する。水性のアセトンを再結晶化することで、黄色の結晶形態下のアリザリン−2−酢酸塩1.4gを得ることができる。
【0066】
4)アリザリン−2−硫酸塩の合成
この基質は、ピリジン−三酸化硫化物錯体4gを含むピリジン10ml中に、アリザリン2.4g、すなわち10ミリモルを加熱して調製する。60℃で2時間放置した後、ピリジンを減圧下に抜き取る。pH9のメタノールカリウムを細かく分けて添加することで、カリウム塩のように、硫酸エステルを結晶化する。カリウム塩が徐々に形成されていき、これを吸込み濾過で抜き取り、エーテルで洗浄して白色の微晶質粉末であるアリザリン−2−硫酸塩1.2gを産出する。
【0067】
5)アリザリン−1−ガラクトシドの合成
この基質は、上記第3章に記載されたアリザリン−2−酢酸塩から調製する。これらのエステル2.82g、すなわち10ミリモルを二塩化メタン75mlの存在下に混合し、この混合物に2,4,6−コリジンまたは2,6−ルチジンを2〜3ml添加して、深い赤紫色の溶液を得る。1時間放置した後、WolfromおよびLineback《Methods in Carbohydrate Chemistry》(1963),342−43に従って調製した炭酸銀、次いでアセト−ブロモ−ガラクトース5g、すなわち12.5ミリモルを添加する。反応は室温、すなわち10〜15℃で、二日間容器中で撹拌しながら続けられる。薄層クロマトグラフィーにより、クロマトグラフィー上を急速に移動するテトラ−アセチル−ガラクトシドの段階的変換が示される。懸濁液はシリカまたは粗珪藻岩床で濾過され、濾過添加物を、必要量の、すなわち約100mlのジクロロメタンで洗浄する。次にジクロロメタン化合物の溶液を、塩化水素酸0.2M(3×100ml)の存在下に、水(×2)で洗浄する。乾燥後(MgSO4)、澄んだ褐色の抽出物を減圧下で気化させ、メタノール中に再び溶解する。薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル/トルエン3:1)は急速に移動する成分の存在を示し、紫外線および硫酸に対して陽性反応を示す。次に保護されたガラクトシドは、すでに記述されたようにメタノール中でナトリウムメトキシドを使用して脱アセチル化を行い、アリザリン−1−ガラクトシド1.32gを産出する。
【0068】
6)アリザリン−1−燐酸塩−2−オクタン酸塩の合成
この基質は、ジクロロメタン100mlおよびトリエチルアミン3ml中に2.4g、すなわち10mmolを反応させて調製する。さらにこの溶液に、塩化オクタノイル (Chlorure d’octanoyl)1.62g、すなわち10mmolを、室温でゆっくりと30分かけて混合しながら添加する。オクタン酸塩をすでに記載されているようにアルミナで処理して純化し、メタノール中で溶媒および結晶体を抽出して単離する。−12℃まで冷却した後、オクタン酸塩1.84g、すなわち5mmolを、乾燥アセトニトリル30ml中で、
・四塩化炭素3.6g、
・ジイソプロピルエチルアミン1.6g、
・4−ジメチルアミノピリジン80mg、
により連続して処理する。
低温で約2分間放置した後、ジベンジル−亜燐酸塩2.2gを含む溶液をアセトニトリル8ml中に加える。これにより著しく温度が上昇するのを避ける。1時間後、混合物は、Silverberg L.J.,Dillon J.L.および Vermeshetti P.,Tet.Lett.,37 No.6(1996年)により記載されているように使用し、ジベンジル−ホスホリルエステルは、溶媒として酢酸エチル30mlをパラジウム/炭素触媒(10%w/w)0.4gと共に用いることで、水素により破壊する。次に、酢酸エチルをメタノール中に溶液に戻すことで抜き取り、pH8の水性メタノール中に炭酸カリウム溶液を慎重に添加した後、カリウム塩と同じく燐酸エステルを単離する。アリザリン−1−燐酸−2−オクタン酸塩のカリウム塩沈殿物を収集して、メタノールで洗浄し、エステル2.05gを真空下に乾燥して、さらなる純化は行わず使用する。
【0069】
7)デオキシアリザリンの合成
このタイプの基質は、Liebermann−Ber.,21 444(1888)に開示された合成に従って調製される。還元されたアントラキノンの9−および10−O−メチル誘導体の合成については、1,2−ジオル全体を、当業者に公知の、すなわち Schelin−Acta.Chem.Scand.20 1182(1966)に記載されているような、ホウ酸との錯体 (complexion)による、またはアセトアルデヒドジメチル酢酸塩の使用(エチリデンによる保護)による適切なプロセスを用いてメチル化によりあらかじめ保護する。
【0070】
適用
数多くの適用が可能である。
1.固体培地におけるまたは薄膜上の特殊微生物種の検出および位置決定。
2.組織または細胞抽出物から、または真核細胞または原核細胞浮遊液から、溶液状態での酵素活性の検出。
3.酵素活性の存在に基づく有機体の特定。
4.ELISA技法のような、抗原および抗体との間の特殊反応の視覚化および位置決定。指標酵素としてβ−ガラクトシダーゼまたはアルカリ性ホスファターゼ活性を明らかにする技術に対して、たとえばアリザリン−β−ガラクトシドまたはアリザリン−燐酸塩を使用してもよい。この場合、酵素基質は、たとえばACOMEN版,Lyon,109〜133頁(1988年)のY.Barbierにより統括された「理論から実践への免疫調合」のように、酵素活性(特にアルカリ性ホスファターゼまたはβ−ガラクトシダーゼ)をELISAフォーマットによる抗体または抗原検出反応のように作用させる、検出反応おいて、あるいはたとえば「DNAプローブ」第2版、Keller G.H.,Manak,M.M.,Stockton press,第5〜9節(1993年)のような核酸検出において最初に使用される。
5.たとえばβ−ガラクトシダーゼの遺伝子の存在を証明する必要がある分子生物学技術およびその使用「分子クローニング実験室マニュアル」第2版、Sambrook,Fritsch,Cold Spring Harbor Laboratory Press,第16.56、1.85節(1989年)。
6.組織化学、細胞化学技術またはフロー細胞数測定による技術。特殊な酵素活性と関連のあるこのような基質は医学診断、さらに水質、環境、食物等の分析といったその他の分野に用途がある。
7.ポリアクリルアミドゲル、または電気泳動またはその他の分離方法を行うために使用されるその他の素材の断面上における酵素の顕現。
【0071】
実施例
実施例1:ゲル化培地上の微生物β−ガラクトシダーゼ活性の顕現に対するアリザリン−2−β−D−ガラクトシドの濃度の影響
【0072】
濃度46.37g/リットルの Columbiaベースである下記の培地において、0.05g/リットルのアンモニアクエン酸鉄の存在下に0.01g/リットル、0.03g/リットル、0.05g/リットル、0.08g/リットルのアリザリン−2−β−D−ガラクトシド、あるいはアンモニアクエン酸鉄なしに0.2g/リットルの6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシドを添加した。これら4つの培地をペトリ箱に一箱につき培地20mlの割合で分配した。微生物をこの培地にマクファーランド0.5濁度の菌浮遊液から、三面に分離して植え付けた。各箱を37℃で48時間インキュベートした。インキュベーションの18時間、24時間、48時間後に、形成されたコロニーを目視により観察する。これらのコロニーの着色ならびにこの着色の強度を評価した。結果は下記の表1に示している。
【0073】
【表1】
表1:ゲル化培地上の微生物のβ−ガラクトシダーゼ活性顕現に対する基質濃度の影響
【0074】
この表1で、記号《−》はコロニーの不在を表す。このようにテストを行った、陰性結果しか示さない株は陰性検査の代用とされる。
【0075】
この表1から、0.03g/リットル以降のアリザリン−2−β−D−ガラクトシドで得られた強度が、濃度がおよそ7倍に当たる6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシドで観察された結果にほぼ等しいことが注目される。興味深い着色強度を得ることができるアリザリン−2−β−D−ガラクトシドの濃度は0.03g/リットル〜0.08g/リットル、好ましくは0.05g/リットルである。
したがってアリザリンベースの基質はインドキシルベースの基質よりも高感度である。
【0076】
実施例2:ゲル化培地上の微生物のβ−ガラクトシダーゼ活性の顕現−アリザン−2−β−D−ガラクトシドの使用
【0077】
アリザリン−2−β−D−ガラクトシドを含むゲル化培地を次のように調製する。すなわちColumbia寒天46.37gを、アリザリン−2−β−D−ガラクトシド50mg、アンモニアクエン酸鉄(Citrate de Fer Ammoniacal)500mg、イソプロピル−β−D−チオガラクトシド30mgと共に蒸留水1リットルに加え、β−ガラクトシダーゼの活性の誘導を行いやすくする。寒天はオートクレーブにより116℃で10分間殺菌する。培地をゆっくりと55℃まで冷やして、20mlのペトリ箱に分配する。この培地を、 columbia寒天46.37g、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシド80mg、イソプロピル−β−D−チオガラクトシド30mgを含み、同じ方法で調製された固体培地と比較する。
【0078】
367種の異なる株を臨床・環境サンプルから収集して、参照方法としてギャラリーAPI(登録商標)20E(BioMerieux、フランス)により識別した。株を columbia寒天培地上で、37℃、24時間培養し、約108有機体/ml(標準マクファーランド0.5に同等)の接種体を株毎に作る。植え付け器Denleyを使用して、各浮遊液につき1マイクロリットルをこれら培地のそれぞれ、すなわち上記で調製されたアリザリン−2−β−D−ガラクトシドを含む培地、および5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシドを含む培地の箱に接種する。すべての箱を37℃で18時間インキュベートする。
【0079】
インキュベートの後、形成されたコロニーを目視で観察する。アリザリン−2−β−D−ガラクトシドを含む培地上で、β−ガラクトシダーゼ活性を示すコロニーは赤紫色であり、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシドを含む培地上では、コロニーはトルコ石色である。これら二つの色を呈するすべての株は、対応する基質でのβ−ガラクトシダーゼ活性に対して陽性であると見なされる。結果を下記の表2に示す。
【0080】
【表2】
表2:アリザリン−2−β−D−ガラクトシドを含むゲル化培地上の微生物β−ガラクトシダーゼ活性の顕現
【0081】
アリザリン−2−β−D−ガラクトシドおよび5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシドに関連する欄に示されている数字は陽性株のパーセンテージに対応するものである。株の大部分、すなわち96.5%は、陽性、陰性にかかわらず二つの基質に対して等しい反応性を有している。8つの株はアリザリン−2−β−D−ガラクトシドしか加水分解しない。これら8つの株は、4−メチルアンベリフェリル−β−D−ガラクトシド (4−methyl−umbelliferyl−β −D−galactoside)基質の存在下において蛍光が検出されるので、β−ガラクトシダーゼ活性を有している。したがってこの表は、参照基質である5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシドで観察された感度よりも高い感度を有するβ−ガラクトシダーゼ活性の指標指標としての基質の優れた有効性を表すものである。したがってこれらの基質は低濃度で、きわめて感度が高く、利用価値が高いことになる。
【0082】
実施例 3:マーカー部分の着色に対するさまざまな金属塩の効果
【0083】
培地内に、 Columbiaベース(46.37g/リットル)およびアリザリン−2−β−D−ガラクトシド(50mg/リットル)を、塩化マンガンあるいはアンモニアクエン酸鉄、あるいは塩化スズ、あるいは硫化アルミニウム50mg/リットルの濃度に対して添加した。金属塩の無い比較対照培地もまた研究された。これらのさまざまな培地を、オートクレーブに通した後、ペトリ箱に、一箱に付き培地20mlの割合で分配した。本出願人のコレクションに由来する微生物を、0.5マクファーランド浮遊液からそれぞれの培地上へ、三面ずつ分離して植え付けた。各箱を37℃で48時間インキュベートした。インキュベーションの24時間後と48時間後に、形成されたコロニーを目視により観察した。コロニーの着色ならびにこの着色の強度を採点した。結果を下記の表3に示した。強度値は任意の方法で示されており、株同士の強度を比較することだけを目的としているいることに注意する必要がある。このことは下記に続く各実施例に対しても同じである。同じく、本出願人のコレクションに由来する、テストを行った株は、このコレクションのおける内部番号が付されている。この内部の番号付けは下記に開示されている実施例のいくつかにおいても同様に使用される。
【0084】
【表3】
表3:マーカー部分の着色に対するさまざまな金属塩の効果
【0085】
テストした金属塩に従って、基質の加水分解後に得られる色はさまざまである。金属塩が無くても着色を観察することはできる。しかし得られる着色の強度は、たとえば鉄塩で観察されるものよりも低く、この塩で色が変化することはない。
【0086】
塩を用いた方法は、必要に応じて色および強度を調製することができる(他の酵素基質との結合、pH指標)。
【0087】
実施例4:アリザリン−2−β−D−ガラクトシドの存在下におけるβ−D−ガラクトシダーゼに対するpHの影響
【0088】
pH7の浸透水5mlを含む18本のガラス管内に、0.05g/リットルのアリザリン−2−β−D−ガラクトシド、0.05g/リットルアンモニアクエン酸鉄を半分のガラス管に、5マイクロリットルのβ−ガラクトシダーゼ(EC3.2.1.23シグマ)を各ガラス管に添加した。これら18本のガラス管を37℃で4時間インキュベートした。インキュベート後、得られた着色はアンモニアクエン酸鉄を含まないガラス管は薄いピンク色、アンモニアクエン酸鉄を含む管は濃いピンク色である。これらのガラス管を24℃でさまざまなpH(2−3−4−5−6−7−8−9−10)に調整した。調整後に得られた着色を下記の表4に示した。
【0089】
【表4】
表4:2−アリザリン−β−D−ガラクトシドの存在下におけるβ−D−ガラクトシダーゼ顕現に対するpHの影響
【0090】
色はpHに応じて変化する。一般に酸性pHでは黄色、アルカリpHではピンクから赤紫である。このため必要に応じて色を調整することが可能で、複数の代謝(酵素加水分解およびpHの変化)を明らかにすることができる。
【0091】
実施例5:ゲル化培地におけるアリザリンベース基質と他の酵素基質との結合−少なくとも二つの異なる酵素活性の検出
【0092】
次の培地、
・濃度46.37g/リットルの Columbiaベース、
・0.05g/リットルのアリザリン−2−β−D−ガラクトシド、
・0.05g/リットルのアンモニアクエン酸鉄、
・0.05g/リットルの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシド
・β−ガラクトシダーゼ活性の誘導を容易にするための30mg/リットルのイソプロピル−β−D−チオガラクトシド、
をペトリ箱に一箱に培地20mlの割合で分配した。本出願人のコレクションに由来する微生物を、マクファーランド濁度0.5浮遊液からこの培地上に三面に分離して植え付けた。各箱を37℃で48時間インキュベートした。
【0093】
インキュベーションの24時間後と48時間後に、形成されたコロニーを目視により観察した。これらのコロニーの着色およびこの着色の強度を採点した。結果を下記の表5に示した。
【0094】
【表5】
表5:二つの基質、アリザリン−2−β−D−ガラクトシドと5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシドとの結合
【0095】
この表5における記号《−》は、色がないことを表している。このようにテストされた、陰性の結果のみを有する株は陰性検査の代用にされる。
【0096】
これら二つの基質の結合により、異なる4つの微生物群を検出することができる。
・トルコ石色を示す第1群はガラクトシダーゼ活性しかもたない種に対応する、・赤紫色を示す第2群はグルコシダーゼ活性しかもたない種に対応する、
・先の二つの色が混合した、すなわちブルーから薄紫に変化する第3群は検出された二つの酵素活性を有する種に対応する、
・無色の第4群は、先に挙げた二つの活性のいずれももたない種に対応する。
【0097】
したがってアリザリンをベースにしたこれら基質を他の酵素活性基質と組み合わせることで、これら微生物中に存在する生物化学活性に応じて一つまたは複数の微生物群を識別することができる。
【0098】
実施例6:液体培地における微生物のβ−ガラクトシダーゼ活性の顕現−アリザリン−2−β−グルコシドの使用
【0099】
API(登録商標、bioMerieux、フランス)型ギャラリーキャップ内に、0.12g/リットルのアリザリン−2−β−D−グルコシドと0.05g/リットルのアンモニアクエン酸鉄との混合物3マイクロリットルを沈殿させて、乾燥した。最終濃度0.4g/リットルの6−クロロ−3−インドリル−β−D−グルコシドを含む比較対照キャップを作成した。次にこれら二つのキャップに、寒天の無い Columbiaベース50マイクロリットルおよびマクファーランド濁度2のバクテリア浮遊液100マイクロリットルを共に接種した。37℃で4時間および24時間のインキュベーション後に、キャップ内で得られた着色を採点した。結果は下記の表6に示した。
【0100】
【表6】
表6:アリザリン−2−β−D−グルコシドを含む液体培地における微生物のβグルコシダーゼ活性の顕現
【0101】
この表6での記号《−》は色がないことを表している。このようにテストされた、陰性結果のみを有する株は陰性検査の代用とされる。
【0102】
アリザリンベースの基質はテストした8種のうち7種の活性を検出できるのに対して、6−クロロ−3−インドリル−β−D−グルコシドはこれらの種のうち6種しか活性を検出できない。また、二つの株(Bacillus thuringiensisおよびListeria seeligeri)については、活性がアリザリンベースの基質ではより早期に検出される。したがってこれらの基質は、一方で、液体培地で使用することができ、他方で、インドキシルベースの基質よりも高感度である。
【0103】
実施例7:固体培地におけるアリザリン−1−β−D−グルコシドとアリザリン−2−β−D−グルコシドとの比較
【0104】
濃度46.37g/リットルのColumbiaベースを含む培地に、
・0.05g/リットルのアリザリン−2−β−D−グルコシドおよび0.05g/リットルのアンモニアクエン酸鉄、
・0.05g/リットルまたは0.1g/リットルのアリザリン−1−β−D−グルコシドおよびこれら2種の濃度に対して0.05g/リットルのアンモニアクエン酸鉄、
・アンモニアクエン酸鉄なしの0.15g/リットルの6−クロロ−3−インドリル−β−D−グルコシド、
を添加する。
【0105】
これら4種類の培地をペトリ箱に、一箱につき培地20mlの割合で分配した。微生物を、マクファーランド濁度0.5浮遊液から、この培地上に3面ずつ分離して植え付けた。各箱を37℃で48時間インキュベートした。インキュベーションの18時間および48時間後に、形成されたコロニーを目視により観察した。これらのコロニーの着色ならびにこの着色の強度を採点した。結果を下記の表7に示す。
【0106】
【表7】
表7:固体培地でのアリザリン−1−β−D−グルコシドとアリザリン−2−β−D−グルコシドとの比較
【0107】
この表7の記号−は着色がないことを表している。このようにテストされた、陰性結果のみ有する株は陰性検査の代わりとなる。
【0108】
同じ0.05g/リットルの濃度で、活性を示す3種のうち2種の株に対して、二つの基質は同じ着色強度を得ることができない。アリザリン−2−β−D−グルコシドはアリザリン−1−β−D−グルコシドよりも僅かに感度が高い。しかし、0.1g/リットルでは、アリザリン−1−β−D−グルコシドはアリザリン−2−β−D−グルコシドで観察されたものよりも高い着色強度を得ることができる。
【0109】
この表により、テストを行ったすべての株に対して、0.05g/リットルのアリザリン−1−β−D−グルコシドで得られた強度は、濃度がアリザリン−1−β−D−グルコシドの濃度よりも3倍高い6−クロロ−3−インドリル−β−D−グルコシドで観察された強度よりも高いことも指摘することができる。
【0110】
したがってアリザリンベースの基質はインドキシルベースの基質よりも高感度である。
【0111】
アリザリン−1−β−D−グルコシドとアリザリン−2−β−D−グルコシドとの間の選択は、合成コスト、適用における特殊性、安定性等のその他の基準を元に判断されることになろう。
【0112】
特別項目
目視方法、すなわちコロニー状態におけるバクテリア種の識別法は、少なくとも一つの適切な微量のカチオンの存在下に上記のように合成された少なくとも一つの基質を混入して、寒天ベースの培地上で行われる。このとき顕現するコロニーは、基質およびこれに結合さされたカチオンの選択に応じて、非常に着色された(赤、赤紫、ブルー、等)統一体を形成している。基質とカチオンとの間のこの比率が存在する場合、100分の1〜1分の100,好ましくは10分の1〜1分の10、さらにより好ましくは2分の1〜1分の2である。
【0113】
条件によっては、R3におけるSO3Hの基質の存在により、この型の基質に関連する不安定性および不溶性の問題を避けることができる。
【0114】
多価カチオンとは、Xn+(n=2、3または4)形態の多価金属カチオンである。使用可能な金属はMg、Al、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sr、Zr、Sn、Sb、Ba、La、Hf、ならびにランタノイドCe、Sm、Eu、Gd、Tbである。
【0115】
デオキシ(デソキシ)アリザリンまたはアントラセン−1,2,10−チオルとも呼ばれる、アリザリンの還元生成物であるアントラロビンはすでに当業者に公知である。この還元は、水酸化亜鉛またはアンモニア水、酸塩化スズ(chlorure stanneux d'acide)等の作用により行われる。この化合物の一般式は次の通りである。
【0116】
【化11】
【0117】
アントラキノンの中央のキノン状環がないため、1,2−ジオル系統の金属キレートは反応性が異なり、たとえば鉄キレートは黒色となる。アリザリンの鉄キレートは赤であるため、同じ型のカチオンで異なる二つの基質を使用することが可能で、二つの異なる酵素活性を検出することができる。これらの二つの基質はたとえば以下のものであってもよい。
・オシダーゼ活性を検出するためのアリザリン−2−β−D−グルコシド、
・ホスファターゼ活性を検出するためのデソキシアリザリン−2−β−D−ホスファターゼ。
【0118】
アントラロビンの位置10における水酸基を保護することも可能で、この位置は水素原子がたとえばメチル基により代えられてもよく、その場合次の形態の分子になる。
【0119】
【化12】
【0120】
同じくアリザリンは、アルコール官能基であるアルコール9,10−ジオルの形態下のケトンを還元することで保護されてもよく、このアルコール官能基は次にたとえば、下記のように表される、1,2−ジヒドロキシ−9,10−ジメトキシアントラセンの形態下にアルキル化される。
【0121】
【化13】
【0122】
これらのアルキル化されたアントラロビンおよびアリザリンは自由空気の酸化によって引き続き自然にアリザリンに変換されないため、基質の、好ましくは位置2のグルコシド化のための優れた候補物質である。
Claims (22)
- 酵素活性の存在を検出するための色原体基質の使用であって、下記の一般式で表される色原体基質の使用。
−R1は標的部分またはH、R2は標的部分またはH、R1およびR2の少なくとも一つが標的部分、
−R3はH、SO3H、Cl、Br、F、I、NO2、NH2、NR9R10、アシルアミノ、アミノアリール、またはNHCOX型のアミノアシルアミノであり、アルキル、アリール、アラルキル、またはアラニンのようなα−アミノ酸残基に等しいXを伴う、
−R4はH、SO3H、Cl、Br、F、I、NO2、NH2、NR9R10、OH、アシルアミノ、アミノアリール、またはNHCOX型のアミノアシルアミノであり、アルキル、アリール、アラルキル、またはアラニンのようなα−アミノ酸基に等しいXを伴う、
−異なる方法により、R3およびR4は互いに連結して、5員環、好ましくは6員環を形成する、
−R5、R6、R7およびR8はそれぞれ、次の原子または原子団、すなわちH、ハロゲン、特にClまたはBr、OH、SO3H、アルキルまたはアルコキシのうちの一つより成る、
−R9およびR10は独立して、メチル、アルキル、アリール、アラルキルから成り、かつ一方でR9またはR10は環(ピペリジン、ピロリジン、モルフォリン、等)、他方でR10またはR9は水素原子である) - 中央の環のケトンは水酸基の形態下に還元され、少なくとも一つの水素原子が場合によってはメチル基、アルキル基、アリール基、アラルキル基により代えられていることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
- 酵素活性の存在を検出するための色原体基質の使用であって、下記の一般式で表される色原体基質の使用。
−R1は標的部分またはH、R2は標的部分またはHであり、R1またはR2の少なくとも一方が標的部分である、
−R3はH、SO3H、Cl、Br、F、I、NO2、NH2、NR9R10、アシルアミノ、アミノアリール、またはNHCOX型のアミノアシルアミノであり、アルキル、アリール、アラルキル、またはアラニンのようなα−アミノ酸残基に等しいXを伴う、
−R4はH、SO3H、Cl、Br、F、I、NO2、NH2、NR9R10、OH、アシルアミノ、またはNHCOX型のアミノアシルアミノであり、アルキル、アリール、アラルキル、またはアラニンのようなα−アミノ酸残基に等しいXを伴う、
−異なる方法により、R3およびR4は互いに連結し、少なくとも5員環、好ましくは6員環を形成する、
−R5、R6、R7およびR8はそれぞれ、次の原子または原子団、すなわちH、ハロゲン、特にClまたはBr、OH、SO3H、アルキルまたはアルコキシの一つにより成る、
−R9およびR10は独立して、メチル、アルキル、アリール、アラルキルから成り、または一方でR9およびR10は環(ピペリジン、ピロリジン、モルフォリン、等)、他方でR10またはR9は水素原子である、
−R11は次の原子または原子団、すなわちH、SO3H、Cl、Br、F、I、NO2、NH2、NR9R10、アルキル、アリール、アラルキル、アシルアミノ、アミノアリール、またはNHCOX型のアミノアシルアミノであり、アルキル、アリール、アラルキル、またはアラニンのようなα−アミノ酸残基に等しいXを伴う、
−R12はH、メチル、アルキル、アリール、アラルキルから成る) - R1がH、R2が標的部分であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
- 標的部分が次の各分子、すなわち
−水酸基にαまたはβにおいて連結したモノ−、ジ−および/またはポリサッカリド単位により成るグルコシド、
−α−アミノ酸またはペプチド、
−−O−CO−(CH2)n−CH3(nは0〜20)のような有機酸、または−硫酸塩、燐酸塩、ピロ硫酸塩、ピロ燐酸塩またはホスホジエステル、
の一つから成ることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。 - R3およびR4は、好ましくはR3またはR4に近接するNと共に置換されたまたは置換されていないC3Nの鎖により成り、互いに連結して6員環を形成していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の基質の使用。
- −標的部分が、検出すべき酵素活性と関連している少なくとも一つの基質を、そのような酵素活性を有する少なくとも一つの微生物を含んでいると思われる試料と、少なくとも一つのカチオン型との存在下に配置される、−不溶性で着色されたキレートの形成を観察する、
工程から成ることを特徴とする、酵素活性の存在を検出することができる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の少なくとも一つの使用。 - 基質が、酵素活性により解放されるマーカー部分に対してもたらされる少なくとも一つのカチオン型の存在下に配置されることを特徴とする、請求項7に記載の使用。
- 不溶性キレートを形成するために使用されてもよいカチオン型は、Fe2+、Al3+、Mn2+、Sn2+またはCu2+であることを特徴とする、請求項7または8のいずれか1項に記載の使用。
- −標的部分が、検出すべき酵素活性と関連している少なくとも二つの基質を、このような酵素活性を有する少なくとも一つの微生物を含んでいると思われる試料、および少なくとも一つのカチオン型の存在下に配置する、
−少なくとも二つの異なる着色または第3の色の形成を観察する、
工程から成ることを特徴とする、少なくとも二つの異なる酵素活性の存在の検出を可能にするための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の少なくとも二つの基質の使用。 - 基質が、酵素活性により解放されるマーカー部分に対してもたらされる少なくとも一つのカチオン型、好ましくは唯一つのカチオン型の存在下に配置されることを特徴とする、請求項10に記載の使用。
- 標的部分が、検出すべき酵素活性と関連している少なくとも一つの基質を、このような酵素活性を有する少なくとも一つの微生物を含んでいると思われる試料の存在下に、適切なpHを有する反応培地内に配置する、
−少なくとも一つの色の形成を観察する、
工程から成ることを特徴とする、酵素活性の存在の検出を可能にするための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の少なくとも一つの基質の使用、または請求項7〜11のいずれか1項に記載の使用と組み合わせた使用。 - 少なくとも二つの基質の使用することで、酵素活性により解放されるマーカー部分に対してもたらされる、唯一つのカチオン型が使用されることを特徴とする、請求項7〜12のいずれか1項に記載の使用。
- 一つまたは複数の基質を含む培地上に一つまたは複数の微生物を押し出す中間工程を行うことを特徴とする、請求項7または10のいずれか1項に記載の使用。
- 標的部分として特に、
・グルコース、
・ガラクトース、
・マンノース、
・キシロース、
・グルクロン酸、
・N−アセチルグルコサミン、
を使用して、グルコシダーゼ酵素活性を検出することを特徴とする、請求項7〜14のいずれか1項に記載の使用。 - 標的部分として特に燐酸または置換誘導体を使用して、ホスファターゼ酵素活性を検出することを特徴とする、請求項7〜14のいずれか1項に記載の使用。
- 標的部分として特に硫酸または置換誘導体を使用して、スルファターゼ酵素活性を検出することを特徴とする、請求項7〜14のいずれか1項に記載の使用。
- 標的部分として、特に、
・飽和または不飽和脂肪酸、または置換誘導体、
・酢酸または置換誘導体、
・酪酸または置換誘導体、
・オクタン酸または置換誘導体、または
・イノシトール−1−燐酸のようなエステル化された燐酸基、
を使用して、リパーゼ、ホスフォリパーゼまたはエステラーゼ酵素活性を検出することを特徴とする、請求項7〜14のいずれか1項に記載の使用。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用に用いられる少なくとも一つの色原体基質および培地を含む組成物であって、微生物の少なくとも一つの株および/または種の検出を可能にする、酵素活性の存在を検出するための組成物。
- 少なくとも二つの基質を含み、反応後基質は、微生物の少なくとも一つの株および/または種により顕現されたさまざまな酵素活性を検出できる、異なる色を呈することを特徴とする、請求項19に記載の組成物。
- 液体、ゲル化または固体培地により成ることを特徴とする、請求項19または20のいずれか1項に記載の組成物。
- 基質の濃度は10〜500mg/リットル、好ましくは30〜150mg/リットル、さらにより好ましくはは500mg/リットルであることを特徴とする、請求項19〜21のいずれか1項に記載の組成物。
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