JP4638622B2 - リアルタイム3次元超音波映像装置および探触子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波を用いて映像化を行なう超音波映像装置および探触子に係り、特に探触子において、信号の切替回路を各圧電素子毎に配置しなくてすむ極めてシンプルな構成で3次元映像化を図ることができるようにしたリアルタイム3次元超音波映像装置とそれに用いられる探触子に関する。
【0002】
【従来の技術】
水中探査や非破壊検査、医療用診断に用いられている一般的な超音波映像分野では、圧電素子を1mm以下のピッチでアレイ状に並べた探触子そのものの製作、その個々の素子に高圧パルスを給電、また素子の受信信号を受け取る回路の製作などの困難から、現状で実用化している2次元アレイ探触子を用いた3次元映像装置は少なく、アレイ規模が小さいものが多い。従来、n個の圧電素子を直線状に配置した1次元アレイで採用されていた方法を、そのまま2次元へ持ち込むと、素子数がn→n2 となるため技術的な困難性が急激に増大する。
【0003】
従来の典型的な超音波診断装置のブロック図を図7に示す。アレイ型探触子1から検査対象13に向けて高圧パルスを送信する送信回路2が設けられ、物標(目標物)9からの反射波11を探触子1が受信した信号は高周波受信回路3を経てメモリ4に入力され、走査変換回路5によりCRT6にて表示される。各回路を統合制御するCPU/制御回路7が設けられている。この図の中で本質的な部分は、アレイ型探触子1とCPU/制御回路7の部分である。CPU/制御回路7は、探触子1のアレイの構造に応じて設計を行なう必要がある。
【0004】
超音波ビームの空間走査・収束は、アレイ型探触子1の各素子への送信・受信信号への電子的な遅れによって実現される。図8に電子収束の基本原理を示す。焦点(物標9)から返ってきた反射波11の波面は、アレイ型探触子1を構成している圧電素子(素子)12で受信後、遅延素子8で遅延制御され、等時加算されて強信号となるが、焦点以外からの波面は等時加算されない。
【0005】
以上の方法で得られる映像はBモードと呼ばれ、扇型ビームの通る断面の映像である。Cモードと呼ばれるビームに垂直な断面画像や、3次元のソリッドな画像を得るためには、1次元のアレイ(リニアアレイ)からなる探触子を、アレイの方向に垂直な方向へ移動させることが必要である。
【0006】
上述のような超音波装置の適用例として超音波ソナー装置があるが、この超音波ソナー装置において3次元画像を得ようとする場合の、2つの具体的な方法としては次のような方法がある。
【0007】
第1の方法は、探触子を回転軸に固定し機械的に回転する。この場合、回転軸周りの移動量はロータリエンコーダを用いて測定できる。しかし、この方法では、機械的走査を行なうので、映像化の速度に限界があり、さらに水中で動くセンサの機械的な構造にはシールの問題などの多くの課題を発生させている。
【0008】
第2の方法は、フリーハンドで探触子を移動させ、探触子の位置決めには特殊な磁気センサを用いる。このような3軸の平行移動と、その周りの回転を検出できる磁気を用いたセンサが実用化され、販売されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記2つの方法では、共に機械的な操作や複雑なソフトウェアによる3次元画像の合成が必要となる。リアルタイム性が要求される検査装置などでは、処理に要する時間が長いことは大きなネックとなっている。
【0010】
そこで、探触子そのものを2次元アレイとし、各圧電素子毎に信号の遅延回路を取り付け、計算された遅延量を与えて空間の任意の点へ収束させることにより、一気に3次元画像を得ることが考えられる。これは、図8に示すように、遅延素子を制御して水中のある焦点のデータが合成されるようにするものである。しかし、これを3次元空間内の全ての点について可能にするには、非常に複雑な制御が必要であり、価格も高価なものとなる。更に、ピッチの小さい2次元アレイ周りの給電線や信号線の配置の設計・製作などにおいて技術的課題が多く、現状では比較的規模の小さい(16×16素子程度の)アレイなどを目標に開発が進められている。この探触子が開発されても、次には各圧電素子の遅延量を制御する電子レンズの開発が必要になる。将来的には128×128素子のアレイが要求されると思われるが、この場合、16382個の遅延素子が必要であって、これを制御する回路も非常に複雑となる。
【0011】
本発明は、上記従来の問題点に着目し、機械的に動く部分がなく、また複雑な遅延制御を行なうこと無く、安価に高速にて3次元の映像化が実現できる超音波映像装置およびその探触子を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るリアルタイム3次元超音波映像装置は、平面格子状に配列した圧電素子の、各行と各列とに対応した圧電素子のそれぞれを結合し、行もしくは列の一方を送信用とするとともに他方を受信用としてなる2次元リニアアレイを構成し、送信素子群と受信素子群とそれぞれ行単位、列単位に切り替える切替手段を備えることによって行列交差部の前方を映像化領域とする探触子を形成し、前記切替手段による切替処理毎に前記受信素子群によって得られる計測データから映像化対象物の3元画像を再生する処理手段を備えた構成としたものである。
【0013】
また、本発明に係る超音波映像装置の探触子は、平面格子状に複数の圧電素子を配列し、各行列方向に送信素子を構成する圧電素子と受信素子を構成する圧電素子を交互に配置させ、各列(若しくは各行)に配列している送信素子群を単位として送信切替作動させる送信切替器と、各行(若しくは各列)に配列している受信素子群を単位として受信切替作動させる受信切替器と、を備えた構成としたものである。
【0014】
平面格子状に並んだ圧電素子の各行と各列とに対応した圧電素子のそれぞれを結合し、例えば行を送信、列を受信とする。こうして送信用と受信用の合計2n個の圧電素子のリニアアレイを構成することができる。このときの信号の給電は1列すなわちn個の点、受信は1行すなわちn個の点となる。こうして2n個の配線点のみが必要になり、回路構成は著しくシンプルとなる。こうして得られた計測データは独自のアルゴリズムによりコンピュータ処理されて3次元映像化される。したがって、本発明の方法では、機械的に動く部分がなく、それでいて複雑な遅延制御も必要がなく、安価に高速3次元超音波映像装置を実現できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る3次元リアルタイム超音波映像装置の具体的実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は実施の形態に係る超音波映像装置のシステムブロック図であり、図2は超音波映像装置の探触子の構造を示す図である。
【0016】
図2に示すように、この実施形態の探触子10は、平面格子状に複数の圧電素子を配列し、各行列方向に送信素子12Tを構成する圧電素子と受信素子14Rを構成する圧電素子を交互に配置させ、各列に配列している送信素子群12を単位として送信切替作動させる送信切替器16と、各行に配列している受信素子群14を単位として受信切替作動させる受信切替器18とを備えている。図では白い素子を送信素子12Tとし、ハッチング素子を受信素子14Rとして用い、それぞれ列および行ごとにまとめて送信、受信するようにしている。各列に対応した複数の送信用圧電素子12T、または各行に対応した複数の圧電素子14Rは、図4に示したように、それぞれが並列に接続されていて、一つのかたまりとして動作するように前記切替器16、18が作動させる。このように配置したことにより、2次元アレイの場合に各素子が小さくなるので必然的に大きくなる各素子のインピーダンスを、束ねた結果、適切な値に保ち、単体の素子から放射する場合に指向性と信号強度を同時に失う問題を解決できる。並列接続によるインピーダンスの低下、信号強度の増大、1次元アレイによる指向性の回復は装置の実現の上で重要である。
【0017】
このように、送信と受信の1次元アレイが互いに直交することにより、交差点でのデータが採れ、送信用の列と受信用の行をスキャニングすることにより、アレイ平面上の全ての点でデータを採取することができる。ただし、これは探触子の直上でのことであり、1次元アレイからの放射波は横方向に扇形に広がり、円筒面状の波面を形成する。受信も同様で、結果的に図3に示すように、2つの部分円筒が交差する領域O-p1-p2-p3-p4が検知域となる。圧電素子が平面的に正方形状で半波長程度のサイズの時には、1次元アレイ軸に対して横方向の指向性は殆どないから、このままではまともな映像は期待できない。したがって、上記探触子10を用いて得られたデータを収束させる必要が生じる。
【0018】
今、上述したような、X、Y軸にそれぞれ平行な一次元アレイ素子群の一方を送信用に、他方を受信用に用いた探触子10にて映像用データを得たとする。この時に像をフォーカスさせる方法の原理は以下のようになる。
【0019】
図5に示す例えば水中の点Q(ξ,η,ζ)は、超音波の反射体(物標)上の点である。この点QとX軸までの距離をρ1、Y軸までの距離をρ2とする。
X軸上に等間隔に配置された圧電素子列から同位相で放射される超音波は、X軸を回転軸とする円筒座標系を用いて以下のように表すことができる。
【0020】
超音波の振幅をΦ(x,y,z,t)とし、[数1]のように時間でフーリエ変換する。
【数1】
【0021】
ここでωは角振動数であって、ω=ckである。cは音速であり、kは波数である。
【数2】
【0022】
この式は、圧電素子の結合された軸方向をz0とし、その軸からの距離をr、回転方向をθとする円筒座標系では、次のようになる。
【数3】
【0023】
この式の解をz0に依存しない次のような形に仮定する。
【数4】
このとき、Q(r)は、次の式を満たす。
【数5】
【0024】
この式はハンケル関数を用いて次のように表すことができる。
【数6】
【0025】
ここで、ハンケル関数は次のように漸次展開できる。
【数7】
【数8】
【0026】
X軸から放射し、物体で反射し、Y軸で受信される超音波の信号はε(ξ,η,ζ)を物体中での単位体積当たりの反射率とするとき、次のように表せる。
【数9】
【0027】
漸次展開の式を上式へ適用すれば、
【数10】
【0028】
この式を波数kについてフーリエ逆変換すると、
【数11】
【0029】
[数11]において位相因子exp{ik(ρ1+ρ2−ct)}が映像を再構築するために重要であることが分かる。これを踏まえ映像化のアルゴリズムとして次のような手順を用いる。探触子10の表面(XY平面)の1軸上(X軸に平行)に送信用圧電素子アレイ、他の1軸上(Y軸に平行)に受信用圧電素子アレイがあると仮定する。
【0030】
送信用圧電素子が設定された超音波送信点P1(ξ,y,z)から放射し、受信用圧電素子が設定された受信点P2(x,η,z)で受信した場合、物体内部の反射点Q(ξ,η,ζ)からの反射波は、超音波の減衰がなければ次のように書ける。
【数12】
【0031】
ここでri、ti、w(t)はそれぞれ反射係数、超音波の反射点までの往復時間及び超音波パルス波形である。物体中の各反射点までの距離に対応して時間の遅延tiがある。ここで反射係数は、図5のξ、η、ζに依存している。このような時系列データがx、yの自由度に対応した数だけ計測される。
【0032】
像を再構成するためには図5において、先ずP1(X軸に平行な軸上の点)、P2(Y軸に平行な軸上の点)と点Qを選択する、この選択には5つの独立変数(x,y,ξ,η,ζ)に対応した自由度がある。そして、これらの5つの独立変数について特定の値を選択したときの組一つにつき、反射波として測定される超音波の時系列データψ(t)が対応している。そこで、超音波の伝播パス(P1→Q→P2)対応した計測時系列波形ψ(t)からQ点での反射振幅を、この伝播に要する所要時間を計算して求め、点Qに割当てる。上記の5つの独立変数につきこの操作を実施すると、検査対象が存在しない反射点Qについては反射振幅が得られず、検査対象が存在する反射点Qについては反射振幅が得られる。従って、各点へ割当てられた反射振幅の数値を像空間(映像化対象)の各点ごとに加算すると像が再構成できる。具体的には次の式が用いられる。
【0033】
送信用圧電素子の位置を(ξ,y,z)、受信用圧電素子の位置を(x,η,z)、媒体中の点Qを(ξ,η,ζ)とすると、
【数13】
を求めればよい
【0034】
このような処理を行なうための実施形態に係る3次元超音波映像装置は次のように構成される。図2に示したように、探触子10のセンサヘッドを平面的な構造の多重クロスリニアアレイ圧電素子配置とする。このとき、3次元映像が、以下に示すようにセンサヘッドが動かなくても得られるのが特徴である。
【0035】
図1に装置全体のブロック図を示したように、実施形態に係る超音波映像装置は図2に示した回路構成の多重クロスリニアレイ構造となっている探触子10を有している。この探触子10は平面格子状に複数の圧電素子を配列し、各行列方向に送電素子12Tを構成する圧電素子と、受信素子14Rを構成する圧電素子を交互に配置させている。このように多数の圧電素子が配列された探触子10で、各列(若しくは各行)に配列している送信素子群12を単位として送信切替作動させる送信切替器(パルス切替回路)16が設けられ、また、各行(若しくは各列)に配列している受信素子群14を単位として受信切替作動させる受信切替器(受信切替回路)18が設けられている。また、送信素子群12を列単位に切り替える送信切替器16と、受信素子群14を行単位に切り替える受信切替器18とは、制御回路26によってそれぞれ各列単位、各行単位に順次切り替えられるように制御され、選択された送信列と受信列との交差部分がその選択時の検知対象領域となるようにしている。このような探触子10の信号線は2次元アレイ(N×N)であるにもかかわらず、送信用N本、受信用N本の合計2N本であり、これらの端子はアレイの外周部にある。制御回路26の信号制御回路部分は、上記の列あるいは行を順次選択する信号をSPNT(Single Port N Transfer)切替器からなる送信切替器16と受信切替器18とに送られる。このSPNT切替器は、送信用の切替器16の場合、高圧パルス送信回路38からの信号の電力が大きいので例えばパワーFETで構成され、受信用の切替器18の場合、信号の電力が微弱なので通常のFETスイッチなどで構成できる。受信切替器18により切替えられた受信信号は、高感度の増幅器である高周波受信回路28により増幅されA/D変換器30へ送られる。制御回路16の役割は、当該スイッチ制御、信号をA/D変換するタイミングの制御を主とするものである。図6は実際の探触子10における配線パターンの一例で、3層構造の基板20に送信信号線パターン22、受信信号線パターン24、アースパターン(図示せず)を設け、各圧電素子(12T、14R)のアース側は共通アースとする。
【0036】
前記送信切替器(パルス切替回路)16には高圧パルス発生回路38が接続され、選択された列の送信素子群12から超音波をパルスとして放射させるようにしている。この高圧パルス発生回路38には、産業用の高速・高電圧のFETを用いればよく、そのゲートコントロールを行なうことで50V、10MHz程度までのパルス電圧を発生させることができる。また、前記受信切替器(受信切替回路)18によって選択されている行の受信素子群14によって検出された反射信号は、高周波受信回路28からA/D変換器30を経由して制御回路26に入力されるようになっている。
【0037】
実施形態における3次元超音波映像装置は、制御回路26が送信切替回路(パルス切替回路)16と受信切替回路18とに切替制御信号を出力するとともに、高圧パルス送信回路38に制御信号を出力して送信パルスを発生させる。すなわち、送信切替回路16は、制御回路26からの切替制御信号に基づいて、探触子10の例えば第1列目の送信用圧電素子群12を高圧パルス送信回路38に接続する。そして、制御回路26は、この送信用圧電素子群12の切り替えに同期して高圧パルス送信回路38に制御信号を与え、高圧パルスを発生させる。これにより、第1列目の送信用圧電素子群12は、高圧パルス送信回路38の出力するパルスが入力し、所定周波数の超音波パルスを空中や水中、あるいは検査対象となる物体中に放射する。また、制御回路26は、第1列目の送信用圧電素子群12に超音波パルスを出力させると、受信切替回路18を介して探触子10の受信用圧電素子14Rを順次切り替えて高周波受信回路28に接続する。この受信用圧電素子14Rの切り替えは、探触子10の行ごとに行なわれる。
【0038】
つまり、制御回路26は、第1列目の送信用圧電素子群12が超音波パルスを放射すると、第1行目の受信用圧電素子群14、第2行目の受信用圧電素子群14、………、第N行目の受信用圧電素子群14と順次切り替えて高周波受信回路28に接続し、第1列目の送信用圧電素子群12が放射した超音波の反射波による受信信号を高周波受信回路28に入力する。そして、制御回路26は、受信用圧電素子群14を第1行目から第N行目までの切り替えを終了すると、送信切替回路16に切替信号を与え、第1行目の送信用圧電素子群12をオフして第2行目の送信用圧電素子群12を高圧パルス送信回路38に接続し、第2行目の送信用圧電素子群12から超音波パルスを放射させるとともに、受信切替回路18を介して受信用圧電素子群14を第1行目から第N行目まで順次切り替えて高周波受信回路28に接続する。
【0039】
このようにして、制御回路26は、送信用圧電素子群12を第1列目から第N列目までを順次切り替えて高圧パルス送信回路38に接続して駆動するとともに、受信用圧電素子群14を第1行目から第N行目まで順次切り替えて高周波受信回路に接続する。なお、探触子10の切替動作は、送信用圧電素子群12と受信用圧電素子群14とで、上記と逆であってもよい。
【0040】
このようにして受信用圧電素子群14によって受信された信号は、受信切替回路を介してセンサ画像処理回路32に出力され、ここで3次元映像化処理を行なうようにしている。そして、センサ画像処理回路32が求めた画像データは、制御回路26を介して表示装置34に出力され、3次元画像として表示される。
【0041】
センサ画像処理回路32での具体的処理は、次のようになる。探触子10は多重クロスリニアアレイ構造とされ、図3に示すように、一列のアレイの場合には、アレイの軸方向と直角方向には超音波が広がり、指向性が低下し、これが互いに直交する送受双方について言えるので、同図のP1、P2、P3、P4で示すようにな扇形柱の交点領域が同時検知領域となっている。図から判るように、このままではビームの広がりのために検知領域が大きくなり、像がぼける結果となる。そこで、この像のぼけを直し、正しい収束した像に再生するための処理方法はすでに述べた通りである。
【0042】
このように、本実施形態では、多重クロスリニアアレイの構造の探触子と、これを駆動する回路を内蔵したシステムと、これらを用いて得られる超音波受信信号からセンサ画像処理回路に搭載された像再生のアルゴリズムにより画像のぼけを収束させて対象物の3次元映像を求めることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、平面格子状に配列した圧電素子の各行と各列をそれぞれ結合することにより行もしくは列の一方を送信用とするとともに他方を受信用としてなる2次元クロスリニアアレイを構成し、送信素子群と受信素子群とをそれぞれ行単位、列単位に切り替える切替手段を備え、当該切替手段による切替処理毎に前記受信素子群によって得られた超音波受信信号から像の再生計算式に基づいて3次元画像を再生する処理手段を備えた構成としたので、第1に機械走査のいらないリアルタイム3次元映像装置が実現でき、また、電子回路の配線などが激減するので、非常に安価に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るリアルタイム3次元映像装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係る超音波映像装置用探触子のレイアウト図である。
【図3】実施形態に係る探触子のビーム形状と検知領域の説明図である。
【図4】実施の形態に係る探触子の行または列を形成する圧電素子の接続方法の説明図である。
【図5】3次元映像表示の原理説明図である。
【図6】探触子の配線パターンの説明図である。
【図7】一般的な超音波映像装置の基本構成図である。
【図8】圧電素子を用いた探触子の電子収束の原理図である。
【符号の説明】
10………探触子、12T………送信用圧電素子、
14R………受信用圧電素子、16………送信切替器、18………受信切替器、
26………制御回路、28………高周波受信回路、
32………センサ画像処理回路、34………表示装置、
38………高圧パルス発生回路。
Claims (2)
- 平面格子状に配列した圧電素子の、各行と各列とに対応した圧電素子のそれぞれを結合し、行もしくは列の一方を送信用とするとともに他方を受信用としてなる2次元リニアアレイを構成し、送信素子群と受信素子群とそれぞれ行単位、列単位に切り替える切替手段を備えることによって行列交差部前方を映像領域とする探触子を形成し、前記切替手段による切替処理毎に前記受信素子群によって得られる計測データから映像化対象物の3次元画像を再生する処理手段を備えたことを特徴とするリアルタイム3次元超音波映像装置。
- 平面格子状に複数の圧電素子を配列し、各行列方向に送信素子を構成する圧電素子と受信素子を構成する圧電素子を交互に配置させ、各列(若しくは各行)に配列している送信素子群を単位として送信切替作動させる送信切替器と、各行(若しくは各列)に配列している受信素子群を単位として受信切替作動させる受信切替器と、を備えたことを特徴とする超音波映像装置用探触子。
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