JP4637714B2 - 永久磁石式回転電機 - Google Patents
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Description
上記問題点の解決策として、従来の特許文献1では、固定子内周側に磁束制御装置と呼ばれる部材を配置し、それを回転させることにより、磁気抵抗を変化させ電圧を制御する方式が紹介されている。
この発明は以上のような問題点を解消するためになされたもので、インダクタンスを変化させることなく電圧の制御を可能とすることで、制御における演算量を低減させ、高速運転の制御性能向上に寄与しうる永久磁石式回転電機を得ることを目的とする。
本発明に係る永久磁石式モータについて図を用いて説明する。なお、同種の発電機についてもこの発明は同様の要領で適用することができるので、以下では、永久磁石式モータに適用した場合について説明するものとする。
図1は、本発明の実施の形態1における永久磁石式モータの構成を示す縦断面図である。図において、固定子1は、フレーム(図示せず)に固定されている固定子コア3とコイル2、そして周方向に移動可能な内周コア片6、内周コア片7から構成される。内周コア片6、7の集合体を内周コア30とする。
回転子9は、回転子コア11と回転子コア11の表面に交互に磁極が異なるように配置された永久磁石10、およびシャフト12からなり、固定子1と空隙8を隔て配置されている。
本発明による永久磁石式モータの横断面図を図2、図3に示す。
図2は、図1内に示すA断面の横断面図を示したもので、図3は、同じくB断面の横断面図を示したものである。
そして、固定子コア3の内周側であってティース4の先端と回転子9の永久磁石10との間には、周方向に移動可能な内周コア片6が各ティース4に対応して配置されている。
回転子9は、回転子コア11と回転子コア11の表面に交互に磁極が異なるよう配置された永久磁石10とシャフト12とからなり、固定子1とは空隙8を隔てて配置されている。
内周コア片6の各磁性領域の周方向中心部は、丁度ティース4の周方向中心部と一致する状態となっている。
後段で詳述するように、内周コア片6、7の周方向位置が、図1のA断面とB断面とで異なることにより、それぞれに発生する磁束量が異なり、これら磁束量が異なる両内周コア片6、7からの磁束が共通のティース4に流れ、同ティース4に巻回されたコイル2に鎖交する磁束量は、両内周コア片6、7の磁束量の位相を考慮した和となる。
内周コア片6と内周コア片7とが周方向の同じ位置にある場合、全磁束量の波高値は2となるが、本図においては、内周コア片6と内周コア片7とが周方向に60度(電気角)位相がずれている場合を示しており、全磁束量の波高値は1.73となり、同位置にある場合より13%低減されている。これは電圧に換算しても13%の低減に相当する。
以上の構成から、内周コア片6は、駆動モータ16の回転により希望する位置に位置決めし、また、固定することができる。
以下の説明の便宜上、先の図2に示す図中最右端に位置するティース4、内周コア片6、永久磁石10を対象として説明するものとする。
図において、この状態を時間0とし、内周コア片の直左に位置する永久磁石をN極とすると、その磁石がロータ表面につくる磁束密度Bは(1)式で表される。
ここで、内周コア片6が反時計回りにα(電気角表示)移動したとき、および内周コア片7が時計回りにβ(電気角表示)移動したときの磁束量φは、それぞれ(4a)式、(4b)式で表される。
電圧は、磁束量φに比例するため、同様の範囲で変化させることができる。
このケースは、先の(5)式において、β=−αとすることと等価となり、このときの磁束量φは、(9)式で表される。
更に、内周コアを軸方向に3個以上の内周コア片に分割する場合は、少なくともその内の2個の内周コア片と対応するティースとの周方向距離(先に説明したα、βが相当する)に差が生じるようにすれば、磁束量φの演算が更に複雑になるが、磁束量φ、従って、電圧Vを制御できるという点では、上述した2分割の場合と同様である。
通常のモータで、出力一定運転をすると、その運転範囲内では磁束量は変化せず一定である。つまり、図6に示すように、電圧は速度に比例して上昇する。出力が一定であるので、電流は速度に略逆比例することとなる。
しかし、先行技術(特許文献1)や本発明では、磁束量を制御できるため、これらの関係は、図7の通りとなる。即ち、速度の高い状態では、磁束量を低減するため、ターン数は最大電圧が同じくなるよう変更してある(磁束量を10%低減可能なら、ターン数は10%増加)。
先行技術と異なるのはインダクタンスが変化しないことである。インダクタンスは磁気抵抗の逆数であるため、インダクタンスを変化させないことは磁気抵抗を変化させないことに等価である。また、モータの磁気抵抗はその磁気回路中の空気の距離、空隙長にほぼ比例する。本発明では、内周コアが回転してもこの空隙長は変わらないためインダクタンスは変化しない。
一方、先行技術では、ティースから回転子までの磁気的な距離が変化するためインダクタンスが変化する。
これに対し、本願発明のように、磁束量を変化させるため内周コアの位置を変更してもインダクタンスが変化しない場合は、演算が軽減されインバータ指令の時間遅れが軽減される。
図8は、この発明の実施の形態2における永久磁石式モータを示す縦断面図である。ここでは、先の実施の形態1の図1における内周コア片7が、固定子コア3、従って、ティース4と一体に構成されており、ティース4との相対距離は固定されている。内周コア片6を周方向に移動させることにより、2個の内周コア片6、7と対応するティース4との周方向距離に差を生じさせる構成である。
従って、この実施の形態2では、内周コア片7を移動させる駆動機構は不要で、一方の内周コア片6のみを移動させる駆動機構があればよく、その分、駆動モータ16等からなる駆動機構が1台で済むという利点がある。
図9は、この発明の実施の形態3における永久磁石式モータの内周コアの駆動機構を示す一部拡大縦断面図である。これまでの実施の形態では、内周コア片の数と同等の数の駆動モータが必要であったが、図9で示す駆動機構を採用すると、内周コア片6と、内周コア片7とは逆向きに動くよう、ギア19、ギア20、ギア21が配置されており、内周コア片の数より少ない駆動モータで駆動することが可能となる。即ち、ここでは、2個の内周コア片6、7を1個の駆動モータ16(図9では図示省略)で駆動する。
また、いずれの場合も、α、βはともに移動可能角度に制限があるが、α=βとすることで変化量を大きくとれ、磁束量や電圧の変化量を大きくとれることになる利点もある。
図10は、この発明の実施の形態4における永久磁石式モータを示す横断面図である。実施の形態1の図2とは、固定子1のスロット数(ティース4の数)は12で同一であるが、回転子9の極数は、図2での8極に対して、図10では2倍の16極となっている。
内周コアをインダクタンスが変化しない領域で周方向に移動させるには、その移動範囲に限界がある。図2で示す永久磁石式モータと、図10で示す永久磁石式モータとでは、移動可能な機械角度は同じであるが、電気角は倍異なり、図10で示す永久磁石式モータの方が同じ移動角度でも電気角の変化は大きくなる。これは、先のα、βをより広い範囲で変化させ得ることに相当し、磁束量φの制御変化範囲も大きくなり、電圧を制御できる範囲も増加するという利点がある。
これは、それ以外の組合せとすると、磁束の有効利用度合いを表す巻線係数が小さくなり、銅損が大きくなるためである。
内周コアは、以上で説明したとおり、インダクタンスを変化させることなく、コイルに鎖交する磁束量を変化させ、電圧を制御する機能を実現するものである。ところで、その動作に着目すると、内周コアは、回転子の永久磁石と固定子のティースとの間に介在し、この内周コアを経由して両者間に磁束を流すものである。
一方、モータの磁気回路に流れる磁束には高調波成分が存在し、コギングやリップル等好ましくない現象の要因となっている。
そこで、内周コアの周方向の幅を、特定次数の波長に相当する電気角にすると、当該次数の高調波磁束成分は、1周期の積分値が0となり、ティースに伝達されないことになる。
図12は、先の実施の形態5と同様の考え方で、7次高調波磁束成分の抑制を目的に、7次の高調波に対する影響度と内周コアの周方向幅(電気角)との関係をプロットしたもので、同幅を、7次高調波の波長に相当する電気角51度またはその整数(n)倍の角度51・nに設定することで、ティースに伝達される7次高調波磁束が0となっていることが分かる。従って、回転子が発生する7次高調波磁束成分は、コイルとは鎖交しなくなり、その分、コギングやリップル等の現象が抑制される。
図13は、5次と7次の高調波成分の両者を抑制可能な内周コア幅を求めるべく、両次数の高調波に対する影響度と内周コアの周方向幅(電気角)との関係をプロットしたものである。
この特性から、内周コアの周方向幅を、電気角で144(=360/5×2)〜153(=360/7×3)度、または204(=360/7×4)〜216(=360/5×3)度に設定することで、5次と7次の高調波成分を共に充分小さな値にまで抑制することが可能なことが分かる。
8 空隙、9 回転子、10 永久磁石、11 回転子コア、16 駆動モータ、
30 内周コア。
Claims (9)
- 複数個の永久磁石が周方向に所定の間隔で配置された回転子、および先端が上記回転子に対向する複数個のティースが周方向に所定の間隔で配置された固定子コアと上記各ティースに巻回されたコイルとを有する固定子を備えた永久磁石式回転電機であって、
径方向における上記回転子の永久磁石と上記固定子のティース先端との間に上記各ティースに対応して配置された内周コアを備え、
上記各内周コアは、径方向に均一な厚さを有するとともに軸方向に複数個の内周コア片に分割され、上記内周コア片の少なくとも2個と対応するティースとの周方向距離に差を生じさせ得るよう少なくとも1個の内周コア片を周方向に移動可能に構成したことを特徴とする永久磁石式回転電機。 - 上記各内周コアは、軸方向に2等分割された2個の内周コア片からなり、上記両内周コア片を互いに周方向逆向きに移動させる駆動手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の永久磁石式回転電機。
- 上記駆動手段は、単一の駆動源とこの駆動源からの駆動力を上記両内周コア片に伝達する伝達機構とからなり、上記両内周コア片を互いに周方向逆向きであって互いに同量移動させるようにしたことを特徴とする請求項2記載の永久磁石式回転電機。
- 上記各内周コアは、軸方向に2等分割された2個の内周コア片からなり、その内一方の内周コア片は上記固定子のティースと一体に構成され、他方の内周コア片は周方向に移動可能に構成されたことを特徴とする請求項1記載の永久磁石式回転電機。
- 上記固定子のティースの数より上記回転子の永久磁石の数を多くしたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
- 上記回転子で発生する特定次数の高調波磁束の上記固定子のティースへの伝達率を抑制するよう、上記各内周コアの周方向の幅を設定したことを特徴とする請求項記載の1ないし5のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
- 上記各内周コアの周方向の幅を、電気角で72度×n(nは整数)としたことを特徴とする請求項6記載の永久磁石式回転電機。
- 上記各内周コアの周方向の幅を、電気角で51度×n(nは整数)としたことを特徴とする請求項6記載の永久磁石式回転電機。
- 上記各内周コアの周方向の幅を、電気角で144〜153度、または204〜216度としたことを特徴とする請求項6記載の永久磁石式回転電機。
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