JP4637714B2 - 永久磁石式回転電機 - Google Patents

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Description

本発明は、電圧制御を可能とする永久磁石式回転電機に関するものである。
従来の永久磁石モータは、回転速度の増加に伴い、ほぼそれに比例して電圧が上昇する。このようなモータでは、運転範囲が広い場合、回転速度が低い状態では電圧が低く、回転速度の高い状態では電圧が高くなる。この場合、例えば、出力一定で運転されるモータにおいては、回転速度の低い状態では電圧が低いため電流が増加し、回転速度が高い状態では電圧が高いため、電流が少ない。以上の結果から、出力一定で回転範囲の広いモータでは、出力よりはるかに大きい電源が必要となる。
上記問題点の解決策として、従来の特許文献1では、固定子内周側に磁束制御装置と呼ばれる部材を配置し、それを回転させることにより、磁気抵抗を変化させ電圧を制御する方式が紹介されている。
特開2003−264997号(請求項1、段落0022等)
しかしながら、このように電圧を制御したい用途は、先述の通り運転範囲が広く、一般的には高速運転されるケースが多い。また、従来技術では、磁気抵抗を変えることで、コイルに鎖交する磁束量を変化させるが、同時にインダクタンスも変化してしまう。永久磁石式モータは、インバータなどにより運転されるが、磁束量とインダクタンスの両方が変化すると、それぞれ演算が必要となり、無駄時間が多くなる。特に、高速運転している場合においては、その無駄時間により制御性能が低下する。
この発明は以上のような問題点を解消するためになされたもので、インダクタンスを変化させることなく電圧の制御を可能とすることで、制御における演算量を低減させ、高速運転の制御性能向上に寄与しうる永久磁石式回転電機を得ることを目的とする。
この発明に係る永久磁石式回転電機は、複数個の永久磁石が周方向に所定の間隔で配置された回転子、および先端が回転子に対向する複数個のティースが周方向に所定の間隔で配置された固定子コアと各ティースに巻回されたコイルとを有する固定子を備えた永久磁石式回転電機であって、径方向における回転子の永久磁石と固定子のティース先端との間に各ティースに対応して配置された内周コアを備え、各内周コアは、径方向に均一な厚さを有するとともに軸方向に複数個の内周コア片に分割され、内周コア片の少なくとも2個と対応するティースとの周方向距離に差を生じさせ得るよう少なくとも1個の内周コア片を周方向に移動可能に構成したものである。
以上のように、内周コアの移動によりティースに生じる磁束量が変化して電圧の制御が可能となり、かつ、内周コアは径方向に均一な厚みを有しているので、磁気抵抗が変化せず従ってインダクタンスが変化しない。
実施の形態1.
本発明に係る永久磁石式モータについて図を用いて説明する。なお、同種の発電機についてもこの発明は同様の要領で適用することができるので、以下では、永久磁石式モータに適用した場合について説明するものとする。
図1は、本発明の実施の形態1における永久磁石式モータの構成を示す縦断面図である。図において、固定子1は、フレーム(図示せず)に固定されている固定子コア3とコイル2、そして周方向に移動可能な内周コア片6、内周コア片7から構成される。内周コア片6、7の集合体を内周コア30とする。
回転子9は、回転子コア11と回転子コア11の表面に交互に磁極が異なるように配置された永久磁石10、およびシャフト12からなり、固定子1と空隙8を隔て配置されている。
一般の永久磁石式モータと本発明のモータの違いは、内周コア片6および内周コア片7の有無だけであり、モータ動作原理は一般の永久磁石式モータと同様であり、これら一般の永久磁石式モータと共通する内容については説明を割愛するものとする。
本発明による永久磁石式モータの横断面図を図2、図3に示す。
図2は、図1内に示すA断面の横断面図を示したもので、図3は、同じくB断面の横断面図を示したものである。
図2において、固定子1は、フレーム(図示せず)に固定されている固定子コア3とコイル2(図示せず)から成り、固定子コア3は、継鉄部にあたるコアバック5とコイル2が巻回されその先端が回転子9に対向するティース4で構成されている。
そして、固定子コア3の内周側であってティース4の先端と回転子9の永久磁石10との間には、周方向に移動可能な内周コア片6が各ティース4に対応して配置されている。
回転子9は、回転子コア11と回転子コア11の表面に交互に磁極が異なるよう配置された永久磁石10とシャフト12とからなり、固定子1とは空隙8を隔てて配置されている。
本図においては、表面磁石式の永久磁石式モータを例に示しており、その極数は8極、スロット数は12スロットとなっている。内周コア片6は、周方向にティース同様、磁性・非磁性の領域が交互に配置され、この磁性領域が内周コア片6を形成するよう構成されている。本図では、ティース数と同数の磁性領域を持つ。この磁性領域は、薄板鉄心を積層した構成としてもよく、紛体鉄心で構成してもよい。また、非積層の鉄でも磁性体であれば構わない。また、個々の磁性領域は非磁性領域で、例えば、モールドなどにより連結されており、一体となって回転することが可能である。
内周コア片6の各磁性領域の周方向中心部は、丁度ティース4の周方向中心部と一致する状態となっている。
一方、図1のB断面の横断面図を示した図3は、図2と比較して内周コア片7の部分が異なるだけであるため、詳細の説明は省略する。内周コア片7は、内周コア片6とその周方向位置が異なり、内周コア片6より反時計回りに若干回転した位置に配置されている。
後段で詳述するように、内周コア片6、7の周方向位置が、図1のA断面とB断面とで異なることにより、それぞれに発生する磁束量が異なり、これら磁束量が異なる両内周コア片6、7からの磁束が共通のティース4に流れ、同ティース4に巻回されたコイル2に鎖交する磁束量は、両内周コア片6、7の磁束量の位相を考慮した和となる。
図4に、コイル2に発生する磁束量を示す。図4は、A断面で示す図1の左側ステータ領域およびB断面で示す図1の右側ステータ領域からコイル2に鎖交する磁束量と、コイル2全体で鎖交する合成された全磁束量とを示したものである。
内周コア片6と内周コア片7とが周方向の同じ位置にある場合、全磁束量の波高値は2となるが、本図においては、内周コア片6と内周コア片7とが周方向に60度(電気角)位相がずれている場合を示しており、全磁束量の波高値は1.73となり、同位置にある場合より13%低減されている。これは電圧に換算しても13%の低減に相当する。
また、コイル2のインダクタンスは、ティース4から、内周コア30−空隙8−永久磁石10−回転子コア11−永久磁石10−空隙8−内周コア30−ティース4−コアバック5と通る磁気回路の磁気抵抗により決まる。本発明における永久磁石式モータでは、内周コア30(6、7)の径方向厚みが均一であるので、その移動により磁気抵抗の大きな部分を占める空隙長が一定のため磁気抵抗が変化せず、従って、内周コア30(6、7)の位置によらずインダクタンスは同じとなることがわかる。
次に、図5を用いて、本発明の内周コアの移動機構について説明する。なお、図5は、内周コア片6について示しているが、内周コア片7についても同様の機構が設けられている。図5において、固定子コア3とコイル2とはフレーム15により固定されており、内周コア片6は周方向に移動可能に配置されている。また、内周コア片6は、内周コア延長部材13と接続されており、ベアリング14を介してフレーム15に結合されている。内周コア延長部材13の端部にはギア17が設けられており、駆動モータ16に連結されたギア18と組み合わされている。
次に、図5の移動機構を操作して内周コア片6を周方向に移動させる動作について説明する。駆動モータ16が回転することで、ギア18が回転し、連結されたギア17が回転する。それにより内周コア延長部材13と内周コア片6とが同時に回転する。
以上の構成から、内周コア片6は、駆動モータ16の回転により希望する位置に位置決めし、また、固定することができる。
ここで、両内周コア片6、7の対応するティース4との周方向距離に差を生じさせることにより、当該ティース4に生じる合成磁束量が変化する現象を理論的な観点から詳細に説明する。
以下の説明の便宜上、先の図2に示す図中最右端に位置するティース4、内周コア片6、永久磁石10を対象として説明するものとする。
図において、この状態を時間0とし、内周コア片の直左に位置する永久磁石をN極とすると、その磁石がロータ表面につくる磁束密度Bは(1)式で表される。
Figure 0004637714
ここで、Bmは、最大磁束密度、θは、図2に示すように、横軸位置を0とし、反時計回りにカウントした周方向距離を機械角度で表示するもので、ここでは8極の例を示しているので、電気角では4θとなる。また、ωは、電気角表示の角速度で、回転速度をr(r/min)、極数p=8とすると(2)式で表される。
Figure 0004637714
スロット、従って、ティースは12個形成されているので、ティースに鎖交する磁束量φは(3)式となる。
Figure 0004637714
但し、Asは、内周コア片1個の回転子側表面積である。このティースに鎖交する磁束量φは、コイル1ターンに鎖交する磁束量と等しい。
ここで、内周コア片6が反時計回りにα(電気角表示)移動したとき、および内周コア片7が時計回りにβ(電気角表示)移動したときの磁束量φは、それぞれ(4a)式、(4b)式で表される。
Figure 0004637714
ここでは、図1に示すとおり、内周コア30を軸方向に均等に2分割して内周コア片6および7としているので、ティースに発生する、従って、コイルに鎖交する磁束量φは、(4a)式、(4b)式をそのまま加算した(5)式で表される。
Figure 0004637714
但し、γは、(6)式で決まる値である。
Figure 0004637714
ティースにNターンのコイルが巻回されているとすると、ティースに鎖交する磁束量φから、コイルに発生する電圧Vは、(7)式で求められる。
Figure 0004637714
以上の式から、このαとβの組合せにより、磁束量φは、0から(√3/2)・Bm・Asまでの任意の値を取り得ることが分かる。但し、内周コアは、隣のティースと干渉しない範囲でしか移動させることができないため、この点からα、βの取りうる範囲が決まる。このことにより、磁束量φの最大値は変わらないが、最小値は上記の制限で変わることになる。
電圧は、磁束量φに比例するため、同様の範囲で変化させることができる。
また、既述したように、電圧は回転速度rにも比例してその値が上昇し必要電源容量が増大する等の弊害が生じうる。従って、電源容量を低減させるためには、本願発明を適用し、例えば、(8)式で示される関係に、αおよびβを制御すれば、速度が変わっても電圧が一定となるようにすることができるわけである。
Figure 0004637714
本願発明の理解を更に深めるため、以上の説明では、内周コアを軸方向に2分割してなる内周コア片6と7とを互いに周方向逆向きに移動させた場合について説明したが、仮に、分割をせず単体の内周コアを周方向に移動した場合の磁束量φの変化を求めてみる。
このケースは、先の(5)式において、β=−αとすることと等価となり、このときの磁束量φは、(9)式で表される。
Figure 0004637714
(9)式から、内周コアを単体で構成すると、αを変えることによって磁束量φ、従って、電圧Vの位相は変えることができるが、その大きさを変えることは出来ないことが理解できる。
なお、内周コアを軸方向に2分割するが、均等に分割せず両者の内周コア片の面積Asに差がある場合は、合成磁束量φを求める式が先の(5)式より複雑になるが、磁束量φ、従って、電圧Vを制御できるという点では、上述した均等分割の場合と同様である。
更に、内周コアを軸方向に3個以上の内周コア片に分割する場合は、少なくともその内の2個の内周コア片と対応するティースとの周方向距離(先に説明したα、βが相当する)に差が生じるようにすれば、磁束量φの演算が更に複雑になるが、磁束量φ、従って、電圧Vを制御できるという点では、上述した2分割の場合と同様である。
次に、本願発明を適用した場合の永久磁石式モータの特性、およびその制御における難易度を従来の場合と比較して説明する。
通常のモータで、出力一定運転をすると、その運転範囲内では磁束量は変化せず一定である。つまり、図6に示すように、電圧は速度に比例して上昇する。出力が一定であるので、電流は速度に略逆比例することとなる。
しかし、先行技術(特許文献1)や本発明では、磁束量を制御できるため、これらの関係は、図7の通りとなる。即ち、速度の高い状態では、磁束量を低減するため、ターン数は最大電圧が同じくなるよう変更してある(磁束量を10%低減可能なら、ターン数は10%増加)。
このように磁束量を変化させることで、電圧一定領域があり、その間は電流も一定である。この結果、最大電流を低減することが可能となり、これらの電流・電圧や磁束量については先行技術とも同一である。
先行技術と異なるのはインダクタンスが変化しないことである。インダクタンスは磁気抵抗の逆数であるため、インダクタンスを変化させないことは磁気抵抗を変化させないことに等価である。また、モータの磁気抵抗はその磁気回路中の空気の距離、空隙長にほぼ比例する。本発明では、内周コアが回転してもこの空隙長は変わらないためインダクタンスは変化しない。
一方、先行技術では、ティースから回転子までの磁気的な距離が変化するためインダクタンスが変化する。
モータは、磁束に直交する電流を流すことでトルクを発生することができる。インバータなどの永久磁石式モータを運転する機器は、指令トルクに対し、必要な電流を算出し、その電流を流すのに必要な電圧を算出し、所定の電圧を発生させる。この際、電圧は、回転子が作る磁束による電圧、巻線抵抗による電圧とコイルに通電することにより発生する電圧からなる。そして、速度に応じて電圧を制御するため、内周コアの位置を変更するとインダクタンスが変わる先行技術では、そのため、例えば、速度とインダクタンスの関係を式により表現したり、マップにより表現する逐次計算が必要である。
これに対し、本願発明のように、磁束量を変化させるため内周コアの位置を変更してもインダクタンスが変化しない場合は、演算が軽減されインバータ指令の時間遅れが軽減される。
以上のことをモータで一般に用いられるdq軸を用いた式により再度説明する。インバータがモータに供給する電圧vは、(10)式で表される。
Figure 0004637714
ここで、φmは、回転子が作る磁束をdq変換(3相2相変換)した値、Lqは、q軸インダクタンス、iqは、q軸電流、Rは、相抵抗である。インバータは、この(10)式と、トルクに関する以下の(11)から算出されるiqを用いて電圧を算出する。
Figure 0004637714
この際、インダクタンスLqが、速度に応じて内周コアの位置が移動することにより変化すると、そのインダクタンスの変化は、速度に対しマップや式で持つこととなり、逐次計算が必要となって計算量が増加することとなるわけである。
以上のことから、本発明の実施の形態1における永久磁石式モータでは、内周コアの移動によりティースに生じる磁束量が変化して電圧の制御が可能となり、かつ、内周コアは径方向に均一な厚みを有しているので、磁気抵抗が変化せず従ってインダクタンスが変化せず、高速運転時の制御性能の向上が実現可能となる。
実施の形態2.
図8は、この発明の実施の形態2における永久磁石式モータを示す縦断面図である。ここでは、先の実施の形態1の図1における内周コア片7が、固定子コア3、従って、ティース4と一体に構成されており、ティース4との相対距離は固定されている。内周コア片6を周方向に移動させることにより、2個の内周コア片6、7と対応するティース4との周方向距離に差を生じさせる構成である。
従って、この実施の形態2では、内周コア片7を移動させる駆動機構は不要で、一方の内周コア片6のみを移動させる駆動機構があればよく、その分、駆動モータ16等からなる駆動機構が1台で済むという利点がある。
この場合のティース4に鎖交する磁束量φは、先に説明した(5)式において、内周コア片7の移動量に相当するβを固定値(定数)とし、内周コア片6の移動量に相当するαの関数として求められ、αを変化させることで、磁束量φ、従って、電圧Vを変化させることができるという点で、先の実施の形態1と同一の原理に基づくものである。
実施の形態3.
図9は、この発明の実施の形態3における永久磁石式モータの内周コアの駆動機構を示す一部拡大縦断面図である。これまでの実施の形態では、内周コア片の数と同等の数の駆動モータが必要であったが、図9で示す駆動機構を採用すると、内周コア片6と、内周コア片7とは逆向きに動くよう、ギア19、ギア20、ギア21が配置されており、内周コア片の数より少ない駆動モータで駆動することが可能となる。即ち、ここでは、2個の内周コア片6、7を1個の駆動モータ16(図9では図示省略)で駆動する。
内周コア片7を駆動モータ16で周方向に回転させると、ギア21が同じ方向に回転し、ギア20を介し、ギア19と内周コア片6は、内周コア片7と逆方向に回転する。内周コア片6と内周コア片7は、周方向の同じ方向にトルクを受けている。例えば、内周コア片6をトルクと同じ方向に動かす場合は、回転方向と同じ方向のトルクを受けており、内周コア片7をトルクと反対方向に動かす力と相殺され、駆動モータ16の駆動力が少なくて済む。これは、駆動モータ16を小型化でき、安価な装置を提供できることを意味する。
この場合の磁束量φは、先の(5)式でα=βと代入することで、以下の(12)式で求められる。
Figure 0004637714
この結果、磁束量φの大きさは、αの値を変えることで変化させることが可能となる。また、αを変化させても磁束量φの位相は変化しない。位相が変化すると、それに直交する電流を通電してトルクを得る際に位相情報が必要となるが、このようにα=βとすることで通電位相を考慮しなくてもよく(変化させなくてもよく)、演算時間短縮に有効となる。
また、いずれの場合も、α、βはともに移動可能角度に制限があるが、α=βとすることで変化量を大きくとれ、磁束量や電圧の変化量を大きくとれることになる利点もある。
実施の形態4.
図10は、この発明の実施の形態4における永久磁石式モータを示す横断面図である。実施の形態1の図2とは、固定子1のスロット数(ティース4の数)は12で同一であるが、回転子9の極数は、図2での8極に対して、図10では2倍の16極となっている。
内周コアをインダクタンスが変化しない領域で周方向に移動させるには、その移動範囲に限界がある。図2で示す永久磁石式モータと、図10で示す永久磁石式モータとでは、移動可能な機械角度は同じであるが、電気角は倍異なり、図10で示す永久磁石式モータの方が同じ移動角度でも電気角の変化は大きくなる。これは、先のα、βをより広い範囲で変化させ得ることに相当し、磁束量φの制御変化範囲も大きくなり、電圧を制御できる範囲も増加するという利点がある。
一般に極数よりスロット数の少ない組合せは、最小単位が4極3スロットか5極3スロットとなるものが望ましい。即ち、nを任意の整数とすると、4・n極3・nスロットか5・n極3・nスロットである。図10の例は前者(n=4)の例に該当する。
これは、それ以外の組合せとすると、磁束の有効利用度合いを表す巻線係数が小さくなり、銅損が大きくなるためである。
実施の形態5.
内周コアは、以上で説明したとおり、インダクタンスを変化させることなく、コイルに鎖交する磁束量を変化させ、電圧を制御する機能を実現するものである。ところで、その動作に着目すると、内周コアは、回転子の永久磁石と固定子のティースとの間に介在し、この内周コアを経由して両者間に磁束を流すものである。
一方、モータの磁気回路に流れる磁束には高調波成分が存在し、コギングやリップル等好ましくない現象の要因となっている。
そこで、内周コアの周方向の幅を、特定次数の波長に相当する電気角にすると、当該次数の高調波磁束成分は、1周期の積分値が0となり、ティースに伝達されないことになる。
図11は、5次の高調波に対する影響度と内周コアの周方向幅(電気角)との関係をプロットしたもので、同幅を、5次高調波の波長に相当する電気角72度またはその整数(n)倍の角度72・nに設定することで、ティースに伝達される5次高調波磁束が0となっていることが分かる。従って、回転子が発生する5次高調波磁束成分は、コイルとは鎖交しなくなり、その分、コギングやリップル等の現象が抑制される。
実施の形態6.
図12は、先の実施の形態5と同様の考え方で、7次高調波磁束成分の抑制を目的に、7次の高調波に対する影響度と内周コアの周方向幅(電気角)との関係をプロットしたもので、同幅を、7次高調波の波長に相当する電気角51度またはその整数(n)倍の角度51・nに設定することで、ティースに伝達される7次高調波磁束が0となっていることが分かる。従って、回転子が発生する7次高調波磁束成分は、コイルとは鎖交しなくなり、その分、コギングやリップル等の現象が抑制される。
実施の形態7.
図13は、5次と7次の高調波成分の両者を抑制可能な内周コア幅を求めるべく、両次数の高調波に対する影響度と内周コアの周方向幅(電気角)との関係をプロットしたものである。
この特性から、内周コアの周方向幅を、電気角で144(=360/5×2)〜153(=360/7×3)度、または204(=360/7×4)〜216(=360/5×3)度に設定することで、5次と7次の高調波成分を共に充分小さな値にまで抑制することが可能なことが分かる。
また、この発明の各変形例において、各内周コアは、軸方向に2等分割された2個の内周コア片からなり、両内周コア片を互いに周方向逆向きに移動させる駆動手段を備えたので、簡便な演算で電圧の確実な制御が可能となる。
また、駆動手段は、単一の駆動源とこの駆動源からの駆動力を両内周コア片に伝達する伝達機構とからなり、両内周コア片を互いに周方向逆向きであって互いに同量移動させるようにしたので、駆動手段が簡便安価となり、電圧の大きさを位相変化を伴うことなく広範囲に制御することができる。
また、各内周コアは、軸方向に2等分割された2個の内周コア片からなり、その内一方の内周コア片は固定子のティースと一体に構成され、他方の内周コア片は周方向に移動可能に構成されたので、内周コア片の構成およびその駆動手段が簡便安価となる。
また、固定子のティースの数より回転子の永久磁石の数を多くしたことので、電圧変化範囲が拡大する。
また、回転子で発生する特定次数の高調波磁束の固定子のティースへの伝達率を抑制するよう、各内周コアの周方向の幅を設定したので、更に、コギングやリップルが抑制されるという効果が期待できる。
また、各内周コアの周方向の幅を、電気角で72度×n(nは整数)としたので、特に、5次の高調波成分が効率的に抑制される。
また、各内周コアの周方向の幅を、電気角で51度×n(nは整数)としたので、特に、7次の高調波成分が効率的に抑制される。
また、各内周コアの周方向の幅を、電気角で144〜153度、または204〜216度としたので、5次と7次の高調波成分が共に効果的に抑制される。
この発明の実施の形態1における永久磁石式モータの構成を示す縦断面図である。 図1内のA断面を示す横断面図である。 図1内のB断面を示す横断面図である。 コイルに鎖交する磁束量を示す図である。 この発明の実施の形態1における永久磁石式モータの内周コアの移動機構を示す縦断面図である。 磁束量の制御を行わない場合の永久磁石式モータの特性を示す図である。 磁束量の制御を行った場合の永久磁石式モータの特性を示す図である。 この発明の実施の形態2における永久磁石式モータの内周コアの移動機構を示す縦断面図である。 この発明の実施の形態3における永久磁石式モータの内周コアの駆動機構を示す一部拡大縦断面図である。 この発明の実施の形態4における永久磁石式モータの構成を示す横断面図である。 この発明の実施の形態5における永久磁石式モータの5次の高調波に対する影響度を示す図である。 この発明の実施の形態6における永久磁石式モータの7次の高調波に対する影響度を示す図である。 この発明の実施の形態7における永久磁石式モータの5次と7次の高調波に対する影響度を示す図である。
符号の説明
1 固定子、2 コイル、3 固定子コア、4 ティース、6,7 内周コア片、
8 空隙、9 回転子、10 永久磁石、11 回転子コア、16 駆動モータ、
30 内周コア。

Claims (9)

  1. 複数個の永久磁石が周方向に所定の間隔で配置された回転子、および先端が上記回転子に対向する複数個のティースが周方向に所定の間隔で配置された固定子コアと上記各ティースに巻回されたコイルとを有する固定子を備えた永久磁石式回転電機であって、
    径方向における上記回転子の永久磁石と上記固定子のティース先端との間に上記各ティースに対応して配置された内周コアを備え、
    上記各内周コアは、径方向に均一な厚さを有するとともに軸方向に複数個の内周コア片に分割され、上記内周コア片の少なくとも2個と対応するティースとの周方向距離に差を生じさせ得るよう少なくとも1個の内周コア片を周方向に移動可能に構成したことを特徴とする永久磁石式回転電機。
  2. 上記各内周コアは、軸方向に2等分割された2個の内周コア片からなり、上記両内周コア片を互いに周方向逆向きに移動させる駆動手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の永久磁石式回転電機。
  3. 上記駆動手段は、単一の駆動源とこの駆動源からの駆動力を上記両内周コア片に伝達する伝達機構とからなり、上記両内周コア片を互いに周方向逆向きであって互いに同量移動させるようにしたことを特徴とする請求項2記載の永久磁石式回転電機。
  4. 上記各内周コアは、軸方向に2等分割された2個の内周コア片からなり、その内一方の内周コア片は上記固定子のティースと一体に構成され、他方の内周コア片は周方向に移動可能に構成されたことを特徴とする請求項1記載の永久磁石式回転電機。
  5. 上記固定子のティースの数より上記回転子の永久磁石の数を多くしたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
  6. 上記回転子で発生する特定次数の高調波磁束の上記固定子のティースへの伝達率を抑制するよう、上記各内周コアの周方向の幅を設定したことを特徴とする請求項記載の1ないし5のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
  7. 上記各内周コアの周方向の幅を、電気角で72度×n(nは整数)としたことを特徴とする請求項6記載の永久磁石式回転電機。
  8. 上記各内周コアの周方向の幅を、電気角で51度×n(nは整数)としたことを特徴とする請求項6記載の永久磁石式回転電機。
  9. 上記各内周コアの周方向の幅を、電気角で144〜153度、または204〜216度としたことを特徴とする請求項6記載の永久磁石式回転電機。
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