JP4636666B2 - 酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化クロム含有ダストからクロム含有溶銑を回収すると共に、生成する最終スラグ中の酸化クロム含有量を環境に無害なレベルまで低減することが可能な酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、酸化クロム含有ダストは加熱炉で還元され、得られた金属クロムはフェロクロムとして回収されていた。しかし、酸化クロム含有ダストの還元反応を効率的に進行させるためには加熱炉内を1600℃以上の高温に保持する必要があり、加熱のための燃料費の増大、生成したスラグによる加熱炉の内張り用耐火物の溶損等のために、経済的に見合う処理方法とはなっていなかった。そのため、例えば、ステンレス鋼精錬炉等から排出される酸化クロム含有ダストは、その大半が埋立て処分されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、酸化クロム含有ダストをそのまま埋立て処分場に廃棄すると時間の経過と共に酸化クロム含有ダストから6価クロムが溶出するおそれがある。そのため、埋立て処分する場合には、酸化クロム含有ダストから6価クロムが溶出するのを防止するための酸化クロムの溶出防止処理を行う必要があり、処理費の発生により埋立て処分に伴う経済的負担が大きくなるという問題があった。また、資源の有効活用の一環として、廃棄物のリサイクルによる資源化を進める観点からも、現状の埋立て処分法を継続することには問題が生じる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、製鉄プロセス中の各種精錬炉から排出される酸化クロム含有ダストから、金属クロムをクロム含有溶銑として回収すると共に発生する最終スラグ中のクロム含有量を1重量%以下の環境に無害なレベルまで低減することが可能な酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法は、製鉄プロセス中の各種精錬炉から発生する酸化クロム含有ダストを加熱炉で処理する酸化クロム含有ダストの処理方法において、
前記酸化クロム含有ダストと炭材と造滓剤とからなる混合物を、前記加熱炉中に連続的に投入し、前記混合物中の前記酸化クロム含有ダストを1300℃以上1400℃未満の温度で溶融させ、
しかも、前記加熱炉内の雰囲気中のCO/(CO+CO 2 )が0.4以上となるように、加熱装置に供給する酸素量を調整すると共に、前記混合物中の造滓剤の組成調整により、生成する最終スラグの成分を下記(1)〜(3)として、該最終スラグが1300℃での排滓性を確保して、前記酸化クロム含有ダスト中の酸化クロムを還元し、金属クロムを含有する溶銑を生成させ、生成する前記最終スラグ中の酸化クロムの含有量を1重量%以下とし、
前記加熱炉は入口側から出口側に向けて下方に傾斜したロータリーキルンであって、前記混合物は該ロータリーキルンの入口側から投入され、前記溶銑及び前記最終スラグは該ロータリーキルンの出口側から排出される。
(1)MgO+Al 2 O 3 <23重量%
(2)CaO/SiO 2 <1.7
(3)FeO<3重量%
本発明に係る酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法は、混合物中の酸化クロム含有ダストを溶融させて、酸化クロム含有ダスト中の酸化クロムと酸化鉄を混合物中の炭材によりそれぞれ直接還元するので、効率的に酸化クロム含有ダストを金属クロムと金属鉄にそれぞれ転換しながらクロム含有溶銑を得ることができる。また、得られた金属クロムは溶融した金属鉄、すなわち溶銑中に溶け込むため、クロム含有溶銑として金属クロムの融点より低い温度で回収することができる。ここで、雰囲気温度を1300℃以上でかつ1400℃未満と規定したのは、1300℃未満では酸化クロム含有ダストを溶融させて効率的に還元を行うことが不可能なためであり、1400℃以上では還元の際に発生するスラグによる加熱炉の内張り用耐火物の溶損が激しくなり、加熱炉の耐用寿命が短くなるためである。
【0005】
最終スラグの成分が上記(1)〜(3)の条件を満たすように制御することにより、生成するスラグの液相割合(液相率)を実質的に1300℃で60〜90%とすることができる。スラグの液相率が60〜90%の場合、スラグは半溶融の状態となり、スラグの流動性を利用してスラグを加熱炉から容易に排出させることが可能となる。また、スラグが半溶融の状態であるため、スラグを加熱炉の内張り用耐火物の表面に付着させることができ、付着層を耐火物の保護層として作用させることができる。ここで、実質的に1300℃と規定したのは、温度が1300℃未満では、酸化クロム含有ダストを溶融させて効率的に還元を行うことが不可能なためである。
【0006】
本発明に係る酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法において、前記混合物中の炭材量の調整により、生成する前記最終スラグ中の炭材含有量を少なくとも15重量%確保して、前記混合物中の酸化クロム含有ダストの還元を安定的に進行させることが好ましい。
酸化クロム含有ダストを還元する際の炭材の作用は、炭材が燃焼して発生したCOによる還元作用と、酸化クロム含有ダストの還元により生成した金属クロムを含有する溶銑(フェロクロム)中に炭材が溶け込んで形成されている溶銑中の炭素(Fe3C状態としてのC)による還元作用とに分類できる。COによる還元は主に固相状態の酸化クロム含有ダストが対象となるのに対して、溶銑中の炭素による還元は主に液相状態の酸化クロム含有ダストが対象となり還元反応速度も大きく、還元反応の主体となっている。溶銑中の炭素による還元が進行すると溶銑中の炭素は徐々に消費され、炭素量の減少に伴い還元反応速度は徐々に低下する。従って、溶銑中の炭素による還元反応速度を一定のレベルに維持するためには、還元反応により消費された溶銑中の炭素分を連続的に供給して、溶銑中の炭素量を所定のレベルに維持しておく必要がある。加熱炉内ではスラグは比重差のため常に溶銑の上に浮遊しており、この浮遊スラグ中には炭材が懸濁している。酸化クロム含有ダストの還元反応が完了して最終的に生成する最終スラグ中に少なくとも炭材が15重量%含有されるように混合物を加熱炉に投入する段階で炭材量を制御しておくと、加熱炉の雰囲気が酸化雰囲気となるのを防止して、酸化クロムの還元により生成した金属クロムが、再度酸化クロムに変化するのを抑止してスラグ中の酸化クロム含有率を1重量%以下にできる。更に、最終スラグ中に少なくとも炭材が15重量%含有されるように混合物を加熱炉に投入する段階で炭材量を制御しておくと、酸化クロム含有ダストが還元されて溶銑中の炭素量が低下した場合、上部に浮遊するスラグ中の懸濁状態の炭材を溶銑中に移動させることができる。このため、常に溶銑中の炭素含有量を所定量、例えば、飽和状態量に保持することができる。更に、スラグ中に炭材が少なくとも15重量%存在すると、スロッピングの防止も可能になる。
【0007】
本発明に係る酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法において、前記混合物中の炭材は粒度調整された複数の炭材を組み合わせて粒度構成されていることが好ましい。酸化クロム含有ダストの還元反応を促進させるためには、加熱炉内の混合物の流動性を確保して均一に加熱すると共に、加熱炉内壁への混合物の付着を防止する必要がある。そのためには、混合物中に粒径の大きな粒子を存在させる必要がある。酸化クロム含有ダスト、炭材、造滓剤より混合物を調整する場合、酸化クロム含有ダストは精錬炉から発生するダストであるため、粒径は小さい。また、造滓剤はスラグを生成するための反応性を確保するため、粒径を小さくすることが好ましい。このため、粒径が大きくても酸化クロム含有ダストの還元反応に大きく影響しにくい炭材の粒径を調整することにした。
【0008】
本発明に係る酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法において、前記加熱炉中に投入された前記混合物の温度が1300℃に達するまで、少なくとも80℃/分の昇温速度で加熱するのが好ましい。
混合物を80℃/分未満の昇温速度で1300℃まで加熱すると、混合物が溶融するまで還元雰囲気に晒される時間が長くなり、酸化クロム含有ダスト中のFe2O3がFeOに変化し易く、混合物中に低融点のフェヤライト(2FeO・SiO)を生成して、加熱炉内壁に混合物が付着する現象が発生する。また、酸化クロム含有ダストへの浸炭に時間がかかり、しかも還元された固体鉄がスラグ中に存在してスラグの見掛けの融点を下げ、加熱炉内壁に付着する現象が発生する。このため、混合物を少なくとも80℃/分の昇温速度で加熱し、混合物を急速に加熱溶融させて、未溶融状態の混合物が還元雰囲気中に長く晒されないようにする必要がある。混合物が急速に加熱溶融されると、酸化クロム含有ダスト中のFe2O3からのFeOの生成を極力防止することができ、混合物中に低融点のフェヤライト(2FeO・SiO)の生成が減少して、加熱炉内壁に混合物が付着するのを防止することができる。また、浸炭速度も速く低融点の炭素飽和の溶鉄が得られる。
【0009】
本発明に係る酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法において、前記加熱炉中に投入された前記混合物の温度が1300℃に達すると、前記加熱炉内の雰囲気中のCO/(CO+CO2)が0.4以上となるように、前記加熱炉に設けられた加熱装置に供給する酸素量を調整して加熱する。
加熱装置に供給する酸素量を理論酸素量未満にすることにより、燃料が燃焼して生成する加熱炉内の雰囲気中のCOとCO2との量比を、例えば、CO/(CO+CO2)換算で0.4以上とすることができる。加熱炉内の雰囲気中のCO/(CO+CO2)を0.4以上にすることにより、加熱炉内の雰囲気を還元性雰囲気に維持することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法に適用された酸化クロム含有ダストの処理設備の一例であるロータリーキルン式処理設備の概念構成図、図2は最終スラグ中のコークス含有率と最終スラグ中の酸化クロム含有率との関係を示すグラフである。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法に適用されたロータリーキルン式処理設備10は、酸化クロム含有ダスト、炭材、及び造滓剤を主体とする混合物が連続的に投入され還元反応が生じる加熱炉の一例であるロータリーキルン11と、製鉄プロセス中の各種精錬炉から発生する酸化クロム含有ダストの一例であるステンレス鋼精錬炉ダストを貯蔵する定量排出機能を備えたホッパー12と、炭材の一例であるコークスを貯蔵する定量排出機能を備えたホッパー13と、造滓材を貯蔵する定量排出機能を備えたホッパー14と、各ホッパー12、13、14から連絡管15を経由して供給される所定量のステンレス鋼精錬炉ダスト、コークス、及び造滓材を混合して混合物を調整する混合物調整装置16と、調整された混合物をロータリーキルン11に輸送する輸送管17と、ロータリーキルン11の出口18側に設けられた加熱装置の一例であるLPG酸素バーナー19と、コークス燃焼用の酸素を供給するためのロータリーキルン11の入口20側に設けられた酸素ガス供給ランス26とを有している。以下、これらについて詳細に説明する。
【0011】
混合物中のステンレス鋼精錬炉ダストが加熱され溶融してコークスによる還元が進行するロータリーキルン11は、混合物調整装置16から輸送管17を経由して混合物が直接投入されるロータリーキルン11の入口20側からロータリーキルン11の出口18側に向けて下方に傾斜して、図示しない回転装置によりロータリーキルン11の中心軸に対して一定の回転速度で、例えば毎分0.1〜0.5回転の回転速度で回転している。ロータリーキルン11に直接投入された混合物は、ロータリーキルン11の回転に伴い転動しながら入口20側から出口18側に徐々に進行し、その際、ロータリーキルン11の出口18側に設けられたLPG酸素バーナー19によって加熱され、更にロータリーキルン11の入口20側に設けられた酸素ガス供給ランス26から供給された酸素により混合物中の一部のコークスが燃焼してそのとき発生した燃焼熱、ロータリーキルン11の内張り用耐火物21の輻射熱も加わり、混合物中のステンレス鋼精錬炉ダストは急速加熱されて溶融する。溶融したステンレス鋼精錬炉ダストは、混合物中の燃焼せずに残留しているコークスにより還元されて、ステンレス鋼精錬炉ダスト中の酸化クロムは金属クロムに、ステンレス鋼精錬炉ダスト中の酸化鉄は金属鉄、すなわち溶銑22にそれぞれ転換し、更に金属クロムは溶銑22中に取り込まれる。また、ステンレス鋼精錬炉ダスト中の酸化クロムと酸化鉄以外の残留物と造滓剤はスラグ23を形成し、スラグ23は比重の差により溶銑22の上に存在する。
【0012】
ロータリーキルン11内では、入口20側から出口18側に向けて雰囲気の温度が上昇する温度勾配と雰囲気中の酸素濃度が低下する酸素濃度勾配が生じているので、ステンレス鋼精錬炉ダストはロータリーキルン11内を進むにつれて溶融還元反応が徐々に進行して行き、出口18側に向かうにつれて溶銑22中の金属クロム含有量は増加し、生成したスラグ23組成は酸化クロムの還元が終了した際に生成する最終スラグの組成に近づいて行く。なお、ロータリーキルン11の出口18側には堰24が設けられているため、ロータリーキルン11内にはステンレス鋼精錬炉ダストから還元反応により生成した金属クロムを含有した溶銑22と溶銑22の上に浮遊しているスラグ23を常に一定量存在させることができる。
【0013】
ステンレス鋼精錬炉ダストの還元反応が進行してロータリーキルン11内の溶銑22の量が増加し堰24による保有可能量を超えると、過剰の溶銑22は堰24をオーバーフローしてロータリーキルン11の出口18から排出される。この際、溶銑22の上に浮遊しているスラグ23も同時に排出される。排出されるスラグ23はロータリーキルン11の出口18側のスラグであるため、ステンレス鋼精錬炉ダスト中の酸化クロムの還元が終了した際に生成する最終スラグの組成を有している。また、ロータリーキルン11の入口20側には、ステンレス鋼精錬炉ダストを含んだ混合物を溶融還元する際に発生する排ガスを排出するための排気管25が設けられている。排ガスは、LPG酸素バーナー19による燃焼ガス、ステンレス鋼精錬炉ダスト中の酸化鉄や酸化クロムの還元により発生した二酸化炭素、一酸化炭素等が含まれており、排気管25を出た排ガスは図示しない排ガス処理装置へ送られ、ここで一酸化炭素等の未燃焼ガスは完全燃焼されて、大気中に放出される。
【0014】
次に、本発明の一実施の形態に係る酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法について詳細に説明する。
始めに、LPG酸素バーナー19でロータリーキルン11内の雰囲気を1300℃以上でかつ1700℃以下の範囲で設定した所定温度に加熱しておき、ステンレス鋼精錬炉ダスト、コークス、造滓剤の各所定量をホッパー12、13、14から連絡管15を経由して混合物調整装置16に供給し、混合物の状態にしたものを輸送管17を用いてロータリーキルン11の入口20から連続的に投入する。ここで、ステンレス鋼精錬炉ダストの還元処理を行う前に、ステンレス鋼精錬炉ダストの成分の定量分析を予め行っておく必要がある。得られた定量分析結果に基づいて、必要な炭材量、必要な造滓剤の種類と量が具体的に決定される。
【0015】
先ず、必要なコークス量の算出について説明する。
ステンレス鋼精錬炉ダストが溶融還元されて金属クロムを含有した溶銑22となり、その際に発生する最終スラグ中の酸化クロムの含有量が1重量%以下となる場合、コークスの用途は、1)ステンレス鋼精錬炉ダストを還元するための熱エネルギーを発生するためのコークス、2)ステンレス鋼精錬炉ダスト中の酸化クロム、酸化鉄の還元反応に消費される還元剤、3)スラグ中の懸濁コークス、4)酸化鉄の還元により生成した溶銑22中に溶解する浸炭材としてのコークス、5)ロータリーキルン11内で燃焼消失するコークス、の5項目に分類される。この中で、2)の還元剤として使用されるコークス量はステンレス鋼精錬炉ダスト中の酸化クロム、酸化鉄の含有量から理論還元炭材量として正確に求められる。4)の浸炭材として使用されるコークス量は、種々の試験から溶銑22中に溶解する炭材量は約3重量%となることが判明しているので、生成する溶銑22の量から定量的に見積もることができる。1)の熱エネルギー発生用のコークス量は、還元に必要な理論炭材量の2倍の量で十分であることが各種試験から経験的に判明している。また、理論炭材量の2倍のコークスを使用すると、4)の浸炭に使用されるコークス量、3)の懸濁コークスを最終スラグ中に少なくとも15重量%存在させることも可能であることが試験より判明している。従って、5)のロータリーキルン11内で燃焼消失するコークスの量を、ロータリーキルン11の特性を考慮して見積もる必要がある。
【0016】
ここで、使用するコークスは、粒度調整された複数のコークスを組み合わせて粒度構成されているコークスを使用するのがよい。例えば、粒度調整したコークスとして、粒径が1mm以下の細粒コークス、粒径が1mmを超えて5mm以下の中粒コークス、粒径が6mmを超えて8mm以下の粗粒コークスが使用できる。これらの粒度調整されたコークスを、例えば、粗粒コークスが全コークス中に5%以上含有されるように粒度構成するのが好ましい。粗粒コークスが5%以上含有されることにより、ステンレス鋼精錬炉ダスト、コークス、造滓剤から構成される混合物のロータリーキルン11内での転動性を向上させて、ロータリーキルン11の内張り用耐火物21への混合物の付着が防止できる。このため、混合物全体は一様に加熱され、全体が一様に溶融することになる。なお、混合物中に含有されるコークスは、使用する全量を一度に混合物中に含有させてロータリーキルン11内に投入してもよいし、使用するコークスの一部が含有された混合物中に残りを混ぜながらロータリーキルン11内に投入するようにしてもよい。
【0017】
続いて、必要な造滓剤の種類と量について説明する。
ステンレス鋼精錬炉ダストの定量分析によって得られたAl2O3、CaO、MgO、SiO2の各含有量から、ステンレス鋼精錬炉ダスト中の酸化クロムと酸化鉄の還元が終了した場合における最終スラグの組成を計算し、最終スラグ中のMgOとAl2O3の和がMgO+Al2O3<23重量%の条件、CaOとSiO2がCaO/SiO2<1.7の条件を満足するか確認する。これらの条件が満足されない場合は、条件が満足されるようにAl2O3、CaO、MgO、SiO2の中から必要な成分を決定し必要量を算出する。Al2O3、CaO、MgO、SiO2の中から選定された成分が使用するステンレス鋼精錬炉ダストに対する造滓剤となる。なお、計算した最終スラグの組成が、MgO+Al2O3<23重量%、及びCaO/SiO2<1.7の条件を満足する場合では、造滓剤を使用する必要はない。
【0018】
次に、混合物をロータリーキルン11内に投入して還元する過程を詳細に説明する。
雰囲気が1300℃以上でかつ1700℃以下の範囲で設定した所定温度に加熱されているロータリーキルン11内に、ステンレス鋼精錬炉ダスト、コークス、及び造滓剤からなる混合物が投入されると、投入された混合物に熱が奪われるためロータリーキルン11の入口20側の雰囲気温度は低下する。このため、図示しない入口20側に設けられた熱電対等の温度計で混合物の温度と雰囲気温度を測定し、雰囲気温度が当初設定した温度以下に低下した場合、LPG酸素バーナー19に供給する酸素量を燃料が燃焼するのに必要な理論酸素量以上の量としながらLPGを燃焼させる。LPG酸素バーナー19に理論酸素量以上の酸素を供給したため、ロータリーキルン11内の雰囲気中には酸素が過剰となる。このため混合物中のコークスが燃焼して発熱し、混合物の温度が上昇すると共にロータリーキルン11内の雰囲気温度も上昇する。
【0019】
混合物は投入された当初は含有する水分や、揮発成分のため温度上昇速度は小さいが、混合物の温度が約400℃程度となる間に揮発成分は消失してしまうので、その後の昇温速度は大きくなる。ロータリーキルン11内に投入された混合物の温度が1300℃に達するまで、LPG酸素バーナー19に理論酸素量以上の酸素を供給して燃焼させ、少なくとも80℃/分の昇温速度で混合物が加熱されるようにする。混合物を少なくとも80℃/分の昇温速度で加熱することにより、混合物を急速に加熱溶融させて、ステンレス鋼精錬炉ダストからのFeOの生成を極力防止する。FeOの生成を防止して、最終スラグ中に含有されるFeOを3重量%未満にすると、混合物中に低融点のフェヤライト(2FeO・SiO)が生成するのを防止でき、ロータリーキルン11の内壁にフェヤライトが結合剤となって混合物の付着層を形成するのを防止する。
【0020】
混合物の温度が1300℃以上となり混合物が溶融状態になると、ロータリーキルン11内の雰囲気中のLPGとコークスが燃焼して生成したCOとCO2の量比がCO/(CO+CO2)換算で0.4以上となるように、ロータリーキルン11に設けられたLPG酸素バーナー19に供給する酸素量を燃料が燃焼するのに必要な理論酸素量未満とする。ロータリーキルン11内の雰囲気を、CO/(CO+CO2)換算で0.4以上とすることにより、ロータリーキルン11内の雰囲気を還元性雰囲気に維持して、還元反応の促進を図る。
【0021】
次に、混合物中のステンレス鋼精錬炉ダストにおいて生じる還元反応について説明する。
ロータリーキルン11内に投入された混合物は、ロータリーキルン11が入口20側から出口18側に向かって下方向に傾斜しているので、ロータリーキルン11の回転により、入口20側から出口18側に徐々に移動する。混合物は、入口20側から出口18側への移動中に、LPG酸素バーナー19による加熱、コークスの燃焼による加熱、ロータリーキルン11の内張り用耐火物21からの熱輻射や熱伝導によって加熱される。混合物の温度が1000℃を超えると、ステンレス鋼精錬炉ダスト中の酸化鉄や酸化クロムは、
Fe2O3+CO→2FeO+CO2
FeO+CO→Fe+CO2
CO2+C→2CO
(FeO)+[C]→[Fe]+CO
Cr2O3+3CO→2Cr+3CO2
(Cr2O3)+3[C]→2[Cr]+3CO
に示すように、ステンレス鋼精錬炉ダスト中の酸化鉄が還元されて生成した溶銑22中にコークスが溶解して形成しているFe3C中の炭素、混合物中のコークス、LPG及びコークスが燃焼して生成する一酸化炭素によって、ステンレス鋼精錬炉ダスト中の酸化鉄と酸化クロムは還元されてそれぞれ溶銑22と金属クロムに変化し、金属クロムは溶銑22中に取り込まれてフェロクロムを形成する。同時に、ステンレス鋼精錬炉ダスト中の酸化鉄と酸化クロム以外の残留物と造滓剤からはスラグ23が形成される。ここで、(FeO)と(Cr2O3)はそれぞれ溶融スラグ中のFeOとCr2O3を示し、[C]、[Fe]、[Cr]は溶銑22中のC、Fe、Crをそれぞれ示す。
【0022】
このとき、1300℃以上の温度で、融点の高いスラグ23が生成されると上記に示す還元反応の進行は困難となり、酸化クロムの還元は進まなくなるので、高融点のマグネシアスピネル(MgO−Al2O3−Cr2O3)生成を防止して、生成するスラグ23の融点をできるだけ低下させる必要がある。そのためには、造滓剤により組成を制御し、更にCaOを含有するスラグ23の粉化を防止するために塩基度(CaO/SiO2)の調整を行う必要がある。種々の試験から、混合物中の酸化クロムを還元したときに生成する最終スラグの成分が、下記の(1)〜(3)の条件を満足すれば、CaOを含有するスラグ23の粉化を防止し、1300℃以上でスラグ23の液相率を60〜90%として、スラグ23を半溶融状態に保持できることが判明している。
(1)MgO+Al2O3<23重量%
(2)CaO/SiO2<1.7
(3)FeO<3重量%
このため、最終スラグの成分が上記(1)〜(3)の条件を満足するように、混合物中の造滓材で組成の調整を行っている。
【0023】
スラグ23の液相率を60〜90%として、スラグ23を半溶融状態に維持することは、スラグ23の温度を1400℃以上に上昇させることによっても可能である。しかし、このように高温にスラグ23の温度を上昇させると、スラグ23の粘性は次第に低下し、最終的には完全に溶融する状態となる。そのため、ロータリーキルン11の内張り用耐火物21の損傷が顕著となり始める。従って、スラグ23の温度は、内張り用耐火物21の損傷が生じない範囲で、かつ還元反応が効率的に進行するようになるべく高温に保持するのが好ましい。具体的には、1300℃以上で、かつ1500℃未満の温度、より好ましくは1300℃以上で、かつ1400℃未満に設定するのがよい。
【0024】
混合物の温度が、1300℃以上で1400℃未満においては、溶銑22中の炭素によって酸化鉄や酸化クロムの還元が主に行われるため、溶銑中の炭素(Fe3Cを形成している炭素)による還元反応の進行を維持するには、溶銑22中で還元により消費された炭素を外部から常に補給する必要がある。生成するスラグ23中に懸濁するコークス量を少なくとも15重量%となるように、ロータリーキルン11に投入する混合物中のコークス量を事前に調整してやれば、溶銑22中で消費された炭素を、スラグ23中から常に補給することが可能となる。このように、生成するスラグ23中に懸濁するコークス量を少なくとも15重量%含有されるように調整し、溶銑22中の炭素が減少すると炭素が常に供給される状態にして溶銑22の還元能力を高位に維持すると、図2に示すように、酸化クロムの還元が促進されて最終スラグ中の酸化クロム含有量を1重量%以下に低減することができる。更に、スラグ23中に懸濁するコークス量を少なくとも15重量%確保してやれば、スロッピング現象が防止できて還元反応を安定的に継続して進行させることも可能となる。
【0025】
以上のように、ロータリーキルン11内に直接投入された混合物は、ロータリーキルン11の入口20側から出口18側へ移動しながら、その間に加熱が行われ、次に還元反応が生じて、ロータリーキルン11の出口18側付近では金属クロムを含有した溶銑22と溶銑22の上に浮遊している溶融状態のスラグ23とになる。ロータリーキルン11の出口18側には堰24が設けてあるので、溶銑22と溶融したスラグ23とは堰24をオーバーフローして、ロータリーキルン11から連続的に排出される。このときロータリーキルン11は回転しているため、溶銑22と溶融したスラグ23との間の比重差、粘性差等により、溶銑22と溶融したスラグ23とは堰24をオーバーフローする位置が異なり、溶銑22と溶融したスラグ23とは分離されて連続的にロータリーキルン11から排出されることになる。
【0026】
また、1300℃以上で、かつ1400℃未満で溶融したスラグ23の液相率が60〜90%となるようにスラグ組成の調整を行うと、ロータリーキルン11の内張り用耐火物21の表面に半溶融状態のスラグ23をコーティングすることができ、内張り用耐火物21の表面に半溶融状態のスラグ23層からなる保護層を形成させることができる。これによって、内張り用耐火物21の溶損が防止でき、内張り用耐火物21の寿命を大幅に延長することが可能になる。
【0027】
【実施例】
出口側にLPG酸素バーナーと堰を備えたロータリーキルン式処理設備を使用して、表1に示すステンレス鋼精錬炉から発生したステンレス鋼精錬炉ダスト60kgを処理した。使用するステンレス鋼精錬炉ダスト中のSiO2とCaOの含有量からは、CaO/SiO2は約4.6となり、CaO/SiO2<1.7の条件が満たされないので、CaOとSiO2を造滓剤として使用し、CaO/SiO2=1.2となるようにそれぞれの使用量を調整した。ステンレス鋼精錬炉ダスト60kgに対して、使用する造滓剤量はCaO20kg、SiO225kgとなった。また、ステンレス鋼精錬炉ダスト60kgに対して必要な理論還元炭材量は10.3kgとなった。使用するロータリーキルン式処理設備の特性とLPG酸素バーナーの操作条件から、ステンレス鋼精錬炉ダスト60kgに対して使用するコークス量を、理論還元炭材量の5倍に設定した。使用するコークスは粒度調整した、1mm以下の細粒コークス、1mmを超えて5mm以下の中粒コークス、6mmを超えて8mm以下の粗粒コークスである。理論還元炭材量の2倍量の細粒コークスをステンレス鋼精錬炉ダスト60kg、CaO20kg、SiO225kgと共に混合して事前に混合物とし、この事前混合物に更に理論還元炭材量の2倍量の中粒コークスと理論還元炭材量に相当する量の粗粒コークスとを加えて最終的な混合物を調整した。粗粒コークスの量は、全コークス量に対して20%であるため、ロータリーキルン内での混合物の転動性を十分に確保でき、ロータリーキルンの内壁への混合物の付着を防止できる。
【0028】
【表1】
【0029】
雰囲気温度を1350℃に調整し、0.22回転/分の回転速度で回転させているロータリーキルンの入口側から、ステンレス鋼精錬炉ダスト、CaO、SiO2、及びコークスからなる混合物を徐々に投入し加熱溶融させる。混合物をロータリーキルンに投入して行くと、炉内の雰囲気温度は低下するので、LPG酸素バーナーの燃焼条件をLPGが12Nm3/H、酸素が85Nm3/H、空気が95Nm3/Hとして、混合物を昇温速度80℃/分で1300℃まで加熱した。この加熱条件では、ロータリーキルン内の雰囲気中のCO/(CO+CO2)は0.1未満となる。
【0030】
混合物の温度が1300℃に到達した時点で、LPG酸素バーナーの燃焼条件をLPGが10〜14Nm3/H、酸素が18〜25Nm3/H、空気が83〜165Nm3/Hとして、混合物の温度を1300℃に保持するように加熱を続けた。この加熱条件では、ロータリーキルン内の雰囲気中のCO/(CO+CO2)は0.4を超え、還元雰囲気となる。この条件を40分間保持した後、ロータリーキルン内に生成している溶銑と最終スラグを、出口側に設けられている堰からオーバーフローさせて、ロータリーキルンから回収した。回収した溶銑中の金属クロムの含有量は、17.4重量%であった。また、回収した最終スラグの炭素を除いた組成を表2に示す。最終スラグ中の酸化クロム含有率は0.9重量%であり、ステンレス鋼精錬炉ダストの処理時に生成するスラグ中の酸化クロムの含有量を1重量%以下に低減できることが確認できた。
【0031】
【表2】
【0032】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、例えば、炭材としてコークスを使用したが、非酸化性雰囲気中の加熱により炭素を生成する廃棄プラスチック等の炭素含有物の使用も可能である。更に、コークスは細粒コークスだけを、ステンレス鋼精錬炉ダスト、CaO、SiO2と共に事前に混合したが、中粒コークス、粗粒コークスまで含めた全コークスを一括してステンレス鋼精錬炉ダスト、CaO、SiO2と混合することも可能である。
【0033】
【発明の効果】
請求項1〜3記載の酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法においては、酸化クロム含有ダストと炭材と造滓剤からなる混合物を高温状態の加熱炉中に連続的に投入し、混合物中の酸化クロム含有ダストを溶融させ、混合物中の炭材により還元して、金属クロムを含有する溶銑を生成させ、更に生成するスラグ中の酸化クロムの含有量を1重量%以下にするので、ステンレス鋼精錬時にクロム源として添加するフェロクロムを安価に製造することができ、更に、スラグを路盤材等に使用することができ、資源の有効活用が可能となる。
【0034】
そして、混合物中の酸化クロム含有ダストを混合物中の炭材で還元するとき、混合物中の造滓剤の組成調整により、生成する最終スラグの成分を、(1)MgO+Al2O3<23重量%、(2)CaO/SiO2<1.7、(3)FeO<3重量%、として、最終スラグが実質的に1300℃で排滓性を確保すると同時に、耐火物に対して保護層を形成するので、還元反応の促進と、回収される金属分とスラグ分の分離が容易となり効率的な処理を行うことができ、更に、加熱炉内の内張り用耐火物の寿命を数倍長くすることができる。
この酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法においては、加熱炉中に投入された混合物の温度が1300℃に達すると、加熱炉内の雰囲気中のCO/(CO+CO 2 )が0.4以上となるように、加熱炉に設けられた加熱装置に供給する酸素量を調整して加熱するので、加熱炉内の雰囲気を還元性雰囲気にでき、酸化クロム含有ダストの還元を効率的に進めることができる。
【0035】
請求項2記載の酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法においては、混合物中の炭材量の調整により、生成する最終スラグ中の炭材含有量を少なくとも15重量%確保して、混合物中の酸化クロム含有ダストの還元を安定的に進行させるので、生成する最終スラグ中の酸化クロムの含有量を1重量%以下にすることが可能となる。
【0036】
【0037】
請求項3記載の酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法においては、加熱炉中に投入された混合物の温度が1300℃に達するまで、少なくとも80℃/分の昇温速度で加熱するので、FeOの生成を抑制して加熱炉内に投入した混合物を均一に急速加熱して溶融させることができ、混合物の凝集が発生せず酸化クロム含有ダストの還元反応が生じ易くなる。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法に適用された酸化クロム含有ダストの処理設備の一例であるロータリーキルン式処理設備の概念構成図である。
【図2】同酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法における最終スラグ中のコークス含有率と最終スラグ中の酸化クロム含有率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10:ロータリーキルン式処理設備(酸化クロム含有ダストの処理設備)、11:ロータリーキルン(加熱炉)、12、13、14:ホッパー、15:連絡管、16:混合物調整装置、17:輸送管、18:出口、19:LPG酸素バーナー(加熱装置)、20:入口、21:内張り用耐火物、22:溶銑、23:スラグ、24:堰、25:排気管、26:酸素ガス供給ランス
Claims (3)
- 製鉄プロセス中の各種精錬炉から発生する酸化クロム含有ダストを加熱炉で処理する酸化クロム含有ダストの処理方法において、
前記酸化クロム含有ダストと炭材と造滓剤とからなる混合物を、前記加熱炉中に連続的に投入し、前記混合物中の前記酸化クロム含有ダストを1300℃以上1400℃未満の温度で溶融させ、
しかも、前記加熱炉内の雰囲気中のCO/(CO+CO 2 )が0.4以上となるように、加熱装置に供給する酸素量を調整すると共に、前記混合物中の造滓剤の組成調整により、生成する最終スラグの成分を下記(1)〜(3)として、該最終スラグが1300℃での排滓性を確保して、前記酸化クロム含有ダスト中の酸化クロムを還元し、金属クロムを含有する溶銑を生成させ、生成する前記最終スラグ中の酸化クロムの含有量を1重量%以下とし、
前記加熱炉は入口側から出口側に向けて下方に傾斜したロータリーキルンであって、前記混合物は該ロータリーキルンの入口側から投入され、前記溶銑及び前記最終スラグは該ロータリーキルンの出口側から排出されることを特徴とする酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法。
(1)MgO+Al 2 O 3 <23重量%
(2)CaO/SiO 2 <1.7
(3)FeO<3重量% - 請求項1記載の酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法において、前記混合物中の炭材量の調整により、生成する前記最終スラグ中の炭材含有量を少なくとも15重量%確保して、前記混合物中の酸化クロム含有ダストの還元を安定的に進行させることを特徴とする酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法。
- 請求項1又は2記載の酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法において、前記加熱炉中に投入された前記混合物の温度が1300℃に達するまで、少なくとも80℃/分の昇温速度で加熱することを特徴とする酸化クロム含有ダストの加熱炉での処理方法。
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