JP4636551B2 - 4サイクルエンジンを搭載した背負い式送風作業機 - Google Patents

4サイクルエンジンを搭載した背負い式送風作業機 Download PDF

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本発明は、例えば背負い式ブロワ等の4サイクルエンジンを搭載した背負い式送風作業機に関する。
従来、4サイクルエンジンのエンジン出力を向上させ、かつ有害な排気ガスの排出低減を図るために、エンジンの燃焼室の形状を理想的に形成するための研究が行われており、燃焼室形状の一例としてウェッジ型やバスタブ型の燃焼室形状が知られている(例えば、特公昭60−5774号公報)。そしてこのような理想的な燃焼室形状を得るために、車両用その他の大型4サイクルエンジンにおいては、エンジンのシリンダと燃焼室が形成されるシリンダヘッドとを分離して設計する手法が知られている。
一方、背負い式ブロワ等の携帯型作業機の動力として用いられる4サイクルエンジンでは、エンジンの小型化及び軽量化が最も優先されるため、従来、シリンダとシリンダヘッドが一体型に形成された4サイクルエンジンが用いられていた(例えば、特許第3159296号公報)。
特公昭60−5774号公報 特許第3159296号公報
しかしながら、シリンダとシリンダヘッドが分離された構造のエンジンでは、シリンダとシリンダヘッドとを堅固かつ緊密に締着しないとこれらの結合面から燃焼ガスが漏出して出力低下の原因となるという問題がある。また、燃焼室が形成されたシリンダヘッドに生じる急激な温度勾配によりシリンダヘッドの熱膨張に起因して結合面から燃焼ガスが漏出して、反ってエンジン出力を低下させてしまったり、エンジンの汚損或いは破損の原因になったりする場合があった。このためシリンダとシリンダヘッドが分離された構造のエンジンでは、シリンダヘッドの冷却性の改善及び剛性の改善が設計上の重要な課題となっている。
例えば携帯型作業機の一つである背負い式ブロワの場合、作業時に8000rpm程度の最高回転数で使用され続ける場合もあり、シリンダ及びシリンダヘッドに高周波の衝撃が加えられるとともに、シリンダヘッドに収容される動弁系部材がシリンダヘッドに直接衝撃を与えるので、シリンダとシリンダヘッドが分離されたエンジンではシリンダヘッドの破損を防止しシリンダとの結合面の密閉性を維持するために、特にシリンダヘッドの剛性を高める必要がある。シリンダヘッドの剛性を高めるためにシリンダヘッドを肉厚化したり、シリンダとのボルト締付けボスの高さを増したりすると、エンジンの大型化及び重量増加を招来するという課題があり、携帯型作業機で最も必要要件とされる小型化、軽量化が満たされず、携帯型作業機にはシリンダとシリンダヘッドが分離されて構成された携帯型4サイクルエンジンは搭載されてこなかった。従来のシリンダとシリンダヘッドが一体型に構成された4サイクルエンジンにはエンジン出力のこれ以上の向上に限界があり、このような4サイクルエンジンを搭載する携帯型作業機は、エンジンの低出力に起因する作業性上の課題が残されている。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、小型、軽量、高出力の4サイクルエンジンを搭載した背負い式送風作業機を提供し、また、エンジンの冷却性能及び作業機としての作業性、メンテナンス性を改善した4サイクルエンジンを搭載した背負い式送風作業機を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために請求項1に記載の発明は、シリンダ上部のシリンダヘッドに対してクランク軸方向に冷却風が流通する方式の4サイクルエンジンを背負架台に搭載した背負い式送風作業機であって、前記クランク軸に取付けられる送風式作業ファンは前記冷却風を前記シリンダヘッドに導風するファンとしても機能し、前記4サイクルエンジンは、吸気ポート及び排気ポートと、前記吸気ポート及び前記排気ポートと連通して形成された燃焼室と、前記吸気ポート及び前記排気ポートの上部に形成された動弁系収容室と、前記シリンダヘッドから上方に突出し前記クランク軸方向に延伸する複数の縦フィンと、を備え、前記吸気ポート、前記排気ポート、前記燃焼室、前記動弁系収容室及び複数の前記縦フィンが、前記シリンダヘッドに形成され、前記シリンダヘッドにおいて、吸気バルブ及び排気バルブが備えられ、前記吸気ポート、前記排気ポート及び前記動弁系収容室により前記冷却風が流通する開口の断面積が、風上側から風下側へ行くにしたがって小さくなるように形成され、前記開口の風上側に点火プラグが配置され、前記縦フィンは前記動弁系収容室と結合されると共に前記吸気ポート及び前記排気ポートから風上側に延伸し前記点火プラグを挟むようにそれぞれ形成され、前記動弁系収容室の風下側にプッシュロッドガイドが形成され、前記点火プラグと、前記吸気バルブ及び前記排気バルブとは、前記点火プラグのメンテナンス性を確保するために、前記シリンダの中心軸に対して、前記点火プラグの傾斜角度が小さくなるよう、前記シリンダの中心軸線を含み前記クランク軸と直交する平面に対して略等角度離間して配置され、前記4サイクルエンジンが、前記プッシュロッドガイドと反対側であって前記送風式作業ファンの側で、前記背負架台に取付けられてなることを特徴とする。
発明によれば、背負い式送風作業機に搭載される4サイクルエンジンが、シリンダとシリンダヘッドが分離されるように構成され、更に燃焼室をウェッジ型に形成しているので、圧縮比を高めることが可能となり、エンジン出力を向上させることができる。また、シリンダヘッドの冷却風の風下側に動弁系収容室を形成し、シリンダヘッドから上方に突出してクランク軸方向に延伸する複数の縦フィンをシリンダヘッドに一体的に形成しているので、高出力化に伴い発熱量、燃焼圧力等が増加しても、4サイクルエンジンの剛性及び冷却性能が高く動力源としての性能を十分に引き出すことが可能となり、小型、軽量、高出力で作業性の良好な背負い式送風作業機を提供することができる。
上記発明の効果に加えて、縦フィンが冷却風を発生させるファン側に形成されているので、縦フィンの冷却性能が向上し、シリンダヘッドの冷却効率を高めることができる。
上記発明の効果に加えて、シリンダヘッドに排気ポートが一体的に形成され、特にこの排気ポートの外周部に冷却風が導風されるように、シリンダヘッドの冷却風の風上側に少なくとも1つの縦フィンと点火プラグとを配置して構成しているので、エンジンの排気ガスにより温度上昇の激しい排気ポート及び排気バルブ周辺の冷却効率が高まり、シリンダヘッドの熱膨張によるシリンダとシリンダヘッドとの結合面からの燃焼ガスの漏洩を防止することができ、燃焼ガスの漏洩による不具合を防止でき、4サイクルエンジンの高出力化が可能となり、背負い式送風作業機の十分な作業性能を得ることができる。
上記発明の効果に加えて、シリンダヘッドが吸気バルブと排気バルブを備え、点火プラグと、これら吸気バルブ及び排気バルブとが、シリンダの中心軸線を含みクランク軸と直行交する平面に対して略等角度離間してV字型に配置されているので、点火プラグと吸気バルブ及び排気バルブをシリンダ中心軸近傍でバランスよく配置することができる。また、シリンダの中心軸線に対する点火プラグの傾斜を従来に比して小さくできるので、点火プラグの側に作業機があっても点火プラグのメンテナンス性を損なわない背負い式送風作業機を得ることができる。
上記発明の効果に加えて、背負い式送風作業機が送風機であるので、この送風機のファンによって発生する冷風を直接4サイクルエンジンの冷却風として利用することができる。また、動弁系収容室と反対側のクランク軸に作業機のファンが取付けられるので、作業機側の出力軸長を短くすることができ、ファンの軸振れを抑制することができる。特に背負い式ブロワの場合、背負架台と作業機の重心との距離を短くすることができるので、作業者の腰にかかる負担を低減することができる。
以下、本発明に係る4サイクルエンジンを搭載した背負い式送風作業機の好適な一実施形態について図面を参照して説明する。なお、図1は本発明の一実施形態に係る背負い式送風作業機の一使用例を説明するための図、図2は本発明の一実施形態に係る4サイクルエンジンを搭載した背負い式送風作業機の断面図、図3は本発明の一実施形態に係る4サイクルエンジンの外観を示す斜視図、図4は本発明の一実施形態に係る4サイクルエンジンの上面図、図5は図4のA−A線断面図、図6は図5のG−G線断面図である。図7は従来の4サイクルエンジンを示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る背負い式送風作業機としての背負い式ブロワ1には、その駆動部にエンジンカバー3に被覆された4サイクルエンジン2が取付けられて動力源として使用される。作業者は4サイクルエンジン2を含む作業機出力部が取付けられた背負架台21を背負って、ブロワからの送風により落ち葉等の清掃作業を行う。これらの作業機1は携帯して作業を行うものであるため、動力源としての4サイクルエンジン2には小型、軽量で高出力のものが望まれている。
図2は、本実施形態に係る4サイクルエンジン2を搭載した背負い式送風作業機1の断面図である。図2において、4サイクルエンジン2はシリンダ8とシリンダヘッド10とクランク軸5を備えている。クランク軸5の一端側にはブロワの送風を発生させるためのファン6が同軸的に固着されており、点火プラグ14がシリンダヘッド10のファン側に配置されている。4サイクルエンジン2はエンジンカバー3に被覆されて、このエンジンカバー3によってファン6が発生する風の一部を4サイクルエンジン2の冷却風として利用するための流通路が形成されている。エンジンカバー3に被覆された4サイクルエンジン及びファン6を含むブロワ本体部が背負架台21に取付けられている。
図3は本実施形態に係る背負い式送風作業機1に搭載される4サイクルエンジン2の外観を示す斜視図であり、図4は図3の上面図である。図3及び図4において、4サイクルエンジン2の側面には、キャブレター16とマフラー18が取付けられている。クランク軸5を回転自在に支承するクランクケース4の上部には、例えばアルミニウム合金をダイカスト成型して一体的に形成されたシリンダ8が配置されている。シリンダ8の上部には、シリンダ8と同様にアルミニウム合金等をダイカスト成型して作製したシリンダヘッド10が載置され、このシリンダヘッド10に形成された4箇所のボルト座10cにボルト13を挿通してシリンダ8とシリンダヘッド10が堅固に締着されている。
図示しない燃料タンクから供給されるガソリン等の燃料は、キャブレター16で霧化され、吸気ポート10eを通じて後述する燃焼室15(図6参照)に送られる。吸気行程で吸気バルブ20(図6参照)が開弁して燃焼室15に気化した燃料が送られ、圧縮行程、膨張行程及び排気行程の4つの行程を繰り返す。排気行程では排気バルブ12(図6参照)が開弁し、燃焼室15から排気ガスが排気ポート10fを通じてマフラー18に送られ、外部に排出される。
シリンダヘッド10の上部には、吸気ポート10eと排気ポート10fが対向して一体的に形成されている。吸気ポート10eの一端は、シリンダヘッド10の略中央部でシリンダヘッド10の下面に形成された後述する燃焼室15(図6参照)に連通しており、他端はヒートインシュレータを介してキャブレター16に接続されている。排気ポート10fも一端が燃焼室15に連通しており、他端はマフラー18に接続されている。
吸気ポート10e及び排気ポート10fの上部には、後述する吸気バルブ20、排気バルブ12、プッシュロッド11その他の動弁系部材を収容する動弁系収容室10gが、一対のバルブガイドボス10f2によってそれぞれ吸気ポート10e及び排気ポート10fに連通して一体的に形成されている。動弁系収容室10gの上部はロッカーカバー9で閉塞されている。
図3中符号10g2は、吸気ポート10e、排気ポート10f、バルブガイドボス10f2及び動弁系収容室10gによって形成された開口を示し、この開口10g2はクランク軸5に取付けられたファン6からの冷却風の流通路となっている。図4中矢線19は冷却風の流れを示し、開口10g2は、風上側から風下側へ行くに従ってその断面積が小さくなるような形状に形成されているので、開口10g2の風上側の広い間口から送入した冷却風は風下側でその流速を増し、シリンダヘッド10の冷却効果が向上する。
シリンダヘッド10の上部には多数の縦フィン10d1、10d2、10d3、10d4が一体的に形成されている。これらの縦フィン10d1、10d2、10d3、10d4は、冷却風を効率よく導風してシリンダヘッド10の冷却効果を向上させる機能を果たすとともに、シリンダヘッド10及びこのシリンダヘッド10に一体的に形成されている吸気ポート10e、排気ポート10f、バルブガイドボス10f2、動弁系収容室10gの剛性を高める機能を果たしている。
本実施形態においては、開口10g2近傍の風上側に点火プラグ14が配置されており、点火プラグ14を挟むように縦フィン10d2と10d3が形成されている。縦フィン10d3は、バルブガイドボス10f2及び動弁系収容室10gと結合され、バルブガイドボス10f2との結合部分は、バルブガイドボス10f2の中心部から離間したバルブガイドボス10f2のクランク軸方向と直交する方向の外側端部で結合されている。このように構成することにより、風上側から流れる冷却風は点火プラグ14で分流するが、縦フィン10d2、10d3によって分散することなくバルブガイドボス10f2の外周を効率的に冷却し、開口10g2で合流して吸気ポート10e及び排気ポート10fの外周を冷却する。
開口10g2は風上側で広く冷却風を取り込み、開口の風下側は先細りとなっているので合流した冷却風は流速を増し、バルブガイドボス10f2周辺の冷却効率が高まる。特に排気ポート10fにおけるバルブガイド12b(図5参照)付近は、燃焼室15(図5参照)から直接排気ガスが通過するので温度が高まり易い。このため、高温となるバルブガイド12b付近を効率よく冷却することで、シリンダヘッド10全体をバランスよく冷却することが可能となる。
符号10hは、シリンダ8の中心軸線8a(図5参照)と交わる位置に描いたクランク軸5方向と直交する方向の仮想線を示し、符号10e1及び10f1は、それぞれ吸気ポート10e及び排気ポート10fの中心軸線の位置を示す仮想線である。本実施形態では、吸気ポート10e及び排気ポート10fの中心軸線をシリンダ8の中心軸線8aの位置よりも風下側に設定している。これにより、シリンダヘッド10上の風上側の面積を広く確保することができ、この広く確保された風上側に多数の縦フィン10d1、10d2、10d3、10d4を配置することができる。本実施形態では、動弁系収容室10gのクランク軸5方向と直交する方向の両端部に縦フィン10d1、10d2を結合している。これにより、動弁系収容室10gの剛性を高めることができる。本実施形態によれば、冷却性能に優れ、剛性を高めつつ、小型、軽量化されたシリンダヘッド10が構成される。
図5は図4のA−A線断面の要部を示す要部断面図であり、排気バルブ12及びプッシュロッド11が位置している部位の断面を示している。図6は図5のG−G線断面の要部を示す要部断面図であり、吸気バルブ20及び排気バルブ12が位置している部位の断面を示している。
図5及び図6において、排気ポート10fと動弁系収容室10gを接続するように一体的に形成されたバルブガイドボス10f2には円筒状のバルブガイド12bが保持されている。排気バルブ12は、そのバルブステム12aが摺動可能にバルブガイド12bに支持されており、クランク軸5の回転と連動してプッシュロッド11によって駆動され開閉動作を行う。なお、図5及び図6において、符号17はシリンダ8の内部を上下方向に往復動作するピストンを示す。
エンジン駆動系の潤滑は、例えば特開平10−288019号公報等に開示されているように、図示しないオイルタンクからクランクケース4内部のクランク室内の圧力変化を利用してオイルがクランク室内に送られ、クランク室内でオイルは霧化する。霧化したオイルはプッシュロッドガイド10g3へ送られ、動弁系収容室10g内部の吸気バルブ20及び排気バルブ12等を潤滑した後オイルタンクへ戻されて循環し、各部位の動作を円滑にする。
本実施形態では、動弁系収容室10gの底部10g1は、点火プラグ14が配置されている風上側から風下側に向けて下方に傾斜した形状に形成されている。また動弁系収容室10gの風下側には、プッシュロッド11を収容する収容孔を備えたプッシュロッドガイド10g3が下方に連通して一体的に形成されている。このように構成することにより、動弁系収容室10g内で液化した潤滑オイルが動弁系収容室10g内の底部10g1を流下してプッシュロッドガイド10g3に回収され、必要以上に動弁系収容室10g内に潤滑オイルが滞留することを防止することができる。図示はしないが、動弁系収容室10gはブリーザ機構を備え、ブローバイガスを吸気系に戻すように構成されている。動弁系収容室10g内に必要以上に液化オイルが滞留すると、外部にオイルを排出し必要以上のオイルを消費してエンジン駆動系の潤滑不良を引き起こす場合があるが、本実施形態に係る構成により、必要以上のオイル消費を抑制することができる。
一方、動弁系収容室10g外周部の底部10g1は冷却風を開口10g2へ導く導風構造の一部を形成するので、動弁系収容室10g周辺の冷却効果を向上させることができる。上述したように本実施形態においては、高温となる排気バルブ12付近が効率的に冷却されるので、バルブガイドボス10f2やバルブガイド12bの温度上昇によりバルブガイドボス10f2とバルブガイド12bの固着力が低下したり、バルブガイド12bの変形によるバルブステム12aの摺動不良を惹起したりという不具合を防止することができる。
本実施形態では、高出力を得るために燃焼室15形状をウェッジ型に形成している。このような燃焼室形状はシリンダ8とシリンダヘッド10を分離する構造とすることで、理想的な形状を実現することができる。更に点火プラグ14を燃焼室15の深い側に配置することによって、高圧縮比が可能となるなど、より理想的な燃焼室形状を設計可能となりエンジン出力を向上させることができる。
本実施形態において、図5に示すように点火プラグ14と吸気バルブ20及び排気バルブ12とは、シリンダ8の中心軸線8aを含みクランク軸5と直行交する平面に対して略等角度間隔離間するようにV字型に配置されている。従来の携帯型作業機に搭載される4サイクルエンジンでは図7に示すように生産性を考慮して、吸気バルブ(図7には図示せず)及び排気バルブ12のバルブステム12aがシリンダ中心軸8aに対して平行に配置され、点火プラグ14とシリンダ中心軸8aのなす角度θaが大きく、点火プラグ14が一方に大きく傾斜するように又燃焼室の端に寄った位置に配置されていた。このため特にブロワ等の作業機においては、プラグ交換等のメンテナンス性が損なわれるため、点火プラグ14を作業機側に配置することができなかった。本実施形態に係る4サイクルエンジンにおいては、図5に示すように点火プラグ14と吸気バルブ20及び排気バルブ12がシリンダ8の中心軸線8aに対してバランス良く配置されるので、シリンダ8の中心軸線8aに対して点火プラグ14の傾斜角度θbを小さくすることができる。これにより点火プラグ14を作業機側(ファン6側)に配置しても、十分に背負い式送風作業機1のメンテナンス性を確保することが可能となる。
本実施形態において、シリンダヘッド10の冷却風の風下側にはプッシュロッドガイド10g3が連通して形成された動弁系収容室10gが形成されており、これに付随して風下側のクランク軸5には図示しない動弁装置が装着される。このためクランク軸5とファン6を含む作業機本体との接続は、本実施形態で採用している側、即ちプッシュロッドガイド10g3と反対側で行った方が接続軸の軸長を短くすることができる。クランク軸5と作業機1(ファン6)との接続部分の軸長を短くすることで、軸振れを低減することができるので、作業機1の振動を低減することができる。また、特に背負い式ブロワの場合、背負架台21と作業機1の間隔を狭めることができ、作業機1の重心を作業者の腰に近づけることができるので、作業者の腰にかかる負担を軽減することができる。
本実施形態において、吸気ポート10e、排気ポート10f及び幾つかの縦フィン10d1等を、シリンダ8とシリンダヘッド10との理想的な締着状態が得られるボルト座10cの近傍に配置している。この構造により、シリンダヘッド10が変形し難く、シリンダ8とシリンダヘッド10との結合面10bの面圧を高く確保できる携帯型4サイクルエンジン2を得ることができる。
以上説明したように本発明によれば、従来に比べて大型化、重量化をすることなく、より高出力でメンテナンス性に優れた4サイクルエンジン2を搭載した背負い式送風作業機1を得ることができる。
本発明に係る4サイクルエンジンを搭載した背負い式送風作業機は背負い式ブロワに限らず、例えばチェーンソー、ハンドヘルドブロア、刈払機等に適用することができる。
本発明の一実施形態に係る一使用例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る4サイクルエンジンを搭載した背負い式送風作業機の断面図である。 本発明の一実施形態に係る携帯型4サイクルエンジンの外観を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る携帯型4サイクルエンジンの上面図である。 図4のA−A線断面図である。 図5のG−G線断面図である。 従来の携帯型作業機に搭載される4サイクルエンジンの一例を示す断面図である。
符号の説明
1…背負い式送風作業機
2…携帯型4サイクルエンジン
3…エンジンカバー
4…クランクケース
5…クランク軸
6…ファン
8…シリンダ
8a…シリンダ中心軸線
9…ロッカーカバー
10…シリンダヘッド
10b…結合面
10c…ボルト座
10d1、10d2、10d3、10d4…縦フィン
10e…吸気ポート
10e1…吸気ポート中心軸線
10f…排気ポート
10f1…排気ポート中心軸線
10f2…バルブガイドボス
10g…動弁系収容室
10g1…底部
10g2…開口
10g3…プッシュロッドガイド
10h…シリンダ中心軸線と直交する仮想線
11…プッシュロッド
12…排気バルブ
12a…バルブステム
12b…バルブガイド
13…ボルト
14…点火プラグ
15…燃焼室
16…キャブレター
17…ピストン
18…マフラー
19…冷却風の流れ
20…吸気バルブ
21…背負架台

Claims (1)

  1. シリンダ上部のシリンダヘッドに対してクランク軸方向に冷却風が流通する方式の4サイクルエンジンを背負架台に搭載した背負い式送風作業機であって、前記クランク軸に取付けられる送風式作業ファンは前記冷却風を前記シリンダヘッドに導風するファンとしても機能し、前記4サイクルエンジンは、吸気ポート及び排気ポートと、前記吸気ポート及び前記排気ポートと連通して形成された燃焼室と、前記吸気ポート及び前記排気ポートの上部に形成された動弁系収容室と、前記シリンダヘッドから上方に突出し前記クランク軸方向に延伸する複数の縦フィンと、を備え、前記吸気ポート、前記排気ポート、前記燃焼室、前記動弁系収容室及び複数の前記縦フィンが、前記シリンダヘッドに形成され、前記シリンダヘッドにおいて、吸気バルブ及び排気バルブが備えられ、前記吸気ポート、前記排気ポート及び前記動弁系収容室により前記冷却風が流通する開口の断面積が、風上側から風下側へ行くにしたがって小さくなるように形成され、前記開口の風上側に点火プラグが配置され、前記縦フィンは前記動弁系収容室と結合されると共に前記吸気ポート及び前記排気ポートから風上側に延伸し前記点火プラグを挟むようにそれぞれ形成され、前記動弁系収容室の風下側にプッシュロッドガイドが形成され、前記点火プラグと、前記吸気バルブ及び前記排気バルブとは、前記点火プラグのメンテナンス性を確保するために、前記シリンダの中心軸に対して、前記点火プラグの傾斜角度が小さくなるよう、前記シリンダの中心軸線を含み前記クランク軸と直交する平面に対して略等角度離間して配置され、前記4サイクルエンジンが、前記プッシュロッドガイドと反対側であって前記送風式作業ファンの側で、前記背負架台に取付けられてなることを特徴とする4サイクルエンジンを搭載した背負い式送風作業機。
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