JP4636282B2 - ユーザスループット地理的分布推定システムおよびユーザスループット地理的分布推定方法 - Google Patents

ユーザスループット地理的分布推定システムおよびユーザスループット地理的分布推定方法 Download PDF

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Description

本発明は、ユーザスループット地理的分布推定システムおよびユーザスループット地理的分布推定方法に関し、特に、基地局とユーザ端末との間で共有チャネルを利用して無線パケット通信を行うセルラシステムにおけるユーザスループットを推定する技術に関する。
従来、ユーザ端末と、自己のセル内のユーザ端末との間で共有チャネルを利用して無線パケット通信を行う基地局とを含むセルラシステムがある。
セルラシステムでは、ユーザスループットは、基地局の周囲の地理に応じて異なる値を示す。ユーザスループットとは、ユーザ端末にて測定される値で、ユーザ端末が単位時間あたりに基地局から受信したパケットのビット数を表すものである。
セルラシステムにおけるユーザスループットの地理的分布を推定する方法としては、コンピュータによって、セルラシステムのシステムレベルシミュレーションを連続時間行う方法が一般的である。その理由は、セル内のユーザ端末が高速な制御を行って共用チャネルを共用するため、その共用の過程を高い時間分解能で連続時間模擬し、上位層を含めた無線パケット通信のプロセスを詳細に模擬しないと、ユーザスループットを正確に推定することができないためである。
従来のユーザスループットの地理的分布推定方法について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、セルラシステムの連続時間のシステムレベルシミュレーションは、システムレベルシミュレータ300にて行われる。
システムレベルシミュレータ300は、基地局コンフィギュレーション、各ユーザ端末がダウンロードを要求することで発生するパケットのトラヒック量、セル内の全ユーザ数を入力値とする。なお、基地局コンフィギュレーションとは、基地局の設定や状態を表すもので、例えば、基地局の位置、送信電力、アンテナパターン、アンテナ方位、アンテナチルト、ユーザ端末へのパケット送信処理の優先順位をスケジューリングするパケットスケジューラの種類などである。
システムレベルシミュレータ300は、上記の入力値に基づいて、各ユーザ端末の位置での共用チャネルの受信品質を推定し、現実に近い無線パケット通信のプロセスをプロトコルの上位層も含めて連続時間模擬し、ユーザスループットを推定する。なお、共用チャネルの受信品質としては、通常、共用チャネルの受信信号電力対干渉波信号電力比を表す受信SIR(Signal to Interference power Ratio)が用いられる。
ここで、システムレベルシミュレータ300による連続時間のシステムレベルシミュレーションの手順について詳細に説明する。
システムレベルシミュレータ300は、基地局からユーザ端末への下りリンクの無線パケット通信方式として、W−CDMA(Wide band-Code Division Multiple Access)の高速下りリンクパケットアクセスであるHSDPA(High SPEED Downlink Packet Access)方式を用いる場合、以下の第1から第5の処理を模擬的に行う。
・まず、第1の処理:様々な位置にユーザ
端末を発生させる。そして、た後にユーザ端末を移動さ各せ、ユーザ端末から基地局に対し、共用チャネルでパケットを送信するようトラヒック要求する。ここで要求するパケットのトラヒック量が、上述したユーザ端末が発生するトラヒック量となる。
・第2の処理:各ユーザ端末の位置での共用チャネルの受信品質を推定する。詳細には、各ユーザ端末ごとに、複数の基地局から受信したパケットの干渉波信号電力を計算し繰り返し、その計算結果に基づいて共用チャネルであるHS−PDSCH(High Speed-Physical Downlink Shared CHannel)の受信品質を計算推定する。
・第3の処理:基地局から各ユーザ端末に対し、各ユーザ端末が発生するトラヒック量、各ユーザ端末の位置での共用チャネルの受信品質、および基地局のパケットスケジューラに基づいて、共用チャネルを利用してパケットを送信する。
・第4の処理:各ユーザ端末ごとに、基地局から受信したパケットのビット数に基づきユーザスループットを計算する。第4の処理が終了すると第1の処理に戻る。このとき、各ユーザ端末の位置を、そのユーザ端末の移動速度に応じて更新し、再び、第1から第4の処理を繰り返す。
・第5の処理:第4の処理での計算結果であるユーザスループットを平均化する。そして、各せ、ユーザ端末の位置を出力するとともに、各せ、ユーザ端末のユーザスループットの平均値をユーザスループットの推定結果として出力する。
システムレベルシミュレータ300は、第1から第4の処理を実時間に合わせて2ms毎に行っている。また、システムレベルシミュレータ300は、
統計的に信頼度の高いユーザスループットの推定結果を得るために、第1から第4の処理を2ms毎に1時間以上に渡って模擬している。
その結果、ユーザスループットの推定結果の精度は向上する。しかし、その反面、第1から第4の処理を2ms毎に1時間以上に渡って模擬する処理量は非常に膨大なものとなるため、ユーザスループットの推定時間が長くなる。
また、システムレベルシミュレータ300は、ユーザスループットの地理的分布を表示するために第5の処理でユーザスループットを平均化する処理を行っているため、ユーザスループットの推定時間がさらに長くなる。
ユーザスループットの推定時間の長時間化は、特に、ユーザスループットに応じて基地局コンフィギュレーションの適正値を検討する際に問題となる。基地局コンフィギュレーションの適正値を検討する場合、基地局コンフィギュレーションを変更するたびに、システムレベルシミュレーションを行う。そのため、基地局コンフィギュレーションの適正値が決定されるまで、何度も長時間のシステムレベルシミュレーションを繰り返すことになり、検討時間が非常に長くなる。
なお、従来のスループットを推定する他の方法としては、スループットを推定して通信開始の適否を判断する方法(例えば、特開2000−224094号公報参照)、システムスループットを改善する方法(例えば、特開2003−298498号公報参照)、パケット品質を推定できる基地局を実現する方法(例えば、特開2004−112597号公報参照)などがある。
そこで、本発明の目的は、セルラシステムにおけるユーザスループットの地理的分布推定を精度良くかつ短時間で行うことができるユーザスループット地理的分布推定システムおよびユーザスループット地理的分布推定方法を提供することにある。
本発明のユーザスループット地理的分布推定システムは、ユーザ端末と、自己のセル内のユーザ端末との間で共有チャネルを利用して無線パケット通信を行う基地局とを含むセルラシステムにおけるユーザスループットの地理的分布を推定するために適用される。
本発明のユーザスループット地理的分布推定システムは、セル内のユーザ端末の位置での共用チャネルの受信品質を推定する受信品質推定手段と、受信品質の推定が行われた推定対象範囲におけるトラヒック情報を読込むトラヒック情報読込み手段と、セル内のユーザ端末の位置での共用チャネルの受信品質と推定対象範囲におけるトラヒック情報とを入力値としてユーザスループットを算出するユーザスループット算出関数を用いて、セル内のユーザ端末の位置でのユーザスループットを推定するユーザスループット推定手段とを有する構成である。
ユーザスループット算出関数のような関数は、入力値に対応する出力値が定まっているため、入力値が得られると、瞬時に出力値を求めることが可能である。従って、上記のように関数を用いる構成によれば、従来のシステムレベルシミュレーションを用いる構成と比較して、パケットスケジューラの処理によってユーザ端末が共用チャネルを共用する過程を高い時間分解能で詳細に連続時間模擬する必要がないため、ユーザスループットの地理的分布を短時間で推定することができる。
また、トラヒック情報読込み手段は、基地局または無線ネットワーク制御装置のいずれかにて測定された推定対象範囲におけるトラヒック情報を読込む構成としても良い。この構成によれば、ユーザスループット算出関数の入力値を現実に近い値とすることができるため、ユーザスループットの推定精度の向上を図ることができる。
また、セル内を走行し、セル内のユーザ端末の位置での共用チャネルの受信品質とユーザスループットとを実測するユーザ端末実測手段をさらに有し、ユーザスループット推定手段は、共用チャネルの受信品質の実測値とユーザスループットの実測値との関係に応じてユーザスループット算出関数を補正する関数補正手段を含む構成としても良い。この構成によれば、共用チャネルの受信品質の実測値とユーザスループットの実測値との関係に応じて補正したユーザスループット算出関数を利用することができるため、ユーザスループットの推定精度の向上を図ることができる。
従来のユーザスループット地理的分布推定方法を説明する図である。 本発明の実施例1によるユーザスループット地理的分布推定システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1で用いられるユーザスループット算出関数の例を説明するグラフである。 本発明の実施例1で推定されたユーザスループットの推定結果を用いたユーザスループットの地理的分布の表示例を示す図である。 本発明の実施例2によるユーザスループット地理的分布推定システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施例3によるユーザスループット地理的分布推定システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施例3で用いられるユーザスループット算出関数の例を説明するグラフである。 本発明の実施例4によるユーザスループット地理的分布推定システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施例4で用いられるユーザスループット算出関数の例を説明するグラフである。 本発明の第8の実施例によるユーザスループット地理的分布推定システムの構成を示すブロック図である。 ユーザスループット算出関数をユーザ端末実測値の関数によって補正する方法の例を説明するグラフである。
以下に、本発明のユーザスループット地理的分布推定システムの実施例について図面を参照して説明する。なお、以下の記載では、基地局からユーザ端末への下りリンクの無線パケット通信方式として、W−CDMAのHSDPA方式を用いるものとして説明する。
図2は、本発明の実施例1によるユーザスループット地理的分布推定システムの構成を示すブロック図である。なお、本実施例が適用されるセルラシステムは、ユーザ端末と、自己のセル内のユーザ端末との間で共有チャネルを利用して無線パケット通信を行う基地局とを含むセルラシステムであるものとする。
図2を参照すると、本実施例によるユーザスループット地理的分布推定システムは、受信品質推定手段11と、トラヒック情報読込み手段12と、ユーザスループット推定手段13とを有している。
受信品質推定手段11は、セル内の様々な位置にユーザ端末が存在していると想定する。その上で、受信品質推定手段11は、基地局コンフィギュレーションとして入力された基地局の位置と、セル内の各ユーザ端末の位置とに基づいて、基地局と各ユーザ端末との間の伝搬損を計算する。なお、伝搬損は、基地局と各ユーザ端末との間の距離を、所定の伝搬式に代入することで導出される。
さらに、受信品質推定手段11は、基地局コンフィギュレーションとして入力された、共用チャネルでのパケット送信電力、アンテナパターン、およびアンテナ方位と、上記で計算した伝搬損の計算結果とに基づいて、セル内の各ユーザ端末の位置での共用チャネルの受信品質を推定する。なお、受信品質としては、受信SIRを用いるものとする。
受信品質推定手段11は、セル内の各ユーザ端末の位置と、その位置での共用チャネルの受信品質とを出力する。このうち、共用チャネルの受信品質は、ユーザスループット推定手段13に出力される。
トラヒック情報読込み手段12は、受信品質推定手段11にて受信品質が推定された推定対象範囲におけるトラヒック情報を外部から読込み、読込んだトラヒック情報をユーザスループット推定手段13に出力する。推定対象範囲におけるトラヒック情報とは、推定対象範囲に存在するユーザ端末が発生するパケットによって、推定対象範囲に加えられる負荷のことである。
例えば、W−CDMAの下りリンクのトラヒック情報の指標としては、基地局の送信電力が一般的に用いられる。下りリンクでは、セル内のユーザ端末の数が増えるにしたがって、基地局がセル内のユーザ端末へのパケット送信に用いる総送信電力が増加する。すなわち、トラヒック情報は、セル内のユーザ端末の数に関連する定量的な値となる。
そこで、以後、本発明の実施例1から4においては、推定対象範囲におけるトラヒック情報をセル内のユーザ端末の数と定義して説明する。ただし、このトラヒック情報は「0」よりも大きい値であるものとする。
ユーザスループット推定手段13は、共用チャネルの受信品質と、推定対象範囲におけるトラヒック情報とを入力値として、ユーザスループットUを算出するユーザスループット算出関数fを内蔵している。
ユーザスループット推定手段13は、受信品質推定手段11から出力される共用チャネルの受信品質と、トラヒック情報読込み手段12から出力される推定対象範囲におけるトラヒック情報との入力に対し、上述したユーザスループット算出関数fを用いて、セル内の各ユーザ端末の位置でのユーザスループットを算出し、ユーザスループットの推定結果として出力する。
ユーザスループット算出関数fは、システムレベルシミュレーションによるユーザスループットの推定結果、無線ネットワーク制御装置から受信するユーザスループットの実測値、およびユーザスループットを近似解析した結果等を利用して事前に用意され、ユーザスループット推定手段13に内蔵されたものである。
ユーザスループット算出関数fは、共用チャネルの受信品質と、推定対象範囲におけるトラヒック情報とを入力値とする連続関数として近似し定式化すると、連続的な入力値がある場合の推定処理が容易になる。
ユーザスループットの定性的な性質としては、共用チャネルの受信品質が高ければ、ユーザスループットが上昇し、トラヒックが多ければ、ユーザスループットが低下するという性質がある。このことから、ユーザスループット算出関数fの例として、次の数式1を用いることができる。
Figure 0004636282
数式1において、Uはユーザスループット、SIRは共用チャネルの受信品質、Loadcellは推定対象範囲におけるトラヒック情報(=セル内のユーザ端末数。ただし、Loadcell>0)、Aは累乗に用いる任意の定数、Bは累乗に用いる任意の定数、Cは任意の定数である。
上述したように、共用チャネルの受信品質が高ければ、ユーザスループットが上昇する。そのため、数式1は、共用チャネルの受信品質を累乗した値を分子とする形式をとる。また、トラヒックが多くなれば、ユーザスループットが低下する。そのため、数式1は、トラヒック情報を累乗した値を分母とする形式をとる。なお、任意の定数A,B,Cは、ユーザスループット算出関数fをシステムレベルシミュレーションの推定結果等に近似させるために、事前に調整しておく必要がある。
図3は、本発明の実施例1で用いられるユーザスループット算出関数fの例を説明するグラフである。
ユーザスループット算出関数fは、横軸に共用チャネルの受信品質、縦軸にユーザスループットを取り、推定対象範囲におけるトラヒック情報をパラメータとした場合、図3のようなグラフで表すことができる。
本実施例においては、受信品質推定手段11にて想定されたセル内の各ユーザ端末の位置と、ユーザスループット推定手段13にて推定されたセル内の各ユーザ端末の位置でのユーザスループットの推定結果とを併せて出力している。そのため、これら出力に基づいて、セル内のユーザスループットの地理的分布を推定することが可能となる。
図4は、本発明の実施例1にて推定されたユーザスループットの推定結果を用いたユーザスループットの地理的分布の表示例を示す図である。
図4を参照すると、3セクタ構成の基地局の周囲にあるユーザ端末のユーザスループットの地理的分布が示されている。図4のように、ユーザスループットの地理的分布は、視覚的に把握しやすいように平面的に表示するのが良く、さらに色分け表示するのが良い。
上述したように本実施例においては、ユーザスループット推定手段13が、セル内の各ユーザ端末の位置での共用チャネルの受信品質と、推定対象範囲におけるトラヒック情報とをユーザスループット算出関数fに入力することで、セル内の各ユーザ端末の位置でのユーザスループットを算出している。
ユーザスループット算出関数fのような関数は、入力値に対応する出力値が定まっているため、入力値が得られると、瞬時に出力値を求めることが可能である。従って、こうした関数を用いる推定方法は、従来のシステムレベルシミュレーションを用いる推定方法と比較して、無線パケット通信のプロセスを詳細に連続時間模擬する必要がないため、ユーザスループットの地理的分布を短時間で推定することができる。
ところで、ユーザスループット算出関数fは、上述したように、セル内の各ユーザ端末の位置での共用チャネルの受信品質と、推定対象範囲におけるトラヒック情報との2つの情報のみでユーザスループットを推定することを可能とするものである。2つの情報のみでユーザスループットを推定することができる根拠は、以下の通りである。
ユーザスループットは、基本的に、ユーザ端末に無線リソースが割り当てられる頻度と、無線リソースが割り当てられた際の無線リンクの伝送レートとに応じて決定される。ユーザ端末に無線リソースが割り当てられる頻度は、基地局におけるユーザ端末の混雑度、つまり推定対象範囲におけるトラヒックに関連する。また、無線リンクの伝送レートは、無線リンクの共用チャネルの受信品質に関連する。また、ユーザスループットは、定性的に、基地局におけるユーザ端末の混雑度が高ければユーザスループットが低下し、ユーザ端末の混雑度が低ければユーザスループットが上昇する傾向がある。
また、HSDPAでは、共用チャネルの受信品質が高ければ高伝送レートの変調方式が選択されるため、伝送レートが上昇し、共用チャネルの受信品質が低ければ低伝送レートの変調方式が選択されるため、伝送レートが低下する傾向がある。
HSDPA以外の無線パケット通信方式でも、共用チャネルの受信品質が高ければ誤り率が低いため、実効伝送レートが上昇し、共用チャネルの受信品質が低ければ誤り率が高いため、実効伝送レートが低下する。よって、上述したHSDPAと同様の傾向がある。
以上のことから、共用チャネルの受信品質と、推定対象範囲におけるトラヒック情報と、ユーザスループットとの対応関係は定性的に定まっている。従って、その対応関係を、システムレベルシミュレーションによるユーザスループットの推定結果、無線ネットワーク制御装置から受信するユーザスループットの実測値、およびユーザスループットを近似解析した結果等を利用して事前に取得し、さらには近似して定式化しておく。それによって、共用チャネルの受信品質と推定対象範囲におけるトラヒック情報との2つの情報のみでユーザスループットを推定することが可能となる。
このように、共用チャネルの受信品質と推定対象範囲におけるトラヒック情報との2つの情報のみでユーザスループットを推定する方法は、ユーザスループットに影響を与える要素を極端に限定しているため、非常に簡略化された方法といえる。
ただし、推定方法の簡略化に伴い、推定精度に幾らかの劣化が発生する。しかし、システムレベルシミュレーションの結果等に近似させるために、ユーザスループット算出関数fを正確に定式化しておくことによって、実用上問題のない良い推定精度で、推定時間を大幅に短縮することができるというメリットを得ることができる。
特に、基地局コンフィギュレーションの適正値を検討する際には、基地局コンフィギュレーションを幾つも変更して迅速に適正値を求めることが重要となる。そのため、本実施例によるユーザスループットの高速な推定方法によって、基地局コンフィギュレーションの適正値の検討時間を大幅に短縮することができる。
図5は、本発明の実施例2によるユーザスループット地理的分布推定システムの構成を示すブロック図である。
図5を参照すると、本実施例によるユーザスループット地理的分布推定システムは、図2に示した実施例1と比較して、適用されるセルラシステムが異なっている。すなわち、本実施例が適用されるセルラシステムには、無線ネットワーク制御装置100が追加されている。なお、本実施例のこれ以外の構成は、図2に示した実施例1と同様の構成となっており、同一構成要素には同一符号を付してある。
なお、図5においては、無線ネットワーク制御装置100には、基地局101〜103が接続されている。また、基地局103のセル内には、3つのユーザ端末1031〜1033が存在している。
本実施例では、基地局101〜103または無線ネットワーク制御装置100が、セル内のユーザ端末の数を測定し、測定されたユーザ端末の数を推定対象範囲におけるトラヒック情報としてトラヒック情報読込み手段12に出力する。
例えば、基地局103のセル内のユーザスループットを推定する場合は、基地局103または無線ネットワーク制御装置100が基地局103のセル内のユーザ端末の数を測定し、測定されたユーザ端末の数を推定対象範囲におけるトラヒック情報としてトラヒック情報読込み手段12に出力する。なお、図5には、無線ネットワーク制御装置100がセル103内のユーザ端末の数を測定する例が示されている。
同様に、基地局101,102のセル内のユーザスループットを推定する場合も、該当する基地局または無線ネットワーク制御装置100が該当する基地局のセル内のユーザ端末の数を測定し、測定されたユーザ端末の数を推定対象範囲におけるトラヒック情報としてトラヒック情報読込み手段12に出力する。
トラヒック情報は時々刻々と変化する。そのため、トラヒック情報読込み手段12は、トラヒック情報をリアルタイムで読込んでユーザスループット推定手段13に出力しても良いし、一定期間(例えば1日)に読込んだトラヒック情報の最大値をユーザシステムスループット推定手段13に出力しても良い。
上述したように本実施例においては、トラヒック情報読込み手段12がセルラシステムで実際に測定されたトラヒック情報を出力する構成としたため、ユーザスループット推定手段13はユーザスループットの推定に正確なトラヒック情報を用いることができる。それにより、ユーザスループットの推定精度の向上を図ることができる。
例えば、トラヒック情報読込み手段12が推定対象範囲におけるトラヒック情報の実測値をリアルタイムに出力する構成とした場合、ユーザスループット推定手段13はユーザスループットをリアルタイムに推定することができる。それにより、セル内でユーザスループットが低下した地点をリアルタイムに発見することができる。
あるいは、トラヒック情報読込み手段12が一定期間(例えば1日)に読込んだ推定対象範囲におけるトラヒック情報の最大値をユーザシステムスループット推定手段13に出力する構成とした場合、基地局コンフィギュレーションの適正値として、一定期間中の最大のトラヒック情報に耐えられる適正値を検討することができる。
図6は、本発明の実施例3によるユーザスループット地理的分布推定システムの構成を示すブロック図である。
図6を参照する、本実施例によるユーザスループット地理的分布推定システムは、図5に示した実施例2と比較して、パケットスケジューラ読込み手段14aを追加した点が異なる。本実施例のこれ以外の構成は、図5に示した実施例2と同様の構成となっており、同一構成要素には同一符号を付してある。
パケットスケジューラ読込み手段14aは、基地局で用いられているパケットスケジューラ(共用チャネルを利用するユーザ端末へのパケット送信処理の優先順位をスケジューリングするもの)の種類を読込み、読込んだパケットスケジューラの種類をユーザスループット推定手段13に出力する。
ユーザスループット推定手段13には、上述した実施例1で用いたユーザスループット算出関数fに対して、パケットスケジューラの種類が新たなパラメータとして追加されたユーザスループット算出関数f1が内蔵されている。
ユーザスループット推定手段13は、受信品質推定手段11から出力される共用チャネルの受信品質と、トラヒック情報読込み手段12から出力される推定対象範囲におけるトラヒック情報と、パケットスケジューラ読込み手段14aから出力されるパケットスケジューラの種類との入力に対し、ユーザスループット算出関数f1を用いて、セル内の各ユーザ端末の位置でのユーザスループットを算出し、ユーザスループットの推定結果として出力する。
ユーザスループット算出関数f1は、パケットスケジューラの種類毎に用意しても良く、上述した実施例1と同様に、連続関数として近似し定式化しても良い。ユーザスループット算出関数f1を連続関数として近似し定式化する場合、ユーザスループット算出関数f1の例として、次の数式2を用いることができる。
Figure 0004636282
数式2において、Uはユーザスループット、SIRは共用チャネルの受信品質、Schedularはパケットスケジューラの種類、Loadcellは推定対象範囲におけるトラヒック情報(=セル内のユーザ端末の数。ただし、Loadcell>0)、D(Schedular)はパケットスケジューラの種類に応じて決まる定数、Eは任意の定数、Gは累乗に用いる任意の定数である。
ユーザスループットは、パケットスケジューラの種類に応じて、上昇したり低下したりする。そのため、数式2は、パケットスケジューラの種類に応じた定数Dを、上述した実施例1で用いたユーザスループット算出関数fに乗算する形式をとる。また、パケットスケジューラの影響は、トラヒックが高くなるにしたがって小さくなる傾向がある。そのため、数式2は、定数Dをトラヒック情報で除算する形式をとる。
図7は、本発明の実施例3で用いられるユーザスループット算出関数f1の例を説明するグラフである。
ユーザスループット算出関数f1は、横軸に共用チャネルの受信品質、縦軸にユーザスループットを取り、パケットスケジューラの種類と推定対象範囲におけるトラヒック情報とをパラメータとしたグラフで表すことができる。例えば、推定対象範囲におけるトラヒック情報を固定し、パケットスケジューラの種類を変化させた場合、ユーザスループット算出関数f1は、図7のようなグラフで表すことができる。
上述したように本実施例においては、ユーザスループット推定手段13が、パケットスケジューラ読込み手段14aから出力されるパケットスケジューラの種類を新たなパラメータとして追加してユーザスループットを算出する構成であるため、より現実に近いユーザスループットを推定することができる。それにより、ユーザスループットの推定精度のさらなる向上を図ることができる。
図8は、本発明の実施例4によるユーザスループット地理的分布推定システムの構成を示すブロック図である。
図8を参照すると、本実施例によるユーザスループット地理的分布推定システムは、図6に示した実施例3と比較して、共用チャネル利用割合読込み手段14bを追加した点が異なる。本実施例のこれ以外の構成は、図6に示した実施例3と同様の構成となっており、同一構成要素には同一符号を付してある。
共用チャネル利用割合読込み手段14bは、セル内の全てのユーザ端末(共用チャネルを利用して無線パケット通信を行うユーザ端末と、共用チャネルを利用せずに基地局から個別に割り当てられた個別チャネルのみを利用して音声通信等を行うユーザ端末)に対して、共用チャネルを利用して無線パケット通信を行うユーザ端末が占める割合を読込み、読込んだ割合をユーザスループット推定手段13に出力する。なお、共用チャネルを利用するユーザ端末の割合は、共用チャネルを利用するユーザ端末の普及率を基にして共用チャネル利用割合読込み手段14bにて推定して求めても良いし、無線ネットワーク制御装置100で測定可能であれば、実際に無線ネットワーク制御装置100で測定された結果を共用チャネル利用割合読込み手段14bにて利用しても良い。
ユーザスループット推定手段13には、上述した実施例3で用いたユーザスループット算出関数f1に対して、共用チャネルを利用するユーザ端末の割合が新たなパラメータとして追加されたユーザスループット算出関数f2が内蔵されている。
ユーザスループット推定手段13は、受信品質推定手段11から出力される共用チャネルの受信品質と、トラヒック情報読込み手段12から出力される推定対象範囲におけるトラヒック情報と、パケットスケジューラ読込み手段14aから出力されるパケットスケジューラの種類と、共用チャネル利用割合読込み手段14bから出力される共用チャネルを利用するユーザ端末の割合との入力に対し、ユーザスループット算出関数f2を用いて、セル内の各ユーザ端末の位置でのユーザスループットを算出し、ユーザスループットの推定結果として出力する。
個別チャネルのみを利用するユーザ端末は、共用チャネルを利用するユーザ端末と比較して、トラヒックへ与える影響が大きい。例えば、共用チャネルを利用するユーザ端末は、無線リソース(基地局の電力や周波数)を必要な時だけ利用するため、無線リソースの利用頻度が低い。他方、個別チャネルのみを利用するユーザ端末は、個別に割り当てられた個別チャネルの無線リソースを通信中に継続して消費し、接続処理にも時間が掛かるため、無線リソースの利用頻度が高い。
つまり、個別チャネルのみを利用するユーザ端末は、共用チャネルを利用するユーザ端末と比較して、トラヒックを上昇させる影響度が大きいため、ユーザスループットUを低下させる要因となる。
このことを考慮すると、ユーザスループット算出関数f2を、実施例1と同様に、連続関数として近似し定式化する場合、ユーザスループット算出関数f2の例として、次の数式3を用いることができる。
Figure 0004636282
数式3において、Uはユーザスループット、SIRは共用チャネルの受信品質、Loadcellは推定対象範囲におけるトラヒック情報(=セル内のユーザ端末の数。ただし、Loadcell>0)、Schedularはパケットスケジューラの種類、RatioSCHは共用チャネルを利用するユーザ端末の割合、D(Schedular)はパケットスケジューラの種類に応じて決まる定数、Gは累乗に用いる任意の定数、Hは個別チャネルのみを利用するユーザ端末がトラヒックへ与える影響を表す係数、Jは任意の定数である。
数式3は、上述した実施例3で用いた数式2と基本的に同様であるが、推定対象範囲におけるトラヒックを、個別チャネルのみを利用するユーザ端末が与える影響度を考慮したトラヒックに近似した形式をとっている。
数式3の分母において、(1−RatioSCH)は個別チャネルのみを利用するユーザ端末の割合を表している。この割合に係数Hを乗算した結果は、個別チャネルのみを利用しトラヒックへ影響を与える実効的なユーザ端末の割合を表している。この割合に共用チャネルを利用するユーザ端末の割合RatioSCHを加えた上で、トラヒック情報Loadcellを乗算した結果は、推定対象範囲におけるトラヒックを近似した結果となり、[{RatioSCH+H×(1−RatioSCH)}×Loadcell]で表される。
図9は、本発明の実施例4で用いられるユーザスループット算出関数f2の例を説明するグラフである。
ユーザスループット算出関数f2は、横軸に共用チャネルの受信品質、縦軸にユーザスループットを取り、共用チャネルを利用するユーザ端末の割合とパケットスケジューラの種類と推定対象範囲におけるトラヒック情報とをパラメータとしたグラフで表すことができる。例えば、パケットスケジューラの種類と推定対象範囲におけるトラヒック情報とを固定し、共用チャネルを利用するユーザ端末の割合を変化させた場合、ユーザスループット算出関数f2は、図9のようなグラフで表すことができる。
上述したように本実施例においては、ユーザスループット推定手段13が、共用チャネル利用割合読込み手段14bから出力される、共用チャネルを利用するユーザ端末の割合を新たなパラメータとして追加してユーザスループットを算出する構成であるため、より現実に近いユーザスループットを推定することができる。それにより、ユーザスループットの推定精度のさらなる向上を図ることができる。
今後のセルラシステムは、HSDPA対応のユーザ端末の普及に伴い、共用チャネルを利用するユーザ端末の割合が徐々に増加していくことが予想される。このようにセルラシステムが成熟、発展していく過程において、上記のようなユーザスループットの推定方法は、特に有効に利用されると考えられる。
本発明の実施例5によるユーザスループット地理的分布推定システムは、実施例1から4と比較して、推定対象範囲におけるトラヒック情報をシステムスループットと定義している点だけが異なる。
ユーザスループットは、ユーザ端末側の視点に立ったスループット、つまりユーザ端末側で測定されるスループットである。これに対して、システムスループットは、システムである基地局側の視点に立ったスループット、つまり基地局側で測定されるスループットである。システムスループットとは、基地局が単位時間あたりにセル内の全ユーザ端末に送信した全パケットの総ビット数を表すものである。
実施例1で説明したように、推定対象範囲におけるトラヒック情報は、セル内のユーザ端末の数に関連する定量的な値である。ここで、1つのセルが持つ周波数、時間、電力は有限であることから、当然に、1つのセルが扱うことのできる通信量は有限である。このことを考慮すると、推定対象範囲におけるトラヒック情報はセル内のユーザ端末の混雑度として捉えることができる。
そこで、本実施例においては、ユーザ端末の数に比例する傾向にある基地局のシステムスループットを、推定対象範囲におけるトラヒック情報として用いている。
本発明の実施例6によるユーザスループット地理的分布推定システムは、実施例1から5と比較して、推定対象範囲におけるトラヒック情報を、セルにおけるユーザ端末の平均同時接続数と定義している点だけが異なる。
セルにおけるユーザ端末の平均同時接続数とは、セル内のユーザ端末が基地局に同時刻に接続している数を一定時間に渡って平均した数である。この値は、基地局で測定可能な値で、明らかにセル内のユーザ端末の数に比例する傾向がある。
そこで、本実施例においては、ユーザ端末の数に比例する傾向があるセル内のユーザ端末の平均同時接続数を、推定対象範囲におけるトラヒック情報として用いている。
本発明の実施例6によるユーザスループット地理的分布推定システムは、実施例1から6と比較して、推定対象範囲におけるトラヒック情報を、セルにおける基地局のパケット送信電力の使用時間率と定義している点だけが異なる。
セルにおける基地局のパケット送信電力の使用時間率は、基地局がセル内のユーザ端末へのパケット送信に用いるパケット送信電力の時間的な使用率である。
セル内にユーザ端末が存在しなければ、基地局はパケットの送信を行わないので、基地局のパケット送信電力の時間的な使用率は低下する。逆に、セル内にユーザ端末が多く存在すれば、基地局のパケット送信電力の時間的な使用率は上昇する。つまり、この値は、基地局で測定可能な値で、明らかにセル内のユーザ端末の数に比例する傾向がある。
そこで、本実施例においては、ユーザ端末の数に比例する傾向があるセルにおける基地局の送信電力の使用時間率を、推定対象範囲におけるトラヒック情報として用いている。
図10は、本発明の第8の実施例によるユーザスループット地理的分布推定システムの構成を示すブロック図である。
図10を参照すると、本発明の実施例8によるユーザスループット地理的分布推定システムは、図8に示した実施例4と比較して、ユーザ端末実測手段200と、ユーザ端末実測値読取り手段15と、ユーザスループット推定手段13の内部に設けられた関数補正手段13aとを追加した点が異なる。本実施例のこれ以外の構成は、図8に示した実施例4と同様の構成となっており、同一構成要素には同一符号を付してある。
ユーザ端末実測手段200は、例えば、基地局103のセル内のユーザスループットを推定する場合、基地局103のセル内を走行し、セル内のユーザ端末1031〜1033の各々の位置で共用チャネルの受信品質とユーザスループットとを同時に実測する。
ユーザ端末実測値読取り手段15は、ユーザ端末実測手段200で実測された共用チャネルの受信品質の実測値とユーザスループットの実測値とを読取る。そして、ユーザ端末実測値読取り手段15は、読取った実測値を一定時間に渡って平均化した上で、共用チャネルの受信品質の実測値とユーザスループットの実測値との関係を表す関数fcを作成する。平均化を行うのは、共用チャネルの受信品質に対するユーザスループットの変動幅が大きいので、受信品質に対するユーザスループットの平均値を用いるのが有効なためである。さらに、ユーザ端末実測値読取り手段15は、実測値の関数fcを、ユーザスループット推定手段13内の関数補正手段13aに出力する。
関数補正手段13aは、ユーザ端末実測値読取り手段15から出力された実測値の関数fcを基にして、ユーザスループット算出関数f2に補正を加える。具体的には、関数補正手段13aは、図11に示すように、実測値の関数fcと補正前の関数f2とを平均化した関数f2’へと補正する。上記の具体的な補正方法として、関数補正手段13aは、以下の数式4を用いることができる。
Figure 0004636282
数式4において、f2’は補正後のユーザスループット算出関数、f2は補正前のユーザスループット算出関数、fcはユーザ端末の実測値の関数である。
なお、関数補正手段13aは、その他の補正方法として、実測値のデータ量や、実測値の信頼度を考慮して、実測値の関数fcと補正前の関数f2との両者に重み付け平均を施す方法をとっても良い。
ユーザスループット推定手段13は、実施例4と同じパラメータを入力値として、関数補正手段13aにより補正されたユーザスループット算出関数f2を用いて、ユーザスループットを推定する。
上述したように本実施例においては、ユーザスループット推定手段13が、共用チャネルの受信品質の実測値とユーザスループットの実測値とに応じてユーザスループット関数f2を補正した関数f2’を用いてユーザスループットを算出する構成であるため、より現実に近いユーザスループットを推定することができる。それにより、ユーザスループットの推定精度のさらなる向上を図ることができる。
以上説明したように本発明においては、ユーザ端末の位置での共用チャネルの受信品質と推定対象範囲におけるトラヒック情報とを、ユーザスループット算出関数に入力することで、ユーザスループットを推定している。
ユーザスループット算出関数のような関数は、入力値に対応する出力値が定まっているため、入力値が得られると、瞬時に出力値を求めることが可能である。従って、こうした関数を用いる推定方法は、従来のシステムレベルシミュレーションを用いる推定方法と比較して、パケットスケジューラの処理によってユーザ端末が共用チャネルを共用する過程を高い時間分解能で詳細に連続時間模擬する必要がないため、ユーザスループットの地理的分布を短時間で推定することができる。
また、本発明においては、ユーザスループット算出関数として、システムレベルシミュレーション等の推定結果を反映させているため、ユーザスループットの推定精度の向上を図ることができる。
さらに、本発明においては、ユーザスループット算出関数のパラメータとなる推定対象範囲におけるトラヒック情報として、実測値を利用する構成とすることもできる。つまり、本発明は、ユーザスループット算出関数の入力値を現実に近い値とすることができるため、ユーザスループットの推定精度の向上を図ることができる。
さらにまた、本発明においては、ユーザ端末の位置での共用チャネルの受信品質の実測値とユーザスループットの実測値との関係に応じてユーザスループット算出関数を補正する構成とすることもできる。そのため、本発明は、現実に近い共用チャネルの受信品質とユーザスループットとの関係に応じたユーザスループット算出関数を利用することができるため、ユーザスループットを精度良く推定することができる。

Claims (22)

  1. ユーザ端末と、自己のセル内のユーザ端末との間で共有チャネルを利用して無線パケット通信を行う基地局とを含むセルラシステムにおけるユーザスループットの地理的分布を推定するユーザスループット地理的分布推定システムであって、
    前記セル内のユーザ端末の位置での共用チャネルの受信品質を入力値としてユーザスループットを算出するユーザスループット算出関数を用いて、前記セル内のユーザ端末の位置でのユーザスループットを推定するユーザスループット推定手段を有するシステム。
  2. 前記受信品質が入力される位置範囲におけるトラヒック情報を読込むトラヒック情報読込み手段をさらに有する、請求項1記載のシステム。。
  3. ユーザ端末と、自己のセル内のユーザ端末との間で共有チャネルを利用して無線パケット通信を行う基地局とを含むセルラシステムにおけるユーザスループットの地理的分布を推定するユーザスループット地理的分布推定システムであって、
    前記セル内のユーザ端末の位置での共用チャネルの受信品質を推定する受信品質推定手段と、
    前記受信品質の推定が行われた推定対象範囲におけるトラヒック情報を読込むトラヒック情報読込み手段と、
    前記セル内のユーザ端末の位置での前記共用チャネルの受信品質と前記推定対象範囲におけるトラヒック情報とを入力値としてユーザスループットを算出するユーザスループット算出関数を用いて、前記セル内のユーザ端末の位置でのユーザスループットを推定するユーザスループット推定手段とを有するシステム。
  4. 前記セルラシステムが前記基地局に接続された無線ネットワーク制御装置をさらに含み、
    前記トラヒック情報読込み手段は、前記基地局または前記無線ネットワーク制御装置のいずれかにて測定された前記推定対象範囲におけるトラヒック情報を読込む、請求項3記載のシステム。
  5. 前記基地局のパケットスケジューラの種類を読込むパケットスケジューラ読込み手段をさらに有し、
    前記ユーザスループット推定手段は、前記パケットスケジューラの種類を前記ユーザスループット算出関数の入力値としてさらに用いる、請求項3記載のシステム。
  6. 前記セル内の全てのユーザ端末に対して、前記共用チャネルを利用して無線パケット通信を行うユーザ端末が占める割合を読込む手段をさらに有し、
    前記ユーザスループット推定手段は、前記共用チャネルを利用するユーザ端末の割合を前記ユーザスループット算出関数の入力値としてさらに用いる、請求項3記載のシステム。
  7. 前記推定対象範囲におけるトラヒック情報は、前記セル内のユーザ端末の数である、請求項3記載のシステム。
  8. 前記推定対象範囲におけるトラヒック情報は、前記基地局のシステムスループットである、請求項3記載のシステム。
  9. 前記推定対象範囲におけるトラヒック情報は、前記セル内のユーザ端末が前記基地局に同時刻に接続している数を一定時間に渡って平均した数である、請求項3記載のシステム。
  10. 前記推定対象範囲におけるトラヒック情報は、前記基地局が前記セル内のユーザ端末へのパケット送信に用いるパケット送信電力の時間的な使用率である、請求項3記載のシステム。
  11. 前記セル内を走行し、前記セル内のユーザ端末の位置での前記共用チャネルの受信品質と前記ユーザスループットとを実測するユーザ端末実測手段をさらに有し、
    前記ユーザスループット推定手段は、前記共用チャネルの受信品質の実測値と前記ユーザスループットの実測値との関係に応じて前記ユーザスループット算出関数を補正する関数補正手段を含む、請求項3記載のシステム。
  12. ユーザ端末と、自己のセル内のユーザ端末との間で共有チャネルを利用して無線パケット通信を行う基地局とを含むセルラシステムにおけるユーザスループットの地理的分布を推定するユーザスループット地理的分布推定方法であって、
    前記セル内のユーザ端末の位置での共用チャネルの受信品質を入力値としてユーザスループットを算出するユーザスループット算出関数を用いて、前記セル内のユーザ端末の位置でのユーザスループットを推定するユーザスループット推定処理を有する方法。
  13. 前記受信品質が入力される位置範囲におけるトラヒック情報を読込むヒック情報読込み処理をさらに有する、請求項12記載の方法。
  14. ユーザ端末と、自己のセル内のユーザ端末との間で共有チャネルを利用して無線パケット通信を行う基地局とを含むセルラシステムにおけるユーザスループットの地理的分布を推定するユーザスループット地理的分布推定方法であって、
    前記セル内のユーザ端末の位置での共用チャネルの受信品質を推定する受信品質推定処理と、
    前記受信品質の推定が行われた推定対象範囲におけるトラヒック情報を読込むトラヒック情報読込み処理と、
    前記セル内のユーザ端末の位置での前記共用チャネルの受信品質と前記推定対象範囲におけるトラヒック情報とを入力値としてユーザスループットを算出するユーザスループット算出関数を用いて、前記セル内のユーザ端末の位置でのユーザスループットを推定するユーザスループット推定処理とを有する方法。
  15. 前記セルラシステムが前記基地局に接続された無線ネットワーク制御装置をさらに含み、
    前記トラヒック情報読込み処理では、前記基地局または前記無線ネットワーク制御装置のいずれかにて測定された前記推定対象範囲におけるトラヒック情報を読込む、請求項14記載の方法。
  16. 前記基地局のパケットスケジューラの種類を読込む処理をさらに有し、
    前記ユーザスループット推定処理では、前記パケットスケジューラの種類を前記ユーザスループット算出関数の入力値としてさらに用いる、請求項14記載の方法。
  17. 前記セル内の全てのユーザ端末に対して、前記共用チャネルを利用して無線パケット通信を行うユーザ端末が占める割合を読込む処理をさらに有し、
    前記ユーザスループット推定処理では、前記共用チャネルを利用するユーザ端末の割合を前記ユーザスループット算出関数の入力値としてさらに用いる、請求項14記載の方法。
  18. 前記推定対象範囲におけるトラヒック情報は、前記セル内のユーザ端末の数である、請求項14記載の方法。
  19. 前記推定対象範囲におけるトラヒック情報は、前記基地局のシステムスループットである、請求項14記載の方法。
  20. 前記推定対象範囲におけるトラヒック情報は、前記セル内のユーザ端末が前記基地局に同時刻に接続している数を一定時間に渡って平均した数である、請求項14記載の方法。
  21. 前記推定対象範囲におけるトラヒック情報は、前記基地局が前記セル内のユーザ端末へのパケット送信に用いるパケット送信電力の時間的な使用率である、請求項14記載の方法。
  22. 前記セル内を走行し、前記セル内のユーザ端末の位置での前記共用チャネルの受信品質と前記ユーザスループットとを実測する処理をさらに有し、
    前記ユーザスループット推定処理では、前記共用チャネルの受信品質の実測値と前記ユーザスループットの実測値との関係に応じて前記ユーザスループット算出関数を補正する、請求項14記載の方法。
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