JP4635429B2 - インクジェット記録用インク - Google Patents

インクジェット記録用インク Download PDF

Info

Publication number
JP4635429B2
JP4635429B2 JP2003387091A JP2003387091A JP4635429B2 JP 4635429 B2 JP4635429 B2 JP 4635429B2 JP 2003387091 A JP2003387091 A JP 2003387091A JP 2003387091 A JP2003387091 A JP 2003387091A JP 4635429 B2 JP4635429 B2 JP 4635429B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
ppm
pigment
meth
acrylate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003387091A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004176064A (ja
Inventor
正弘 矢竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2003387091A priority Critical patent/JP4635429B2/ja
Publication of JP2004176064A publication Critical patent/JP2004176064A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4635429B2 publication Critical patent/JP4635429B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

本発明は優れた防腐性および防黴性を有するインクジェット記録用インクに関する。
インクジェット記録は、微細なノズルからインクを小滴として吐出し、文字や図形を被記録体表面に記録する方法である。インクジェット記録方式としては電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換し、ノズルヘッド部分に貯えたインクを断続的に吐出して被記録体表面に文字や記号を記録する方法、ノズルヘッド部分に貯えたインクを吐出部分に極近い一部を急速に加熱して泡を発生させ、その泡による体積膨張で断続的に吐出して、被記録体表面に文字や記号を記録する方法などが実用化されている。
このようなインクジェット記録に用いられるインクは長期に渡って安定的にインクの吐出ができることが必要となる。従って、細菌や黴等の微生物が発生しないようにする必要がある。非水系のインクでは特に問題にならないが、水系では、細菌や黴等の微生物が発生することがしばしばある。そこで従来は防腐剤としてイソチアゾロン系の化合物を用いたものがある。イソチアゾロン系の化合物を用いた例は印刷支持体に用いたものに多く、インクジェットインクに用いた例は少ない。インクジェットインクに用いた例としては、イソチアゾロンやベンズイソチアゾロンを用いたもの(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)や、アルキルイソチアゾロンを用いたもの(例えば、特許文献3参照。)が挙げられる。
特開平11−228860号公報 特開2000−355665号公報 特開2002−256193号公報
しかしながら、アルキルイソチアゾロンの例として具体的に述べたものはなく、複合組成がよいとするものもない。
また、特に顔料インクを用いた水系のインクの場合はその分散にポリマーを用いたり、紙などの被記録体への定着性を向上させるために高分子微粒子を用いる例などがある。従って、水系の場合より細菌や黴等の微生物が発生しやすくなる。
更に、従来は防腐効果を得るために単一の成分を用いていたために、特に顔料を用いたインクジェットインクにおいては細菌や黴等の微生物が発生することがあった。
そこで本発明はこのような課題を解決するもので、その目的とするところは、顔料をカルボキシル基を有するポリマーで包含した着色剤、水を含むインクジェット記録用インクにおいて、少なくともメチルイソチアゾロンおよびオクチルイソチアゾロンを含むことにより長期に渡り細菌や黴等の微生物が発生しない保存安定性に優れるインクジェット記録用インクを提供するところにある。
本発明のインクジェット記録用インクは顔料をカルボキシル基を有するポリマーで包含した着色剤、水を含むインクジェット記録用インクにおいて、少なくともメチルイソチアゾロンおよびオクチルイソチアゾロンを含み、前記メチルイソチアゾロンが10ppm以上500ppm以下であり、前記オクチルイソチアゾロンが10ppm以上800ppm以下であることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録用インクは長期に渡り細菌や黴等の微生物が発生せず保存安定性に優れ、また、吐出安定性に優れ、さらに定着性のあるインクジェット記録用インクを提供するという効果を有する。
次に、本発明に係るインクジェット記録用インクについて詳細に説明する。本発明に係るインクジェット記録用インクは、既述のように、顔料をカルボキシル基を有するポリマーで包含した着色剤、水を含むインクジェット記録用インクにおいて、少なくともメチルイソチアゾロンおよびオクチルイソチアゾロンを含むことを特徴とする。
顔料をポリマーで包含した着色剤、水を含むインクジェット記録用インクにおいて、そのインクに防腐防黴性が要求されることに鑑み鋭意検討した結果、メチルイソチアゾロンにより主に防腐効果が得られ、オクチルイソチアゾロンにより主に防黴効果が得られるという知見が得られ、両方あることで十分な防腐防黴効果が得られることがわかった。
前記インクジェット記録用インクが、更に高分子微粒子および保湿剤を含み、前記ポリマーおよび前記高分子微粒子の合計量が1%以上であり、前記保湿剤が5%以上であることが好ましい。
分散に寄与するポリマーおよび高分子微粒子の量を1%以上とすることにより、インクの定着性を向上させることができる。また、保湿剤の量を5%以上とすることにより、インクの目詰まりを防止することができる。
前述のメチルイソチアゾロンおよびオクチルイソチアゾロンの合計量が20ppm以上1000ppm以下であることが好ましい。
20ppm未満では防腐防黴効果が低い。1000ppmより多い添加量ではインクジェットインクとしての防腐防黴効果は十分であり、添加しても過剰品質となり、また顔料インクの場合その分散安定性を劣化させる可能性がある。より好ましくは30ppm以上500ppm以下である。さらに好ましくは40ppm以上400ppm以下である。
前述のメチルイソチアゾロンが10ppm以上500ppm以下であり、オクチルイソチアゾロンが10ppm以上800ppm以下であることが好ましい。
前記アルキルイソチアゾロンを用いたインクジェット記録用インクのpHが6〜10であることが好ましい。
メチルイソチアゾロンは主に防腐作用があるが、10ppm未満では効果が低い、また500ppmを超えても防腐効果は十分であり、添加しても過剰品質となる。より好ましくは20ppm以上400ppm以下である。さらに好ましくは30ppm以上300ppm以下である。
オクチルイソチアゾロンは主に防黴効果があるが10ppm未満では効果が低い。また、800ppmより多い添加量ではインクジェット記録用インクとしての防腐防黴効果は十分であり、添加しても過剰品質となり、また顔料を用いたインクの場合その分散安定性を劣化させる可能性がある。より好ましくは20ppm以上400ppm以下である。さらに好ましくは30ppm以上300ppm以下である。
さらに、pHは6未満では顔料を用いたインクがカルボキシル基によるカルボン酸により水に分散している場合その酸性により分散が不安定になる。またpHが10を超えるとメチルイソチアゾロンおよびオクチルイソチアゾロンの防腐防黴効果が低減し、さらに添加量が必要になり、顔料の分散安定性が劣化する可能性がある。
前述のインクジェット記録用インクに最大泡圧法による5Hz以上での動的表面張力を40mN/m以下にする物質および多価アルコールをさらに含んでなることが好ましい。最大泡圧法による5Hz以上での動的表面張力を40mN/m以下にすることで印字品質が向上する。
前述の最大泡圧法による5Hz以上での動的表面張力を40mN/m以下にする物質が少なくともアセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、グリコールエーテル類および/または1,2−アルキレングリコールから選ばれた1種以上からなる物質であることが好ましい。
前述のアセチレングリコール系界面活性剤およびアセチレンアルコール系界面活性剤が、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオールおよび/または該2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオールにエチレンオキシ基および/またはプロピレンオキシ基が平均で30個以下付加したものであることが好ましい。上記界面活性剤を用いることで印字品質が向上する。
前述のグリコールエーテル類がジエチレングリコールモノ(炭素数4〜8のアルキル)エーテル、トリエチレングリコールモノ(炭素数4〜8のアルキル)エーテル、プロピレングリコールモノ(炭素数3〜6のアルキル)エーテル、ジプロピレングリコールモノ(炭素数3〜6のアルキル)エーテルから選ばれた1種または2種以上の混合物であることが好ましい。上記のグリコールエーテルにおいて炭素数の少ない側より少ない炭素数では印字品質向上の効果がない。また、炭素数の多い側より多い炭素数では水への溶解性が低下して、印字品質の向上効果が得られない。
前述の1,2−アルキレングリコールが1,2−(炭素数4〜10のアルキル)ジオールであることが好ましい。1,2−アルキレングリコールは有効に最大泡圧法による5Hz以上において動的表面張力を40mN/m以下にする。しかし、その効果を発揮するには炭素数4以上でなければならない。また、炭素数が10を超えると水への溶解性が低下して、印字品質の向上効果が得られない。より好ましく炭素数5〜8であり、最も好ましいのは炭素数6である。
また、2−ピロリドンをさらに添加してなることが好ましい。2−ピロリドンを用いることでインクジェットヘッドからのインクの吐出性が安定する。
多価アルコールをさらに添加してなることが好ましい。多価アルコールを用いることで、インクジェットヘッドの目詰まり回復性が向上する。その多価アルコールがグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、(ジ、トリ、テトラまたはポリ)エチレングリコールから選ばれた1種以上である。これらは特に目詰まり回復性に有効である。
キレート剤をさらに添加してなることが好ましい。キレート剤としてはエチレンジアミン4酢酸(EDTA)およびその塩、ニトリロ三酢酸(NTA)およびその塩、メチルグリシン2酢酸(MGDA)またはその塩、L−グルタミン2酢酸(GLDA)またはその塩、L-アスパラギン酸2酢酸(ASDA)またはその塩、ジエチレントリアミン5酢酸(DTPA)またはその塩、グルコン酸(GA)またはその塩、クエン酸(CA)またはその塩、ニトリロ3プロピオン酸(NTP)またはその塩、ニトリロトリスホスホン酸(NTPO)またはその塩、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)またはその塩、ヒドロキシエチルイミノ2酢酸(HIDA)またはその塩、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン4酢酸(DPTA−OH)またはその塩、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)またはその塩、ニトリロトリメチレンスホスホン酸(NTMP)またはその塩およびホスホノブタントリカルホン酸(PBTC)またはその塩から選ばれた1種以上を用いることが好ましい。
また、防腐剤をさらに添加してなることが好ましい。防腐剤としては上記メチルイソチアゾロンおよびオクチルイソチアゾロンの他に、同時に他の種類の防腐剤を用いることができる。その例としては、他のアルキルイソチアゾロン、クロルアルキルイソチアゾロン、ベンズイソチアゾロン、ブロモニトロアルコール、オキサゾリジン系化合物およびクロルキシレノールから選ばれた1種以上が挙げられる。
防錆剤をさらに添加してなることが好ましい。防錆剤はインクジェットのヘッドやインクの流路に金属部材を用いた場合に有効であり、ジシクロヘキシルアンモニウムニトラートおよび/またはベンゾトリアゾールが好ましい。
さらに、前記の着色剤が有機顔料または無機顔料であることが好ましい。例えば、黒色インク用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅酸化物、鉄酸化物(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられるがインクジェット用としては比重が比較的低く水中で沈降しにくいカーボンブラックが好ましい。更にカラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、153、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101、104、105、106、108、112、114、122、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントブルー1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等が使用できる。
分散方法は超音波分散の他に、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ジェットミルあるいはナノマイザーなどによる方法など他の分散方法を用いてもよい。しかし、インクジェットインク用としてはコンタミ低減の観点からジェットミルあるいはナノマイザー等の非メディア分散が好ましい。
そして、顔料の粒経は25μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以下の粒子からなる顔料、さらに好ましくは0.01〜0.15μmの粒子からなる顔料が好ましい。
また、通常のインクジェット記録ではヘッドの前面でインクが乾燥して目詰まりを起こす可能性が高いので、これを防止するために保湿剤として多価アルコールを添加することが好ましい。これら多価アルコールの添加量が多いと細菌や黴等の微生物が発生しやすいが、メチルイソチアゾロンとオクチルイソチアゾロンを用いることで細菌や黴等の微生物の発生が押えられる。
その保湿剤の例としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトールなどがある。
また、多価アルコールの他に糖をさらに添加すると目詰まり性はより改善される。これも添加量が多いと細菌や黴等の微生物が発生しやすいが、メチルイソチアゾロンとオクチルイソチアゾロンを用いることで細菌や黴等の微生物の発生が押えられる。
その例としては、単糖類、少糖類、多糖類あるいは配糖体などが挙げられ、アルデヒド型、ケトン型あるいは糖アルコール型がある。
具体的にはエリトロース、トレオース、エリスルロース、エリスリトール、アラビノース、キシロース、リブロース、キシルロース、キシリトール、グルコース、マンノース、ガラクトース、タロース、フラクトース、プシコース、タガトース、ソルボース、ソルビトール、マンニトール、トレハロース、コージビオース、ニグロース、マルトース、イソマルトース、イソトレハロース、ソフォロース、ラミナリビオース、セロビオース、ゲンチビオース、マルチデキストリン、直鎖オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、異性化糖、ゲンチオリゴ糖、ポリデキストロース、マルチトール、フラクトオリゴ糖、パラチノース、パラチノースオリゴ糖、乳化オリゴ糖、ラクチトール、ラクツロース、ラクトシュクロース、ガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、キシロオリゴ糖、キチン・キトサンオリゴ糖、ペクチンオリゴ糖、アガロオリゴ糖、イヌロオリゴ糖、パラニチット、還元水飴、カラギーナン、アルギン酸、プルラン、キサンタンガム、ジェランガム、カードランあるいはポリデキストロースなどが挙げられる。
これらの糖類の中でも目詰まり改善のためには分子量が大きいものは粘度が高くなり添加量が制限されるので分子量の比較的小さい単糖類や二糖類が好ましい。
前述の顔料をポリマーで包含した着色剤の添加量は通常0.5〜15%の範囲で好ましく用いられる。0.5%未満では印字濃度が得られないこと、15%を超えると色濃度は頭打ちでありそれ以上の添加は効果がなく、吐出安定性が悪くなり印字乱れを生じやすいことなどの理由による。
前述の顔料をポリマーで包含した着色剤が少なくとも重合性基を有する分散剤と共重合性モノマーとの共重合体でその顔料を包含したものであること、あるいは転相乳化法によることが好ましく用いられる。
重合性基を有する分散剤とは少なくとも疎水基、親水基および重合性基を有するもので、重合性基はアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基あるいはビニル基などであり、共重合性基も同じくクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基あるいはビニル基などになる。
また、顔料をポリマーで包含した顔料を作成するためのポリマーに用いる物質として、2重結合を有するアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基あるいはアリル基を有するモノマーやオリゴマー類を用いることができる。
例えばスチレン、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ブチルメタクリレート、(α、2、3または4)−アルキルスチレン、(α、2、3または4)−アルコキシスチレン、3,4−ジメチルスチレン、α−フェニルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、その他アルキル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基のジエチレングリコールまたはポリエチレングリコールの(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、その他含フッ素、含塩素、含珪素(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸アミド、(メタ)アクリル酸、ラウリル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の1官能の他に架橋構造を導入する場合は(モノ、ジ、トリ、テトラ、ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオールおよび1,10−デカンジオール等の(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリン(ジ、トリ)(メタ)アクリレート、ビスフェノールAまたはFのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等アクリル基やメタクリル基を有する化合物を用いられる。
また、ポリアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマーからなる群から選ばれた1種以上を主成分とするようにこれらのポリマーを添加しながら作成することも検討される。
重合開始剤は過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウムの他に、過硫酸水素やアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリルなどのアゾ化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化ジブチル、過酢酸、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロキシパーオキシド、パラメンタンヒドロキシパーオキシドなど過酸化物などラジカル重合に用いられる一般的な開始剤を用いることができるが本発明の好ましい態様においては、アゾ化合物が好ましく用いられる。
乳化重合では連鎖移動剤を用いる場合もある。例えば、t−ドデシルメルカプタンの他にn−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、キサントゲン類であるジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソブチルキサントゲンジスルフィド、あるいはジペンテン、インデン、1,4−シクロヘキサジエン、ジヒドロフラン、キサンテンなどが挙げられる。上記のような顔料を包含するために用いるポリマーの量が多いと細菌や黴等の微生物が発生しやすいのでその対策が必要である。
また、定着性を向上させるために必須成分として高分子微粒子を添加することもある。しかし、一般に、高分子微粒子の添加により細菌や黴等の微生物の発生が助長されるため、その対策が必要になる。そこで、本発明のように、メチルイソチアゾロン及びオクチルイソチアゾロンを含有するインク組成が有効になる。
ポリマーの添加量は、後述する高分子微粒子の添加量に応じて決定されるが、通常0.1%以上10%以下である。より好ましくは1%以上8%以下、さらに好ましくは2%以上6%以下である。0.1%未満では耐擦性の向上の効果が少なく、10%を越えるとインクの粘度が上昇してインクジェット記録用インクとしては使用しにくくなる。
高分子微粒子は通常水に分散した状態のエマルジョンを形成する。高分子微粒子を形成する物質として、スチレン、テトラヒドロフルフリルアクリレートおよびブチルメタクリレートの他に(α、2、3または4)−アルキルスチレン、(α、2、3または4)−アルコキシスチレン、3,4−ジメチルスチレン、α−フェニルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、N、N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N、N−ジエチルアクリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、その他アルキル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基のジエチレングリコールまたはポリエチレングリコールの(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、その他含フッ素、含塩素、含珪素(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸アミド、(メタ)アクリル酸等の1官能の他に架橋構造を導入する場合は(モノ、ジ、トリ、テトラ、ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオールおよび1,10−デカンジオール等の(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリン(ジ、トリ)(メタ)アクリレート、ビスフェノールAまたはFのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を用いることができる。
このような高分子微粒子を形成するために用いる乳化剤としてはラウリル硫酸ナトリウムやラウリル硫酸カリの他にアニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤および両性界面活性剤を用いることができ、前述のインクに添加することができる界面活性剤類を用いることができる。
重合開始剤は過硫酸カリや過硫酸アンモニウムの他に、過硫酸水素やアゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジブチル、過酢酸、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロキシパーオキシド、パラメンタンヒドロキシパーオキシドなどを用いることができる。
重合のための連鎖移動剤としては、t−ドデシルメルカプタンの他にn−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、キサントゲン類であるジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソブチルキサントゲンジスルフィド、あるいはジペンテン、インデン、1、4−シクロヘキサジエン、ジヒドロフラン、キサンテンなどを用いることができる。
高分子微粒子の添加量は、先述したポリマーの添加量に応じて決定されるが、通常0%以上15%以下である。より好ましくは0.1%以上10%以下、さらに好ましくは0.5%以上5%以下である。
次に具体的な実施の形態について説明する。本発明において示す顔料の例として有機または無機顔料を用いる場合について述べる。実施例、および比較例における顔料1はカーボンブラック顔料、顔料2はフタロシアニン顔料、顔料3はジメチルキナクリドン顔料、顔料4はジケトピロロピロール顔料を用いた。
(分散体1〜4の調製)
まず、分散体1はカーボンブラックであるモナーク880(キャボット製)を用いる。攪拌機、温度計、還流管および滴下ロートをそなえた反応容器を窒素置換した後、スチレン20部、2−エチルヘキシルメタクリレート5部、ブチルメタクリレート15部、ラウリルメタクリレート10部、ウレタンアクリレートオリゴマー(CN−972日本化薬株式会社製)5部、アクリル酸2部、t―ドデシルメルカプタン0.3部を入れて70℃に加熱し、別に用意したスチレン150部、アクリル酸15部、ブチルメタクリレート50部、t−ドデシルメルカプタン1部、メチルエチルケトン20部およびアゾビスイソブチロニトリル3部を滴下ロートに入れて4時間かけて反応容器に滴下しながら分散ポリマーを重合反応させる。次に、反応容器にメチルエチルケトンを添加して40%濃度の分散ポリマー溶液を調製する。
上記分散ポリマー溶液40部とカーボンブラックであるモナーク880(キャボット社製)30部、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液100部、メチルエチルケトン30部を混合し、ホモジナイザーで30分攪拌する。その後、イオン交換水を300部添加して、さらに1時間攪拌する。そして、ロータリーエバポレーターを用いてメチルエチルケトンの全量と水の一部を留去して、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムで中和してpH9に調整してから0.3μmのメンブレンフィルターでろ過して固形分(分散ポリマーとカーボンブラック)が20%の分散体1とする。
上記と同様な手法で分散体2〜4を得る。分散体2はピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン顔料:クラリアント製)を用いる。分散体3はピグメントレッド122(ジメチルキナクリドン顔料:クラリアント製)を用いる。分散体4はピグメントイエロー180(ジケトピロロピロール:クラリアント製)を用いる。
(高分子微粒子の調製)
反応容器に滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過硫酸カリを0.2部を添加しておく。イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、グリシドキシアクリレート4部、スチレン5部、テトラヒドロフルフリルアクリレート6部、ウレタンアクリレートオリゴマー(CN−972日本化薬株式会社製)15部、ブチルメタクリレート5部およびt−ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を作成する。その1次物質に、過硫酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、スチレン30部、ブチルメタクリレート25部、ブチルアクリレート6部、アクリル酸2部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート1部、t−ドデシルメルカプタン0.5部よりなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過した高分子微粒子30%水溶液を作成して高分子微粒子水溶液Aとした。
(インク用溶媒の調製)
以下の混合物をインク水溶液B(インク用溶媒)とする。なお、下記の添加量はインク組成物の重量を基準(100重量%)としたときの添加量を意味する。
インク水溶液B 添加量(重量%)
1,2−ヘキサンジオール 3.0
オルフィンE1010(日信化学製) 0.6
2−ピロリドン 2.0
トリエチレングリコール 2.0
トリメチロールプロパン 8.0
グリセリン 7.0
エチレンジアミン4酢酸2Na塩 0.02
ベンゾトリアゾール 0.01
メチルイソチアゾロン 0.01
オクチルイソチアゾロン 0.02
イオン交換水 17.34
(インクジェット記録用インクの作成)
( )中にそれぞれの平均粒径をnm(ナノメートル)単位で示す。
<実施例1> 添加量(重量%)
分散体1(105) 37.5
上記高分子微粒子水溶液A 14.0
上記インク水溶液B 40.0
トリエタノールアミン 0.8
イオン交換水 残量
<実施例2> 添加量(重量%)
分散体2(85) 22.5
上記高分子微粒子水溶液A 5.0
上記インク水溶液B 40.0
イオン交換水 残量
<実施例3> 添加量(重量%)
分散体3(90) 27.5
上記高分子微粒子水溶液A 5.0
上記インク水溶液B 40.0
イオン交換水 残量
<実施例4> 添加量(重量%)
分散体4(80) 25.0
上記高分子微粒子水溶液A 4.0
上記インク水溶液B 40.0
イオン交換水 残量
<実施例5> 添加量(重量%)
分散体1(105) 15.0
上記高分子微粒子水溶液A 15.0
上記インク水溶液B 40.0
トリエタノールアミン 0.9
イオン交換水 残量
<実施例6> 添加量(重量%)
分散体2(85) 25.0
上記高分子微粒子水溶液A 5.0
上記インク水溶液B 40.0
イオン交換水 残量
<実施例7> 添加量(重量%)
分散体3(90) 25.0
上記高分子微粒子水溶液A 5.0
上記インク水溶液B 40.0
イオン交換水 残量
<実施例8> 添加量(重量%)
分散体4(80) 27.5
上記高分子微粒子水溶液A 5.0
上記インク水溶液B 40.0
イオン交換水 残量
(吐出安定性評価および防腐防黴評価)
実施例1〜8のインクとそれらからメチルイソチアゾロン(MIT)またはオクチルイソチアゾロン(OIT)を除いたインク用いて保存安定性および吐出安定性の評価を行なった結果を表1に示す。
保存安定性はセイコーエプソン株式会社製のインクジェットプリンターEM−930Cのカートリッジに実施例1〜8のインクを充填し、30℃で半年放置したときの細菌または黴等の微生物の発生状態を観察するため、インクを1gとり、25℃および30℃で4週間寒天培地で培養して細菌や黴の増加状況を観察する方法で行なった。細菌や黴が100個以下をA、101〜1000個以下をB、1001個以上をCとする。
吐出安定性の評価はセイコーエプソン株式会社製のインクジェットプリンターEM−930Cを用いて、各インクをカートリッジに入れた状態で40℃20%の環境に3ヵ月入れて取り出したときの印字の曲がりなどを観察する方法で行なった。A4版普通紙に5000文字印字して10ページ以上印字曲がりのないものをA、10ページ中1〜5個所印字曲がりがあるものをB、10ページ中6個所以上印字の曲がりがあるものをCとする。
いずれの評価においてもAを実用レベル、Bを問題はあるがほぼ実用レベル、CおよびDを実用レベルにないと判断する。
Figure 0004635429
表1の結果から分るように顔料をポリマーで包含した着色剤および水を少なくとも含んでなるインクジェット記録用インクにおいては防腐防黴効果が高く吐出安定性が確保されることが分る。
以上のように、本発明においては防腐防黴性および吐出安定性が優れ、実用性の高いインクジェット記録用インクを提供することができる。
(定着性および目詰まり回復性試験)
また、実施例1〜8のインクにおいて保湿剤(トリエチレングリコール、トリメチロールプロパンおよびグリセリン)を除いた場合、分散ポリマーを用いず、顔料粒子表面に直接分散性付与基を化学的に導入することにより、分散剤なしに水に分散および/または溶解を可能とした、いわゆる自己分散顔料(以下、単に「表面処理顔料」という)を用いた場合の、防腐防黴性、定着性および目詰まり回復性試験の結果を表2示す。
防腐防黴性は表1と同様の試験によっておこなった。
定着性はセイコーエプソン株式会社製インクジェット専用紙(PM写真用紙)に印字して、ゼブラ株式会社製蛍光ペン(ZEBRA PEN2)を用いて60°の角度で300gのペン圧でラインを引いたときの記録物の剥がれ具合を評価して、全く剥がれがないものをA、剥がれの長さが1cm未満をB、剥がれの長さが1cm〜2cmをC、剥がれの長さが2cmを超えるものをDとした。
目詰まり回復性試験は、セイコーエプソン株式会社製EM930Cを用いて、カートリッジに各インクを充填して40℃20%の環境に3ヶ月放置し、クリーニング(目詰まったときにノズルからインクがでるように回復させるための機構で、通常プリンターに備わっている機構)回数が3回以下で全ノズル回復するのをA、4回および5回で全ノズル回復するのをB、10回以下で全ノズル回復するのをC、10回でも全ノズル回復しないのをDとする。
いずれの評価においてもAを実用レベル、Bを問題はあるがほぼ実用レベル、CおよびDを実用レベルにないと判断する。
Figure 0004635429
表1と表2の結果からわかるように、顔料をカルボキシル基を有するポリマーで包含した着色剤、水、該ポリマーおよび高分子微粒子の量が1%以上であり、保湿剤が5%以上であるインクジェット記録用インクに、少なくともメチルイソチアゾロンおよびオクチルイソチアゾロンを用いることで、防腐防黴性および吐出安定性が優れ定着性や目詰まり回復性に優れたインクジェット記録用インクになることがわかる。
(メチルイソチアゾロンとオクチルイソチアゾロンの添加量と防腐防黴試験および保存安定性試験)
次に、表3に、実施例1〜4のインクにおいて、メチルイソチアゾロンおよびオクチルイソチアゾロンの添加量と防腐防黴効果およびインクの保存安定性試験について評価した結果について示す。
防腐防黴性は表1と同様の評価方法であり、防腐試験と防黴試験は別々に行なった。防腐試験は25℃に4週間放置したときの細菌の発生数を基準として、防黴試験は30℃に4週間放置したときの黴の発生数として、それぞれ細菌や黴が100個以下をA、101〜1000個以下をB、1001個以上をCとする。
インクの保存安定性はインクをサンプル瓶に入れ密栓後70℃で30日放置したときの試験後の粘度を初期の粘度で除した値を基にして、1.0〜1.1をA、1.1を越え1.2以下をB、1.2を越え1.5以下をC、1.5を超えるものをDとして示す。
いずれの評価においてもAを実用レベル、Bを問題はあるがほぼ実用レベル、CおよびDを実用レベルにないと判断する。
Figure 0004635429
表3の結果からわかるように、メチルイソチアゾロンおよびオクチルイソチアゾロンの合計量が20ppm以上1000ppm以下で効果があり、メチルイソチアゾロンが10ppm以上500ppm以下で、オクチルイソチアゾロンが10ppm以上800ppm以下で効果があることがわかる。
(顔料をカルボキシル基を有するポリマーで包含した着色剤以外の着色剤を用いた場合の防腐防黴効果および保存安定性試験)
次に、本発明に用いた顔料をカルボキシル基を有するポリマーで包含した着色剤以外の着色剤を用いた場合について、防腐防黴効果および保存安定性試験を行なった結果を表4に示す。評価したインク(比較例1、比較例2)は、実施例1の組成から、顔料と高分子微粒子とを除いた組成であり、他の組成は同じである。着色剤として表面処理顔料又は染料を用いた。この場合各色剤の添加量は同一とし、表面処理顔料としてはオリヱント化学工業のCW1を、染料としてはフードブラック2を用いた。
<比較例1> 添加量(重量%)
CW1(オリヱント化学工業) 7.5
上記インク水溶液B 40.0
トリエタノールアミン 0.8
イオン交換水 残量
<比較例2> 添加量(重量%)
水溶性染料(フードブラック2) 5.5
上記インク水溶液B 40.0
トリエタノールアミン 0.8
イオン交換水 残量
防腐試験、防黴試験および保存安定性試験は表3の場合と同様に行なった。いずれの評価においてもAを実用レベル、Bを問題はあるがほぼ実用レベル、CおよびDを実用レベルにないと判断する。
Figure 0004635429
表3および表4の結果からわかるように、本発明のようにカルボキシル基を有するポリマーで包含した着色剤を用いた場合は、メチルイソチアゾロンおよびオクチルイソチアゾロンの両方が必要であることがわかる。添加量は、表3の結果とは異なる傾向が認められ、それをそのまま染料や表面処理顔料には応用できないことがわかる。
また、染料では耐水性が得られないし、表面処理顔料では耐擦性が得られないので、耐水性を有し、定着性を有するためには顔料をポリマーで包含した着色剤や高分子微粒子が必要であり、その場合メチルイソチアゾロンおよびオクチルイソチアゾロンの両方を防腐防黴剤として用いることが有効であることがわかる。
尚、本発明はこれらの実施例に限定されると考えるべきではなく、本発明の主旨を逸脱しない限り種々の変更は可能である。

Claims (7)

  1. 顔料をカルボキシル基を有するポリマーで包含した着色剤、水を含むインクジェット記録用インクにおいて、
    少なくともメチルイソチアゾロンおよびオクチルイソチアゾロンを含み、
    前記メチルイソチアゾロンが10ppm以上500ppm以下であり、前記オクチルイソチアゾロンが10ppm以上800ppm以下であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
  2. 前記インクジェット記録用インクが、更に高分子微粒子および保湿剤を含み、
    前記ポリマーおよび前記高分子微粒子の合計量が1%以上であり、
    前記保湿剤が5%以上である請求項1記載のインクジェット記録用インク。
  3. 前記メチルイソチアゾロンおよび前記オクチルイソチアゾロンの合計量が20ppm以上1000ppm以下である請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インク。
  4. 前記インクジェット記録用インクのpHが6〜10である請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
  5. 前記インクジェット記録用インクに最大泡圧法による5Hz以上での動的表面張力を40mN/m以下にする物質および多価アルコールをさらに含んでなることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
  6. 前記最大泡圧法による5Hz以上での動的表面張力を40mN/m以下にする物質が少なくともアセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、グリコールエーテル類および/または1,2−アルキレングリコールから選ばれた1種以上からなる物質であることを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録用インク。
  7. 前記着色剤が有機顔料または無機顔料であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
JP2003387091A 2002-11-15 2003-11-17 インクジェット記録用インク Expired - Fee Related JP4635429B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003387091A JP4635429B2 (ja) 2002-11-15 2003-11-17 インクジェット記録用インク

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002332224 2002-11-15
JP2003387091A JP4635429B2 (ja) 2002-11-15 2003-11-17 インクジェット記録用インク

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004176064A JP2004176064A (ja) 2004-06-24
JP4635429B2 true JP4635429B2 (ja) 2011-02-23

Family

ID=32716243

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003387091A Expired - Fee Related JP4635429B2 (ja) 2002-11-15 2003-11-17 インクジェット記録用インク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4635429B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006265390A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Shachihata Inc 水性インキ
JP5938815B2 (ja) * 2006-05-25 2016-06-22 キヤノン株式会社 水性インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
JP5932196B2 (ja) * 2007-05-11 2016-06-08 キヤノン株式会社 画像形成方法、及び画像形成装置
JP5932197B2 (ja) * 2007-05-11 2016-06-08 キヤノン株式会社 画像形成方法、及び画像形成装置
GB201105365D0 (en) * 2011-03-30 2011-05-11 Univ Dundee Coloured construction composite
JP6331086B2 (ja) * 2014-07-15 2018-05-30 セイコーエプソン株式会社 インクジェットインク組成物
JP6377494B2 (ja) * 2014-11-05 2018-08-22 株式会社パイロットコーポレーション 筆記具用水性インキ組成物および水性インキ製品

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6155171A (ja) * 1984-08-27 1986-03-19 Konishiroku Photo Ind Co Ltd インクジエツト記録用インク組成物
JPH06128055A (ja) * 1992-10-23 1994-05-10 Toyo Ink Mfg Co Ltd 防腐・防黴性に優れた水性有機珪素系組成物
JPH08325102A (ja) * 1995-02-27 1996-12-10 Rohm & Haas Co 3−イソチアゾロン化合物のマイクロエマルション組成物
JP2000226545A (ja) * 1998-12-04 2000-08-15 Konica Corp インクジェット用インク
WO2000075245A1 (fr) * 1999-06-09 2000-12-14 Seiko Epson Corporation Encre pour impression a jet d'encre et son procede de production, jeu d'encres pour impression a jet d'encre et cartouche d'encre
JP2001254036A (ja) * 2000-03-13 2001-09-18 Ricoh Co Ltd インク及びそれを用いた記録方法
WO2001096483A1 (en) * 2000-06-07 2001-12-20 Seiko Epson Corporation Ink-jet recording ink, ink-jet recording ink set, recording method, print, and ink-jet recording apparatus
JP2002225414A (ja) * 2001-01-29 2002-08-14 Seiko Epson Corp 記録媒体に二液を用いて印刷する記録方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6155171A (ja) * 1984-08-27 1986-03-19 Konishiroku Photo Ind Co Ltd インクジエツト記録用インク組成物
JPH06128055A (ja) * 1992-10-23 1994-05-10 Toyo Ink Mfg Co Ltd 防腐・防黴性に優れた水性有機珪素系組成物
JPH08325102A (ja) * 1995-02-27 1996-12-10 Rohm & Haas Co 3−イソチアゾロン化合物のマイクロエマルション組成物
JP2000226545A (ja) * 1998-12-04 2000-08-15 Konica Corp インクジェット用インク
WO2000075245A1 (fr) * 1999-06-09 2000-12-14 Seiko Epson Corporation Encre pour impression a jet d'encre et son procede de production, jeu d'encres pour impression a jet d'encre et cartouche d'encre
JP2001254036A (ja) * 2000-03-13 2001-09-18 Ricoh Co Ltd インク及びそれを用いた記録方法
WO2001096483A1 (en) * 2000-06-07 2001-12-20 Seiko Epson Corporation Ink-jet recording ink, ink-jet recording ink set, recording method, print, and ink-jet recording apparatus
JP2002225414A (ja) * 2001-01-29 2002-08-14 Seiko Epson Corp 記録媒体に二液を用いて印刷する記録方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004176064A (ja) 2004-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4876379B2 (ja) 水性インク
WO2004029164A1 (ja) インクジェット記録用インク組成物、これを用いた記録方法及び記録物
WO2000022056A1 (fr) Composition d'encre pour impression a jet d'encre et procede d'impression a jet d'encre
US20060270756A1 (en) Water based ink
JP5538966B2 (ja) インク組成物、インクセットおよび画像形成方法
JP4437770B2 (ja) インクジェット記録用インク
JP5393940B2 (ja) インク組成物およびそのインク組成物を用いたインクジェット記録方法
JP2011195684A (ja) インク組成物、インクセットおよびインクジェット画像形成方法
JP4635429B2 (ja) インクジェット記録用インク
JPH1180639A (ja) インクジェット記録用インク
US7273898B2 (en) Ink jet recording ink
JP2006282781A (ja) 水性インク
JP2003306624A (ja) インクジェット記録用インク組成物、これを用いた記録方法及び記録物
JP2000327974A (ja) インクジェット記録用インク
JP2004123906A (ja) 水性インク
JP4470361B2 (ja) 水性インク
JP2006249346A (ja) 水性インク組成物、インクジェット記録方法及びインクジェット記録物
JP2005082613A (ja) 水性インク
JP2007161983A (ja) インクジェット記録用インク組成物、これを用いたインクカートリッジ、記録方法、記録システム及び記録物
JP4859332B2 (ja) 水性インク
JP4168745B2 (ja) 水性インク
JP5223947B2 (ja) 水性インク
JP2007262413A (ja) インクジェット記録用インクおよびその製造方法
JP2006241421A (ja) インクジェット記録用インク組成物、これを用いたインクカートリッジ、記録方法、記録システム及び記録物
JP4815818B2 (ja) 水性インク

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061026

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100414

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100628

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100927

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20101005

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101026

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101108

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131203

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees