JP4634929B2 - フォトマスク、ショット重ね合わせ精度測定方法、及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

フォトマスク、ショット重ね合わせ精度測定方法、及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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本発明は、重ね合わせ精度を測定するマークを備えたフォトマスク、ショット重ね合わせ精度測定方法、及び半導体装置の製造方法に関する。
半導体装置製造工程のリソグラフィ工程では、ウェハ上に微細なパターンを転写する際に、ステップアンドリピート方式の露光装置が用いられている。この種の露光装置では、ウェハ上に形成されるパターンの数倍の大きさのパターンを備えたフォトマスク(以下、レチクルという。)が使用される。当該レチクル上のパターンは、光学レンズを介してウェハ上に縮小投影され、1ショットごとにウェハ上の位置を変えながら繰り返し転写される。このとき、基板上の各ショット(露光単位)は直前のショットの一部と重なる状態で転写される。
近年のリソグラフィ技術では、微細なパターンが形成された下地層の上に連続して形成された層にパターン転写を行う必要がある。このため、露光の際に、上層のパターン(露光ショット)と下地層のパターンとを精度良く重ね合わせを行うことが重要になっている。高精度の重ね合わせを行うために、露光前に下地層のショットの位置情報を得るためのアライメント計測が行われる。当該位置情報に基づいて露光ショットの位置合わせが行われた後、上層パターンの転写が行われる。
しかしながら、ステップアンドリピート方式の縮小投影露光では、周知のように、露光の際に、投影倍率誤差、回転誤差等の配置誤差が生じることが良く知られている。ここで、投影倍率誤差は、転写パターンの投影倍率と所望の投影倍率とのずれである。また、回転誤差は、転写パターンの向きと所望の向きとのずれである。当該配置誤差のため、上記位置合わせが高精度に行われても、下地層のパターンと上層パターンとの間には重ね合わせに誤差が生じる。
このような配置誤差を低減するため、レチクル上には、基板上でショットが重なる領域にボックスインボックスパターン等の重ね合わせ精度を計測するためのパターンが配置されている。当該計測用パターンは、ショットが重なったときに完全なパターンが形成されるよう構成されている。したがって、現像後に当該計測用パターンの形状を測定することで、上記配置誤差を算出することが可能となる。算出された配置誤差は露光装置にフィードバックされ、露光装置の光学系等が当該配置誤差を解消するように調整される。そして、当該調整が行われた状態で次ウェハの露光を行うことで配置誤差が低減される。
上記配置誤差の測定は、投影倍率誤差と回転誤差を算出するため、1ショット内に設けられた数箇所の計測用パターンに対して行われる。この場合、ウェハ上の数箇所のショットに対する測定結果に基づいてウェハ全体の配置誤差を推定し、光学系の調整を行うグローバルアライメントを行う場合であっても、1枚のウェハに対して数十箇所の計測用パターンの測定を行う必要がある。このため、重ね合わせ精度計測には、多大な時間が必要となっている。
例えば、後掲の特許文献1には、重ね合わせ精度計測を短時間で行うための技術が開示されている。当該技術では、レチクルは、製品となる集積回路パターンが形成されたチップパターン領域と当該チップパターン領域を囲むように形成されたスクライブパターン領域とを備える。スクライブパターン領域の四隅には、ボックスインボックスパターンを構成する外側X部、外側Y部、内側X部、内側Y部がそれぞれ配置される。外側X部は外側ボックスマーク(正方形状)の縦方向の2辺からなり、外側Y部は外側ボックスマークにおける横方向の2辺からなる。また、内側X部は内側ボックスマークの縦方向の2辺からなり、内側Y部は内側ボックスマークにおける横方向の2辺からなる。
当該レチクルを用いて横列、縦列とステップアンドリピートしてショットをウェハ上に転写することにより、レチクル上の四隅に配置された各パターンがウェハ上で重ね合わされる。これにより、基板上に重ね合わせ精度計測用のボックスインボックスパターンが形成される。本構成によれば、1箇所のボックスインボックスパターンについて、外側X部、外側Y部、内側X部、内側Y部の相対位置を計測することで、投影倍率誤差及び回転誤差の有無を判定することができる。
特開2002−62635号公報
このように特許文献1に開示された技術では、同一層に属するショットの重ね合わせ精度を比較的少ない測定回数で計測することが可能である。しかしながら、上層のショットと下地層のショット等、異なる層に属するショット間の重ね合わせ精度を直接計測することはできない。
例えば、上層のショットと比較して下地層のショットの投影倍率誤差と回転誤差が大きい場合や、上層のショットと下地層のショットとの間で、投影倍率成分や回転成分の符号が反転している場合は両層間で大きな重ね合わせずれが生じることになる。上記従来の技術では、このような上層ショットと下地層のショットとの間の重ね合わせ精度を計測するには、他の重ね合わせ精度計測用パターンを設けて別途計測を行う必要があった。
一方、重ね合わせ精度計測パターンの測定点数を増やすことで、より高精度な重ね合わせを行うことも可能となるが、測定点数の増加に伴って測定時間が著しく増大してしまう。このため、より短時間で高精度な重ね合わせを行うことが可能な技術が求められている。
本発明は、上記従来の課題を鑑みてなされたものであり、異なるマスクレイヤに属するショット間の重ね合わせ精度を高速に計測することができ、高精度なショット重ね合わせを実現できるフォトマスク、重ね合わせ精度計測方法及び半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用している。すなわち、本発明に係るフォトマスクは、矩形のショットの四隅に少なくとも1個ずつ設けられた測定マーク領域を備える。また、各測定マーク領域には、第1の方向に伸びるラインパターン及び第1の方向と異なる第2の方向に伸びるラインパターンを含む測定パターンが形成されている。そして、各ラインパターンは、互いに異なる隅に位置する測定マーク領域が全て重なり合うときに、各測定マーク領域に属する各ラインパターンが互いに重なることがない状態に配列されている。
ここで、四隅とは、ステップアンドリピート方式の露光装置により、矩形ショットの一部が重なる状態で基板上に転写された際に、互いに隣接する4つの異なるショットが重なり合う領域を指す。
また、本発明は、上記構成を有するフォトマスクからなる下層用フォトマスク及び上層用フォトマスクにより構成される1対のフォトマスクを提供することができる。この場合、本フォトマスクの各ラインパターンは、下層用フォトマスク上で互いに異なる隅に位置する測定マーク領域及び上層用フォトマスク上で互いに異なる隅に位置する測定マーク領域が全て重なり合うときに、各測定マーク領域に属する各ラインパターンが互いに重なることがない状態に配列されている。
一方、他の観点では、本発明は、ステップアンドリピート方式の露光装置により基板上に転写された下層パターン及び上層パターンのショット重ね合わせ精度を測定するショット重ね合わせ精度測定方法を提供することができる。すなわち、本発明に係るショット重ね合わせ精度測定方法は、まず、矩形ショットの四隅に、第1の方向に伸びるラインパターン及び第1の方向と異なる第2の方向に伸びるラインパターンが形成された測定マーク領域を備える下層用フォトマスクを用いて四隅の測定マーク領域が重なり合う状態で下層パターンを形成する。次いで、上記下層パターン上に上層となる膜を形成する。
続いて、ショットの四隅に、上記第1の方向に伸びるラインパターン及び上記第2の方向に伸びるラインパターンが形成された測定マーク領域を備える上層用フォトマスクを用いて四隅の測定マーク領域及び上記下層で重ね合わされた下層測定マーク領域とが重なり合う状態で上層パターンを転写する。
そして、以上のステップにより形成された上記第1の方向に伸びる下層のラインパターンと第1の方向に伸びる上層のラインパターンとの相対間隔、及び、以上のステップにより形成された上記第2の方向に伸びる下層のラインパターンと第2の方向に伸びる上層のラインパターンとの相対間隔を計測する。
ここで、上記相対間隔は、下層用フォトマスクと上層用フォトマスクで同一の隅に位置する測定マーク領域に属するラインパターンの相対間隔であることが好ましい。
さらに他の観点では、本発明は、ステップアンドリピート方式の露光装置により基板上に下層パターン及び上層パターンを転写する半導体装置の製造方法を提供することができる。すなわち、本発明に係る半導体装置の製造方法は、矩形ショットの四隅に、第1の方向に伸びるラインパターン及び第1の方向と異なる第2の方向に伸びるラインパターンが形成された測定マーク領域を備える下層用フォトマスクを用いて四隅の測定マーク領域が重なり合う状態で下層パターンを形成する。次いで、上記下層パターン上に上層となる膜を形成する。
続いて、ショットの四隅に、上記第1の方向に伸びるラインパターン及び上記第2の方向に伸びるラインパターンが形成された測定マーク領域を備える上層用フォトマスクを用いて四隅の測定マーク領域及び上記下層で重ね合わされた下層測定マーク領域とが重なり合う状態で上層パターンを転写する。
以上のステップにより形成された上記第1の方向に伸びる下層のラインパターンと第1の方向に伸びる上層のラインパターンとの相対間隔、及び、以上のステップにより形成された上記第2の方向に伸びる下層のラインパターンと第2の方向に伸びる上層のラインパターンとの相対間隔を計測する。
そして、上記計測された相対間隔と上記相対間隔の設計値との差分が減少する状態で以降の上層パターンの転写を行う。
また、本発明は、上述のフォトマスクを利用した、他の半導体装置の製造方法を提供することができる。すなわち、本発明に係る半導体装置の製造方法は、矩形ショットの四隅に、第1の方向に伸びるラインパターン及び第1の方向と異なる第2の方向に伸びるラインパターンが形成された測定マーク領域を備える下層用フォトマスクを用いて四隅の測定マーク領域が重なり合う状態で下層パターンを形成する。次いで、上記下層パターン上に上層となる膜を形成する。
続いて、前記基板を前記上層パターンの露光を行う位置に配置した状態で、前記各下層パターンの位置を計測し、前記基板の配置状態で前記各下層パターンが設計上形成されているべき位置と、前記計測された各下層パターンの位置との差分を演算する。そして、前記差分が減少する状態で前記上層パターンの露光を行う。
なお、上記第1の方向及び第2の方向は、例えば、上記ショットを構成する辺と平行な方向である。
本発明によれば、1箇所のショット重ね合わせ計測パターンを測定するだけで、下層のショットに対する露光ショットの重ね合わせ精度を測定することができる。当該測定結果に基づいて算出された配置誤差は下層ショットに対する誤差を直接的に求めたものである。このため、当該配置誤差を露光装置にフィードバックし、当該配置誤差が減少する状態に露光装置の光学系等を調整することで高精度なショット重ね合わせを行うことができる。したがって、測定点数を増やすことなく、従来に比べて高精度なショット重ね合わせを実現することができる。
また、1箇所の計測パターンの測定で、下層ショットに対する露光ショットの重ね合わせ精度を求めることができるため、極めて短時間で下層ショットに対する配置誤差を求めることができる。
以下、本発明に係る一実施形態を、本発明を縮小投影露光に使用するフォトマスク(レチクル)に適用した事例に基づいて図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態のレチクルを示す平面図である。本実施形態のレチクルは、周知のレチクルと同様に、石英等の透明基板の一方の面にクロム等の遮光材料により形成されたパターンを配置することで構成することができる。
図1に示すように、本実施形態のレチクルは、回路パターン領域11と遮光領域12とからなる矩形形状のショット1(露光単位)を備える。遮光領域12は、ショット1を構成する4辺の内、隣接する2辺(図1では、左辺と下辺)から所定幅に渡ってL字状に遮光膜を配置することで構成される。また、ショット1内の遮光領域12以外の領域が回路パターン領域11であり、転写対象である回路パターン等が配置されている。
さて、本実施形態のレチクル1の四隅には、ショット重ね合わせ精度を計測するためのパターンが配置される測定マーク領域13、14、15、16が設けられる。本実施形態では、各測定マーク領域13〜16の領域サイズは全て同一であり、各測定マーク領域13〜16には、それぞれ異なる測定パターンが形成される。なお、以下では、各測定マーク領域13〜16を、図1上での配置位置にしたがって、適宜、右上マーク領域13、左上マーク領域14、左下マーク領域15、右下マーク領域16という。
ショット1の上端から右上マーク領域13の上端までの距離、ショット1の上端から左上マーク領域14の上端までの距離、回路パターン領域11の下端から左下マーク領域15の上端までの距離、及び回路パターン領域11の下端から右下マーク領域16の上端までの距離は全て同一(距離dy)になっている。さらに、ショット1の右端から右上マーク領域13の右端までの距離、ショット1の右端から右下マーク領域16の右端までの距離、回路パターン領域11の左端から左上マーク領域14の右端までの距離、及び回路パターン領域11の左端から左下マーク領域16の右端までの距離も全て同一(距離dx)になっている。
各測定マーク領域13〜16に形成される測定パターンは、矩形のショット1を構成する1辺に沿った第1のラインパターンと、当該第1のラインパターンに垂直な方向に沿った第2のラインパターンとにより構成される。ここでは、各ラインパターンは白パターン(遮光膜に形成された開口パターン)としてレチクル上に形成される。したがって、各測定マーク領域のラインパターン以外の領域は遮光膜で被覆されている。この場合、遮光領域12に形成される測定マーク領域14〜16は、各測定マーク領域の外周も基板上に転写されるように、枠線が白パターンで形成されることが好ましい。同様に、回路パターン領域11の下地が遮光膜(白パターンのレチクル)である場合には、測定マーク領域13の枠線が白パターンで形成されることが好ましい。
図2〜図5は、レチクル上の各測定マーク領域13〜16を拡大して示す平面図である。なお、以下では、図面において、左右方向をX方向、上下方向をY方向という。また、各図では、ラインパターンである白パターンの領域を斜線で示し、マーク領域の外周を実線で示している。
図2に示すように、右上マーク領域13には、Y方向に伸びるラインパターン131(以下、Y方向パターン131という。)と、X方向に伸びるラインパターン132(以下、X方向パターン132という。)が設けられている。Y方向パターン131は、右上マーク領域13の左端から距離X1の位置に形成されている。また、X方向パターン132は、右上マーク領域13の下端から距離Y1の位置に形成されている。なお、本実施形態では、距離は中心線間の距離を指すものとする。
また、図3に示すように、左上マーク領域14には、Y方向パターン141が左上マーク領域14の左端から距離X2(X2>X1)の位置に形成されており、X方向パターン142が左上マーク領域14の下端から距離Y2(Y2>Y1)の位置に形成されている。さらに、左下マーク領域15には、図4に示すように、Y方向パターン151が左上マーク領域15の左端から距離X3(X3>X2)の位置に形成されており、X方向パターン152が左上マーク領域15の下端から距離Y3(Y3>Y2)の位置に形成されている。同様に、右下マーク領域16は、右下マーク領域16の左端から距離X4(X4>X3)の位置に形成されたY方向パターン161と、右下マーク領域16の下端から距離Y4の(Y4>Y3)位置に形成されたX方向パターン162を備えている(図5)。
なお、Y方向パターン131、141、151、161のY方向の長さ、及びX方向パターン132、142、152、162のX方向の長さは、各パターンが、それぞれの測定マーク領域13〜16の領域の内部にあり、互いに重なることのない長さであることが好ましい。また、上記各距離X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3、Y4間の関係は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、X2−X1=X4−X3であり、Y4−Y3=Y3−Y2=Y2−Y1としている。また、X3−X2は、X方向パターンのX方向の長さより大きくなっている。また、各マーク領域13〜16のサイズは80μm×150μm程度の長方形としている。
図6は、上記レチクルのショット1が転写される基板の概略断面図である。図6に示すように、基板10は、シリコンウェハ等の半導体基板5上に導体膜や絶縁膜等からなる下地層6が成膜され、当該下地層6上にレジスト膜7が成膜されている。本実施形態では、レジスト膜7として、ネガ型のフォトレジストを使用しているが、ポジ型のフォトレジストを使用することもできる。なお、半導体基板5は、トランジスタやダイオード等の半導体素子が形成された製品ウェハであっても、重ねあわせ精度の測定のみを目的とするダミーウェハやモニタウェハであってもよい。
図6に示した基板10に対して、ステップアンドリピート方式の投影露光装置を用いて上記レチクルを介した露光が行われ、ショット1がレジスト膜7に転写される。以下では、投影露光装置の縮小率が1/5である場合について説明を行うが、任意の縮小率を採用することが可能である。
図7は、基板10上のショットレイアウトを示す平面図である。図7では、説明のため基板10上の4つのショット31〜34のみを示し、各ショットの回路パターン領域と遮光領域の外形、及び測定マーク領域を示している。
図7に示すショットレイアウトでは、例えば、ショット31、ショット32、ショット33、ショット34の順で露光が行われる。すなわち、ショット31の露光が完了すると、ショット32の露光のため、露光装置は回路パターン領域11のX方向の幅だけ基板10を−X方向(左方向)に移動する。ショット32の露光が完了すると、ショット33の露光のため、露光装置は回路パターン領域11のY方向の幅だけ基板10を−Y方向(下方向)に移動するとともに、回路パターン領域11のX方向の幅だけX方向(右方向)に移動する。そして、ショット33の露光が完了すると、ショット34の露光のため、露光装置は基板10を回路パターン領域11のX方向の幅だけ−X方向に移動する。
ここで、レチクル上での回路パターン領域11のX方向の幅がxμmである場合、露光装置のX方向のステッピング量はx/5μmである。また、レチクル上での回路パターン領域11のY方向の幅がyμmである場合、露光装置のY方向のステッピング量はy/5μmである。
以上のようにして互いに隣接する4つの異なるショットが基板10上に転写された場合、図7に示すように、各ショット31〜34の隅が重なりあった領域41(以下、4ショット重ね領域41という。)が形成される。このとき、4ショット重ね領域41には、ショット31の右上マーク領域13、ショット32の左上マーク領域14、ショット33の右下マーク領域16、及びショット34の左下マーク領域15が重複して露光されている。したがって、露光完了後にレジスト膜7の現像を行うと、レチクル上の各マーク領域13〜16が重なったレジストパターンが形成される。
図8は4ショット重ね領域41に各測定マーク領域13〜16が重複された領域42(以下、重複測定マーク領域42という。)に形成されたレジストパターンの平面図である。図8に示すように、基板10上には、各マーク領域13〜16内のY方向パターン131、141、151、161に対応するレジストパターン133、143、153、163と、各マーク領域13〜16内のX方向パターン132、142、152、162に対応するレジストパターン、134、144、154、164が形成される。
上述のように、上記露光装置による露光では、レチクル上のパターンは1/5倍となって転写される。したがって、各マーク領域13〜16が重ね合わせずれを生じることなく転写された場合、重複測定マーク領域42の左端から各Y方向レジストパターン133、143、153、163までの距離をそれぞれRX1、RX2、RX3、RX4とすると、RX1=X1/5、RX2=X2/5、RX3=X3/5、RX4=X4/5となる。同様に、各マーク領域13〜16が重ね合わせずれを生じることなく転写された場合、重複測定マーク領域42の下端から各X方向レジストパターン134、144、154、164までの距離をそれぞれRY1、RY2、RY3、RY4とすると、RY1=Y1/5、RY2=Y2/5、RY3=Y3/5、RY4=Y4/5となる。なお、上述のように本実施形態では、レジスト膜7はネガ型フォトレジストであるので、図8の斜線で示す領域にはレジスト膜7からなるパターンが形成される。
続いて、以上のようにして基板10上に形成されたレジストパターンをマスクとして下地層6のエッチングが行われ、各レジストパターンが下地層6に転写される。この後レジストパターンが除去され、パターンが転写された下地層6上に導体膜や絶縁膜等の材料膜が成膜される。そして、次工程において、当該成膜された材料膜にパターンの転写が行われる。
図9は、当該次工程で使用されるレチクル上のショット2を示す平面図である。当該ショット2は、上記ショット1と異なる透明基板上に形成されても良く、同一の透明基板上の異なる位置に形成されていてもよい。
図9に示すように、当該レチクルのショット2は、上述のショット1と同様に、回路パターン領域21と、ショット2の左辺及び下辺から所定幅に渡ってL字状に遮光膜が配置された遮光領域22を備える。
ショット2の四隅にも、ショット1と同様に、重ね合わせ精度計測用のパターンが配置される測定マーク領域23、24、25、26が設けられている。測定マーク領域23〜26の領域サイズは、全て上記ショット1の測定マーク領域13〜16と同一である。
また、図9に示すように、ショット2の上端から右上マーク領域23の上端までの距離、ショット2の上端から左上マーク領域24の上端までの距離、回路パターン領域21の下端から左下マーク領域25の上端までの距離、及び回路パターン領域21の下端から右下マーク領域26の上端までの距離は全て同一(距離dy)になっている。さらに、ショット2の右端から右上マーク領域23の右端までの距離、ショット2の右端から右下マーク領域26の右端までの距離、回路パターン領域21の左端から左上マーク領域24の右端までの距離、及び回路パターン領域21の左端から左下マーク領域26の右端までの距離も全て同一(距離dx)になっている。
各測定マーク領域23〜26に形成される測定パターンは、矩形ショット2を構成する1辺に沿った第1のラインパターンと、当該第1のラインパターンに垂直な方向に沿った第2のラインパターンとにより構成される。ショット1と同様に、各ラインパターンは白パターンとしてレチクル上に形成される。
図10〜図13は、レチクル上の各測定マーク領域23〜26を拡大して示す平面図である。各図では、ラインパターンである白パターンの領域を斜線で示し、測定マーク領域の外周を実線で示している。
図10に示すように、ショット2の右上マーク領域23は、Y方向パターン231と、X方向パターン232を備えている。Y方向パターン231は、右上マーク領域23の左端から距離X5の位置に形成されており、X方向パターン232は右上マーク領域23の下端から距離Y5の位置に形成されている。本実施形態では、Y方向パターン231はショット1の右上マーク領域13のY方向パターン131から、図上右方向に距離Aだけシフトしている(X5=X1+A)。また、X方向パターン232は、ショット1の右上マーク領域13のX方向パターン132から、図上上方向に距離Bだけシフトしている(Y5=Y1+B)。同様に、左上マーク領域24には、図11に示すように、左上マーク領域24の左端から距離X6(X6=X2+A)の位置にY方向パターン241が形成されており、左上マーク領域24の下端から距離Y6(Y6=Y2+B)の位置にX方向パターン252が形成されている。
また、左下マーク領域25は、左下マーク領域26の左端から距離X7(X7=X3+A)の位置に形成されたY方向パターン251と、左下マーク領域25の下端から距離Y7(Y7=Y3+B)の位置に形成されたX方向パターン252とを備えている(図12)。同様に、右下マーク領域26は、右下マーク領域26の左端から距離X8(X8=X4+A)の位置に形成されたY方向パターン261と、右下マーク領域26の下端から距離Y8(Y8=Y4+B)の位置に形成されたX方向パターン262とを備えている(図13)。
なお、Y方向パターン231、241、251、261のY方向の長さ、及びX方向パターン232、242、252、262のX方向の長さは、各測定マーク領域23〜26の領域内にあり、互いに重なることのない長さであることが好ましい。また、上記距離Aは、各Y方向パターン231、241、251、261が、ショット1の各Y方向パターン131、141、151、161と重なることのない距離であれば任意である。同様に、上記距離Bは、各X方向パターン232、242、252、262が、ショット1の各Y方向パターン132、142、152、162と重なることのない距離であればよい。本実施形態では、A=(X2−X1)/2とし、B=(Y2−Y1)/2としている。
図14は、上記ショット2が転写される基板の概略断面図である。図14に示すように、基板10は、上述のようにしてパターンが転写された下地層6上に、新たな材料膜8が成膜され、当該材料膜8上にレジスト膜17が成膜されている。本実施形態では、レジスト膜17として、ネガ型のフォトレジストを使用しているが、ポジ型のフォトレジストを使用することもできる。
図14に示した基板10に対して、上記投影露光装置を用いてショット2を介した露光が行われ、レチクル上のパターンがレジスト膜17に転写される。なお、基板10上のショットレイアウトは図7と同一である。
したがって、基板10上にはショット2の4ショット重ね領域41が形成される(図7参照。)。このとき、4ショット重ね領域41には、ショット31の右上マーク領域23、ショット32の左上マーク領域24、ショット33の右下マーク領域26、及びショット34の左下マーク領域25が重複して露光される。このため、露光完了後にレジスト膜17の現像を行うと、ショット2の各マーク領域23〜26が重なったレジストパターンが形成される。
図15は4ショット重ね領域41の重複測定マーク領域42に形成されたレジストパターンの平面図である。図15に示すように、基板10上には、各マーク領域23〜26内のY方向パターン231、241、251、261に対応するレジストパターン233、243、253、263と、各マーク領域23〜26内のX方向パターン232、242、252、262に対応するレジストパターン234、244、254、264が形成される。
上述したように、上記露光装置による露光では、レチクル上のパターンは1/5倍となって転写される。したがって、各マーク領域23〜26が重ね合わせずれを生じることなく転写された場合、重複測定マーク領域42の左端から各Y方向レジストパターン233、243、253、263までの距離をそれぞれRX5、RX6、RX7、RX8とすると、RX5=X5/5、RX6=X6/5、RX7=X7/5、RX8=X8/5となる。同様に、各マーク領域23〜26が重ね合わせずれを生じることなく転写された場合、重複測定マーク領域42の下端から各X方向レジストパターンまでの距離を図上下側から順にRY5、RY6、RY7、RY8とすると、RY5=Y5/5、RY6=Y6/5、RY7=Y7/5、RY8=Y8/5となる。なお、上述のように本実施形態では、レジスト膜17はネガ型フォトレジストであるので、図15の斜線で示す領域にレジスト膜17からなるパターンが形成される。
さて、本実施形態では、重複測定マーク領域42の下地層6には、図8に示したレジストパターンが転写されている。したがって、実際の基板10を上方から観察すると、図15に示したレジストパターンに加えて、下地層6のパターンが確認できる。図16は、このような下地層6のパターンと、図15のレジストパターンとを示す平面図である。なお、図15では、図8に示すレジストパターン133、143、153、163、134、144、154、164に対応する下地層のパターンを、それぞれ下地層パターン135、145、155、165、136、146、156、166として示している。
上述のように、ショット2の各ラインパターンは、ショット1の各ラインパターンと重なることのない配置になっている。このため、ショット1を介した露光と、ショット2を介した露光とが正常に重ね合わされた場合、ショット2により形成されたレジストパターンの間に下地層パターンが位置する。そして、上記ショット1と上記ショット2とにおいて同一位置にある測定マーク領域に対応するY方向パターン間(例えば、下地層パターン145とレジストパターン243との間)の距離は、設計上、A/5となる。また、上記ショット1と上記ショット2とにおいて同一位置にある測定マーク領域に対応するX方向パターン間(例えば、下地層パターン146とレジストパターン244との間)の距離は、設計上、B/5となる。
したがって、例えば、光学式画像処理方式のパターン計測機を用いて、実際に形成されたこれら対応するパターン間の距離を計測し、設計値(A/5またはB/5)と比較することで、重ね合わせ精度を求めることができる。
例えば、右上マーク領域のY方向パターンに対応する下地層パターン135とレジストパターン233との距離RX5−RX1がA/5+α1であるとき、X方向のショットの重ね合わせずれ量がα1となる。また、右上マーク領域のX方向パターンに対応する下地層パターン136とレジストパターン234との距離RY5−RY1がB/5+β1であるとき、Y方向のショット重ね合わせずれ量がβ1となる。すなわち、ショット右上における重ね合わせずれ量が(X,Y)=(α1,β1)として計測されるのである。
また、下地層パターン145とレジストパターン243との距離がRX6−RX2=A/5+α2であり、下地層パターン146とレジストパターン244との距離がRY6−RY2=B/5+β2であるとき、ショット左上における重ね合わせずれ量が(X,Y)=(α2,β2)として計測される。
さらに、下地層パターン155とレジストパターン253との距離がRX7−RX3=A/5+α3であり、下地層パターン156とレジストパターン254との距離がRY7−RY3=B/5+β3であるとき、ショット左下における重ね合わせずれ量が(X,Y)=(α3,β3)として計測される。
同様に、下地層パターン165とレジストパターン263との距離がRX8−RX4=A/5+α4であり、下地層パターン166とレジストパターン264との距離がRY8−RY4=B/5+β4であるとき、ショット右下における重ね合わせずれ量が(X,Y)=(α4,β4)として計測される。
以上のように、本実施形態によれば、1箇所の重ね合わせ精度測定パターンを計測することで、前工程で形成されたショットの四隅の重ね合わせ精度測定パターンと、上層に形成されたショットの四隅の重ね合わせ精度測定パターンの重ね合わせずれ量を計測することができる。すなわち、1箇所の重ね合わせ精度測定パターンを計測することで、ショット四隅における、下地層のショットと上層のショット(露光ショット)との重ね合わせずれを計測することができる。したがって、当該測定結果に基づいて、露光時の投影倍率誤差や回転誤差等の配置誤差を算出することで、従来のような同一層内のみの配置誤差ではなく、下層に形成されたパターンに対する配置誤差を直接求めることができる。
以上のようにして求められた重ね合わせずれ量は、例えば、レチクルごとに、基板上の座標とともに露光装置に記憶される。そして、使用するレチクルに応じて、露光装置が重ね合わせずれ量を読出し、当該重ね合わせずれ量が減少する状態にショット位置決め機構や光学系等を調整し露光を行う。例えば、基板10上での重複測定マーク領域42の測定箇所が5箇所である場合、露光装置が備える演算装置が各位置の各方向成分(右上のX方向のすれ量等)について平均値を演算し、当該平均ずれ量が減少する状態に調整された状態で、全ショットに対して露光が行われる。これにより、露光時の投影倍率誤差、回転誤差が小さい安定した露光を半導体装置の生産において実現できる。
なお、上記では、下地層6の直上に形成された上層8の露光する事例について説明したが、図17に示すように、下地層6の上に他の層9を挟んで形成される上層8に対しても下地層6に対する配置誤差を取得できることは勿論である。
また、測定を効率的に行うという観点では、上記下層に対する配置誤差は、上述のように、基板10上の数ショットについてのみ取得され、露光装置がグローバルアライメントを行うことが好ましい。しかしながら、下層に対する配置誤差を全ショットに対して計測し、ショットごとに光学系等の調整を行うダイバイダイアライメントにも適用可能であることはいうまでもない。
さらに、上記説明では、ショット1とショット2とにおいて、レチクル上の同一位置に配置された測定マーク領域のY方向パターンの間隔を全て距離Aとした。しかしながら、各ラインパターンは、測定マーク領域が全て重なり合うときに重なることのない配置であれば良い。すなわち、レチクル上の同一位置に配置された測定マーク領域ごとにY方向ラインパターン間の間隔が異なっていてもよい。同様に、レチクル上の同一位置に配置された測定マーク領域ごとにX方向ラインパターン間の間隔が異なっていてもよい。
また、上記では、ショットの重ね合わせずれを直接的に計測するために、矩形ショットを構成する辺と平行な2方向に伸びるラインパターンを各測定マーク領域に配置した事例を説明した。しかしながら、同一平面内において、異なる2つの方向に対する重ね合わせずれが取得できれば、上記X方向及びY方向の重ね合わせずれは、演算(座標系変換)により求めることができる。すなわち、各測定マーク領域に配置されるラインパターンが互いに異なる2つの方向に向けて配置されていれば、同様の効果を得ることができる。
さらに、上記では、特に好ましい形態として、各測定マーク領域の測定パターンをラインパターンにより構成した。しかしながら、測定パターンの形状は、各測定パターン間の相対的な距離が計測可能なライン部を有する形状であれば良く、同一幅のラインパターンであることは必須ではない。
ところで、上記では、基板10上の下地層6に転写された下地層パターンと、下地層6上に材料膜8を介して形成されたレジスト膜17に転写されたレジストパターンとの重ね合わせずれを計測し、投影露光装置にフィードバックする事例を説明した。この場合、計測された重ね合わせ誤差は、投影露光装置において以降に行われる露光に反映される。しかしながら、全ての測定マーク領域が重ね合わせずれを生じることなく転写された場合の座標(以下、設計座標という。)を投影露光装置が予め記憶する構成を採用すれば、上層のパターンを露光する際に、重ね合わせずれを低減することが可能となる。
図8に示したように、各マーク領域13〜16が重ね合わせずれを生じることなく転写された場合、各Y方向パターン133、143、153、163の重複測定マーク領域42の左端からの距離は、設計上、RX1=X1/5、RX2=X2/5、RX3=X3/5、RX4=X4/5である。また、各X方向パターン134、144、154、164の重複測定マーク領域42の下端からの距離は、設計上、RY1=Y1/5、RY2=Y2/5、RY3=Y3/5、RY4=Y4/5である。そして、これらのレジストパターンが下地層6に転写され、Y方向の下地層パターン135、145、155、165及びX方向の下地層パターン136、146、156、166が形成される。これらの下地層パターン上には、上述したように、材料膜8及びレジスト膜17が順に成膜される。
ここで、上記投影露光装置が、周知のアライメント手法により基板10を露光位置に位置合わせを行った状態における各Y方向下地層パターン135、145、155、165の設計座標が、それぞれ、EX1、EX2、EX3、EX4であるとする。なお、EX1、EX2、EX3、EX4は、投影露光装置が露光位置合わせに使用する座標系(以下露光座標系という。)におけるX座標である。また、この状態での各X方向下地層パターン136、146、156、166の設計座標が、それぞれ、EY1、EY2、EY3、EY4であるとする。なお、EY1、EY2、EY3、EY4は、露光座標系におけるY座標である。
下地層パターン形成の際に重ね合わせずれが生じていた場合、Y方向下地層パターン135、145、155、165、及びX方向下地層パターン136、146、156、166は、設計座標と異なる位置に形成される。したがって、投影露光装置が上層パターンの露光を行う際に、例えば、投影露光装置が備える光学式画像処理方式のパターン計測機を用いて、Y方向下地層パターン135、145、155、165、及びX方向下地層パターン136、146、156、166の露光座標系における座標を計測することで、重ね合わせ精度を求めることができる。
図18は、基板10の重複マーク領域42に形成された下地層パターンを示す図である。なお、図18では、各下地層パターンの設計座標を破線で示している。
図18に示すように、Y方向下地層パターン135の露光座標系でのX座標がPX1であり、PX1=EX1+γ1であるとする。また、このとき、X方向下地層パターン136の露光座標系でのY座標がPY1であり、PY1=EY1+δ1であるとする。このとき、ショット右上における重ね合わせずれ量は(X,Y)=(γ1,δ1)として計測される。
また、Y方向下地層パターン145の露光座標系でのX座標PX2がPX2=EX2+γ2であり、X方向下地層パターン146の露光座標系におけるY座標PY2がPY2=EY2+δ2であるとき、ショット左上における重ね合わせずれ量が(X,Y)=(γ2,δ2)として計測される。
さらに、Y方向下地層パターン155の露光座標系でのX座標PX3がPX3=EX3+γ3であり、X方向下地層パターン156の露光座標系におけるY座標PY3がPY3=EY3+δ3であるとき、ショット左下における重ね合わせずれ量が(X,Y)=(γ3,δ3)として計測される。
同様に、Y方向下地層パターン165の露光座標系におけるY座標PX4がPX4=EX4+γ4であり、X方向下地層パターン166の露光座標系におけるY座標PY4がPY4=EY4+δ4であるとき、ショット右下における重ね合わせずれ量が(X,Y)=(γ4,δ4)として計測される。
以上のようにして求められた重ね合わせずれ量は、例えば、基板10上で、例えば、5ショットについて測定され、投影露光装置が各位置(右上、左上、左下、右下)における重ね合わせずれ量の平均値を演算する。そして、基板10上の下層パターンに重ね合わせて上層パターンの露光を行う際に、演算した重ね合わせずれ量の平均値に基づいて、投影露光装置が当該重ね合わせずれ量が減少する状態にショット位置決め機構や光学系等を調整し露光を行う。これにより、露光時の投影倍率誤差、回転誤差が小さい安定した露光を半導体装置の生産において実現できる。
したがって、本手法によれば、上述の手法と同様に、1箇所の重ね合わせ精度測定パターンを計測することで、ショット四隅における下地層のショットの重ね合わせずれを計測することができる。そして、当該測定結果に基づいて、上層パターンを形成するための露光ショットの位置を補正することで、従来のような同一層内のみの配置誤差に基づく補正ではなく、下層に形成されたパターンの配置誤差に基づく補正を行うことが可能となる。
なお、本手法においても、図17に示したように、下地層6の上に他の層9を挟んで形成された上層8にパターンを転写する場合であっても適用できることは勿論である。また、上層パターンを形成するための露光ショットの位置補正は、ショットごとに行ってもよい。
以上説明したように、本発明によれば、下層ショットに対する配置誤差を直接求めることができるため、当該配置誤差を露光装置にフィードバックし、当該配置誤差が減少する状態に露光装置を調整することで高精度なショット重ね合わせを行うことができる。また、当該配置誤差は、1箇所の測定により求めることができるため、測定点数を増やすことなく、極めて短時間で下層ショットに対する配置誤差を求めることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲において、種々の変形及び応用が可能である。例えば、上記では、ショットの四隅に1対のレチクル間のショット重ね合わせ精度を求める測定マーク領域のみを形成した事例を示した。しかしながら、通常、半導体集積回路を製造するためには多くのレチクルが必要である。このため、1対のレチクル間だけでなく、より多数のレチクル間のショット重ね合わせ測定マークが必要となる。この場合、これらの重ね合わせ精度測定用パターンは、互いに重なることがない状態でショットの四隅にそれぞれ配置すればよい。
本発明は、上下層のショット重ね合わせずれを高精度で高速に計測できるという効果を有し、リソグラフィ工程におけるショットの重ね合わせ精度を計測する技術として有用である。
本発明の一実施形態のレチクルを示す概略平面図 本発明の一実施形態のレチクルの右上マーク領域を示す平面図 本発明の一実施形態のレチクルの左上マーク領域を示す平面図 本発明の一実施形態のレチクルの左下マーク領域を示す平面図 本発明の一実施形態のレチクルの右下マーク領域を示す平面図 本発明の一実施形態のレチクルのパターンが転写される基板を示す断面図 ショットレイアウトの一例を示す平面図 本発明の一実施形態のレチクルにより形成されたパターンを示す平面図 本発明の一実施形態のレチクルの一例を示す平面図 本発明の一実施形態のレチクルの右上マーク領域を示す平面図 本発明の一実施形態のレチクルの左上マーク領域を示す平面図 本発明の一実施形態のレチクルの左下マーク領域を示す平面図 本発明の一実施形態のレチクルの右下マーク領域を示す平面図 本発明の一実施形態のレチクルのパターンが転写される基板を示す断面図 本発明の一実施形態のレチクルにより形成されたパターンを示す平面図 本発明の一実施形態のレチクルにより形成されたレジストパターン及び下層パターンを示す平面図 本発明の一実施形態のレチクルのパターンが転写される基板を示す断面図 本発明の他の実施形態のレチクルにより形成されたパターンを示す平面図
符号の説明
1、2 レチクル上のショット
5 半導体基板
6 下地層
7、17 レジスト膜
8 上層膜
10 基板
11、21 回路パターン領域
12、22 遮光領域
13、23 右上測定マーク領域
14、24 左上測定マーク領域
15、25 左下測定マーク領域
16、26 右下測定マーク領域
31、32、33、34 基板上のショット
41 4ショット重ね領域
131、141、151、161 Y方向パターン(白パターン)
132、142、152、162 X方向パターン(白パターン)
231、241、251、261 Y方向パターン(白パターン)
232、242、252、262 X方向パターン(白パターン)

Claims (10)

  1. ステップアンドリピート方式の露光装置により基板上に転写された下層パターン及び上層パターンのショット重ね合わせ精度を測定するパターンを備えたフォトマスクであって、
    矩形のショットと、
    前記ショットの四隅に少なくとも1個ずつ設けられた測定マーク領域と、
    前記各測定マーク領域に形成された、第1の方向に伸びるラインパターン及び前記第1の方向と異なる第2の方向に伸びるラインパターンを含む前記測定パターンと、
    を備え、
    互いに異なる隅に位置する前記測定マーク領域が全て重なり合うときに、各測定マーク領域に属する前記各ラインパターンが互いに重なることがない状態に配列されたことを特徴とするフォトマスク。
  2. 前記第1の方向及び第2の方向が前記ショットを構成する辺と平行である請求項1記載のフォトマスク。
  3. 請求項1記載のフォトマスクからなる下層用フォトマスク及び上層用フォトマスクにより構成される一対のフォトマスクあって、
    下層用フォトマスク上で互いに異なる隅に位置する前記測定マーク領域及び上層用フォトマスク上で互いに異なる隅に位置する前記測定マーク領域が全て重なり合うときに、各測定マーク領域に属する前記各ラインパターンが互いに重なることがない状態に配列されたフォトマスク。
  4. ステップアンドリピート方式の露光装置により基板上に転写された下層パターン及び上層パターンのショット重ね合わせ精度を測定するショット重ね合わせ精度測定方法であって、
    矩形ショットの四隅に、第1の方向に伸びるラインパターン及び前記第1の方向と異なる第2の方向に伸びるラインパターンが形成された測定マーク領域を備える下層用フォトマスクを用いて四隅の前記測定マーク領域が重なり合う状態で下層パターンを形成するステップと、
    前記下層パターン上に上層となる膜を形成するステップと、
    矩形ショットの四隅に、前記第1の方向に伸びるラインパターン及び前記第2の方向に伸びるラインパターンが形成された測定マーク領域を備える上層用フォトマスクを用いて四隅の前記測定マーク領域及び前記下層で重ね合わされた下層測定マーク領域とが重なり合う状態で上層パターンを転写するステップと、
    以上のステップにより形成された前記第1の方向に伸びる下層のラインパターンと前記第1の方向に伸びる上層のラインパターンとの相対間隔、及び、以上のステップにより形成された前記第2の方向に伸びる下層のラインパターンと前記第2の方向に伸びる上層のラインパターンとの相対間隔を計測するステップと、
    を含むことを特徴とするショット重ね合わせ精度測定方法。
  5. 前記相対間隔が、前記下層用フォトマスクと前記上層用フォトマスクで同一の隅に位置する測定マーク領域に属するラインパターンの相対間隔である請求項4記載のショット重ね合わせ精度測定方法。
  6. 前記第1の方向及び前記第2の方向が前記ショットを構成する辺と平行である請求項4記載のショット重ね合わせ精度測定方法。
  7. ステップアンドリピート方式の露光装置により基板上に下層パターン及び上層パターンを転写する半導体装置の製造方法であって、
    矩形ショットの四隅に、第1の方向に伸びるラインパターン及び前記第1の方向と異なる第2の方向に伸びるラインパターンが形成された測定マーク領域を備える下層用フォトマスクを用いて四隅の前記測定マーク領域が重なり合う状態で下層パターンを形成するステップと、
    前記下層パターン上に上層となる膜を形成するステップと、
    矩形ショットの四隅に、前記第1の方向に伸びるラインパターン及び前記第2の方向に伸びるラインパターンが形成された測定マーク領域を備える上層用フォトマスクを用いて四隅の前記測定マーク領域及び前記下層で重ね合わされた下層測定マーク領域とが重なり合う状態で上層パターンを転写するステップと、
    以上のステップにより形成された前記第1の方向に伸びる下層のラインパターンと前記第1の方向に伸びる上層のラインパターンとの相対間隔、及び、以上のステップにより形成された前記第2の方向に伸びる下層のラインパターンと前記第2の方向に伸びる上層のラインパターンとの相対間隔を計測するステップと、
    前記計測された相対間隔と前記相対間隔の設計値との差分が減少する状態で以降の上層パターンの転写を行うステップと、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 前記相対間隔が、前記下層用フォトマスクと前記上層用フォトマスクで同一の隅に位置する測定マーク領域に属するラインパターンの相対間隔である請求項7記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記第1の方向及び第2の方向が前記ショットを構成する辺と平行である請求項7記載の半導体装置の製造方法。
  10. ステップアンドリピート方式の露光装置により基板上に下層パターン及び上層パターンを転写する半導体装置の製造方法であって、
    矩形ショットの四隅に、第1の方向に伸びるラインパターン及び前記第1の方向と異なる第2の方向に伸びるラインパターンが形成された測定マーク領域を備える下層用フォトマスクを用いて四隅の前記測定マーク領域が重なり合う状態で下層パターンを形成するステップと、
    前記下層パターン上に上層となる膜を形成するステップと、
    前記基板を前記上層パターンの露光を行う位置に配置した状態で、前記各下層パターンの位置を計測するステップと、
    前記基板の配置状態で前記各下層パターンが設計上形成されているべき位置と、前記計測された各下層パターンの位置との差分を演算するステップと、
    前記差分が減少する状態で前記上層パターンの露光を行うステップと、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。

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