JP4634623B2 - 透明導電性フィルムおよびそれからなる液晶ディスプレイ用透明電極、ならびに透明導電性フィルムの製造方法 - Google Patents

透明導電性フィルムおよびそれからなる液晶ディスプレイ用透明電極、ならびに透明導電性フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリイミドを用いた透明導電性フィルムに関する。更にはこの透明導電性フィルムを用いた液晶ディスプレイ用の透明電極に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種ディスプレイの透明電極に用いられる透明導電性フィルムには透明性、電気特性、機械特性に優れていることが要求される。そこで、そのベースフィルムとして従来からポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート類等の透明性の高い樹脂が用いられてきた(例えば特開昭64−90418号公報)。具体的には、前記透明導電性フィルムは、これらポリエチレンテレフタレートあるいはポリカーボネート等のフィルム上に金属酸化膜を形成することにより製造されている。
【0003】
しかしながら、前記ポリエチレンテレフタレートあるいはポリカーボネート等のフィルムは耐熱性が低く、170℃以上に加熱すると変形が起こり高温加熱処理が不可能であった。よって、これらのフィルム上に、例えば真空蒸着により酸化インジウム等の金属酸化膜を形成し、これをそのまま透明導電性被膜とする場合、真空蒸着後の酸化処理等を十分に行うことができないため、得られる金属酸化膜は透明性に問題がある。すなわち、蒸着により生成した金属酸化膜はそのままでは透明性が不十分であり、過酷な条件で酸化処理することにより良好な透明性が発現するが、前述のポリエチレンテレフタレートフィルムあるいはポリカーボネートフィルムは、そのような過酷な熱処理に耐えられないため金属酸化膜の透明性が満足できる程度ではない。酸化インジウム等の真空蒸着にかえて金属インジウムを真空蒸着させるようにすれば、酸化インジウムの真空蒸着のように真空蒸着後高温で酸化処理する必要がないためポリエチレンテレフタレートフィルムあるいはポリカーボネートフィルム等のフィルムでも十分に適合できるものであるが、この方法によって得られる金属酸化物被膜は、それ自体透明性に問題があるため、十分なものとは言えない。
【0004】
更に、これらの透明導電性フィルム、透明電極を作成する際には、熱処理のほかに様々な有機溶媒による処理が施されることがある。しかしながら、従来の基板となる無色透明性フィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート等のフィルムは、有機溶媒に対して耐性が無く、溶媒に接触することによって溶解、変形等が起こる。そのため、これらのフィルムからなる導電性フィルム、透明電極の場合は、耐溶剤処理を施さなければならず、耐溶剤性に優れた無色透明フィルムが望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、無色透明性および耐溶剤性に優れた耐熱樹脂を使用し、極めて透明性に優れた透明導電性被膜を有する透明導電性フィルム、更には透明電極を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有する無色透明性に優れたポリイミドフィルムを用いることにより前記課題を解決できることを見出した。すなわち本発明は、特定の環式脂肪族ジアミンとテトラカルボン酸二無水物から得られるポリイミドが、ポリイミドの本来有する優れた諸物性に加えて、無色透明性に優れていることから、真空蒸着により金属酸化膜を形成した後高温で酸化処理することが可能であり、更に各種有機溶媒に対して耐性を有することから、有機溶剤による各種処理に供することが可能であり、よって得られる導電フィルムが無色透明で液晶表示材料用の基板材料、更には透明電極の構成単位として使用できることを見い出して本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、液晶ディスプレイ用透明電極の透明基板を形成するために用いられる透明導電性フィルムであって、式(1)
【0008】
【化2】
Figure 0004634623
【0009】
で表される繰り返し構造単位を有する無色透明なポリイミドフィルムと、この無色透明なポリイミドフィルムの表面および裏面の少なくとも一方の面に形成された透明導電性被膜を備えることを特徴とする透明導電性フィルムに関する。
また、本発明は、この透明導電性フィルムを用いてなる液晶ディスプレイ用の透明電極に関連する。
さらに、本発明は、液晶ディスプレイ用透明電極の透明基板を形成するために用いられる透明導電性フィルムの製造方法であって、上記式(1)で表される繰り返し構造単位を有する無色透明なポリイミドフィルムの表面および裏面の少なくとも一方の面に、真空蒸着法で、透明導電性被膜を形成することを特徴とする、透明導電性フィルムの製造方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
まず、本発明で使用するポリイミドフィルムを構成するポリイミドに付いて説明する。
【0011】
本発明は、前記式(1)で表されるポリイミドが、無色透明導電性フィルムとして適していることを見出した。この式(1)で表されるポリイミドは、一般式(2)
【0012】
【化3】
Figure 0004634623
【0013】
で表されるジアミノメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(以下NBDA)を必須成分として用いるが、このNBDAに関しては、アミノメチル基の位置が異なる構造異性体、あるいはS体、R体を含む光学異性体等、どのような異性体であっても使用して良い。一方、酸二無水物に関しては、式(3)
【0014】
【化4】
Figure 0004634623
【0015】
で表されるピロメリット酸二無水物を必須成分として用いる。
【0016】
更に、本発明のポリイミドフィルムが本来有する性能を損なわない範囲において、他の脂環式ジアミンを共重合化することも可能である。その際使用される量は、全ジアミン成分の30モル%以下、好ましくは10モル%以下である。実際に使用できる脂環式のジアミン化合物としては、例えば、
2,5−ジアミノメチル−ビシクロ[2,2,2]オクタン、
2,5−ジアミノメチル−7,7−ジメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,5−ジアミノメチル−7,7−ジフルオロビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,5−ジアミノメチル−7,7,8,8−テトラフルオロビシクロ[2,2,2]オクタン、
2,5−ジアミノメチル−7,7−ビス(ヘキサフルオロメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,5−ジアミノメチル−7−オキサビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,5−ジアミノメチル−7−チアビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,5−ジアミノメチル−7−オキソビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,5−ジアミノメチル−7−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,6−ジアミノメチル−ビシクロ[2,2,2]オクタン、
2,6−ジアミノメチル−7,7−ジメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,6−ジアミノメチル−7,7−ジフルオロビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,6−ジアミノメチル−7,7,8,8−テトラフルオロビシクロ[2,2,2]オクタン、
2,6−ジアミノメチル−7,7−ビス(ヘキサフルオロメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,6−ジアミノメチル−7−オキシビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,6−ジアミノメチル−7−チオビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,6−ジアミノメチル−7−オキソビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,6−ジアミノメチル−7−イミノビシクロ[2,2,1]ヘプタン
2,5−ジアミノ−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,5−ジアミノ−ビシクロ[2,2,2]オクタン、
2,5−ジアミノ−7,7−ジメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,5−ジアミノ−7,7−ジフルオロビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,5−ジアミノ−7,7,8,8−テトラフルオロビシクロ[2,2,2]オクタン、
2,5−ジアミノ−7,7−ビス(ヘキサフルオロメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,5−ジアミノ−7−オキサビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,5−ジアミノ−7−チアビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,5−ジアミノ−7−オキソビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,5−ジアミノ−7−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,6−ジアミノ−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,6−ジアミノ−ビシクロ[2,2,2]オクタン、
2,6−ジアミノ−7,7−ジメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,6−ジアミノ−7,7−ジフルオロビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,6−ジアミノ−7,7,8,8−テトラフルオロビシクロ[2,2,2]オクタン、
2,6−ジアミノ−7,7−ビス(ヘキサフルオロメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,6−ジアミノ−7−オキシビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,6−ジアミノ−7−チオビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,6−ジアミノ−7−オキソビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,6−ジアミノ−7−イミノビシクロ[2,2,1]ヘプタン
1,2−ジアミノシクロヘキサン、
1,3−ジアミノシクロヘキサン、
1,4−ジアミノシクロヘキサン、
1,2−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、
1,3−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、
1,4−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、
ビス(4−アミノシクロへキシル)メタン等である。これらは1種でも、あるいは2種以上を混合して用いても良い。
【0017】
また、これらの脂環式ジアミン化合物のほかに、本発明の特性を損なわない範囲で芳香族ジアミン、ジアミノシロキサン類、あるいは脂環式以外の脂肪族ジアミン等を共重合化することが可能である。その際使用される量は、全ジアミン成分の30モル%以下、好ましくは10モル%以下である。実際に使用できるジアミン化合物としては、例えば、用いられる芳香族ジアミンを具体的に示すと、
A)ベンゼン環1個を有する、
p−フェニレンジアミン、
m−フェニレンジアミン、
B)ベンゼン環2個を有する、
3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、
3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、
3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、
4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、
3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、
3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、
3,3’−ジアミノベンゾフェノン、
4,4’−ジアミノベンゾフェノン、
3,4’−ジアミノベンゾフェノン、
3,3’−ジアミノジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
3,4’−ジアミノジフェニルメタン、
2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、
2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、
2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、
2,2−ジ(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ジ(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
1,1−ジ(3−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ジ(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、
1−(3−アミノフェニル)−1−(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、
C)ベンゼン環3個を有する、
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、
1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、
1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、
1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、
1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、
1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、
1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、
1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、
1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、
1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、
1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、
1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、
2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、
2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン、
D)ベンゼン環4個を有する、
4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、
4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、
2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
E)ベンゼン環5個を有する、
1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、
1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、
1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、
1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、
1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
F)ベンゼン環6個を有する、
4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、
4,4’−ビス[4−(4−アミノーα,αージメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、
4,4’−ビス[4−(4−アミノーα,αージメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、
4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン、
G)芳香族置換基を有する、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、
3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、
3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、および
H)スピロビインダン環を有する、
6,6’−ビス(3−アミノフェノキシ)3,3,3,’3,’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン
6,6’−ビス(4−アミノフェノキシ)3,3,3,’3,’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、
である。上記ジアミンの芳香環上水素原子の一部もしくは全てをフルオロ基、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、またはトリフルオロメトキシ基から選ばれた置換基で置換したジアミンも用いることができる。
【0018】
また同様にジアミノシロキサン類、脂肪族ジアミンを用いて共重合化することもできる。用いられる脂肪族ジアミンを具体的に示すと、
I)ジアミノシロキサン類である、
1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、
1,3−ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、
α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、
α,ω−ビス(3−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、
J)エチレングリコールジアミン類である、
ビス(アミノメチル)エーテル、
ビス(2−アミノエチル)エーテル、
ビス(3−アミノプロピル)エーテル、
ビス(2−アミノメトキシ)エチル]エーテル、
ビス[2−(2−アミノエトキシ)エチル]エーテル、
ビス[2−(3−アミノプロトキシ)エチル]エーテル、
1,2−ビス(アミノメトキシ)エタン、
1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、
1,2−ビス[2−(アミノメトキシ)エトキシ]エタン、
1,2−ビス[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エタン、
エチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、
ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、
トリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、
K)メチレンジアミン類である、
エチレンジアミン、
1,3−ジアミノプロパン、
1,4−ジアミノブタン、
1,5−ジアミノペンタン、
1,6−ジアミノヘキサン、
1,7−ジアミノヘプタン、
1,8−ジアミノオクタン、
1,9−ジアミノノナン、
1,10−ジアミノデカン、
1,11−ジアミノウンデカン、
1,12−ジアミノドデカン、
等が挙げられる。これらは単独でも、あるいは2種以上を混合して用いても良い。
【0019】
また、本発明に用いられるポリイミドフィルムは式(3)で表されるピロメリット酸二無水物を必須原料として用いるが、ポリイミドフィルムの優れた物性を損なわない範囲で他の酸二無水物を併せて使用(共重合化)しても良い。その際使用される量は、全酸二無水物成分の30モル%以下、好ましくは10モル%以下である。実際に使用できる酸二無水物の具体的な例としては、例えば、芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
2,3,3‘,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、
1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、
1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、
4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、
2,2−ビス[(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、
2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、および
1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物
である。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物の具体的な例としては、例えば
ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、
ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、
シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、
シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、
シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、
シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、
3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、
1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、
1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、
1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、
1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、
1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3‘,4’−テトラカルボン酸二無水物、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、
ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、
ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物
等である。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独でも二種以上を同時に用いることも可能である。
【0020】
本発明で使用されるポリイミドフィルムは前記式(1)で表されるが、その分子末端は封止されていても、されていなくてもよい。分子末端が封止場合されている場合、従来から知られているように、アミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で封止されることが望ましい。具体的には、式(1)で表される繰り返し構造単位を有するポリマーの分子末端を、一般式(4)
【0021】
【化5】
Figure 0004634623
【0022】
(式中Z1は、炭素数6〜15であり、かつ単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群より選ばれた2価の基を示す。)で表される芳香族ジカルボン酸無水物、または、一般式(5)
【0023】
【化6】
Figure 0004634623
【0024】
(式中Z2は、炭素数6〜15であり、かつ単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群より選ばれた1価の基を示す。)で表される芳香族モノアミンで封止されることが望ましい。
【0025】
ここで、末端封止に用いられるジカルボン酸無水物の量は、全ジアミン化合物1モル当たり、0.001〜1.0モル比である。好ましい使用量は0.01〜0.5モルである。同じく、末端封止に用いられる芳香族モノアミンの量は、全テトラカルボン酸二無水物1モル当たり、0.001〜1.0モル比である。好ましい使用量は0.01〜0.5モルの割合である。
【0026】
ポリイミドフィルムの製造に当たって、生成するポリイミドの分子量を調節するために、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の量比を調節することは通常行われている。本発明で使用するポリイミドフィルムにおいては全ジアミン化合物と全酸二無水物のモル比は0.9〜1.1の範囲にする必要がある。本発明のポリイミドの分子末端を封止する場合以下の2通りに分けられる。すなわち、ジアミン化合物が過剰で、末端を芳香族ジカルボン酸無水物で封止する場合、ジアミン化合物1モル当たり、テトラカルボン酸二無水物は0.9〜1.0モル未満、芳香族ジカルボン酸無水物は0.001〜1.0モルである。一方、酸二無水物が過剰で、末端を芳香族モノアミンで封止する場合、テトラカルボン酸二無水物1モル当たり、ジアミン化合物は0.9〜1.0モル未満、芳香族モノアミンは0.001〜1.0モルである。
【0027】
また、全ジアミン化合物と酸二無水物のモル比を0.9〜1.1にした場合、得られるポリイミドの分子量は、便宜的に前駆体であるポリアミド酸で代表すると以下の通りとなる。すなわち、ポリアミド酸の場合は、N−メチル−2−ピロリドン溶媒中、濃度0.5g/dl、35℃で測定した対数粘度の値が0.1から3.0dl/gである。
【0028】
本発明で使用するポリイミドフィルムが共重合体である場合、その共重合体を構成する2種以上の繰り返し単位の定序性や規則性に、制限があってもなくてもよく、共重合体の種類はランダム、交互およびブロックのいずれでも差し支えない。よってジアミンおよびテトラカルボン酸二無水物が併せて3種以上からなる場合、それぞれの添加順序は任意であり、それら原料の添加方法も一括または分割いずれにすることも任意である。また、NBDA異性体組成比が異なる2種以上のジアミン異性体混合物を使用すれば、ランダム共重合であっても、局所的にジアミン組成が偏ったポリマーを生成することが可能である。
次に、本発明で使用するポリイミドフィルムに付いて説明する。
【0029】
本発明のポリイミドフィルムを製造するためには前駆体である式(6)
【0030】
【化7】
Figure 0004634623
【0031】
で表されるポリアミド酸を得るのが一般的である。通常、このポリアミド酸を得る反応は溶媒中で行う。ここで使用する溶媒としては、
A)フェノール系溶媒である、
フェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、
B)非プロトン性アミド系溶媒である、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、ヘキサメチルホスホロトリアミド、
C)エーテル系溶媒である、
1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、テトラヒドロフラン、ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]エーテル、1,4−ジオキサン、
D)アミン系溶媒である、
ピリジン、キノリン、イソキノリン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、イソホロン、ピペリジン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンン
E)その他の溶媒である、
ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジフェニルエーテル、スルホラン、ジフェニルスルホン、テトラメチル尿素、アニソール、
が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種以上混合して用いても差し支えない。混合して用いる場合は、必ずしも任意の割合で相互に溶解するような溶媒の組み合わせを選択する必要はなく、混合し合わなく不均一でも差し支えない。
【0032】
これらの溶媒中で行う反応の濃度(以下、重合濃度と称する。)は、なんら制限はない。本発明では、溶媒中で行う重合濃度を、用いた全溶媒の全重量と、用いた全ジアミンおよび全テトラカルボン酸二無水物を合わせた全重量との総重量に対する用いた全ジアミンおよび全テトラカルボン酸二無水物を合わせた全重量の割合を百分率で示した値と定義する。好ましい重合濃度は、5から40%であり、更に好ましくは、10から30%である。
【0033】
前記の溶媒中で、一般式(2)のジアミン、式(3)のテトラカルボン酸二無水物を反応させて本発明のポリアミド酸が得られる。ここで、反応温度は、およその範囲として、−10℃から100℃が好ましいが、更に好ましくは、氷冷温度付近から50℃前後の範囲であり、実施面で最も好ましく実用的には室温である。また、反応時間は、使用するモノマーの種類、溶媒の種類、および反応温度により異なるが、1〜48時間が好ましい。更に好ましくは2、3時間から10数時間前後であり、実施面で最も好ましくは、4から10時間である。更に、反応圧力は常圧で十分である。
【0034】
本発明の透明導電性フィルム用ポリイミドは、前記の方法で得られたポリアミド酸を、公知の方法で脱水イミド化反応を行うことにより得られる。その方法は化学イミド化法と熱イミド化法に大別でき、それら両者を併用した方法をも含めて、全ての脱水イミド化法が適用できる。
【0035】
以上の方法によって得られたポリアミド酸溶液をガラス板、金属箔等の上に流延し、加熱乾燥することによりポリイミドフィルムが得られる。
【0036】
このようにして得られたポリイミドフィルムは従来のポリイミドフィルムとは全く異なり、可視光領域で無色透明度が極めて高い。尚、本発明においてポリイミドフィルムが無色透明とは、膜厚50±5μmのポリイミドフィルムに対する400nm以上の可視光線透過率が80%以上のもののことをいう。
【0037】
次に本発明で得られる透明導電性フィルムおよび透明電極に付いて説明する。透明導電性フィルムは、前述の無色透明なポリイミドフィルムの表面および裏面の少なくとも一面に形成されるものであり、通常、金属酸化物被膜により構成される。このような金属酸化物被膜の形成方法としては一般的な方法が適用できる。
【0038】
透明電極は、2枚の基板間に挟み込んだ液晶材料に電圧を印加するためのものであり、通常は透明基体上に透明導電性薄膜が形成されたものである場合が多い。本発明においては透明高屈折率薄膜層と透明金属薄膜層を積層してなる透明導電性薄膜積層体が透明導電性薄膜として用いられる。
【0039】
透明電極の透過率は、可視光領域において、高ければ高い程良い。銀または銀合金を透明高屈折率薄膜層で挟み込んだ透明導電性薄膜積層体を透明基体上に積層してなる透明電極の場合、通常は、光の波長450nmから650nmの間に透過率の極大波長が存在し、それよりも短波長の領域及び長波長の領域においては、透過率が極大値に比較して小さくなるのが通常であるが、その部分の透過率ができるだけ高いことが好ましい。すなわち光の波長600nm以上、700nm以下の各波長における透過率が70%以上、99%以下であることが好ましく、さらには75%以上、99%以下であることがより好ましい。
【0040】
本発明における透明高屈折率薄膜層に用いられる材料としては、できるだけ透明性に優れたものであることが好ましい。ここで透明性に優れるとは、膜厚100nm程度の薄膜を形成したときに、その薄膜の視感透過率が60%以上であることを指す。また、透明高屈折率材料とは、550nmの光に対する屈折率が、1.4以上の材料である。これらには、用途に応じて不純物を混入させても良い。
【0041】
透明高屈折率薄膜層用に好適に用いることができる材料を例示すると、インジウムとスズとの酸化物(ITO)、カドミウムとスズとの酸化物(CTO)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化亜鉛(ZnO3)、亜鉛とアルミニウムとの酸化物(AZO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化トリウム(ThO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化ランタン(LaO2)、酸化シリコン(SiO2)、酸化インジウム(In23)、酸化ニオブ(Nb23)、酸化アンチモン(Sb23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化セシウム(CeO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化ビスマス(Bi23)等である。透明高屈折率薄膜材料としては、中でも、ITO、TiO2、AZOが特に好ましい。
【0042】
この様な透明高屈折率薄膜層材料を実装するためには、具体的には、In23、SnO2、ZnO等の金属酸化物もしくはこれらを任意に組み合わせた混合物を真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等により気相蒸着、化学蒸着をするか、もしくは、上記金属酸化物の粉末を適切なコーティング剤に分散させたものを塗布する方法である。例えば、エレクトロンビームガンによる真空蒸着法、反応性スパッタリングにより金属ターゲットからスパッタされた粒子を酸素ガスにより酸化させて金属酸化膜を得る方法等があげられる。
【0043】
また、他の方法としては前述の金属酸化物被膜を170℃以上の高温で比較的短時間加熱処理することにより、透明性、耐熱性を向上させる方法がある。しかし、この方法ではポリエチレンテレフタレートフィルムのような耐熱性を有していないフィルムをベースフィルムとして用いる限り実現不可能であるが、本発明のポリイミドフィルムは透明性と共に優れた耐熱性を有しているため、これらの熱処理を可能とした。
【0044】
本発明において用いられる、透明金属薄膜層の材料としては、できるだけ電気伝導性が良く、薄膜状態における透明性が高い材料が好ましい。ここで電気伝導性が良いとは、比抵抗が1×10-5(Ω・cm)以下であることである
。また、透明性が高いとは、目的の膜厚における視感平均透過率が40%以上であることである。本発明においては、銀または銀の合金が好適に用いられる。銀は、比抵抗が、1.59×10-6(Ω・cm)であり、あらゆる材料の中で最も電気伝導性に優れる上に、薄膜の可視光線透過率が優れるため、最も好適に用いられる。但し、銀は、薄膜とした時に安定性を欠き、硫化や塩素化を受け易いという問題を持っている。この為、安定性を増すために、銀の替わりに銀と金の合金、銀と銅の合金、銀とパラジウムの合金、銀と銅とパラジウムの合金、銀と白金の合金等を用いてもよい。また、銀の替わりに金や銅を用いても良い。
【0045】
透明金属薄膜層の厚さに関しては、透明電極全体の透過性及び電気伝導性を考慮して決定される。通常は、0.5〜100nm程度である。
【0046】
以上のような構成要素、すなわち基材となるポリイミドフィルム、透明高屈折率薄膜層、透明金属薄膜層を積層することにより透明導電性電極フィルムおよび透明電極が形成される。この透明電極を構成する際には光選択吸収色素を併用しても良く、また、必要に応じてガスバリヤー層を設けても良い。
【0047】
更に、液晶ディスプレイとして構成するには、従来公知の方法で、液晶材料、液晶配向膜、液晶シール材・封止材、スぺーサー、アクティブ駆動素子、カラーフィルター、偏光板、バックライト、反射シート等を実装することで可能である。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
【0049】
実施例1
[ポリアミド酸およびポリイミドフィルムの作成]
攪拌機、窒素導入管、温度計を備えた容器に、ピロメリット酸二無水物218.12g(1.00mol)とN,N−ジメチルアセトアミド(以下DMAc)868.97gを装入し、窒素雰囲気下、室温で攪拌した。次に温度の上昇に注意しながらジアミノメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン154.30g(1.00mol)を滴下装入した。この後、50℃まで昇温し、約6時間反応させてポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸の対数粘度(ηinh)をDMAc溶媒中で測定したところ(濃度0.5g/dl,温度35℃)、0.68dl/gであり、GPCによる分子量測定ではMwで83000であった。また、E型機械粘度は31700mPa・sであった。
【0050】
得られたポリアミド#酸溶液を平滑なガラス板上にキャストし、窒素雰囲気下で50℃から250℃まで2時間かけて昇温し、更に250℃で2時間焼成して無色透明のポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの厚味は約40μmであった。またDSCによりこのフィルムのガラス転移温度を測定したところ284℃であった。このポリイミドフィルムの光線透過率を測定したところ(島津株式会社UV−3100PCを使用)、400nmで86.5%、500nmで89.9%、600nmで90.3%、700nmで90.4%であった。光線透過率の図は図1に示す。
【0051】
尚、ここで得られたポリイミドフィルムを40℃のDMAc溶媒に5分間浸漬させても形状・色調とも全く変化が見られなかった。
[透明導電性フィルム・透明電極の作成]
前記の手法で得られた厚さ40μmのポリイミドフィルム(50mm×50mm)の片面に、反応性マグネトロンスパッタ法を用いて透明導電性被膜を形成した。すなわち、スパッタ装置の基板側にポリイミドフィルムを取り付け、スパッタ電極上に金属In90重量%とSn10重量%(いずれも酸化物重量で)とからなる合金ターゲットを装着した。そして、10-3Paまで真空引きを行った後、アルゴン・酸素混合ガス(全圧266mPa、酸素分圧8mPa)を流入させて、4×10-1Paに保ち、次に、前記スパッタ電極に直流電圧400Vを印加してグロー放電させ、30秒間スパッタリングを行うことにより、ポリイミドフィルム上に酸化Inと酸化Snとからなる透明導電性被膜を形成した。この時点で透明高屈折率被膜は300Ω/□の表面抵抗を示した。
【0052】
更に、銀と金の導電性合金薄膜層の形成には、ターゲットとして銀と金の合金[Ag:Au=95:5(重量比)]を用い、スパッタガスにはアルゴンガス(全圧266mPa)を用いた。この後、再度透明高屈折率被膜を形成し、透明導電性フィルム・透明電極とした。
【0053】
この時点で作製した透明電極の表面抵抗は、10Ω/□、視感平均透過率は87%であった。ここで得られた透明導電性フィルム・透明電極の構成を図2に示す。
【0054】
得られた透明導電性フィルム・透明電極を180℃の環境下に放置しても、その外観に変化は見られなかった。更に、40℃のDMAc溶媒に5分間浸漬してもその形状には変化が見られなかった。
【0055】
比較例1
実施例1における無色透明ポリイミドフィルムの代わりにポリカーボネートフィルム(帝人社製、ピュアエース、50mm×50mm、厚さ100μm)を用いて、同じく透明導電性フィルム・透明電極を構成した。
【0056】
ここで得られた構成フィルムは視感光線透過率は良好であるものの、180℃の環境下に放置した場合、激しく変形して透明電極としての形態を維持できなかった。また、40℃のDMAc溶媒に対しては、浸漬後直ぐに溶解してしまい、同じく透明電極としての形態を維持できなかった。
【0057】
比較例2
実施例1における無色透明ポリイミドフィルムの代わりにポリエーテルスルホンフィルム(住友ベークライト社製、50mm×50mm、厚さ100μm)を用いて、同じく透明導電性フィルム・透明電極を構成した。
【0058】
ここで得られた構成フィルムは視感光線透過率は良好であるものの、40℃のDMAc溶媒に対しては、浸漬後直ぐに溶解してしまい、透明電極としての形態を維持できなかった。
【0059】
【発明の効果】
本発明で示されるポリイミドフィルム、およびそれを用いてなる透明導電性フィルム・透明電極は、可視光領域において優れた光線透過率を有し、かつ耐熱性および耐溶剤性を示す。すなわち、液晶ディスプレイ等の表示材料に極めて有用な透明導電性フィルム・透明電極である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で作成した透明導電性フィルムの光線透過率の図である。
【図2】透明導電性フィルムの構成(断面図)の図である。

Claims (3)

  1. 液晶ディスプレイ用透明電極の透明基板を形成するために用いられる透明導電性フィルムであって、式(1)
    Figure 0004634623
    で表される繰り返し構造単位を有する無色透明なポリイミドフィルムと、この無色透明なポリイミドフィルムの表面および裏面の少なくとも一方の面に形成された透明導電性被膜を備えることを特徴とする透明導電性フィルム。
  2. 請求項1の透明導電性フィルムを用いてなる液晶ディスプレイ用の透明電極。
  3. 液晶ディスプレイ用透明電極の透明基板を形成するために用いられる透明導電性フィルムの製造方法であって、式(1)
    Figure 0004634623
    で表される繰り返し構造単位を有する無色透明なポリイミドフィルムの表面および裏面の少なくとも一方の面に、真空蒸着法で、透明導電性被膜を形成することを特徴とする、透明導電性フィルムの製造方法。
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