JP4634226B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、運転起動時において膨張弁が一定の開度に保持されると、例えば、運転開始後約30秒から約80秒の間に、この膨張弁を通過した二相流冷媒中の気泡が、下流側配管の屈曲部や下流側に位置する熱交換器内の配管曲がり部等に衝突して騒音(いわゆる、「ゴトゴト」といった音を生じる冷媒流動音)が発生してしまうといった問題点があった。
本発明による空気調和装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷房運転時に放熱器として動作する室外熱交換器と、冷房運転時に蒸発器として動作する室内熱交換器と、高圧冷媒を絞り減圧させて低圧冷媒とする膨張弁と、運転開始直前に前記室内熱交換器の温度を測定する室内熱交換器温度センサにより測定された温度と、前記室内熱交換器温度センサにより測定された現在の温度との差が大きくなるにつれ前記膨張弁の開度が大きくなるように設定され、かつ、予め記憶されたテーブルに基づいて前記膨張弁の開度を制御する制御手段とを備えた空気調和装置であって、運転起動時、前記制御手段により前記膨張弁が徐々に開方向に制御されることを特徴とする。
このような空気調和装置によれば、運転起動時において、膨張弁の開度が、段階的に徐々に(少しずつ)開いていくこととなる。
すなわち、図1および図2に示すように、運転開始直前における室内温度または室外温度が高い時(例えば、35℃)にはT1時間後に膨張弁の開度がE4(適正開度)をとるようになり、また、運転開始直前における室内温度または室外温度が低い時(例えば、20℃)にはT2時間後に膨張弁の開度がE4(適正開度)をとるようになる。
言い換えれば、冷媒流動音が発生し難い条件の時(運転開始直前における室内温度または室外温度が高い時)に、短時間に素早く膨張弁が開かれるようになっており、また、冷媒流動音がより発生しやすい条件の時(運転開始直前における室内温度または室外温度が低い時)に、時間をかけてゆっくりと膨張弁が開かれるようになっている。
これにより、室内温度または室外温度が高い時には、運転起動時における冷媒流動音を防止することができるとともに、短時間で素早く膨張弁の開度を適正開度に移行させることができて、室内温度を短時間で素早く下げることができる。
また、室内温度または室外温度が低い時には、時間をかけてゆっくりと膨張弁の開度を適正開度に移行させるようになっているので、運転起動時における冷媒流動音を確実に防止することができる。
このような空気調和装置によれば、室内温度または室外温度が所定温度よりも高い場合に、膨張弁がより大きく開くようにしている。
すなわち、冷媒流動音が発生し難い条件の時に、より短時間でより素早く膨張弁が開かれるようになっており、これにより、運転起動時における冷媒流動音を防止することができるとともに、より短時間でより素早く膨張弁の開度を適正開度に移行させることができて、室内温度をより短時間で素早く下げることができる。
このような空気調和装置の制御方法によれば、運転起動時において、膨張弁の開度が、段階的に徐々に(少しずつ)開いていくこととなる。
すなわち、図1および図2に示すように、運転開始直前における室内温度または室外温度が高い時(例えば、35℃)にはT1時間後に膨張弁の開度がE4(適正開度)をとるようになり、また、運転開始直前における室内温度または室外温度が低い時(例えば、20℃)にはT2時間後に膨張弁の開度がE4(適正開度)をとるようになる。
言い換えれば、冷媒流動音が発生し難い条件の時(運転開始直前における室内温度または室外温度が高い時)に、短時間に素早く膨張弁が開かれるようになっており、また、冷媒流動音がより発生しやすい条件の時(運転開始直前における室内温度または室外温度が低い時)に、時間をかけてゆっくりと膨張弁が開かれるようになっている。
これにより、室内温度または室外温度が高い時には、運転起動時における冷媒流動音を防止することができるとともに、短時間で素早く膨張弁の開度を適正開度に移行させることができて、室内温度を短時間で素早く下げることができる。
また、室内温度または室外温度が低い時には、時間をかけてゆっくりと膨張弁の開度を適正開度に移行させるようになっているので、運転起動時における冷媒流動音を確実に防止することができる。
このような空気調和装置の制御方法によれば、室内温度または室外温度が所定温度よりも高い場合に、膨張弁がより大きく開くようにしている。
すなわち、冷媒流動音が発生し難い条件の時に、より短時間でより素早く膨張弁が開かれるようになっており、これにより、運転起動時における冷媒流動音を防止することができるとともに、より短時間でより素早く膨張弁の開度を適正開度に移行させることができて、室内温度をより短時間で素早く下げることができる。
図4は、本実施形態における空気調和装置10の概略構成図である。空気調和装置10は、コンプレッサ(圧縮機)11と、四方弁12と、室外熱交換器13と、電子膨張弁14と、室内熱交換器15と、制御器(制御手段)16とを主たる要素として構成されたものである。
なお、図4中の符号17はキャピラリチューブ(固定抵抗)、18はストレーナ、19は冷媒配管、20はアキュムレータ(蓄圧器)、21は室内熱交換器温度センサ、22は室内温度センサ、23は室外温度センサ、24は室外熱交換器温度センサ、25は吐出管温度センサである。
四方弁12は、コンプレッサ11の下流側に設けられるとともに、コンプレッサ11から吐出された冷媒の流路を切り替えるものである。この四方弁12には、図4に実線で示す冷房運転時においてコンプレッサ11から室外熱交換器13に向かう流路と、図4に破線で示す暖房運転時においてコンプレッサ11から室内熱交換器15に向かう流路とが形成されている。
室外熱交換器13は、冷房運転時に高温高圧のガス冷媒を凝縮液化させて外気に放熱するコンデンサ(放熱器)として機能し、逆に暖房運転時には低温低圧の液冷媒を蒸発気化させて外気から熱を奪うエバポレータ(蒸発器)として機能するものである。
室内熱交換器15は、暖房運転時に高温高圧のガス冷媒を凝縮液化させて内気に放熱するコンデンサとして機能し、逆に冷房運転時には低温低圧の液冷媒を蒸発気化させて内気から熱を奪うエバポレータとして機能するものである。
電子膨張弁14の開度は、制御器16に予め格納された(記憶された)、例えば、図1に示すテーブル(第1のテーブル)に従って調整されるようになっている。図1において横軸ΔTは、運転開始直前に室内熱交換器温度センサ21により測定された温度と、室内熱交換器温度センサ21により測定された現在の温度との差を示しており、縦軸は、電子膨張弁14の開度を示している。すなわち、本実施形態において、運転起動時から、運転開始直前に室内熱交換器温度センサ21により測定された温度と、室内熱交換器温度センサ21により測定された現在の温度との差が4℃になるまでは電子膨張弁14の開度をE1(例えば、25%開)とし、6℃になるまではE2(例えば、50%開)とし、8℃になるまではE3(例えば、75%開)とし、8℃を超えた以降はE4(適正開度)をとるようになっている。
室外熱交換器13を通過した冷媒は、キャピラリチューブ17を通って電子膨張弁14に導かれる。電子膨張弁14では、内部を通過する際に冷媒が減圧・膨張され、低温・低圧の冷媒となる。
低温・低圧とされた冷媒は、キャピラリチューブ17、およびストレーナ18を通って室内熱交換器15に導かれるとともに、四方弁12、アキュームレータ20を通って、コンプレッサ11の吸入側に導かれ、再びコンプレッサ11で圧縮されることとなる。この際、室内熱交換器15は、エバポレータとして機能する。
室内熱交換器15を通過した冷媒は、ストレーナ18、およびキャピラリチューブ17を通って電子膨張弁14に導かれる。電子膨張弁14では、内部を通過する際に冷媒が減圧・膨張され、低温・低圧の冷媒となる。
低温・低圧とされた冷媒は、キャピラリチューブ17を通って室外熱交換器13に導かれるとともに、四方弁12、アキュームレータ20を通って、コンプレッサ11の吸入側に導かれ、再びコンプレッサ11で圧縮されることとなる。この際、室外熱交換器13は、エバポレータとして機能する。
すなわち、図2に示すように、運転開始直前における室内熱交換器温度センサ21により測定された室内熱交換器15の温度(TIP)が高い時(例えば、35℃)にはT1時間後に電子膨張弁14の開度がE4(適正開度)をとるようになり、また、運転開始直前における室内熱交換器温度センサ21により測定された室内熱交換器15の温度(TIP)が低い時(例えば、20℃)にはT2時間後に電子膨張弁14の開度がE4(適正開度)をとるようになる。
言い換えれば、冷媒流動音が発生し難い条件の時(運転開始直前における室内熱交換器温度センサ21により測定された室内熱交換器15の温度(TIP)が高い時)に、短時間に素早く電子膨張弁14が開かれるようになっており、また、冷媒流動音がより発生しやすい条件の時(運転開始直前における室内熱交換器温度センサ21により測定された室内熱交換器15の温度(TIP)が低い時)に、時間をかけてゆっくりと電子膨張弁14が開かれるようになっている。
これにより、室内温度が高い時には、運転起動時における冷媒流動音を防止することができるとともに、短時間で素早く電子膨張弁14の開度を適正開度に移行させることができて、室内温度を短時間で素早く下げることができる。
また、室内温度が低い時には、時間をかけてゆっくりと電子膨張弁14の開度を適正開度に移行させるようになっているので、運転起動時における冷媒流動音を確実に防止することができる。
本実施形態における空気調和装置は、制御器16が、外気温(外温)に対応した2つのテーブル(図3参照)を備えているという点で前述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
また、外温(外気温)がTφ以下の場合には、各ステップにおける電子膨張弁14の開度が前述した第1実施形態のものと同じように開かれるようになっている。すなわち、冷媒流動音がより発生しやすい条件の時に、電子膨張弁14が前述した第1実施形態のものと同様に開かれるようになっており、これにより、外温(すなわち、室内温度)が低い時には、時間をかけてゆっくりと電子膨張弁14の開度を適正開度に移行させることができて、運転起動時における冷媒流動音を確実に防止することができる。
また、これらテーブルの段数は、上述した3つ(図1または図3参照)に限定されるものではなく、2つ以下または4つ以上とすることもできる。
さらに、これらテーブルの形状は、上述した階段状のものに限定されるものではなく、例えば、直線状や放物線状とすることもできる。
11 圧縮機
13 室外熱交換器
14 電子膨張弁
15 室内熱交換器
16 制御器(制御手段)
Claims (4)
- 冷媒を圧縮する圧縮機と、
冷房運転時に放熱器として動作する室外熱交換器と、
冷房運転時に蒸発器として動作する室内熱交換器と、
高圧冷媒を絞り減圧させて低圧冷媒とする膨張弁と、
運転開始直前に前記室内熱交換器の温度を測定する室内熱交換器温度センサにより測定された温度と、前記室内熱交換器温度センサにより測定された現在の温度との差が大きくなるにつれ前記膨張弁の開度が大きくなるように設定され、かつ、予め記憶されたテーブルに基づいて前記膨張弁の開度を制御する制御手段とを備えた空気調和装置であって、
運転起動時、前記制御手段により前記膨張弁が徐々に開方向に制御されることを特徴とする空気調和装置。 - 前記テーブルが、室内温度または室外温度が所定温度よりも高い場合に使用される第1のテーブルと、室内温度または室外温度が所定温度以下の場合に使用される第2のテーブルとを備え、
前記第1のテーブルに基づく前記膨張弁の開度が、前記第2のテーブルに基づく前記膨張弁の開度よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。 - 冷媒を圧縮する圧縮機と、
冷房運転時に放熱器として動作する室外熱交換器と、
冷房運転時に蒸発器として動作する室内熱交換器と、
高圧冷媒を絞り減圧させて低圧冷媒とする膨張弁とを備えた空気調和装置の制御方法であって、
運転起動時、運転開始直前に前記室内熱交換器の温度を測定する室内熱交換器温度センサにより測定された温度と、前記室内熱交換器温度センサにより測定された現在の温度との差が大きくなるにつれ前記膨張弁の開度が大きくなるように設定されたテーブルに基づいて、前記膨張弁を徐々に開いていくことを特徴とする空気調和装置の制御方法。 - 室内温度または室外温度が所定温度よりも高い場合には、前記膨張弁の開度を大きく開くようにし、室内温度または室外温度が所定温度以下の場合には、前記膨張弁の開度を小さく開くようにしたことを特徴とする請求項3に記載の空気調和装置の制御方法。
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