JP4634158B2 - 除電装置付き粉体用篩装置 - Google Patents

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Description

本発明は、帯電し堆積した粉体を内部まで除電することができる電装置付き粉体用篩装置に関する。
従来から、各種産業分野において、粉体をその粒径に応じて分別したり、粉体に混入した異物を除去するなどの目的で、種々の粉体用篩装置が用いられている(例えば、特許文献1等)。
特開平8−268534号公報
しかしながら、粉体用篩装置においては、粉体が帯電し、帯電した粉体が堆積することがあった。このように帯電し堆積した粉体は、粉体の上から除電しようとしても表面だけが除電され、粉体の内部までは除電することができない。そのため、従来の粉体用篩装置では、粉体の種類によっては篩目に帯電した粉体が詰まり、迅速に篩い分けできない場合があった。また、帯電した粉体が粉体取り出し口に詰まり、迅速に粉体を供給できない場合があった。
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、帯電し堆積した粉体を内部まで除電することができる電装置付き粉体用篩装置を提供することにある。
請求項に記載の除電装置付き粉体用篩装置は、粉体装填部内に設けられた篩網と、前記篩網の下方に配設されたチャンバ型無発塵イオナイザーからなるイオン化気流発生部と、前記篩網の下部に位置するように前記イオン化気流発生部に取り付けられ、かつ、この篩網の複数の異なる領域にイオン化気流を供給する放出ノズルが複数個形成されているディストリビュータを備え、前記篩網の上部空間において、前記イオン化気流発生部より供給されたイオン化気流によって粉体が流動化されて浮遊するように構成すると共に、前記篩網の下部空間に加圧部が形成され、前記チャンバ型無発塵イオナイザーは、イオン化チャンバと、前記イオン化チャンバに内蔵した放射線又は低エネルギーの電子線を発生するイオン化源と、を備え、空気又は非反応性ガスを前記イオン化チャンバの一部よりチャンバ内に流入させ、前記イオン化源でイオン化し、発生した正負イオンをイオン化チャンバの出口より帯電体に供給して除電するものであることを特徴とするものである。
上記のような構成を有する請求項に記載の発明によれば、ディストリビュータから供給されたイオン化気流によって篩網上に載置された帯電した粉体が流動化されて浮遊するため、個々の粉体粒子がイオンと接触しやすくなるため、効率良く除電することができる。また、篩網の網目を通過した粉体も、イオンで充たされている加圧部内においてさらに除電されるので、粉体粒子の除電を高精度に実施することができ、篩網の網目の目詰まりや粉体取り出し口での粉体の詰まりを防止することができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の除電装置付き粉体用篩装置において、前記篩網の下部空間に設けられた粉体取り出し口の先端に、粉体の堆積量によって開閉が制御される蓋が取り付けられていることを特徴とするものである。
上記のような構成を有する請求項に記載の発明によれば、篩網の下部の加圧部の内圧をより高くすることができるので、効率良くイオン化気流を篩網上の粉体に供給することができ、除電効果が向上する。
本発明によれば、帯電し堆積した粉体を内部まで除電することができる電装置付き粉体用篩装置を提供することができる。
以下、本発明に係る実施の形態(以下、実施形態という)について、図面を参照して具体的に説明する。
(1)第1実施形態
(1−1)構成
図1は、本発明に係る除電装置付き粉体用篩装置の構成を示す模式図である。
すなわち、本実施形態の除電装置付き粉体用篩装置1は、粉体装填部11が筒状に構成され、その筒体内部には粉体を篩い分けする多孔板12が取り付けられている。また、筒体の底部には、篩い分けされた粉体を外部に取り出すための粉体取り出し口13が側方に突出するように設けられ、この粉体取り出し口13には、密閉用の蓋14が取り付けられている。さらに、筒体の底部には、イオン化気流発生部であるチャンバ型無発塵イオナイザー20が取り付けられ、前記多孔板12の下部空間(請求項の加圧部に対応)にイオン化気流を供給することができるように構成されている。
また、上記チャンバ型無発塵イオナイザー20は、空気又は非反応性ガス(N2ガス等)をイオン化チャンバ21の一部よりチャンバ内に流入させ、イオン化チャンバ21に内蔵したイオン化源22(例えば、軟X線発生装置の発生部、密封放射線同位元素、低エネルギーの電子線発生装置の発生部、紫外線発生装置の発生部、コロナ放電発生装置の発生部)でイオン化し、発生した正負イオンをイオン化チャンバ21の出口より帯電体に供給して、除電する方式のイオナイザーである。
なお、前記空気又は非反応性ガス(N2ガス等)をイオン化チャンバ21内に供給するライン上には、減圧弁23、流量調節バルブ24、流量計25及びメンブレンフィルタ26が取り付けられている。また、前記イオン化源22の下流側には、そのイオン化源22から発生する軟X線、密封放射線同位元素からの放射線、低エネルギーの電子線を遮蔽するために、遮蔽板27等の遮蔽手段が設けられている。
(1−2)作用
以上のような構成を有する本実施形態の除電装置付き粉体用篩装置は、以下に述べるように作用する。
すなわち、帯電した粉体を、筒状の粉体装填部11内に配設された多孔板12上に置くと共に、多孔板12の下部の空間(加圧部)に、前記チャンバ型無発塵イオナイザー20より発生したイオン化気流を供給する。すると、そのイオン化気流が、多孔板12の孔を通過して帯電した粉体内に供給される。その結果、粉体が浮遊し、個々の粉体粒子がイオン化気流によって除電される。
また、多孔板12の孔を通過した粉体も、イオンで充たされている加圧部内において、さらに除電される。なお、イオン化気流の流量は、前記流量調節バルブ24によって、粉体が吹きこぼれない程度に粉体を流動化することができるような流量に調整されるように構成されている。
(1−3)効果
このように、本実施形態によれば、帯電した粉体は、多孔板12の上部空間(粉体流動部)において、供給されたイオン化気流によって流動化されて浮遊するため、効率良く除電される。また、多孔板の孔を通過した粉体も、イオンで充たされている加圧部内においてさらに除電されるので、粉体粒子の除電を高精度に実施することができる。その結果、多孔板の孔の目詰まりや粉体取り出し口での粉体の詰まりを防止することができるので、処理速度が速くなり、生産性が向上する。
(2)第2実施形態
(2−1)構成
図2(A)は、本発明に係る除電装置付き粉体用篩装置の第2実施形態の構成を示す模式図である。
すなわち、本実施形態の除電装置付き粉体用篩装置30は、粉体装填部31が筒状に構成され、その筒体内部には粉体を篩い分けする篩網32が取り付けられている。また、前記筒体は、前記篩網32の下部にテーパー部33が設けられ、さらにその下部には、篩い分けされた粉体を外部に取り出すための粉体取り出し口34が設けられている。
さらに、前記篩網32の下部には、イオン化気流発生部であるチャンバ型無発塵イオナイザー40が取り付けられ、このチャンバ型無発塵イオナイザー40には、前記篩網32の下部に位置するように、十字型のディストリビュータ50が取り付けられている。また、前記ディストリビュータ50には、図2(B)に示すように、前記篩網32の下部空間(加圧部)にイオン化気流を供給するための、イオン化気流放出ノズル51が複数個形成されている。
また、上記チャンバ型無発塵イオナイザー40は、空気又は非反応性ガス(N2ガス等)をイオン化チャンバ41の一部よりチャンバ内に流入させ、イオン化チャンバ41に内蔵したイオン化源42(例えば、軟X線発生装置の発生部、密封放射線同位元素、低エネルギーの電子線発生装置の発生部、紫外線発生装置の発生部、コロナ放電発生装置の発生部)でイオン化し、発生した正負イオンをイオン化チャンバ41の出口より帯電体に供給して、除電する方式のイオナイザーである。
なお、前記空気又は非反応性ガス(N2ガス等)をイオン化チャンバ41内に供給するライン上には、図1と同様に、減圧弁43、流量調節バルブ44、流量計45及びメンブレンフィルタ46が取り付けられている。
(2−2)作用
以上のような構成を有する本実施形態の除電装置付き粉体用篩装置は、以下に述べるように作用する。
すなわち、帯電した粉体を、筒状の粉体装填部31内に配設された篩網32上に置くと共に、篩網32の下部の空間(加圧部)にイオン化気流を供給する。すると、そのイオン化気流が、篩網32の網目を通過して帯電した粉体内に供給される。その結果、粉体が浮遊し、個々の粉体粒子がイオン化気流によって除電される。
また、篩網32の網目を通過した粉体も、イオンで充たされている加圧部内において、さらに除電される。なお、イオン化気流の流量は、前記流量調節バルブ44によって、粉体が吹きこぼれない程度に粉体を流動化することができるような流量に調整されるように構成されている。
(2−3)効果
このように、本実施形態によれば、帯電した粉体は、篩網32の上部空間(粉体流動部)において、供給されたイオン化気流によって流動化されて浮遊するため、効率良く除電される。また、篩網32の網目を通過した粉体も、イオンで充たされている加圧部内においてさらに除電されるので、粉体粒子の除電を高精度に実施することができる。その結果、篩網32の網目の目詰まりや粉体取り出し口での粉体の詰まりを防止することができるので、処理速度が速くなり、生産性が向上する。
(3)他の実施形態
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、図3に示すように、粉体取り出し口34の先端に、粉体が一定量以上堆積すると自動的に開き、粉体を排出すると自動的に閉まる開閉蓋35を設けることにより、篩網32の下部の加圧部の内圧をより高くすることができる。なお、開閉蓋35は、その開閉蓋35に取り付けられた開閉制御部材36に設けられたおもり37を前後に動かすことにより、開閉蓋35の開閉のタイミング及び開度を適宜調節できるように構成されている。
図3のように構成することにより、粉体の密度が大きい場合や篩網の抵抗が大きい場合に、粉体取り出し口34の先端が開放されていると、篩網32の下部の加圧部の内圧が低くなるため、粉体を流動化することが難しいといった問題点を解消することができる。
また、図4に示すように、イオン化気流発生部であるチャンバ型無発塵イオナイザー60に、折り曲げ自在のチューブ61等を介して、多孔体からなるイオン化気流供給部62を取り付け、そのイオン化気流供給部62を、粉体の貯蔵タンク63等、種々の粉体装置の粉体装填部64に配設しても良い。このような粉体除電用イオナイザーを用いることにより、粉体装置の構造や種類を問わず、適宜粉体の除電が可能となる。
また、イオン化源として、軟X線、密封放射線同位元素からの放射線を用いる場合は、空気もしくは負イオンを形成できる程度に負性ガスを含む非反応性ガス(N2ガス等)のいずれをイオン化してもオゾンが発生することがなく、電磁ノイズや発塵もない。
また、イオン化源として、低エネルギーの電子線、紫外線や沿面放電を用いる場合は、負イオンを発生できるが、オゾンが発生しない程度に酸素を含む非反応性ガス(高純度N2等)をイオン化することで、オゾン発生がなく、また、電磁ノイズや発塵もない。したがって、これらのイオン化源を使用する場合は、粉体を酸化したり、発塵により汚染したりすることなく除電が可能である。
本発明に係る除電装置付き粉体用篩装置の第1実施形態の構成を示す模式図である。 (A)は、本発明に係る除電装置付き粉体用篩装置の第2実施形態の構成を示す模式図であり、(B)はディストリビュータの構成を示す平面図である。 本発明に係る除電装置付き粉体用篩装置の他の実施形態の構成を示す要部の模式図である。 本発明に係る粉体除電用イオナイザーの構成を示す模式図である。
符号の説明
1…粉体用篩装置
11…粉体装填部
12…多孔板
13…粉体取り出し口
14…蓋
20、40…チャンバ型無発塵イオナイザー
21、41…イオン化チャンバ
22、42…イオン化源
23、43…減圧弁
24、44…流量調節バルブ
25、45…流量計
26、46…メンブレンフィルタ
27…遮蔽板
30…粉体用篩装置
31…粉体装填部
32…篩網
33…テーパー部
34…粉体取り出し口
35…開閉蓋
36…開閉制御部材
37…おもり
50…ディストリビュータ
51…イオン化気流放出ノズル
60…チャンバ型無発塵イオナイザー
61…チューブ
62…イオン化気流供給部
63…貯蔵タンク
64…粉体装填部

Claims (2)

  1. 粉体装填部内に設けられた篩網と、
    前記篩網の下方に配設されたチャンバ型無発塵イオナイザーからなるイオン化気流発生部と、
    前記篩網の下部に位置するように前記イオン化気流発生部に取り付けられ、かつ、この篩網の複数の異なる領域にイオン化気流を供給する放出ノズルが複数個形成されているディストリビュータを備え、
    前記篩網の上部空間において、前記イオン化気流発生部より供給されたイオン化気流によって粉体が流動化されて浮遊するように構成すると共に、
    前記篩網の下部空間に加圧部が形成され、
    前記チャンバ型無発塵イオナイザーは、イオン化チャンバと、前記イオン化チャンバに内蔵した放射線又は低エネルギーの電子線を発生するイオン化源と、を備え、空気又は非反応性ガスを前記イオン化チャンバの一部よりチャンバ内に流入させ、前記イオン化源でイオン化し、発生した正負イオンをイオン化チャンバの出口より帯電体に供給して除電するものであることを特徴とする除電装置付き粉体用篩装置。
  2. 前記篩網の下部空間に設けられた粉体取り出し口の先端に、粉体の堆積量によって開閉が制御される蓋が取り付けられていることを特徴とする請求項に記載の除電装置付き粉体用篩装置。
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