JP4633495B2 - 透明板積層体及び該透明板積層体を用いた建築物または車両の開口部の閉成方法 - Google Patents

透明板積層体及び該透明板積層体を用いた建築物または車両の開口部の閉成方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば安全ガラスなどに用いられる透明板積層体に関し、より詳細には、広
い温度範囲に渡り耐貫通性能に優れた透明板積層体、並びに、例えば車両の窓部に用いら
れたときに、衝撃が付与されて破壊されてもガラス片などが飛散し難い透明板積層体及び
該透明板積層体を用いた建築物または車両の開口部の閉成方法に関する。
従来、自動車等の車両や建築物の窓部において、安全ガラスとして合わせガラスが広く用いられている。合わせガラスは、熱可塑性樹脂シートからなる中間膜を介して複数のガラス板を貼り合わせた構造を有する。この種の合わせガラスの一例が下記の特許文献1に開示されている。
特許文献1には、湾曲した複数枚のガラス板が中間膜を介して積層された湾曲合わせガラスが示されている。ここでは、中間膜が複数の樹脂層を積層した構造を有し、該複数の樹脂層のうち、内部に第1層が配置され、第1層の両面に第2,第3層が積層されている。そして、第1層の損失係数の最大値を示す温度が、第2,第3の層の損失係数を示す温度よりも低くされており、湾曲合わせガラスの凹面から第1層の凹面からの距離が湾曲合わせガラスの凸面から第1層の凸面までの距離よりも短くされている。また、特許文献1では、上記第1層〜第3層は、ポリビニルブチラール(以下、PVBと略す)と、可塑剤とを含む樹脂層により構成されている。
特許文献1に記載の湾曲合わせガラスでは、上記構成により、動的振動により特定周波数での振動が抑制され、外部からの音波と合わせガラスとの振動の共鳴が抑制され、それによって遮音性能が高められるとされている。
特開2004−75501号公報
特許文献1に記載の湾曲合わせガラスでは、上記のように、中間膜を構成する熱可塑性樹脂シートの中央の第1層の損失係数の最大値を示す温度を、第2層及び第3層の損失係数の最大値を示す温度よりも低くし、車内側のガラス板の凹面から第1層の凹面からの距離を、外気にさらされるガラス板の凸面から第1層の凸部面までの距離よりも小さくすることにより、遮音性能が高められている。
しかしながら、この種の合わせガラスでは、遮音性能に優れているだけでなく、盗難防止等のために耐貫通性能に優れていることが強く求められている。すなわち、近年、車上荒らしが多発しており、車上荒らしを行う者は、車両の窓ガラスをハンマー等で破壊し、車内内部の金品を簒奪するのが普通である。従って、合わせガラスがハンマー等により容易に破壊される場合には、車上荒らしによる盗難を防止することが困難となる。
他方、車上荒らし等が車両の窓ガラス等を破壊する際には、破壊は短時間に行われている。短時間で窓ガラスを破壊し得ないと、ハンマーによる打撃音を第三者が聞きつけたり、破壊行為を第三者に目撃されたりするおそれがある。従って、車両の窓ガラスは、ハンマー等により打撃を与えられた際に、できるだけ破壊され難いものであること、すなわち、耐貫通性能が高いことが求められる。
合わせガラスにおいて耐貫通性能を高めるには、中間膜として用いられている熱可塑性
樹脂シートの機械的強度を高めればよい。しかしながら、該熱可塑性樹脂シートの機械的強度を単に高めた場合には、ガラスとの密着性が低下し、安全ガラスとして機能する合わせガラスを提供することが困難となる。
特許文献1に記載の合わせガラスでは、遮音性能を高めることが可能とされているものの、このような耐貫通性能を高めることについては特に言及されていない。また、熱可塑性樹脂シートを中間膜として用いた合わせガラスでは、熱可塑性樹脂シートの強度を高めたとしても上記のように安全ガラスとしての機能が低下することがあり、加えて、耐貫通性能を高めるように熱可塑性樹脂シートの組成を工夫したとしても、耐貫通性能は、温度変化が生じると変化する。従って、広い温度範囲に渡り優れた耐貫通性能を有する合わせガラスを提供することは極めて困難であった。
他方、例えば車で走行中に、前方や上方から物体が飛散、落下などしてきて、車外側より窓ガラスに衝撃が付与されて、窓ガラスが破壊されることがある。また、衝突事故などにより、窓ガラスが破壊されることもある。このような場合に、車両内部に乗車している乗員が、衝撃により飛散したガラス片により重大な傷害を被る可能性があった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、広い温度範囲に渡り優れた耐貫通性能を有する透明板積層体を提供することにある。
本発明の他の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、例えば車両の窓部に用いられたときに、衝撃が付与されても破損し難く、破損した場合でも、車両内側にガラス片などが飛散し難い透明板積層体を提供することにある。
第1の発明における透明板積層体は、第1の層の片面に第2の層が、他面に第3の層が
積層されている積層構造の熱可塑性樹脂シートが中間膜として第1,第2の透明板間に配
置されている透明板積層体であって、該熱可塑性樹脂シートの第1、第2、第3の層の周
波数10Hzで測定された損失正接の最大値を示す温度T(1)、T(2)、T(3)が
、それぞれT(1)≧T(2)、T(1)≧T(3)であって、かつ、前記第1の透明板
の積層方向外側の面と、前記熱可塑性樹脂シートの第1の層との間の距離をX、前記熱可
塑性樹脂シートの第1の層と前記第2の透明板の積層方向外側の面との間の距離をYとし
たときに、X>Yとされており、前記第2,第3の層が、炭素数4〜6のアルデヒドから
なる群から選択された少なくとも1種のアルデヒド(a)によりポリビニルアルコールを
アセタール化してなるポリビニルアセタール樹脂(A)と可塑剤とを含み、前記第1の層
が、炭素数4〜6のアルデヒドからなる群から選択された少なくとも1種のアルデヒド(
a)及び炭素数1〜3のアルデヒドからなる群から選択された少なくとも1種のアルデヒ
ド(b)によりポリビニルアルコールを共アセタール化することにより得られたポリビニ
ルアセタール樹脂(B)と可塑剤とを含むことを特徴とする。
第1の発明における透明板積層体のある特定の局面では、前記熱可塑性樹脂シートの23℃及び10Hzにおける第1、第2、第3の層の剪断貯蔵弾性率を、それぞれG(1)、G(2)、G(3)としたときに、G(1)/G(2)及びG(1)/G(3)が、それぞれ1.0〜10の範囲にある。
第1の発明に係る透明板積層体の他の特定の局面では、前記熱可塑性樹脂シートのJIS K 7128に準じて測定された第1、第2、第3の層の引き裂き強度を、それぞれ引き裂き強度(1)、引き裂き強度(2)、引き裂き強度(3)としたときに、引き裂き強度(1)/引き裂き強度(2)及び引き裂き強度(1)/引き裂き強度(3)が、それぞれ1.1以上である。
第1の発明に係る透明板積層体のさらに他の特定の局面では、前記熱可塑性樹脂シートの23℃及び引っ張り歪み速度1250%/分で測定された第1、第2、第3の層の引っ張り弾性率を、それぞれ引っ張り弾性率(1)、引っ張り弾性率(2)、引っ張り弾性率(3)としたときに、引っ張り弾性率(1)/引っ張り弾性率(2)及び引っ張り弾性率(1)/引っ張り弾性率(3)が、それぞれ1.1以上とされている。
第1の発明に係る透明板積層体のさらに別の特定の局面では、前記熱可塑性樹脂シートの23℃及び引っ張り歪み速度1250%/分で測定された第1、第2、第3の層の破断エネルギーを、それぞれ破断エネルギー(1)、破断エネルギー(2)、破断エネルギー(3)としたときに、破断エネルギー(1)/破断エネルギー(2)及び破断エネルギー(1)/破断エネルギー(3)が、それぞれ1.1以上とされている。
第1の発明に係る透明板積層体のさらに他の特定の局面では、前記熱可塑性樹脂シートの23℃及び引っ張り歪み速度1250%/分で測定された第1、第2、第3の層の最大点応力を、それぞれ最大点応力(1)、最大点応力(2)、最大点応力(3)としたときに、最大点応力(1)/最大点応力(2)及び最大点応力(1)/最大点応力(3)が、それぞれ1.0以上である。
第1の発明の透明板積層体のさらに他の局面では、上記第2の層と第3の層の厚みが異ならされている。
第1の発明に係る透明板積層体のさらに他の局面では、該積層体が車両用途ならびに建築物用途に用いられる場合には、一方面側が車外側ならびに屋外側などの外気に接する面側に位置され、他方面側が車外側ならびに屋外側などの外気に接する面側とは反対側に位置される透明板積層体であって、前記第1の透明板が車外側ならびに屋外側などの外気に接する面側に配置され、前記第2の透明板が車外側ならびに屋外側などの外気に接する面側とは反対側に配置される。
第2の発明に係る透明板積層体は、第1の層の片面に第2の層が、他面に第3の層が積
層されている積層構造の熱可塑性樹脂シートが中間膜として第1,第2の透明板間に配置
されている透明板積層体であって、該熱可塑性樹脂シートの第1、第2、第3の層の周波
数10Hzで測定された損失正接の最大値を示す温度T(1)、T(2)、T(3)が、
それぞれT(1)≧T(2)、T(1)≧T(3)であって、かつ、前記第1の透明板の
積層方向外側の面と、前記熱可塑性樹脂シートの第1の層との間の距離をX、前記熱可塑
性樹脂シートの第1の層と前記第2の透明板の積層方向外側の面との間の距離をYとした
ときに、X>Yとされており、前記第2の層と前記第1の透明板との接着力Pと、前記第
3の層と前記第2の透明板との接着力Qとが異ならされており、前記第2,第3の層が、
炭素数4〜6のアルデヒドからなる群から選択された少なくとも1種のアルデヒド(a)
によりポリビニルアルコールをアセタール化してなるポリビニルアセタール樹脂(A)と
可塑剤とを含み、前記第1の層が、炭素数4〜6のアルデヒドからなる群から選択された
少なくとも1種のアルデヒド(a)及び炭素数1〜3のアルデヒドからなる群から選択さ
れた少なくとも1種のアルデヒド(b)によりポリビニルアルコールを共アセタール化す
ることにより得られたポリビニルアセタール樹脂(B)と可塑剤とを含むことを特徴とす
る。
第2の発明の透明板積層体の他の特定の局面では、前記第1の透明板および前記第2の
透明板の少なくとも一方が透明樹脂板からなる。
第2の発明の透明板積層体のさらに他の特定の局面では、前記透明樹脂板が、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリル共重合体樹脂及びポリエステルからなる群から選択された1種により構成されている。
第2の発明の透明板積層体のさらに他の特定の局面では、前記透明樹脂板は透明エラストマーで被覆されている。
第2の発明の透明板積層体のさらに別の特定の局面では、前記第1,第2の透明板がガラス板からなる。
第2の発明に従って構成された透明板積層体は、建築物または車両の開口部を閉成するのに用いられたときに、好ましくは、前記接着力Pと前記接着力Qとの接着力が高い側の面が、前記建築物内側方面または前記車両内側方面に位置するように配置される。
本発明に係る透明板積層体は、車両や建築物に安全ガラスとして用いられる合わせガラスとして好適に利用することができる。この場合、第1,第2の透明板としては、ガラスが好適に用いられる。もっとも、本発明の透明板積層体においては、第1の透明板は、ガラスでなく、透明樹脂板により構成されてもよく、第2の透明板についてもガラスだけでなく、透明樹脂板で構成されてもよい。そして、第1,第2の透明板は、双方が透明樹脂板で構成されてもよい。
第1の発明に係る熱可塑性樹脂を用いた透明板積層体では、第1の層の片面に第2の層が、他面に第3の層が積層されており、第1の層の損失正接の最大値を示す温度が、第2,第3の層が損失正接の最大値を示す温度よりも高い熱可塑性樹脂シートが用いられている。すなわち、中央の第1の層の損失正接の最大値を示す温度が相対的に高くされている。従って、前述した特許文献1の湾曲合わせガラスとは、損失正接の最大値を示す温度の関係が本発明の熱可塑性樹脂シートとでは逆とされている。
損失係数が最大値を示す温度が低い材料により中央の第1層を構成した場合、特許文献1に記載のように遮音性能は高められるが、耐貫通性能においては不利となる。これは、低温温度域において損失正接が最大値を示し、常温付近の損失正接は小さくなるので、耐貫通性能を確保することができないためである。また、高分子材料においては、損失正接の最大値が低温域に存在する材料は、常温から高温の温度域において非常に柔らかくなる傾向があり、耐貫通性能が劣る。反対に、損失正接の最大値が常温から高温域に存在する材料は、常温から高温域において高分子材料が剛性を確保でき、耐貫通性能に優れる。従って、上述の損失正接の最大値を示す温度が常温付近の熱可塑性樹脂層と、損失正接の最大値を示す温度が常温よりも高い温度に存在する熱可塑性樹脂層とを積層することにより、耐貫通性能を高めることができることによる。
第1の発明においては、上記熱可塑性樹脂シートの各層の内、内側に位置される第1の層により耐貫通性能が高められ、しかも第2,第3の層の損失正接の最大値を示す温度が第1の層の損失正接の最大値を示す温度よりも低くされており、すなわち異ならされているため、第2,第3の層が耐貫通性能を高め得る温度域が、第1の層により耐貫通性能が高められる温度域と異なっている。従って、上記熱可塑性樹脂シートを合わせガラスのような透明板積層体の中間膜として用いることにより、広い温度範囲に渡り耐貫通性能に優れた透明板積層体を提供することが可能となる。
さらに、第1の発明において使用される熱可塑性樹脂シートにおいては、第1、第2、第3層の剪断貯蔵弾性率、引き裂き強度、引っ張り弾性率、破断エネルギー、最大点応力を上記特定の範囲とした場合には、耐貫通性をさらに高めることができる。
また、第2の層と第3の層の厚みが異なっている場合には、厚みの異ならせ方によっても、耐貫通性能をより一層広い範囲で適切な大きさに調節することができる。
上記熱可塑性樹脂シートにおいて、第2,第3の層が上記ポリビニルアセタール樹脂(
A)と可塑剤とを含み、内層としての第1の層が上記ポリビニルアセタール樹脂(B)と
可塑剤とを含むので、第2のポリビニルアセタール樹脂(B)は、上記アルデヒド(a)
及びアルデヒド(b)によりポリビニルアルコールを共アセタール化することにより得ら
れたものであるため、アルデヒド(a)由来の重合体ユニットと、アルデヒド(b)によ
るアセタール化により構成された重合体ユニットとを有する。ポリビニルアセタール樹脂
(B)は可塑剤含有量が同量である場合には、ポリビニルアセタール樹脂(A)を用いた
場合よりも剛性が大きく、耐貫通性能への寄与が大きい。従って、第1の層は、第2,第
3の層に比べて常温付近においてより高い耐貫通性能を発現する。また、上記ポリビニル
アセタール樹脂(A)と、ポリビニルアセタール樹脂(B)とでは、耐貫通性能が最大で
ある温度域が異なるため、積層構成体とすることによって、広い温度範囲に渡り、優れた
耐貫通性能を発現する透明板積層体を容易に提供することが可能となる。
第1の発明に係る透明板積層体では、第1の発明の熱可塑性樹脂シートの片面に第1の透明板が、他面に第2の透明板が積層されているため、広い温度範囲に渡り優れた耐貫通性能を発現する透明板積層体を提供することができ、それによって車上荒らし等による盗難を効果的に防止することができる。
また、第1の発明の透明板積層体では、第1の透明板の外側の面と、熱可塑性樹脂シートの第1の層の間の距離をX、熱可塑性樹脂シートの第1の層と、第2の透明板の積層方向外側の面との間の距離をYとしたときに、X>Yとされているため、上記第1の層が車両内部や建築物内部側に寄せられることとなる。他方、第1の層は常温付近において耐貫通性能に優れている。従って、夏場においては、第1の層が空調により常温付近とされている車両内部や建築物内部側に寄せられるため、優れた耐貫通性能が発現され、冬期には、同様に車両の内部等に第1の層が近づけられるため、優れた耐貫通性能を発揮する。
よって、周囲の温度変化に如何に関わらず、優れた耐貫通性能を発現する透明板積層体を容易に提供することができる。
一方面側が車外側ならびに屋外側などの外気に接する面側に位置され、他方面が車外側ならびに屋外側などの外気に接する面側とは反対側に位置される透明板積層体であって、第1の透明板が車外側ならびに屋外側などの外気に接する面側に配置され、第2の透明板が車外側ならびに屋外側などの外気に接する面側とは反対側に配置される場合には、上記と同様に、周囲の温度変化や季節の変化に関わらず、より一層優れた耐貫通性能を発現する透明板積層体を提供することが可能となる。
第2の発明に係る透明板積層体では、第1の層の損失正接の最大値を示す温度が、第2,第3の層が損失正接の最大値を示す温度よりも高い熱可塑性樹脂シートが用いられているため、耐貫通性能に優れている。さらに、第1の透明板の外側の面と、熱可塑性樹脂シートの第1の層の間の距離をX、熱可塑性樹脂シートの第1の層と、第2の透明板の積層方向外側の面との間の距離をYとしたときに、X>Yとされているため、第1の層が空調により常温付近とされている車両内部や建築物内部側に寄せられるため、優れた耐貫通性能が発現される。加えて、第2の層と第1の透明板との接着力Pと、第3の層と第2の透
明板との接着力Qとが異ならされているので、接着力が低い側の透明板と熱可塑性樹脂シートとの間で衝撃エネルギーを十分に吸収することができ、接着力が低い側からの衝撃に対する透明板積層体の耐貫通性に優れている。加えて、透明板積層体が破壊された際に、接着力が高い側の第1の透明板または第2の透明板の破断片が、熱可塑性樹脂シートから剥離し難い。
例えば熱可塑性樹脂シートがガラスなどで挟着されている透明板積層体において、ガラスが破壊された際のガラス片の飛散を少なくするには、ガラスと熱可塑性樹脂シートとの接着力を高めればよい。しかしながら、単に中間膜として用いられている熱可塑性樹脂シートとガラスとの接着力を高めただけでは、合わせガラスとして必要な耐貫通性能が不足し、必要な性能を満足出来ない。よって、第2の発明の透明板積層体では、第1の層の損失正接の最大値を示す温度を、第2,第3の層が損失正接の最大値を示す温度よりも高くし、上記XとYとの関係がX>Yとなるように熱可塑性樹脂シートが構成されているため、十分な耐貫通性能を有するとともに、上述したように接着力Pと接着力Qとを異ならせて、接着力が低い側では衝撃エネルギーに対して十分な吸収性を維持し、破損時のガラス片の飛散をも少なくしている。
また、第1の層が上述したポリビニルアセタール樹脂(B)と可塑剤とを含み、第2、第3の層が上述したポリビニルアセタール樹脂(A)と可塑剤とを含むと、第1の層は、第2,第3の層に比べて常温付近においてより高い耐貫通性能を発現するため、例えば熱可塑性樹脂シートがガラスなどで挟着されている場合にガラスの厚みを薄くしても、熱可塑性樹脂シートにより強度を効果的に確保出来る。よって、従来の強度の低い熱可塑性樹脂シートを用いている場合では達成出来なかったガラスの厚みの薄型化が可能であるため、透明板積層体の軽量化も可能となり、例えば自動車の窓部に用いられると、自動車の燃費を向上できる。
本発明に係る透明板積層体が建築物または車両の開口部を閉成するのに用いられるときに、接着力Pと接着力Qとの接着力が高い側の面が、建築物内側方面または車両内側方面に位置するように配置されると、建築物外側ないしは車両外側からの衝撃に対する透明板積層体の耐貫通性を高めることができる。これは建築物外側方面または車両外側方面において、透明板積層体がより多くの衝撃エネルギーを吸収し得るからである。また、接着力Pと接着力Qとの接着力が高い側の面が、建築物内側方面または車両内側方面に位置するように配置されると、建築物内側ないしは車両内側において、破損時の第1,第2の透明板の破断片の飛散を効果的に防ぐことができる。よって、建築物内の人間もしくは車両内の乗員が飛散したガラス片等により重大な傷害を被り難い。
以下、本発明の具体的に実施形態を説明することによって本発明を明らかにする。
図1は、本発明の一実施形態の透明板積層体で用いられる熱可塑性樹脂シートの断面図であり、図2は本実施形態の透明板積層体としての合わせガラスの断面図である。
本実施形態では、熱可塑性樹脂シート10は、熱可塑性樹脂組成物からなる3つの層を積層した積層体により構成されている。すなわち、内部に第1の層11が配置されており、第1の層の片面に第2の層12が、他面に第3の層13が積層されている。
本実施形態では、第2,第3の層12,13は、炭素数4〜6のアルデヒドからなる群から選択された少なくとも1種のアルデヒド(a)によりポリビニルアルコールをアセタール化してなるポリビニルアセタール樹脂(A)と可塑剤とを含む組成を有する。
上記炭素数4〜6のアルデヒドとしては、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒドなどを挙げることができる。特にn−ブチルアルデヒドが好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂(A)は、これらのアルデヒドから選択された少なくとも1種のアルデヒド(a)によりポリビニルアルコールをアセタール化することにより得られる。
上記ポリビニルアルコールについては好ましくは平均重合度が500〜4500の範囲のポリビニルアルコールが用いられ、より好ましくは1000〜2500のPVAが用いられる。PVAの平均重合度が500未満では、合わせガラスを構成した場合に耐貫通性能が低下することがあり、3000を超えると押出し成形が悪くなり、中間膜の強度が大きくなりすぎ、安全ガラスとして使用できなくなることがある。
上記ポリビニルアセタール樹脂(A)におけるアセタール化度は、40〜70モル%が好ましい。アセタール化度が40モル%未満では、可塑剤との相溶性が悪くなり、可塑剤がブリードアウトする。従って、本発明の熱可塑性樹脂シートからなる中間膜と、ガラスとの接着力が低下するなどの悪影響が生じるおそれがある。アセタール化度が70モル%を超えると、中間膜が柔らかくなりすぎ、十分な耐貫通性能を発現しなくなることがある。
上記可塑剤としては、従来より中間膜用に使用されているものすべてを用いることができ、例えば、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ−2−カプリエート等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。また、熱可塑性樹脂シート10中の第2の層12、第3の層13に用いられる可塑剤としては、互いに種類の異なる可塑剤を用いても、同一の種類の可塑剤を用いてもよい。
上記可塑剤含有量は、ポリビニルアセタール樹脂(A)100重量部に対し、10〜50重量部の割合とすることが好ましい。すなわち、第2,第3の層12,13中、可塑剤含有量は9〜33重量%の範囲とすることが好ましい。9重量%未満では、ポリビニルアセタール樹脂(A)の可塑化が不十分となって成形(製膜)が困難となることがあり、33重量%を超えると得られる中間膜の強度が不十分となったり、ブリードアウトが起こり外観を著しく損なうことがある。
上記第1の層11は、上記アルデヒド(a)と、炭素数1〜3のアルデヒドからなる群から選択された少なくとも1種のアルデヒド(b)とによりポリビニルアルコールを共アセタール化することにより得られた共アセタール化物であるポリビニルアセタール樹脂(B)と可塑剤とを含む。
アルデヒド(a)については、前述したポリビニルアセタール樹脂(A)を得るのに用いたアルデヒド(a)と同様のアルデヒドを用いることができる。
また、アルデヒド(b)としては、炭素数1〜3のアルデヒド、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドを用いることができる。アルデヒド(b)についても2種以上が併用されてもよい。
また、ポリビニルアセタール樹脂(B)を得るためのポリビニルアルコールについても、第1のポリビニルアセタール樹脂を得るのに用いたポリビニルアルコールと同様の平均重合度のものを用いることができる。もっとも、熱可塑性樹脂シート10中の層11は、
熱可塑性樹脂シートを中間膜として用いた場合、内層を構成するため、平均重合度は1700〜2500の範囲のポリビニルアルコールを原料として用いることが望ましい。平均重合度が1700未満では、十分な耐貫通性能を発現しなくなることがあり、2500を超えると樹脂の粘度が上昇するので押し出し成形性が悪くなることがある。
熱可塑性樹脂シート10中の層11に含有される可塑剤としては、前述した層12、13に含有される可塑剤として示したものを用いることができるが、熱可塑性樹脂シート10中の層11に使用した可塑剤と、同一の可塑剤を用いても良いし、種類の異なる可塑剤を用いても良い。
ポリビニルアセタール樹脂(B)に対し、可塑剤は10〜40重量部の割合で配合することが望ましい。すなわち、第1の層11においては、可塑剤は全体の9〜29重量%の割合で配合されることが望ましい。9重量%未満では、ポリビニルアセタール樹脂(B)の可塑化が不十分となって成形(製膜)が困難となることがあり、29重量%を超えると得られる中間膜の強度が不十分となったり、ブリードアウトが起こり、外観を著しく損なうことがある。
熱可塑性樹脂シート10は、第1の層11の片面に第2の層12を、反対面に第3の層13を積層した構成を有するが、この製造方法は特に限定されず、押出成形機を用いて第1〜第3の層11〜13を構成する樹脂をそれぞれ供給し、共押出する方法等の適宜の方法を用いることができる。
ところで、本実施形態では、第1の層11の損失正接が最大値を示す温度をT1、第2
,第3の層12,13の損失正接が最大値を示す温度をそれぞれ、T2,T3とした時に、T1>T2かつT1>T3とされている。
ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む熱可塑性樹脂組成物からなるシートを合わせガラスの中間膜として用いた場合、耐貫通性能を高めることが求められる。しかしながら、熱可塑性樹脂シートを中間膜として用いた場合の合わせガラスの耐貫通性能は、熱可塑性樹脂シートの主成分である高分子の特性上、広い温度範囲に渡り高めることは非常に困難である。例えば、比較的低い温度域は、熱可塑性樹脂シートが固くなり、脆くなり、従って耐貫通性能が低下するおそれがあり、逆に高温域においては柔らかくなりすぎ、やはり耐貫通性能が低下するおそれがある。
そこで、本実施形態の熱可塑性樹脂シート10では、内層の第1の層11の特性と、外層である第2,第3の層12,13の特性を異ならせることにより、温度依存性が低められている。もっとも、単に特性の異なる複数の層を積層しただけでは、十分な耐貫通性能を発現させることはできない。
そこで、本実施形態では、第1の層11の損失正接の最大値を示す温度が、第2,第3の層12,13の損失正接が最大値を示す温度よりも高くされており、それによって合わせガラスを構成した場合の耐貫通性能の温度依存性を小さくするだけでなく、優れた耐貫通性能が発現される。内層として用いられる上記ポリビニルアセタール樹脂(B)は、アルデヒド(a)由来の重合体ユニットと、アルデヒド(b)によるアセタール化に由来する重合体ユニットとを有し、そのため常温すなわち20℃付近における耐貫通性能に優れているという特徴を有する。他方、第2,第3の層12,13に用いられているポリビニルアセタール樹脂(A)と可塑剤とを含む組成は、第1の層11よりも低い温度に耐貫通性能のピークを有する。従って、上記第1の層11の両面に第2,第3の層12,13が積層された構造では、常温から常温よりも低い温度の広い範囲においても、優れた耐貫通性能が発現される。
加えて、本実施形態では、図2に示すように、外気にさらされる側に配置される第1のガラス21側に、上記第2の層12が位置し、車両の車内側に配置される第2のガラス22側に第3の層13が位置するように熱可塑性樹脂シート10を用いることにより、より一層広い温度範囲に渡り優れた耐貫通性能を発現させることができる。
この理由を、図2を参照して説明する。
合わせガラス20では、外気にさらされるガラス21の外側表面21aと第1の層11までの距離をXとし、内層である第1の層11と、第2のガラス22の積層方向外側の面22aまでの距離をYとした場合、X>Yとなる。なお、ガラス21,22の厚みは、図2では異ならされているが、等しくともよく、いずれにしても、X>Yを満たすように、ガラス21,22の厚み、熱可塑性樹脂シート10における第2、第3の層12、層13の厚みも選ばれる。
従って、熱可塑性樹脂シート10のうち第1の層11が、合わせガラス20の厚み方向中心よりも車両内部側に位置されることになる。他方、第1の層11による耐貫通性能は、20〜30℃の常温付近において優れている。従って、夏場には外気気温が高く、第1のガラス21側の温度が上がったとしても、第1の層11は、車両内部の温度調節された常温付近の影響を受け易いため、優れた耐貫通性能を発現する。他方、冬場には、やはり車両内部は常温付近に暖房により温度調節されているため、第1の層11により高い耐貫通性能が発現される。よって、合わせガラス20は、夏期及び冬期のいずれにおいても、良好な耐貫通性能を発現する。
もっとも、本発明の透明板積層体は、上記実施形態の構造に限定されるものではない。すなわち、第2の層12の厚みと第3の層13の厚みは等しくてもよい。また、合わせガラスが配置される用途によっては、第2の層12の厚みと、第3層13の厚みは、上記実施形態の場合とは逆とされていてもよい。さらに、第1のガラス21及び第2のガラス22の厚みについても、両者は等しくともよく、逆に第2のガラス22側の厚みが薄くともよい。また、上記実施形態では、第1,第2のガラス21,22を用いて合わせガラス20が構成されていたが、ガラスに代えて透明樹脂板を用いてもよい。
また、本発明の透明板積層体が合わせガラスである場合は、少なくとも1枚のガラス板が、有色透明ガラスであることが好ましい。有色透明ガラスとしてはグリーン色ソーダライムシリカガラスなどが一般的に用いられる。有色透明ガラスとすることで、可視光線中の特定の波長光を吸収することができるため、車両内部の乗員が、太陽光により皮膚が刺激されて不快感を覚えるのを低減することができる。
すなわち、本発明の透明板積層体では、第1,第2の透明板として、透明樹脂板を用いてもよい。上記透明樹脂板としては、特に限定されないが、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリル共重合体樹脂、及びポリエステルからなる群から選択された1種を好適に用いることができる。また、透明樹脂板は、透明エラストマーで被覆されていてもよい。
(含有させ得る他の成分)
熱可塑性樹脂シートと第1,第2の透明板との接着力を調節する目的で、上記第1、第2、第3の層には、構成成分として、カルボン酸金属塩、変性シリコーンオイル等の他の成分を添加することができる。
第2の発明では、上述したように第1の透明樹脂板と第2の層との間の接着力、第2の透明樹脂板と第3の層との間の接着力が異ならされている。
接着力を調整する方法としては、第1〜第3の層において、上記ポリビニルアセタール樹脂(A)中の水酸基量を減少させる方法、カルボン酸金属塩、変性シリコーンオイルなどの添加剤種類を変更する方法、カルボン酸金属塩、変性シリコーンオイルなどの添加剤の添加量を変更する方法、ガラスの表面をシランカップリング剤などで処理することにより接着力を改善する方法などが挙げられる。このうち、カルボン酸金属塩、変性シリコーンオイルなどの添加剤の添加量を変更する方法が最も容易に実施出来る方法である。
上記カルボン酸金属塩としては、炭素数12以下の脂肪族モノカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩が好ましく、金属成分としてはMg、Na、K等、カルボン酸としては酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸等がそれぞれ挙げられる。上記好ましいカルボン酸金属塩としては、例えば、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、プロピオン酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム等が挙げられ、中でも酢酸カリウム、酢酸マグネシウムが好ましい。
上記変性シリコーンオイルとしては、例えば、エーテル変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エステル変性シリコーンオイル、アミン変性シリコーンオイル、アルカリ変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらは、一般にポリシロキサンに変性すべき化合物を反応させて得られる粘稠な液体である。
また、第1〜第3の層の構成成分として、必要に応じて、従来公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料、染料等が添加されてもよい。
本発明では、透明板積層体が建築物または車両の開口部を閉成するのに用いられるときに、第2の層と第1の透明板との接着力Pと、第3の層と第2の透明板との接着力Qが高い側の面が、好ましくは建築物内側方面または車両内側方面に位置するように配置される。このように設置することで、建築物外側ないしは車両外側からの衝撃に対する透明板積層体の耐貫通性を高めることができる。これは、建築物外側方面または車両外側方面において、より多くの衝撃エネルギーを吸収することができるからである。さらに、積層体が破壊された際に、熱可塑性樹脂シートから剥離した第1,第2の透明板の破断片が、建築物内側ないしは車両内側に飛散するのを防ぐこともできる。
次に、具体的な実施例につき説明する。
(実施例1)
重合度1700のポリビニルアルコールをブチルアルデヒドでアセタール化してなるPVB(平均重合度1700、ブチラール化度68.5モル%、残存アセチル基0.7モル%)100重量部に、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部、接着力調整剤として酢酸マグネシウム/2−エチル酪酸マグネシウム混合物を樹脂組成物全量に対してマグネシウム量が50ppmになるように添加・混合し、第2、第3の層12、13を形成するための樹脂を調製した。
別途、重合度2000のポリビニルアルコールをアセトアルデヒド及びブチルアルデヒドを用いて共アセタール化することにより得られたPVB(平均重合度2000、全アセタール化度69.5モル%、残存アセチル基1.3モル%、アセトアルデヒドによるアセタール化度37.8モル%、ブチルアルデヒドによるアセタール化度31.8モル%)100重量部に対し、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)30重量部を混合し、第1の層11を形成するための樹脂を調製した。
多層押出し成形機に、上記第1,第2、第3の樹脂を供給し、一体成形することにより
、第1の外層(層12)/内層(層11)/第2の外層(層13)の3層構造の厚さ0.75mmの熱可塑性樹脂シート10を得た。
得られた0.75mmの3層構成の熱可塑性樹脂シート10を用いて、ガラス厚みを層12側に4.0mmフロートガラス、層13側に2.0mmフロートガラスを用いて挟み込み、ニッパーロールにて予備圧着を実施した後、オートクレーブに該合わせガラスを入れ、140℃、13気圧条件下で処理して合わせガラスを完成した。
また、上記層12、13を形成している組成で、0.93mmの厚みのシートを成形し、該シートの23℃における剪断貯蔵弾性率、損失正接、引き裂き強度、破断エネルギー、最大点応力、及び引っ張り弾性率を下記の要領で評価した。
同様に、層11を形成している組成で1.02mmのシートを別途用意し、同様に、23℃における剪断貯蔵弾性率、損失正接、引き裂き強度、破断エネルギー、最大点応力及び引っ張り弾性率を求めた。
(a)23℃における剪断貯蔵弾性率の測定
(b)23℃における損失正接、損失正接ピーク温度及び損失正接0.5以上の温度域の測定
動的粘弾性試験機で設定歪み量0.08%、測定周波数10Hzにて剪断歪みを与え、−50℃から3℃/分で150℃まで昇温しながら各温度における剪断貯蔵弾性率を測定し、23℃における数値を、23℃における剪断貯蔵弾性率、損失正接とした。
(c)引き裂き強度
JIS K 7128に指定された方法に準拠し、引っ張り速度500mm/分で測定を行った。
(d)破断エネルギー
(e)最大点応力
(f)引っ張り弾性率
熱可塑性樹脂シートを幅10mm、長さ8cmの試験片に切断し、引っ張り試験機にチャック間距離40mmで試験片を取り付け、引っ張り速度500mm/分(引っ張り歪み速度1250%/分)で引っ張り試験を行った。得られた応力−歪み曲線より、破断エネルギー最大点応力、引っ張り弾性率をもとめた。
また、上記のようにして得られた厚み0.75mmの本実施例の構成、並びに上記と同様にして測定された23℃における剪断貯蔵弾性率、損失正接、引き裂き強度比、破断エネルギー比、最大点応力比、引っ張り弾性率比、下記の表2〜4に示す。なお、引き裂き強度比、破断エネルギー比、最大点応力比、引っ張り弾性率比は、いずれも層11のシートにおける値の、層12、層13における値に対する比すなわち層(11)/層(12)または、層(11)/層(13)である。
上記のようにして得られた熱可塑性樹脂シートについて、以下の要領で耐貫通性能を評価するため落球試験、熱可塑性樹脂シートとガラスとの接着力を評価するためパンメル試験を行った。
(g)落球試験
JIS R 3212に準拠して測定した。すなわち、質量2260±20g、直径約82mmの鋼球を、層12側の合わせガラス表面温度を50℃、層13側の合わせガラス表面温度が20℃で4時間以上保管された約300×300mmの面積の合わせガラスの
サンプル上に、種々の高さから該サンプルの中心部分に落下させることにより行われる。落球試験は、層12側のガラス表面側に鋼球を落下させ、鉄球が50%貫通しない高さを合格とし、その高さを耐貫通性能(MBH)とした。
(h)パンメル試験
合わせガラス積層体を−18℃に冷却し、金属基体上に置き、そして500gの重さのハンマーで粉砕する。この時に、熱可塑性樹脂シートから剥離するガラスの量に相応して、0(接着力無し)と10(完全な接着力)との間のパンメル値で積層体を評価する。下記表1にパンメル値と膜の露出度(%)との関係を示す。試験の詳細は、英国特許第1,093,864号に説明されている。なお、パンメル値が大きいほど、熱可塑性樹脂シートとガラスとの接着力が大きく、パンメル値が小さいほど、熱可塑性樹脂シートとガラスとの接着力が小さい。すなわち、膜の露出度が低い方が、合わせガラスへの衝撃が付与された時に危険なガラス片の剥離・飛散量が少なく、車両などの乗員に対してより安全であることを示している。
なお、本明細書においては、パンメル値が異なるとき接着力は異なり、パンメル値が同じであるとき接着力は同一であるとする。
Figure 0004633495
(実施例2〜6)
下記の表2〜4に示すように、層11及び層12、13の構成を変更したこと、合わせガラス保管時の層12、層13側の合わせガラス表面温度を変更したこと以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂シートを得、評価した。結果を表2〜4に示す。
(実施例7)
含有させるマグネシウム量を変更した厚さ0.188mmの第2第3の層12,13と、厚さ0.375mmの第1の層11とを別々に製造した。得られた3種類の層11〜13を積層して層12/層11/層13構成とし、プレス機にて加熱圧着を行い0.75mmの3層構成の熱可塑性樹脂シートを得た。合わせガラスとしては、層12側に厚み4.0mmのフロートガラス、層13側に厚み2.0mmのフロートガラスを用いた。合わせガラスの製造方法、構成については実施例1と同様の方法で実施した。
落球試験では、熱可塑性樹脂シートとガラスとの接着力が高い側および低い側の両側の
面からそれぞれ鋼球を当て、試験を実施したこと以外は実施例1と同様に評価した。結果を表2〜4に示す。
(比較例1)
下記の表2〜4に示すように、層12側のガラス厚みを2.0mm、層13側のガラス厚みを4.0mmとしたこと以外は、実施例1と同様の組成、プロセスで合わせガラスを作成し、落球試験により評価を行った。
(比較例2〜6)
下記の表2〜4に示すように、層11及び層12、13の構成を変更したこと、合わせガラス保管時の層12、層13側の合わせガラス表面温度を変更したこと以外は、比較例1と同様にして熱可塑性樹脂シートを得、評価した。結果を表2〜4に示す。
Figure 0004633495
Figure 0004633495
Figure 0004633495
本発明の一実施形態に係る熱可塑性樹脂シートの断面図。 図1に示した実施形態の熱可塑性樹脂シートを用いて構成された合わせガラスを示す断面図。
符号の説明
10…熱可塑性樹脂シート
11…第1の層
12…第2の層
13…第3の層
20…合わせガラス
21…第1のガラス
22…第2のガラス
21a,22a…面

Claims (14)

  1. 第1の層の片面に第2の層が、他面に第3の層が積層されている積層構造の熱可塑性樹
    脂シートが中間膜として第1,第2の透明板間に配置されている透明板積層体であって、
    該熱可塑性樹脂シートの第1、第2、第3の層の周波数10Hzで測定された損失正接の
    最大値を示す温度T(1)、T(2)、T(3)が、それぞれT(1)≧T(2)、T(
    1)≧T(3)であって、かつ、前記第1の透明板の積層方向外側の面と、前記熱可塑性
    樹脂シートの第1の層との間の距離をX、前記熱可塑性樹脂シートの第1の層と前記第2
    の透明板の積層方向外側の面との間の距離をYとしたときに、X>Yとされており、
    前記第2,第3の層が、炭素数4〜6のアルデヒドからなる群から選択された少なくと
    も1種のアルデヒド(a)によりポリビニルアルコールをアセタール化してなるポリビニ
    ルアセタール樹脂(A)と可塑剤とを含み、前記第1の層が、炭素数4〜6のアルデヒド
    からなる群から選択された少なくとも1種のアルデヒド(a)及び炭素数1〜3のアルデ
    ヒドからなる群から選択された少なくとも1種のアルデヒド(b)によりポリビニルアル
    コールを共アセタール化することにより得られたポリビニルアセタール樹脂(B)と可塑
    剤とを含むことを特徴とする透明板積層体。
  2. 前記熱可塑性樹脂シートの23℃及び10Hzにおける第1、第2、第3の層の剪断貯
    蔵弾性率を、それぞれG(1)、G(2)、G(3)としたときに、G(1)/G(2)
    及びG(1)/G(3)が、それぞれ1.0〜10の範囲にあることを特徴とする請求項
    1に記載の透明板積層体。
  3. 前記熱可塑性樹脂シートのJIS K 7128に準じて測定された第1、第2、第3
    の層の引き裂き強度を、それぞれ引き裂き強度(1)、引き裂き強度(2)、引き裂き強
    度(3)としたときに、引き裂き強度(1)/引き裂き強度(2)及び引き裂き強度(1
    )/引き裂き強度(3)が、それぞれ1.1以上であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の透明板積層体。
  4. 前記熱可塑性樹脂シートの23℃及び引っ張り歪み速度1250%/分で測定された第
    1、第2、第3の層の引っ張り弾性率を、それぞれ引っ張り弾性率(1)、引っ張り弾性
    率(2)、引っ張り弾性率(3)としたときに、引っ張り弾性率(1)/引っ張り弾性率
    (2)及び引っ張り弾性率(1)/引っ張り弾性率(3)が、それぞれ1.1以上である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明板積層体。
  5. 前記熱可塑性樹脂シートの23℃及び引っ張り歪み速度1250%/分で測定された第
    1、第2、第3の層の破断エネルギーを、それぞれ破断エネルギー(1)、破断エネルギ
    ー(2)、破断エネルギー(3)としたときに、破断エネルギー(1)/破断エネルギー
    (2)及び破断エネルギー(1)/破断エネルギー(3)が、それぞれ1.1以上である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明板積層体。
  6. 前記熱可塑性樹脂シートの23℃及び引っ張り歪み速度1250%/分で測定された第
    1、第2、第3の層の最大点応力を、それぞれ最大点応力(1)、最大点応力(2)、最
    大点応力(3)としたときに、最大点応力(1)/最大点応力(2)及び最大点応力(1
    )/最大点応力(3)が、それぞれ1.0以上であることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか1項に記載の透明板積層体。
  7. 前記熱可塑性樹脂シートにおいて、第2の層と第3の層の厚みが異なっている請求項1
    〜6のいずれか1項に記載の透明板積層体。
  8. 一方面側が外気にさらされ、他方面側が外気にさらされる側とは反対側に位置される透
    明板積層体であって、前記第1の透明板が外気にさらされる側に配置され、前記第2の透
    明板が外気とは反対側に用いられることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載
    の透明板積層体。
  9. 第1の層の片面に第2の層が、他面に第3の層が積層されている積層構造の熱可塑性樹
    脂シートが中間膜として第1,第2の透明板間に配置されている透明板積層体であって、
    該熱可塑性樹脂シートの第1、第2、第3の層の周波数10Hzで測定された損失正接の
    最大値を示す温度T(1)、T(2)、T(3)が、それぞれT(1)≧T(2)、T(
    1)≧T(3)であって、かつ、前記第1の透明板の積層方向外側の面と、前記熱可塑性
    樹脂シートの第1の層との間の距離をX、前記熱可塑性樹脂シートの第1の層と前記第2
    の透明板の積層方向外側の面との間の距離をYとしたときに、X>Yとされており、前記
    第2の層と前記第1の透明板との接着力Pと、前記第3の層と前記第2の透明板との接着
    力Qとが異ならされており、
    前記第2,第3の層が、炭素数4〜6のアルデヒドからなる群から選択された少なくと
    も1種のアルデヒド(a)によりポリビニルアルコールをアセタール化してなるポリビニ
    ルアセタール樹脂(A)と可塑剤とを含み、前記第1の層が、炭素数4〜6のアルデヒド
    からなる群から選択された少なくとも1種のアルデヒド(a)及び炭素数1〜3のアルデ
    ヒドからなる群から選択された少なくとも1種のアルデヒド(b)によりポリビニルアル
    コールを共アセタール化することにより得られたポリビニルアセタール樹脂(B)と可塑
    剤とを含むことを特徴とする、透明板積層体。
  10. 前記第1の透明板および前記第2の透明板の少なくとも一方が透明樹脂板からなる、請
    求項に記載の透明板積層体。
  11. 前記透明樹脂板が、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリル共重合体樹脂及びポリ
    エステルからなる群から選択された1種により構成されている、請求項10に記載の透明
    板積層体。
  12. 前記透明樹脂板が透明エラストマーで被覆されている、請求項10または11に記載の
    透明板積層体。
  13. 前記第1,第2の透明板がガラス板からなる、請求項に記載の透明板積層体。
  14. 請求項9〜13のいずれか1項に記載の透明板積層体を用いて、建築物または車両の開
    口部を閉成する方法であって、前記接着力Pと前記接着力Qとの接着力が高い側の面が、
    前記建築物内側方面または前記車両内側方面に位置するように前記透明板積層体を配置
    て、建築物または車両の開口部を閉成することを特徴とする、透明板積層体を用いた建築
    物または車両の開口部の閉成方法
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