JP4633367B2 - 抗ヘリコバクター・ピロリ剤 - Google Patents

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本発明は、抗ヘリコバクター・ピロリ剤、ヘリコバクター・ピロリ菌が原因の胃又は十二指腸潰瘍に対する予防剤及び治療剤に関するものである。
微好気性グラム陰性螺旋状短桿菌であるヘリコバクター・ピロリ菌(Helicobacter pylori、以下、ピロリ菌と表記する)は、1983年にウォーレン(Warren J. R.)とマーシャル(Marshall B. J.)により初めて報告され(非特許文献1参照)、慢性胃炎患者の胃粘膜より分離された細菌である。ピロリ菌の感染は、胃炎を惹起するとともに、胃及び十二指腸潰瘍の再発因子もしくは治癒遷延因子として作用することが明らかとなっている。ピロリ菌感染が胃癌のリスクファクターとなることも報告され、1994年WHO(World Health Organization)によりピロリ菌が胃癌のdefinite carcinogen group1(胃癌確実因子グループ1)に入ることが認定されている。日本では、ピロリ菌感染が高率に起きていることが知られており、50歳以上の年代の感染率は70%を超えていると言われている。また、ピロリ菌保菌者は国内に6,000万人といわれ、うち数パーセントが胃潰瘍などを起こしているとされている。
通常、1年後に70〜80%が再発すると言われている胃十二指腸潰瘍の再発率が、ピロリ菌を除菌すると、0〜30%程度に激減することが報告されており、ピロリ菌の除菌は胃十二指腸潰瘍の治療方法としては、非常に有効な方法であると言うことができる。
除菌治療は2000年11月から、胃潰瘍・十二指腸潰瘍患者に限って保険適用となり、プロトンポンプ阻害薬(オメプラゾール又はランソプラゾール)と2種類の抗菌薬(アモキシシリンとクラリスロマイシン)の合計3剤を朝、夕の2回に分けて1週間服用する3剤併用療法を使用することとなっている。これによる除菌率は従来、90%程度とされていた。しかしながら、最近では抗生物質で死なない耐性菌が増え、保険適用されている3種類の薬の組み合わせでは患者の半数程度しか除菌できないことが複数の医療機関の調査で明らかとなっている。また、除菌治療が適切でないと、さらに耐性菌が増える恐れがあると言われている。これら3剤併用療法においては副作用が出ることがあり、下痢、腹痛、口内炎、味覚障害、肝障害等が主なものであり、症状の程度により内服を中断せざるを得ない場合がある。また、除菌後、胃酸分泌が良好となるため、逆流性食道炎の悪化、胸焼け等を起こすこともある。
一方、ピロリ菌に対する新たな抗菌剤を天然素材に求める研究も盛んに行われ、例えばフコイダンを含有するモズク抽出物(特許文献1参照)、ソウグス、ウコン、オオバコなどの植物からの抽出物(特許文献2参照)、ニンニクの油溶性画分(特許文献3参照)及びカカオマス中に含まれるココア分(特許文献4参照)などを有効成分とするものが提案されている。
THE LANCET, Volume321, Issue8336, pages1273-1275 (1983) (Elsevier Science Ltd.発行) 特許第3403496号公報 特開平11−1429号公報 特許第3249778号公報 特許第3110020号公報
ピロリ菌を除菌することは、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療方法としては、非常に有効であることは間違いがない。しかしながら、耐性菌の出現や副作用の問題などから、現在保険適用されているような除菌方法では、十分な治療効果を得られているとは考えにくく、安全な治療方法が望まれている。更に、飲食品として経口摂取することができれば、通院や入院といった苦痛を強いられないため、そのような簡便で安全性の高い抗菌剤が望まれていた。
本発明は、上記のような副作用や耐性菌の発現がなく、安全にピロリ菌を除菌することができる抗ヘリコバクター・ピロリ剤、ピロリ菌を原因とする胃又は十二指腸潰瘍に対する予防剤及び治療剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、芋類の抽出物が副作用や耐性菌等の発現なくピロリ菌を除菌できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の第一は、こんにゃく芋又はじゃが芋から有機溶媒及び/又は超臨界二酸化炭素により抽出される抽出物を有効成分とする抗ヘリコバクター・ピロリ剤を要旨とするものである。本発明の第二は、こんにゃく芋又はじゃが芋から有機溶媒及び/又は超臨界二酸化炭素により抽出される抽出物を有効成分とする、ヘリコバクター・ピロリ菌を原因とする胃又は十二指腸潰瘍に対する予防剤及び治療剤を要旨とするものである。
本発明によれば、ピロリ菌に対して優れた増殖抑制作用を有するとともに、芋類という従来から食品として食している原料から抽出したものであるため、安全性が高く、更に耐性菌の発現や副作用などの発生をなくすことができる。従って、ピロリ菌によって引き起こされる胃炎・十二指腸潰瘍などの治療や予防に最適な医薬品、食品となる。
また、芋類から抽出するという簡単な方法により製造することができるため、経済性にも優れるものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で抽出原料として使用する芋類は、こんにゃく芋、じゃが芋であることが必要であり、安全性の面からは食用に供されている食経験のある芋類を用いることが好ましい。また、使用する芋類はそのままでも良いし、乾燥、すりつぶし、加熱などの操作によって加工されていてもよい。これらの中で好ましい芋類の例としてはこんにゃく芋が挙げられ、特にこんにゃく製造時に大量に発生し、安価に入手できるこんにゃくトビ粉を使用することが好ましい。
本発明で抽出溶媒として使用する有機溶媒としては、本発明の効果を損なうものでなければいかなるものでも使用できる。また、一種類の溶媒を単独で用いても複数の溶媒を混合して用いてもよい。かかる有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどの多価アルコール、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ペンタン、石油エーテルなどの脂肪族炭化水素類、トルエンなどの芳香族炭化水素類、ポリエチレングリコールなどのポリエーテル類、ピリジン類、アセトニトリルなどが挙げられる。これらの中で好ましい例としては、メタノール、エタノール、ヘキサン、アセトンが挙げられ、特に好ましい例としては残留しても問題とならないエタノールが挙げられる。また、これらの有機溶媒で抽出する際には抽出効率をあげるために例えば水、界面活性剤などの添加物を本発明の効果を損なわない範囲で加えることができる。
水の添加量としては、有機溶媒に対して、0.001倍量から2倍量が好ましく、界面活性剤の添加量としては、水に対して0.00001倍量から0.1倍量が好ましい。
添加する界面活性剤としては、本発明の効果を損なうものでなければいかなるものでも使用できる。例えば、天然の界面活性剤であるサポニン、レシチン(水酸化レシチン、水添レシチン)、カゼインや、合成界面活性剤であるグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどを用いることができる。
抽出に使用する有機溶媒の量は、原料となる芋類に対して質量として1〜30倍量程度、望ましくは1〜10倍量程度がよい。溶媒の使用量がこの範囲以下であれば、原料全体に溶媒が行き渡らず、抽出が不十分になる恐れがあり、この範囲を超える量の溶媒を添加してももはや抽出量に影響はなく、後の濃縮工程での溶媒除去作業の負担が増えるのみである。
抽出温度は、使用する溶媒の沸点にもよるが、好ましくは、0℃から80℃、さらに好ましくは室温程度から60℃の範囲がよい。抽出温度がこの範囲以下であれば、抽出効率が低下し、この範囲以上の温度をかけても抽出効率に大きな影響はなく、いたずらにエネルギー使用量が増えるのみである。
抽出時間は、1〜48時間、好ましくは2〜20時間である。抽出時間がこの範囲より短いと、十分に抽出が行われず、この範囲を超えていたずらに長く時間をかけて抽出を行っても、もはや抽出量の増大は見込めない。
なお、抽出操作は1回のみの回分操作に限定されるものではない。抽出後の残渣に再度新鮮な溶媒を添加し、抽出操作を施すこともできるし、抽出溶媒を複数回抽出原料に接触させることも可能である。すなわち、抽出操作としては、回分操作、半連続操作、向流多段接触操作のいずれの方式も使用可能である。また、ソックスレー抽出など公知の抽出方法を使用してもよい。
本発明において、芋類から抽出物を得るためには、前記した有機溶媒による抽出方法の他に、超臨界二酸化炭素を用いることもできる。ここで使用する超臨界二酸化炭素とは、温度31℃以上、圧力74kg/cm以上の臨界状態、及びこの温度、圧力に近い亜臨界状態にある二酸化炭素をいう。超臨界二酸化炭素を用いて抽出を行う際は、超臨界二酸化炭素を単独で用いてもよいし、有機溶媒や水を混合してもよい。
超臨界二酸化炭素と併用することのできる有機溶媒としては、本発明の効果を損なわない限りいかなるものも使用できるが、エタノール、アセトン、ヘキサンなどが好ましい。超臨界二酸化炭素を用いた抽出においては抽出効率が向上するため、抽出時間は前記の有機溶媒を単独で用いたときよりも短縮できる。抽出時間は、5分〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。
本発明においては、芋類から有機溶媒及び/又は超臨界二酸化炭素により抽出操作を行った後、抽出残渣を分離除去する。分離の方法は特に限定されず、例えば吸引ろ過、フィルタープレス、シリンダープレス、デカンター、遠心分離器、ろ過遠心機などの公知の方法を用いることができる。
得られた抽出液は濃縮工程に送られる。濃縮方法は特に限定されず、例えばエバポレーターのような減圧濃縮装置や加熱による溶媒除去などにより、濃縮することができる。
本発明の抗ヘリコバクター・ピロリ剤、胃・十二指腸潰瘍に対する予防剤及び治療剤、該潰瘍の予防用飲食品は、上記のようにして得られた抽出物をそのまま使用することもできるが、引き続いて処理することにより不純物類を取り除くことが、より効果を増大させることができるため好ましい。不純物の除去方法としては、例えば水洗浄、有機溶媒洗浄、シリカゲルカラムや樹脂カラム、逆相カラムなどを通す方法、活性炭処理、極性の異なる溶媒による分配、再結晶法、真空蒸留法などが挙げられる。
本発明の抗ヘリコバクター・ピロリ剤又は胃・十二指腸潰瘍に対する予防剤及び治療剤を経口摂取する方法は、上記のようにして得られた抽出物を単独でそのまま摂取してもよいし、必要に応じて溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を加えて、粉末、錠剤、顆粒、カプセル剤、ゲル、ソフトカプセル剤、ペースト、シロップ、懸濁液、乳化液、ドリンク剤などに加工して摂取しても良い。
本発明の抗ヘリコバクター・ピロリ剤、胃・十二指腸潰瘍に対する予防剤及び治療剤は、食品として食している芋類から抽出したものであるため、安全性が高く、医薬品形態又は食品形態として流通が可能である。これらを経口摂取する場合の投与量は、特に限定されないが、用法、年齢、性別、疾患の程度に応じて適時選択すればよい。好ましい例としては、成人1日当りの投与量が、1mg以上100g以下であり、摂取する頻度は限定されないが、3日に1回から1日10回程度の頻度で継続して摂取することが好ましい。1日当りの抗菌剤の摂取量が1mgより少ない場合は、十分に効果が発現しない可能性があり、100g以上摂取してももはや効果が上がるものではない。
本発明の抗ヘリコバクター・ピロリ剤、又は胃・十二指腸潰瘍に対する予防剤及び治療剤を使用する際には、効果を促進するためにビタミン類や抗生物質、抗潰瘍剤、プロトンポンプ阻害剤、抗原虫剤などと併用することもできるし、また本発明の抗ヘリコバクター・ピロリ剤、又は胃・十二指腸潰瘍に対する予防剤及び治療剤に、これらの薬剤を加えることもできる。これらの割合は本発明の効果を妨げない限り限定されない。また、飲食品として使用する場合には、その他のヘリコバクター・ピロリ抗菌剤、又はヘリコバクター・ピロリ感染予防剤又は治療剤として使用されている食品素材を加えることができる。それらの例としては、ココア、マスティック、月見草エキス、甘草エキス、ポリフェノール類、乳酸菌(ヨーグルト)、ブロッコリースプラウト、はちみつ、プロポリス、わさび(葉)、シナモン、クランベリー(こけもも)、海藻類、フコイダン、抗ピロリ菌ウレアーゼIgYなどが挙げられる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
参考例1
こんにゃくトビ粉1kgを攪拌槽に仕込み、そこにエタノール2Lを加え、常温で2時間攪拌した。その後、ろ過により抽出液と残渣を分離した。抽出液をエバポレーターにより濃縮し、茶褐色の蝋状濃縮物10.7gを得た。
このこんにゃくトビ粉抽出物10.7gを40mLのエタノールに溶解させ、90mLの水中に撹拌しながら導入し、そのまま分散状態で撹拌した。30分経過後、塩化ナトリウム20gを導入し、更に10分間撹拌した。その後、撹拌を止め、容器を加熱して沸騰状態のまま、1時間放置した。その後、加熱を止め静置し、上部に黒褐色の油層と、下部に黄色透明な水層に分離していることが確認できた時点で、下部の水層を除去し、上部の油層をエバポレーターで濃縮乾固した。再度、この撹拌、加熱、分離を繰り返したところ、得られた抽出物の重量は、6.3gであった。
実施例1
ヘリコバクター・ピロリ増殖用液体培地(10%fetal calf serum (FCS)添加Brucella broth (Gibco社製))にてヘリコバクター・ピロリ菌5菌株(臨床分離株TK1029株、TK1402株、TK2093株、KR2007株、KR2009株)を37℃、24時間前培養を行った。参考例1で調製したこんにゃく芋抽出物を各濃度(終濃度0.0007%〜0.05%)含有10%FCS添加Brucella agar plateで37℃、48時間微好気培養した。菌の増殖を抑制する最終濃度をもって、こんにゃく芋抽出物の最小発育阻止濃度(Minimum Inhibitory Concentration : MIC)とした。その結果を表1に示す。
Figure 0004633367
表1の結果は、こんにゃく芋抽出物がピロリ菌に直接作用して増殖抑制効果を発揮していることを示している。本発明におけるこんにゃく芋抽出物のピロリ菌5菌株に対する最小発育阻止濃度は、0.003125%であった。
参考例2
じゃが芋の皮を乾燥したものを粉砕し、その10kgを攪拌槽に仕込み、そこにエタノール20Lを加え、常温で2時間攪拌した。その後、ろ過により抽出液と残渣を分離した。抽出液をエバポレーターにより濃縮し、茶褐色の蝋状濃縮物72.2gを得た。
このじゃが芋抽出物72.2gに対して、アセトン400mLを加え、40℃で抽出した後、抽出液を−20℃で冷アセトン沈殿させて沈殿した画分を、乾燥させたところ、48.2gの抽出物が得られた。
実施例2
実施例1と同様にして、参考例2で調製したじゃが芋抽出物を各濃度(終濃度0.0007%〜0.05%)含有10%FCS添加Brucella agar plateで37℃、48時間微好気培養した。菌の増殖を抑制する最終濃度をもって、じゃが芋抽出物の最小発育阻止濃度とした。その結果を表2に示す。
Figure 0004633367
表2の結果は、じゃが芋抽出物がピロリ菌に直接作用して増殖抑制効果を発揮していることを示している。本発明におけるじゃが芋抽出物のピロリ菌5菌株に対する最小発育阻止濃度は、0.00625%であった。
参考例3
こんにゃくトビ粉20gをステンレス製抽出容器に仕込み、油分抽出システムSCF−Get(日本分光株式会社製)を用いて二酸化炭素流量3ml/分、エタノール流量0.3ml/分の条件で、40℃、25MPaで、2時間超臨界抽出を行った。その結果、抽出液17.3mlが得られた。この抽出液をロータリーエバポレーターにて濃縮乾固すると、褐色抽出物0.16gが得られた。
実施例3
実施例1と同様にして、参考例3で調製したこんにゃく芋超臨界CO抽出物を各濃度(終濃度0.0007%〜0.05%)含有10%FCS添加Brucella agar plateで37℃、48時間微好気培養した。菌の増殖を抑制する最終濃度をもって、こんにゃく芋超臨界CO抽出物の最小発育阻止濃度とした。その結果を表3に示す。
Figure 0004633367
表3の結果は、こんにゃく芋超臨界CO抽出物がピロリ菌に直接作用して増殖抑制効果を発揮していることを示している。本発明におけるこんにゃく芋超臨界CO抽出物のピロリ菌5菌株に対する最小発育阻止濃度は、0.0015%であった。
実施例4
スナネズミ(雄、6週齢、日本エスエルシー株式会社)を用いて、ピロリ菌感染試験を実施した。群構成は、参考例1で調製したこんにゃく芋抽出物群(8mg/kg体重)、増殖用液体培地群、アモキシリン投与群(30mg/kg体重)とし、各群5匹(計15匹)のスナネズミを使用した。ヘリコバクター・ピロリ菌(TK1402株)を約10cfu/mlに調製し、こんにゃく芋抽出物、増殖用液体培地、アモキシリンと室温で混和した。混和後、直ちにこれらの試料(1ml)をスナネズミに経口投与した。
4週間後に、スナネズミを安楽死させ、胃を摘出し、胃粘膜を選択培地(ヘリコブルー培地)に塗布し、生菌の定量を行った。その結果、こんにゃく芋抽出物投与群、増殖用液体培地投与群、アモキシリン投与群での平均定着菌数は、それぞれ101.82、103.00、<10であった。また、アモキシリン投与群では、抗生物質の副作用により5匹中2匹が死亡した。この結果から、こんにゃく芋抽出物投与によるピロリ菌の定着菌数は増殖用液体培地投与により有意に低下しており、こんにゃく芋抽出物によるピロリ菌の感染予防効果が確認できた。

Claims (2)

  1. こんにゃく芋又はじゃが芋から有機溶媒及び/又は超臨界二酸化炭素により抽出される抽出物を有効成分とする抗ヘリコバクター・ピロリ剤。
  2. こんにゃく芋又はじゃが芋から有機溶媒及び/又は超臨界二酸化炭素により抽出される抽出物を有効成分とする、ヘリコバクター・ピロリ菌を原因とする胃又は十二指腸潰瘍に対する予防剤及び治療剤。
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