JP4632498B2 - トリス[(アルキルチオアルカノイルオキシ)エチル]イソシアヌレート誘導体の製造方法 - Google Patents

トリス[(アルキルチオアルカノイルオキシ)エチル]イソシアヌレート誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トリス[(アルキルチオアルカノイルオキシ)エチル]イソシアヌレート誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
天然高分子、合成高分子、油脂或いは潤滑油等の有機物質の酸化による劣化を防止するために、現在多くの酸化防止剤が使用されている。代表的な酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系、有機イオウ系、有機リン系、芳香族アミン系等が挙げられる。
【0003】
これらは、単独で、或いは複数の組み合わせで用いると効果があるとされている。従来知られている酸化防止剤の多くは、酸化防止効率は優れているが、有機高分子材料に練り込んで加熱、加工する際に、一部分解や揮散したり、加工後成型品として使用する際に、徐々に揮発飛散する問題がある。
【0004】
これを改善するために、酸化防止剤を高分子化したり、不揮発性官能基を付加することにより、揮発、飛散の欠点を改良する試みが行われてきた。その結果、酸化防止効率の点で十分に満足できる化合物として一般式(1)に示すトリス[(アルキルチオアルカノイルオキシ)エチル]イソシアヌレート誘導体が挙げられる。この化合物の構造上の特異性はアルキルチオアルカン酸とN−ヒドロキシアルキル含窒素複素環化合物とのエステル結合を有していることにあり、この化合物は従来の含イオウ化合物と比較して、油脂などに対する酸化作用および分散性が著しく増大している。
【0005】
特開昭50−106881号公報ではこの化合物を、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートとアルキルチオアルカン酸とのエステル化反応から合成している。例えば、アルキルチオアルカン酸として、3−(n−ドデシルチオ)プロピオン酸から、一般式(1)における、Rがn−ドデシル基、n=2の化合物の合成方法が開示されている。しかし、副生成するモノおよびジエステルが相当量存在するため、融点範囲が65〜72℃である。しかも収率の明記がなされていない。本発明者らによるこれらの方法の追試の知見から判断すると、この方法は、工業的に利用するには得策ではないことがわかった。
また、その収率も不十分なレベルであった。
【0006】
一方、USP 4,125,516ではこの化合物を、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートと3−(n−ドデシルチオ)プロピオン酸メチルとのエステル交換反応から合成する方法を開示している。しかし、これらの方法では副生成するモノおよびジエステルを完全に除去できず、融点も71〜73℃であり、また、収率も68%と低い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、トリス[(アルキルチオアルカノイルオキシ)エチル]イソシアヌレート誘導体を高純度、高収率で工業的に製造する方法を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式(2)
【化4】
Figure 0004632498
(式中、Rは、直鎖または分岐の、アルキル基よりなる群から選ばれた基であり、nは1〜4である。)
で示されるアルキルチオアルカン酸誘導体と、下記一般式(3)
【化5】
Figure 0004632498
(式中、Xは塩素原子または臭素原子を表わす。)
で示されるトリス(2−ハロエチル)イソシアヌレート類を有機溶剤中で、脱酸剤の存在下に反応させることを特徴とする下記一般式(1)
【化6】
Figure 0004632498
(式中、Rは、直鎖または分岐の、アルキル基よりなる群から選ばれた基であり、nは1〜4である。)
で示されるトリス[(アルキルチオアルカノイルオキシ)エチル]イソシアヌレート誘導体を製造する方法に関する。
【0009】
前記Rにおける直鎖または分岐の、アルキル基の例としては、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基などを挙げることができるが、その炭素数は4以上、とくに12〜18のものが好ましい。
【0010】
本発明の反応に用いる溶媒としては、通常N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトン、メチルエチルケトン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレンなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0011】
これらは1種単独または2種以上混合して使用される。かかる溶媒の使用量は特に制限されるものではなく、撹拌の容易さ、基質の溶解度に応じて適宜選択することができる。
【0012】
前記脱酸剤としては、とくに制限はないが、N,N−ジメチルアニリン、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げることができる。これらは1種単独または2種以上混合して使用される。
【0013】
本発明の前記一般式(1)で表される化合物は、特に酸化分解を受けやすい有機材料に対して有効な安定作用を有する。本発明の前記一般式(1)により安定化される有機材料とは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンおよびポリイソプレン、ポリ−α−オレフィンのコポリマー等のポリ−α−オレフィン類、ハロゲン化ビニルの重合体またはハロゲン化ビニルとビニルエステル類、α、β−不飽和ケトン類、α、β−不飽和アルデヒド類およびブタジエン類やスチレンの様な不飽和炭化水素との共重合により得られるビニル系高分子化合物、ポリオール類およびポリイソシアネート類からなるポリウレタン類、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリエチレンオキドおよびブタジエンやスチレンのコポリマー、アクリロニトリル、ブタジエンおよび/またはスチレンの共重合から得られるコポリマー等である。
【0014】
本発明化合物による安定化される他の有機材料としては、例えば、塗料等に使用される動植物性油、各種揮発油、天然および合成機械油、鉱油、燃料油、切削油、ワックス等の炭化水素系物質が挙げられる。
【0015】
本発明の前記一般式(1)
【化7】
Figure 0004632498
(式中、Rは、直鎖または分岐の、アルキル基よりなる群から選ばれた基であり、nは1〜4である。)
で表されるトリス[(アルキルチオアルカノイルオキシ)エチル]イソシアヌレート誘導体の具体例としては、例えば、下記の化合物を挙げることができる。
【0016】
トリス[2−(n−ブチルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(n−ペンチルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(n−ヘキシルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(n−ヘプチルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(n−オクチルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(n−ノニルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(n−デシルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(n−ウンデシルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(n−ドデシルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(n−トリデシルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(n−テトラデシルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(n−ペンタデシルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(n−ヘキサデシルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(n−ヘプタデシルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(n−オクタデシルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(n−ノナデシルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(n−エイコシルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(1−メチルプロピルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(2−メチルプロピルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(1,1−ジメチルプロピルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(iso−ブチルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(sec−ブチルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(1,1,3,3−テトラメチルブチルチオアセトキシ)エチル]イソシアヌレート、
【0017】
トリス[2−(3−n−ブチルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(3−n−ペンチルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(3−n−ヘキシルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(3−n−ヘプチルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(3−n−オクチルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(3−n−ノニルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(3−n−デシルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(3−n−ウンデシルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(3−n−ドデシルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(3−n−トリデシルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(3−n−テトラデシルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(3−n−ペンタデシルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(3−n−ヘキサデシルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(3−n−ヘプタデシルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(3−n−オクタデシルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(3−n−ノナデシルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(3−n−エイコシルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス{2−[3−(1−メチルプロピルチオプロピオニルオキシ)]エチル}イソシアヌレート、トリス{2−[3−(2−メチルプロピルチオプロピオニルオキシ)]エチル}イソシアヌレート、トリス{2−[3−(1,1−ジメチルプロピルチオプロピオニルオキシ)]エチル}イソシアヌレート、トリス[2−(3−iso−ブチルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(3−sec−ブチルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス{2−[3−(1,1,3,3−テトラメチルブチルチオプロピオニルオキシ)]エチル}イソシアヌレート、
【0018】
トリス[2−(4−n−ブチルチオブチリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(4−n−ペンチルチオブチリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(4−n−ヘキシルチオブチリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(4−n−ヘプチルチオブチリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(4−n−オクチルチオブチリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(4−n−ノニルチオブチリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(4−n−デシルチオブチリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(4−n−ウンデシルチオブチリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(4−n−ドデシルチオブチリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(4−n−トリデシルチオブチリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(4−n−テトラデシルチオブチリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(4−n−ペンタデシルチオブチリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(4−n−ヘキサデシルチオブチリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(4−n−ヘプタデシルチオブチリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(4−n−オクタデシルチオブチリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(4−n−ノナデシルチオブチリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(4−n−エイコシルチオブチリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス{2−[4−(1−メチルプロピルチオブチリルオキシ)]エチル}イソシアヌレート、トリス{2−[4−(2−メチルプロピルチオブチリルオキシ)]エチル}イソシアヌレート、トリス{2−[4−(1,1−ジメチルプロピルチオブチリルオキシ)]エチル}イソシアヌレート、トリス[2−(4−iso−ブチルチオブチリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(4−sec−ブチルチオブチリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス{2−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチルチオブチリルオキシ)]エチル}イソシアヌレート、
【0019】
トリス[2−(5−n−ブチルチオバレリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(5−n−ペンチルチオバレリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(5−n−ヘキシルチオバレリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(5−n−ヘプチルチオバレリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(5−n−オクチルチオバレリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(5−n−ノニルチオバレリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(5−n−デシルチオバレリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(5−n−ウンデシルチオバレリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(5−n−ドデシルチオバレリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(5−n−トリデシルチオバレリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(5−n−テトラデシルチオバレリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(5−n−ペンタデシルチオバレリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(5−n−ヘキサデシルチオバレリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(5−n−ヘプタデシルチオバレリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(5−n−オクタデシルチオバレリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(5−n−ノナデシルチオバレリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(5−n−エイコシルチオバレリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス{2−[5−(1−メチルプロピルチオバレリルオキシ)]エチル}イソシアヌレート、トリス{2−[5−(2−メチルプロピルチオバレリルオキシ)]エチル}イソシアヌレート、トリス{2−[5−(1,1−ジメチルプロピルチオバレリルオキシ)]エチル}イソシアヌレート、トリス[2−(5−iso−ブチルチオバレリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[2−(5−sec−ブチルチオバレリルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス{2−[5−(1,1,3,3−テトラメチルブチルチオバレリルオキシ)]エチル}イソシアヌレート、
【0020】
下記一般式(2)
【化8】
Figure 0004632498
(式中、Rは、直鎖または分岐の、アルキル基よりなる群から選ばれた基であり、nは1〜4である。)
の化合物の具体例としては、つぎの化合物群を例示することができる。
【0021】
n−ブチルチオ酢酸、n−ペンチルチオ酢酸、n−ヘキシルチオ酢酸、n−ヘプチルチオ酢酸、n−オクチルチオ酢酸、n−ノニルチオ酢酸、n−デシルチオ酢酸、n−ドデシルチオ酢酸、n−ペンタデシルチオ酢酸、n−ヘキサデシルチオ酢酸、n−ヘプタデシルチオ酢酸、n−オクタデシルチオ酢酸、n−ノナデシルチオ酢酸、n−エイコシルチオ酢酸、1−メチルプロピルチオ酢酸、2−メチルプロピルチオ酢酸、1,1−ジメチルプロピルチオ酢酸、iso−ブチルチオ酢酸、sec−ブチルチオ酢酸、1,1,3,3−テトラメチルブチルチオ酢酸、
【0022】
3−n−ブチルチオプロピオン酸、3−n−ペンチルチオプロピオン酸、3−n−ヘキシルチオプロピオン酸、3−n−ヘプチルチオプロピオン酸、3−n−オクチルチオプロピオン酸、3−n−ノニルチオプロピオン酸、3−n−デシルチオプロピオン酸、3−n−ウンデシルチオプロピオン酸、3−n−ドデシルチオプロピオン酸、3−n−トリデシルチオプロピオン酸、3−n−テトラデシルチオプロピオン酸、3−n−ペンタデシルチオプロピオン酸、3−n−ヘキサデシルチオプロピオン酸、3−n−ヘプタデシルチオプロピオン酸、3−n−オクタデシルチオプロピオン酸、3−n−ノナデシルチオプロピオン酸、3−n−エイコシルチオプロピオン酸、3−(1−メチルプロピルチオ)プロピオン酸、3−(2−メチルプロピルチオ)プロピオン酸、3−(1,1−ジメチルプロピルチオ)プロピオン酸、3−iso−ブチルチオプロピオン酸、3−sec−ブチルチオプロピオン酸、3−(1,1,3,3−テトラメチルブチルチオ)プロピオン酸、
【0023】
4−n−ブチルチオラク酸、4−n−ペンチルチオラク酸、4−n−ヘキシルチオラク酸、4−n−ヘプチルチオラク酸、4−n−オクチルチオラク酸、4−n−ノニルチオラク酸、4−n−デシルチオラク酸、4−n−ウンデシルチオラク酸、4−n−ドデシルチオラク酸、4−n−トリデシルチオラク酸、4−n−テトラデシルチオラク酸、4−n−ペンタデシルチオラク酸、4−n−ヘキサデシルチオラク酸、4−n−ヘプタデシルチオラク酸、4−n−オクタデシルチオラク酸、4−n−ノナデシルチオラク酸、4−n−エイコシルチオラク酸、4−(1−メチルプロピルチオ)ラク酸、4−(2−メチルプロピルチオ)ラク酸、4−(1,1−ジメチルプロピルチオ)ラク酸、4−iso−ブチルチオラク酸、4−sec−ブチルチオラク酸、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチルチオ)ラク酸、
【0024】
5−n−ブチルチオバレリアン酸、5−n−ペンチルチオバレリアン酸、5−n−ヘキシルチオバレリアン酸、5−n−ヘプチルチオバレリアン酸、5−n−オクチルチオバレリアン酸、n−ノニルチオバレリアン酸、5−n−デシルチオバレリアン酸、5−n−ウンデシルチオバレリアン酸、5−n−ドデシルチオバレリアン酸、5−n−トリデシルチオバレリアン酸、5−n−テトラデシルチオバレリアン酸、5−n−ペンタデシルチオバレリアン酸、5−n−ヘキサデシルチオバレリアン酸、5−n−ヘプタデシルチオバレリアン酸、5−n−オクタデシルチオバレリアン酸、5−n−ノナデシルチオバレリアン酸、5−n−エイコシルチオバレリアン酸、5−(1−メチルプロピルチオ)バレリアン酸、5−(2−メチルプロピルチオ)バレリアン酸、5−(1,1−ジメチルプロピルチオ)バレリアン酸、5−iso−ブチルチオバレリアン酸、5−sec−ブチルチオバレリアン酸、5−(1,1,3,3−テトラメチルブチルチオ)バレリアン酸などが挙げられる。
【0025】
本発明の前記一般式(1)に示される化合物の有機材料への添加量は有機材料の種類により異なるが、0.005重量%以下ではその効果はあまり期待できず、5重量%以上ではいくら加えてもその効果の向上に貢献しない。すなわち安定化させようとする有機材料の重量に対して0.005〜5重量%濃度で使用するのが好ましいが、0.01〜2重量%の添加が望ましい。
【0026】
一般式(1)で表される化合物によって安定化された有機高分子物質は、例えば、慣用の添加物をさらに含有してもよく、例えば、酸化防止剤、光安定剤、金属不活性化剤、過酸化物スカベンジャーを含有してもよい。
【0027】
本発明による化合物の他に添加されてもよい酸化防止剤として、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジノニル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジノニル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1′−メチルウンデシ−1′−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1′−メチルヘプタデシ−1′−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1′−メチルトリデシ−1′−イル)フェノール及びそれらの混合物、2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−オクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール及びそれらの混合物、
【0028】
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート及びそれらの混合物、
【0029】
2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等およびそれらの混合物、
【0030】
2,2′−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2′−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、4,4′−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2′−メチレンビス[6−α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4′−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4′−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプタン、エチレングリコ−ルビス[3,3′−ビス(3′−tert−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル−4−n−ドデシルメルカプタン、1,1,5,5−テトラ(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン等およびそれらの混合物、
【0031】
1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)−フェノール等およびそれらの混合物、
【0032】
4−ヒドロキシラウリン酸アニリド、4−ヒドロキシステアリン酸アニリド、オクチル N−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート等およびそれらの混合物、
【0033】
ジメチル 2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、モノエチル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸 カルシウム塩等およびそれらの混合物、
【0034】
3,5,3′,5′−テトラ−tert−ブチル−4,4′−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル 4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル) ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート等およびそれらの混合物、
【0035】
ジオクタデシル 2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル 2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート等およびそれらの混合物、
【0036】
β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル;アルコールの例としては、例えば、メタノール、エタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタン等およびそれらの混合物、
【0037】
β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル;アルコールの例としては、例えば、メタノール、エタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタン等およびそれらの混合物、
【0038】
β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシ)プロピオン酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル;アルコールの例としては、例えば、メタノール、エタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタン等およびそれらの混合物、
【0039】
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル;アルコールの例としては、例えば、メタノール、エタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタン等およびそれらの混合物、
【0040】
N,N′−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミン、N,N′−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミン、N,N′−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン等およびそれらの混合物。
【0041】
本発明の化合物に併用してもよい光安定剤としては、とくに制限はないが、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−tert−アミル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[3′,5′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−メトキシカルボニルメチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−{3′−tert−ブチル−5′−[2−(2−エチルヘキシルオキシカルボニルエチル)−2′−ヒドロキシフェニル]}ベンゾトリアゾール、2−(3′−ドデシル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2,2′−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イル)]フェノール、2−[3′−tert−ブチル−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換体等およびそれらの混合物、
【0042】
4−ヒドロキシ−、4−メトキシ−、4−オクトキシ−、4−デシルオキシ−、 4−ドデシルオキシ−、4−ベンジルオキシ−、4,2′,4′−トリヒドロキシ−、2′−ヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ−、または4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等およびそれらの混合物、
【0043】
4−tert−ブチルフェニル サリシレート、フェニル サリシレート、オクチルフェニル サリシレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等およびそれらの混合物、
【0044】
エチル α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチル α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル α−カルボメトキシシンナメート、メチル α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン等およびそれらの混合物、
【0045】
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)サクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、4,4′−ジ−オクチルオキシオキサニリド、2,2′−ジエトキシオキシオキサニリド、2,2′−ジ−オクチルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブチルオキサニリド、2,2′−ジ−ドデシルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブチルオキサニリド、2−エトキシ−2′−エチルオキサニリド、N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサニリド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2′−エトキシオキサニリド等およびそれらの混合物、
【0046】
および上記化合物のそれぞれと2−エトキシ−2′−エチル−5,4′−ジ−tert−ブトキサニリドとの混合物、o−およびp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物、o−およびp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物、
【0047】
2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
【0048】
金属不活性化剤としては、例えば、N,N′−ジフェニルオキサミド、N−サルチラル−N′−サリチロイルヒドラジン、N,N′−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N′−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジン、N,N′−ジアセタールアジポイルジヒドラジド、N,N′−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリスリトールジホスフィット、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフィット、ビス[2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)]ペンタエリスリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンズ[d,e]−1,3,2−ジオキサホスホシン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット等およびそれらの混合物。
【0049】
過酸化物スカベンジャーとして、例えば、ジラウリル、ジステアリル、ジミリスチルまたはジトリデシル チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート等である。
【0050】
【実施例】
以下に本発明化合物の合成例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらは好ましい実施態様の例示に過ぎず、本発明はこれらの実施例だけに限定するものではない。
【0051】
実施例1
トリス[2−(3−n−ドデシルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレートの合成[一般式(1)において、R=n−C1225、n=2]
30mlのN,N−ジメチルアセトアミド(溶剤)にトリス(2−クロロエチル)イソシアヌル酸 3.48g(11.0mmol)、3−n−ドデシルチオプロピオン酸 10.00g(36.3mmol)および無水炭酸カリウム(脱酸剤)2.58g(18.7mmol)を加える。窒素気流中95〜100℃にて24時間加熱撹拌する。反応終了後、不溶物を熱時濾別する。濾過液を400mlの水に投入し、撹拌を行う。析出物を濾別し、100mlのアセトンからの再結晶により融点76〜77.5℃の目的物が9.1g(収率80%)が得られる。このものの同定資料はつぎのとおりである。
【0052】
質量分析(FD):M/Z計算値 1029 実測値 M/Z 1029
Figure 0004632498
赤外スペクトル:(KBr)cm−1 2921、2851(アルキル基);1744(エステル基);1687(−N−CO−N−);1466(アルキル基)
【0053】
実施例2
トリス[2−(3−オクタデシルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレートの合成[一般式(1)において、R=C1837、n=2]
30mlのN,N−ジメチルアセトアミドにトリス(2−クロロエチル)イソシアヌル酸 2.00g(6.3mmol)、3−n−オクタデシルチオプロピオン酸 7.48g(20.8mmol)および無水炭酸カリウム 1.49g(10.7mmol)を加える。窒素気流中95〜100℃にて24時間加熱撹拌する。反応終了後、不溶物を熱時濾別する。濾過液を放置すると析出物が得られる。析出物を濾別し、100mlのイソプロパノールおよび10mlのトルエンの混合溶媒で2回再結晶させると、融点84〜85.5℃の目的物が7.1g(収率88%)が得られる。このものの同定資料はつぎのとおりである。
【0054】
質量分析(FD):M/Z計算値 1281 実測値 M/Z 1281
Figure 0004632498
赤外スペクトル:(KBr)cm−1 2919、2850(アルキル基);1744(エステル基);1687(−N−CO−N−);1468(アルキル基)
【0055】
実施例3
トリス[2−(4−n−ドデシルチオブチリルオキシ)エチル]イソシアヌレートの合成[一般式(1)において、R=n−C1225、n=3]
150mlのN,N−ジメチルアセトアミドにトリス(2−クロロエチル)イソシアヌル酸 17.40g(55.0mmol)、4−n−ドデシルチオラク酸 50.00g(170.0mmol)および無水炭酸カリウム 12.90g(155.0mmol)を加える。窒素気流中95〜100℃にて26時間加熱撹拌する。反応終了後、不溶物を熱時濾別する。濾液を800mlの水に投入し、撹拌した。析出物を濾別し、160mlのイソプロパノールで再結晶させると、融点54〜55℃の目的物が44.30g(収率78%)が得られる。このものの同定資料はつぎのとおりである。
【0056】
赤外スペクトル:(KBr)cm−1 2919、2850(アルキル基);1735(エステル基);1704、1685(−N−CO−N−);1462(アルキル基)
【0057】
比較例1(特開昭50−106881の追試)
窒素気流下、トルエン(30ml)にトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(13.1g、50mmol)、3−(n−ドデシルチオ)プロピオン酸(41.1g、150mmol)、パラ−トルエンスルホン酸(0.54g)を加え、加熱撹拌し、生成水を除去した。反応初期はスラリー状であるが、反応の進行にともない、均一相となった。生成水が2.4ml留出した時点で、溶媒を留去すると、融点65〜72℃ワックス状のトリス[2−(3−n−ドデシルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート「一般式(1)において、R=n−C1225、n=2」23.3g(粗収率55%)が得られる。各種溶媒による再結晶で、薄相クロマトグラフィーで確認した混在するモノ及びビス体の分離を試みたが困難であった。
【0058】
比較例2(U.S.P.4,125,516の追試)
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(15.7g、60mmol)、3−(n−ドデシルチオ)プロピオン酸メチル(57.1g、198mmol)およびジブチル錫オキシド(2.23g、9mmol)の混合物を、窒素気流中で135℃、加熱撹拌を3時間続ける。次いで、130℃で20〜25torrの減圧で1時間加熱撹拌してから、冷却する。得られた固形物をヘプタンで再結晶させると、トリス[2−(3−n−ドデシルチオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート「一般式(1)において、R=n−C1225、n=2」42gが得られた。しかし、収率は68%と低いものであった。このものの融点は71〜73℃であり、実施例1の同一化合物の融点が76〜77.5℃であることを参酌すると、この事実はこの比較例2の生成物の純度が低いことを説明している。
【0059】
【発明の効果】
本発明方法により、トリス[(アルキルチオアルカノイルオキシ)エチル]イソシアヌレート誘導体を高純度、高収率で得ることができる工業的製造方法を確立できた。

Claims (1)

  1. 下記一般式(2)
    Figure 0004632498
    (式中、Rは、直鎖または分岐の、アルキル基よりなる群から選ばれた基であり、nは1〜4である。)
    で示されるアルキルチオアルカン酸誘導体と、下記一般式(3)
    Figure 0004632498
    (式中、Xは塩素原子または臭素原子を表わす。)
    で示されるトリス(2−ハロエチル)イソシアヌレート類を有機溶剤中で、脱酸剤の存在下に反応させることを特徴とする下記一般式(1)
    Figure 0004632498
    (式中、Rは、直鎖または分岐の、アルキル基よりなる群から選ばれた基であり、nは1〜4である。)
    で示されるトリス[(アルキルチオアルカノイルオキシ)エチル]イソシアヌレート誘導体を製造する方法。
JP2000251410A 2000-08-22 2000-08-22 トリス[(アルキルチオアルカノイルオキシ)エチル]イソシアヌレート誘導体の製造方法 Expired - Fee Related JP4632498B2 (ja)

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