JP4632462B2 - 高周波焼入方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導加熱コイルと被処理物とを相対的に移動させながらこの被処理物の一端部から他端部までを加熱して冷却する高周波焼入方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、誘導加熱を利用して鋼材などの被処理物の表面層を硬化させる高周波焼入方法が広く知られている。この高周波焼入方法の一つとして、誘導加熱コイルを固定しておき、複数本の長尺材を連続して移動させながらこの誘導加熱コイルで加熱し、その後急冷してこれら長尺材の側面の表面層を硬化させる高周波焼入方法が知られている。
【0003】
このように、複数本の長尺材を連続して一定速度で加熱する場合、長尺材の長手方向両端部では端面にも誘導電流が流れる。このため、端面に流れた分だけ、長手方向両端部の側面の表面層に流れる誘導電流が少なくなり、この表面層が焼入温度にまで加熱されにくい。この場合、側面の表面層は充分に硬化されず、所謂「焼逃げ」が長手方向両端部に発生することとなる。このような「焼逃げ」は、長尺材のうちの加熱スタート側の端部に顕著に発生する。また、このような「焼逃げ」は、複数本の長尺材を連続して高周波焼入れする場合に限らず、一本の長尺材を高周波焼入れするときにも両端部に発生する。さらに、歯車の歯先を高周波焼入れするときにも歯先の両端部に発生することがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような「焼逃げ」が発生した複数本の長尺材を互いに接続してさらに長くして使用する場合、未硬化部分(焼逃げ部分)を除去するために、各長尺材の長手方向両端部を切断する。従って、切断作業の分の費用が増し、しかも、長手方向両端部に相当する分の材料が無駄になるという問題がある。
【0005】
また、歯車の歯先を高周波焼入れするときに歯先の両端部に「焼逃げ」が発生すると、歯車を使用中に歯先の両端部にピッチングが起こるなどして歯車の寿命が短くなるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、被処理物の一端部から他端部までを均等に加熱して硬化できる高周波焼入方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第1の高周波焼入方法は、誘導加熱コイルと被処理物とを相対的に移動させながらこの被処理物の一端部から他端部までを加熱して冷却することにより高周波焼入れする高周波焼入方法において、
(1)上記一端部及び上記他端部を加熱するときは、上記一端部及び上記他端部以外の他の部分を加熱するときよりも上記誘導加熱コイルに供給する電力を増大することを特徴とするものである。
【0008】
ここで、
(2)上記誘導加熱コイルに供給する電力を増大する際に、電力を徐々に増大してもよい。
【0009】
また、
(3)上記誘導加熱コイルに供給する電力を増大する際に、上記被処理物を冷却する冷却速度を、電力を増大しないときよりも遅くしてもよい。
【0010】
また、上記目的を達成するための本発明の第2の高周波焼入方法は、誘導加熱コイルと被処理物とを相対的に移動させながらこの被処理物の一端部から他端部までを加熱して冷却することにより高周波焼入れする高周波焼入方法において、
(4)上記一端部及び上記他端部を加熱するときは、上記誘導加熱コイルと上記被処理物との相対的な移動を所定時間停止することを特徴とするものである。
【0011】
また、上記目的を達成するための本発明の第3の高周波焼入方法は、誘導加熱コイルと被処理物とを相対的に移動させながらこの被処理物の一端部から他端部までを加熱して冷却することにより高周波焼入れする高周波焼入方法において、
(5)上記一端部及び上記他端部を加熱するときは、上記誘導加熱コイルと上記被処理物との相対的な移動の速度を、上記一端部及び上記他端部以外の他の部分を加熱するときよりも遅くすることを特徴とするものである。
【0012】
また、上記目的を達成するための本発明の第4の高周波焼入方法は、誘導加熱コイルと被処理物とを相対的に移動させながらこの被処理物の一端部から他端部までを加熱して冷却することにより高周波焼入れする高周波焼入方法において、
(6)上記一端部及び上記他端部を上記誘導加熱コイルで加熱するに先立って予め所定温度に加熱することを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の高周波焼入方法を説明する。
【0014】
図1から図5までを参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
【0015】
図1から図4までは、一辺が50mmで長さが3mの角材(本発明にいう被処理物の一例であり、材質はS55C相当(S55C+1.5%Mn)である)を高周波焼入れする状態を上から視て模式的に示す平面図である。図1は、角材が加熱される前の状態を模式的に示す平面図であり、図2は、角材が加熱され始める直前の状態を模式的に示す平面図である。図3は、角材の先端部が加熱されている状態を模式的に示す平面図であり、図4は、角材の先端部が冷却されている状態を模式的に示す平面図である。また、図5は、高周波焼入れされた角材の硬化層を示す模式図である。
【0016】
図1から図4までに示すように、高周波焼入装置10は、角材20を矢印A方向に搬送する複数のローラ12と、レーザを利用して角材20を検出するワーク検出センサ14と、角材20を加熱する誘導加熱コイル16と、角材20のうち、加熱された部分に冷却液を噴射して冷却する冷却装置18を備えている。また、高周波焼入装置10は、誘導加熱コイル16に電力を供給する高周波電源(図示せず)も備えている。さらに、高周波焼入装置10は制御盤(図示せず)も備えており、この制御盤を操作することにより、ローラ12の回転速度を制御して角材20の移動速度を調節したり、誘導加熱コイル16に供給する電力を調整したり、冷却装置から噴射される冷却液の量を増減して冷却速度を調節したりする。
【0017】
高周波焼入装置10を用いて角材20を高周波焼入れする手順を説明する。
【0018】
ここでは、角材20の移動速度が9.0mm/秒になるように、制御盤でローラ12の回転数を制御した。また、図1に示すように、角材20の先端部22(先端22aから距離Lまでの部分であり、本発明にいう被処理物の一端部の一例である)が誘導加熱コイル16から離れている状態では、誘導加熱コイル16に電圧360V、周波数5.8kHzの高周波電力75kWが供給されている。図2に示すように角材20が誘導加熱コイル16に接近して、角材20の先端22aが誘導加熱コイル16の手前の所定位置(パワーアップ開始位置)Bに到達した時から、誘導加熱コイル16に電圧400V、周波数6.2kHzの高周波電力85kWを供給して高周波電力を増大した。このように誘導加熱コイル16に供給する高周波電力を増大する時間は、角材20の先端部22が誘導加熱コイル16を通過するまでの時間である。
【0019】
図4に示すように角材20の先端部22が誘導加熱コイル16を通過した後は、高周波電力を元に戻して誘導加熱コイル16に電圧360V、周波数5.8kHzの高周波電力75kWを供給し、先端部22及び後端部24以外の部分を加熱する。また、角材20の後端部(本発明にいう被処理物の他端部の一例である)24が誘導加熱コイル16を通過する際も、先端部22の場合と同様に、誘導加熱コイル16に電圧400V、周波数6.2kHzの高周波電力85kWを供給して高周波電力を増大する。
【0020】
高周波電力を増大するに当っては、角材20の先端22aがパワーアップ開始位置に到達した時点から高周波電力を徐々に増大し始め、先端22aが誘導加熱コイル16に到達した時点では高周波電力が85kWになるようにした。
【0021】
また、先端部22が冷却装置18に到達した時から通過し終るまでの時間では、冷却液の噴出を停止して先端部22とその近傍の冷却速度を遅くした。先端部22が冷却装置18を通過した後は、通常どおり冷却液を噴出して角材20を急冷した。このように、先端部22の冷却速度を遅くした理由は、角材20の焼割れを防止するためである。なお、後端部24とその近傍を冷却する場合も、先端部22と同様に、冷却液の噴出を停止して後端部24の冷却速度を遅くした。
【0022】
図5を参照して、上述したようにして角材20を高周波焼入した結果を説明する。
【0023】
図5は、上述した熱処理条件で高周波焼入れされた角材20の硬化層を示す模式図である。破線は、従来の高周波焼入方法による硬化層の一例を示す。一方、斜線で示す領域は、上述した高周波焼入方法による硬化層の一例を示す。ここでいう硬化層とは、HV500以上の硬さの層をいう。
【0024】
従来の高周波焼入方法によれば、破線で示すように角材20の先端22aに近付くほど硬化層が薄くなっており、先端22aでは硬化層がほとんど無い。即ち、「焼逃げ」が先端部22に発生している。この「焼逃げ」は後端部24においても発生している。
【0025】
一方、図1から図4までに示す高周波焼入方法によれば、斜線で示すように、角材20の先端部22にも均一な厚さの硬化層22bが形成された。硬化層22bの深さは、角材20の材質や熱処理条件によって変わるが、例えば、1.5mm〜2.0mmの範囲内である。このように角材20の先端部22にも均一な厚さの硬化層22bが形成された理由は、誘導加熱コイル16で先端部22を加熱する際に誘導加熱コイル16に供給する電力を、他の部分を加熱するときよりも増大して、先端部22を焼入温度まで充分に加熱したからである。また、上述したように先端部22が冷却装置18に到達した時から通過し終るまでの時間では、冷却液の噴出を停止して先端部の冷却速度を遅くしたので、焼割れは発生しなかった。なお、後端部24(図1〜図4参照)にも、先端部22と同様に、均一な厚さの硬化層が形成され、焼割れは発生しなかった。
【0026】
次に、図6、図7を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。
【0027】
図6は、連続して搬送されている3本の角材を停止して、先頭の角材の後端部とその次の角材の先端部とを同時に加熱している状態を示す模式図である。図7は、図6のようにして加熱したときの加熱パターンを示すグラフである。これらの図では、図1から図4までの構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0028】
第2実施形態の高周波焼入方法で使用する高周波焼入装置10は、図1から図4までに示す高周波焼入装置10と同じものである。この第2実施形態の高周波焼入方法の特徴は、角材の両端部(先端部と後端部)を誘導加熱コイルで加熱する際に角材の移動(搬送)を停止する点にある。
【0029】
高周波焼入装置10を用いて複数本の角材20(図6では、3本の角材20−1,20−2,20−3を示す)を連続して高周波焼入れする手順を説明する。
なお、隣り合う角材20の間には絶縁マイカが挟まれている。
【0030】
ここでは、角材20の移動速度が7.0mm/秒になるように、制御盤でローラ12の回転数を制御した。また、誘導加熱コイル16には、電圧560V、周波数6.0kHzの高周波電力89kWが供給され続けている。先頭の角材20−1の先端部22を誘導加熱コイル16で加熱するときは、角材20−1,20−2,20−3の移動を約3秒間停止して加熱した。この停止により、角材20−1の先端部22は誘導加熱コイル16で3秒間加熱され続けることとなるので、充分に焼入温度まで加熱される。3秒間の停止後は、7.0mm/秒で再び角材20−1,20−2,20−3を移動させる。これにより先端部22が冷却装置18に到達し、ここで急冷されて硬化する。先頭の角材20−1の先端部22と後端部24との間の部分を誘導加熱コイル16で加熱する際は、角材20−1,20−2,20−3を移動させながら従来と同様に加熱する。
【0031】
先頭の角材20−1の後端部24と二番目の角材20−2の先端部22は、図6に示すように、誘導加熱コイル16で同時に加熱される。この場合は、角材20−1,20−2,20−3の移動を約3秒間停止して加熱した。この停止により、角材20−1の後端部24と角材20−2の先端部22は誘導加熱コイル16で3秒間加熱され続けることとなるので、充分に焼入温度まで加熱される。3秒間の停止後は、7.0mm/秒で再び角材20−1,20−2,20−3を移動させる。このように、角材20の先端部22及び後端部24を誘導加熱コイル16で加熱するときは角材20の移動を停止することにより、先端部22及び後端部24が充分に焼入温度まで加熱され、その後の冷却によって必要な深さの硬化層が均等に形成される。
【0032】
上述したように角材20の移動を停止して先端部22及び後端部24を加熱するときのこれら先端部22及び後端部24の表面層の加熱パターンの一例を説明する。先端部22及び後端部24の表面層は、図7に示すように、3秒間の停止中に700℃まで昇温し、その後の1秒間で950℃まで昇温する。950℃に昇温した時点で冷却装置18に到達し、ここで急冷される。この結果、図5と同様に、角材20−2の先端部22にも均一な厚さの硬化層22bが形成された。もちろん、角材20−1の後端部24にも均一な厚さの硬化層22bが形成された。
【0033】
上述した例では角材20の先端部22及び後端部24を誘導加熱コイル16で加熱するときに角材20を停止したが、停止させないで角材20の移動速度を、先端部22及び後端部24以外の部分を加熱するときよりも遅くし、先端部22及び後端部24が充分に焼入温度にまで加熱されるようにしてもよい。
【0034】
図8、図9を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。
【0035】
図8は、高周波焼入装置を模式的に示す平面図である。図9は、600℃に予熱した場合の加熱パターンを示すグラフである。図8では、図1に示す高周波焼入装置10の構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0036】
図8に示すように、高周波焼入装置30は、角材20を矢印A方向に搬送する複数のローラ12と、レーザを利用して角材20を検出するワーク検出センサ14と、角材20を加熱する誘導加熱コイル16と、角材20のうち、加熱された部分に冷却液を噴射して冷却する冷却装置18を備えている。また、高周波焼入装置30では、誘導加熱コイル16よりも移動方向の上流側に、角材20を予熱する誘導加熱コイル32が配置されている。さらに、高周波焼入装置30は、誘導加熱コイル16,32に電力を供給する高周波電源(図示せず)も備えている。さらにまた、高周波焼入装置30は制御盤(図示せず)も備えており、この制御盤を操作することにより、ローラ12の回転速度を制御して角材20の移動速度を調節したり、誘導加熱コイル16,32に供給する電力を調整したりする。
高周波焼入装置30を用いて角材20を高周波焼入れする手順を説明する。
【0037】
図9に示す加熱パターンでは、角材20の移動速度を30.0mm/秒とした。矢印A方向から移動してきた角材20は、先ず、その先端部22が誘導加熱コイル32で予熱される。先端部22を予熱する際の電力は、加熱パターンに応じて変更される。図9に示す加熱パターンでは、誘導加熱コイル32に電圧8.2kV、周波数30kHzの高周波電力150kWを供給した。
【0038】
このように角材20の移動速度と誘導加熱コイル32に供給する高周波電力を変更したので、角材20の先端部22は、図9に示す加熱パターンでは600℃まで予熱された。角材20の先端部22の温度は、予熱された後に一旦低下するが、誘導加熱コイル16で950℃に加熱される。この結果、角材20の先端部22は均等に加熱された状態で冷却装置18に到達してここで急冷され、図5に示すような均等な厚さの硬化層が形成された。なお、角材20の後端部24も同様に予熱するが、角材20のうち、先端部22及び後端部24以外の部分は、予熱せずに誘導加熱コイル16だけを用いて加熱される。
【0039】
また、上述した実施形態では、角材20の先端部22から後端部24までを均等に加熱して硬化する例を示したが、本発明は、角材に限らず、例えば歯車の歯先の一端部から他端部までを均等に加熱して硬化する場合にも適用できる。また、角材20などの被処理物を固定しておき、誘導加熱コイルを移動させるようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の第1の高周波焼入方法によれば、被処理物の一端部及び他端部を加熱するときは、一端部及び他端部以外の他の部分を加熱するときよりも誘導加熱コイルに供給する電力を増大するので、これら一端部及び他端部は焼入温度にまで充分に加熱され、被処理物の一端部から他端部までが均等に加熱される。この加熱後の冷却によって被処理物の一端部から他端部までが均等に硬化され、「焼逃げ」の発生を防止できる。
【0041】
ここで、誘導加熱コイルに供給する電力を増大する際に、電力を徐々に増大する場合は、歪みが低減される。
【0042】
また、誘導加熱コイルに供給する電力を増大する際に、被処理物を冷却する冷却速度を、電力を増大しないときよりも遅くする場合は、焼き割れを確実に防止できることとなる。
【0043】
また、本発明の第2の高周波焼入方法によれば、被処理物の一端部及び他端部を加熱するときは、誘導加熱コイルと被処理物との相対的な移動を所定時間停止するので、これら一端部及び他端部は焼入温度にまで充分に加熱され、被処理物の一端部から他端部までが均等に加熱される。この加熱後の冷却によって被処理物の一端部から他端部までが均等に硬化され、「焼逃げ」の発生を防止できる。
また、本発明の第3の高周波焼入方法によれば、被処理物の一端部及び他端部を加熱するときは、誘導加熱コイルと被処理物との相対的な移動の速度を、一端部及び他端部以外の他の部分を加熱するときよりも遅くするので、これら一端部及び他端部は焼入温度にまで充分に加熱され、被処理物の一端部から他端部までが均等に加熱される。この加熱後の冷却によって被処理物の一端部から他端部までが均等に硬化され、「焼逃げ」の発生を防止できる。
【0044】
また、本発明の第4の高周波焼入方法によれば、被処理物の一端部及び他端部を誘導加熱コイルで加熱するに先立って予め所定温度に加熱するので、これら一端部及び他端部は焼入温度にまで充分に加熱され、被処理物の一端部から他端部までが均等に加熱される。この加熱後の冷却によって被処理物の一端部から他端部までが均等に硬化され、「焼逃げ」の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】角材が加熱される前の状態を模式的に示す平面図である。
【図2】角材が加熱され始める直前の状態を模式的に示す平面図である。
【図3】角材の先端部が加熱されている状態を模式的に示す平面図である。
【図4】角材の先端部が冷却されている状態を模式的に示す平面図である。
【図5】高周波焼入れされた角材の硬化層を示す模式図である。
【図6】連続して搬送されている3本の角材を停止して、先頭の角材の後端部とその次の角材の先端部とを同時に加熱している状態を示す模式図である。
【図7】図6のようにして加熱したときの加熱パターンを示すグラフである。
【図8】高周波焼入装置を模式的に示す平面図である。
【図9】図8の高周波焼入装置を用いて角材の先端部を600℃に予熱した場合の加熱パターンを示すグラフである。
【符号の説明】
10,30 高周波焼入装置
16,32 誘導加熱コイル
18 冷却装置
20 角材
22 角材の先端部
24 角材の後端部
Claims (2)
- その長手方向両端部の側面に流れる誘導電流が該長手方向の両端面にも流れてその側面の全体にわたって不均一加熱が生じる長尺の被処理物と誘導加熱コイルとを相対的に移動させながら該被処理物の一端部から他端部までを、前記一端部から順次に加熱して冷却することにより高周波焼入れする高周波焼入方法において、
前記被処理物を連続して一定速度で搬送しながら、
前記一端部及び他端部を加熱するときは、前記一端部及び前記他端部以外の他の部分を加熱するときよりも前記誘導加熱コイルに供給する電力を増大し、
前記一端部及び前記他端部を冷却するときは該一端部及び該他端部に冷却液を噴出せず、
前記他の部分を冷却するときは該他の部分に冷却液を噴出することを特徴とする高周波焼入方法。 - 前記誘導加熱コイルに供給する電力を増大する際に、
電力を徐々に増大することを特徴とする請求項1に記載の高周波焼入方法。
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