JP4631818B2 - ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法 - Google Patents
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Description
ところで、近年、ニッケル酸化鉱石として、これまでニッケル含有量が低いため原料としての経済的な魅力の少なかった低ニッケル品位のラテライト鉱が注目されている。なお、低ニッケル品位のラテライト鉱では、コバルト含有量が比較的多いのが一般的であり、ニッケルとともにコバルトが回収される。さらに、ラテライト鉱の湿式製錬方法としては、硫酸浸出法を用いることが広く行なわれている。
例えば、まず、ニッケル酸化鉱石を、水中で解砕及び粉砕してスラリー化する。次いで、鉱石スラリーを濃縮する。この鉱石スラリーを、高温加圧容器であるオートクレーブに送り、高温高圧下でニッケルを浸出する。ここで、高温高圧下での浸出は、常温常圧下での浸出に比べてニッケルの浸出速度が著しく向上する。この際、ニッケルのほか、有価金属であるコバルトとともに、マグネシウム、アルミニウム、鉄、クロム等の鉱石に含まれている他の成分も浸出される。
図1において、ニッケル酸化鉱石5は、最初に、浸出工程1で硫酸を用いた高温加圧酸浸出に付され、浸出スラリー6が形成される。浸出スラリー6は、固液分離工程2に付され、ニッケル及びコバルトを含む浸出液7と浸出残渣8に分離される。得られた浸出液7は、必要に応じて、中和工程3に付され、鉄水酸化物を含む中和澱物スラリー9とニッケル回収用の母液10が形成される。得られた母液10は、電解採取工程4に付され、ニッケル及びコバルトを含む合金11とニッケル等が除去された貧液12に分離される。
上記浸出工程は、ニッケル酸化鉱石のスラリーに硫酸を添加し、所定の温度下で撹拌処理して、浸出残渣と浸出液からなる浸出スラリーを形成する工程である。この工程では、所定温度により形成される加圧下、例えば3〜6MPaで行なわれるので、これらの条件に対応することができる高温加圧容器(オートクレーブ)が用いられる。
MO+H2SO4 ⇒ MSO4+H2O (1)
(式中Mは、Ni、Co、Fe、Zn、Cu、Mg、Cr、Mn等を表す。)
2Fe(OH)3+3H2SO4 ⇒ Fe2(SO4)3+6H2O (2)
FeO+H2SO4 ⇒ FeSO4+H2O (3)
2FeSO4+H2SO4+1/2O2 ⇒ Fe2(SO4)3+H2O (4)
Fe2(SO4)3+3H2O⇒ Fe2O3+3H2SO4 (5)
なお、得られる浸出液のpHは、固液分離工程での生成されたヘマタイトを含む浸出残渣のろ過性から、0.1〜1.0に調整されることが好ましい。
上記固液分離工程は、上記浸出工程で形成された浸出スラリーから、ニッケル及びコバルトを含む浸出液と浸出残渣とに分離する工程である。ここで得られる浸出液としては、例えば、ニッケル濃度は、1〜5g/L程度である。なお、上記鉱石には多量の鉄が含まれるが、浸出に際してヘマタイトとして沈殿されるで、浸出液中の鉄濃度は低くなっている。しかしながら、通常、鉄が0.1〜5g/Lの濃度で含有される。
上記電解採取工程は、上記固液分離工程で得られた浸出液を電解槽に供給し、電解採取に付し、ニッケル及びコバルトを含む合金を製造する工程である。これによって、ニッケル及びコバルトを金属化して、他の不純物元素を含む貧液と分離し、ニッケル及びコバルトを電着物として濃縮する。
上記カソードとしては、特に限定されるものではなく、硫酸浴での耐食性に優れるチタン板、ステンレス板又はニッケル板から選ばれる少なくとも1種が用いられる。一方、上記アノードとしては、特に限定されるものではなく、鉛板、鉛を主成分とする合金板、貴金属酸化物をコーティングしたチタン板等の種々の不溶性アノードが用いられるが、比較的安価な鉛板又は鉛を主成分とする合金板からなる不溶性アノードがコスト上好ましい。
ここで得られる電着物は、ニッケルとコバルトの品位が少なくとも70重量%を超え、また、付着水分がほとんどない合金である。すなわち、従来の混合硫化物又は水酸化物に対し、ニッケル及びコバルトの高純度金属等の最終製品を製造する工程で用いる原料として好適な、ニッケル及びコバルトの濃縮度が高く、かつ付着水分がほとんど含まれない中間精製物を得ることができる。また、貧液は、必要に応じて、上記固液分離工程ヘ繰返し、洗浄液として好ましく用いられる。
本発明の方法において、必要に応じて、上記電解採取工程に先だって、中和工程を行なうことができる。これにより、上記浸出液中に比較的多量に含まれる鉄を水酸化鉄として除去することができ、電解採取工程において、電着物中のニッケル及びコバルト品位を上昇させることができる。また、ニッケルと同様に電極上で還元される可能性がある、例えば銅、マンガン、クロム等の元素を予め除去しておくことも肝要であるが、これら元素の多くは、電解液のpHを上昇させることである程度除去することができる。
上記ラテライト鉱554gに、水2Lを添加しスラリーとした。このスラリーをオートクレーブに装入後、さらに98%硫酸170gを添加し、245℃で1時間撹拌して浸出した。次いで、浸出残渣と分離して浸出液を得た。得られた浸出液の組成は、ニッケル:3.3g/L、コバルト:0.26g/l、マンガン:3.0g/L、鉄:0.70g/l、及びクロム:0.03g/L、また、pHは、0.3であった。
その後、上記浸出液を塩化ビニール製の電解槽(縦100mm、横100mm、高さ100mm)に供給して、浸出液中のニッケル及びコバルトを電解採取して、電着物としてニッケル及びコバルトを含む合金を製造した。ここで、電解槽のカソードとしてチタン板を、アノードとして貴金属酸化物をコーティングしたチタン板を使用した。また、電解時には、電流密度を50A/m2とし、電解液の温度を60℃に調整しながら5時間通電した。通電終了後、カソードチタン板上に電析した電着物を剥ぎ取り、分析に供した。結果を表2に示す。
実施例1と同様に浸出を行ない得られた浸出液を用いて、該浸出液に水酸化カルシウムを添加し、pH2.5に調整し、1時間撹拌して中和処理を行なった。次いで、生成した中和澱物を分離除去して得られた浸出液を電解槽に供給して、浸出液中のニッケル及びコバルトを電解採取して、電着物としてニッケル及びコバルトを含む合金を製造した。なお、電解装置及び電解条件は実施例1と同様であった。通電終了後、カソードチタン板上に電析した電着物を剥ぎ取り、分析に供した。結果を表2に示す。
pH3.0に調整したこと以外は実施例2と同様に行ない、通電終了後、カソードチタン板上に電析した電着物を剥ぎ取り、分析に供した。結果を表2に示す。
pH3.9に調整したこと以外は実施例2と同様に行ない、通電終了後、カソードチタン板上に電析した電着物を剥ぎ取り、分析に供した。結果を表2に示す。
2 固液分離工程
3 中和工程
4 電解採取工程
5 ニッケル酸化鉱石
6 浸出スラリー
7 浸出液
8 浸出残渣
9 中和澱物スラリー
10 母液
11 合金
12 貧液
Claims (4)
- ニッケル酸化鉱石のスラリーに硫酸を添加し220〜280℃の温度および加圧下で浸出した後、ニッケル及びコバルトを含む浸出液と浸出残渣とに分離し、引き続き、得られた浸出液を2.5〜5.0のpHに調整し、得られた鉄を含む中和澱物を分離除去する中和処理に付した後、電解槽に供給し、5〜100A/m 2 の電流密度で電解採取に付すことによって、ニッケル及びコバルトを含む合金を製造することを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
- 前記電解採取において、電解液の温度は、40〜80℃であること特徴とする請求項1に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
- 前記電解採取において、カソードは、チタン板、ステンレス板又はニッケル板から選ばれる少なくとも1種であり、一方、アノードは、鉛板又は鉛を主成分とする合金板からなる不溶性アノードであること特徴とする請求項1に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
- 前記pHの調整剤は、炭酸カルシウム又は水酸化カルシウムであることを特徴とする請求項1に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
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