JP4631161B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/07Ink jet characterised by jet control
    • B41J2/075Ink jet characterised by jet control for many-valued deflection
    • B41J2/08Ink jet characterised by jet control for many-valued deflection charge-control type
    • B41J2/09Deflection means

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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置に関し、特に複数の記録ヘッドモジュールにより高品質な画像を高速で記録することが可能なインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術による連続紙向けシリアル走査型インクジェット記録装置では、連続紙の連続方向と交差する方向に、インクを噴射しながら記録ヘッドを移動(主走査)して複数の主走査線からなる一行分の帯状画像を記録し、その後連続紙の連続方向に記録紙を所定量紙送り(副走査)し、続いて次の行の帯状画像を主走査して記録する。この主走査と副走査を繰り返して画像を記録する。この様なシリアル走査型インクジェット記録装置において、記録速度を上げるためには主走査一回当たりに記録できる帯状記録の主走査線数を増やすか、または、短尺の記録ヘッドモジュールを並べて組み合わせる方法が取られている。
【0003】
シリアル走査型インクジェット記録装置において、記録ヘッドモジュールを精度良く並べる方法として、特開平5−305734に記載されているように、主走査方向に付いては主走査方向と垂直な線分を印刷し、線分の間隔を測定した後、主走査線方向に印刷データがずれた分だけシフトして調整する。副走査方向においては、副走査方向と垂直な線分を印刷し、線分の間隔を測定した後、副走査方向のずれ量だけ、記録ヘッドモジュールの機械的位置関係を調整している。
【0004】
さらに高速のインクジェット記録装置では、連続記録用紙幅の記録に必要な走査線数分のノズル孔を配置した長尺のライン記録ヘッドが使用される。
【0005】
このような長尺記録ヘッドを実現する方法としては、多数のノズルをライン状に一度に形成する方法があるが、この方法では一般に製造上の歩留まりが悪い。それは、多くのノズルの中に一つでもインク吐出特性ばらつきを持ったノズルが有ると、これによる記録ドットが印刷品質の劣化を引き起こすからである。そこで長尺記録ヘッドを実現する方法として製造歩留まりの良い短尺の記録ヘッドモジュールを並べて組み合わせる方法がある。すなわち、各記録ヘッドモジュールが記録する記録ドット群を精度よく組みあわせ、多数のノズルをライン状に一度に形成した長尺の記録ヘッドと同等に記録する。
【0006】
この方法の場合、まず複数の記録ヘッドモジュールを精度良く並べる事が必要となる。
【0007】
記録ヘッドモジュールを精度良くならべ方法としては特開平9−262992に開示されているように、テストパターン記録専用のノズルを用いて、または、記録用ノズルの一部を用いてテストパターンを記録する。次にテストパターンから記録ヘッドモジュールの位置関係を得て、これを元に記録ヘッドモジュール自体の位置関係を機械的な調整機構を用いて調整していた。また、走査方向には、同じく機械的な調整機構を用いてヘッドモジュール自体を調整するか、あるいは、調整記録データを電気的にシフトしても調整できるのでこの記録データシフト手段を前記機械的調整手段と組み合わせていた。
【0008】
また、テストパターンから記録ヘッド位置関係を得る手段としては、特開2000−12737号公報に開示されているように、調整機構を用いて少しずつヘッド位置関係をずらしたテストパターンを複数印刷した後にテストパターンの印刷濃度を光学センサで検出し、得られた印刷濃度からヘッドモジュールの最適な位置関係を推定する方法を用いていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の調整方法では、テストパターン記録専用のノズルを用いて、または、記録用ノズルの一部のみを用いてテストパターンを作成し記録ヘッドモジュールの位置関係を得る為、ノズル毎のインク飛翔方向・速度インク量のばらつき、また温度変化などによるノズル特性変化の影響を回避することが困難で、画像全体として位置ずれが発生してしまい画像を劣化させてしまう。
【0010】
また、機械的な調整が必要なため調整精度を上げようとすると調整機構が複雑になり、また調整を自動化する事が困難であるという問題点があった。
【0011】
さらに、従来のテストパターンから記録ヘッド位置関係を得る手段は、各ヘッドモジュールから記録される記録ドットを、互いにごく近傍または故意に重ねて印刷する。そのため、印刷濃度などを測定する場合、印刷雰囲気や記録媒体によって変化するインクのにじみや、記録媒体による濃度の違いなどの影響を避けることが非常に困難であり、ヘッド位置関係を正確に把握することも容易ではなかった。
【0012】
本発明は、従来のこのような問題点を解決するもので、その目的とするところは複数の記録ヘッドモジュールによる記録ドット群の位置関係を正確に把握し、位置関係を電気的に調整する事で調整の自動化を容易にし、高品質な画像を高速に記録可能なインクジェット記録装置を提供する事である。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、被記録体に画像を描くインク粒子を噴出する複数のノズル孔がほぼ直線的に配列された記録ヘッドモジュールと、前記被記録体に向かって飛行する前記インク粒子に前記ノズルの配列方向とほぼ垂直な方向に偏向を加える荷電偏向手段とを有し、前記記録体を前記記録ヘッドモジュールに対して相対的に移動させ、該移動方向に対して前記ノズルの配列方向を傾斜させてなるインクジェット記録装置において、前記インク粒子と基準位置との位置ずれ量に応じて前記荷電偏向手段の偏向量を調整することを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図を参照しながら説明する。
【0015】
図1は本発明で用いたライン走査型インクジェット記録装置の概略構成例を示す図である。このライン走査型インクジェット記録装置は、インク噴射入力信号に応じてインクを噴射する事により記録を行う事ができ、かつ、荷電偏向電極への入力信号に応じてインクの飛行軌道を偏向制御する事が可能である。印刷が開始すると被記録用紙100はB方向に一定速度で搬送される。信号処理部201は印刷データ信号301から、吐出データ信号304、荷電偏向データ信号302と303を作成する。ノズル駆動ドライバ204は、吐出データ信号304からノズル駆動信号308を作成しノズル列104に印加する。それぞれ対応する荷電偏向データ信号302と303を受け取った荷電偏向電極ドライバ202及び203は、各列毎に共通の荷電電界と偏向電界を作るための荷電偏向電圧309と310を出力する。その結果、吐出データ信号304に応じてノズル列104からインク滴が吐出される。吐出されたインク滴は、荷電電界によって荷電され、一定電界により飛行方向を偏向されて記録紙上に着地することで記録画像が得られる。ヘッドモジュールは、記録紙格子点上に液滴が着地するよう角度θ傾けて配置されている。
【0016】
上記荷電偏向電極等よりなる荷電偏向手段は、インク粒子荷電手段および該荷電手段により荷電された荷電インク粒子を偏向するようにインク粒子の飛行経路に設けた偏向用静電場形成手段を含む。
【0017】
ヘッドモジュール調整モードの場合、信号処理部201は光学センサ制御信号305を同時に出力し光学センサ105を制御する。光学センサ105は記録画像を読み取りディジタルデータとして画像読み取りデータ信号306を、信号処理部201に出力する。画像読み取りデータ信号306を受け取った信号処理部201は、画像読み取りデータ信号306から各ヘッドモジュール101の位置を算出し、その結果に応じて吐出データ信号304と荷電偏向データ信号302と303を変更する。
【0018】
以下、各部について詳細を説明する。図2は図1中C−C‘での断面を示したものである。インク滴の吐出方法及び、液滴の偏向方法の概略を説明する。401はセラミックなどからなる圧電素子、402は振動板、403はリストリクタプレート、404はチャンバプレート、405はオリフィスプレートである。例えば振動板402、リストリクタプレート403、チャンバプレート404はステンレスから作られ、オリフィスプレート405はニッケルから作られる。ノズル駆動信号308が印加されると圧電素子401は変形し、振動板402を介してインクに圧力を加える。加圧されたインクはオリフィス406からインク滴407として吐出する。吐出したインク滴は、オリフィス406から吐出する直前まで、ノズル列方向と平行に設置された荷電偏向電極102と103により荷電界に応じた電荷量だけ荷電される。吐出分離したインク滴407は、荷電偏向電極102と103により一定の偏向電圧による電界で吐出方向を偏向される。その結果、偏向を行わない場合(上図)のインク飛行方向Eに対して、D1、D2のように、インク滴着地位置が荷電電極方向に変化する。偏向電圧をシフトした場合(下図)、シフト電圧による電界に応じたdDだけ液滴の着地位置全体をシフト移動して調整することができる。これにより、ノズル列配置方向Aに垂直な方向に液滴の着地位置をシフト(調整)可能となる。
【0019】
図3は荷電偏向電圧信号による電界とノズル駆動信号を簡単に示した例である。例として、4方向に偏向する場合を示してある。荷電偏向電界は周期的AC成分の荷電電圧による電界とDC成分の偏向電圧による電界を加えた電界となっている。ノズル駆動信号は、圧電素子に印加されてから液滴が吐出するまで遅れを生じる為、インク滴に適切な荷電を行えるよう、dT時間だけ早く印加する。このように各信号を印加して記録を行った結果の模式図を図4に示す。記録紙100はB方向に移動している。図3のタイミングT4で吐出した液滴は、荷電電圧が大きい為大きくノズル列配置方向Aと垂直な方向に偏向されて格子点上501に着地する。タイミングT5で吐出した液滴は格子点上502に着地する。タイミングT6で吐出した液滴は荷電電荷が逆の為、501、502とは逆の方向に飛行して格子点上503に着地する。タイミングT7で吐出した液滴は、T6よりも荷電量の絶対値が大きい為格子点上504に着地する。このようにして格子点上に液滴を着地することができる。
【0020】
しかしながら、ヘッドモジュールの取り付け位置がずれている場合などにより、所望の格子点上に液滴が着地しない場合も発生する。この場合、図2を用いて説明した偏向電界シフトと荷電電圧信号とインク滴吐出信号のタイミングシフトを行うことで解決できる。図5は、荷電電圧シフト及びタイミングシフトを説明する為の荷電偏向信号及びインク吐出信号を示したものである。図6に調整を行った結果の模式図を示す。説明のため図6に示すX、Yの方向に座標を記録紙上にとる。Xは用紙移動方向と平行に、Yは用紙移動方向と垂直となっている。
【0021】
ノズル位置が図6に示す104−1に有った場合、ノズル吐出タイミングT4、T5、T6、T7で吐出・偏向された液滴の着地位置は、501、502、503、504になる。このため、目的の格子点上の着地位置501’、502’、503’、504’に対して、X方向にdX、Y方向にdYだけずれてしまう。偏向電界シフトによるA方向(複数のノズル孔がほぼ直線的に配列された方向)と垂直な方向の着地位置調整量dDと、ノズル吐出タイミングシフトによるB方向の着地位置調整量dFとのdXとdYの関係はヘッドモジュール取り付け角度θを用いて、dY=dDsinθ、dY=dDcosθ+dFとなる。よって、図5に示す偏向電界シフトdEcshiftはこれによるdDsinθがdYになる値となる。また、ノズル吐出タイミングシフトdTshiftは、この時間に記録紙が搬送される時間からdDcosθ相当分だけ減じた値となる。これにより、格子点上からずれた液滴着地位置501、502、503、504からそれぞれに相当する格子点上501’、502’、503’、504’に着地位置を修正することができる。
【0022】
以下、着地位置ずれ量を検出、修正する方法について説明する。図7はヘッドモジュールの簡易図と各ヘッドモジュールにより作成される着地位置ずれ検出用テストパターンの簡略図である。図の例では記録紙移動方向B方向と垂直及び平行な方向に、ノズルユニット全体を用いて互いに重ならない複数の線分を記録している。このようにヘッドモジュールのより多くのノズルを用いてテストパターンを記録する事で、ノズル特性のばらつきを吸収できる。また、カラー記録などの様に複数の液滴を記録紙上の同一の点あるいは決められた相対位置に着地させる場合、局所ではなく全体の位置合わせを行うことができるので、特定のノズル、例えば継ぎ目部分のノズルだけを用いてテストパターンを作成する場合に比べ色ずれ等の目立たない、良好な画像を得る事が出来る。
【0023】
説明を簡単にするため、図中に示したX、Yの座標を用いる。N個のヘッドモジュール101−1、101−2……101−N各々からテストパターンを印刷する。テストパターンは大別して、インク滴の偏向された幅、つまり、荷電電圧の振幅を補正するための偏向幅測定テストパターン520、ヘッドユニットから吐出されるインク滴のX方向の着地位置ずれを検出し補正するためのY方向の複数線分からなるX位置検出テストパターン521、Y方向の着地位置ずれを検出するためのX方向の複数線分からなるY位置検出テストパターン522からなる。X位置検出テストパターン521はY軸方向と水平な線分、また偏向幅測定テストパターン520とY位置検出テストパターン522はX軸と水平な線分とである。これは、説明を簡略化するためであり、それぞれテストパターン毎に座標系に対する一定角度を持っていてもかまわない。
【0024】
なお、今回の例では、偏向幅測定テストパターン520とY位置検出テストパターン522を別のテストパターンとしたが、偏向幅測定テストパターン521でY位置検出テストパターン523を兼用する事も出来る。
【0025】
この、テストパターンを用いてインク滴着地位置補正を行う場合のフローチャートを図8に示す。まずステップ601で前記テストパターンを印刷する。続いて、ステップ602において、光学センサ105によりテストパターンを読み取り、ディジタルイメージデータとしてメモリ等に蓄える。光学センサは例えばCCDアレイなどを用いる事が出来る。センサ間隔が精度良く作成されたCCDアレイとレンズ、照明を組み合わせる事で高解像度のイメージデータを広範囲に取得できる。
【0026】
ステップ603は、蓄えられたイメージデータ上に仮想の空間座標を作成する。仮想空間座標は、イメージデータを処理するのに都合がよければどのような形でもよいが、本実施例では、印刷サンプルと同様のX・Y直行座標系を用いる。
以降、着地位置検出及び補正のステップに入る。
【0027】
ステップ604から608は吐出液滴の偏向振幅幅を検出するステップである。ステップ604でテストパターン520について線分のエッジを検出する。なお、インク粒子で記録された記録ドットの外周縁をエッジとして用いる。
【0028】
ステップ605において、検出した線分のエッジに基づいて近似直線を算出する。エッジの検出方法及び、近似直線の算出方法を図9に示した。光学センサでメモリ等に取り込んだディジタルデータについて、例えば2×2のマスキングを行い、マスク内の2個又は3個のデータが取り込んだディジタルデータの境界部と重なった場合、線分のエッジとみなす。この様にして、線分に付いて一定間隔毎にエッジを検出したのが、図中705である。そして、その座標を記憶しておく。記憶した座標のX・Yデータから近似直線706を算出する。近似直線は例えば、最小二乗法などを用いて求める事が出来る。図9左側は、線分の両側のエッジを検出し、その中心近似直線を求めた例である。検出時間やデータのメモリの制約等からデータの処理量を節約し高速処理する方法として右図のように片側のエッジを用いる事も可能である。図8ステップ606では偏向振幅を検出し、荷電電圧の振幅調整を行う。図7の偏向幅測定テストパターン520の一部を拡大すると図10のようになっている。図10では4段に偏向した場合を示しており、これを用いて検出方法を説明する。まず、図10左の図で説明する。図9を用いて説明した方法で、各偏向段で記録した線分の近似直線706−1、706−2、706−3、706−4を求める。求めた直線に付いて、仮想空間座標中でY軸方向の仮想基準線(基準位置)705との交点を求め、その交点間のY方向距離dW1、dW2、dW3が各偏向段の偏向幅である。706−1〜706−4は必ずしも平行ではないので、基準線(基準位置)との交点を求める必要がある。検出誤差を少なくするため、仮想基準線705は各線分の近くに設ける事が望ましい。今回の例では、線分のX方向長さ合計のほぼ中心に基準線705を設定してある。705−1、705、705−2などを別途設け、それぞれ、dW1、dW2、dW3を求める方法もある。図10右のように格偏向段の幅を測定せず、4偏向段の幅を測定する方法を取ると、計測が簡易になる。
【0029】
このように求めた偏向幅が設計許容範囲かどうかステップ608で判断する。偏向幅が設計許容値外の場合ステップ609で予め用意した偏向幅と荷電電圧量の関係から調整量を算出し、ステップ618で印刷パラメータの変更を行い再度ステップ601でテストパターンを印刷する。これは、偏向幅が調整されていないと、Y方向位置に影響を及ぼすからである。ステップ607で偏向幅が設計許容値内と判断された場合、X・Y方向位置ずれ検出・調整を行う。
【0030】
ステップ610〜612は、Y方向に付いて、ステップ613〜615はX方向についてのエッジ検出・近似直線算出・近似直線間隔算出のステップである。前記偏向幅の場合と同様の方法で、Y位置検出パターン522に対して各線分に付いてエッジ検出を行い(ステップ610)、近似直線を求める(ステップ611)。図11に例を示す。図中707−1〜707−4、及び708−1〜708−4……はそれぞれ1ヘッドモジュールから作成された線分について求めた近似直線である。さらに、仮想訓間座標中Y軸と平行な複数の仮想基準線 705−1、705−2、705−3……を設ける。
【0031】
次に、仮想基準線と近似直線との複数の交点を求め、求めた交点より平均的な線分の間隔を求める(ステップ612)。dY11を例にとって、詳しく説明する。
【0032】
図中Y方向間隔dY11を例に説明する。線分から求めた近似直線707−1、708−1と仮想基準線705−1と交点を求め、Y方向の距離dY111を算出する。同様に、705−2、705−3……についても距離を算出し、その平均をdY11とする。同様にして、各近似直線についても計算を行い、各間隔dY12、dY13……を求める。各ヘッドモジュール内で同じ位置のノズルから形成された線分に関して求めた前記の交点間のY成分を求めたのが図中dY11〜dY24である。上記のようにして求めた間隔dYに付いて、本図では4データなので、次のように平均値dY1を求める。
【0033】
dY1=(dY11+dY12+dY13+dY14)/4
このdY1とヘッドモジュール間隔設計値とを比較する。同様にしてdY2についても、dY2=(dY21+dY22+dY23+dY24)/4とし、設計ヘッドモジュール間隔と比較する。比較したモジュール間隔の誤差分だけY方向に調整する必要が有る。
【0034】
本例では、まず各近似直線間隔を基準線毎に求めその平均値からヘッドモジュール間隔を求めたが、基準線毎の近似直線間隔からヘッドモジュール間隔を求め、その平均値を求めてもかまわない。X方向に付いても同様の手順でヘッドモジュール毎の位置誤差を求める。(ステップ613〜ステップ615)X方向の手順でY方向と異なるのは、座標上の角度が90度回転している事である。
【0035】
この様にして位置誤差を求める場合、注意しなければならないのは、調整量の積算である。隣接ヘッドモジュール間の誤差だけを常に測定していくとヘッドモジュール数が多いライン型プリンタの場合、場合によっては位置調整量が積算され調整範囲を超えてしまう事がある。調整範囲を大きくすると、装置が複雑になるのでこれは避けなければならない。したがって、積算誤差が発生しないような工夫が必要となる。例えば、上記で求めたように基準となるヘッドモジュールに対する位置ずれ量を算出する方法がある。この様にすれば、調整量は積算しない。また似たような方法として、
dYave=(dY1+dY2+dY3+……+dYN)/N
を求め、調整量を下記のように
dYave−dY1
dYave−dY2
dYave−dY3
……
dYave−dYN
とする方法もある。
【0036】
以上のようにして求めた各ヘッドモジュールの位置がX・Y位置誤差許容範囲内かステップ616で判断する。全て範囲内であった場合調整処理を終了する。範囲外であった場合、図5及び図6を用いた説明の方法詰まり、偏向電圧シフトとインク吐出タイミングシフトを用いて補正(調整)するための値をステップ617で求め、ステップ618で印刷パラメータを修正し、再度テストパターンを印刷、設計許容範囲内になるよう収束させる。
【0037】
図12に更に、高精度ヘッドモジュールの位置合わせを行うため、異常点を除去して近似直線を取得する方法の例を示す。図のように、インクが飛び散り、いわゆるサテライトなどが発生して画像を劣化させている場合、エッジ検出にエラーが生じ近似直線が正確に算出できない可能性がある。これを避けるため、まず、イメージデータから求めた線分エッジに付いて近似直線721を求める。求めた近似直線に対して、ある信頼区間で区間推定を行い、近似直線との差が大きなエッジデータに付いては異常点とみなし、近似直線を求める為のエッジデータから排除する。異常点データを排除した新たなエッジデータから再度近似直線722を求める。この様にして、サテライトなどの画像劣化要因の影響を軽減し、より高精度な位置補正が可能となる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の記録ヘッドモジュールによる記録ドット群の位置関係を、正確に把握し、位置関係を電気的に調整する事で調整の自動化を容易にし、高品質な画像を高速に記録可能なインクジェット記録装置を提供する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかるもので、ライン走査型インクジェット記録装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態にかかるもので、荷電偏向電圧信号とノズル駆動信号を簡単に例示した図である。
【図3】本発明の実施形態にかかるもので、図1のC−C‘断面図である。
【図4】本発明の実施形態にかかるもので、各信号を印加してインク粒子のドット記録を行った結果の模式図である。
【図5】本発明の実施形態にかかるもので、荷電電圧シフト及びタイミングシフトを説明する為の荷電偏向信号及びインク吐出信号を示した図である。
【図6】本発明の実施形態にかかるもので、調整後の各信号を印加して記録を行った結果の模式図である。
【図7】本発明の実施形態にかかるもので、検出用のテストパターンを例示した図である。
【図8】本発明の実施形態にかかるもので、着地位置補正ステップのフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態にかかるもので、インク粒子のドットで形成する線分の近似直線を求める方法の模式図である。
【図10】本発明の実施形態にかかるもので、偏向幅を求める方法の模式図である。
【図11】本発明の実施形態にかかるもので、ヘッドモジュール間隔を求める方法の模式図である。
【図12】本発明の実施形態にかかるもので、近似直線を求める他の方法を示す模式図である。
【符号の説明】
100…被記録用紙、101…ヘッドモジュール、104…ノズル列、105…光学センサ、201…信号処理部、202,203…荷電偏向電極ドライバ、204…ノズル駆動ドライバ、301…印刷データ信号、302,303…荷電偏向データ信号、304…吐出データ信号、305…光学センサ制御信号、308…ノズル駆動信号、309,310…荷電偏向電圧、306…画像読み取りデータ信号、401…セラミックなどからなる圧電素子、402…振動板、403…リストリクタプレート、404…チャンバプレート、405…オリフィスプレート、406…オリフィス、407…インク滴、705…近似直線。

Claims (5)

  1. 被記録体に画像を描くインク粒子を噴出する複数のノズル孔がほぼ直線的に配列された記録ヘッドモジュールと、前記被記録体に向かって飛行する前記インク粒子に前記ノズルの配列方向とほぼ垂直な方向に偏向を加える荷電偏向手段と、噴出する前記インク粒子に振動を加えるノズル駆動手段とを有し、前記記録体を前記記録ヘッドモジュールに対して相対的に移動させ、該移動方向に対して前記ノズルの配列方向を傾斜させてなるインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドモジュール、前記荷電偏向手段、前記ノズル駆動手段を含むラインヘッドタイプのインクジェットヘッドを複数配列し、
    前記インク粒子が描く検出用テストパターンと基準位置との位置ずれ量に応じて前記荷電偏向手段の偏向量および前記ノズル駆動手段の駆動タイミングを調整してインクジェットヘッド間の位置調整量の誤差を調整することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 被記録体に画像を描くインク粒子を噴出する複数のノズル孔がほぼ直線的に配列された記録ヘッドモジュールと、前記被記録体に向かって飛行する前記インク粒子に前記ノズルの配列方向とほぼ直交する方向に偏向を加える荷電偏向手段と、噴出する前記インク粒子に振動を加えるノズル駆動手段とを有し、前記記録体を前記記録ヘッドモジュールに対して相対的に移動させ、該移動方向に対して前記ノズルの配列方向を傾斜させてなるインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドモジュール、前記荷電偏向手段、前記ノズル駆動手段を含むラインヘッドタイプのインクジェットヘッドを複数配列し、
    被記録体に描かれた検出用テストパターンを構成している線分を光学センサ等の読み取り手段で読み取り、この読み取った線分データより近似直線を求め、この近似直線と基準位置(基準線)との間にできる前記相対的な移動方向に沿った相対移動方向間隔を求め、前記近似直線と前記基準位置(基準線)との間にできる前記ノズル孔の配列方向にほぼ垂直な方向に沿った垂直方向間隔を求め、前記相対移動方向間隔に応じて前記ノズル駆動手段の駆動タイミングを調整し、前記垂直方向間隔に応じて前記荷電偏向手段の偏向量を調整してインクジェットヘッド間の位置調整量の誤差を調整することを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 請求項記載のインクジェット記録装置において、
    前記垂直方向間隔および前記垂直方向間隔は、前記近似直線と前記基準線との複数の交点から求めることを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 請求項からのいずれか一つに記載されたインクジェット記録装置において、
    前記近似直線は、前記各線分データについて求めた近似直線に基づき各線分データ中の異常点を取り除いたデータから、再度各線分について近似直線を求めることを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一つに記載されたインクジェット記録装置において、
    前記荷電偏向手段は、インク粒子に電荷を与えるインク粒子荷電手段、該荷電手段により荷電された荷電インク粒子を偏向するようにインク粒子の飛行経路に設けた偏向用静電場形成手段を含み、
    インク吐出が吐出データに応じてインク滴が吐出されるオンデマンドタイプのインクジェットヘッドであることを特徴とするインクジェット記録装置。
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