JP2003019789A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2003019789A
JP2003019789A JP2001205733A JP2001205733A JP2003019789A JP 2003019789 A JP2003019789 A JP 2003019789A JP 2001205733 A JP2001205733 A JP 2001205733A JP 2001205733 A JP2001205733 A JP 2001205733A JP 2003019789 A JP2003019789 A JP 2003019789A
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ink jet
head
module
ink
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JP2001205733A
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Shinya Kobayashi
信也 小林
Takehiro Yamada
剛裕 山田
Kunio Sato
国雄 佐藤
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Koki Holdings Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Koki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オンデマンド方式のヘッドモジュールを傾斜
配列してなるライン方式インクジェット記録装置では、
モジュール取り付け位置誤差や、用紙搬送位置誤差によ
り、モジュールの継ぎ目において出力画像に筋むらが入
り画質が劣化する。 【解決手段】 オリフィスに装着され電気的に接地され
たオリフィス電極と、用紙背面に配置され荷電及び偏向
電圧が印加される背面電極とを備え、各ノズルから吐出
されるインク液滴の吐出タイミング、吐出初速度、及び
荷電量の設定値を連動して変更する制御手段を備えるよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オンデマンド型イ
ンクジェット記録装置に係り、特に小型のヘッドモジュ
ールを多数配列することによってなるライン記録形の高
速インクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の装置は、特公昭47−7847に
開示されているように、互いに分離した均一なインク液
滴を形成、吐出するインクジェット記録装置において、
ノズルから印字信号に応じてインク液滴を吐出させ、更
に印字信号に応じて荷電電界によってインク液滴を荷電
させ、一定偏向電界によって飛翔中のインク液滴の向き
を偏向させ、用紙着地位置を制御したり、又は用紙に着
地しないように回収するようになっていた。また、高速
印字の為に、上記ノズルをアレイ状に並べる実施例も開
示されている。
【0003】インクジェット記録装置の高速化には、ノ
ズルのアレイ化が有効であることは言うまでも無い。更
にアレイ化が進み、記録用紙幅に匹敵する長さのアレイ
ヘッドが出来ると、従来の様に記録用紙を一旦停止さ
せ、用紙送り方向と垂直な方向にヘッドをスキャン(移
動)させるシリアル記録方式では無く、ヘッドを移動さ
せず記録用紙を連続的に搬送しながら記録する、いわゆ
るライン記録方式の構成が可能になる。
【0004】また、オンデマンド方式のライン方式イン
クジェット記録装置は、コンティニュアス方式の装置に
比べて記録速度では及ばないが、インクシステムが非常
に簡単である為、普及型の高速記録装置を提供するのに
適している。このオンデマンド方式インクジェット記録
装置用の記録ヘッドは、ノズルを開口とするインク室中
のインクに、圧電素子や発熱素子への駆動電圧印加で、
圧力を加えてインク粒子を吐出するようになっているノ
ズルを、列状に配置したヘッドである。このタイプの記
録ヘッドが、例えば、特開平11−78013等で多数
提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】オンデマンド方式のラ
イン方式インクジェット記録装置には、近年の高解像度
化要求によって以下に述べる2つの課題がある。
【0006】1つは、ヘッドの総ノズル数が膨大になる
点である。解像度が300dpi(ドット/インチ)の
場合、9インチの記録幅でも、1色当りで2700ノズ
ル必要となる。これをもしも一体型ヘッドで製作しよう
とすれば、不良品により歩留りが低下し、製造コストが
高くなる。
【0007】もう1つの課題は、たとえ小型のモジュー
ルにしても、解像度が300dpiのノズルピッチを実
現することが難しい点である。特に、圧電素子を使用し
たオンデマンド方式において、現状では高密度化が困難
となっている。そこで、ここでは、1インチに75個の
ノズルピッチ(以下npiと呼ぶ)で、ノズル数128
ノズルの小型ヘッドモジュール(幅10mm)があると
仮定して説明する。
【0008】一般に、このようなモジュールを組み合わ
せて、解像度が300dpiで2700ノズルを並べた
ライン記録形インクジェット記録装置を構成する為に
は、モジュールを用紙送り方向に対して、垂直に向けて
互いに平行に何列も並べる方法と、モジュールを用紙送
り方向にわずかに傾斜させて互いに平行に何列も並べる
方法とがある。ここでは前者を垂直配列ヘッド、後者を
傾斜配列ヘッドと呼ぶ。75npiの128ノズルのヘ
ッドモジュールの場合は、垂直配列ヘッドにすると4列
並列に並べれば300dpi(=75x4)となるが、
実際は、ヘッドモジュールの継ぎ目で、ノズルをノズル
列方向に連続して繋ぐ事が出来ない為に千鳥状に並べな
ければならず、結局、用紙送り方向に8列分以上の幅が
必要となる。一方、傾斜配列ヘッドではモジュールを用
紙送り方向に対し約14度傾けると凡そ300dpiに
なる。ヘッドモジュールの幅が10mm以下であればこ
の構成が実現出来る。実装効率や製作精度等はヘッドモ
ジュールの形にもよるが、前述したヘッドモジュールの
場合は、傾斜配列したほうがノズルの用紙送り方向の幅
が小さくなり実装上有利と考えられる。
【0009】いずれにしろ、まず、1色あたり20数個
のヘッドモジュール全てを20ミクロン程度の誤差で配
列設置することはかなり困難である。モジュールとその
中のノズル列との間に相対的な位置ずれもあり、結局、
テスト印字して補正することになる為、人が一つ一つ合
わせていたのでは製品にならない。
【0010】また、1ラインで作る理想的なラインヘッ
ドに比べ、前記ヘッドモジュール配列ヘッドの場合は、
用紙送り方向に幅がある為に、もし、用紙が蛇行(スキ
ュー)すると、モジュールの継ぎ目で画像が重なったり
離れたりして著しく画質を劣化させることになる。
【0011】本発明の目的は、前記ヘッドモジュール傾
斜配列ヘッドにおいて、各ヘッドモジュールの取り付け
位置誤差による用紙上のインク液滴着地位置誤差を、電
気的に補正することにある。また、別の目的は、用紙の
スキューによる用紙上のインク液滴着地位置誤差を、電
気的に補正することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為、
本発明では、オンデマンド方式のヘッドモジュールを傾
斜配列してなるライン方式インクジェット記録装置にお
いて、オリフィスに装着され電気的に接地されたオリフ
ィス電極と、用紙背面に配置され荷電及び偏向電圧が印
加される背面電極とを備え、各ノズルから吐出されるイ
ンク液滴の吐出タイミング、吐出初速度、及び荷電量の
設定値を連動して変更する制御手段を備えるようにし
た。
【0013】また、各ノズルから吐出されるインク液滴
に対し、吐出タイミングを変更する為のノズルデータ変
換装置と、吐出初速度を変更する為の駆動波形生成装置
と、荷電量を変更する為の荷電電圧生成装置と、それら
の設定値を連動して変更する為の設定変更手段とを備え
るようにした。
【0014】また、傾斜配列されたヘッドモジュールの
設置誤差(x方向とy方向誤差と回転誤差)の計測情報
を前記設定変更手段に入力することを特徴とする。更
に、搬送される記録用紙の位置誤差(送り方向誤差と、
それと垂直な方向の誤差)の計測情報を前記設定変更手
段に入力することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、図1乃至
図14及び表1により説明する。
【0016】図2に、本発明を適用したプリンタシステ
ムの全体構成を示す。プリンタシステムは、コンピュー
タ部201とインクジェットプリンタエンジン部202
とに分けられる。
【0017】コンピュータ部201には、プリンタドラ
イバソフトが格納されており、インクジェットプリンタ
エンジン部202での仕様に合わせて、ユーザが作成し
た文書データ209をビットマップデータ210に展開
する。本例では、300dpiの1ドット1ビットデー
タで、“1“が有色ドット、”0“が無色ドットを表
す。
【0018】プリンタエンジン部202には、まず、後
述する10個のヘッドモジュール207−1〜207−
10を制御する為のモジュール制御装置203−1〜2
03−10がある。モジュール制御装置203−1〜2
03−10は、前記コンピュータ部201から、各ヘッ
ドモジュール毎に分けられたビットマップデータ210
を受け取ると同時に、ヘッド制御装置209からの制御
指令213を受け取り、各ヘッドモジュール207−1
〜207−10に対するノズルデータ、駆動波形信号、
荷電電圧信号、偏向電圧信号を発生する。各ヘッドモジ
ュール207−1〜207−10は、これらの信号に基
づきインク液滴を記録用紙上に吐出し着地させ、記録画
像208を得る。
【0019】図4上図に、前記ヘッドモジュール207
のインク吐出面を示す。ノズルピッチ75npiのノズ
ル401が128個並んでいる。更にノズル401のす
ぐ脇にオリフィス電極402がある。このオリフィス電
極402は、導電性金属であり電気的に接地されてい
る。図4下図に、横から見た図を示す。前記した様に、
このヘッドモジュール1個では、ノズル総数も解像度も
不足する為、複数のヘッドモジュールを組み合わせる必
要がある。
【0020】図5に、前記ヘッドモジュール207を傾
斜配列させたヘッドの一例を示す。これはヘッドモジュ
ール207を用紙送り方向に対し14度傾けた状態で、
用紙送り方向に垂直な方向に10個のヘッドモジュール
207−1〜10を並べたものである。これにより、像
度309dpiで105mmの記録幅をもつライン記録
ヘッド501が出来上がる。
【0021】カラーの場合、この記録ヘッド501がC
MYK用に4個、あるいはそれ以上並ぶことになるが、
本例では簡単の為に、1個の記録ヘッド501として説
明する。複数個並べた時の他の記録ヘッドについても同
様である。
【0022】図3に、前記ノズルモジュール207の中
のノズル401構造を示す。301はオリフィス、30
2は加圧室、303は振動板、304は圧電素子、30
5は信号入力端子、306は圧電素子固定基板、307
は共通インク供給路308と加圧室302とを連結し、
加圧室302へのインク流量を制御するリストリクタ、
309は振動板303と圧電素子304とを連結する弾
性材料(例えばシリコン接着剤など)、310は、リス
トリクタ307を形成するリストリクタプレート、31
1は加圧室302を形成する加圧室プレート、312は
オリフィス301を形成するオリフィスプレート、31
3は振動板を補強する支持板である。
【0023】振動板303、リストリクタプレート31
0、加圧室プレート311、支持板313は、例えば、
ステンレス材から作られ、オリフィスプレート312は
ニッケル材から作られている。また、圧電素子固定基板
306は、セラミックス、ポリイミドなどの絶縁物から
作られている。
【0024】インクは、上から下に向かって共通インク
供給路308、リストリクタ307、加圧室302、オ
リフィス301の順に流れる。圧電素子304は、信号
入力端子305に電圧が印加されている時に伸縮し、印
加されなくなれば変形しないように取り付けられてい
る。
【0025】図1に、モジュール制御装置203の構成
を示す。各ヘッドモジュール毎に分けられたビットマッ
プデータ210は、ノズルデータ変換装置103に入力
され、ヘッドモジュール207内の128個のノズルに
対応する、ノズルデータ103−0に変換される。その
際、ノズルデータ変換装置103は、ヘッド制御装置2
09からのタイミング信号113及び変換方法指示信号
114に従って変換する。
【0026】駆動波形生成装置104は、ヘッド制御装
置209からのタイミング信号113をもらい、ヘッド
モジュール207内のノズルに対応する圧電素子304
を駆動する為の駆動アナログ信号104を生成する。波
形としては、通常、駆動波形と非駆動波形とを発生して
いる。
【0027】圧電素子ドライバ回路107は、前記ノズ
ルデータ変換装置103からのノズルデータ103−
0、及び駆動波形生成装置104からの駆動アナログ信
号104−0を入力し、前記ノズルデータ103−0が
1の時は圧電素子304に駆動波形が、前記ノズルデー
タ103−0が1の時は非駆動波形が選択され、印加さ
れるようになっている。
【0028】一般に、駆動波形の振幅が大きいとインク
液滴の吐出速度が速くなる。従って、理論上は全てのノ
ズルからのインク液滴速度を各々独立に制御出来るが、
実際は回路の簡単化の為、各ヘッドモジュールで1つの
駆動アナログ信号104を共用している。駆動波形の電
圧振幅は、ヘッド制御装置209からの駆動電圧指示信
号115に従う。
【0029】次に、荷電電圧生成装置105、及び偏向
電圧生成装置106について説明するが、これらは、一
般のオンデマンド型マルチノズルインクジェット記録装
置には無いものなので詳しく説明する。
【0030】図6に、前記記録ヘッド501を用いて記
録する原理を示す。図4に示したヘッドモジュール20
7の吐出面を下向きにし、ノズル401から記録用紙6
01上にインク液滴602を吐出している様子を示す。
但し、オリフィス電極402は接地されている。本例の
オリフィス電極402は、図の様に、ノズルから0.3
mm離れたオリフィス面上に張り付いており、厚さ0.
5mm、幅1.0mmである。荷電電圧生成装置10
5、及び偏向電圧生成装置106からの高電圧は、後述
するようにセレクタ108で時分割され、高電圧アンプ
109を通して約±1(kV)程度に増幅され、用紙背
面電極603に印加される。ノズル401からインク液
滴602が飛び立つ瞬間には、荷電電圧生成装置105
からの荷電電圧105−0を印加する。例えば、プラス
1000Vかけると導電性のインクであれば負に荷電さ
れる。その後は、偏向電圧生成装置106からの偏向電
圧106−0を印加する。例えば、プラス1000Vか
けると、オリフィス電極402の形状の影響で図に示す
様な傾斜電界604が発生する。この結果、マイナスに
荷電されたインク液滴602は図の左側に偏向される。
同様に、荷電電圧を0Vにすれば、荷電されないインク
液滴602は直進するし、荷電電圧をマイナス1000
Vにすれば、正に荷電されたインク液滴602は図の右
側に偏向する。
【0031】荷電電圧105−0は、インク液滴が離脱
する時だけに効果がある為、吐出する毎にその大きさを
自由に変えられる。一方、偏向電圧106−0は、イン
ク液滴が飛行中ずっと効力がある為、吐出周波数が高
く、2液滴以上が同時に飛翔しているような場合は、液
滴毎に独立に制御出来ない。そこで、通常は荷電電圧1
05−0を制御するようにし、偏向電圧106−0は偏
向電圧指示117に従うものの、記録中は一定にしてい
る。
【0032】図7に、各信号のタイミングチャートの例
を示す。本例では従来のドット周期を1/5に細分して
いる。その細分された時間区間に前から1、2、と5ま
でサブドット番号を振った。本例の場合、前半のドット
周期に割り当てられた“1”のビットマップデータ21
0は、ヘッド制御装置209のタイミングの指示113
により、サブドット番号1に割り振られている。後半の
ドット周期に割り当てられた“1”のビットマップデー
タ210は、ヘッド制御装置209のタイミングの指示
113により、サブドット番号2に割り振られている。
駆動アナログ信号104−0は、前記サブドット周期で
出続けているが、それぞれの電圧振幅はヘッド制御装置
209からの駆動波形電圧指示115によって決定され
る。しかし周期はドット周期で変化するので、5種類の
駆動波形電圧が設定出来る。
【0033】背面電極603には、荷電電圧105−0
と偏向電圧106−0が印加される。偏向電圧106−
0は1000Vで一定である。但しインク液滴が切断す
る、短い時間には荷電電圧105−0がかけられる。前
記した様に、本例では荷電電圧105−0をサブドット
周期毎に制御する。制御値は駆動波形電圧と同様に、ヘ
ッド制御装置209からの荷電電圧指示116により5
種類の荷電電圧105−0が設定出来る。図の例では、
サブドット番号1の時に1000V、サブドット番号2
の時に500V、サブドット番号3の時に0V、サブド
ット番号4の時に−500V、サブドット番号5の時に
−1000Vに設定され、以後これを繰り返す。
【0034】結果として、前半のドット周期のサブドッ
ト番号1の時に、指定の駆動波形電圧と荷電電圧でイン
ク液滴が吐出され、後半のドット周期のサブドット番号
2の時に、前記とは違う条件でインク液滴が吐出され
る。このようにして、ドット毎に、吐出タイミング、駆
動波形電圧、及び荷電電圧の組み合わせを、ヘッド制御
装置209によって設定された5種類の中から選択する
ことにより調整出来る。以上により、本例で使用した装
置での記録原理の説明を終える。
【0035】以下、図8を用いて、インク液滴602の
着地位置について簡単に解析する。図8は、図6に示す
記録原理図に対し、ノズル401位置を原点Oとし、オ
リフィス面内でノズル列方向と垂直な(図では左)方向
にx軸、オリフィス面の法線(図では下)方向にy軸を
取った解析の為の説明図である。図8の様に、ノズル4
01を原点Oに取り下向きに左向きにx、下向きにy座
標をとる。用紙位置はy=dとし、偏向電界Eは簡単の
為、x軸と角度θをなす方向に一様な電界とする。更
に、インク液滴602は、初速V0、荷電量q、質量
m、位置(x,y)とすれば以下の様に着地位置が求ま
る。
【0036】まず、インク液滴の位置は x=1/2×q/m×Ecosθ×t^2 y=V0×t+1/2×q/m×Esinθ×t^2 と表わされるので、用紙上に着地する時刻t1は d=V0×t1+1/2×q/m×Esinθ×t1^2 (1) の正の解である。用紙の送り速度を偏向電界Eと直角
(z軸方向)で大きさVpとすると、用紙上の着地位置
(x1,z1)は、 x1=1/2×q/m×Ecosθ×t1^2 (2) z1=Vp×t1 (3) 逆に、着地位置が(x1,z1)に指定された場合、
(3)式よりt1が決まり、(2)式よりqも決まる。
更に(1)式よりV0が決まる。従って微小な量なら、
着地位置を任意に調整出来ることになる。
【0037】具体的な数値を以下に示す。
【0038】V0=5.0(m/s)、m=30(n
g)、θ=45度、Vp=1(m/s)、 q×E=100(μg×m/s^2) ここでq×Eの値は、図6において、d=1.5(m
m)、また図7において荷電電圧1(kV)、偏向電圧
1(kV)によって実現される。これは市販の電界解析
ソフト等で解析が可能であるが、インク特性や吐出波形
により、インク液滴切断時の液滴形状がことなると、こ
の値は数倍又は数分の一に変動する。本実施例では、一
般的な導電性水性インクを使用した場合の結果である。
【0039】表1に、計算結果と実測値を示す。
【0040】
【表1】
【0041】荷電しない場合(例1)は t1=0.3(msec)、x=0(μm)、z=30
0(μm) となるが、ここを基準とする。
【0042】荷電すると(例2) t1=0.28(msec)、x=93(μm)、z=
281(μm) となりx方向z方向ともに着地位置が移動する。
【0043】ここで、ここから、x方向の変位だけを独
立に半分のx=47(μm)にする場合(例3)、
(1)から(3)式より V0=5.16(m/s)、q×E=100(μg×m
/s^2) とすれば、t1=0.28(msec)で、x=47
(μm)、z=282(μm) となり着地位置を所望の位置に移動することが出来る。
この時、速度V0は駆動波形の電圧で調整し、荷電量q
は、荷電電圧205で変えることが出来る。
【0044】実測値は、本例では計算値とずれるが、こ
れは(1)から(3)式では、偏向電界の方向を一様と
仮定したり、空気抵抗による減速を考慮しなかった為
で、実際は市販の電界解析ソフトを使用することによ
り、予測精度は数ミクロン程度に抑えることが出来る。
従って、予め計算した結果をメモリテーブルに格納して
おけば、インク液滴着地位置の所望の補正量に対して直
ちに応答し補正することが出来る。
【0045】荷電量qは、荷電電圧105−0で変えら
れるし、初速度V0は駆動波形の電圧104−0で調整
出来る。以下、実用的な調整の実施形態として2つの例
を示す。
【0046】第1例として、傾斜配列ヘッドにおいて、
各モジュールの取り付け位置誤差による用紙上のインク
液滴着地位置誤差を、電気的に補正すること。
【0047】図5に示す、傾斜配列ヘッドにおいて、各
モジュールの取り付け位置精度を20ミクロン程度に抑
える為には、数が多いだけに手作業では大変である。
【0048】図9に、モジュールのノズル列の両端のノ
ズルの正規な位置aとb、及び取り付け誤差により移動
した位置adとbdを示す。中間のノズルは省略した
が、それらを等間隔に内分する位置で表わされる。取り
付け位置誤差による用紙上のインク液滴着地位置誤差、
つまり正規のモジュール位置901の着地位置a、bか
らずれたモジュール位置902の着地位置ad、bdま
での座標変換は、原点からの平行移動(xd、yd)と
角度θからθdへの回転移動との組み合わせで表わされ
る。図では、モジュールのノズル列の両端のノズルaと
b、及びadとbdだけ示したが、中間のノズルは、そ
れらを等間隔に内分する位置で表わされるので、両端の
ノズルからの着地位置を合わせれば、中間のノズル位置
は合っていることになる。
【0049】まず、吐出タイミング113の調整と、荷
電電圧の調整116でノズルadを原点位置のノズルa
の位置に補正することが出来る。これで平行移動(x
d、yd)分は調整され、図10に示す様にad、bd
はa、bd1に補正される。
【0050】ここで回転移動が無い場合は、bd1とb
とは同じ位置であるが、回転移動がある場合は、ノズル
bdがノズルbに重ならないので、違った荷電電圧11
5−0を設定しなければならない。この場合、ノズルデ
ータへの吐出タイミング114を変えて、吐出時刻をず
らして、前記(1)(2)(3)式による荷電電圧10
5−0と駆動波形電圧104−0で記録することにより
ノズルbdをノズルbに重ねることが出来る。ノズルa
dとノズルbdとの中間にあるノズルは、それぞれの中
間の打方をすればよい。
【0051】図7に示した例では、1ドット記録する時
間内に、5回吐出するタイミングがあり、各々個別に荷
電電圧を設定出来る。図11にノズルデータ変換方法と
それに対する荷電電圧のテーブルを示す。両端ノズルN
o.1及びNo.128に対するノズルデータ、駆動波
形電圧、荷電電圧が前記(1)(2)(3)式により決
定されれば、その間のノズルN0.2〜127の補正
は、その中間値を入れればよい。図11の場合では、以
下のように決定する。
【0052】Vd(i)=((5−i)×Vd(1)+
(i−1)×Vd(5))/4 Vc(i)=((5−i)×Vc(1)+(i−1)×
Vc(5))/4 但しi=2、3、4 図2において、モジュールの取り付け位置誤差計測装置
211はテストパターンを印字するなどして前記モジュ
ールの取り付け位置誤差を計測する装置である。テスト
パターンを作業員が見て数値を入力する場合も、イメー
ジスキャナ等で読み込み自動計測する場合もある。位置
誤差計測装置211からの情報はヘッド制御装置209
に入力され、前記の様にノズルデータ変換装置103、
駆動波形生成装置104、荷電電圧生成装置105の各
設定値を変更する。これにより位置誤差の無い、高画質
な出力画像が得られるようになる。
【0053】第2例として、記録用紙を搬送する場合、
搬送方向とそれと垂直な方向に対し送り誤差(ここでは
スキューと呼ぶ)が生じる。搬送方向の送り誤差に対し
ては、インクジェットプリンタは一般にエンコーダ制御
によって対策している。
【0054】図12に、エンコーダ制御の方法を示す。
記録用紙601は、エンコーダ1201付のモータ12
02で一定速度で搬送される。エンコーダ1201の精
度は数μmであるが、用紙送り精度は20μm程度ある
為、エンコーダ1201で誤差を検出出来る。図2に示
した、用紙送り誤差計測装置212は、このエンコーダ
1201信号を受信し、これに合わせて全ヘッドモジュ
ール制御装置203のタイミング113を制御する。こ
れにより、用紙搬送速度が速くなると、インク液滴吐出
周波数が上がり、逆に遅くなると周波数が下がる。この
方法は公知の多くのインクジェットプリンタで実施され
ている為詳しい説明は省略する。
【0055】しかし、この方法は用紙スキューに対して
は有効でない。すなわちライン方式のインクジェットプ
リンタでは、インク液滴を搬送方向と垂直な方向に制御
する事が不可能だからである。
【0056】図13に、用紙のスキュー量を検出する為
の光センサの構成を示す。従来は、図13に示す様な光
学式センサ1301によって用紙のスキュー量を検出
し、それを紙送りローラの位置やテンションにフィード
バックすることによって出来るだけスキュー量を小さく
してきた。しかしながら、20μm程度の誤差が発生す
ることは抑えきれない。
【0057】本装置では、(2)、(3)式においてz
1を一定にしたまま、x1だけを独立に偏向することが
出来る。(3)式よりt1は決まっている。いま、光学
式センサ1101からのスキュー量がΔx1であるとす
ると、(2)式よりx1がx1+Δx1になるようにq
が決まり、最後に(1)式よりV0が決まる。図2で説
明すると、用紙送り誤差計測装置212からのスキュー
量がヘッド制御装置209に入力されると、前記計算の
結果、直ちに駆動波形生成装置104で駆動波形の電圧
を変更することでV0を変え、荷電電圧生成装置105
で荷電電圧を変更することで荷電量qを変えることによ
り位置誤差の無い、高画質な出力画像が得られるように
なる。
【0058】図14に、用紙スキュー量x(mm)に対
し、q×E、及びV0をいかにとれば良いかを示すグラ
フを示す。条件は表1の時と同じである。q×Eは荷電
電圧を変えることによって達成され、V0は駆動波形電
位差を変えることによって達成される。
【0059】本例によれば、公知のスキューセンサ等に
より得られた用紙のスキュー量がヘッド制御装置209
に入力されると、直ちに全てのヘッドモジュール制御装
置203に対し、図14のグラフの如く荷電電圧11
6、及び駆動波形電位差115が制御され、前記スキュ
ー量を補正することが出来、用紙送り方向に幅のある本
実施例ヘッドの弱点であるスキューによる筋むらを無く
すことが出来、高画質の記録画像が得られる様になる。
また、図14のグラフの如く特性が線形である為、簡単
な回路でほぼ実時間での処理が可能になる。また、本補
正は、用紙送り方向誤差に対する従来のエンコーダ制御
とは独立に働く為、用紙に対する2次元的な位置補正が
実現される。
【0060】各ヘッドモジュールの取り付け位置誤差や
用紙の送りむらによる用紙上のインク液滴着地位置誤差
には、x方向y方向の他に回転誤差がある。これらは本
装置において共通駆動波形の時間タイミング、インク液
滴の吐出速度、及び荷電電界の大きさを調節することに
より補正することが出来る。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、オンデマンド方式のヘ
ッドモジュールを傾斜配列してなるライン方式インクジ
ェット記録装置において、インク液滴の用紙上着地位置
をほぼ任意に補正出来る為、多数のヘッドモジュールの
取り付け位置誤差による用紙上のインク液滴着地位置誤
差を電気的に補正出来、高画質な出力画像を得ることが
出来る。また、用紙搬送における特にスキューに対し、
インク液滴着地位置誤差を瞬時に補正することが出来る
為、傾斜配列ライン方式インクジェット記録装置の弱点
であるスキューによる筋むら等の画質劣化を低減出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 モジュール制御装置203の構成
【図2】 本発明を適用したプリンタシステムの全体構
【図3】 ノズルモジュール207の中の、ノズル40
1の構造
【図4】 ヘッドモジュール207のインク吐出面
【図5】 ヘッドモジュール207を傾斜配列させたヘ
ッドの一例
【図6】 記録ヘッド501を用いて記録する原理
【図7】 各信号のタイミングチャートの例
【図8】 解析の為の説明図
【図9】 モジュールのノズル列の両端のノズルの正規
な位置aとb、及び取り付け誤差により移動した位置a
dとbd
【図10】 平行移動(xd、yd)分の調整
【図11】 ノズルデータ変換方法とそれに対する荷電
電圧のテーブル
【図12】 エンコーダ制御の方法
【図13】 用紙のスキュー量を検出する為の光センサ
の構成
【図14】 用紙スキュー量x(mm)に対し、q×
E、及びV0をいかにとれば良いかを示すグラフ
【符号の説明】
101は連続非吐出時間計測回路、103はノズルデー
タ変換装置、104は駆動アナログ信号、105は荷電
電圧生成装置、106は偏向電圧生成装置、107は圧
電素子ドライバ回路、108はセレクタ、109は高電
圧アンプ、113はタイミングの指示、114はノズル
データへの吐出タイミング、115は駆動波形電位差、
116は荷電電圧指示、117は偏向電圧指示、201
はコンピュータ部、202はプリンタエンジン部、20
3はモジュール制御装置、207はヘッドモジュール、
208は記録画像、209は文書データ、210はビッ
トマップデータ、211は取り付け位置誤差計測装置、
212は用紙送り誤差計測装置、213は制御指令、3
01はオリフィス、302は加圧室、303は振動板、
304は圧電素子、305は信号入力端子、306は圧
電素子固定基板、307はリストリクタ、309は弾性
材料、310はリストリクタプレート、311は加圧室
プレート、312はオリフィスプレート、313は支持
板、401はノズル、402はオリフィス電極、501
はライン記録ヘッド、601は記録用紙、602はイン
ク液滴、603は用紙背面電極、901は正規のモジュ
ール位置、902…ずれたモジュール位置、1201は
エンコーダ、1202はモータ、1301は光学式セン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA08 EB13 EB36 EC08 EC31 EC37 EC42 FA07 FA13 HA10 2C057 AF31 AG14 AG16 AG44 AL23 AM19 AN05 BA03 BA14 BD05 DA09 DB01 DB04 DC02 DD09 DD10 DE03 DE07 DE08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オンデマンド方式のヘッドモジュールを傾
    斜配列してなるライン方式インクジェット記録装置にお
    いて、オリフィスに装着され電気的に接地されたオリフ
    ィス電極と、用紙背面に配置され荷電及び偏向電圧が印
    加される背面電極とを備え、各ノズルから吐出されるイ
    ンク液滴の吐出タイミング、吐出初速度、及び荷電量の
    設定値を連動して変更する制御手段を有することを特徴
    とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】各ノズルから吐出されるインク液滴に対
    し、吐出タイミングを変更する為のノズルデータ変換装
    置と、吐出初速度を変更する為の駆動波形生成装置と、
    荷電量を変更する為の荷電電圧生成装置と、それらの設
    定値を連動して変更する為の設定変更手段とを有するこ
    とを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装
    置。
  3. 【請求項3】傾斜配列されたヘッドモジュールの設置誤
    差の計測情報を、前記設定変更手段に入力することを特
    徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】搬送される記録用紙の位置誤差の計測情報
    を、前記設定変更手段に入力することを特徴とする請求
    項1記載のインクジェット記録装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007001137A (ja) * 2005-06-23 2007-01-11 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット記録装置
JP2008513233A (ja) * 2004-09-07 2008-05-01 ディマティックス インコーポレイテッド プリントシステムおよびプリント方法における可変解像度

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