JP5075364B2 - 画像記録装置及び画像記録方法 - Google Patents
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Description
このようなノズル列の長尺化要求を満足する画像記録装置としては、記録媒体の一つの辺全域に亘り複数の吐出ノズルを配列(形成)する、いわゆるラインヘッドを用いた構成が知られている。
これらの課題を解決するインクジェット画像記録装置としては、記録媒体の幅以上の長さに亘り複数のノズルが形成されてなる複数のノズル列、又はそのノズル列を有する短尺記録ヘッドを、ノズル列の配列方向に複数配列したラインヘッドを用いる構成が知られている。このようなインクジェット画像記録装置は、短尺記録ヘッドによるコスト、歩留り、及び信頼性等の利点、さらにはラインヘッドによる高速画像記録の利点が生かされる。
ここで、インクジェット画像記録装置が画像記録を行う記録媒体が例えばロール紙等の連続シートの場合では、ロール紙の搬送速度が一定速度となるまでに、長時間の助走時間を必要とする。
また、装置の大型化及びコスト高を回避するためにロール紙の搬送速度が一定速度となるまでの助走時間を多く設定する方法では、画像記録を行えないロール紙等の先頭部分における領域を増加させるためランニングコスト高を招くと共に、助走時間が長くなった分画像記録のスループットが低下するといった問題が生じる。
同図では、ノズル列1から記録媒体2方向へ飛翔する際のインク滴3が、ノズル列1と記録媒体2との相対移動によって位置ずれする様子が示されている。
また、特許文献1の技術では、記録ヘッドの位置検出を行うための構成として、キャリッジの変位を検出するエンコーダと、エンコーダの出力パルスを計数して第1の位置情報を得る第1のカウンタと、エンコーダの出力パルスまたは第1の位置情報を分割したパルスを計数して第2の位置情報を得る第2のカウンタと、を有する構成としている。
同図では、二点鎖線に囲まれる6個の短尺記録ヘッド11−1乃至11−6を媒体の搬送方向(Y方向)に距離dhだけ離間させて互い違いにノズル配列方向(X方向)に並べ
て配設された、単色の記録ユニット(ラインヘッド)12と、記録媒体2との位置関係が示されている。
前述した(1)式は、ノズル列が移動するシリアルスキャン型画像記録装置を例に説明したが、(1)式の速度Vsを記録媒体の搬送速度に置き換えれば、図13に示されるような記録ユニット12を固定して配設するフルライン型画像記録装置によるインク着弾位置の相対移動方向(y方向)のずれ量dyを(1)式で算出することができる。
相対移動速度Vs:1m/secで、
インク滴飛翔速度Vd:10m/secで、
ノズル列−記録媒体間距離G:2mmとすると、
求める相対移動方向(y方向)のずれ量dy:200μm、となる。
本発明は、前述した問題(課題)に鑑みてなされたものであり、ノズル列毎の噴射特性のばらつきや各ノズル列の取付け位置に誤差がある場合、更には各ノズル列に対する記録媒体の相対速度が、一定速領域のみならず加速領域あるいは減速領域においても、記録媒体に対してノズル列毎の着弾ドットずれのない画像記録を可能とする画像記録装置及び画像記録方法の提供を目的とする。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像記録装置の概念的な構成例を示す図である。
また、図2は、カット紙等の記録媒体を想定した画像記録装置の構成要素の配置例を模式的に示した図である。
制御部21は、記録ユニット25−1−1乃至25−n−m、記録媒体43の先端位置を検出する記録媒体検出部23、画像記録モード等を設定するモード設定部24、及び記録媒体43の搬送を行う搬送機構22、にそれぞれ接続している。
ノズル列駆動タイミング生成部27は、各ノズル列33−1−1乃至33−n−mへの駆動タイミングを生成して、この生成された駆動タイミングで各ノズル列駆動部32−1−1乃至32−n−mに対して記録指示を通知することにより、各ノズル列33−1−1乃至33−n−mによるインク吐出を制御する。中央処理装置28は、制御部21による画像信号処理と、画像記録装置20全体の統括制御を行う。
記録ユニット25−1−1乃至25−n−mは、画像記録に関する諸条件(ジョブ情報)及び画像データを上位装置34から通知を受けた制御部21の制御指示により、記録媒体43に対して画像記録を行う画像記録部を構成している。記録ユニット25−1−1乃至25−n−mは、複数のノズル列33−1−1乃至33−n−mと、この複数のノズル列33−1−1乃至33−n−mの複数のノズルに対してそれぞれ駆動を行うノズル列駆動部32−1−1乃至32−n−mと、を有する。記録ユニット25−1−1乃至25−n−m及びノズル列駆動部32−1−1乃至32−n−mの符号n,mは、共に2以上の整数で、nが記録ユニット(ラインヘッド)を構成するノズル列の個数に相当し、mが画像記録装置20のインク色の色数に相当する。
なお、図3では、ノズル列33−1−1乃至33−n−mにおけるラインヘッドを前述した図13に示されるような6個のノズル列を備える構成とし、カラー画像記録対応として、このように構成されたラインヘッド4個を搬送方向に並列に配設した場合の構成を例としている。
また、図3の説明では、これら4色の各ラインヘッドが記録媒体43における搬送経路の上流側より、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロ(Y)の順に配設されているものとし、時刻tまでの間に画像記録される(K)の画像データを52−1、(C)の画像データを52−2、(M)の画像データを52−3、及び(Y)の画像データを52−4としてそれぞれ示している。
以後同様に(M)のラインヘッドによる画像記録は、(C)のラインヘッドによる画像記録に対して、dhy/vだけ遅れ、(Y)のラインヘッドによる画像記録は、(M)のラインヘッドによる画像記録に対して、dhy/vだけ遅れる。
図4は、本発明の第1実施形態に係るノズル列駆動タイミング生成部の構成を示す図である。
周期検出部61は、エンコーダ信号の出力パルスの周期間に所定のクロックパルスをカウントすることによりエンコーダ信号の出力パルスの周期を検出(計時)する。パラメータ記憶部64は、各記録タイミング補正部62−1−1乃至62−n−mが補正に用いるタイミング補正パラメータを記憶する。記録タイミング補正部62−1−1乃至62−n−mとてい倍信号発生部63−1−1乃至63−n−mとは、各ノズル列33−1−1乃至33−n−mの各ノズル列にそれぞれに対応して設けられている。記録タイミング補正部62−1−1乃至62−n−mは、対応するノズル列33−1−1乃至33−n−mへの画像データの補正に用いる補正パラメータを求めたり、パラメータ記憶部64内に記憶された補正パラメータを用いて画像データのタイミングを補正する。てい倍信号発生部63−1−1〜63−n−mは、各記録ユニット25−1−1乃至25−n−mに対して、画像記録データを記録データ生成部26から入力させると共に、それぞれ対応した駆動タイミング信号を出力する。
このタイミング補正パラメータの決定は、通常の画像記録に先立って、例えば画像記録装置の工場での製造工程や調整工程時にて行われる。そして、決定された当該タイミング補正パラメータは、前述したパラメータ記憶部64に記憶される。
このステップSa1及びSa2で画像記録されるテスト画像は、相対移動方向のずれを検出するためのものなので、例えば相対移動方向に直交するノズル列33−1−1乃至33−n−mに平行な繰り返し線等のパターンとする。
ノズル列Bのインク滴飛翔速度:VdBとし、
ノズル列Aと記録媒体43との距離:GAとし、
ノズル列Bと記録媒体43との距離:GBとすると、
ステップSa1の相対移動速度V1で画像記録したときのノズル列Aとノズル列Bで画像記録される画像の重色ずれ量L1は、前述した(1)式から(2)式のように求められる。
L1=(GB/VdB−GA/VdA)×V1+LC・・・(2)
同様にステップSa2の相対移動速度V2で画像記録するときの重色ずれ量L2は、(3)式から求められる。
一方、相対移動速度加速中において、相対移動速度V3にてノズル列Aで画像記録し、その後加速し相対移動速度Vsにてノズル列Bで画像記録したときの重色ずれ量L(Vs)は、(4)式から求められる。
厳密な重色ずれ量L(Vs)は、(4)式に示されるように、相対移動速度V3を測定して記憶しておかなければ得ることができない。
ここで一例として、相対移動速度の加速度が小さく、(5)式の近似により補正効果が得られる場合について説明する。
(5)式の近似を行えば、(4)式は(6)式のようになる。
L(Vs)=(GB/VdB−GA/VdA)×Vs+LC・・・(6)
そして(2)、(3)、(6)式から(7)式を導くことができる。
+(L1V2−L2V1)/(V2−V1)・・・(7)
(7)式のように相対移動速度Vsで画像記録したときの重色ずれ量L(Vs)は、ステップSa3にて、テスト画像を画像機器35で読み取ることで測定されるL1、L2から容易に推測することができる。
そして、ノズル列駆動タイミング生成部27は、画像記録時において、各記録タイミング補正部62−1−1乃至62−n−mに、パラメータ記憶部64に記憶されたタイミング補正パラメータ(重色ずれ補正を行うための係数)と、周期検出部61で検出した相対移動速度Vsを用いて補正量を演算させる。
以上説明においては、説明の簡略化のために、(5)式の近似で補正効果が得られる場合について説明したが、相対移動速度の加速度が大きい場合には、相対移動速度の加速度が一定である等の仮定を行うことで、(4)式のノズル列Aで画像記録した時の相対移動速度V3が仮定に応じた精度で推測でき、それにより補正効果を得ることができる。
しかし、タイミング補正量は、記録速度領域によって補正式を変更することで最適な補正値が得られる場合もある。これにより、タイミング補正量は、記録媒体43の厚さ情報や記録速度の情報を画像記録モードとして、モード設定部24から設定入力することができる。そして、タイミング補正量は、設定入力された画像記録モードに応じて補正量を変更することができる。
図7では、相対移動速度すなわち記録媒体43の搬送速度の加速領域での動作を説明しており、最下段は、基準位置信号であり例えば150dpiのエンコーダパルスを示している。また、図7では、中段に補正周期信号を、上段に補正周期信号の6てい倍信号を示している。
c>a1+最大補正量・・・(8)
また、図7の最上段には、補正周期信号の6てい倍信号を発生させる例が示されている。
図8は、本発明の第1実施形態に係るノズル列駆動タイミング生成部の動作処理を示すフローチャートである。
なお、本第2実施形態の説明においては、前述した第1実施形態と共通の構成要素には同一符号を付すこととし、ここでは第1の実施形態と異なる部分のみを示して説明する。
このタイミング補正パラメータの決定は、通常の画像記録に先立って、例えば画像記録装置の工場での製造工程や調整工程時に行なわれる。そして、決定された当該タイミング補正パラメータは、前述したパラメータ記憶部64に記憶される。
第2実施形態に係る画像記録装置20は、このテスト画像を画像機器35で読み込むことで、相対移動の座標と関連付けられた相対移動方向のずれを検出する。
第2実施形態に係る画像記録装置20のノズル列駆動タイミング生成部27は、前述した第1実施形態に係る画像記録装置20のノズル列駆動タイミング生成部27の処理に対し、(5)式の近似が成り立たないような相対移動速度の加速度が大きく、かつ変動する場合にも、各ノズル列33−1−1乃至33−n−mの記録タイミングを高精度に補正することができる。
第2実施形態に係るノズル列駆動タイミング生成部27は、まずステップSb1において、周期検出部61によって基準位置信号である例えば150dpiのエンコーダパルスの発生周期を検出(計時)する。
次に、第2実施形態に係るノズル列駆動タイミング生成部27は、ステップSd2において、記録媒体43に画像記録しながら、記録媒体43と各ノズル列33−1−1乃至33−n−mとの相対移動速度情報、及びそのとき用いたタイミング補正パラメータ、を相対移動座標に関連付けて搬送情報記憶部65に記憶してゆく。
21 制御部
22 搬送機構
23 記録媒体検出部
24 モード設定部
25−1−1乃至25−n−m 記録ユニット
26 記録データ生成部
27 ノズル列駆動タイミング生成部
28 中央処理装置
29 搬送部材
30 搬送情報生成部
31 搬送機構駆動部
32−1−1乃至32−n−m ノズル列駆動部
33−1−1乃至33−n−m ノズル列
34 上位装置
35 画像機器
42a,42b ローラ
61 周期検出部
62−1−1乃至62−n−m 記録タイミング補正部
63−1−1乃至63−n−m てい倍信号発生部
64 パラメータ記憶部
65 搬送情報記憶部
Claims (7)
- 記録媒体に対し単色のインクを吐出するための複数のノズルを形成してなる当該ノズル列が複数配設される記録ユニットを少なくとも1つ有し、記録媒体と記録ユニットとの相対移動によって画像記録が行われる画像記録装置であって、
前記複数のノズル列毎のそれぞれの特性を考慮した各補正パラメータを記憶するパラメータ記憶部と、
前記補正パラメータ記憶部から読み出した当該補正パラメータを用いて、対応する前記複数のノズル列の記録タイミングをそれぞれ補正する記録タイミング補正部と、
を備え、
前記補正パラメータは、少なくとも、前記記録媒体と前記記録媒体の搬送方向に関して上流側の第1ノズル列及び下流側の第2のノズル列との相対移動度V1と、前記相対移動度V1で前記第1のノズル列及び前記第2のノズル列により画像記録したテストパターンより求まる、前記第1のノズル列による画像記録と前記第2のノズル列とによる画像記録との間のずれ量L1と、前記相対移動度V1とは異なる速度の前記記録媒体と前記第1のノズル列及び前記第2のノズル列との相対移動度V2と、前記相対移動度V2で前記第1のノズル列及び第2のノズル列により画像記録したテストパターンより求まる、前記第1のノズル列による画像記録と前記第2のノズル列による画像記録との間のずれ量L2とから算出される、所定の相対移動度のときの前記第1及び第2のノズル列間の画像記録のずれ量である
ことを特徴とする画像記録装置。 - 前記補正パラメータは、
L1を前記移動速度V1での重色ずれ量とし、
L2を前記移動速度V2での重色ずれ量とし、
前記記録媒体と前記ノズル列との相対移動度Vsのときの重色ずれ量L(Vs)とすると、
L(Vs)=(L2−L1)/(V2−V1)×Vs+(L1V2−L2V1)/(V2−V1)
、の式により求められる、ことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。 - オペレータがモードを入力設定するモード設定部を更に備え、
前記パラメータ記憶部は、前記モードに対応させて前記補正パラメータを複数組記憶し、前記記録タイミング補正部は、前記モード設定部から設定されたモードに対応する前記補正パラメータを用いて、対応する前記複数のノズル列の記録タイミングをそれぞれ補正する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像記録装置。 - 画像記録時に随時相対移動速度を相対移動の座標に関連付けて記憶する搬送情報記憶部を更に備え、
前記記録タイミング補正部は、前記補正パラメータ記憶部から読み出した前記補正パラメータと、前記搬送情報記憶部に記憶されている情報と、を用い、対応する前記複数のノズル列の記録タイミングをそれぞれ補正する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像記録装置。 - 前記補正パラメータは、前記記録媒体と前記ノズル列との相対速度が加速している相対移動加速領域で画像記録されたテストパターンと、前記記録媒体と前記ノズル列との相対速度が一定である相対移動一定速度領域で画像記録されたテストパターンと、前記記録媒体と前記ノズル列との相対速度が減速している相対移動減速領域で画像記録されたテストパターンと、の相対移動方向における画像記録位置情報の差から求められる、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
- 記録媒体に対し単色のインクを吐出するための複数のノズルを形成してなる当該ノズル列が複数配設される記録ユニットを少なくとも1つ有し、記録媒体と記録ユニットとの相対移動によって画像記録が行われる画像記録装置の画像記録方法であって、
前記複数のノズル列毎のそれぞれの特性を考慮した各補正パラメータを用いて、対応する前記複数のノズル列の記録タイミングを補正し、
前記補正パラメータは、少なくとも、前記記録媒体と前記記録媒体の搬送方向に関して上流側の第1ノズル列及び下流側の第2のノズル列との相対移動度V1と、前記相対移動度V1で前記第1のノズル列及び前記第2のノズル列により画像記録したテストパターンより求まる、前記第1のノズル列による画像記録と前記第2のノズル列とによる画像記録との間のずれ量L1と、前記相対移動度V1とは異なる速度の前記記録媒体と前記第1のノズル列及び前記第2のノズル列との相対移動度V2と、前記相対移動度V2で前記第1のノズル列及び第2のノズル列により画像記録したテストパターンより求まる、前記第1のノズル列による画像記録と前記第2のノズル列による画像記録との間のずれ量L2とから算出される、所定の相対移動度のときの前記第1及び第2のノズル列間の画像記録のずれ量である
ことを特徴とする画像記録方法。 - 前記複数のノズル列毎のそれぞれの特性は、当該複数のノズル列毎における前記複数のノズルによる前記インクの噴射方向の差と、前記複数のノズル列における各取付け位置の差とを含む、ことを特徴とする、請求項6に記載の画像記録方法。
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