JP4631154B2 - 振動ジャイロ及びそれを用いた電子装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動ジャイロ及びそれを用いた電子装置、特に、手ぶれ防止機能付きビデオカメラ、カーナビゲーションシステム、ポインティングデバイスなどに用いられる振動ジャイロ及びそれを用いた電子装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10に従来の振動ジャイロの正面図を示す。なお、図10に示した振動ジャイロ70の基本的な考え方は、特開平9−14966号公報に開示されている。
【0003】
図10において、振動ジャイロ70は、振動子100と取付基板200と固定手段900とを有する。振動子100は、一方主面に第一の検出電極104aと第二の検出電極104bが形成されるとともに厚み方向に分極された第一の圧電体基板101と、一方主面に駆動電極105が形成されるとともに厚み方向に分極された第二の圧電体基板102とを有している。第一の圧電体基板101の他方主面と第二の圧電体基板102の他方主面とは、中間電極103を介して貼り合わされている。そして、振動子100のノードN3、N4を第一の圧電体基板101及び第二の圧電体基板102の一方主面上に垂直に投影した位置には、それぞれ支持部材110が設けられている。そして、第一の検出電極104a、第二の検出電極104b、駆動電極105は各支持部材110にそれぞれ機械的かつ電気的に接続されている。取付基板200の他方主面202には、支持部材110の端部110aが機械的かつ電気的に接続されている。取付基板200の一方主面201には、外部基板800に固定するための部材である固定手段900が設けられ、取付基板200の側面には、ハーフスルーホール203が設けられている。外部基板800の他方主面802には、振動子100を励振させるための駆動手段及び振動子100から出力された信号を処理して角速度を検出する検出手段を構成する回路部品810bが搭載されている。外部基板800の一方主面801には、固定手段900の先端部900aが接触するように、取付基板200が固定される。そして、振動子100と固定手段900とは、支持部材110、ハーフスルーホール203を介して電気的に接続され、固定手段900と外部基板800の回路部品810bとが電気的に接続されている。
【0004】
このような構成を有する従来の振動ジャイロ70は、回路部品810bの駆動手段から駆動電極105に励振信号が印加され、振動子100がその厚み方向に、最低次のモードの節がノードN3、N4となる長手方向両端自由たわみ振動をする。そして、振動ジャイロ70に、振動子100の長手方向を軸とする角速度が与えられたときは、振動子100が幅方向に屈曲振動し、第一の検出電極104a及び第二の検出電極104bから信号が出力される。そして、この信号が回路部品810bの検出手段で処理され、振動ジャイロ70に与えられた角速度が検出される。
【0005】
また、振動ジャイロ70は、振動子100のノードN3、N4を振動子100の一方主面に垂直に投影した位置に、支持部材110が設けられているため、振動子100の振動が取付基板200に漏れにくい構成になっている。
【0006】
また、振動ジャイロ70は、外部基板800と取付基板200とを固定手段900を介して固定することにより、外部基板800と取付基板200との間に空隙を設けることができる。空隙を設けることにより、外部基板800と取付基板200とは固定手段900でのみ接触することになる。そのため、取付基板200の振動が外部基板800に漏れにくく、外部基板800から取付基板200への振動の伝播が抑制される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の振動ジャイロ70は、取付基板200が振動する場合であっても、外部基板800と取付基板200との間に空隙ができているため、取付基板200の振動が外部基板800に漏れにくく、外部基板800から取付基板200への振動の伝播が抑制される。すなわち、振動ジャイロ70は、固定手段900のみを介して、取付基板200と外部基板800との間で振動が伝播される。
【0008】
しかし、振動ジャイロ70は、固定手段900を介して取付基板200と外部基板800との間で振動が伝播されるため、外部基板800と固定手段900との固定状態のばらつきが、振動ジャイロ70の特性に大きな影響を与えるようになる。したがって、振動ジャイロ70において上記効果を得るためには、例えば、所定の量のハンダを用いて、確実に、取付基板200を外部基板800に固定する必要がある。そして、ハンダの量にばらつきがある場合や、外部基板800と固定手段900との接続が不安定な場合には、振動ジャイロ70の特性にばらつきが生じるという問題がある。
【0009】
また、振動ジャイロ70は、振動ジャイロの特性が、外部基板800と固定手段900との固定状態に依存するため、取付基板200を外部基板800に固定する際には、外部基板800と固定手段900とが所定の状態で固定されるように、極めて精密な作業が必要とされ、作業の効率化が図れないという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、取付基板から外部基板への振動の伝播又は、外部基板から取付基板への振動の伝播が生じにくく、特性がばらつきにくい振動ジャイロを提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、固定手段の固定状態が多少ばらついても振動ジャイロの特性がばらつきにくく、固定手段を外部基板に固定する作業が容易にでき、作業の効率化が図れる振動ジャイロを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、角速度情報に基づく正確な制御ができる電子装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の振動ジャイロは、振動子と、前記振動子が搭載される取付基板とを有する振動ジャイロであって、前記取付基板は、一方主面が外部基板に対向させられ、前記取付基板の屈曲振動のノード付近に、ノードを含む大きさで前記外部基板に固定するための固定手段が形成され、前記固定手段は、その先端部が前記外部基板に接触させられ、前記先端部から前記取付基板の一方主面までの長さが、前記取付基板の屈曲振動の最大振幅の半分よりも大きいことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の振動ジャイロは、前記振動子と前記固定手段が前記振動子を励振させるための駆動手段と前記振動子から出力された信号を処理して角速度を検出する検出手段とを介して電気的に接続され、前記駆動手段と、前記検出手段は、前記取付基板の他方主面に構成されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の振動ジャイロは、前記固定手段が、前記取付基板の一方主面に設けられていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の振動ジャイロは、前記固定手段が、0.04mm以上の長さを有する導体であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の振動ジャイロは、前記取付基板の一方主面に回路パターンが形成されていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の振動ジャイロは、前記取付基板の一方主面に金属膜を設ける第一工程と、前記第一工程が施された金属膜について、前記固定手段になる場所を除いて所定の厚みだけエッチングで取除く第二工程と、前記第二工程が施された金属膜について、前記固定手段になる場所及び前記回路パターンになる場所以外の部分をエッチングで取除く第三工程とからなることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の振動ジャイロは、前記取付基板の一方主面における前記固定手段が設けられていない場所には、前記取付基板の屈曲振動を吸収する防振材が設けられていることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の振動ジャイロは、前記振動子のノードと前記取付基板のノードとの間に固定された支持部材を有していることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の振動ジャイロは、前記駆動手段と前記検出手段とが、前記取付基板の他方主面にのみ構成されていることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の振動ジャイロは、前記駆動手段及び前記検出手段を覆うケースを有し、前記ケースに前記固定手段が設けられていることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の電子装置は、前記振動ジャイロを用いたことを特徴とする。
【0024】
このように構成することにより、本発明の振動ジャイロは、取付基板から外部基板への振動の伝播又は、外部基板から取付基板への振動の伝播が生じにくく、振動ジャイロの特性がばらつきにくい。
【0025】
また、本発明の振動ジャイロは、取付基板と外部基板との固定状態に多少のばらつきがある場合でも、取付基板から外部基板への振動の伝播又は、外部基板から取付基板への振動の伝播が生じにくく、振動ジャイロの特性がばらつきにくい。
【0026】
また、本発明の振動ジャイロは、振動ジャイロの特性が、取付基板と外部基板との固定状態に依存しないため、取付基板を外部基板に固定する工程が簡単になり、作業の効率がよくなる。
【0027】
また、本発明の振動ジャイロは、取付基板が殆ど振動せず、固定手段を介して、取付基板から外部基板への振動の伝播又は外部基板から取付基板への振動の伝播がされにくく、振動ジャイロの特性がばらつきにくい。
【0028】
また、本発明の電子装置は、特性がばらつきにくい振動ジャイロを用いているため、角速度を用いた正確な制御ができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1(a)、(b)に本発明の振動ジャイロの一実施例の正面図を示し、図2(a)、(b)に平面図、底面図を示し、図3に左側面図を示す。図1乃至3において、図10に示した振動ジャイロ70と同一又は同等の部分には同じ記号を付し、説明を省略する。
【0030】
図1乃至3において、振動ジャイロ10は、振動子100と、支持部材110と、取付基板200と、エッチングで形成された膜状の固定手段300とを有する。なお、固定手段300は、取付基板200の一方主面201から突き出た突起となっており、説明の便宜上、固定手段300の厚みを実際のものよりも拡大して表している。
【0031】
図1乃至3において、支持部材110は、その中央部付近が振動子100のノードN3、N4付近に固定され、端部110aが取付基板200の他方主面202のノードN1、N2付近に固定されている。また、取付基板200の他方主面202には、振動子100を励振させるための駆動手段及び振動子100から出力された信号を処理して角速度を検出する検出手段を構成する回路部品(図示せず)が搭載されている。取付基板200の一方主面201には、取付基板200の振動のノードN1、N2付近に、振動ジャイロ10を外部基板800に固定するための固定手段300が設けられている。外部基板800の他方主面802には、振動ジャイロ10から出力された角速度を用いて所定の制御を行う回路部品810aが搭載されている。外部基板800の一方主面801には、固定手段300の先端部300aが接触するように、取付基板200が固定される。そして、振動子100と固定手段300とは、支持部材110、駆動手段及び検出手段を構成する回路部品(図示せず)、ハーフスルーホール203を介して電気的に接続され、固定手段300と外部基板800の回路部品810aとが電気的に接続される。ここで、固定手段300は、膜状の導電性材料、例えば、エッチングで形成された銅電極であり、先端部300aから取付基板200の一方主面201までの長さ、すなわち、固定手段300の厚みが、取付基板200の振動の最大振幅の半分よりも大きい。ここで、固定手段300の先端部300aから取付基板200の一方主面201までの長さは、外部基板800の僅かな凹凸が取付基板200に接触しないように、0.04mm以上であることが好ましい。
【0032】
このような構成を有する振動ジャイロ10において、取付基板200は、振動子100から漏れた振動により、ノードをN1、N2とする屈曲振動をする。
【0033】
ここで、図4に、有限要素法を用いた解析により求めた本発明の振動ジャイロの取付基板のノードN1を示す。図2に示した振動ジャイロ10は、長手方向に関して対称であるため、破線で囲まれた部分10′に対応する部分の解析結果を示す。
【0034】
図4において、本発明の振動ジャイロ10′は、振動ジャイロ10の振動子100、支持部材110、取付基板200に対応する振動子100′、支持部材110′、取付基板200′を有する。図4に示した支持部材110′は、形状が支持部材110と若干異なるが、支持部材110と同様の作用効果を奏するものである。図4から、振動ジャイロ10′の取付基板200′が、ノードをN1とする振動をすることがわかる。
【0035】
本発明の振動ジャイロ10は、固定手段300が取付基板200のノードN1、N2付近にノードを含む大きさで設けられているため、取付基板200から外部基板800への振動の伝播又は、外部基板800から取付基板200への振動の伝播がされにくくなる。
【0036】
なお、図10に示す従来の振動ジャイロ70においては、固定手段900が設けられている場所が取付基板200のノードN1、N2付近でないため、取付基板200から外部基板800への振動の伝播又は、外部基板800から取付基板200への振動の伝播がされやすい。
【0037】
これに対して本発明の一実施例の振動ジャイロ10においては、固定手段300が設けられている場所が取付基板200のノードN1、N2付近であるため、固定手段300が殆ど振動しない。そのため、外部基板800と固定手段300との固定状態が不安定である場合でも、取付基板200から外部基板800への振動の伝播又は、外部基板800から取付基板200への振動の伝播がされにくく、振動ジャイロの特性がばらつきにくい。
【0038】
また、振動ジャイロ10は、振動ジャイロの特性が、外部基板800と固定手段300との固定状態に依存しないため、取付基板200を外部基板800に固定する工程が簡単になり、作業の効率がよくなる。
【0039】
また、本発明の振動ジャイロ10の固定手段300は導電性を有するため、ハンダや導電性接着剤などを用いて外部基板800に固定することにより、振動子100と外部基板800に搭載された回路部品810aとを電気的に接続することができる。
【0040】
次に、図5(a)、(b)に本発明の振動ジャイロの別の実施例の左側面図、底面図を示す。図5において、図1に示した振動ジャイロ10と同一又は同等の部分には同じ記号を付し、説明を省略する。
【0041】
図5において、本発明の振動ジャイロ20は、図1に示した振動ジャイロ10の構成に加えて、防振材400を有する。防振材400は、取付基板200の一方主面201における固定手段300が設けられていない部分に構成されている。防振材400は、取付基板200の振動を減衰させるために設けられている。防振材400としては、ゴムや樹脂などを用いることができる。また、防振材400の厚みは、固定手段300の先端部300aから取付基板200の一方主面201までの長さ、すなわち、外部基板800に取付基板200を固定した際に、防振材400が外部基板800に接触する程度の厚みを有することが望ましい。なお、防振材400は、一方主面201における固定手段300が設けられていない部分全体に構成されていてもよいし、その一部にのみ構成されてもよい。
【0042】
このような構成を有する本発明の振動ジャイロ20は、取付基板200の振動を減衰させる防振材400が設けられているため、取付基板200の振動が抑えられる。したがって、取付基板200が殆ど振動せず、固定手段300を介して、取付基板200から外部基板800への振動の伝播又は外部基板800から取付基板200への振動の伝播が一層されにくく、振動ジャイロの特性が一層ばらつきにくい。
【0043】
また、振動ジャイロ20の取付基板200は、固定手段300と防振材400とで外部基板800に固定される。したがって、固定手段300のみで固定する場合に比べて、更に安定した状態で、取付基板200と外部基板800とを固定することができ、取付基板200と外部基板800との固定状態にばらつきが生じにくく、振動ジャイロの特性がばらつきにくい。
【0044】
次に、図6(a)、(b)に本発明の振動ジャイロの更に別の実施例の左側面図、底面図を示す。図6において、図1に示した振動ジャイロ10と同一又は同等の部分には同じ記号を付し、説明を省略する。
【0045】
図6において、本発明の振動ジャイロ30は、図1において図示を省略した回路パターン310と回路部品320とケース500とをする。回路部品320は、後述する振動子100を励振させるための駆動手段501と振動子100から出力された信号を処理して角速度を検出する検出手段502とを構成しており、取付基板200の他方主面202にのみ載置されている。回路パターン310は、取付基板200の一方主面201における固定手段300が設けられていない部分に構成されている。ケース500は金属製であり、内部に振動子100及び回路部品320を含むように取付基板200の他方主面202に固着されている。そして、回路パターン310は、取付基板200の一方主面201において固定手段300に接続されるとともに、図示を省略したスルーホールを介して支持部材110と回路部品320とに電気的に接続されている。
【0046】
なお、振動ジャイロ30においては、固定手段300及び回路パターン310をエッチングで構成することができる。すなわち、第一工程として、取付基板200の一方主面201の全面に厚みが0.07mmの金属膜を設ける。そして、第二工程として、第一工程で設けた金属膜から固定手段300になる場所以外の部分を所定の厚みだけエッチングで取除く。第二工程のエッチング後に残された金属膜の厚みは0.018mmとなる。最後に、第三工程として、第二工程が施された金属膜から、固定手段300になる場所及び回路パターン310になる場所以外の部分をエッチングで取除く。第三工程でエッチングされた部分には、金属膜が存在しなくなる。なお、第二工程を複数回施すことにより、固定手段300及び回路パターン310を所望の厚みにすることもできる。また、エッチングで形成された回路パターン310の上にレジスト膜を設けてもよい。
【0047】
次に、図7に本発明の振動ジャイロ30のブロック図を示す。図7において、振動ジャイロ30は、振動子100と駆動手段である発振回路501と検出手段である検出回路502とが電気的に接続されている。発振回路501は、第一のバッファ回路501aと第二のバッファ回路501bと、抵抗511a、511bと、加算回路501cと、AGC回路501dと、位相補正回路501eとを有し、検出回路502は、第一のバッファ回路501aと第二のバッファ回路501bと、抵抗511a、511bと、差動回路502aと、検波回路502bと、平滑回路502cと、増幅回路502dとを有している。
【0048】
そして、振動子100の第一の検出電極104aに抵抗511aと第一のバッファ回路501aとが接続され、第二の検出電極104bに抵抗511bと第二のバッファ回路501bとが接続されている。第一のバッファ回路501a、第二のバッファ回路501bは、加算回路501cと差動回路502aとにそれそれ接続されている。加算回路501cはAGC回路501dに接続され、AGC回路501dは位相補正回路501eに接続され、位相補正回路501eは検波回路502bと、振動子100の駆動電極105とに接続されている。差動回路502aは検波回路502bに接続され、検波回路502bは平滑回路502cに接続され、平滑回路502cは増幅回路502dに接続されている。
【0049】
このように構成された本発明の振動ジャイロ30において、第一のバッファ回路501aは振動子100の第一の検出電極104aの電圧を加算回路501cと差動回路502aとに出力するためのものであり、第二のバッファ回路501bは振動子100の第二の検出電極104bの電圧を加算回路501cと差動回路502aとに出力するためのものであり、抵抗511a、511bは、第一の検出電極104a、第二の検出電極104bのインピーダンスを調整するためのものである。加算回路501cは、入力された信号を加算してAGC回路501dに出力し、AGC回路501dは、入力された信号の振幅が一定となるように増幅して、位相補正回路501eに出力し、位相補正回路501eは入力された信号の位相を補正して振動子100の駆動電極105に駆動信号を印加する。差動回路502aは、入力された信号を減算して検波回路502bに出力し、検波回路502bは差動回路502aから入力された信号を位相補正回路501eから入力された信号を用いて検波して平滑回路502cに出力し、平滑回路502cは入力された信号を平滑して増幅回路502dに出力し、増幅回路502dは出力される角速度の感度が一定になるように入力された信号を直流増幅して外部に出力する。
【0050】
このような構成を有する本発明の振動ジャイロ30は、固定手段300及び回路パターン310がエッチングで形成されるため、作業の効率がよくなる。
【0051】
また、振動ジャイロ30は、取付基板200の他方主面202ではなく、一方主面201に回路パターン310が設けられているため、他方主面202における回路部品320を載置する面積を大きくすることができ、取付基板200の小型化が可能になる。
【0052】
また、振動ジャイロ30は、金属製のケース500を設けているため、電磁波を確実にシールドすると同時に、振動ジャイロの一体化を図ることが可能になる。
【0053】
次に、図8(a)、(b)に本発明の振動ジャイロの更に別の実施例の正面図、左側面図を示す。図8において、図6に示した振動ジャイロ30と同一又は同等の部分には同じ記号を付し、説明を省略する。
【0054】
図8において、本発明の振動ジャイロ40は、図6に示した振動ジャイロ30の固定手段300及びケース500に代えてケース600を有する。ケース600は、側面に固定手段610を有する。ケース600は、固定手段610が取付基板200のノードN1、N2付近に位置するように、取付基板200の他方主面202に固着されている。そして、振動ジャイロ30は、固定手段610の先端部611が外部基板800に接触するように、外部基板800に固定される。ここで、固定手段610は、先端部611から取付基板200の一方主面201までの長さが、取付基板200の振動の最大振幅の半分よりも大きい。
【0055】
このような構成を有する本発明の振動ジャイロ40の固定手段610は、取付基板200のノードN1、N2付近に設けられているため、殆ど振動しない。したがって、固定手段610を介して、取付基板200と外部基板800との間で振動が伝播しにくく、振動ジャイロの特性がばらつきにくい。
【0056】
なお、上記各実施例においては、振動子として2枚の圧電体基板を貼り合わせたバイモルフ型の振動子を用いて説明したが、振動子としては円柱型、三角柱型等の振動子を用いてもよいことは言うまでもない。
また、固定手段は、導電性を有することが望ましいが、導電性を有しない材料で構成してもよい。
また、固定手段の形状は、取付基板と外部基板との間に取付基板の屈曲振動の最大振幅の半分よりも大きい間隔を保つことができれば膜状のものに限るものではなく、所定の厚みを有する柱状の部材等であってもよい。
【0057】
また、上記各実施例においては、本発明の振動ジャイロは、取付基板のノードN1、N2が、振動子のノードN3、N4を取付基板に垂直に下ろした場所とは異なる位置にあるが、取付基板の構成によっては同じ位置になる場合もある。また、上記各実施例において本発明の振動ジャイロの支持部材は、振動子のノードN3、N4付近と取付基板のノードN1、N2付近との間に固定されているが、振動子のノードN3、N4と取付基板のノードN1、N2との間に固定されれば更に好ましい。
【0058】
次に、図9に本発明の振動ジャイロを用いた電子装置の一実施例を示す。図9は本発明の電子装置であるビデオカメラに用いられる手ぶれ防止回路の一実施例を示すブロック図である。手ぶれ防止回路60は、本発明の振動ジャイロ10と積分回路601とサーボ回路602と電流ドライバ603とアクチュエータ604と位置検出センサ605とを有する。手ぶれ防止回路60は、振動ジャイロ10と、積分回路601と、サーボ回路602と、電流ドライバ603と、アクチュエータ604とが直列に接続され、アクチュエータ604の出力が位置検出センサ605を介してサーボ回路602に帰還されている。
【0059】
このように構成された手ぶれ防止回路60においては、ビデオカメラに与えられた手ぶれのうち、角速度信号のみが振動ジャイロ10から積分回路601に入力され、積分回路601は角速度信号を積分してビデオカメラの振れ角に変換してサーボ回路602に出力し、サーボ回路602は、積分回路601と位置検出センサ605とから入力された振れ角の信号を用いて現在値と目標値との差を演算して電流ドライバ603に出力し、電流ドライバ603は入力された信号に応じた電流をアクチュエータ604に出力し、アクチュエータ604はビデオカメラの光学系を機械的に駆動する。そして、位置検出センサ605は光学系が駆動した振れ角をサーボ回路602に出力する。
【0060】
このような構成を有する手ぶれ防止回路60を有するビデオカメラは、特性がばらつきにくい振動ジャイロ10を用いているので、ビデオカメラに与えられる手ぶれの影響を的確に除去でき、角速度を用いた正確な制御ができる。
【0061】
以上、ビデオカメラを用いて本発明の電子装置を説明したが、本発明の電子装置は、このような構成のビデオカメラに限られるものではない。
【0062】
【発明の効果】
本発明の振動ジャイロは、固定手段が取付基板のノード付近に設けられているため、取付基板から外部基板への振動の伝播又は、外部基板から取付基板への振動の伝播が生じにくく、振動ジャイロの特性がばらつきにくい。また、外部基板と固定手段との固定状態に多少のばらつきがある場合でも、取付基板から外部基板への振動の伝播又は、外部基板から取付基板への振動の伝播が生じにくく、振動ジャイロの特性がばらつきにくい。また、振動ジャイロの特性が、外部基板と固定手段との固定状態に依存しないため、取付基板を外部基板に固定する工程が簡単になり、作業の効率がよくなる。
【0063】
また、本発明の振動ジャイロは、取付基板の屈曲振動を減衰させる防振材が設けられているため、取付基板が殆ど振動せず、固定手段を介して、取付基板から外部基板への振動の伝播又は外部基板から取付基板への振動の伝播がされにくく、振動ジャイロの特性がばらつきにくい。
【0064】
また、本発明の電子装置は、特性がばらつきにくい振動ジャイロを用いているため、角速度を用いた正確な制御ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振動ジャイロの一実施例を示す正面図である。
【図2】図1の振動ジャイロの平面図及び底面図である。
【図3】図1の振動ジャイロの左側面図である。
【図4】振動ジャイロの振動の有限要素法を用いた解析結果を示す図である。
【図5】本発明の振動ジャイロの別の実施例を示す左側面図及び底面図である。
【図6】本発明の振動ジャイロの更に別の実施例を示す左側面図及び底面図である。
【図7】図6の振動ジャイロの回路ブロック図である。
【図8】本発明の振動ジャイロの更に別の実施例を示す正面図及び左側面図である。
【図9】本発明の電子装置に用いられる手ぶれ防止回路の一実施例を示すブロック図である。
【図10】従来の振動ジャイロを示す正面図である。
【符号の説明】
10、10′、20、30、40…振動ジャイロ
60…手ぶれ防止回路
100…振動子
200…取付基板
300、610…固定手段
N1、N2…取付基板のノード
N3、N4…振動子のノード
110…支持部材
310…回路パターン
320…回路部品
400…防振材
500、600…ケース
Claims (11)
- 振動子と、前記振動子が搭載される取付基板とを有する振動ジャイロであって、
前記取付基板は、一方主面が外部基板に対向させられ、前記取付基板の屈曲振動のノード付近に、ノードを含む大きさで前記外部基板に固定するための固定手段が形成され、
前記固定手段は、その先端部が前記外部基板に接触させられ、前記先端部から前記取付基板の一方主面までの長さが、前記取付基板の屈曲振動の最大振幅の半分よりも大きいことを特徴とする、振動ジャイロ。 - 前記振動子と前記固定手段は、前記振動子を励振させるための駆動手段と前記振動子から出力された信号を処理して角速度を検出する検出手段とを介して電気的に接続され、前記駆動手段と、前記検出手段は、前記取付基板の他方主面に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の振動ジャイロ。
- 前記固定手段は、前記取付基板の一方主面に設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の振動ジャイロ。
- 前記固定手段は、0.04mm以上の長さを有する導体であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の振動ジャイロ。
- 前記取付基板の一方主面には、回路パターンが形成されていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の振動ジャイロ。
- 前記取付基板の一方主面における前記固定手段が設けられていない場所には、前記取付基板の屈曲振動を吸収する防振材が設けられていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の振動ジャイロ。
- 前記振動子のノードと前記取付基板のノードとの間に固定された支持部材を有していることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の振動ジャイロ。
- 前記駆動手段と、前記検出手段とが、前記取付基板の他方主面にのみ構成されていることを特徴とする、請求項2乃至7のいずれかに記載の振動ジャイロ。
- 前記駆動手段、前記検出手段、前記振動子及び前記支持部材を覆うケースを有し、
前記ケースに前記固定手段が設けられていることを特徴とする、請求項2乃至8のいずれかに記載の振動ジャイロ。 - 請求項1乃至9のいずれかに記載の振動ジャイロを用いたことを特徴とする電子装置。
- 前記取付基板の一方主面に金属膜を設ける第一工程と、
前記第一工程が施された金属膜について、前記固定手段になる場所を除いて所定の厚みだけエッチングで取除く第二工程と、前記第二工程が施された金属膜について、前記固定手段になる場所及び前記回路パターンになる場所以外の部分をエッチングで取除く第三工程とからなることを特徴とする、請求項5に記載の振動ジャイロの製造方法。
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