JP4631142B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブレーキペダルとブレーキキャリパが機械的に接続されておらず、センサにより検出した運転者の操作量や車両走行状態を基に電子制御によりブレーキ力が制御される、所謂ブレーキバイワイアと呼ばれるシステムにおいて、ブレーキペダルフィーリング、すなわちブレーキペダルのストローク量と踏力との間の特性を所望の特性に設定可能な車両のブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のブレーキ制御装置としては、例えば、特開平11−198781号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この従来公報には、図2に示すように、ブレーキペダルaと、ブレーキペダル操作に応じた量のブレーキ液を吐出するマスタシリンダbと、マスタシリンダ圧の調圧装置cと、ブレーキペダルのストロークセンサdと、マスタシリンダ圧の調圧装置への調圧指令を出す電子制御装置eと、を有する構成において、ストロークセンサdで検出した値と調圧指令の関係を変更可能とし、ブレーキペダルaのストローク量とマスタシリンダ圧の関係を自由に設定することを可能とするブレーキ制御装置が記載されている。なお、調圧装置cは、ポンプhから送られアキュムレータgに蓄えられた高圧を電磁比例圧力制御弁fにより減圧制御しマスタシリンダ圧を調圧する。マスタシリンダ圧とブレーキペダル踏力は比例関係にあるため、本従来公報によりブレーキペダルaのストローク量と踏力との間の特性を所望の特性に設定でき、運転者の好みとするブレーキペダルフィーリングを得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のブレーキ制御装置にあっては、ブレーキペダル踏込み速度が遅い場合、マスタシリンダ圧は目標とする特性に一致して調圧されるため、狙いとするブレーキペダルフィーリングを得ることが可能である。しかしながら、運転者がブレーキペダルaを素早く踏込んだ場合、踏込み初期の段階で、運転者のブレーキペダル操作によりマスタシリンダbから吐出する液量が大きくなり、これが、マスタシリンダ圧の調圧装置cがマスタシリンダ圧を調圧する際の外乱として作用する。このため、図3aに示すようにマスタシリンダ圧が目標値よりも高くなり、運転者は普通の速度でブレーキペダルaを踏込んだ時と比べ、より大きい踏力を必要とされ、所謂固いブレーキペダルフィーリングとなり、違和感を感じる。
【0005】
さらに、運転者がブレーキペダルaを素早く踏込んだ場合、踏込み後期の段階においては、マスタシリンダ圧の調圧装置の増圧応答遅れにより、図3bに示すようにマスタシリンダ圧が目標値より低くなる。このため、運転者は上記とは逆に、期待した踏力を得ることができず、剛性感が無く、抜け感のあるブレーキペダルフィーリングとなり、やはり違和感を感じる。
【0006】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、ブレーキペダルのストローク量とマスタシリンダ圧の関係を自由に設定することにより、運転者の好みとするブレーキペダルフィーリングを得ることができるブレーキ制御装置において、運転者のブレーキペダル踏込み速度に関わらず、常に狙いとするマスタシリンダ圧を発生することにより、良好なブレーキペダルフィーリングを実現するブレーキ制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、図1のクレーム概念図に示すように、運転者が操作するブレーキペダルと、前記ブレーキペダルのストローク量を検出するペダルストローク検出手段と、前記ブレーキペダルのストローク量に応じたブレーキ液量を吐出するマスタシリンダと、前記マスタシリンダに接続され、外部からの指令値に基づきマスタシリンダにおける圧力を所望の値にするマスタシリンダ圧発生手段と、前記マスタシリンダ及びマスタシリンダ圧発生手段の間に設けられ、これら両者から送られる液量を吸収しこの吸収液量に応じた圧力を発生するストロークシミュレータと、前記ペダルストローク検出手段の検出結果を基に、予め定めたペダルストローク量と目標マスタシリンダ圧との間の特性により目標マスタシリンダ圧を求め、この目標マスタシリンダ圧を発生するよう前記マスタシリンダ圧発生手段に対し指令値を出力するマスタシリンダ圧制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項1記載の発明では、前記マスタシリンダ圧制御手段は、前記目標マスタシリンダ圧の時間変化率を求める目標マスタシリンダ圧変化率算出手段と、前記マスタシリンダから吐出する液量と目標マスタシリンダ圧との関係を基に、前記目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りに前記マスタシリンダから吐出する液量を求める目標マスタシリンダ圧変化液量算出手段と、前記目標マスタシリンダ圧変化率算出手段の算出結果と前記目標マスタシリンダ圧変化液量算出手段の算出結果を基に、前記マスタシリンダから吐出する液量を算出するマスタシリンダ吐出液量算出手段と、前記ストロークシミュレータにおいて前記目標マスタシリンダ圧を発生するために必要な液量を算出する必要液量算出手段と、前記マスタシリンダ圧発生手段への指令値に対し、前記マスタシリンダ吐出液量算出手段の算出結果と前記必要液量算出手段の算出結果の偏差に基づく補正値を加える、指令値補正手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明では、請求項1記載のブレーキ制御装置において、前記マスタシリンダ吐出液量算出手段は、前記目標マスタシリンダ圧変化率算出手段の算出結果と前記目標マスタシリンダ圧変化液量算出手段の算出結果との積を、前記マスタシリンダ吐出液量算出手段の算出結果とすることを特徴とする。
【0010】
請求項記載の発明では、請求項1又は2記載のブレーキ制御装置において、前記マスタシリンダ圧制御手段は、前記ストロークシミュレータにおける吸収液量と圧力との間の特性を基に、前記目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りに前記ストロークシミュレータで要する液量を算出するストロークシミュレータ所要液量算出手段を有し、前記必要液量算出手段は、前記目標マスタシリンダ圧変化率算出手段の算出結果と前記ストロークシミュレータ所要液量算出手段の算出結果を基に、前記必要液量算出手段の算出結果を得ることを特徴とする。
請求項4記載の発明では、請求項3記載のブレーキ制御装置において、前記必要液量算出手段は、前記目標マスタシリンダ圧変化率算出手段の算出結果と前記ストロークシミュレータ所要液量算出手段の算出結果との積を、前記必要液量算出手段の算出結果とすることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明では、請求項1乃至4の何れか1項に記載のブレーキ制御装置において、前記目標マスタシリンダ圧変化率算出手段は、前記ペダルストローク検出手段の検出結果を基に、所定時間Δt経過後のストローク量を推定するペダルストローク推定手段を有し、前記ペダルストローク量と目標マスタシリンダ圧との間の特性に基づき、前記ペダルストローク検出手段の検出結果から求まる目標マスタシリンダ圧PT1と、前記ペダルストローク推定手段の推定結果から求まる目標マスタシリンダ圧PT2とを基に、(PT2−PT1)/ΔTにより定まる値を前記目標マスタシリンダ圧変化率算出手段の算出結果とすることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明では、請求項5記載のブレーキ制御装置において、
前記ペダルストローク推定手段は、前記ペダルストローク検出手段の検出結果の時間に対する変化率からストローク速度を算出するペダルストローク速度算出手段と、前記ペダルストローク速度算出手段の算出結果を基に、予め定めたペダルストローク速度と所定時間との間の特性により所定時間Δtを算出する所定時間算出手段とを有し、
前記ペダルストローク検出手段の検出結果に対し、前記ペダルストローク速度算出手段の算出結果と所定時間算出手段の算出結果の積を加えた値を前記ペダルストローク推定手段の推定結果とすることを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明では、請求項5又は6記載のブレーキ制御装置において、前記目標マスタシリンダ圧変化液量算出手段は、前記ペダルストローク検出手段の検出結果におけるストローク量により前記マスタシリンダから吐出する液量VT1を算出する手段と、前記ペダルストローク推定手段の推定結果におけるストローク量により前記マスタシリンダから吐出する液量VT2を算出する手段とを有し、前記ペダルストローク検出手段の検出結果から求まる目標マスタシリンダ圧PT1と、前記ペダルストローク推定手段の推定結果から求まる目標マスタシリンダ圧PT2とを基に、(VT2−VT1)/(PT2−PT1)により定まる値を前記目標マスタシリンダ圧変化液量算出手段の算出結果とすることを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明では、請求項5又は6記載のブレーキ制御装置において、前記ストロークシミュレータ所要液量算出手段は、前記ペダルストローク検出手段の検出結果から求まる目標マスタシリンダ圧PT1と、前記ペダルストローク推定手段の推定結果から求まる目標マスタシリンダ圧PT2と、前記ストロークシミュレータにおける吸収液量と圧力との間の特性に基づき、前記目標マスタシリンダ圧PT1から求まる液量VB1と、前記目標マスタシリンダ圧PT2から求まる液量VB2とを基に、(VB2−VB1)/(PT2−PT1)により定まる値を前記ストロークシミュレータ所要液量算出手段の算出結果とすることを特徴とする。
【0015】
請求項9の発明では、請求項1乃至8の何れか1項に記載のブレーキ制御装置において、前記マスタシリンダにおける圧力を検出するマスタシリンダ圧検出手段を備え、前記マスタシリンダ検出手段の検出結果を、前記目標マスタシリンダ圧の代りに用いることにより、前記マスタシリンダ吐出液量算出手段の算出結果、及び前記必要液量算出手段の算出結果を求めることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
実施の形態1は請求項1乃至4に記載の発明に対応するブレーキ制御装置であり、まず構成を説明する。
【0017】
図4は実施の形態1のブレーキ制御装置を示す全体システム図であり、1はマスタシリンダ、2〜5はホイールシリンダ、6はブレーキペダル、7はポンプ、8はアキュムレータ、9〜12はホイールシリンダ圧力制御弁、13〜16は第一の電磁切換弁、17はマスタシリンダ圧力制御弁、18はストロークシミュレータ、19は第二の電磁切換弁、20は第三の電磁切換弁、21は第四の電磁切換弁、22はブレーキペダルのストロークセンサ、23、24はマスタシリンダ圧力センサ、25はコントロールユニットである。
【0018】
前記マスタシリンダ1は、運転者が操作するブレーキペダル6のストローク量に応じたブレーキ液量を吐出する。
【0019】
前記ホイールシリンダ2〜5は、各車輪の制動装置に設けられ、マスタシリンダ1からの圧力、あるいはホイールシリンダ圧力制御弁9〜12から発生する圧力により作動する。
【0020】
前記ポンプ7は高圧を吐出し、この吐出圧がアキュムレータ8により蓄えられる。
【0021】
前記ホイールシリンダ圧力制御弁9〜12は、外部からの指令によりアキュムレータ8に蓄えられた高圧を減圧制御し、指令に応じた圧力を発生する。
【0022】
前記第一の電磁切換弁13〜16は、外部からの指令により切換えられる2位置3方向弁であり、マスタシリンダ1とホイールシリンダ2〜5とホイールシリンダ圧力制御弁9〜12にそれぞれ接続され、ホイールシリンダ2〜5に対し、マスタシリンダ1からの圧力、あるいはホイールシリンダ圧力制御弁9〜12から発生する圧力のどちらかを選択し出力する。
【0023】
前記マスタシリンダ圧力制御弁17は、外部からの指令によりアキュムレータ8に蓄えられた高圧を減圧制御して指令に応じた圧力を発生し、マスタシリンダ1及びストロークシミュレータ18における圧力を所望の値に設定する。
【0024】
前記ストロークシミュレータ18は、マスタシリンダ1から吐出する液量、及びマスタシリンダ圧力制御弁17から送られる液量を吸収し、該吸収液量に応じた圧力を発生する。
【0025】
前記第二の電磁切換弁19は、外部からの指令により切換えられる2位置2方向弁であり、アキュムレータ8と、ホイールシリンダ圧力制御弁9〜12及びマスタシリンダ圧力制御弁17の間に設けられ、この間の油路を開閉することにより、ホイールシリンダ圧力制御弁9〜12とマスタシリンダ圧力制御弁17に対し、アキュムレータ8に蓄えられた高圧を供給/遮断する働きをする。
【0026】
前記第三の電磁切換弁20は、外部からの指令により切換えられる2位置2方向弁であり、マスタシリンダ1のリザーバタンクと、ホイールシリンダ圧力制御弁9〜12及びマスタシリンダ圧力制御弁の間に設けられ、この間の油路を開閉する働きをする。
【0027】
前記第四の電磁切換弁21は、外部からの指令により切換えられる2位置2方向弁であり、マスタシリンダ1と、マスタシリンダ圧力制御弁17及びストロークシミュレータ18の間に設けられ、この間の油路を開閉する働きをする。
【0028】
前記ストロークセンサ22は、運転者の操作によるブレーキペダル6のストローク量を検出する。これはストローク検出手段に相当する。
【0029】
前記マスタシリンダ圧力センサ23、24は、マスタシリンダ1における圧力を検出する。これは、マスタシリンダ圧検出手段に相当する。
【0030】
前記コントロールユニット25は、ストロークセンサ22、マスタシリンダ圧力センサ23、24や、車両走行状態を検出する各種センサを入力信号として、ポンプ7、ホイールシリンダ圧力制御弁9〜12、第一の電磁切換弁13〜16、マスタシリンダ圧力制御弁17、第二の電磁切換弁19、第三の電磁切換弁20、第四の電磁切換弁21の駆動制御を行う。
【0031】
次に作用を説明する。
【0032】
本ブレーキ制御装置が正常に動作する状態では、コントロールユニット25は、ポンプ7を駆動しアキュムレータ8に高圧を蓄え、第二の電磁切換弁19と第三の電磁切換弁20を開位置とし、第一の電磁切換弁13〜16をホイールシリンダ圧力制御弁9〜12から発生する圧力をホイールシリンダ2〜5に出力する位置とし、ストロークセンサ22と車両走行状態を検出する各種センサからの信号を基に、ホイールシリンダ圧力制御弁9〜12を駆動制御し、発生した圧力をホイールシリンダ2〜5に加え、車両のブレーキ力を制御する。これらのうち、車両走行状態を検出する各種センサが車両走行状態検出手段に相当し、コントロールユニット25がブレーキ力制御手段に相当し、その他の要素がブレーキ力発生手段に相当する。
【0033】
またコントロールユニット25は、第四の電磁切換弁21を開位置としてマスタシリンダ1から吐出する液量がストロークシミュレータ18に加わるようにし、ストロークセンサ22からの信号を基に、マスタシリンダ圧力制御弁17に対し指令値を送り、マスタシリンダ圧制御弁17がマスタシリンダ1における圧力を設定する。ここで、マスタシリンダ圧制御弁17及びマスタシリンダ圧制御弁17の高圧源として作用するポンプ7とアキュムレータ8がマスタシリンダ圧発生手段に相当する。
【0034】
ストロークセンサ22で検出したストローク量とマスタシリンダ圧力制御弁17への指令値の関係を変えることにより、ストローク量とマスタシリンダ1における圧力の関係が変化する。マスタシリンダ1における圧力とブレーキペダル6の踏力の間には比例関係があるため、これにより、ブレーキペダル6におけるストローク量と踏力の関係を変えることができ、ブレーキペダルフィーリングを運転者の好みの特性に設定することが可能となる。なお、該ストローク量と該指令値の関係については、後に詳述する。
【0035】
また、マスタシリンダ1から吐出する液量がストロークシミュレータ18に吸収されるため、該液量が、直接マスタシリンダ圧力制御弁17に加わることが無い。従って、従来技術にあったような、ブレーキペダルを素早く踏込んだ場合、特に踏込み初期の段階において、マスタシリンダからの液量がマスタシリンダ圧力制御弁に直接加わり、これが外乱となってマスタシリンダ圧が目標値よりも大きくなり、ブレーキペダル踏力が過大となり固いブレーキペダルフィーリングが生じるといった問題は発生しない。たとえ、素早くブレーキペダル6を踏込んだとしても、マスタシリンダ圧力制御弁17はマスタシリンダ1における圧力を指令値に応じた値に設定可能となる。
【0036】
なお、本ブレーキ制御装置に異常が生じた状態では、コントロールユニット25は、ポンプ7を停止し、第二の電磁切換弁19と第三の電磁切換弁20を閉位置とし、第一の電磁切換弁13〜16をマスタシリンダ1からの圧力をホイールシリンダ2〜5に出力する位置とし、ホイールシリンダ圧力制御弁9〜12の制御を中止する。さらに、マスタシリンダ圧力制御弁17の制御も中止し、第四の電磁切換弁21を閉位置として、マスタシリンダ1から送り出される圧力をホイールシリンダ2〜5のみに加えるようにして、ブレーキ力を確保する。
【0037】
次に、実施の形態1における、ブレーキペダル6のストローク量を基にマスタシリンダ圧力制御弁17に対する指令値を算出する方法について、図5に示すフローチャートに従って説明する。
【0038】
図5のフローチャートは、コントロールユニット25において、予め定められた一定の制御周期ごとに繰り返し実行される。制御周期は実験的に定められるが、例えば1〜100ms程度の値である。なお、本ルーチンが、マスタシリンダ圧制御手段に相当する。
【0039】
まず、ステップS1では、ストロークセンサ22からの信号によりブレーキペダル6のストローク量PSを読み込む。
【0040】
次にステップS2に進み、ステップS1で求めた該ストローク量を基に、図6に示すペダルストローク量と目標マスタシリンダ圧との間の特性により目標マスタシリンダ圧PTを算出する。
【0041】
ステップS3では、ステップS2で求めた目標マスタシリンダ圧PTを基に、図7に示す基本指令値と目標マスタシリンダ圧との間の特性により、マスタシリンダ圧力制御弁17に対する基本指令値CBを算出する。
【0042】
ステップS4に進み、目標マスタシリンダ圧を、制御周期毎に記憶しておき、前回の目標マスタシリンダ圧と、今回の目標マスタシリンダ圧の差分ΔPTを求め、これを制御周期Δtsで割り、目標マスタシリンダ圧の時間変化率ΔPT/Δtsを算出する。本ステップが目標マスタシリンダ圧変化率算出手段に相当する。
【0043】
ステップS5では、目標マスタシリンダ圧PTを基に、図8aに示すストロークシミュレータにおける吸収液量と圧力との間の特性の傾きから、目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにストロークシミュレータ18で要する液量KBを算出する。本ステップは、ストロークシミュレータ所要液量算出手段に相当する。
【0044】
ステップS6では、目標マスタシリンダ圧PTを基に、図8bに示すマスタシリンダから吐出する液量と目標マスタシリンダ圧との間の特性の傾きから、目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにマスタシリンダ1から吐出する液量KTを算出する。なお、図8bの特性は、次式で示すブレーキペダル6のストローク量とマスタシリンダ1から吐出する液量の関係:
Q=PS/r×A …(1)
ここで、Q:マスタシリンダ1から吐出する液量
PS:ブレーキペダル6のストローク量
r:ブレーキペダル6のペダル比
A:マスタシリンダ1の断面積
を基に、図6に示すペダルストローク量と目標マスタシリンダ圧との間の特性において、ペダルストローク量を相当するマスタシリンダ1から吐出する液量に換算することにより求められる。本ステップは、目標マスタシリンダ圧変化液量算出手段に相当する。
【0045】
ステップS7では、ステップS5で求めた目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにストロークシミュレータ18で要する液量KBと、ステップS6で求めた目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにマスタシリンダ1から吐出する液量KTの偏差(KB−KT)を算出する。
【0046】
次にステップS8では、ステップS4で求めた目標マスタシリンダ圧の時間変化率ΔPT/Δtsと、ステップS7で求めた偏差(KB−KT)から、マスタシリンダ圧力制御弁17に対する補正指令値CHを次式で算出する。
【0047】
CH=C×(KB−KT)×ΔPT/Δts …(2)
ここで、C:実験的に定める係数
ステップS9では、ステップS3で求めた基本指令値CBと、ステップS8で求めた補正指令値CHから、マスタシリンダ圧力制御弁17に対し、(CB+CH)により求まる値を指令値として出力し、本ルーチンの実行を終了する。
【0048】
なお、本ルーチンのうち、ステップS4〜S9で示す部分が指令値補正手段に相当する。
【0049】
本ルーチンにおいて、ステップS4で求めた目標マスタシリンダ圧の時間変化率ΔPT/ΔtsとステップS5で求めた目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにストロークシミュレータ18で要する液量KBの積(KB×ΔPT/Δts)は、ストロークシミュレータ18における圧力を目標マスタシリンダ圧にするために必要な液量を意味する。なお、この値は、必要液量算出手段の算出結果に相当する。
【0050】
また、本ルーチンにおいて、ステップS4で求めた目標マスタシリンダ圧の時間変化率ΔPT/ΔtsとステップS6で求めた目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにマスタシリンダ1から吐出する液量KTの積(KT×ΔPT/Δts)は、マスタシリンダ1からストロークシミュレータ18へ吐出する液量を意味する。なお、この値は、マスタシリンダ吐出液量算出手段の算出結果に相当する。
【0051】
従って、(KB×ΔPT/Δts)と(KT×ΔPT/Δts)との偏差(KB−KT)×ΔPT/Δtsは、ストロークシミュレータ18で圧力を設定する際の液量の不足分に相当し、マスタシリンダ圧力制御弁17がストロークシミュレータ18に対し送るべき液量に相当する。
【0052】
なお、マスタシリンダ1における圧力を所望の値に設定するためには、マスタシリンダ1と、マスタシリンダ1に接続されているストロークシミュレータ18に対し、各々の吸収液量と圧力との間の特性に基づき、所望の圧力に対応した液量をマスタシリンダ1及びストロークシミュレータ18に送る必要がある。この際、ストロークシミュレータ18で要する液量と比べ、マスタシリンダ1で要する液量は極めて小さいため、実質的にストロークシミュレータ18の吸収液量と圧力との間の特性が支配的となる。従って、ストロークシミュレータ18に必要分の液を送り、ストロークシミュレータ18における圧力を目標マスタシリンダ圧にすることにより、マスタシリンダ1における圧力が目標マスタシリンダ圧に設定される。
【0053】
このため(2)式に示すように該偏差に基づく補正指令値CHを、目標マスタシリンダ圧を発生するよう定められた基本指令値CBに対し加えることにより、マスタシリンダ圧力制御弁17は、ストロークシミュレータ18で圧力を設定する際の液量の不足分を前もって補いつつ、マスタシリンダ1における圧力を目標マスタシリンダ圧に設定する動作を行う。これにより、該補正指令値が無い時と比べ、圧力を設定する際の応答性が向上する。
【0054】
よって、運転者がブレーキペダルを素早く踏込んだ場合の、踏込み後期の段階でのマスタシリンダ圧力制御弁17による増圧応答の遅れ分が補償され、マスタシリンダ1における圧力を目標圧に設定でき、マスタシリンダ1における圧力が目標圧より低下し抜け感のあるブレーキペダルフィーリングが生じるといった問題は生じず、良好なブレーキペダルフィーリングが得られる。
【0055】
また、前記KB・KTはいずれも単位圧力変化当りの液量であり、単位はm3/Paである。また、前記ΔPT/Δtsは目標マスタシリンダ圧の時間変化率で単位はPa/sである。従って、(KB−KT)×ΔPT/Δtsは単位がm3/sとなる。これは、単位時間当りにマスタシリンダ圧力制御弁17がストロークシミュレータ18に対し送るべき液量を意味する。本ルーチンは、前述のように一定の制御周期ごとに繰り返し実行されるため、各制御周期毎に各算出値が更新される。従って、各制御周期毎にマスタシリンダ圧力制御弁17が送るべき液量を算出することが必要となり、これは、単位時間当りの該液量に制御周期Δtsを掛けることにより簡単に求まる。あるいは、(2)式の係数Cは制御周期Δtsを含むものとして定めても良い。このように単位時間当りの液量を算出することにより、本ルーチン実行に適した形で補正が行え、処理が簡略化される効果がある。
【0056】
なお、ステップS8で求めた、(2)式で示される補正指令値CHと(KB−KT)×ΔPT/Δtsとの関係は図9に示すような線型関係となるが、これを、図10や図11に示す非線型の関係にしても効果が得られる。
【0057】
また、ステップS5におけるKB及びステップS6におけるKTについては、マスタシリンダ圧力センサ23、24で検出したマスタシリンダ1における圧力を、目標マスタシリンダ圧PTの代りに用いて、図8における傾きを求めることにより算出しても良い。この場合、実際のマスタシリンダ1における圧力を用いるため、補正の精度が向上し、良好なブレーキペダルフィーリングが得られる効果がある。
【0058】
(実施の形態2)
実施の形態2は請求項5又は6に記載の発明に対するブレーキ制御装置である。その構成は、実施の形態1と同等であるため図示並びに説明を省略する。
【0059】
次に実施の形態2における作用について、ブレーキペダル6のストローク量を基にマスタシリンダ圧力制御弁17に対する指令値を算出する方法を、図12に示すフローチャートに従って説明する。その他の作用については実施の形態1と同等であるため説明を省略する。
【0060】
図12のフローチャートは、コントロールユニット25において、予め定められた一定の制御周期ごとに繰り返し実行される。制御周期は実験的に定められるが、例えば1〜100ms程度の値である。なお、本ルーチンは、マスタシリンダ圧制御手段に相当する。
【0061】
まず、ステップS101では、ストロークセンサ22からの信号によりブレーキペダル6のストローク量PS1を読み込む。
【0062】
次にステップS102では、ステップS101で求めたブレーキペダル6のストローク量を制御周期毎に記憶しておき、前回のストローク量と今回のストローク量の差分を制御周期Δtsで割り、ペダルストローク速度VELを算出する。本ステップがペダルストローク速度算出手段に相当する。
【0063】
ステップS103に進み、ステップS102で求めたペダルストローク速度VELを基に、図13に示すペダルストローク速度と所定時間との間の特性により、所定時間Δtを算出する。本ステップが所定時間算出手段に相当する。
【0064】
ステップS104では、ステップS101で求めたブレーキペダル6のストローク量PS1と、ステップS102で求めたペダルストローク速度VELと、ステップS103で求めた所定時間Δtから、所定時間Δt経過後のブレーキペダル6のストローク量PS2を次式で推定する。
【0065】
PS2=PS1+VEL×Δt …(3)
ステップ105では、ステップS101で読み込んだブレーキペダル6のストローク量PS1と、ステップS104で求めた所定時間Δt経過後のブレーキペダル6のストローク量PS2を基に、図14に示すペダルストローク量と目標マスタシリンダ圧との間の特性により、ストローク量PS1に対応した目標マスタシリンダ圧PT1と、ストローク量PS2に対応した目標マスタシリンダ圧PT2を算出する。
【0066】
ステップS106では、ステップS103で求めた所定時間Δtと、ステップS105で求めた目標マスタシリンダ圧PT1とPT2から、目標マスタシリンダ圧の時間変化率ΔPT/Δtを次式で算出する。
【0067】
ΔPT/Δt=(PT2−PT1)/Δt …(4)
ステップS107では、ステップS105で求めた目標マスタシリンダ圧PT1を基に、図7に示す目標マスタシリンダ圧と基本指令値との間の特性により、マスタシリンダ圧力制御弁17に対する基本指令値CBを算出する。
【0068】
ステップS108では、目標マスタシリンダ圧PT1を基に、図8aに示すストロークシミュレータにおける吸収液量と圧力との間の特性の傾きから、目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにストロークシミュレータ18で要する液量KBを算出する。本ステップは、ストロークシミュレータ所要液量算出手段に相当する。
【0069】
ステップS109では、目標マスタシリンダ圧PT1を基に、図8bに示すマスタシリンダから吐出する液量と目標マスタシリンダ圧との間の特性の傾きから、目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにマスタシリンダ1から吐出する液量KTを算出する。本ステップは、目標マスタシリンダ圧変化液量算出手段に相当する。
【0070】
ステップS110では、ステップS108で求めた目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにストロークシミュレータ18で要する液量KBと、ステップS109で求めた目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにマスタシリンダ1から吐出する液量KTの偏差(KB−KT)を算出する。
【0071】
ステップS111では、ステップS106で求めた目標マスタシリンダ圧の時間変化率ΔPT/Δtと、ステップS110で求めた偏差(KB−KT)から、マスタシリンダ圧力制御弁17に対する補正指令値CHを次式で算出する。
【0072】
CH=C×(KB−KT)×ΔPT/Δt …(5)
ここで、C:実験的に定める係数
ステップS112では、ステップS107で求めた基本指令値CBと、ステップS111で求めた補正指令値CHから、マスタシリンダ圧力制御弁17に対し、(CB+CH)により求まる値を指令値として出力し、本ルーチンの実行を終了する。
【0073】
なお、本ルーチンのうち、ステップS102〜S104で示す部分がペダルストローク推定手段に相当する。またステップS102〜S106で示す部分が目標マスタシリンダ圧変化率算出手段に相当する。また、ステップS102〜S112からS107を除いた部分が指令値補正手段に相当する。
【0074】
本ルーチンによれば、実施の形態1と同様に、(5)式によりマスタシリンダ圧力制御弁17への指令値が補正される。ここで、目標マスタシリンダ圧の時間変化率ΔPT/Δtは、所定時間Δt経過後の目標マスタシリンダ圧推定値PT2を用いて算出される。従って、実施の形態2においても、実施の形態1と同様の効果を奏することに加え、運転者のブレーキペダル6の操作から将来の目標マスタシリンダ圧を推定し、マスタシリンダ圧力制御弁17への指令値が補正されるため、マスタシリンダにおける圧力の目標圧に対する追従性が向上し、さらに良好なブレーキペダルフィーリングが得られる。
【0075】
また、前記所定時間Δtは、運転者のブレーキペダル6を操作する際のペダルストローク速度に応じて設定されるため、所定時間Δtが運転者の操作に対応して適切に選択されることとなり、該所定時間を基とする所定時間Δt経過後のブレーキペダル6のストローク量PS2の推定精度が向上する。従って、該ストローク量PS2から求まる目標マスタシリンダ圧PT2の推定精度も向上し、該PT2及び所定時間Δtを用いる目標マスタシリンダ圧の時間変化率ΔPT/Δtの算出における精度が向上する。
【0076】
なお、ステップS111で求めた、(5)式で示される補正指令値CHと(KB−KT)×ΔPT/Δtの関係は、図9に示すような線型関係となるが、これを、図10や図11に示す非線型の関係にしても効果が得られる。
【0077】
(実施の形態3)
次に実施の形態3について説明する。
【0078】
実施の形態3は請求項7又は8に記載の発明に対応するブレーキ制御装置である。その構成は、実施の形態1と同等であるため図示ならびに説明を省略する。
【0079】
次に実施の形態3における作用について、ブレーキペダル6のストローク量を基にマスタシリンダ圧力制御弁17に対する指令値を算出する方法を、図15に示すフローチャートに従って説明する。その他の作用については実施の形態1と同等であるため説明を省略する。
【0080】
図15のフローチャートは、コントロールユニット25において、予め定められた一定の制御周期ごとに繰り返し実行される。制御周期は実験的に定められるが、例えば1〜100ms程度の値である。なお、本ルーチンは、マスタシリンダ圧制御手段に相当する。
【0081】
ステップS201〜S207において、実施の形態2における図12のS101〜S107と同様の処理を実施する。
【0082】
ステップS208では、ステップS205で求めた目標マスタシリンダ圧PT1とPT2と、図16aに示すストロークシミュレータ18における吸収液量と圧力との間の特性を基に、目標マスタシリンダ圧PT1における液量VB1と、目標マスタシリンダ圧PT2における液量VB2とを求め、目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにストロークシミュレータ18で要する液量KBを次式で算出する。
【0083】
KB=(VB2−VB1)/(PT2−PT1) …(6)
なお、図16aの特性は、図8aと同等である。本ステップは、ストロークシミュレータ所要液量算出手段に相当する。
【0084】
ステップS209では、ステップS205で求めた目標マスタシリンダ圧PT1とPT2と、図16bに示すマスタシリンダから吐出する液量と目標マスタシリンダ圧との間の特性を基に、目標マスタシリンダ圧PT1における液量VT1と、目標マスタシリンダ圧PT2における液量VT2とを求め、目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにマスタシリンダ1から送り出される液量KTを次式で算出する。
【0085】
KT=(VT2−VT1)/(PT2−PT1) …(7)
なお、図16bの特性は、図8bと同等である。本ステップは、目標マスタシリンダ圧変化液量算出手段に相当する。
【0086】
ステップS210〜S212において、実施の形態2における図12のS110〜S112と同様の処理を行い、求められた指令値をマスタシリンダ圧力制御弁17に対し出力し、本ルーチンの実行を終了する。
【0087】
なお、本ルーチンのうち、ステップS202〜S204で示す部分がペダルストローク推定手段に相当する。またステップS202〜S206で示す部分が目標マスタシリンダ圧変化率算出手段に相当する。また、ステップS202〜S212からS207を除いた部分が指令値補正手段に相当する。
【0088】
本ルーチンによれば、実施の形態2と同様に、マスタシリンダ圧力制御弁17への指令値が補正される。さらに、目標マスタシリンダ圧の時間変化率ΔPT/Δtだけでなく、目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにストロークシミュレータ18で要する液量KBと、目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにマスタシリンダ1から吐出する液量KTも、所定時間Δt経過後の目標マスタシリンダ圧推定値PT2を基に算出される。従って、実施の形態2と同様の効果を奏することに加え、マスタシリンダ圧力制御弁17への指令値の補正が実施の形態2と比べさらに詳細に行われるため、マスタシリンダにおける圧力の目標圧に対する追従性がより向上し、さらに良好なブレーキペダルフィーリングが得られる。
【0089】
【発明の効果】
本願発明にあっては、運転者がブレーキペダルを踏込むと、ブレーキペダルのストローク量をペダルストローク検出手段により検出し、この検出結果を基に、マスタシリンダ圧制御手段において、予め定めたペダルストローク量と目標マスタシリンダ圧との間の特性により、目標マスタシリンダ圧が求まる。この目標圧を発生するよう、マスタシリンダ圧発生手段に対しマスタシリンダ圧制御手段が指令値を出力し、マスタシリンダ圧発生手段は、マスタシリンダにおける圧力をこの目標値に設定する。前記ペダルストローク量と目標マスタシリンダ圧との間の特性を自由に設定することにより、ブレーキペダルのストロークとマスタシリンダ圧との間の特性、すなわちブレーキペダルのストロークと踏力との間の特性を所望の特性に設定でき、運転者の好みとするブレーキペダルフィーリングを得ることができる。
【0090】
さらに、運転者がブレーキペダルを素早く踏込んだ場合、踏込み初期の段階において、運転者のブレーキペダル操作によりマスタシリンダから吐出する液量をストロークシミュレータにより吸収し、マスタシリンダ圧発生手段に直接加わることを防ぐことができる。このため、マスタシリンダから吐出する液量がマスタシリンダ圧発生手段に加わり外乱として働き、マスタシリンダ圧が目標圧より大きくなり、固いブレーキフィーリングが生じるといった問題は発生せず、マスタシリンダ圧発生手段は、マスタシリンダにおける圧力を目標圧に設定でき、良好なブレーキペダルフィーリングが得られる。
【0091】
また、本願発明にあっては、マスタシリンダ圧発生手段に対しマスタシリンダ圧制御手段が指令値を出力する際、マスタシリンダ吐出液量算出手段により、マスタシリンダからストロークシミュレータへ吐出する液量を求め、必要液量算出手段により、ストロークシミュレータにおける圧力を目標マスタシリンダ圧にするために必要な液量を求め、これら2つの液量の偏差に基づきマスタシリンダ圧制御手段が出力する指令値に補正を加える。
【0092】
ここで、該偏差の持つ意味について以下に説明する。
【0093】
マスタシリンダ圧発生手段は、マスタシリンダにおける圧力を所望の値に設定するために、マスタシリンダと、マスタシリンダに接続されているストロークシミュレータに対し、各々の吸収液量と圧力との間の特性に基づき、所望の圧力に対応した液量をマスタシリンダ及びストロークシミュレータに送る必要がある。この際、ストロークシミュレータで要する液量と比べ、マスタシリンダで要する液量は極めて小さいため、実質的にストロークシミュレータの吸収液量と圧力との間の特性が支配的となる。従って、マスタシリンダにおける圧力を設定するには、ストロークシミュレータに必要分の液を送り、ストロークシミュレータにおける圧力を目標マスタシリンダ圧に設定することが必要となる。
【0094】
ところでストロークシミュレータに対する液の供給は、マスタシリンダ圧発生手段とともに、マスタシリンダからも行われる。マスタシリンダから吐出する液量は、ブレーキペダルのストローク量に応じて一義的に定まり、運転者のブレーキペダルの操作に伴い必ず発生する値である。そこで、ストロークシミュレータにおける圧力を目標マスタシリンダ圧にするために必要な液量(=必要液量算出手段の算出結果)から、マスタシリンダから吐出する液量(=マスタシリンダ吐出液量算出手段の算出結果)を引いた値、すなわち、ストロークシミュレータで圧力を設定する際の液量の不足分が、マスタシリンダ圧発生手段がストロークシミュレータに対し送るべき液量に相当する。
【0095】
従って、マスタシリンダ吐出液量算出手段と必要液量算出手段とにより求めた液量の偏差は該不足分を意味する。マスタシリンダ圧制御手段において、該偏差に基づく補正値を、目標マスタシリンダ圧を発生するよう定められた指令値に対し加えることにより、マスタシリンダ圧発生手段は、前もって該不足分を補いつつマスタシリンダにおける圧力を目標圧に設定する動作を行うため、該補正値が無い時と比べ、圧力を設定する際の応答性が向上する。
【0096】
よって、先の効果に加え、運転者がブレーキペダルを素早く踏込んだ場合の、踏込み後期の段階でのマスタシリンダ圧発生手段における増圧応答の遅れ分が補償され、マスタシリンダにおける圧力を目標圧に設定でき、マスタシリンダにおける圧力が目標値より低下し抜け感のあるブレーキペダルフィーリングが生じるといった問題は生じず、良好なブレーキペダルフィーリングが得られる。
【0097】
また、本願発明にあっては、目標マスタシリンダ圧変化率算出手段により目標マスタシリンダ圧の時間変化率を求め、目標マスタシリンダ圧変化液量算出手段により目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにマスタシリンダから吐出する液量を求め、これらの積を求めることによりマスタシリンダ吐出液量算出手段の算出結果を得ることができる。
【0098】
目標マスタシリンダ圧の時間変化率は、目標マスタシリンダ圧を後に述べる制御周期ごとに記憶することにより求められ、目標マスタシリンダ圧は、前述のようにペダルストローク検出手段により検出されたストローク量を基に得られる。従って、目標マスタシリンダ圧の時間変化率は、該ストローク量を基として得ることができる。
【0099】
一方、目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにマスタシリンダから吐出する液量は、ブレーキペダルのストローク量とマスタシリンダから吐出する液量の関係及び前記ペダルストローク量と目標マスタシリンダ圧との間の特性から定まる、マスタシリンダから吐出する液量と目標マスタシリンダ圧の関係を基に、目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りに相当する液量を求めることにより得られる。また目標マスタシリンダ圧は、前述のようにブレーキペダルのストローク量から得られるため、目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにマスタシリンダから送り出される液量も、該ストローク量に基づき得ることができる。
【0100】
従って、特別なセンサを使わなくとも、ペダルストローク検出手段によりマスタシリンダ吐出液量算出手段の算出結果を得ることが可能となる効果がある。
【0101】
さらに、目標マスタシリンダ圧の時間変化率の単位はPa/sであり、目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにマスタシリンダから吐出する液量の単位はm3/Paのため、両者の積の単位はm3/sである。これは、単位時間当りにマスタシリンダから吐出する液量を意味する。本発明は、後に述べるように一定の制御周期ごとに実行され、各制御周期ごとに、該期間内にマスタシリンダから吐出する液量を求める。該液量は単位時間当りの液量に制御周期を乗ずれば、簡単に求まる。従って、マスタシリンダ吐出液量算出手段の算出結果が、本発明実行時に適した形で求まり、処理が簡略化される効果も得られる。
【0102】
請求項3又は4記載の発明にあっては、目標マスタシリンダ圧変化率算出手段により目標マスタシリンダ圧の時間変化率を求め、ストロークシミュレータ所要液量算出手段により、目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにストロークシミュレータで要する液量を求め、これらの積を求めることにより必要液量算出手段の算出結果を得ることができる。
【0103】
目標マスタシリンダ圧の時間変化率は、前述の通り、ブレーキペダルのストローク量により得ることができる。
【0104】
また、目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにストロークシミュレータで要する液量は、ストロークシミュレータにおける吸収液量と圧力との間の特性を基に、目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りに相当する液量を求めることにより得られる。目標マスタシリンダ圧は、前述のようにブレーキペダルのストローク量を基に得られるため、目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにストロークシミュレータで要する液量も、該ストローク量に基づき得ることができる。
【0105】
従って、特別なセンサを使わなくとも、ペダルストローク検出手段により必要液量算出手段の算出結果を得ることが可能となる効果がある。
【0106】
さらに、目標マスタシリンダ圧の時間変化率の単位はPa/sであり、目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りにストロークシミュレータで要する液量の単位はm3/Paのため、両者の積の単位はm3/sである。これは、単位時間当りにストロークシミュレータで要する液量を意味する。
【0107】
従って、前述のように、この場合も必要液量算出手段の算出結果が、本発明実行時に適した形で求まり、処理が簡略化される効果も得られる。
【0108】
請求項5記載の発明にあっては、ペダルストローク推定手段により、所定時間Δt経過後のブレーキペダルのストローク量を推定し、該ストローク量から求めた所定時間Δt経過後の将来の目標マスタシリンダ圧PT2と、ペダルストローク検出手段の検出結果から求めた現在の目標マスタシリンダ圧PT1とを基に、(PT2−PT1)/Δtにより目標マスタシリンダ圧変化率算出手段の算出結果を得ることができる。
【0109】
従って、目標マスタシリンダ圧の時間変化率が、運転者のブレーキペダル操作に基づく将来の目標マスシリンダ圧の推定値を基に求められる。このためマスタシリンダ圧制御手段が出力する指令値に加わる補正値に該推定値が反映され、マスタシリンダ圧発生手段によりマスタシリンダにおける圧力を目標マスタシリンダ圧に設定する際、マスタシリンダにおける圧力の目標圧に対する追従性を向上でき、良好なペダルフィーリングが得られる。
【0110】
請求項6記載の発明にあっては、ペダルストローク速度算出手段によりブレーキペダルのストローク速度を求め、該ペダルストローク速度を基に所定時間算出手段により所定時間を求め、ペダルストローク検出手段の検出結果に該ペダルストローク速度と該所定時間の積を加えることにより、ペダルストローク推定手段の推定結果を得ることができる。
【0111】
また、ペダルストローク速度算出手段では、ペダルストローク速度を、ペダルストローク検出手段の検出結果の時間に対する変化率、すなわち後に述べる制御周期ごとに該検出結果を記憶することにより求められる。従って、特別なセンサを用いなくとも、ペダルストローク検出手段のみによりペダルストローク速度が求められ、所定時間経過後のペダルストローク量の推定も可能となる。
【0112】
さらに、所定時間算出手段により、該ペダルストローク速度に応じて所定時間が設定されるため、所定時間が適切に選択され、ペダルストローク推定手段の推定結果における精度が向上する。
【0113】
請求項7記載の発明にあっては、ブレーキペダルのストローク量とマスタシリンダから吐出する液量の関係を基に、ペダルストローク検出手段の検出結果に対応して求められるマスタシリンダから送り出される液量VT1と、ペダルストローク推定手段の推定結果に対応して求められるマスタシリンダから送り出される液量VT2と、ペダルストローク検出手段の検出結果から求めた目標マスタシリンダ圧PT1と、ペダルストローク推定手段の推定結果から求めた目標マスタシリンダ圧PT2とを基に、(VT2−VT1)/(PT2−PT1)により目標マスタシリンダ圧変化液量の算出結果を得ることができる。
【0114】
従って、該算出結果が用いられるマスタシリンダ吐出液量算出手段において、将来のペダルストローク量の推定値が反映されることとなる。マスタシリンダ吐出液量算出手段の算出結果を基にマスタシリンダ圧制御手段の指令値に補正が加えられることから、マスタシリンダ圧発生手段によりマスタシリンダにおける圧力を目標マスタシリンダ圧に設定する際に、将来のペダルストローク量の推定値に基づく補正が行われ、マスタシリンダにおける圧力の目標圧に対する追従性を向上でき、良好なペダルフィーリングが得られる。
【0115】
請求項8記載の発明にあっては、ペダルストローク検出手段の検出結果から求めた目標マスタシリンダ圧PT1と、ペダルストローク推定手段の推定結果から求めた目標マスタシリンダ圧PT2と、ストロークシミュレータにおける吸収液量と圧力との間の特性に基づき、目標マスタシリンダ圧PT1から求まる液量VB1と、目標マスタシリンダ圧PT2から求まる液量VB2とを基に、(VB2−VB1)/(PT2−PT1)によりストロークシミュレータ所要液量算出手段の算出結果を得ることができる。
【0116】
従って、該算出結果が用いられる必要液量算出手段において、将来のペダルストローク量の推定値が反映されることとなる。必要液量算出手段の算出結果を基にマスタシリンダ圧制御手段の指令値に補正が加えられることから、マスタシリンダ圧発生手段によりマスタシリンダにおける圧力を目標マスタシリンダ圧に設定する際に、将来のペダルストローク量の推定値に基づく補正が行われ、マスタシリンダにおける圧力の目標圧に対する追従性を向上でき、良好なペダルフィーリングが得られる。
【0117】
請求項9記載の発明にあっては、ペダルストローク検出手段の検出結果から求めた目標マスタシリンダ圧の代りに、マスタシリンダ圧検出手段により検出したマスタシリンダ圧を用い、マスタシリンダ吐出液量算出手段の算出結果と、必要液量算出手段の算出結果を求め、これら算出結果を基にマスタシリンダ圧制御手段の指令値に加えられる補正値が求められる。
【0118】
従って、実際のマスタシリンダ圧に基づき該補正値が得られ、補正の精度が向上するため、マスタシリンダ圧発生手段によりマスタシリンダにおける圧力を目標マスタシリンダ圧に設定する際に、マスタシリンダにおける圧力の目標圧に対する追従性を向上でき、良好なペダルフィーリングが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る発明のブレーキ制御装置を示すクレーム概念図である。
【図2】従来のブレーキ制御装置を示すシステム図である。
【図3】従来のブレーキ制御装置におけるブレーキペダルストロークとマスタシリンダ圧の関係を示す図である。
【図4】実施の形態1のブレーキ制御装置を示す全体システム図である。
【図5】実施の形態1のコントロールユニットで行われる、マスタシリンダ圧力制御弁に対する指令値を算出する方法を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1のブレーキペダルのストローク量と目標マスタシリンダ圧との間の特性を示す図である。
【図7】実施の形態1のマスタシリンダ圧力制御弁への基本指令値と目標マスタシリンダ圧との間の特性を示す図である。
【図8】実施の形態1又は2のストロークシミュレータにおける吸収液量と圧力との間の特性、及びマスタシリンダから吐出する液量と目標マスタシリンダ圧との間の特性を示す図である。
【図9】実施の形態1又は2の補正指令値の特性を示す図である。
【図10】実施の形態1又は2の補正指令値の他の特性を示す図である。
【図11】実施の形態1又は2の補正指令値の他の特性を示す図である。
【図12】実施の形態2のコントロールユニットで行われる、マスタシリンダ圧力制御弁に対する指令値を算出する方法を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態2のペダルストローク速度と所定時間との間の特性を示す図である。
【図14】実施の形態2のブレーキペダルのストローク量と目標マスタシリンダ圧との間の特性を示す図である。
【図15】実施の形態3のコントロールユニットで行われる、マスタシリンダ圧力制御弁に対する指令値を算出する方法を示すフローチャートである。
【図16】実施の形態3のストロークシミュレータにおける吸収液量と圧力との間の特性、及びマスタシリンダから吐出する液量と目標マスタシリンダ圧との間の特性を示す図である。
【符号の説明】
1 マスタシリンダ
2〜5 ホイールシリンダ
6 ブレーキペダル
7 ポンプ
8 アキュムレータ
9〜12 ホイールシリンダ圧力制御弁
13〜16 第一の電磁切換弁
17 マスタシリンダ圧力制御弁
18 ストロークシミュレータ
19 第二の電磁切換弁
20 第三の電磁切換弁
21 第四の電磁切換弁
22 ブレーキペダルのストロークセンサ
23,24 マスタシリンダ圧力センサ
25 コントロールユニット

Claims (9)

  1. 運転者が操作するブレーキペダルと、
    前記ブレーキペダルのストローク量を検出するペダルストローク検出手段と、
    前記ブレーキペダルのストローク量に応じたブレーキ液量を吐出するマスタシリンダと、
    前記マスタシリンダに接続され、外部からの指令値に基づきこのマスタシリンダにおける圧力を所望の値にするマスタシリンダ圧発生手段と、
    前記マスタシリンダ及びマスタシリンダ圧発生手段の間に設けられ、これら両者から送られる液量を吸収しこの吸収液量に応じた圧力を発生するストロークシミュレータと、
    前記ペダルストローク検出手段の検出結果を基に、予め定めたペダルストローク量と目標マスタシリンダ圧との間の特性により目標マスタシリンダ圧を求め、この目標マスタシリンダ圧を発生するよう前記マスタシリンダ圧発生手段に対し指令値を出力するマスタシリンダ圧制御手段と、を備え
    前記マスタシリンダ圧制御手段は、
    前記目標マスタシリンダ圧の時間変化率を求める目標マスタシリンダ圧変化率算出手段と、
    前記マスタシリンダから吐出する液量と目標マスタシリンダ圧との関係を基に、前記目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りに前記マスタシリンダから吐出する液量を求める目標マスタシリンダ圧変化液量算出手段と、
    前記目標マスタシリンダ圧変化率算出手段の算出結果と前記目標マスタシリンダ圧変化液量算出手段の算出結果を基に、前記マスタシリンダから吐出する液量を算出するマスタシリンダ吐出液量算出手段と、
    前記ストロークシミュレータにおいて前記目標マスタシリンダ圧を発生するために必要な液量を算出する必要液量算出手段と、
    前記マスタシリンダ圧発生手段への指令値に対し、前記マスタシリンダ吐出液量算出手段の算出結果と前記必要液量算出手段の算出結果の偏差に基づく補正値を加える、指令値補正手段と、を有することを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 請求項1記載のブレーキ制御装置において、
    前記マスタシリンダ吐出液量算出手段は、前記目標マスタシリンダ圧変化率算出手段の算出結果と前記目標マスタシリンダ圧変化液量算出手段の算出結果との積を、前記マスタシリンダ吐出液量算出手段の算出結果とすることを特徴とするブレーキ制御装置。
  3. 請求項1又は2記載のブレーキ制御装置において、
    前記マスタシリンダ圧制御手段は、前記ストロークシミュレータにおける吸収液量と圧力との間の特性を基に、前記目標マスタシリンダ圧の単位圧力変化当りに前記ストロークシミュレータで要する液量を算出するストロークシミュレータ所要液量算出手段を有し、
    前記必要液量算出手段は、前記目標マスタシリンダ圧変化率算出手段の算出結果と前記ストロークシミュレータ所要液量算出手段の算出結果を基に、前記必要液量算出手段の算出結果を得ることを特徴とするブレーキ制御装置。
  4. 請求項3記載のブレーキ制御装置において、
    前記必要液量算出手段は、前記目標マスタシリンダ圧変化率算出手段の算出結果と前記ストロークシミュレータ所要液量算出手段の算出結果との積を、前記必要液量算出手段の算出結果とすることを特徴とするブレーキ制御装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載のブレーキ制御装置において、
    前記目標マスタシリンダ圧変化率算出手段は、前記ペダルストローク検出手段の検出結果を基に、所定時間Δt経過後のストローク量を推定するペダルストローク推定手段を有し、前記ペダルストローク量と目標マスタシリンダ圧との間の特性に基づき、前記ペダルストローク検出手段の検出結果から求まる目標マスタシリンダ圧PT1と、前記ペダルストローク推定手段の推定結果から求まる目標マスタシリンダ圧PT2とを基に、(PT2−PT1)/ΔTにより定まる値を前記目標マスタシリンダ圧変化率算出手段の算出結果とすることを特徴とするブレーキ制御装置。
  6. 請求項5記載のブレーキ制御装置において、
    前記ペダルストローク推定手段は、前記ペダルストローク検出手段の検出結果の時間に対する変化率からストローク速度を算出するペダルストローク速度算出手段と、前記ペダルストローク速度算出手段の算出結果を基に、予め定めたペダルストローク速度と所定時間との間の特性により所定時間Δtを算出する所定時間算出手段とを有し、前記ペダルストローク検出手段の検出結果に対し、前記ペダルストローク速度算出手段の算出結果と所定時間算出手段の算出結果の積を加えた値を前記ペダルストローク推定手段の推定結果とすることを特徴とするブレーキ制御装置。
  7. 請求項5又は6記載のブレーキ制御装置において、
    前記目標マスタシリンダ圧変化液量算出手段は、前記ペダルストローク検出手段の検出結果におけるストローク量により前記マスタシリンダから吐出する液量VT1を算出する手段と、前記ペダルストローク推定手段の推定結果におけるストローク量により前記マスタシリンダから吐出する液量VT2を算出する手段と、を有し、前記ペダルストローク検出手段の検出結果から求まる目標マスタシリンダ圧PT1と、前記ペダルストローク推定手段の推定結果から求まる目標マスタシリンダ圧PT2とを基に、(VT2−VT1)/(PT2−PT1)により定まる値を前記目標マスタシリンダ圧変化液量算出手段の算出結果とすることを特徴とするブレーキ制御装置。
  8. 請求項5又は6記載のブレーキ制御装置において、
    前記ストロークシミュレータ所要液量算出手段は、前記ペダルストローク検出手段の検出結果から求まる目標マスタシリンダ圧PT1と、前記ペダルストローク推定手段の推定結果から求まる目標マスタシリンダ圧PT2と、前記ストロークシミュレータにおける吸収液量と圧力との間の特性に基づき、前記目標マスタシリンダ圧PT1から求まる液量VB1と、前記目標マスタシリンダ圧PT2から求まる液量VB2とを基に、(VB2−VB1)/(PT2−PT1)により定まる値を前記ストロークシミュレータ所要液量算出手段の算出結果とすることを特徴とするブレーキ制御装置。
  9. 請求項1乃至8の何れか1項に記載のブレーキ制御装置において、
    前記マスタシリンダにおける圧力を検出するマスタシリンダ圧検出手段を備え、前記マスタシリンダ検出手段の検出結果を、前記目標マスタシリンダ圧の代りに用いることにより、前記マスタシリンダ吐出液量算出手段の算出結果、及び前記必要液量算出手段の算出結果を求めることを特徴とするブレーキ制御装置。
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