JP4630473B2 - 液体薬品貯留装置および水処理設備 - Google Patents

液体薬品貯留装置および水処理設備 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体薬品を貯留する貯留装置に関し、詳しくは、腐食性、毒性、刺激臭などを有する有害な気体を発生させ得る液体薬品を貯留するのに好適な貯留装置に関する。また、本発明は、小型化が容易な、前記貯留装置を備えた水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水処理装置の運転では各種薬品が使用されており、酸、アルカリ、酸化剤、殺菌剤等、それを貯留する貯槽の上部の気体を拡散させると、周辺の金属を腐食したり、単なる刺激臭に止まらず、生物にとって有害であったりといった問題を生じるものが多い。
【0003】
そこで従来、液体薬品貯槽を気密構造とし、さらにスクラバを組み合わせるなどの方策が採られていた。図7に一例を示す。液体薬品貯槽100の上部の空隙相には排気管102が設けられ、空隙相のガスはスクラバ103へと移送する。スクラバ103は洗浄器式のスクラバであり、内部にテラレットパッキン等が充填されており、上部には散水器104と排気管106、底部には排気導入器と集水器105と排水管107が備えられている。上部の散水器104からの散水と底部の排気導入器からの排気ガスを流入させ、貯槽からの排気ガスを対向流方式で気液接触させて排気ガスを液中に取り込み排水管107から排出する。この方式のスクラバは、ガスを吸引する能力はないので、排気の元になる液体薬品貯槽は、排気が漏れないようにするには完全な気密構造とすることが必要となる。
【0004】
ところが、貯槽本体を気密構造とするには、貯槽上部のふた、水位検出器の接続部、貯槽内で薬液の希釈を行う貯槽にあっては攪拌器の回転軸部分、貯槽上部に薬注ポンプを乗せた構造の貯槽では薬注ポンプのサクションチューブの接続部等、多数の個所に、十分な気密性をもたせる必要があるが、現状としては水処理施設などの設備についてそれほどの厳格な気密性を要求することは実質上困難な場合があった。
【0005】
貯槽本体の気密性が不十分な場合、内部の空隙相に充満している有害な気体が周辺に拡散してしまう。特に、貯槽に薬液を外部から移送配管を介して補給する際には、貯槽内部が正圧となるので、気密性が不十分な個所から外部へ排出されてしまい、周辺に対して薬液の性質に応じた被害が発生しやすい。例を挙げると、水処理設備でpH調整や、イオン交換樹脂の再生に用いられる塩酸の貯槽周辺では、刺激臭が発生するとともに、金属部品を腐食し、設備の補修のためのコストを増大させることになる。さらに例を挙げると、水の殺菌剤として一般に利用されている次亜塩素酸ソーダの貯槽周辺では、刺激臭、金属腐食に加え、緑地の植物を枯れさせてしまい、所定の緑地面積を維持するためのコストを増大させることになる。
【0006】
有害気体の拡散を抑制する他の方法としては、貯留する薬液の濃度を希薄にすることにより、かかる有害気体の発生を防止することも考えられるが、貯槽が巨大になったり、頻繁な補給が必要になる。さらに、薬品を他の流体へ注入する場合は、注入設備が巨大となる等、薬液を希薄にして貯留するのは、省スペース化が求められる工業装置に適用する場合には不適当な場合が多い。
【0007】
以上のような状況から、外部へ有害な気体を拡散させず、さらには省スペース化が可能な薬品貯槽が求められていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、空隙相に貯まったガス外部へ拡散させない液体薬品貯留装置を提供することを課題とする。さらには、省スペース化が可能であり、コストも低く抑えることが可能な液体薬品貯留装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
薬品貯槽の気密性が十分ではなくても、外部に有害ガスが拡散しないようにするためには、貯槽の空隙相の気体を強制的に所定の場所へ排気する手段を設けることが考えられる。そこで、本発明者らは、まず貯槽内の空隙相の気体を強制的に排気する適当な手段を種々検討した。
【0010】
強制的に気体を排気する方法としては、排気ファンを用いる方法が考えられる。しかし、貯槽に貯まる気体が腐食性を有するガスの場合、耐腐食性のファンを用いることが望ましいが、このような排気ファンは高価である。しかも常時ファンを運転に要する電気代が発生するため、特に小型で安価な水処理装置に付随して設置する貯槽への適用は現実的ではない。そこで、回転軸やモーターなどの部分に耐腐食性の高くない金属部品が備わっている、ごく普通の排気ファンを用いて必要に応じて随時交換するということも考えられるが、その交換の労力、コストは無視できない。例えば水処理施設に付随して塩酸を貯留する場合、その濃度にもよるが、1ヶ月程度といった短期間で交換しなければならない。すなわち、排気ファンを交換して使用するというのは保守管理上の問題があり、実用的ではない。しかも排気ファンには、気体を無害化する能力はないので、排気ガスを無害化するために、その排気ダクトのいずれかの位置にスクラバを設置する必要があり、このような大がかりな設備は、小型化、省コスト化が求められる水処理装置としては適当でない。
【0011】
スクラバの一種として、ジェットスクラバが知られている。これはガスノズルの中において噴霧ノズルで高圧噴射を行い、減圧及び気液混合の効果を得るもので、それ自体が気体を吸引する能力を有している。そのため、液体薬品貯槽を完全な気密構造としなくても、有害ガスはスクラバに送り込まれ、ガスの拡散を防止することが可能である。
【0012】
しかし、ジェットスクラバは、気体と液体が並流する構造となっているため、十分な洗気効果を得るためには、大型となってしまう。例えば、純水製造設備に付帯する、小型の計量槽や注入用の液体薬品貯槽に、大型のスクラバを設置することは、省スペース化が求められる場合には不適当である。すなわち、ジェットスクラバでは省スペース化の要求に応えることが困難である。
【0013】
本発明者らは、さらに鋭意研究を進め、モーターを駆動源とする排気ファンに替わる吸引手段として、エゼクタなどのように流体を流すことにより負圧を生じさせる吸引手段を用いることに想到し、本発明を完成させた。
【0014】
すなわち、本発明は次の通りである。
液体薬品を貯留する液体薬品貯槽と、流体が流通して負圧を生じさせ、液体薬品貯槽内の空隙相から気体を吸引する吸引手段と、当該吸引手段と駆動流体流通ポンプを接続し当該吸引手段を駆動させるための流体を流通する駆動流体配管とを備える液体薬品貯留装置であって、前記駆動流体配管を流れる流体と、前記液体薬品貯槽に貯留される液体薬品とが、同じ移送先へと移送される液体薬品貯留装置。
液体薬品を貯留する液体薬品貯槽と、流体が流通して負圧を生じさせ、液体薬品貯槽内の空隙相から気体を吸引する吸引手段と、当該吸引手段と駆動流体流通ポンプを接続し当該吸引手段を駆動させるための流体を流通する駆動流体配管とを備える液体薬品貯留装置であって、前記液体薬品貯槽に貯留される液体薬品と前記駆動流体配管を流れる流体とが合流するように、前記駆動流体配管と、前記液体薬品貯槽から所定の移送先へと液体薬品を移送するための液体薬品貯槽と駆動流体配管を接続する移送配管とが接続する液体薬品貯留装置。
) 前記液体薬品貯槽が、有害気体が発生し得る液体薬品を貯留するための槽である、(1)または(2)に記載の液体薬品貯留装置。
) (1)から()のいずれかに記載の液体薬品貯留装置を備えた水処理設備。
【0015】
本発明で用いられる吸引手段は、流体が流通して負圧を生じさせる構造を有する物であればよく、例えば、いわゆるエゼクタ、アスピレータのほか、ベンチュリー管を利用した吸引手段などが例示される。図6にエゼクタ一例を示す。図6はエゼクタの断面図である。エゼクタ10は、エゼクタ本体81とガスケット82とノズル83により構成される。ガスケット82はゴム製であり、エゼクタの内径を規定している。駆動流体は矢印Aで示される方向へと流れる。駆動流体は、先方が絞り込まれたノズル83を通過し、矢印Bで示される方向へ気体・液体が吸引される。
【0016】
流体を流すことにより負圧を生じさせる吸引手段を利用すれば、上記のような排気ファン腐食の問題は避けられる。また、さらにスクラバのような塔状構造で省スペース化を困難にする大型装置は必須ではなくなる。エゼクタ、アスピレータなどに代表される吸引手段は、スクラバなどに比べれば一般に小型である。なお、本発明は、スクラバを併用することを除外するものではない。
【0017】
本発明の液体薬品貯留装置には、流体が流通して負圧を生じさせる吸引手段を駆動させ負圧を生じさせるために、駆動流体配管系が設けられる。負圧を生じさせることができれば、駆動流体配管系を流れる流体(駆動流体)は気体でも液体でもよい。液体薬品貯槽内有害気体を滞留させないようにするためには、エゼクタやアスピレータなどの吸引手段では、流体の速度を変えることにより、生じる負圧の大きさを調節することができるので、吸引手段に流通させる流体、すなわち駆動流体は粘度の低いものがよい。吸引手段による吸引は常時行われていることが好ましいので、駆動流体配管系には常時流体が流れていることが好ましい。そのため駆動流体を流通させるための専用ポンプを設けてもよいし、常時流通する配管の一部に吸引手段を設けて、駆動流体配管系として兼用させるようにしてもよい。また、駆動流体配管系を循環構造を有する配管としてもよい。駆動流体配管系を流れる流体の移送先には特に限定はない。例えば、吸引手段を通過した後、排水として設備外へと放出するように配管されていてもよいし、水処理を行う槽へ駆動流体を移送するように配管されていてもよいし、またさらに他の系の配管途中へと注入するように配管されていてもよい。
【0018】
液体薬品貯槽とは、液体の薬品を貯留する容器である。液体薬品貯槽の材質、大きさなどは液体薬品の種類、貯槽の用途などに応じて適宜設定してよい。一般的な貯留装置の用途を想定すると、液体薬品貯槽に貯められた液体薬品は、必要に応じてポンプなどによってその液体薬品の注入先へと移送される。液体薬品貯槽の上部には、液体薬品の貯留量に応じて空隙が生じる。液体薬品の種類によっては、この空隙に、液体薬品に起因する有害ガスが生じて貯まる。液体貯槽の空隙相に貯まった気体を上記吸引手段によって吸引するため、液体貯槽と吸引手段とは接続されている。液体貯槽の空隙相が生じる部分に吸引手段を直接連接させてもよいが、吸引手段まで空隙相の気体を移送する吸引配管を設けてもよい。また、液体薬品貯槽にはレベルスイッチ、レベルゲージなど、一般に液体貯槽に備えられる他の機器を設けることができる。
【0019】
本発明においては、吸引手段の駆動流体と、液体薬品貯槽に貯められた液体薬品の移送先は、同じでも異なっていてもよい。ただし、吸引手段で液体薬品貯槽から吸引した有害気体は、もともとその液体薬品貯槽に貯められた液体薬品に起因するものであるから、吸引した有害気体を液体薬品の移送先と同じにした場合、液体薬品が注入される物質に対する有害気体による影響を配慮する必要性は低いというメリットが得られる。
【0020】
移送先を同じにする具体的な形態としては、例えば、前記液体薬品貯槽に貯留される液体薬品と前記駆動流体配管系を流れる流体とが合流するように、前記駆動流体配管系と、前記液体薬品貯槽から所定の移送先へと液体薬品を移送するための移送配管系(薬液移送配管系)とが接続する形態が挙げられる。薬液移送配管系は、直接、駆動流体配管系に接続してもよいし、途中で他の配管と合流して接続してもよい。さらに具体的な形態には、▲1▼薬液移送配管系が、吸引手段より上流側の駆動流体配管系に直接接続する形態、▲2▼薬液移送配管系が、液体薬品貯槽から排気する気体を吸引手段に移送するための移送配管に接続してからさらに吸引手段へと接続する形態などが挙げられる。これらのような形態をとることにより、液体薬品から生じた気体をその発生源に戻して所定の移送先へと送り込むことになり、吸引した気体の後処理を別途に行う必要はなくなり、また気体の移送先において悪影響を及ぼすことも実質上ない。
【0021】
本発明の貯留装置の用途は、特に限定されないが、例えば、精製水製造、超純水製造、廃水処理などの水処理設備に付帯する液状の水処理薬品の貯留装置として好適に用いることができる。特に、貯留装置に貯められる液体薬品が、液体薬品の気化などにより有害気体が発生し得るような液体薬品を貯留することに適している。「有害気体」とは何らかの悪影響を及ぼす気体のことである。したがって、本明細書では、液体貯槽の外部に漏れて何らかの弊害を及ぼすような気体はすべて「有害気体」に含まれる。例えば、有害気体としては、金属腐食などの腐食性、刺激臭、動植物に対する毒性などの性質を有する気体が挙げられる。
【0022】
このような有害気体が外部に漏れるようであると、外部への漏洩を防ぐため、あるいはその気体が漏れたことによる影響を防止または回復するための補修・改修費用などのコストがかかることになるが、本発明の貯留装置を用いれば、このような補修費、改修費などのコストを大きく低減させることができる。
【0023】
また、本発明の液体薬品貯装置は、既存の液体薬品貯槽に対する代替も容易に行うことが可能である。例えば、スクラバが接続されている既存の液体薬品貯槽であって、その空隙相の気体が周囲へ拡散する問題のある貯槽に対して、本発明を適用する場合には、該スクラバへの給排水配管を利用して、スクラバをエゼクタなどの吸引手段に取替えるだけで、スクラバが有しない強制排気効果が得られるとともに、小型化による省スペース効果も得ることができる。本発明の液体薬品貯留装置は、小型化に対応し得るため、水処理設備の中の計量槽として好適に用いることができる。
【0024】
近年では、水処理装置などの液体を扱う装置において、必要な装置類をコンパクトに一式まとめ上げる、いわゆるスキッド化した装置が求められることが多い。スキッド化した装置は、省スペース化の結果、その装置内の各装置や部材が極めて近接した状態に配置される。したがって、例えば塩酸を扱うような水処理装置において、塩酸から気化した塩化水素ガスが貯槽から漏れると、その水処理装置の電気的制御基板などを腐食させるおそれがある。このような場合には、従来電気的制御基板を備えた部分の気密性を高めるなどの処置を施す必要があった。しかし、本発明の貯留装置を用いれば、このような問題は解決でき、またスキッド化において要求される省スペース化の要求も満たすことが可能である。すなわち、本発明は、小型化が容易な水処理装置または設備を提供するものでもある。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。以下の実施形態では、水処理施設の一部として本発明の貯留装置が設けられている場合について説明するが、以下の実施形態は例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0026】
<第1の実施形態>
第1の実施形態として、液体薬品の移送先が、吸引手段としてのエゼクタを駆動させるための駆動水の送り先とが異なる場合について、図1に沿って説明する。
【0027】
本第1の実施形態では、液体薬品貯槽20には塩酸(液体薬品25)が貯留される。液体薬品貯槽20に貯留される塩酸は、不図示の別のタンクからHCl移送配管40を通じて送り込まれる。HCl移送配管40には開閉弁41が設けられている。液体薬品貯槽20にはレベルスイッチ22が備えられており、液体薬品貯槽20内の塩酸の量に応じて塩酸の流入を制御することができる。また、液体薬品貯槽20には不図示のレベルゲージ(不図示)が設けられており、塩酸の量を外部から目視して確認することもできる。液体薬品貯槽20内に蓄えられた塩酸は、必要に応じてポンプ21によって汲み出され、薬液移送配管23を通じて水処理槽へと移送される。
【0028】
液体薬品貯槽の上部には、空隙相24がある。この空隙には、温度や圧力などの関係から、塩酸が気化して塩化水素ガスを含むことがある。この空隙相にある気体を排出するために、空隙相24に当たる部分に吸引配管11が設けられており、吸引配管11はエゼクタ10へと繋がっている。エゼクタ10は、駆動流体配管系30に駆動流体として用水が流れることにより負圧を生じさせ、吸引配管11を介して空隙相24に貯まる気体を吸引する。吸引された気体は、エゼクタ10で駆動流体としての用水に吹き込まれ、駆動流体配管30を通じて排水ピットへと送られる。
【0029】
駆動流体配管には常時用水が流れているため、エゼクタ10は常時駆動しており、液体薬品貯槽20の空隙相24から常時気体が吸引されるため、外部に塩化水素ガスは漏れない。また、駆動流体配管系30の配管ラインは、本来は不要になった用水を排出するための配管系であり、水処理装置全体内にもともとある配管系の一部を兼用するようにしている。したがって、液体薬品貯槽20から気体を吸引するために別途に排気ファンやポンプなどの電気的駆動源を設ける必要もなく、ランニングコストを低くすることができる。また、本貯留装置では、スクラバのような大型の装置は付属せずに塩化水素ガスを処理している。
【0030】
<第2の実施形態>
第2の実施形態について図2に沿って説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
【0031】
第2の実施形態では、エゼクタ10を駆動するために駆動流体配管系30を流れる用水の移送先が、液体薬品貯槽20に貯留される塩酸の移送先と同じになるように配管されている。すなわち、液体薬品を移送するための薬液移送配管23は薬液注入先である水処理槽50に接続している一方、駆動流体配管系30も水処理槽50に接続している。液体薬品移送配管23と駆動流体配管系30とは、それぞれ独立して水処理槽50に接続している。また、吸引配管11は逆止弁12が設けられている。
【0032】
水処理槽50は、塩酸が注入されることがもともと予定されている槽であり、液体薬品貯槽20で気化した塩化水素が処理用水中に再び混入してきても、処理用水の水質に悪影響を及ぼすことは実質上ない。
【0033】
<第3の実施形態>
第3の実施形態について図3に沿って説明する。なお、第2の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
【0034】
第3の実施形態は、第2の実施形態と同様、駆動流体配管系30を流れる用水の移送先が、液体薬品貯槽20に貯留される塩酸の移送先と同じになるように配管されている。しかし、第3の実施形態では、第2の実施形態と異なり、液体薬品貯槽20からの薬液移送配管23は、直接水処理槽50に接続するのではなく、エゼクタ10の上流の駆動流体配管系に接続されている。エゼクタ10を駆動させるための駆動流体配管に接続することで、配管を簡素化させることができる。
【0035】
<第4の実施形態>
第4の実施形態について図4に沿って説明する。なお、第3の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
【0036】
第4の実施形態では、薬液移送配管23は、吸引配管11に接続している。したがって、液体薬品と、空隙相24の気体とが混在した状態でエゼクタへと吸引される。液体薬品はポンプ21によって汲み出されているため、液体薬品が吸引管11内を逆流しないように吸引配管11には逆止弁12を備えている。
【0037】
水処理装置全体の配管にもよるが、第4の実施形態によれば、液体薬品貯槽に貯められた薬品を移送する薬液移送配管23を短くして、配管を簡素化することが容易にできる。
【0038】
<第5の実施形態>
第5の実施形態について図5に沿って説明する。
【0039】
図5は、水処理設備における薬注装置の部分を示すものである。タンクローリーなどで運搬されてきた液体薬品は、まず薬品受入タンク60に入れられる。このとき薬品受入タンク内には、正圧がかかるためタンクの上部には排気管61が設けられている。薬品受入時にはこの排気管から、薬品の種類に応じて、この薬品に起因する刺激臭などの有害気体が排出され得る。そこで、多量の排気気体を処理するためスクラバ70が設けられており、薬品受入タンク60からの排気ガスはスクラバ70で気液接触処理され、排水ピットへと送られる。
【0040】
一方、ポンプ62が駆動することによって、薬液受入タンク60から薬液移送配管63を通じて、液体薬品が、計量槽としての液体薬品貯槽20へと移送される。液体薬品貯槽の空隙部の気体は、吸引配管11を通じてエゼクタ10によって吸引され、外部への漏洩が防止される。液体薬品貯槽20に貯められた液体薬品はポンプ21で汲み上げられて薬液移送配管23を通じて液体薬品の注入先である水処理槽50に送られる。
【0041】
エゼクタ10は、スクラバ70に散水用水を供給する配管ライン上に設けられている。すなわち、スクラバ70に散水用水を供給する配管系が駆動流体配管系も兼ねている。したがって、液体薬品貯槽20の空隙相24に含まれる塩化水素ガスは、スクラバ70に散水用水を供給する配管系を通じ、スクラバ70へと送られ、スクラバで処理されて排水ピットへと移送される。
【0042】
本発明では、スクラバの給排水配管系を利用することにより、簡便なシステムで液体薬品貯槽20の空隙相に貯まる有害気体を適切に除去し、液体薬品貯槽20からの有害ガスの漏洩を防止できる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、空隙相に貯まったガス外部へ拡散させない液体薬品貯留装置が供給される。本発明によれば、液体薬品に起因して有害気体が発生するような場合でも、周囲に有害ガスによる悪影響を及ぼさずにすむ。また、外部に漏れると不都合な気体が空隙相に含まれることがあり得る液体薬品貯装置としては、省スペース化が容易である。また、有害気体が発生し得るような液体薬品を扱うことによって必要となる種々のコストも低く抑えることができる。また、本発明によれば小型化が容易な水処理設備が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体薬品貯留装置の第1の実施形態を示す図である。
【図2】本発明の液体薬品貯留装置の第2の実施形態を示す図である。
【図3】本発明の液体薬品貯留装置の第3の実施形態を示す図である。
【図4】本発明の液体薬品貯留装置の第4の実施形態を示す図である。
【図5】本発明の液体薬品貯留装置の第5の実施形態を示す図である。
【図6】エゼクタの断面図である。
【図7】従来の液体薬品貯留装置を示す図である。
【符号の説明】
10・・・エゼクタ 11・・・吸引配管 12・・・逆止弁
20・・・薬液貯留槽 21・・・ポンプ 22・・・レベルスイッチ
23・・・薬液移送配管 24・・・空隙相 25・・・液体薬品
30・・・駆動流体配管
40・・・HCl移送配管 41・・・開閉弁
50・・・薬液注入先となる水処理槽
60・・・薬品受入タンク 61・・・排気管 62・・・ポンプ
63・・・薬液移送配管
70・・・スクラバ 71・・・散水器 72・・・集水器
73・・・排気管
81・・・エゼクタ本体 82・・・ガスケット 83・・・ノズル
100・・・薬液貯留槽 101・・・薬液注入先 102・・・排気管
103・・・スクラバ 104・・・散水器 105・・・集水器
106・・・排気管 107・・・排水管

Claims (4)

  1. 液体薬品を貯留する液体薬品貯槽と、流体が流通して負圧を生じさせ、液体薬品貯槽内の空隙相から気体を吸引する吸引手段と、当該吸引手段と駆動流体流通ポンプを接続し当該吸引手段を駆動させるための流体を流通する駆動流体配管とを備える液体薬品貯留装置であって、前記駆動流体配管を流れる流体と、前記液体薬品貯槽に貯留される液体薬品とが、同じ移送先へと移送される液体薬品貯留装置。
  2. 液体薬品を貯留する液体薬品貯槽と、流体が流通して負圧を生じさせ、液体薬品貯槽内の空隙相から気体を吸引する吸引手段と、当該吸引手段と駆動流体流通ポンプを接続し当該吸引手段を駆動させるための流体を流通する駆動流体配管とを備える液体薬品貯留装置であって、前記液体薬品貯槽に貯留される液体薬品と前記駆動流体配管を流れる流体とが合流するように、前記駆動流体配管と、前記液体薬品貯槽から所定の移送先へと液体薬品を移送するための液体薬品貯槽と駆動流体配管を接続する移送配管とが接続する液体薬品貯留装置。
  3. 前記液体薬品貯槽が、有害気体が発生し得る液体薬品を貯留するための槽である、請求項1または2に記載の液体薬品貯留装置。
  4. 請求項1からのいずれかに記載の液体薬品貯留装置を備えた水処理設備。
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