JP4630141B2 - 同軸ケーブルコネクタ - Google Patents
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(例えば,特許文献1参照)
また,該キャップで前記切起しを押圧するためには,キャップが軸方向に移動可能に構成されている必要があり,これによってキャップを含めた軸方向の寸法が大きくなるといった問題があった。更に加えて,キャップがコネクタの軸方向前方に突設されていることから,この同軸ケーブルコネクタを取付対象である同軸F型コネクタ座に取付けたときに,該コネクタ座の取付け面が前記キャップに接触しない(言い換えれば押付けない)ように,コネクタ座の軸方向の寸法を長くするなどの必要性があり,取付け対象であるコネクタ座に対する汎用性の点においても問題があった。
また,このような方法では,前記切起しを押圧するためのキャップのコストがかかるばかりでなく,キャップの嵌装に対する組み立て工賃もかかることになり,延いては製品のコストが高くなるといった問題があった。
そこで本願においては,こうした問題点を解決するためになされたものであり,
その目的は,接続作業が簡単,且つ,確実に行える同軸ケーブルコネクタを提供する事にある。
他の目的は,同軸ケーブルが引っ張られても引き抜け難い同軸ケーブルコネクタを提供する事にある。
他の目的は,取外作業が簡単に行える同軸ケーブルコネクタを提供する事にある。
他の目的は,安価な構成で,電気的特性のよい同軸ケーブルコネクタを提供する事にある。
他の目的は,接続作業が確実に行われたかどうかが簡単に判定できる同軸ケーブルコネクタを提供する事にある。
接続の際には,リング状内ばねに形成された切起片とコネクタ座のねじ溝とが嵌合することによって,コネクタ座に対する簡単な挿入操作だけであっても,その接続は,同軸ケーブルの引っ張り力に対しても抜け難く,且つ,電気的特性が安定するように構成されている。
図1は本発明に係る同軸ケーブルコネクタの実施形態の1例を示した分解状態の断面図である。
尚,以下の説明において方向を説明する場合は,特に明示しない限り,同軸ケーブルコネクタに対して同軸ケーブル側が後方,接続対象である同軸F型コネクタ座側が前方とする。
本実施例の同軸ケーブルコネクタ1は,同軸ケーブル10の編組導体と接続するスリーブ30と,コネクタ接続対象に挿入によって摺動固着させるリング状内ばね50を内周に嵌装したリング状シェル20と,同軸ケーブル10にスリーブ30を挿入後,スリーブ30の挿入部11を圧着固定する固着リング3とからなる。
スリーブ30は,導電性材料から形成されており,同軸ケーブル10に挿入する挿入部11の先端にテーパ状等挿入し易い形状に加工された隆起部42を全周に備えた挿入先端部11aと,保護被覆8を挿入止着する挿入止着部11bを有している。そして,挿入部11は,同軸ケーブル10のアルミラミネート箔6と編組導体7との間に挿入され,同軸ケーブル10への挿入完了後,固着リング3にて同軸ケーブル10に圧着固定される。
尚,スリーブ30の基端周りに形成された溝は,リング状シェル2が嵌め込まれる基端溝11cである。
リング状シェル20の内周面には,径方向内側に突設した止部23が形成されており,この止部23の前方側側壁には凹部24が形成されている。
尚,止部23の先端部がリング状シェル20の内方向に形成する孔の径を,スリーブ30の基端部の外形より僅かに大きくなるように形成しておけば,挿入止着部11bとスリーブ30を,夫々別体にて形成して圧入等の固着手段で組み付し,予め搾部21が形成されたリング状シェル20の前方から,スリーブ30を挿入し,その後に,挿入止着部11bをスリーブ30に圧入等の固着手段で組み付するように構成してもよい。
更にリング状内ばね50の略中央部には,径方向内側に僅かに突出するように形成されたばね部53が複数形成されており,同軸コネクタ座への摺動固着を確実に行うと共に,高周波特性等の電気的特性の安定化を図っている。
尚,このリング状内ばね50は,リング状シェル20の開放端部を内側方向に折り込んだ搾部22とリング状シェル20の内周面に形成した止部23の前方側側壁とによって,リング状シェル20の内周に中心軸を略一致させて嵌装されている。そして,この状態では,リング状内ばね50の係合片52が,止部23に形成された凹部24に挿入されることにより,リング状内ばね50が,軸方への移動を制限されると共に,リング状シェル20とリング状内ばね50とが,リング状シェルの回転と合わせて回転するように係合される。
尚,本実施例においては,同軸ケーブル10は,内部絶縁体の外周面へアルミラミネート箔6を覆設して,外部導体である編組導体7と合わせてシールド効果をより高めたラミネート型の同軸ケーブルである。
以下,本実施形態の同軸ケーブルコネクタ1と同軸ケーブル10の装着の手順をこの図を用いて説明する。
先ず,固着リング3に同軸ケーブル10を挿通し,スリーブ30の挿入先端部11aを,スリーブ30にあわせた所定長さで段剥きした同軸ケーブル10の端部からアルミラミネート箔6と編組導体7の間に差し込み,挿入操作する。この時,同軸ケーブル10が挿入部11の挿入止着部11bに当接するまで挿入する。
また,コネクタの中心導体は,本実施例では同軸ケーブル10の中心導体4を使用しているが,コネクタの中心導体として,別体に成形されたコネクタピンを同軸ケーブル10の中心導体4に被せるようにしてもよい。
先ず接続は,同軸ケーブルコネクタ10を同軸F型コネクタ座101に挿入することによってできる。この挿入操作時には,リング状内ばね50の内面と同軸F型コネクタ座101の外周とが摺動固着される。
そして,リング状内ばね50の略中央部には,径方向内側に向けて形成された複数の前記ばね部53が形成され,リング状内ばね50の後端部には径方向内側に軸方向後端側が立ち上がった複数の切起片51が形成されていることから,ばね部53は,同軸ケーブルコネクタ1の挿入操作と共に,同軸F型コネクタ座101の外周面に形成されたねじ山に弾性力によって接触しながら挿入される。
更に同軸ケーブルコネクタ1を挿入操作していくと,挿入の最終段階において複数の切起片51が,同軸F型コネクタ座101に形成されたねじ山を越えてねじ溝に嵌まり込む。
尚,この図に示す実施例における切起片51とねじ溝の嵌まり込み状態は1実施例を示したものであり,特にこの位置に限定されるものではない。
同軸ケーブルコネクタ1を同軸F型コネクタ座101に装着した状態では,切起片51の先端部が同軸F型コネクタ座101に形成されたねじ溝に嵌まり込んだ状態であるので,同軸ケーブルコネクタ1の引き抜き操作では引き抜くことができない。
しかし,リング状内ばね50は,その後端から軸方向に向かって係合片52が形成されると共に,この係合片52が,リング状シェル20内の止部23に形成した凹部24に挿入されるようにリング状シェル20内に嵌装されていることから,リング状シェル20とリング状内ばね50とは相互に係合されて,リング状シェル20の回転操作に合わせてリング状内ばね50も回転する。
従って,取外しの際には,リング状シェル20を回転操作することによって,切起片51と同軸F型コネクタ座101のねじとの螺合を解放できる。
また,切起片51の形成されている位置が,同軸F型コネクタ座101の先端部から同軸F型コネクタ座101の基部に向かって少し軸方向に入ったところのねじ溝に嵌まり込むように構成されていることから,挿入操作の最終段階で初めて同軸F型コネクタ座101のねじ溝と切起片51が嵌合することになり,このときに発生するクリック感及びクリック音によって,挿入操作が完全に行われたかどうかが正確,且つ,容易に判定することができる。
加えて,従来例の如く同軸F型コネクタ座101の軸線方向の長さ部分を嵌合させながら挿入する必要がないため,嵌合に係る力が少なくて済むことから,ユーザーにとってより使いやすい同軸ケーブルコネクタを提供できる。
また,このように切起片51の嵌合を同軸F型コネクタ座101に対する挿入開始時点から挿入終了時点まで行う必要がないことから,リング状内ばね50における材料や,切起片51の角度,大きさや形状の設計が容易と成り,延いては製品コストを安価にできるといった有効性の高い同軸ケーブルコネクタを提供できる。
また,同軸F型コネクタ座101の外部導体を,例えば金属材料をプレス加工してなる廉価なテレビ端子等の機器にも同じように接続できることから,汎用性の高い同軸ケーブルコネクタを提供できる。
尚,図4に本実施例の同軸ケーブルコネクタ1を,同軸F型コネクタ座を備えた電子機器に取付けたときの状態を示す。図4において,(a)は引き抜け方向の力が加わった場合の模式図であり,(b)は左右方向に力が加わった場合の模式図である。この図において100は電子機器筐体である。
また,例えば切起片51を押圧するリリーサのような特別な構成部材を付加することもないので,構造が簡単で,非常に安価に実現できる。
また,これによってリリーサを軸方向に動かすための空間を必要としないので同軸ケーブルコネクタの長手方向の寸法を小さくできるばかりでなく,リリーサが同軸F型コネクタ座の取付け面によって押付けられて,コネクタが緩んでしまうといった問題の心配もないので,既に出回っている機器に取付けられている同軸F型コネクタ座に対しても利用できる汎用性の高い同軸ケーブルコネクタを提供できる。
尚,本発明は上記実施形態に限定されるものではなく,例えば切起片や係合片は1又は複数個を適宜に配設して形成してもよい等,本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の構成を適宜に変更して実施することも可能である。
Claims (1)
- 同軸F型コネクタ座に摺動固着して用いられる同軸ケーブルコネクタにおいて,
同軸ケーブルの編組導体と接続する筒状のスリーブと,
後端側が前記スリーブの基端部に枢着されたリング状シェルと,
該リング状シェルの内周に嵌装され,前記同軸F型コネクタ座に摺動固着するためのリング状内ばねであって,後端部から径方向内側に軸方向後端側が立ち上がった1又は複数の切起片と,後端部から軸方向に突出し前記リング状シェルと係合するための1又は複数の係合片とを備えたリング状内ばねと,
前記同軸ケーブルに前記スリーブを挿入後,該スリーブの挿入部を圧着固定する固着リングと,
を備えたことを特徴とした同軸ケーブルコネクタ。
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