JP3225626U - 同軸コネクタ - Google Patents

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JP3225626U JP2019004638U JP2019004638U JP3225626U JP 3225626 U JP3225626 U JP 3225626U JP 2019004638 U JP2019004638 U JP 2019004638U JP 2019004638 U JP2019004638 U JP 2019004638U JP 3225626 U JP3225626 U JP 3225626U
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裕太 鈴木
裕太 鈴木
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桑野工業株式会社
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Abstract

【課題】同軸ケーブルへの取付作業が容易に行えるとともに、構造の簡素化、組立作業の容易化が可能な同軸コネクタを提供する。【解決手段】同軸ケーブルの先端部が挿入される中空筒状のシェル10と、シェルの一端に回転可能に取付けられるナット20と、シェルの外周に長手方向へ摺動可能に嵌着される可動スリーブ30とを備えて同軸コネクタ1を構成する。シェルは段部10a、10bを介して連設した小径部11・中径部12・大径部13を有し、小径部及び中径部に跨る内周には、外被を切除して所定寸法だけ露出させた同軸ケーブルの先端部が挿入される孔部14が設けられている。また、大径部には長手方向に沿って複数のスリット15を形成し、他端側がやや拡開した状態となるようにするとともに、他端側の内周には1ないし複数の爪部が設けられている。【選択図】図1

Description

本考案は、デジタル衛星放送等の高周波信号等を伝送する際に使用される同軸ケーブルの先端に取付けられる同軸コネクタに関する。
同軸ケーブルは一般に、銅線等からなる中心導体の外周に、ポリエチレン等からなる絶縁体と、編組線からなる外部導体と、塩化ビニル等からなる外被とを同心状に設けることによって構成されている。また、最近では、低損失タイプとして、絶縁体と外部導体との間にアルミ箔付テープからなるシールド層を設けたものもある。
前記同軸ケーブルの先端に取付けられる同軸コネクタとしては、例えば、特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に記載されている同軸コネクタは、同軸ケーブルの長手方向に沿って外部導体及び外被間に挿入可能な円筒状の本体と、前記本体における挿入方向基端部に設けられた接続部と、前記本体の長手方向に沿って挿入方向先端部から所定位置まで形成された本体スリットと、前記本体の外側に螺合される本体ナットと、前記本体ナットに連結されて前記外被の外周面に沿って延びる円筒部と、前記円筒部の内周面における開放端部に設けられた爪部と、前記円筒部の長手方向に沿って開放端部から所定位置まで形成された円筒部スリットと、前記本体ナットの外側に螺合される円筒部ナットもしくは前記円筒部の外側に緩嵌されるリング部材からなる縮径手段と、を備えて構成されている。
そして、前記特許文献1に記載の同軸コネクタにおいては、所定寸法だけ中心導体を露出させた同軸ケーブルの外部導体と外被との間に円筒状の本体を挿入するとともに、縮径手段により本体ナットに連結された円筒部の開放端部を縮径させ、前記開放端部に設けた爪部を同軸ケーブルの外被に食い込ませることで、同軸コネクタを同軸ケーブルの先端にカシメリング等を用いることなく取付けるようにしている。
特許第3534235号公報
然るに、特許文献1に記載されている同軸コネクタは、円筒状の本体の外側に本体ナットを、前記本体ナットの外側に円筒部ナットをそれぞれ螺合して組み立てるようにしているため、組立作業に手間が掛かるばかりでなく、各部材の構造が複雑化する等の問題があった。また、円筒部ナットの代わりにリング部材を使用する場合には、前記リング部材が勝手に移動するのを防ぐために、前記円筒部の開放端部に前記リング部材が係合する溝部を設ける必要があるので、この場合も構造が複雑化する等の問題があった。
また、同軸ケーブルの先端に同軸コネクタを取付けるに当っては、円筒状の本体を、同軸ケーブルの外被と外部導体との間に挿入するとともに、本体ナットに円筒部ナットを締め付ける(螺合する)必要があるため、取付作業にも手間が掛かるという問題があった。更に、前記円筒部ナットの代わりにリング部材を使用する場合、前記リング部材自体は変形しないため、前記リング部材を円筒部の開放端部へ移動させ、当該開放端部を強制的に縮径して同軸ケーブルの外被に爪部を食い込ませたり、前記開放端部に設けた溝部にリング部材を係合させたりする際には相当な力が必要となるという問題もあった。
更に、本体に形成されたスリットと、本体ナットに形成されたスリットとが重なり合う(合致する)状態となっているため、前記スリットを介して内部から電波が漏洩したり、外部から電波が侵入したりする可能性があり、シールド性能に問題が生じるおそれがあった。
本考案は前記種々の問題点に鑑み、同軸ケーブルへの取付作業が容易に行えるとともに、構造の簡素化、組立作業の容易化が可能な同軸コネクタの提供を目的とする。
前記の課題を解決するために、本考案の同軸コネクタは、同軸ケーブルの先端部が挿入される中空筒状のシェルと、前記シェルの一端に回転可能に取付けられるナットと、前記シェルの外周に長手方向へ摺動可能に嵌着される可動スリーブと、を備え、前記シェルは、前記ナットが回転可能に取付けられる一端側を形成する小径部と、前記小径部と段部を介して連設され、前記可動スリーブが摺動可能に嵌着される中径部と、前記中径部と段部を介して連設され、前記同軸ケーブルが挿入される他端側を形成する大径部と、を有し、前記小径部及び中径部に跨る内周には、外被を切除して所定寸法だけ露出させた同軸ケーブルの先端部が挿入される孔部が設けられており、前記大径部には、長手方向に沿って複数のスリットを形成し、他端側がやや拡開した状態となるようにするとともに、前記他端側の内周には1ないし複数の爪部が設けられている。
また、前記孔部は、中径部側から小径部側に向かうに従って先細状となるように形成するとよく、更に、前記孔部には接触補助部材を設けるようにしてもよい。
更に、前記可動スリーブは、一端側に操作部を有し、当該操作部近傍から他端側へ向けて複数のスリットが形成され、前記他端側の内周にはシェルの大径部を縮径方向へ押圧する押圧部が設けられている。また、前記可動スリーブは、当該可動スリーブに設けたスリットと、前記シェルの大径部に設けたスリットとが重なり合わない状態で、前記シェルの中径部に嵌着するとよく、更に、前記可動スリーブは、シェルの中径部に回動不能に嵌着するとよい。
本考案によれば、同軸ケーブルの先端部が挿入される中空筒状のシェルと、前記シェルの一端に回転可能に取付けられるナットと、前記シェルの外周に長手方向へ摺動可能に嵌着される可動スリーブとを備えて同軸コネクタを構成し、前記同軸コネクタは、前記可動スリーブをシェルの外周に嵌着するとともに、前記シェルの一端をナットに挿通した状態でカシメ加工等することにより組立てることが可能であるため、組立作業が容易になるとともに、構造も簡素化することができる。
また、同軸ケーブルの先端部をシェルの他端側から挿入した状態で、可動スリーブをシェルの他端側へ摺動させ、前記他端側の内周に設けた爪部を同軸ケーブルの外被に食い込ませることにより、同軸コネクタを同軸ケーブルにワンタッチで取付けることが可能であり、大変利便である。
更に、前記シェルの大径部には複数のスリットを形成し、他端側がやや拡開した状態となるようにしており、また、前記シェルの内周に設けた孔部は中径部側から小径部側に向かって先細状となっているので、前記シェルに同軸ケーブルの先端部をスムーズに挿入することができる。
また、前記のように同軸ケーブルの先端部をシェルに挿入し、その外部導体を前記シェルの大径部と中径部との境界である段部内周と当接させ、かつ、この状態で、前記大径部を可動スリーブの摺動により縮径して、当該大径部の内周と外部導体とを密接させることで、良好なシールド性能を得ることができるとともに、前記孔部に接触補助部材を設けることにより、前記孔部に同軸ケーブルの絶縁体を挿入した際に、前記絶縁体の外側に設けたシールド層が前記接触補助部材に接触するため、前記外部導体がシェル内周と接触することとも相まって、シールド性能を向上させることができる。
更に、前記可動スリーブには複数のスリットが設けられているので、前記可動スリーブを、拡開した状態のシェルの他端側へ摺動させると、当該可動スリーブ自体も前記スリットの存在により他端側がやや拡開するように変形する結果、前記可動スリーブを摺動させる際に若干の抵抗は受けるものの特別に大きな力を必要とすることがない。しかも、前記可動スリーブは、その他端側に設けた押圧部により前記シェルの他端側を強制的に縮径方向へ押圧しながら摺動し、前記押圧部がシェルの他端に係合することにより原形復帰すると、前記シェルの他端側を縮径状態に保持するので、前記シェルの他端側に設けた爪部を同軸ケーブルの外被に確実に食い込ませて、前記同軸ケーブルの引き抜き強度を向上させ、同軸コネクタからの抜脱を防ぐことができる。
また、可動スリーブをシェルに対して、そのスリット同士が重なり合わない状態で嵌着することで、前記スリットを介してシェル内部から電波が漏洩したり、外部からシェル内に電波が侵入したりするのを防ぐことができる。更に、前記可動スリーブをシェルに対して回動不能に嵌着することにより、前記可動スリーブが摺動操作時等に回動することによる弊害(スリット同士が重なり合った状態となったり、この状態から再度重なり合わない状態に戻す手間を要したりする等)を防ぐことができる。
本考案の同軸コネクタを分解した状態を示す斜視図である。 (a)は本考案の同軸コネクタを構成するシェルの断面図、(b)は同じくナットの断面図、(c)は同じく可動スリーブの断面図である。 本考案の同軸コネクタを組立てた状態を示す斜視図である。 (a)は本考案の同軸コネクタの断面図、(b)は(a)のX−X線における断面図である。 本考案の同軸コネクタを同軸ケーブルに取付ける動作を示す図であり、(a)は同軸ケーブルを同軸コネクタに挿入する前の状態を示す図、(b)は同軸ケーブルを同軸コネクタに挿入した状態を示す図、(c)は同軸ケーブルに同軸コネクタを取付けた状態を示す図である。 (a)〜(c)は本考案の同軸コネクタの他の実施形態を示す断面図である。
以下、本考案を実施するための形態について、図1ないし図6を参照しながら具体的に説明する。図1ないし図4に本考案に係る同軸コネクタ1の一例を示す。同軸コネクタ1は、同軸ケーブルCの先端部が挿入される中空筒状のシェル10と、前記シェル10の一端に回動可能に取付けられるナット20と、前記シェル10の外周に長手方向へ摺動可能に嵌着される可動スリーブ30と、を備えて構成されている。
以下、前記各構成部材の詳細について、図1ないし図4を参照しながら説明する。
前記シェル10は金属製部品であり、前記ナット20が回転可能に取付けられる一端側を形成する小径部11と、前記小径部11と段部10aを介して連設され、前記可動スリーブ30が摺動可能に嵌着される中径部12と、前記中径部12と段部10bを介して連設され、前記同軸ケーブルCの先端部が挿入される他端側を形成する大径部13とを有している。
前記小径部11及び中径部12に跨る内周には、外被を切除して所定寸法だけ露出させた同軸ケーブルCの先端部(中心導体C1,絶縁体C2及びシールド層C3)が挿入される孔部14が設けられており、前記孔部14は、中径部12側から小径部11側に向かうに従って先細状となるように形成されている。
前記大径部13は小径部11や中径部12よりも薄肉に形成されており、この大径部13内には同軸ケーブルCの外被C5及びその外側に折り返した外部導体C4が挿入される。前記大径部13には、長手方向に沿って複数のスリット15を形成することで、他端側がやや拡開した状態となるようにするとともに、前記他端側の内周には1ないし複数の爪部16が設けられている。
なお、前記中径部12の外周には、一部を面取りすることにより平坦部12aが形成されている。
前記ナット20は、同軸コネクタ1を室内壁面に設けたアンテナ端子や、テレビ等の機器に設けた入・出力端子に固定するための金属製部品であり、一端側には前記各端子が挿入される開口部21を有し、内部には前記各端子と螺合するねじ部22が形成されている。また、他端側には前記シェル10の小径部11よりもやや径大な挿通孔23が設けられており、前記挿通孔23に小径部11を挿通した状態で、前記小径部11を外向きにカシメ加工することにより、前記ナット20はシェル10に対して抜脱不能に、かつ、回転可能に取付けられる(図4(a)参照)。
前記可動スリーブ30は、薄肉で中空状の金属製部品であり、一端側(ナット20側)には径大な操作部31を有している。前記操作部31にはシェル10の中径部12よりもやや大きな挿通孔32が設けられており、前記挿通孔32の一部は平坦部32aとなっている。また、前記可動スリーブ30には、前記操作部31近傍から他端側へ向けて複数のスリット33が形成されるとともに、前記他端側の内周にはシェル10の大径部13を縮径方向へ押圧する押圧部34が設けられている。
そして、前記挿通孔32にシェル10の中径部12を、その平坦部12a,32a同士を合致させた状態で挿通することにより、前記可動スリーブ30はシェル10の中径部12に対して回動不能に、かつ、長手方向へ摺動可能に嵌着される(図4(b)参照)。また、この際、前記可動スリーブ30のスリット33は、シェル10の大径部13に設けたスリット15と重なり合わない(互い違い)状態となっている。
なお、図1ないし図4において、操作部31の形状は円形状となっているが、これに限定されるものではなく、多角形状等としてもよいし、樹脂製のカバー等を設けるようにしてもよい。また、可動スリーブ30は、操作部31の挿通孔32に設けた平坦部32aと、シェル10の中径部12に設けた平坦部12aとを合致させることで、前記中径部12に対して回動不能としているが、これに限定することなく、例えば、前記挿通孔32及び中径部12の形状を多角形状や、楕円形状等とすることで、回動不能とするようにしてもよい。
次に、以上のように構成した同軸コネクタ1を同軸ケーブルCの先端部に取付ける場合について、図5を参照しながら説明する。まず、事前準備として、例えば、図5(a)に示すように、同軸ケーブルC先端部の外被C5を所定の長さ切除して外部導体C4を露出させるとともに、前記外部導体C4を外被C5の外側へ折り返して絶縁体C2及びその外側に設けたシールド層C3を露出させ、更に、前記絶縁体C2及びシールド層C3を所定の長さ切除して中心導体C1を所定長さだけ露出させる。
つづいて、前記のように事前準備を行った同軸ケーブルCを、図5(a)に示す状態から図5(b)に示すように、同軸コネクタ1を構成するシェル10の他端側である大径部13側から、前記大径部13と中径部12との境界である段部10bと当接するまで挿入する。これにより、前記同軸ケーブルCの中心導体C1は先端部がナット20を貫通して外部に突出するとともに、絶縁体C2及びシールド層C3はシェル10の内周に小径部11及び中径部12に跨るように設けた孔部14の小径部11側に挿入される。この際、前記シェル10は他端側がやや拡開した状態となっており、また、前記孔部14は、中径部12側から小径部11側へ向かうに従って先細状となっているので、同軸ケーブルCをスムーズに挿入することができる。また、同軸ケーブルCの絶縁体C2及びシールド層C3が前記孔部14の小径部11側に挿入されることにより、前記同軸ケーブルCの外被C5の外側に折り返されている外部導体C4は、前記シェル10の大径部13と中径部12との境界である段部10bと良好に接触してシールド性を保持する。
この後、前記のように同軸ケーブルCの先端部をシェル10に挿入した状態で、可動スリーブ30をシェル10の他端側(図5(b)の右方向)へ摺動させる。この際、シェル10の大径部13及び可動スリーブ30は薄肉に形成されており、またそれぞれに複数のスリット15,33が形成されているので柔軟に変形可能となっている。従って、前記可動スリーブ30はシェル10の他端側へ摺動させると大径部13によって徐々に拡開されつつも、反発力を利用して前記大径部13を押圧部34により縮径方向へ強制的に押圧するとともに、前記押圧部34が大径部13を越えてシェル10の他端に係合して可動スリーブ30が原形復帰すると、前記大径部13は縮径された状態に保持される。これにより、前記大径部13の内周に設けた爪部16が同軸ケーブルCの外被C5に食い込んで、前記同軸ケーブルCの引き抜き強度を向上させ、同軸コネクタ1からの抜脱を防ぐとともに、前記同軸ケーブルCの外部導体C4は前記大径部13内周と良好に密接することで、良好なシールド性能が得られる(図5(c)参照)。
なお、同軸コネクタ1を同軸ケーブルCから取外す場合は、図5(c)に示す状態から、可動スリーブ30をナット20側へ摺動させ、シェル10の大径部13の縮径状態を解除することにより、前記大径部13に設けた爪部16の同軸ケーブルCの外被C5への食い込みを解除すればよい。これにより、同軸ケーブルCは同軸コネクタ1から容易に引き抜いて取外すことが可能となる。また、前記同軸ケーブルCは、そのままの状態で再度同軸コネクタ1に挿入して使用することが可能であるとともに、前記同軸コネクタ1も再利用が可能である。
以上のように、本考案においては、同軸コネクタ1を同軸ケーブルCの先端部が挿入される中空筒状のシェル10と、前記シェル10の一端に回動可能に取付けられるナット20と、前記シェル10の外周に長手方向へ摺動可能に嵌着した可動スリーブ30とによって構成し、前記可動スリーブ30をシェル10の中径部12外周に嵌着した状態で、前記シェル10の小径部11をナット20に挿通してカシメ加工することにより、組立てることが可能であるため、組立作業が容易になるとともに、構造も簡素化することができる。
また、前記シェル10の他端側(大径部13側)は、やや拡開した状態となっており、前記シェル10の内周に小径部11及び中径部12に跨るように設けた孔部14は、中径部12側から小径部11側へ向かうに従って先細状となっているので、同軸ケーブルCの先端部をシェル10に対してスムーズに挿入することができるとともに、前記可動スリーブ30を摺動させて同軸ケーブルCの外被C5にシェル10の大径部13の他端側内周に設けた爪部16を食い込ませることにより、前記同軸ケーブルCの引き抜き強度を向上させて、同軸コネクタ1からの抜脱を防ぐことが可能となる。従って、前記同軸ケーブルCへの同軸コネクタ1の取付作業は、同軸ケーブルCの先端部をシェル10の他端側から挿入した状態で、可動スリーブ30をシェル10の他端側へ摺動させ、前記他端側の内周に設けた爪部16を同軸ケーブルCの外被C5に食い込ませるという簡単かつ容易な作業となり、大変利便である。
更に、前記同軸ケーブルCの絶縁体C2及びシールド層C3をシェル10の内周に設けた孔部14に挿入し、かつ、外被C5の外側に折り返した外部導体C4を前記シェル10の大径部13と中径部12との境界である段部10bの内周と当接させるとともに、可動スリーブ30を摺動してシェル10の大径部13を縮径状態に保持することにより、前記外部導体C4は前記シェル10の段部10b及び大径部13の内周と良好に密接するので、良好なシールド性能を得ることができる。その上、前記シェル10の大径部13に設けた複数のスリット15と、可動スリーブ30に設けた複数のスリット33とは重なり合わない(互い違い)状態となっているので、内部からの電波の漏洩及び外部からの電波の侵入を良好に防ぐことができる。しかも、前記可動スリーブ30は、シェル10の中径部12に対して回動不能に嵌着されているので、前記可動スリーブ30が摺動操作時等に回動することで前記各スリット15,33同士が重なり合う状態となる等の弊害を防ぐことができる。
また、前記シェル10の大径部13及び可動スリーブ30は薄肉に形成され、かつ、それぞれに複数のスリット15,33が設けられているので柔軟に変形可能であり、この結果、前記可動スリーブ30を拡開した状態の大径部13側へ摺動させる際にも特別に大きな力を必要とすることがない。更に、前記可動スリーブ30が、その他端側内周に設けた押圧部34により大径部13を縮径方向へ押圧しながら摺動し、前記押圧部34がシェル10の他端に係合して原形復帰することにより、前記大径部13が縮径状態に保持されるので、前記可動スリーブ30とは別個の部材等を使用することなく、大径部13を縮径状態に保持することができる。
なお、本考案における同軸コネクタ1は、上記構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
例えば、シェル10の内周に設けた孔部14の小径部11側には、図6(a)に示すように、所定幅かつ所定内径寸法の突部14aを設けたり、図6(b)に示すように、孔部14の周方向に所定間隔で複数の突条14bを設けたりするようにしてもよい。これら突部14a及び突条14bが請求項3における接触補助部材に該当する。前記のように、孔部14の小径部11側に突部14aを設けた場合、前記突部14aの内径寸法によって、同軸ケーブルCの絶縁体C2及びシールド層C3を前記孔部14に挿入した際に、前記突部14aの端面に絶縁体C2及びシールド層C3の端部が当接するか、前記突部14aに挿入された絶縁体C2の外側に設けたシールド層C3が突部14a内周と接触するとともに、孔部14の小径部11側に複数の突条14bを設けた場合には、同軸ケーブルCの絶縁体C2及びシールド層C3が前記複数の突条14bの内側に挿入された際に、前記シールド層C3が複数の突条14bと接触する結果、前記同軸ケーブルCの外部導体C4がシェル10の段部10b及び大径部13の内周と接触することとも相まって、シールド性能を向上させることが可能となる。
また、本考案においては、同軸ケーブルCの外部導体C4を外被C5の外側に折り返した状態で、同軸コネクタ1のシェル10へ挿入するようにした場合を一例として説明しているが、前記外部導体C4を外被C5の外側に折り返さずに(絶縁体C2及びシールド層C3を被覆した状態で)シェル10へ挿入し、前記外部導体C4を孔部14の内周と接触させることによりシールド性を保持するようにしてもよい。
更に、ナット20は、その挿通孔23にシェル10の一端を構成する小径部11を挿通した状態で、前記小径部11を外向きにカシメ加工することにより、前記シェル10の一端に抜脱不能、かつ、回転可能に取付けるようにしているが、例えば、図6(c)に示すように、シェル10の小径部11をナット20の挿通孔23に挿通した状態で、開口部21側から前記小径部11の外周に鍔付きの固定リング24を圧入することにより、抜脱不能、かつ、回転可能に取付けるようにしてもよい。
1 同軸コネクタ
10 シェル
10a,10b 段部
11 小径部
12 中径部
12a 平坦部
13 大径部
14 孔部
14a 突部
14b 突条
15 スリット
16 爪部
20 ナット
21 開口部
22 ねじ部
23 挿通孔
24 固定リング
30 可動スリーブ
31 操作部
32 挿通孔
32a 平坦部
33 スリット
34 押圧部
前記の課題を解決するために、本考案の同軸コネクタは、同軸ケーブルの先端部が挿入される中空筒状のシェルと、前記シェルの一端に回転可能に取付けられるナットと、前記シェルの外周に長手方向へ摺動可能に嵌着される可動スリーブと、を備え、前記シェルは、前記ナットが回転可能に取付けられる一端側を形成する小径部と、前記小径部と段部を介して連設され、前記可動スリーブが摺動可能に嵌着される中径部と、前記中径部と段部を介して連設され、前記同軸ケーブルが挿入される他端側を形成する大径部と、を有し、前記小径部及び中径部に跨る内周には、外被を切除して所定寸法だけ露出させた同軸ケーブルの先端部が挿入される孔部が設けられており、前記大径部には、長手方向に沿って複数のスリットを形成し、他端側がやや拡開した状態となるようにするとともに、前記他端側の内周には1ないし複数の爪部が設けられている。
また、前記孔部は、中径部側から小径部側に向かうに従って先細状となるように形成するとよく、更に、前記孔部には接触補助部材を設けるようにしてもよい。
更に、前記可動スリーブは、一端側に操作部を有し、当該操作部近傍から他端側へ向けて複数のスリットが形成され、前記他端側の内周にはシェルの大径部を縮径方向へ押圧する押圧部が設けられている。また、前記可動スリーブは、当該可動スリーブに設けたスリットと、前記シェルの大径部に設けたスリットとが重なり合わない状態で、前記シェルの中径部に嵌着するとよい。更に、前記可動スリーブは、その操作部にシェルの中径部が挿通される挿通孔を設けるとともに、前記挿通孔及びシェルの中径部の形状を非真円形状とすることで、前記シェルの中径部に対して回動不能な状態で嵌着するとよい。

Claims (6)

  1. 同軸ケーブルの先端部が挿入される中空筒状のシェルと、
    前記シェルの一端に回転可能に取付けられるナットと、
    前記シェルの外周に長手方向へ摺動可能に嵌着される可動スリーブと、
    を備え、
    前記シェルは、前記ナットが回転可能に取付けられる一端側を形成する小径部と、
    前記小径部と段部を介して連設され、前記可動スリーブが摺動可能に嵌着される中径部と、
    前記中径部と段部を介して連設され、前記同軸ケーブルが挿入される他端側を形成する大径部と、
    を有し、
    前記小径部及び中径部に跨る内周には、外被を切除して所定寸法だけ露出させた同軸ケーブルの先端部が挿入される孔部が設けられており、
    前記大径部には、長手方向に沿って複数のスリットを形成し、他端側がやや拡開した状態となるようにするとともに、前記他端側の内周には1ないし複数の爪部が設けられている
    ことを特徴とする同軸コネクタ。
  2. 前記孔部は、中径部側から小径部側に向かうに従って先細状となるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の同軸コネクタ。
  3. 前記孔部には、接触補助部材が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の同軸コネクタ。
  4. 前記可動スリーブは、一端側に操作部を有し、当該操作部近傍から他端側へ向けて複数のスリットが形成され、前記他端側の内周にはシェルの大径部を縮径方向へ押圧する押圧部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の同軸コネクタ。
  5. 前記可動スリーブは、当該可動スリーブに設けたスリットと、前記シェルの大径部に設けたスリットとが重なり合わない状態で、前記シェルの中径部に嵌着されていることを特徴とする請求項1または4に記載の同軸コネクタ。
  6. 前記可動スリーブは、シェルの中径部に回動不能に嵌着されることを特徴とする請求項1,4,5のいずれか1項に記載の同軸コネクタ。
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