JP4629604B2 - 脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物、特に、アミノ基に直接結合しているアルキレンオキサイドがエチレンオキサイドであり、アルキレンオキサイド全体のの合計付加モル数が多く、製造直後の色調がまず良好で、かつ加熱に対しても色調が安定で、さらにケトン系溶剤と混合しても色調が安定な脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物、およびその製造方法に関する。
脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物、特にエチレンオキサイド付加物は、界面活性剤及びその原料として用いられ、利用分野は界面活性剤、繊維の染色助剤、繊維柔軟仕上げ剤、殺菌剤、農薬展着剤、帯電防止剤、塗膜表面改質剤など家庭用、工業用、農業用等多岐にわたっている。
前記脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物は、一般的には無触媒、又はアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物などのアルカリ触媒の存在下において、脂肪族アミンにアルキレンオキサイドを付加して製造されているが、これらの触媒を使用すると色調が悪く、特にエチレンオキサイドの付加モル数が多くなるにつれて、着色が顕著になるという問題がある。また、反応直後で着色を防止できても、熱安定性が悪く、ケトン系溶剤、例えば、アセトンやメチルエチルケトン(MEK)と混合すると直ちに着色してしまうという問題があるため、使用できる用途が限定されてしまう。
かかる問題を解決するため、前記着色を防止する方法として、低温で反応させる方法(例えば特許文献1)、金属酸化物触媒または酸触媒を用いる方法(例えば特許文献2)などが提案されている。
しかしながら、これらの方法であっても、色調改善効果が得られるのは、エチレンオキサイド付加モル数が少ない場合に限られ、付加モル数が2モルを超えて多くなるにつれ、色調改善効果は不十分となる。例えば、付加モル数が2モルを超える場合にはガードナーが1以下のものは得られていない。
特開2003−96186号公報 特開2005−154370号公報
本発明は、前記の従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、アルキレンオキサイド、特にエチレンオキサイド付加モル数が多く、色調が良好で、かつ熱安定性が高く、MEKなどのケトン系溶剤と混合しても着色しない脂肪族第1級アミンアルキレンオキサイド付加物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、反応を二段階に分け、第1段目は無触媒で反応させた上で、第2段目反応で特定の触媒を用い、温度条件を厳密にコントロールすることで、従来にない色調良好な肪族第1級アミンアルキレンオキサイド付加物が得られるだけではなく、さらに生成物から触媒を加熱分解および減圧除去することで長期間加熱保管しても着色せず、さらにアセトンやMEKなどのケトン系溶剤と混合しても着色しない肪族第1級アミンアルキレンオキサイド付加物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、脂肪族第一級アミンにエチレンオキサイドを付加させる工程(第1段目反応)において、脂肪族第一級アミン1モルに平均付加モル数1.5〜2.0モルのエチレンオキサイドを無触媒で反応させて得られた脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物(A)に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを触媒として0.01〜5重量%添加し、さらに3〜100モルのアルキレンオキサイド(b)を反応(第2段目反応)させ、その反応後に110〜160℃で触媒を加熱分解および減圧除去するることを特徴とする脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物(B)の製造方法;およびこの製造方法で得られた、製造直後および50℃で90日経過後の色調が共にガードナーで3以下であり、また、ケトン系溶剤と混合しても着色しないことを特徴とする脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物である。
本発明の製造方法は、長期間の加熱処理後も着色せず、また、ケトン系溶剤と混合しても着色しない脂肪族第1級アミンアルキレンオキサイド付加物を提供することが出来る。
本発明で用いる脂肪族第1級アミンとは、直鎖または分岐鎖でもよく、飽和または不飽和結合をもっていてもよい、炭素数が1〜24の脂肪族第1級アミンである。
具体的には、メチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、イコシルアミン、ヘンイコシルアミン、ドコシルアミン、トリコシルアミン、テトラコシルアミン、オクタデセニルアミン、オクタデカジエニルアミンや、これらの混合物である牛脂アミン、硬化牛脂アミン、ヤシ油アミン、パーム油アミン、大豆油アミン等動植物油由来の脂肪族第1アミンを挙げることができる。脂肪族第1アミンは1種または2種以上の混合物を用いてもよい。これらの脂肪族第1アミンは蒸留精製してあることが望ましい。
本発明における第一段目の反応は、通常、無触媒でエチレンオキサイドを付加させ、脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物(A)を得る。
エチレンオキサイドの平均付加モル数は1.5〜2.0であり、好ましくは1.7〜2.0モルである。
第1段目反応の反応温度は、通常80〜120℃であり、好ましくは95〜115℃である。反応温度が80℃未満では付加反応の誘導期間が長くなり生産性が低下する。反応温度が120℃を超えると、この時点では色は付かないが、二段目の反応に影響を与え、後の脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物が着色する。
本発明における第2段目の反応には、触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドまたはテトラメチルアンモニウムクロライドを使用する。
テトラヒドロアンモニウムヒドロキシドの添加量としては、脂肪族第1級アミンエチレンオキサイド付加物(A)に対して0.01〜5重量%が適当である。
好ましくは0.02〜1重量%であり、より好ましくは0.05〜0.5重量%である。
本発明において第二段目の反応に用いられる炭素数2〜4のアルキレンオキサイド(b)としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが挙げられ、1種または2種以上を混合して使用することができる。これらのうち、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドが特に好適に使用できる。また、2種以上のアルキレンオキサイドを用いる場合、ブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよい。アルキレンオキサイドの付加モル数は3〜100モルであり、好ましくは3〜40モルである。付加モル数が100モルを超えると反応速度が低下して長時間を要するようになり、生産性が低下する。
本発明において第二段目の反応温度は、通常50〜105℃であり、好ましくは70〜95℃である。反応温度が50℃未満では反応が遅く生産性が低下する。反応途中、アルキレンオキサイドが存在する状況で温度が105℃を超えると、触媒や原料の第一級アミンの4級化物の分解とアルキレンオキサイドとの副反応が起こり易くなり、著しく着色する。
前記における第一段目のエチレンオキサイドの付加反応および第二段目のアルキレンオキサイドの付加反応においては、圧力条件は特に限定されず、通常のアルキレンオキサイド付加反応の条件で行うことができるが、温度コントロールの観点から−0.1〜0.3MPaで行うのが好ましい。
本発明の製造方法で得られた脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物(B)は、不純物や着色が少なく、また長期にわたって熱に対して安定であることから、帯電防止剤、繊維処理剤、衣類用洗剤、塗料樹脂用改質剤などに好適に用いることができる。特に、着色が原因で従来は使用が避けられてきた分野でより好適に使用できる。
本発明の製造法で得られる脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物(B)は、製造直後のガードナー法により測定した色調が3以下であり、かつ、50℃で90日保管した後の色調が多少は着色するが、3以下を保持していることが特長である。
一般の製造法による脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物では、製造直後でも着色しているのが通常(後述する比較例1〜4)であるが、本発明で2段目反応後に触媒の加熱分解工程と減圧除去工程を省略したときでも、2段目反応直後の色調は良好でも、長期間にわたる加熱による着色が著しく、例えば、後述する比較例5が、ガードナー法で15と著しく着色する。これと比較すると、本発明の製造法で得られた脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物(B)は、製造後の貯蔵時、実際の使用時の加熱による着色がほとんど認められない。
本発明において、熱安定性試験は以下の方法で行うものとする。
<1>熱安定性試験
空気が入らない密閉容器にサンプルを入れ、窒素置換を行い密閉する。これを50℃ の恒温器で90日間保存し、ガードナー法で色調を確認した。
本発明の製造法で得られる脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物(B)は、触媒を加熱分解し減圧除去した直後のもので、製造直後のガードナー法により測定した色調が3以下であり、かつ同容量のケトン系溶剤と混合希釈したときの色調も同じく3以下を保持していることが特長である。
一般の製造法による脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物ではケトン系溶剤を加えることにより着色する。ここでケトン系溶剤としてアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)などが挙げられるが、着色試験にはMEKを使用した。
例えば、後述する比較例5が、ガードナー法で8と著しく着色するのと比較すると、本発明の製造法で得られた脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物(B)は、MEKとの混合による着色がほとんど認められない。
本発明において、ケトン溶剤配合試験は以下の方法で行うものとする。
<2>ケトン溶剤配合試験
容器にサンプルを入れ、同量のケトン溶剤を配合してかき混ぜる。10分間放置しガードナー法で色調を確認する。ケトン溶剤として、MEKを通常使用する。
以下に、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。%は重量%を示す。
また、着色試験として、<1>熱安定性試験と<2>ケトン溶剤配合試験を行った。なお、ケトン溶剤配合による着色試験のケトン溶剤はMEKを使用した。
なお、色調値のハーゼン単位色数300がガードナー色数1とほぼ同等であり、ハーゼン単位色数300以下はガードナー色数1以下に相当する。
<実施例1>
硬化牛脂アミン(ファーミン86T、花王株式会社製)259g(1.0モル)を1Lオートクレーブに仕込み、アルゴンガスで置換してから減圧にし、95℃に昇温した。同温度にてエチレンオキサイド83.6g(1.9モル)をオートクレーブ内圧が0.3MPa以上にならないようにして、徐々に滴下した。約2時間の誘導期間を経て90〜110℃の範囲で温度コントロールを行ない、計5時間で反応させた。滴下終了後、95℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。
得られた硬化牛脂アミンのエチレンオキサイド1.9モル付加物(A−1)に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド25%水溶液4.2g(該(A−1)に対して純分0.306%)を、空気が混入しないように添加し、95℃にて1時間減圧脱水した。温度を70℃に下げてからエチレンオキサイド356.4g(8.1モル)をオートクレーブ内圧が0.2MPa以上にならないようにして、温度を70〜90℃に温度コントロールし、3時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。さらに、130〜160℃で1時間減圧(20torr)処理を行なった。
得られた硬化牛脂アミンのエチレンオキサイド10モル付加物(B−1)の色調はガードナー1であった。着色試験の<1>熱安定性試験の結果、ガードナー2、着色試験の<2>ケトン溶剤配合試験の結果、ガードナー1以下(希釈されただけ)であった。
<実施例2>
シクロヘキシルアミン(CHA、新日本理化株式会社製)198g(2.0モル)を1Lオートクレーブに仕込み、アルゴンガスで置換してから減圧にし、95℃に昇温した。同温度にてエチレンオキサイド176g(4.0モル、アミン1モルに対して2.0モル)をオートクレーブ内圧が0.3MPa以上にならないようにして、徐々に滴下した。約1時間の誘導期間を経て90〜110℃の範囲で温度コントロールを行ない、計3時間で反応させた。滴下終了後、95℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。
得られたシクロヘキシルアミンのエチレンオキサイド2.0モル付加物(A−2)にテトラメチルアンモニウムヒドロキシド25%水溶液6.5g(該(A−2)に対して純分0.434%)を空気が混入しないように添加し、95℃にて1時間減圧脱水した。温度を70℃に下げてからエチレンオキサイド352g(8.0モル、アミン1モルに対して4.0モル)をオートクレーブ内圧が0.2MPa以上にならないようにして、温度を70〜90℃に温度コントロールし、2時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。さらに、130〜160℃で1時間減圧(20torr)処理を行なった。
得られたシクロヘキシルアミンのエチレンオキサイド6モル付加物(B−2)の色調はガードナー1であった。着色試験<1>の結果、ガードナー2、着色試験<2>の結果、ガードナー1以下(希釈されただけ)であった。
<実施例3> ラウリルアミン(ファーミン20D、花王株式会社製)296g(1.6モル)を1Lオートクレーブに仕込み、アルゴンガスで置換してから減圧にし、95℃に昇温した。同温度にてエチレンオキサイド140.8g(3.2モル、アミン1モルに対して2.0モル)をオートクレーブ内圧が0.3MPa以上にならないようにして、徐々に滴下した。約1.5時間の誘導期間を経て90〜110℃の範囲で温度コントロールを行ない、計4時間で反応させた。滴下終了後、95℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。
得られたラウリルアミンのエチレンオキサイド2.0モル付加物(A−3)にテトラメチルアンモニウムヒドロキシド25%水溶液3.2g(該(A−3)に対して純分0.183%)を空気が混入しないように添加し、95℃にて1時間減圧脱水した。温度を70℃に下げてからエチレンオキサイド281.6g(6.4モル、アミン1モルに対して4.0モル)をオートクレーブ内圧が0.2MPa以上にならないようにして、温度を70〜90℃に温度コントロールし、3時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。さらに、130〜160℃で1時間減圧(20torr)処理を行なった。
得られたラウリルアミンのエチレンオキサイド6モル付加物(B−3)の色調はガードナー1であった。着色試験<1>の結果、ガードナー2、着色試験<2>の結果、ガードナー1以下(希釈されただけ)であった。
<実施例4> オクチルアミン(ファーミン08D、花王株式会社製)258g(2.0モル)を1Lオートクレーブに仕込み、アルゴンガスで置換してから減圧にし、95℃に昇温した。同温度にてエチレンオキサイド176g(4.0モル、アミン1モルに対して2.0モル)をオートクレーブ内圧が0.3MPa以上にならないようにして、徐々に滴下した。約1.5時間の誘導期間を経て90〜110℃の範囲で温度コントロールを行ない、計4時間で反応させた。滴下終了後、95℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。
得られたオクチルアミンのエチレンオキサイド2.0モル付加物(A−4)にテトラメチルアンモニウムヒドロキシド25%水溶液3.2g(該(A−4)に対して純分0.184%)を空気が混入しないように添加し、95℃にて1時間減圧脱水した。温度を70℃に下げてからエチレンオキサイド440g(10.0モル、アミン1モルに対して5.0モル)をオートクレーブ内圧が0.2MPa以上にならないようにして、温度を70〜90℃に温度コントロールし、2時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。さらに、130〜160℃で1時間減圧(20torr)処理を行なった。
得られたオクチルアミンのエチレンオキサイド7モル付加物(B−4)の色調はガードナー2であった。着色試験<1>の結果、ガードナー2、着色試験<2>の結果、ガードナー1(希釈されただけ)であった。
<実施例5>
ココナットアミン(ファーミンCS、花王株式会社製)296g(1.6モル)を1Lオートクレーブに仕込み、アルゴンガスで置換してから減圧にし、95℃に昇温した。同温度にてエチレンオキサイド140.8g(3.2モル、アミン1モルに対して2.0モル)をオートクレーブ内圧が0.3MPa以上にならないようにして、徐々に滴下した。約1.5時間の誘導期間を経て90〜110℃の範囲で温度コントロールを行ない、計4時間で反応させた。滴下終了後、95℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。
得られたラウリルアミンのエチレンオキサイド2.0モル付加物(A−5)にテトラメチルアンモニウムヒドロキシド25%水溶液7.0g(該(A−5)に対して純分0.40%)を空気が混入しないように添加し、95℃にて1時間減圧脱水した。温度を70℃に下げてからエチレンオキサイド281.6g(6.4モル、アミン1モルに対して4.0モル)をオートクレーブ内圧が0.2MPa以上にならないようにして、温度を70〜90℃に温度コントロールし、3時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。さらに、130〜160℃で1時間減圧(20torr)処理を行なった。
得られたココナットアミンのエチレンオキサイド6モル付加物(B−5)の色調はガードナー1であった。着色試験<1>の結果、ガードナー2、着色試験<2>の結果、ガードナー1(希釈されただけ)であった。
<比較例1>
硬化牛脂アミン(ファーミン86T、花王株式会社製)259g(1モル)を1Lオートクレーブに仕込み、アルゴンガスで置換してから140℃に昇温した。無触媒で140℃にてエチレンオキサイド440g(10モル)を5時間かけて圧入した。滴下終了後、140℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。
得られた硬化牛脂アミンエチレンオキサイド10モル付加物からは未反応のエチレンオキサイドは検出されなかったが、色調はガードナー色数15であった。
<比較例2>
硬化牛脂アミン(ファーミン86T、花王株式会社製)259g(1モル)および水酸化カリウム1.05gを1Lオートクレーブに仕込み、アルゴンガスで置換してから95℃に昇温した。85℃にてエチレンオキサイド440g(10モル)を10時間かけて滴下した。85℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで3時間反応を行った。
得られた硬化牛脂アミンエチレンオキサイド10モル付加物の色調はガードナー色数5であった。
<比較例3>
オクチルアミン(ファーミン08D、花王株式会社製)258g(2.0モル)を1Lオートクレーブに仕込み、アルゴンガスで置換してから減圧にし、130℃に昇温した。同温度にてエチレンオキサイド176g(4.0モル、アミン1モルに対して2.0モル)を徐々に滴下した。約1時間の誘導期間を経て130〜160℃の範囲で計3時間で反応させた。滴下終了後、130℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。
得られたオクチルアミンのエチレンオキサイド2.0モル付加物にN,N−ジメチルドデシルアミン1.0gを空気が入らないように添加し、95℃にて1時間減圧脱水した。エチレンオキサイド440g(10.0モル、アミン1モルに対して5.0モル)を温度110〜130℃にコントロールし、2時間かけて滴下した。滴下終了後、120℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。
得られたオクチルアミンのエチレンオキサイド7モル付加物の色調はガードナー8であった。
<比較例4>
硬化牛脂アミン(ファーミン86T、花王株式会社製)259g(1.0モル)を1Lオートクレーブに仕込み、アルゴンガスで置換してから減圧にし、95℃に昇温した。同温度にてエチレンオキサイド83.6g(1.9モル)をオートクレーブ内圧が0.3MPa以上にならないようにして、徐々に滴下した。約2時間の誘導期間を経て90〜110℃の範囲で温度コントロールを行ない、計5時間で反応させた。滴下終了後、95℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。
得られた硬化牛脂アミンのエチレンオキサイド1.9モル付加物(A−1)に、N,N−ジメチルラウリルアミン4.2g(該(A−1)に対して純分0.306%)を、空気が混入しないように添加し、95℃にて1時間減圧脱水した。温度を70℃に下げてからエチレンオキサイド356.4g(8.1モル)を滴下しようとしたが反応活性が低く、オートクレーブ内圧が0.2MPa未満では反応が進行せず、0.2MPaを超えてエチレンオキサイド濃度を高くして反応させたところ、105℃以下では温度コントロールできなかった。最高到達温度120℃に達した。滴下終了後、105℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。ここで、得られた硬化牛脂アミンのエチレンオキサイド10モル付加物の色調はハーゼン単位色数180であった。これを、130〜160℃で1時間減圧(20torr)処理を行なったところ、得られた硬化牛脂アミンのエチレンオキサイド10モル付加物の色調はガードナー6であった。
<比較例5>
オクチルアミン(ファーミン08D、花王株式会社製)258g(2.0モル)を1Lオートクレーブに仕込み、アルゴンガスで置換してから減圧にし、95℃に昇温した。同温度にてエチレンオキサイド176g(4.0モル、アミン1モルに対して2.0モル)をオートクレーブ内圧が0.3MPa以上にならないようにして、徐々に滴下した。約1.5時間の誘導期間を経て90〜110℃の範囲で温度コントロールを行ない、計4時間で反応させた。滴下終了後、95℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。
得られたオクチルアミンのエチレンオキサイド2.0モル付加物(A−4)にテトラメチルアンモニウムヒドロキシド25%水溶液3.2g(該(A−4)に対して純分0.184%)を空気が混入しないように添加し、95℃にて1時間減圧脱水した。温度を70℃に下げてからエチレンオキサイド440g(10.0モル、アミン1モルに対して5.0モル)をオートクレーブ内圧が0.2MPa以上にならないようにして、温度を70〜90℃に温度コントロールし、2時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。しかし、第2段目反応の後に、加熱減圧処理は行なわなかった。
得られたオクチルアミンのエチレンオキサイド7モル付加物の色調はハーゼン単位色数20(すなわちガードナー1以下)であったが、着色試験<1>の結果、ガードナー15、着色試験<2>の結果、ガードナー8となった。
以上の結果から、色調が良好でエチレンオキサイド付加モル数が3以上の脂肪族第1級アミンアルキレンオキサイド付加物が得られることが実施例から明らかである。
比較例1〜3の結果から、淡色化された脂肪族第1級アミンアルキレンオキサイド付加物を得ることが非常に困難であることがわかる。また、比較例4の結果から、2段目の反応において他の触媒を用いると加熱減圧処理処理工程において着色が起こることがわかる。また、比較例5の結果から、加熱減圧処理を行なっていないものは製造直後の色調は非常に良いが、熱安定性が悪く、ケトン系溶剤と混合することで著しく発色することがわかる。

Claims (3)

  1. 炭素数が1〜24の脂肪族第一級アミン1モルに平均付加モル数1.5〜2.0モルのエチレンオキサイドを無触媒で反応(第1段目反応)させて得られた脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物(A)に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを触媒として0.01〜3重量%添加し、さらに3〜8.1モルの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド(b)を反応(第2段目反応)させ、その反応後に、110〜160℃で触媒を加熱分解および減圧除去することを特徴とする脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物(B)の製造方法。
  2. 第1段目反応を80〜120℃で反応させ脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物(A)を得る請求項1記載の脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物の製造方法。
  3. 第2段目反応を50〜105℃で反応させる請求項1または2記載の脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物の製造方法。

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