JP4629488B2 - プラントを制御する制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、制御出力のオーバーシュートおよび目標値への追従遅れを効果的に抑制することのできる、プラントを制御する装置に関する。
従来、応答指定型制御によって、モデル化された制御対象(プラントとも呼ぶ)を制御する手法が提案されている(特許文献1を参照)。応答指定型制御を使用すると、プラントの出力(制御出力)を、所望の速度で目標値に収束させることができる。特に、応答指定型制御の一形態である2自由度応答指定型制御によれば、制御出力の目標値への追従速度と、外乱がプラントに印加された時の制御出力の目標値に対する偏差の収束速度を、個別に指定することができる。
特開2005−023922号公報
プラントが非線形特性を呈する場合には、応答指定型制御を用いた場合でも、制御出力のオーバーシュートおよび目標値への追従遅れが発生することがあった。たとえば、機械的なフリクションの影響により、また、一方向に作用するスプリングのような非線形要素の影響により、このような追従遅れおよびオーバーシュートが生じることがある。
図19は、内燃機関の吸気または排気バルブのリフト量を制御した場合の、オーバーシュートおよび追従遅れの一例を示す。(a)を参照すると、時間t1においてバルブを開く時の、目標値Lift_cmd_f(より詳細には、後述するフィルタ済み目標値Lift_cmd_f)および実際に検出されたリフト量Liftが示されている。リフト量Liftの目標値Lift_cmd_fへの追従に遅れが生じていることがわかる。(b)を参照すると、時間t2においてバルブを閉じる時の、目標値Lift_cmd_fおよび実際に検出されたリフト量Liftが示されている。リフト量Liftがオーバーシュートしていることがわかる。このような追従遅れおよびオーバーシュートは、バルブを駆動するアクチュエータ(プラント)に起因して生じることがある。たとえば、アクチュエータには、バルブが閉じる方向に付勢されているリターンスプリングが設けられており、バルブを閉じる時には、該リターンスプリングの復元力の影響によって、制御出力(リフト量)が目標値を飛び越えることがある。バルブを開く時には、リターンスプリングの付勢力に抗するようバルブが動かされるので、制御出力の目標値への到達に遅れが生じることがある。
オーバーシュートおよび追従遅れは、エミッション、燃費およびドライバビリティの低下を引き起こすおそれがある。また、オーバーシュートは、アクチュエータを破損するおそれがある。
オーバーシュートを抑制しすぎると、制御出力の目標値への追従遅れが増大するおそれがあり、また、追従遅れを抑制しすぎると、オーバーシュートを増大させるおそれがある。
したがって、非線形特性を呈するプラントに対してロバスト性を向上させ、オーバーシュートおよび追従遅れを効果的に抑制することのできる制御装置が必要とされている。
この発明の一つの側面によると、プラントを制御するための装置は、プラントの制御出力を目標値に収束させるため、該プラントに印加される制御入力を算出するコントローラを備える。該コントローラは、目標値の変化に対する制御出力の変化の相対速度を調整するパラメータについて、該プラントの状態に応じて値を決定し、該決定した値を持つパラメータに基づいて、該制御入力を算出する。
この発明によれば、上記パラメータによって、プラントの状態に応じた制御出力の変化速度を決定することができるので、制御出力のオーバーシュートおよび追従遅れを、プラントの状態に応じて抑制することができる。
この発明の一実施形態によると、上記パラメータは、目標値の変化に対する制御入力の変化の相対速度を変更する第1のパラメータを含む。コントローラは、制御入力を、該第1のパラメータに基づいて算出する。こうして、第1のパラメータに基づいて制御入力の変化速度を調整することにより、制御出力の変化速度を変更することができる。
この発明のさらに一実施形態では、該第1のパラメータは、制御入力を構成する要素のうちの少なくとも1つを重み付けするパラメータ(Keq_r)である。第1のパラメータによる重み付けにより、制御入力の変化速度を変更することができる。すなわち、制御出力の変化速度を変更することができる。
この発明の一実施形態では、該制御入力を構成する要素は、目標値に基づいて算出されるフィードフォワード項である。このようなフィードフォワード項は、目標値の変化に対して良好に反応する。したがって、フィードフォワード項を重み付けすることにより、制御入力の変化速度を良好に調節することができる。
この発明の一実施形態では、コントローラは、制御出力の目標値への収束速度を指定することのできる応答指定型制御を実施するよう構成される。上記の制御入力を構成する要素のうちの少なくとも1つは、応答指定型制御で規定される切り換え線にプラントの状態量を拘束するための等価制御入力である。こうして、制御入力の挙動を主に決定する等価制御入力への重み付けにより、制御入力の変化速度を変更することができる。
この発明の一実施形態によると、上記パラメータは、目標値を修正した修正済み目標値を介して、目標値の変化に対する制御出力の変化の相対速度を変更する第2のパラメータを含む。制御装置は、該第2のパラメータに従って該修正済み目標値を生成する目標値算出ユニットをさらに備える。コントローラは、該修正済み目標値に制御出力が追従するよう制御入力を算出する。こうして、第2のパラメータに従って生成された修正済み目標値に基づいて制御入力を算出することにより、制御出力の変化速度を変更することができる。
この発明の一実施形態では、第2のパラメータは、傾斜パラメータ(Lrate)を含む。目標値算出ユニットは、目標値の変化に対し、傾斜パラメータに従う傾斜を有するランプ形状の信号を、修正済み目標値として生成する。ランプ形状の信号に制御出力が追従するよう制御入力を算出するので、制御出力の変化速度を、該傾斜パラメータに従って変更することができる。
この発明の一実施形態では、第2のパラメータは、漸近特性パラメータ(POLE_f)を含み、目標値算出ユニットは、目標値の変化に対し、漸近特性パラメータに従う漸近特性を有する指数関数形状の信号を、修正済み目標値として生成する。指数関数形状の信号に制御出力が追従するよう制御入力を算出するので、制御出力の変化速度を、該漸近特性パラメータに従って変更することができる。
この発明の一実施形態では、プラントの状態が、オーバーシュートを起こすおそれのある状態になったとき、目標値変化に対する制御出力の変化の相対速度を低下させるよう、上記パラメータを第1の値に設定し、該プラントの状態が、該状態を抜けたとき、該相対速度を戻すよう、該パラメータを第2の値にリセットする。こうして、オーバーシュートを起こすおそれがある時は、制御出力の変化速度を低下させることによってオーバーシュートを回避し、その他の場合には、該相対速度を戻すことによって、高い追従性を維持する。
この発明の他の実施形態では、プラントの状態が、オーバーシュートを起こすおそれのある状態になったとき、目標値の変化に対する制御出力の変化の相対速度を低下させるよう、上記パラメータを第1の値に設定し、該プラントの状態が、制御出力の目標値への追従遅れを起こすおそれのある状態になった時、該相対速度を増やすよう上記パラメータを第2の値に設定する。こうして、プラントの状態に従ってパラメータの値を切り換えることにより、オーバーシュートおよび追従遅れを回避することができる。
プラントの状態は、目標値の変化の速度を含む。こうして、目標値の変化の速度に従って、オーバーシュートおよび追従遅れを抑制するよう、制御出力の変化速度を調整することができる。
この発明は、様々なプラントに適用可能である。一実施形態では、プラントは、内燃機関に設けられたバルブのリフトの量を変更することのできるリフト機構である。この場合、バルブを閉じている最中か、または開いている最中かに従って、上記パラメータの値を決定することができる。
リフト装置は、一般に、バルブが閉じている時と開いている時とで異なる挙動を示す。この発明によれば、パラメータの値により、リフト量のオーバーシュートおよび目標値への追従遅れを抑制することができるので、バルブが閉じている時および開いている時の両方で、バルブの挙動を安定的に制御することができる。
次に図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の実施形態に従う、内燃機関(以下、エンジンと呼ぶ)およびその制御装置の全体的な構成図である。
電子制御ユニット(以下、「ECU」)という)1は、中央演算処理装置(CPU)1bを備えるコンピュータである。ECU1は、メモリ1cを備えており、該メモリ1cは、車両の様々な制御を実現するためのコンピュータプログラムおよび該プログラムの実施に必要なマップを格納する読み取り専用メモリ(ROM)と、CPU1bの演算のための作業領域を提供し、プログラムおよびデータを一時的に格納するランダムアクセスメモリ(RAM)を備えている。さらに、ECU1は、車両の各部から送られてくるデータを受け取入れる入力インターフェース1a、および車両の各部に制御信号を送る出力インターフェース1dを備えている。
エンジン2は、この実施例では、4気筒4サイクルのエンジンであり、図には、そのうちの一つの気筒が概略的に示されている。エンジン2は、吸気バルブ3を介して吸気管4に連結され、排気バルブ5を介して排気管6に連結されている。ECU1からの制御信号に従って燃料を噴射する燃料噴射弁7が、吸気管4に設けられている。燃料室8には、ECU1からの点火時期信号に従って火花を飛ばす点火プラグ9が設けられている。
エンジン2は、吸気管4から吸入される空気と、燃料噴射弁7から噴射される燃料との混合気を、燃焼室8に吸入し、該混合気を、点火プラグ9による火花により燃焼する。この燃焼により混合気の体積は増大し、ピストン10を下方に押し下げる。ピストン10の往復運動は、クランクシャフト11の回転運動に変換される。4サイクルエンジンでは、エンジンのサイクルは、吸入、圧縮、燃焼、および排気行程からなる。ピストン10は、1サイクルにつき2往復する。
エンジン2には、クランク角センサ17が設けられている。クランク角センサ17は、クランクシャフト11の回転に伴い、パルス信号であるCRK信号およびTDC信号をECU1に出力する。
CRK信号は、所定のクランク角で(たとえば、30度ごとに)出力されるパルス信号である。ECU1は、該CRK信号に応じ、エンジン2の回転数NEを算出する。TDC信号は、ピストン10のTDC位置(上死点)に関連したクランク角度で出力されるパルス信号である。
リフト量センサ21が、ECU1に接続されている。リフト量センサ21は、吸気バルブ3(および/または排気バルブ5)のリフト量Liftを検出し、それをECU1に送る。この実施例では、リフト量Liftは、所定の時間間隔(たとえば、5ミリ秒)で検出される。
可変リフト装置26は、ECU1からの制御信号に従って、吸気バルブ3のリフト量を変更することができる装置である。可変リフト装置26は、任意の既知の手法により実現されることができる。当然ながら、排気バルブ5のリフト量をも変更することができるように可変リフト装置26を構成することができる。この実施例で使用される可変リフト装置26の一例は、図2を参照して後述される。
ECU1に向けて送られた信号は入力インターフェース1aに渡され、アナログ−デジタル変換される。CPU1bは、変換されたデジタル信号を、メモリ1cに格納されているプログラムに従って処理し、車両のアクチュエータに送るための制御信号を作り出す。出力インターフェース1dは、これらの制御信号を、燃料噴射弁7、点火プラグ9、およびその他の機械要素のアクチュエータに送る。
図2は、この発明の一実施例に従う、可変リフト装置26に搭載される可変リフト機構を示す。可変リフト機構は、カムシャフト31、タペットねじ32、ロッカアーム35を備える。タペットねじ32は、吸気バルブ3の上端に位置し、ロッカアーム35の一端に連結されている。ロッカアーム35は、カムシャフト31に設けられたカム33に転がり接触するローラ34を有する。ローラ34は、カムシャフト31と平行な軸線を有する支持筒44で、回転可能に支持されている。ロッカアーム35には、第1のリンクアーム36および第2のリンクアーム37が連結されている。
第1のリンクアーム36の一端部に設けられる支軸41は、固定位置でシリンダヘッド12に連結される。第2のリンクアーム37の一端部に設けられる支軸42は、アクチュエータ(図示せず)により無段階に駆動されることができる。吸気バルブ3のリフト量を最大にするときには、第2のリンクアーム37の支軸42を、図2の(a)に示されるような位置に配置する。リフト量を最大値から小さくするときには、アクチュエータにより、図2の(b)に示されるように、第2のリンクアーム37の支軸42を下方に移動せしめる。
ロッカアーム35の瞬間中心Cは、支軸41および支持筒44を結ぶ直線と、支軸42および連結軸45を結ぶ直線との交点である。支軸42が、アクチュエータによって図2の(a)から図2の(b)の位置に移動すると、タペットねじ32の吸気バルブへの接触点と瞬間中心C間の距離Aと、ローラ34のカム33への接触点と瞬間中心C間の距離Bとの比であるレバー比(=A/B)が変化する。図2の(b)のレバー比は、図2の(a)のレバー比よりも小さい。
このようなレバー比の変化により、支軸42が図2の(a)に示す位置にあるとき、ローラ34がカム33で押し上げられると、リフト量は最大になる、支軸42が図2の(b)に示す位置にあるときに、ローラ34がカム33により押し上げられると、リフト量が最大値のたとえば20%程度になる。
支軸42の位置は、アクチュエータにより無段階に変更可能であり、よってレバー比を無段階に変化させることができる。結果として、吸気バルブ3のリフト量を無段階に変化させることができる。アクチュエータは、ECU1から変調信号Ulift_fを受け取り、該変調信号Ulift_fに従って、支軸42の位置を変化させる。
図3は、この発明の一実施形態に従う、プラントを制御する装置のブロック図である。コントローラ51、目標値算出ユニット52および変調器53は、典型的には、ECU1において実現される。一実施形態では、これらの機能は、ECU1のメモリ1cに記憶されたコンピュータプログラムにより実現される。代替的に、ソフトウェア、ハードウェアおよびファームウェアおよびこれらの任意の組み合わせにより実現してもよい。
プラントは、この実施例では、図2に示されるような可変リフト装置26である。可変リフト装置26は、式(1)のようにモデル化されることができる。Liftは、可変リフト装置26による吸気バルブ3の駆動により得られる該吸気バルブ3のリフト量(制御出力と呼ぶ)であり、リフト量センサ21によって検出される。Uliftは、コントローラ51によって算出される制御入力である。a1、a2、b1およびb2は、モデルパラメータである。c1は、可変リフト装置26に印加される外乱を推定した値である。モデルパラメータおよび外乱推定値は、シミュレーション等によって予め決めてもよいし、逐次的に同定してもよい。kは、制御時刻を示す。
Figure 0004629488
コントローラ51は、モデル式(1)に基づいて、制御出力(実リフト量Lift)が目標値Lift_cmdに収束するための制御入力Uliftを算出する。この実施例では、コントローラ51は、応答指定型制御を発展させた形態を持つ2自由度応答指定型制御を用いて、制御入力を算出する。応答指定型制御は、制御出力の目標値に対する偏差の収束速度を指定することができる制御である(一例として、スライディングモード制御がある)。2自由度応答指定型制御は、該制御出力の目標値に対する追従速度と、プラントに外乱が印加された時の制御出力の目標値に対する偏差の収束速度を、個別に指定することができる制御である。
2自由度応答指定型制御を実施するため、目標値算出ユニット52が設けられる。目標値算出ユニット52は、エンジンの運転状態に応じて決められた目標値Lift_cmdを、上記の追従速度を規定するパラメータ(目標値応答指定パラメータ)を用いてフィルタリングし、フィルタ済み目標値Lift_cmd_fを算出する。コントローラ51は、該フィルタ済み目標値Lift_cmd_fに制御出力Liftが追従するよう制御入力Uliftを算出することにより、制御出力Liftを目標値Lift_cmdに収束させる。
変調器53は、制御入力Uliftを、所定の変調アルゴリズムを用いて変調する。制御入力Uliftは、変調により、スイッチング特性を持つ変調信号Ulift_fに変換される。該変調信号Ulift_fが、可変リフト装置26に印加される。所定の変調アルゴリズムは、ΔΣ(デルタシグマ)変調アルゴリズム、ΣΔ(シグマデルタ)変調アルゴリズム、およびΔ(デルタ)変調アルゴリズムのうちのいずれかが好ましい。これらの変調アルゴリズムは、リフト量Liftが目標値に近づくことによって制御入力Uliftの変動が小さくなるほど、変調信号Ulift_fのスイッチング周波数がより高くなるという特性を持ち、よって、目標値への収束性を高めることができる。代替的に、他の変調方式を用いてもよい。たとえば、PWMのような変調を用いることができる。
代替的に、変調器53を設けずに、コントローラ51からの制御入力Uliftを、可変リフト装置26に印加することができる。
ここで、コントローラ51によって従来実行されていた、制御入力Uliftを算出するための式を(101)〜(106)に示し、目標値算出ユニット52によって従来実行されていた、フィルタ済み目標値Lift_cmd_fを算出するための式を(107)に示す。
Figure 0004629488
上記の式について説明する。目標値算出ユニット52は、目標値応答指定パラメータPOLE_fを用いて、目標値Lift_cmdに、一次遅れフィルタ(ローパスフィルタ)を適用し、フィルタ済み目標値Lift_cmd_fを算出する(式(107))。目標値応答指定パラメータPOLE_fは、前述した、制御出力の目標値への追従速度を規定するパラメータであり、好ましくは−1<POLE_f<0を満たすように設定される。
図4に、ライン61によって表される目標値Lift_cmdと、ライン62によって表される、POLE_f=−0.2の場合に式(107)によって算出されたフィルタ済み目標値Lift_cmd_fと、ライン63によって表される、POE_f=−0.6である場合に式(107)によって算出されたフィルタ済み目標値Lift_cmd_fを示す。図から明らかなように、目標値応答指定パラメータPOLE_fにより、目標値Lift_cmdの変化は、該目標値の変化に対して漸近特性を有する指数関数的な曲線に変換される。目標値応答指定パラメータPOLE_fの絶対値が小さいほど、目標値Lift_cmdへの漸近性が高い。
時間t1において目標値Lift_cmdが、Lcmd1に急増している。ライン62および63で示されるような曲線に制御出力が追従するよう制御入力を算出することにより、制御出力を、よりスムーズに目標値Lcmd1に到達させることができる。
ライン63に制御出力を追従させるよりも、ライン62に制御出力を追従させる方が、目標値Lcmd1への到達は早い。このように、目標値応答指定パラメータPOLE_fの値に従い、制御出力の目標値への到達時間が変わる。
コントローラ51は、該フィルタ済み目標値Lift_cmd_fに制御出力が追従するよう制御入力Uliftを算出する。この手法を説明する。
コントローラ51は、切り換え関数σを定義する(式(105))。Elfは、実リフト量Liftと、フィルタ済み目標値Lift_cmd_fとの偏差である(式(106))。切り換え関数σは、該偏差Elfの収束挙動を規定する。POLEは、外乱が印加された時の偏差Elfの収束速度を規定するパラメータであり、好ましくは−1<POLE<0を満たすよう設定される。
ここで、切換関数σとパラメータPOLEについて説明する。2自由度応答指定型制御では、切り換え関数σがゼロとなるように制御入力Uliftが決定される。
Figure 0004629488
式(108)は、入力の無い一次遅れ系を示す。すなわち、2自由度応答指定型制御は、偏差Elfを、式(108)に示される一次遅れ系に拘束するよう制御する。
は、縦軸にElf(k)および横軸にElf(k-1)を有する位相平面を示す。位相平面には、式(108)によって表現される切り換え線71が示されている。点72を、プラントの状態量(Elf(k-1),Elf(k))の初期値と仮定すると、2自由度応答指定型制御は、該状態量を、切り換え線71上に載せて該切り換え線71上に拘束させる。こうして、状態量が、入力の無い一次遅れ系に拘束されるので、時間の経過とともに、該状態量は、位相平面の原点(すなわち、Elf(k),Elf(k-1)=0)に自動的に収束する。状態量を切り換え線71上に拘束することにより、外乱の影響を受けることなく、状態量を原点に収束させることができる。
の参照番号73、74および75は、外乱応答指定パラメータPOLEが、それぞれ、−1、−0.8、−0.5の場合の偏差Elfの収束速度を示す。該応答指定パラメータPOLEの絶対値が小さくなるにつれ、偏差Elfの収束速度は速くなる。
式(102)で表される等価制御入力Ueqは、プラントの状態量を切り換え線上に拘束するよう動作する。したがって、式(109)を満たす必要がある。
Figure 0004629488
式(109)と上記のモデル式(1)に基づき、等価制御入力Ueqは、式(102)のように求められる。
コントローラ51は、さらに、到達則入力Urchを算出する(式(103))。到達則入力Urchは、状態量を切り換え線71上に載せるための入力である。Krchは、ゲインを示す。コントローラ51は、さらに、非線形入力Unlを算出する(式(104))。非線形入力Unlは、状態量を切り換え線71の近傍に、振動的に(往復挙動を伴いながら)拘束するための入力である。Knlは、ゲインを示す。ゲインKrchおよびKnlの値は、制御出力の安定性および速応性等を考慮して、シミュレーション等を介して予め同定される。
コントローラ51は、等価制御入力Ueq、到達則入力Urchおよび非線形入力Unlを加算し、制御入力Uliftを算出する(式(101))。
代替的に、コントローラ51が、自由度が1の応答指定型制御を実施する形態では、目標値算出ユニット52による目標値のフィルタリングは必要とされない。コントローラ51は、目標値Lift_cmdに制御出力が追従するよう、制御入力Uliftを算出する。式(107)は実施されず、他の式中のフィルタ済み目標値Lift_cmd_fは、目標値Lift_cmdで置き換えられる。
このような、従来の手法に従って制御入力Uliftを算出すると、図19を参照して説明したように、プラントの非線形特性等に起因して、制御出力の目標値に対する追従が遅れたり、制御出力がオーバーシュートしたりするおそれがある。
本願発明では、このような追従遅れおよびオーバーシュートを効果的に抑制するための手法を提供する。
制御出力の挙動は、制御入力および目標値に基づいている。制御入力の挙動または目標値の挙動を調整することにより、制御出力の追従遅れおよびオーバーシュートを抑制することができる。たとえば、図19の(a)を参照して説明したような追従遅れは、目標値の変化に対し、制御出力が追いつくことができないために起こる。制御入力および(または)目標値の挙動の調整を介して、制御出力の変化速度を速くすれば、このような追従遅れを抑制することができる。
また、図19の(b)を参照して説明したようなオーバーシュートは、目標値を制御出力が追い越すために起こる。制御入力および(または)目標値の挙動の調整を介して、制御出力の変化速度を遅くすれば、このようなオーバーシュートを抑制することができる。
本願発明では、目標値の変化に対する制御出力の変化の相対速度を調整するためのパラメータを規定し、該パラメータにより、該制御出力の挙動を容易に調整することができるようにする。このような調整を介して、制御出力の追従遅れおよびオーバーシュートを効果的に抑制することができる。
上記のパラメータのうちの1つ(第1のパラメータ)は、制御入力の変化速度を変更することによって、該制御出力の変化速度を変更することのできるパラメータである。該パラメータのうちの他の1つ(第2のパラメータ)は、修正した目標値を介して、該制御出力の変化速度を変更することのできるパラメータである。第2のパラメータは、さらに、2つのパラメータ(傾斜パラメータおよび漸近特性パラメータ)を含むことができる。
以下に、これらのパラメータについて説明する。
第1のパラメータ
前述したように、この実施例では、制御入力Uliftは、等価制御入力Ueq、到達則入力Urchおよび非線形入力Unlから構成される。図7には、(a)に示されるように、時間t1において目標値Lift_cmdが変化したことに応答して、フィルタ済み目標値Lift_cmd_fが変化した場合の、制御入力Uliftの挙動が(b)に示されている。(a)には、また、制御入力Uliftに基づいて変調された信号Ulift_fをプラントに印加した場合の制御出力Liftが示されている。
(c)を参照すると、等価制御入力Ueq、到達則入力Urchおよび非線形入力Unlの挙動が示されている。等価制御入力Ueqは、制御入力Uliftに類似した挙動を示している。到達則入力Urchは、時間t1における目標値の変化に応答して、少し変動している。非線形入力Unlは、目標値が変化しても、ほとんど変動せず、ゼロ付近を推移している。
(b)と(c)を比較して明らかなように、制御入力Uliftの挙動が、主に、等価制御入力Ueqによって決まる(支配されている)ことがわかる。そこで、等価制御入力Ueqを算出するための式(102)に着目すると、等価制御入力Ueqは、式(2)のように分解されることができる。
Figure 0004629488
図の(d)を参照すると、等価制御入力Ueqの分解により得られた構成要素のそれぞれの挙動が示されている。第1の構成要素Ueq_x1は、第2の構成要素Ueq_x2と、ゼロのラインに対して対称的な挙動を示している。第2の構成要素Ueq_x2は、フィルタ済み目標値Lift_cmd_fに類似した挙動を示している。第3の構成要素Ueq_x3は、目標値の変化に応答して、少し変動しており、到達則入力Urchと似た挙動を示している。第4の構成要素Ueq_deltaは、ほぼゼロのラインに沿って推移しており、非線形入力Unlと似た挙動を示している。第5の構成要素Ueq_rは、等価制御入力Ueqに類似した挙動を示している。
(d)に示される第1〜第5の構成要素の挙動のそれぞれと、(b)に示される等価制御入力Ueqの挙動と比較して明らかなように、第5の構成要素Ueq_rにより、等価制御入力Ueqの挙動がほぼ決定されることがわかる。このように、目標値が変化した時の等価制御入力Ueqの挙動は、主に、第5の構成要素Ueq_rにより決定される。第5の構成要素Ueq_rは、式(15)に示されるように、フィルタ済み目標値Lift_cmd_fに基づいて算出されるフィードフォワード項である。該フィードフォワード項は、第1〜第4の構成要素とは異なり、偏差Elfの発生にかかわらず演算することのできる項である。したがって、目標値の変化に対する応答が最も早く、目標値が変化した時の制御出力Liftの挙動に最も影響を与える。
本願発明の一実施形態では、第5の構成要素Ueq_rに重みを与える。該重みを調節することにより、等価制御入力Ueqの変化速度が調整され、よって、制御入力Uliftの変化速度を調整することができる。該重みをKeq_rで表し、調節ゲインと呼ぶ。これが、上記の第1のパラメータに相当する。
式(16)は、該調節ゲインKeq_rに基づいて等価制御入力Ueqを算出するための式である。調節ゲインKeq_rは、0より大きい正の値を取る。
Figure 0004629488
調節ゲインKeq_r=1の場合、従来の式(102)と等価となる。調節ゲインKeq_rを1より大きくすると、従来の式(102)の場合に比べ、フィルタ済み目標値Lift_cmd_fの変化に対する等価制御入力Ueqの変化の速度が速くなり、よって、制御出力の変化速度が速くなる。制御出力のフィルタ済み目標値への追従性を向上させる場合には、調節ゲインKeq_rの値を増やせばよい(たとえば、Keq_r>1にする)。また、調節ゲインKeq_rを1より小さくすると、従来の式(102)の場合に比べ、フィルタ済み目標値Lift_cmd_fの変化に対する等価制御入力Ueqの変化の速度が遅くなり、よって制御出力の変化速度が遅くなる。オーバーシュートを抑制させる場合には、調節ゲインKeq_rの値を減らせばよい(たとえば、Keq_r<1にする)。
コントローラ51は、式(102)に代えて、式(16)に従って算出された等価制御入力Ueqを用い、制御入力Uliftを算出する。
図8を参照して、調節ゲインKeq_rを用いた場合の制御結果を示す。(a)を参照すると、フィルタ済み目標値Lift_cmd_fのライン、および実リフト量Liftを表すライン81は、図19の(a)に示されるものと同じである。ライン81は、調節ゲインKeq_rを用いることなく、従来の式(102)に従って算出された等価制御入力Ueqを用いた場合を示す(すなわち、Keq_r=1)。ライン82は、調節ゲインKeq_rを用いて式(16)に従って算出された等価制御入力Ueqを算出した場合のリフト量Liftを示す。フィルタ済み目標値への追従性を向上させるため、調節ゲインKeq_rを1より大きくしている(たとえば、1.1)。ライン82は、ライン81に比べ、フィルタ済み目標値Lift_cmd_fが変化した時(時間t1)の立ち上がり速度が速く、リフト量のフィルタ済み目標値への追従性が向上している。このように、バルブを開く時には、調節ゲインKeq_rを大きくすることにより、リフト量のフィルタ済み目標値への追従性を向上させることができる。
(b)のフィルタ済み目標値Lift_cmd_fのライン、および実リフト量Liftを表すライン83は、図19の(b)に示されるものと同じである。ライン83は、調節ゲインKeq_rを用いることなく、従来の式(102)に従って算出された等価制御入力Ueqを用いた場合を示す(すなわち、Keq_r=1)。ライン84は、調節ゲインKeq_rを用いて式(16)に従って算出された等価制御入力Ueqを算出した場合のリフト量Liftを示す。リフト量のオーバーシュートを抑制するため、調節ゲインKeq_rを1より小さくしている(たとえば、0.7)。ライン84は、ライン83に比べ、フィルタ済み目標値が変化した時(時間t2)の立ち下がり速度が遅く、オーバーシュートが抑制されている(この例では、ライン83に対し、オーバーシュートの量が約40%減っている)。このように、バルブを閉じる時には、調節ゲインKeq_rを小さくすることにより、リフト量のオーバーシュートを抑制することができる。
コントローラ51が、自由度が1の応答指定型制御を実施する場合には、目標値算出ユニット52による目標値のフィルタリングが必要とされないことは、上に述べた。この場合、コントローラ51は、目標値Lift_cmdに制御出力Liftが追従するよう制御入力Uliftを算出する。前述したのと同様の手法で、調節ゲインKeq_rにより、目標値Lift_cmdの変化に対する制御出力Liftの変化の相対速度を調整することができる。
第2のパラメータ
次に、第2のパラメータを説明する。第2のパラメータは、修正した目標値を介して、目標値の変化速度に対する制御出力の相対的な変化速度を変更することのできるパラメータである。第2のパラメータは、さらに、傾斜パラメータおよび漸近特性パラメータを含むことができる。
傾斜パラメータについて説明する。図9を参照すると、目標値Lift_cmdが、時間t1において、Lcmd1からLcmd2に急激に変化している。該目標値Lift_cmdから生成されたランプ信号Lift_cmd_rampが示されており、該ランプ信号Lift_cmd_rampは、時間t2において、Lcmd2に到達している。明らかに、目標値Lift_cmdの変化速度よりも、ランプ信号Lift_cmd_rampの変化速度の方が遅い。該ランプ信号Lift_cmd_rampに制御出力が追従するよう制御入力Uliftを算出することにより、目標値Lift_cmdに制御出力が追従するよう制御入力を算出する場合に比べ、目標値Lift_cmdの変化に対する制御出力Liftの変化の相対速度を遅くすることができる。ランプ信号の傾斜により、該相対速度が決まる。該傾斜を表すパラメータが、上記の傾斜パラメータに相当する。
目標値算出ユニット52は、ランプ信号Lift_cmd_rampを、式(17)〜(20)に従って生成する。ここで、傾斜パラメータは、Lrateにより表されており、ゼロより大きい正の値を持つ。kは、制御時刻を示す。
Figure 0004629488
上記の式を説明する。式(18)が、ランプ信号Lift_cmd_rampを生成するための式である。式(18)中のp(k)は、式(19)および(20)のいずれかで算出される。m(k)は、式(17)に示されるように、目標値Lift_cmdの今回値とランプ信号Lift_cmd_rampの前回値の差を表す。該差が、傾斜パラメータLrate以下ならば、p(k)に、該差が代入される。該差が、傾斜パラメータLrateより大きければ、該傾斜パラメータLrateの値を、p(k)に代入する。sgn()は符号関数であり、該差が正の値であるならば、+Lrateがp(k)に代入され、該差が負の値であるならば、−Lrateがp(k)に代入される。
図10を参照して、ランプ信号を生成する手法を具体的に説明する。制御時刻(k−1)において、目標値Lift_cmdがLcmd1の値を取り、時刻kにおいて、目標値がLcmd2に変化したと仮定する。また、制御時刻k−1におけるランプ信号Lift_cmd_rampの値が、Lcmd1であると仮定する(点91)。時刻kにおいて、mは、Lcmd2からLcmd1を減算することにより得られ(式(17))、これを、Δcmd1で表す。この例では、Δcmd1が、傾斜パラメータLrateの値より大きいので、pには、+Lrateが設定される。式(18)により、制御時刻kにおけるランプ信号は、(Lcmd1+Lrate)の値を持つ(点92)。
時刻kにおけるランプ信号の値は、(Lcmd1+Lrate)であり、時刻kからk+1へは、目標値Lift_cmdはLcmd2に維持されている。時刻k+1におけるmは、Lcmd2から(Lcmd1+Lrate)を減算することにより得られる。その結果が、傾斜パラメータLrateより大きいので、p(k)には、+Lrateが設定される。式(18)により、制御時刻k+1におけるランプ信号は、(Lcmd1+2×Lrate)の値を持つ(点93)。
時刻k+1におけるランプ信号の値は、(Lcmd1+2×Lrate)であり、時刻k+1からk+2へは、目標値Lift_cmdはLcmd2に維持されている。時刻k+2におけるmは、Lcmd2から(Lcmd1+2×Lrate)を減算することにより得られる。その結果が、Lrate以下であるので、pには、m、すなわち(Lcmd2−Lcmd1−2×Lrate)が設定される。式(18)により、制御時刻k+2におけるランプ信号は、Lcmd2の値を持つ(点94)。
傾斜パラメータLrateの値を小さくするほど、目標値Lift_cmdの変化に対する制御出力Liftの変化の相対速度は遅くなる。追従性を向上させるためには、該相対速度を速めるよう、傾斜パラメータLrateの値を大きくすればよい。オーバーシュートを抑制するためには、該相対速度を遅くするよう、傾斜パラメータLrateの値を小さくすればよい。
一実施形態では、目標値算出ユニット52は、前述したフィルタリングを実施しない。ランプ信号Lift_cmd_rampが、前述した「修正した目標値」となる。コントローラ51は、該修正した目標値に制御出力が追従するよう制御入力Uliftを算出する。式(101)〜(106)中のLift_cmd_fは、Lift_cmd_rampに置き換えられる。
他の実施形態では、目標値算出ユニット52は、式(21)に示すように、ランプ信号Lift_cmd_rampに基づいて、フィルタ済み目標値Lift_cmd_fを算出する。このランプ信号に基づいて算出されたフィルタ済み目標値が、前述した「修正した目標値」となる。
Figure 0004629488
図11を参照すると、ライン95は、目標値Lift_cmdに基づいて式(107)に従って算出されたフィルタ済み目標値Lift_cmd_fを示し、ライン96は、ランプ信号Lift_cmd_rampに基づいて式(21)に従って算出されたフィルタ済み目標値Lift_cmd_fを示す。
ランプ信号に基づいてフィルタリングを実施することにより、ランプ信号Lift_cmd_rampは、該ランプ信号Lift_cmd_rampの変化に対して漸近特性を有する指数関数的な曲線96に変換される。前述したように、目標値応答指定パラメータPOLE_fの絶対値が小さくするほど、ランプ信号Lift_cmd_rampへの漸近性を高くすることができる。
時間t1において目標値Lift_cmdがLcmd1からLcmd2へと変化した時、ライン96で示されるフィルタ済み目標値Lift_cmd_fの方が、ライン95で示されるフィルタ済み目標値Lift_cmd_fよりも、立ち上がり速度が緩やかであることがわかる。このように、ランプ信号Lift_cmd_rampをフィルタリングすることにより、立ち上がり速度がより緩やかなフィルタ済み目標値Lift_cmd_fを生成することができる。傾斜パラメータLrateの値を小さくするほど、目標値が変化した時の制御出力の応答の挙動は、より緩やかになる。
コントローラ51は、こうしてランプ信号に基づいて生成されたフィルタ済み目標値Lift_cmd_fを用い、式(101)〜(106)に従って制御入力Uliftを算出する。
次に、漸近特性パラメータについて説明する。漸近特性パラメータには、前述した目標値応答パラメータPOLE_fを用いる。図4を参照して前述したように、目標値応答パラメータPOLE_fにより、目標値Lift_cmdの変化は、該目標値Lift_cmdの変化に対して漸近特性を有する指数関数的な曲線に変換される。図4から明らかなように、ライン62および63で示されるフィルタ済み目標値の変化速度は、ライン61で示される目標値Lift_cmdの変化速度よりも遅い。フィルタ済み目標値Lift_cmd_fに制御出力が追従するよう制御入力Uliftを算出することにより、目標値Lift_cmdに制御出力が追従するよう制御入力を算出する場合に比べ、目標値Lift_cmdの変化に対する制御出力の変化の相対速度を遅くすることができる。
目標値応答指定パラメータPOLE_fの絶対値を小さくするほど、漸近性が高くなり、フィルタ済み目標値Lift_cmd_fの変化速度は速くなる。したがって、追従性を向上させるためには、該相対速度を速めるよう、漸近特性パラメータPOLE_fの絶対値を小さくすればよい。オーバーシュートを抑制するためには、該相対速度を遅くするよう、漸近特性パラメータPOLE_fの絶対値を大きくすればよい。
従来は、制御出力の目標値への追従速度を高く維持するよう、目標値応答指定パラメータPOLE_fを予め決めていた。しかしながら、このような速い値に目標値応答指定パラメータPOLE_fを固定すると、プラントの状態によっては、速すぎる追従速度によってオーバーシュートを起こすおそれがある。したがって、本願発明では、プラントの状態に応じて、目標値応答指定パラメータPOLE_fの値を決定する。この明細書では、プラントの状態に応じてその値が変更される目標値応答指定パラメータを、漸近特性パラメータと呼び、漸近特性パラメータを用いて算出されたフィルタ済み目標値Lift_cmd_fが、上記の「修正した目標値」に相当する。
目標値算出ユニット52は、以下の式(22)〜(25)を実行し、プラントの状態に応じて、漸近特性パラメータPOLE_fの値を切り換える。
Figure 0004629488
また、目標値算出ユニット52は、式(26)に示される条件が成立したならば、漸近特性パラメータPOLE_fを、デフォルト値であるPOLE_f_highに戻す。ここで、Krは、予め決められるリセット条件値である。
Figure 0004629488
式(25)は、目標値Lift_cmdの変化vに、一次遅れフィルタを適用するための式を表し、Jrは、所定の判定パラメータを示す。目標値の変化(図12の例を参照すると、時間t1において目標値はゼロからLcmd1に変化している)は、一瞬の間に完了する。このような一瞬の変化に基づいて漸近特性パラメータの値を切り換えると、切り換え後の値を持つ漸近特性パラメータが制御入力Uliftに反映されるのは、一瞬の間に終わってしまう。したがって、漸近特性パラメータの値を変更する条件を継続させるため、一次遅れフィルタを用いて、目標値の瞬間的な変化を、継続的な変化に変換する。こうして算出されたr(k)が、正の値を持つならば、バルブが現在開いている最中であることを示し、負の値を持つならば、バルブが現在閉じている最中であることを示す。
POLE_f_highはデフォルト値であり、制御出力の目標値への追従速度を高速に維持するための値(たとえば、0.8)に設定されている。式(23)に示されるように、このような速めの追従速度ではオーバーシュートを引き起こす可能性がある場合以外は、このデフォルト値に、漸近特性パラメータの値が設定される。
式(22)には、オーバーシュートを引き起こす可能性がある条件の一例が示されている。dCloseは、予め決められた所定値であり、負の値を持つ。バルブが閉じる時のリフト量の変化は、負の値で表される。r(k)<0であり、かつ、v(k)≦dCloseであるということは、バルブが現在閉じている最中であり、目標値の変化の絶対量(1制御サイクルあたり)が、dCloseの絶対値よりも大きいことを示す。バルブが所定の速度以上で閉じている最中である場合には、前述したリターンスプリングの影響により、オーバーシュートを引き起こすおそれがある。したがって、漸近特性パラメータPOLE_fをPOLE_f_lowに設定し、追従速度を低くする。前述したように、POLE_fは、その絶対値が小さくなるにつれ、追従速度が速くなるので、POLE_f_highの絶対値<POLE_f_lowの絶対値、の関係が成立する。
図12を参照して、上記の式により実現される動作の一例を説明する。時間t1において、リフト量の目標値Lift_cmdが、ゼロからLcmd1に変化している。これは、開く方向にバルブを変化させることを示す。リフト量の変化が正の値で表されるので、r(k)は、正の値を持つ。式(23)に従い、漸近特性パラメータPOLE_fは、POLE_f_highに設定される。こうして、バルブが開く時は、制御出力の目標値への追従速度を高く維持する。
時間t2において、目標値Lift_cmdが、Lcmd1からLcmd2に変化する。これは、閉じる方向にバルブを変化させることを示す。このリフト量の変化は負の値で表されるので、r(k)は、負の値を持つ。目標値の変化vの絶対量が、dCloseの絶対値よりも小さいので、式(23)に従い、漸近特性パラメータPOLE_fは、高い値POLE_f_highに設定される。バルブを閉じる場合でも、リフト量の変化量が小さい時は、制御出力の変化速度が小さいので、オーバーシュートが発生しにくい。したがって、制御出力の目標値への追従遅れを回避するよう、漸近特性パラメータの値をPole_f_highに設定する。
時間t3において、目標値が、Lcmd2からLcmd3に変化する。これは、閉じる方向にバルブを変化させることを示す。このリフト量の変化は負の値で表されるので、r(k)は、負の値を持つ。目標値の変化vの絶対量が、dCloseの絶対値より大きいので、式(22)に従い、漸近特性パラメータPOLE_fは、POLE_f_lowに設定される。こうして、バルブが所定速度以上で閉じている時は、オーバーシュートが発生しやすので、制御出力の目標値への追従速度を遅くする。
漸近特性パラメータPOLE_fがPole_f_lowに設定された後、式(26)に従い、信号rの絶対値がリセット条件値Kr以下になったならば、漸近特性パラメータPOLE_fをPOLE_f_highにリセットする(時間t4)。こうして、プラントが、オーバーシュートの起こるおそれのある状態にある時のみ、追従速度が遅くなるよう漸近特性パラメータPOLE_fの値を変更し、該状態を抜けたならば、追従速度が高く維持されるよう漸近特性パラメータPOLE_fの値をリセットする。
図13は、本願発明の一実施形態に従う、コントローラ51および目標値算出ユニット52(図3)の詳細な機能ブロック図である。これらの機能は、図3を参照して述べたように、典型的には、ECU1において実現される。
プラント状態判定部110は、プラント(この実施例では、可変リフト装置26)の状態を判断する。この実施例では、目標値Lift_cmdの変化に基づいて、吸気(または排気)バルブが現在閉じている最中か、または開いている最中かを判断する。また、状態判定部110は、目標値Lift_cmdの単位時間あたりの変化量(変化速度)を算出する。
調節ゲイン決定ユニット111は、プラントの状態に応じて、調節ゲインKeq_rの値を決定する。この実施例では、調節ゲインKeq_rは、1より大きい所定値Keq_r_highを初期値に持つ。バルブが閉じる速度が所定値以上であるとき(これは、オーバーシュートが起こりやすい状態を示す)、調節ゲインKeq_rの値を1より小さい所定値Keq_r_lowに変更し、目標値変化に対する制御出力の変化の相対速度を遅くする。それ以外の場合では、追従性を向上させるため、調節ゲインKeq_rの値をKeq_r_highにリセットする。
傾斜パラメータ決定ユニット112は、プラントの状態に応じて、傾斜パラメータLrateの値を決定する。この実施例では、傾斜パラメータLrateは、所定値Lrate_highを初期値として持つ。バルブが閉じる速度が所定値以上であるとき、オーバーシュートを抑制するため、傾斜パラメータLrateの値を、所定値Lrate_lowに変更し、それ以外の場合では、追従性を向上させるため、所定値Lrate_high(>Lrate_low)にリセットする。
漸近特性パラメータ決定ユニット113は、プラントの状態に応じて、漸近特性パラメータPOLE_fの値を決定する。この実施例では、漸近特性パラメータPOLE_fは、POLE_f_highを初期値として持つ。バルブが閉じる速度が所定値以上であるとき、オーバーシュートを抑制するため、漸近特性パラメータPOLE_fの値を、所定値POLE_f_lowに変更し、それ以外の場合で、追従性を向上させるため、所定値POLE_f_highにリセットする。ここで、POLE_f_highの絶対値<POLE_f_lowの絶対値の関係が成立する。
等価制御入力算出部114は、こうして決定された値を持つ調節ゲインKeq_rに基づいて、式(16)に従い、等価制御入力Ueqを算出する。フィルタ済み目標値算出部115は、こうして決定された値を持つ傾斜パラメータLrateと、エンジンの運転状態に応じて求められるリフト量の目標値Lift_cmdに基づいて、式(17)〜(20)に従い、ランプ信号Lift_cmd_rampを生成する。さらに、フィルタ済み目標値算出部115は、ランプ信号Lift_cmd_rampに基づいて、式(21)に従い、フィルタ済み目標値Lift_cmd_fを算出する。
制御入力算出部116は、フィルタ済み目標値Lift_cmd_fを用いて、式(103)および(104)に従い、到達則入力Urchおよび非線形入力Unlを算出する。さらに、制御入力算出部116は、等価制御入力部114により算出された等価制御入力Ueqと、到達則入力Urchおよび非線形入力Unlを加算して(式(101))、制御入力Uliftを算出する。
図14は、図13に示される実施例に従う、バルブを制御するプロセスのフローチャートである。このフローチャートは、所定の時間間隔(たとえば、5ミリ秒)で実施される。
ステップS1において、エンジン回転数NEおよびエンジン負荷に基づいて図15に示されるようなマップを参照し、リフトの目標値Lift_cmdを求める。エンジン回転数が高いほど、また、エンジンの負荷が高いほど(負荷は、吸気量の目標値により表されることができる)、リフトの目標値Lift_cmdは増やされる。
ステップS2において、フラグF_fsの値を調べる。該フラグは、リフト可変装置26、および該装置に関連する構成要素(たとえば、ECU)に、何らかの故障が生じた時に値1に設定される。また、バルブとピストンの干渉が生じるおそれがある場合にも、該フラグは値1に設定される。ステップS2の判断がYesならば、制御入力Uliftに、所定値Ulift_fs(たとえば、ゼロ)を設定する(S3)。所定値Ulit_fsにゼロが設定されると、バルブのリフト量がデフォルト値(たとえば、10ミリメートル)に制御される。
ステップS2の判断がNoならば、ステップS4に進み、制御入力Uliftを算出する(図16)。ステップS5において、制御入力Uliftに所定の変調アルゴリズムを適用し、変調信号Ulift_fを生成する。該変調信号Ulift_fsが、可変リフト装置26に入力される。
図16は、図14のステップS4で実行される、制御入力Uliftを算出するプロセスのフローチャートである。
ステップS11において、前述した式(24)に従い、リフトの目標値Lift_cmdの変化量vを算出し、さらに、式(25)に従い、該変化量vに一次遅れフィルタを適用して、rを算出する。ステップS12において、rおよびvの値に基づき、バルブが、前回のサイクル(k−1)から今回のサイクル(k)までの間に、所定量dClose以上閉じたかどうかを判断する。ステップS12の判断がYesならば、漸近特性パラメータPOLE_fにPOLE_f_lowを設定し、傾斜パラメータLrateにLrate_lowを設定し、さらに、調節ゲインKeq_rに、Keq_r_lowを設定する。ステップS12の判断がNoならば、漸近特性パラメータPOLE_fにPOLE_f_highを設定し、傾斜パラメータLrateにLrate_highを設定し、さらに、調節ゲインKeq_rに、Keq_r_highを設定する。
ステップS15において、式(17)に従い、目標値の今回値Lift_cmd(k)と、ランプ信号の前回値Lift_cmd_ramp(k−1)との差mを算出する。ステップS16において、該差mと、傾斜パラメータLrateの値を比較する。ステップS16の判断がYesならば、式(20)に従い、該傾斜パラメータLrateの値をpに代入する(S17)。ステップS16の判断がNoならば、式(19)に従い、該差mをpに代入する(S18)。ステップS19において、式(18)に従い、ランプ信号Lift_cmd_rampを生成する。さらに、式(21)に従い、ランプ信号Lift_cmd_rampを用いて、フィルタ済み目標値Lift_cmd_fを算出する。
ステップS20では、式(16)に示されるように、調節ゲインKeq_rを用いて、等価制御入力Ueqを算出する。式(103)および(104)に従い、到達則入力Urchおよび非線形入力Unlを算出する。等価制御入力Ueq、到達則入力Urchおよび非線形入力Unlを加算して、制御入力Uliftを算出する。
図17および図18を参照して、本願発明の一実施形態に従う制御の効果の一例を説明する。
図17は、従来の式(107)に従ってフィルタ済み目標値を算出した場合の、制御結果を示す。ここで、調節ゲインKeq_rが用いられており、該調節ゲインKeq_rは、オーバーシュートを抑制するよう1より小さい値(この例では、0.6)に固定されている。POLE_fは、目標値応答指定パラメータとして用いられており、従来のように、比較的速い値(この例では、0.93)に固定されている。傾斜パラメータLrateは用いられていない。
時間t1において、目標値Lift_cmdが、Lcmd1からLcmd2に変化し(図示せず)、開く方向にバルブが動き始める。式(107)に従い、フィルタ済み目標値Lift_f_cmd_fが算出される。ランプ信号に変換されることなくフィルタ済み目標値Lift_f_cmd_fが算出されるので、該フィルタ済み目標値Lift_cmd_fの立ち上がりは、急峻である。該フィルタ済み目標値Lift_f_cmd_fに制御出力が追従するよう制御入力Uliftが算出される。調節ゲインKeq_rの働きにより、オーバーシュートは完全に抑制されている。しかしながら、フィルタ済み目標値Lift_cmd_fの立ち上がりが急峻であるので、リフト量Liftは追いつくことができない。結果として、リフト量LiftのLcmd2への到達時間が長い(時間t2あたりで到達しており、このシミュレーション例では、時間t1〜t2は約1秒である)。ライン105は、バルブを駆動するため、可変リフト装置26に印加される電流を示す。制御出力の目標値への追従性が良くないので、時間t1周辺における電流の最大値が、比較的大きい。
時間t3において、閉じる方向にバルブが動き始める。式(107)に従い、フィルタ済み目標値Lift_f_cmd_fが算出される。ランプ信号に変換されることなくフィルタ済み目標値Lift_f_cmd_fが算出されるので、該済み目標値Lift_cmd_fの立ち下がりは、急峻である。該フィルタ済み目標値Lift_f_cmdに制御出力が追従するよう制御入力Uliftが算出される。調節ゲインKeq_rの働きにより、オーバーシュートは完全に抑制されている。しかしながら、フィルタ済み目標値Lift_cmd_fの立ち下がりが急峻であるので、リフト量Liftは追いつくことができない。結果として、リフト量LiftのLcmd1への到達時間が長い。制御出力の目標値への追従性が良くないので、時間t3あたりの電流の最大値が、比較的大きい。特に、バルブを閉じる時には、リターンスプリングの復元力を抑制するために、電流値が過大になっている。
このように、追従遅れが起こりやすいバルブ開弁時に調節ゲインKeq_rの値を1より小さくすると、該追従遅れを増やすおそれがあり、さらに、オーバーシュートが起こりやすいバルブ閉弁時に調節ゲインKeq_rによって該オーバーシュートを完全に抑制すると、追従遅れを生じさせるおそれがある。
図18は、調節ゲインKeq_r、傾斜パラメータLrateおよび漸近特性パラメータPOLE_fをプラントの状態に応じて変更することにより、目標値変化に対する制御出力の変化の相対的な速度を変更した場合を示す。
時間t1において、目標値Lift_cmdが、Lcmd1からLcmd2に変化し(図示せず)、開く方向にバルブが動き始める。前述したように、バルブを開く時は、追従遅れが起こりやすい。該追従遅れを抑制するため、傾斜パラメータLrateは、Lrate_high(この例では、0.4)に設定され、漸近特性パラメータPOLE_Fは、POLE_f_high(この例では、0.91)に設定され、調節ゲインKeq_rは、Keq_r_high(>1)に設定される。
式(17)〜(20)に従い、傾斜パラメータLrateに基づいて目標値Lift_cmdからランプ信号が生成された後、該ランプ信号および漸近特性パラメータPOLE_fを用いてフィルタ済み目標値Lift_f_cmd_fが算出される。図17のLift_cmd_fのラインと比較して明らかなように、フィルタ済み目標値Lift_cmd_fは、より緩やかな立ち上がりになるよう生成される。該フィルタ済み目標値Lift_f_cmdに制御出力が追従するよう制御入力Uliftが算出される。フィルタ済み目標値Lift_cmd_fの立ち上がりが緩やかであるので、リフト量Liftは、該フィルタ済み目標値に良好に追従することができる。また、調節ゲインKeq_rが1より大きい値に設定されていることも、この良好な追従性に寄与している。図17と比較して明らかなように、リフト量Liftの目標値Lcmd2への到達時間が短い((t2’−t1)<(t2−t1))。ライン106は、バルブを駆動するため、可変リフト装置26に印加される電流を示す。制御出力の目標値への追従性が良いので、図17のライン105と比較して、時間t1周辺における電流の最大値が低い(I21<I11)。
時間t3において、目標値Lift_cmdが、Lcmd2からLcmd1に変化し(図示せず)、閉じる方向にバルブが動き始める。前述したように、バルブを閉じる時はオーバーシュートが起こりやすい。該オーバーシュートを抑制するため、傾斜パラメータLrateは、Lrate_low(この例では、0.2)に切り換えられ、漸近特性パラメータPOLE_Fは、POLE_f_low(この例では、0.96)に切り換えられ、調節ゲインKeq_rは、Keq_r_low(<1)に切り換えられる。
傾斜パラメータLrateに基づいて目標値Lift_cmdからランプ信号が生成された後、該ランプ信号および漸近特性パラメータPOLE_fを用いてフィルタ済み目標値Lift_f_cmd_fが算出される。図17の時間t3におけるLift_cmd_fのラインと比較して明らかなように、フィルタ済み目標値Lift_cmd_fが、より緩やかな立ち下がりとなるよう生成される。また、傾斜パラメータLrateおよび漸近特性パラメータPOLE_fが、それぞれLrate_lowおよびPOLE_f_lowに切り換えられるので、フィルタ済み目標値の変化速度が、バルブを開く時に比べて低くされる。このような緩やかな挙動を呈するフィルタ済み目標値Lift_f_cmdに制御出力が追従するよう制御入力Uliftが算出されるので、リフト量Liftは、オーバーシュートすることなく、フィルタ済み目標値Lift_cmd_fに良好に追従することができる。また、調節ゲインKeq_rの値を1より小さくしていることも、オーバーシュートの抑制に寄与している。目標値Lcmd1への到達時間は、図17と比較して短い。制御出力の目標値への追従性が良いので、図17のライン105と比較して、時間t3周辺における電流の最大値(絶対値で表される)が小さい(I22<I12)。特に、リターンスプリングの復元力を抑制するための過大な電流がほとんど生じていない。
このように、第1および第2のパラメータの値を、バルブの状態に応じて最適な値に切り換えることができ、該切り換えにより、バルブを開く時および閉じる時の両方において、オーバーシュートを抑制しつつ、追従性を向上させることができる。
図13〜図16および図18を参照して説明した実施例では、プラントの状態に応じて、調節ゲインKeq_r、傾斜パラメータLrate、および漸近特性パラメータPOLE_fのすべての値を決定した。しかしながら、これら3つのパラメータのうちの1つまたは複数を用いて、制御入力Uliftを算出してもよい。たとえば、調節ゲインKeq_rの値のみを、プラントの状態に応じて可変に決定することができる。
上記の実施形態では、プラントの状態として、単位時間あたりに目標値が変化する量を用い、該変化量にしたがって、バルブが所定量以上閉じている最中かどうかを判断した。バルブが閉じている最中の時と、それ以外の時との間で、第1および第2のパラメータの値を切り換えた(図16のS11およびS12)。パラメータの値を切り換えるための条件を、プラントに応じて様々に設定することができる点に注意されたい。たとえば、バルブが開いている最中、バルブが閉じている最中、バルブが停止している時、の3状態に従って、該パラメータの値を切り換えてもよい。また、実際に検出されたリフト量の変化速度に従って、上記パラメータの値を変更してもよい。
応答指定型制御とは異なる他の制御を用いて、制御入力を算出してもよい。この場合にも、制御入力を構成する要素を調節ゲインで重み付けすることにより、制御出力の変化速度を変更することができる。また、傾斜パラメータおよび(または)漸近特性パラメータにより、目標値を、ランプ形状の信号および(または)指数関数形状の信号に修正することにより、制御出力の変化速度を変更することができる。
上記の制御手法は、様々なプラントに適用可能である。たとえば、カムの位相を変更することのできる可変位相装置をプラントにすることができる。可変位相装置は、たとえば、電磁ブレーキおよびプラネタリギヤを用いて実現されることができる。
また、燃焼室内の圧縮比を変更することのできる可変圧縮比装置をプラントにすることができる。さらに、内燃機関の吸気管に設けられたスロットル弁の開度を変更するアクチュエータ、自動変速機のアクチュエータ等に適用することができる。
本発明は、汎用の(例えば、船外機等の)内燃機関に適用可能である。
この発明の一実施例に従う、エンジンおよびその制御装置を概略的に示す図。 この発明の一実施例に従う、可変リフト機構を示す図。 この発明の一実施例に従う、制御装置のブロック図。 この発明の一実施例に従う、目標値およびフィルタ済み目標値の挙動を示す図。 この発明の一実施例に従う、応答指定型制御におけるプラントの状態量の収束を示す図。 この発明の一実施例に従う、外乱応答指定パラメータに従う収束速度を示す図。 目標値が変化した場合の、制御出力、制御入力、等価制御入力、および等価制御入力を構成する要素のそれぞれの挙動を示す図。 この発明の一実施例に従う、調節ゲインを用いることの制御結果を示す図。 この発明の一実施例に従う、目標値に対するランプ信号を示す図。 この発明の一実施例に従う、ランプ信号を生成する手法を説明するための図。 この発明の一実施例に従う、ランプ信号に基づいて生成されたフィルタ済み目標値の挙動を示す図。 この発明の一実施例に従う、漸近特性パラメータの切り換えを説明するための図。 この発明の一実施例に従う、コントローラおよび目標値算出ユニットの詳細な機能ブロック図。 この発明の一実施例に従う、バルブを制御するプロセスのフローチャート。 この発明の一実施例に従う、目標値を求めるためのマップ。 この発明の一実施例に従う、制御入力を算出するプロセスのフローチャート。 この発明の一実施例に従う、調節ゲインを一定にした場合の制御の結果を示す図。 この発明の一実施例に従う、調節ゲイン、傾斜パラメータ、および漸近特性パラメータの値をプラントの状態に応じて切り換えた用いた場合の、制御の結果を示す図。 従来のバルブの制御における、制御出力の目標値への追従遅れおよびオーバーシュートを示す図。
符号の説明
1 ECU
2 エンジン
26 可変リフト機構

Claims (11)

  1. プラントの制御出力の目標値に対する偏差の収束速度を指定可能な応答指定型制御を用い、該プラントの制御出力と該目標値とに基づいて、該プラントに印加される制御入力を算出するコントローラであって、該応答指定型制御で規定される切り換え線に、該プラントの制御出力と該目標値との偏差の現在値と前回値からなる状態量を拘束するための等価制御入力を算出し、該等価制御入力を含むように前記制御入力を算出するコントローラを備える、プラントを制御する装置であって、
    前記コントローラは、前記プラントの状態が、オーバーシュートを起こすおそれのある状態にあるかどうかを判断し、該判断の結果に応じて、前記目標値の変化に対する前記制御出力の変化の相対速度を調整する第1のパラメータとして、前記目標値の変化に対する前記制御入力の変化の相対速度を変更する調節ゲインの値を決定し、
    前記調節ゲインの値の前記決定は、該オーバーシュートを起こすおそれのある状態であると判断された場合の前記制御出力の変化の相対速度が、該オーバーシュートを起こすおそれのある状態であると判断されない場合の前記制御出力の変化の相対速度よりも低くなるように行われ、
    前記等価制御入力は複数の項から構成されており、前記コントローラは、さらに、該複数の項のうち、前記目標値に基づくすべての項の和であるフィードフォワード項を前記決定された調節ゲインの値で重み付けし、該重み付けしたフィードフォワード項と、前記複数の項のうちの該フィードフォワード項以外の項とを加算することにより、前記等価制御入力の前記算出を行う、
    プラント制御装置。
  2. 前記目標値の変化に対する前記制御出力の変化の相対速度を調整する第2のパラメータは、前記目標値を修正した修正済み目標値を介して相対速度を変更するパラメータであり
    前記第2のパラメータに従って前記修正済み目標値を生成する目標値算出ユニットをさらに備え、
    前記コントローラは、さらに、前記修正済み目標値に前記制御出力が追従するよう前記制御入力を算出する、
    請求項1に記載のプラント制御装置。
  3. 前記第2のパラメータは、傾斜パラメータを含み、
    前記目標値算出ユニットは、前記目標値の変化に対し、前記傾斜パラメータに従う傾斜を有するランプ形状の信号を、前記修正済み目標値として生成する、
    請求項に記載のプラント制御装置。
  4. 前記第2のパラメータは、漸近特性パラメータを含み、
    前記目標値算出ユニットは、前記目標値の変化に対し、前記漸近特性パラメータに従う漸近特性を有する指数関数形状の信号を、前記修正済み目標値として生成する、
    請求項2または3に記載のプラント制御装置。
  5. さらに、前記コントローラは、該オーバーシュートを起こすおそれのある状態であると判断された場合の前記制御出力の変化の相対速度が、該オーバーシュートを起こすおそれのある状態であると判断されない場合の前記制御出力の変化の相対速度よりも低くなるように、前記第2のパラメータの値を決定する、
    請求項2から4のいずれかに記載のプラント制御装置。
  6. 前記プラントの状態は、前記目標値の変化の速度に基づいて判断される
    請求項1から5のいずれかに記載のプラント制御装置。
  7. 前記応答指定型制御は、前記制御出力の前記目標値への追従速度および外乱が前記プラントに印加された時の該制御出力の該目標値への偏差を収束する速度を、個別に指定することのできる2自由度応答指定型制御である、
    請求項1から6のいずれかに記載のプラント制御装置。
  8. 前記コントローラは、前記制御出力の前記目標値への追従速度および外乱が前記プラントに印加された時の該制御出力の該目標値への偏差を収束する速度を、個別に指定することのできる2自由度応答指定型制御を実施するよう構成され、
    前記漸近特性パラメータは、前記制御出力の前記目標値への追従速度を用いて表される、請求項に記載のプラント制御装置。
  9. 前記漸近特性パラメータをフィルタ係数として、前記目標値をフィルタリングすることにより、前記指数関数形状の信号を生成する、
    請求項に記載のプラント制御装置。
  10. 前記プラントは、内燃機関に設けられたバルブのリフトの量を変更することのできるリフト機構である、
    請求項1から9のいずれかに記載のプラント制御装置。
  11. 前記プラントの状態は、さらに、該バルブが閉じている最中か、または開いている最中かに基づいて判断される、
    請求項10に記載のプラント制御装置。
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