JP4628668B2 - 電池 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解質を用いた電池に関する。
従来、電解質として、電解液が含浸された導電性高分子から構成されたゲル状高分子電解質が提案されている(特許文献1御参照。)。
前記ゲル状高分子電解質は、電解液含浸能力に優れ、電解液が添加された時に機械的特性が低下することを防止できるだけでなく、イオン伝導度特性および電極に対する接着力が非常に優秀である。このため、前記ゲル状高分子電解質を利用すれば、充放電特性および効率、電池の寿命および高温放置特性が向上されることが開示されている。
しかし、前記ゲル状高分子電解質では、電解液を含み、この電解液が導電性を発揮する機能を担っていることから、水の凝固点以下の温度域に晒された場合、導電性が不安定となるか、あるいは導電性が確保できなくなる恐れがあった。つまり、従来のゲル状高分子電解質は、水の凝固点以下とした低温の雰囲気では、良好な導電性を維持することは困難であった。
特開2003−17128号公報
本発明の目的は、上記した事情に鑑みなされたものである。すなわち導電性高分子ゲルから構成され、水の凝固点以下の温度域からなる雰囲気に晒された場合でも、良好な導電性を維持することが可能である固体電解質を用いた電池を提供することを目的とする。
本発明に係る電池の構成は、正極と、負極と、前記正極と前記負極の間に配された固体電解質とを少なくとも備え、前記正極と前記負極の間に、前記正極および前記負極と離隔し、かつ、前記固体電解質を2つの領域に分ける多孔膜のセパレータが設けられた電池において、前記固体電解質が、水を主成分とし、導電性共役系高分子、界面活性剤および/またはアルコールを含んでなる導電性高分子ゲルと、該導電性高分子ゲルに含有された電解質とから少なくとも構成されてなり、前記導電性高分子ゲルは、前記導電性共役系高分子自体が前記界面活性剤および/または前記アルコールによってゲル化して形成されたものであり、前記導電性共役系高分子は、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸がドープされたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)であることを特徴としている。
前記固体電解質では、外気が水の凝固点以下というような過酷な条件下で安定した電解刺激応答(導電性)が得られるため、この固体電解質が備えられた電池は、優れた低温度特性が得られる。
前記界面活性剤は、長鎖アルキルベンゼンスルホン酸であることが好ましい。
前記アルコールは、エチレングリコールまたはポリエチレングリコールであることが好ましい。
本発明に係る固体電解質によれば、これを構成する導電性高分子ゲルの導電性共役系高分子が導電性をもたらすことにより、たとえ水の凝固点以下の温度域で使用されても、電子伝導が機能するので良好な導電性が確保される。ゆえに、本発明の固体電解質は、外気が水の凝固点以下となるような厳しい条件下で使用した際にも安定した導電性が得られる。このため、電池等の電解質を用いた各種電子デバイスに用いた場合、本発明の固体電解質は放電特性等の出力特性の安定性の向上に寄与する。
また、水の凝固点よりも高い温度域とした雰囲気に晒された場合、電子伝導に加えてイオン伝導も機能することにより、一段と優れた導電性が得られる。
本発明に係る電池によれば、前記本発明の固体電解質が用いられたことによって、特に外気が水の凝固点以下となるような厳しい条件下において、安定して優れた出力特性(低温度特性)が得られる。
以下、本発明に係る電解質とそれを用いた電池を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の電池1の一例を示す概略断面図である。電池1は、正極(正極板)11と、負極(負極板)12と、これら正極11と負極12間に配された固体電解質13とから少なくとも構成されたものである。図1に一例として示した電池1では、固体電解質13中に、正極板11と負極板12とが対向配置されている。
なお、正極11と負極12間に多孔膜のセパレータを設け、正極11と負極12とが接触し内部短絡することを防止できるようにしても構わない。また、対向配置された正極11と負極12との間に、シート状の固体電解質13を配置し、正極11と負極12によって固体電解質13が挟持された構成としても構わない。
正極11は、導電性の集電体と、この集電体表面に設けられた正極活物質とから構成されている。また、負極12は、導電性の集電体と、この集電体表面に設けられた負極活物質とから構成されている。
前記した正極活物質と負極活物質としては、特に限定されず公知のものが適用できる。
例えば、マンガン電池のように、正極活物質として二酸化マンガンを用い、負極活物質として亜鉛を用いることができる。また、アルカリ電池のように、正極活物質として二酸化マンガン,酸化水銀,酸化銀,オキシ水酸化ニッケルから選択された少なくとも1種又は2種以上を用い、負極活物質として亜鉛を用いることができる。
また、鉛蓄電池のように、正極活物質として二酸化鉛を用い、負極活物質として鉛を用いることができる。また、ニッカド電池のように、正極活物質としてオキシ水酸化ニッケルを用い、負極活物質としてカドミウムを用いることができる。
また、ニッケル水素電池のように、正極活物質としてオキシ水酸化ニッケルを用い、負極活物質として水素吸蔵合金を用いることができる。
次に、本発明の要旨となる固体電解質13について詳細に説明する。
図3(A)は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)(以下、PEDOT/PSSとも言う。)のコロイド水分散液を模式的に示す説明図であり、図3(B)は、図3(A)に示したPEDOT/PSSのコロイド水分散液に、界面活性剤23を添加してゲル化して得られた導電性高分子ゲル2の一例を模式的に示す説明図である。
図3(A)に示したように、PEDOT/PSSのコロイド水分散液は、水21中にPEDOT/PSS分子が分散している。このPEDOT/PSSのコロイド水分散液に、界面活性剤23を添加してゲル化条件に置くことにより図3(B)に示したように、界面活性剤23を介して3次元的なネットワークが形成され、その中に水21を包含して容易にゲル化し、導電性高分子ゲル2が得られる。
本発明の固体電解質13は、図3(B)に示したように、水21を主成分とし、導電性共役系高分子22、界面活性剤23及び/又はアルコールを含んでなる導電性高分子ゲル2と、この導電性高分子ゲル2に含有された電解質とから少なくとも構成されている。
この導電性高分子ゲル2は、導電性共役系高分子22自体が、界面活性剤23及び/又はアルコールによってゲル化して形成されたものであり、例えば特願2003−19120にて提案されたものなどが適用できる。
導電性共役系高分子22の一例であるPEDOT/PSSは、図2に示したように、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(以下、PEDOTとも言う。)に、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸(以下、PSSとも言う。)がドープされたものである。
図3に示したように、PEDOT/PSSのコロイド水分散液に、界面活性剤23(および/またはアルコール)を添加してゲル化条件に置くことによりゲル化するのは、物理的あるいは化学的に3次元的なネットワークが形成されることによるものと考えられ、また、得られたゲルが導電性を示すのは電子伝導性および/またはイオン伝導性によるものと考えられる。勿論これらの考え方に限定されるものではない。
前記導電性共役系高分子22としては、例えばポリアセチレン,ポリフェニレン,ポリピロール,ポリチオフェン,ポリフラン,ポリセレノフェン,ポリイソチアナフテン,ポリフェニレンスルフィド,ポリアニリン,ポリフェニレンビニレン,ポリチオフェンビニレン,ポリペリナフタレン,ポリアントラセン,ポリナフタリン,ポリピレン,ポリアズレン、およびこれらの誘導体から選択された少なくとも1つが挙げられるが、中でも、安定性や信頼性が高く、入手も容易であることから、ポリピロール又は図2に示したポリチオフェンが好適に用いられる。
前記導電性共役系高分子22は、ドーパントでドーピングされていることが好ましく、これにより導電性高分子ゲル2のキャリヤの濃度が高くなり、導電性を向上させることができる。
前記ドーパントとしては、例えばヨウ素,フッ化砒素,塩化鉄,過塩素酸,スルホン酸,パーフルオロスルホン酸,ポリスチレンスルホン酸,硫酸,塩酸,硝酸、およびこれらの誘導体から選択された少なくとも1つが挙げられるが、中でも、高い導電性を容易に調整できることから、ポリスチレンスルホン酸が好ましい。
前記導電性共役系高分子22のコロイド分散液としては、具体的には、例えば、3,4−エチレンジオキシチオフェンをトルエンスルホン酸鉄(III)などの触媒の存在下で重合して得られるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)コロイド水分散液(以下、PEDOT/PSSと称す)(商品名:BaytronP、導電性ポリマー(PEDOT/PSS)の濃度約1.3質量%、バイエル社製)を挙げることができる。
前記界面活性剤23としては、特に限定されるものではなく、公知のカチオン性界面活性剤,アニオン性界面活性剤,両性界面活性剤,非イオン性界面活性剤あるいはこれらの2種以上の混合物から選択された少なくとも1つの界面活性剤を用いることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば第4級アルキルアンモニウム塩,ハロゲン化アルキルピリジニウムなどを挙げることができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸またはそのエステル塩,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸またはその塩,アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩,アルキルナフタレンスルホン酸またはその塩,アルキルスルホコハク酸またはその塩,アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸またはその塩,脂肪酸またはその塩,ナフタレンスルホン酸またはそのホルマリン縮合物などを挙げることができる。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン,アミンオキサイド,加水分解コラーゲンなどを挙げることができる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシアルキレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレン,ソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンルビトール脂肪酸エステル,ポリオキシエチレン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレン硬化ひまし油,ポリオキシエチレンアルキルアミン,アルキルアルカノールアミド、あるいはこれらの誘導体などを挙げることができる。
これらの界面活性剤23の中でも、長鎖アルキルベンゼンスルホン酸がゲル化効率が向上するため特に好ましく使用できる。
本発明で用いる界面活性剤23の導電性高分子ゲル2中の添加量は、特に限定されるものではないが、通常、導電性高分子1質量部に対して0.1〜30質量部が好ましく、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。
0.1質量部未満ではゲル化しない恐れがあり、30質量部を超えるとやはりゲル化しない恐れがあり好ましくない。
前記アルコールとしては、特に限定されるものではなく、公知の1価アルコールおよび多価アルコールあるいはこれらの2種以上の混合物から選択された少なくとも1つのアルコールを用いることができる。
1価アルコールとしては、例えば、エタノール,イソプロピルアルコール,ブタノールなどの分枝状あるいは直鎖状アルコール,環状アルコール,ポリマー状アルコールあるいはこれらの2種以上の混合物などを挙げることができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール,プロピレングリコールなどのグリコール類、グリセリン,エリスリトール,キシリトール,ソルビトールなどの鎖状多価アルコール、グルコース,スクロールなどの環状多価アルコール、ポリエチレングリコール,ポリビニルアルコールなどのポリマー状多価アルコールあるいはこれらの2種以上の混合物などを挙げることができる。
これらのアルコールの中でも、イソプロピルアルコール,エチレングリコール,ポリエチレングリコールが好ましく使用できるが、中でも多価アルコールであるエチレングリコールやポリエチレングリコールは次の理由から好適である。エチレングリコールは低濃度でもゲル化させる効果があり、また、揮発性がないため特に好ましく使用できる。また、ポリエチレングリコールの分子量は特に限定されないが、分子量400のものより分子量1000のものの方が添加量が少なくてもゲル化するので好ましい。
本発明で用いるアルコールの導電性高分子ゲル2中の濃度は、特に限定されるものではないが、通常、導電性高分子1質量部に対して1〜70質量部が好ましく、さらに好ましくは10〜50質量部である。
1質量部未満ではゲル化しない恐れがあり、70質量部を超えると薄くなり過ぎてやはりゲル化しない恐れがあり好ましくない。
本発明において界面活性剤23とアルコールは、単独で使用することができるが、両者を任意の割合で組み合わせて使用することもできる。
本発明において界面活性剤23とアルコールを併用する場合の両者の比率は特に限定されるものではない。
導電性共役系高分子22を、界面活性剤23および/またはアルコールによってゲル化する方法としては、以下の方法が適用できる。
まず、導電性共役系高分子22を、水21中にコロイド状に分散させたコロイド分散液および/または導電性共役系高分子溶液に、添加物として前記した界面活性剤23および/またはアルコールを気泡などが発生しないように注ぎ入れて添加する。
次いで、通常の大気圧雰囲気にある開放空間あるいは密閉空間内に、所定時間振動が加わらない状態で放置(以下、静置と称する)する。
以上により、3次元的なネットワークが形成されて容易にゲル化し、導電性高分子ゲル2が安定して得られる。
ここで、前記導電性共役系高分子溶液は、前記導電性共役系高分子22を例えば水あるいは有機溶剤などに溶解したものである。本発明において導電性共役系高分子コロイド分散液や導電性共役系高分子溶液は、単独で使用することができるが、両者を任意の割合で組み合わせて使用することもできる。
本発明の固体電解質13では、前記導電性高分子ゲル2に内包される水21に電解質成分が溶解されており、前記水21が電解液として導電性高分子ゲル2に含有されている。
前記電解質成分としては、特に限定されず、正極活物質や負極活物質に応じて公知のものが適用できる。例えば、塩化亜鉛,塩化アンモニウム,希硫酸,水酸化カリウム等の水系電解液用の電解質成分、臭素化リチウム,過塩素酸リチウム,トリフルオロメタンスルホン酸リチウム,チオシアン酸カリウム,六フッ化リン酸リチウム,六フッ化砒酸リチウム等の有機非水系電解液用の電解質成分(有機酸塩等)、四塩化リチウムアルミニウム等の無機非水系電解液用の電解質成分、炭酸リチウム−塩化カリウム共融体混合等の溶融塩、β−アルミナ等の固体電解質等が挙げられる。
前述したように、導電性高分子ゲル2では、導電性共役系高分子22同士が界面活性剤23および/またはアルコールによって繋がって3次元的なネットワークが形成され、その中に電解質成分を含有した水21(電解液)が包含される。このため、導電性高分子ゲル2は、電解液を内包したまま固体状態を保持することができる。
本発明の固体電解質13によると、導電性高分子ゲル2の導電性共役系高分子22が導電性をもたらすことにより、たとえ水の凝固点以下の温度域で使用されても、電子伝導が機能するので良好な導電性が確保される。ゆえに、本発明の固体電解質13は、外気が水の凝固点以下となるような厳しい条件下で使用した際にも安定した導電性が求められる各種電池1における出力特性の安定性の向上に寄与する。
更に、水の凝固点よりも高い温度域とした雰囲気に晒された場合、電子伝導に加えてイオン伝導も機能することにより、一段と優れた導電性が得られる。
また、導電性高分子ゲル2のイオン伝導性や電子伝導性は、その分子構造に由来している。このため、導電性共役系高分子22,界面活性剤23及び/又はアルコール,ドーパントとして用いられる化学種を適宜選択し、またドーパントの含有量を調整することによって、所望の導電率が得られるように導電性高分子ゲル2のイオン伝導性と電子伝導性を調整することができる。
本発明に係る電池1によれば、前記本発明の固体電解質13が用いられたことによって、特に外気が水の凝固点以下となるような厳しい条件下において、安定して優れた出力特性(低温度特性)が得られる。
以下に、本発明に係る具体例を示すが、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
(実施例1)
本例では、導電性共役系高分子コロイド分散液であるPEDOT/PSS[商品名:Baytron P、導電性ポリマー(PEDOT/PSS)の濃度約1.3質量%コロイド水分散液、バイエル社製]100質量部に、添加物としてエチレングリコール(Ethyleneglycol:(CHOH):以下、EGと略記する)を30質量部と、電解質成分(電解質)としてトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(Trifluoromethanesulfonic Acid Lithium Salt:CFSOLi:以下、TFMS−Liと略記する)を5質量部添加して混合し、約10分間攪拌した後に、静置温度10℃、25℃および50℃にて、開放放置して1週間静置することにより、静置温度の異なる試料(固体電解質)を個別に作製した。
(実施例2)
本例では、電解質成分としてTFMS−Liに代えてトリフルオロメタンスルホン酸銀(Trifluoromethanesulfonic Acid Silver Salt:CFSOAg:以下、TFMS−Agと略記する)を用い、その添加量を5質量部とした以外は実施例1と同様に操作し、静置温度10℃、25℃および50℃にて、静置温度の異なる試料を個別に作製した。
(実施例3)
本例では、添加物としてドデシルベンゼンスルホン酸(Dodecylbenzene sulfonic acid:(C1225SOH): 以下、DBSとも称す)からなる界面活性剤を用い、その添加量を2質量部とし、さらに電解質成分を添加した場合について述べる。
添加物としてEGの代わりに、DBSを用い、その添加量を2質量部とし、更に電解質成分としてTFMS−Liを用い、その添加量を5質量部とし、静置する際に開放放置した以外は実施例1と同様に操作し、静置温度10℃、25℃および50℃にて、静置温度の異なる試料を個別に作製した。
(実施例4)
本例では、電解質成分としてTFMS−Liに代えてTFMS−Agを用い、その添加量を5質量部とした以外は実施例3と同様に操作し、静置温度10℃、25℃および50℃にて、静置温度の異なる試料を個別に作製した。
実施例1乃至実施例4において、個々の静置温度で得られた試料につき、ゲル化の度合いを調べた。その際、ゲル化の判定基準として、次に述べる三水準(○印、△印、×印)を用いた。○印は固化し、自立できる状態のものが得られた場合を、△印は固化はしないが、高粘度のものが得られた場合を、×印は前述の二水準(○印、△印)に該当しない場合を、それぞれ示す。
また、上記○印のゲルが得られた場合、放置温度50℃の試料を用いて以下に示した電位差の測定法を実施し、ゲルの電位差を調べた。
まず、ゲルを絶縁性材料からなる容器、例えばビーカーに移し、電極として銅板とアルミ板を1cm程度間隔を開けて、ゲルに差し込み固定する。
次に、電極をなす両板と銅製のリード線を介して、テスターを連結し、測定回路を形成する。
そして、測定回路を接続した直後に得られた電位を、テスターで読み取る。
表1にゲル化の判定結果と電位差の測定結果を纏めて示した。
なお、同じ測定法により蒸留水の電位差を測定したところ、100mVであった。
Figure 0004628668
表1より、以下の点が明らかとなった。
(a)放置温度が10℃および25℃の条件下では何れの添加量でもゲル化させることはできない。
(b)放置温度が50℃の条件下においては、いずれの実施例(実施例1乃至実施例4)においてもゲル化させることができ、固化し、自立できる状態のゲル(固体電解質)が得られた。
(c)EGからなる添加物に、TFMS−Liからなる電解質成分を添加して得られたゲル(実施例1)における電位差は蒸留水と変わらない。しかし、電解質成分をTFMS−Agに代えて得られたゲル(実施例2)の電位差は3倍に増加した。
(d)DBSからなる添加物に、TFMS−Liからなる電解質成分を添加して得られたゲル(実施例3)における電位差は5割ほど増えた。そして、電解質成分をTFMS−Agに代えると、電位差は大幅に増加し4倍となった。
以上の結果から、前記(c)に示したように、導電性高分子ゲル2は、電解質成分が溶解された水21(電解液)を内包したまま固体状態を保持することができる。このため、この導電性高分子ゲル2を固体電解質13として電池1に適用した場合、電解液の液漏れを抑制でき、電池1の安全性を向上させることができる。
また、開放放置条件下において、添加物としてEGまたはDBSの界面活性剤23と、TFMS−LiまたはTFMS−Agの電解質成分を用いた場合は、安定したゲル化が可能であることが分かった。また、電解質の添加は、電位差の向上をもたらし、特にTFMS−Agからなる電解質を加えた場合にその効果が顕著であることが確認された。
このため、導電性高分子ゲル2を電池1の固体電解質13として適用した場合、一次電池又は二次電池として利用できる。
本発明の固体電解質は、たとえ水の凝固点以下の温度域で使用されても、良好な導電性が確保されるため、低温度特性に優れた電池として利用できる。
本発明の電池の一例を示す概略断面図である。 導電性共役系高分子の分子構造の一例を示す模式図である。 (A)は、PEDOT/PSSのコロイド水分散液を模式的に示す説明図であり、(B)は、本発明の導電性高分子ゲルの一例を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1‥‥電池、2‥‥導電性高分子ゲル、11‥‥正極、12‥‥負極、13‥‥固体電解質、21‥‥水、22‥‥導電性共役系高分子、23‥‥界面活性剤。

Claims (3)

  1. 正極と、負極と、前記正極と前記負極の間に配された固体電解質とを少なくとも備え、前記正極と前記負極の間に、前記正極および前記負極と離隔し、かつ、前記固体電解質を2つの領域に分ける多孔膜のセパレータが設けられた電池において、
    前記固体電解質が、水を主成分とし、導電性共役系高分子、界面活性剤および/またはアルコールを含んでなる導電性高分子ゲルと、該導電性高分子ゲルに含有された電解質とから少なくとも構成されてなり、
    前記導電性高分子ゲルは、前記導電性共役系高分子自体が前記界面活性剤および/または前記アルコールによってゲル化して形成されたものであり、
    前記導電性共役系高分子は、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸がドープされたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)であることを特徴とする電池。
  2. 前記界面活性剤は、長鎖アルキルベンゼンスルホン酸であることを特徴とする請求項1に記載の電池。
  3. 前記アルコールは、エチレングリコールまたはポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項1または2に記載の電池。
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