JP4628297B2 - 電子部品収容用トレイ - Google Patents
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Description
例えば図9に示すトレイ32は平板状であって、多数のポケット31を有しており、ワーク33(圧電振動子などの電子部品)をそれぞれ個別に収容している。
なお、上記ワークとしては、例えばセラミック、合成樹脂、非鉄金属、ガラス等よりなる上部部材33aたるパッケージの下部に、ガラス、非鉄金属、合成樹脂等を主材とする下部部材33bたるリッドを接着したものがある。
接着剤34としては、物理的接着を行うための、例えば低融点ガラス等の非金属鉱物系のものやエポキシ樹脂等の合成樹脂系のものもあれば、電子的な接合を行うための半田、ギン蝋等の金属系のものもある。
また接着剤34が内壁31aに付着した状態では、ポケット31にワーク33を出し入れする際の障碍となり、ワーク33に対する加工の際の位置決め精度の低下、すなわち不良品発生の原因となり、ワーク33の破損やトレイ32表面に傷が生成する原因となるおそれもある。
しかし、内壁31aが規制するワーク33の側面から接着剤34がはみ出す以上、どうしても内壁31aに接着剤が付着することは免れ得ないので、さらにポケット31から接着剤を除去しやすいようにする必要がある。
またあわせて、上記構成を備えたトレイを容易かつ安価に生産可能とすることを目的とする。
また第一パネルまたは第二パネルに形成した後退部によって横溝部を構成したことから、パネルに対するスラスト方向の加工とすることができ、フライス加工ではなく検索加工やプレス、射出成型などの加工方法を用いることができるため、生産コストの低減を図ることができる。
これによりワークをポケットに挿入しやすく、かつ確実にワークの水平移動を規制することができる。
したがって、接着剤の付着によるトレイの汚染やワークの出し入れの際におけるワークやトレイの損傷が防止され、ワーク加工を円滑に行うことができる。
以下、本発明に係る電子部品収容用トレイの実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本実施例に係るトレイの正面図、図2はトレイの分解斜視図、図3はポケットの拡大平面図、図4は図3のA−A断面図、図5および図6は他の構成を説明する図である。
そして上記第一パネル10と第二パネル11とは、例えば第二パネル11に設けたピン11aを第一パネル10に設けたボス孔10aと嵌合させることにより位置決めすることができるように構成してある。
トレイ1へのワークの出し入れは原則として自動機により行われるが、上記切欠部4aを設けることにより作業員がピンセット等の治具を用いることによってもワークを出し入れできるようになっている。
後退部6の外形は、少なくとも上縁部が貫通孔4の内側面よりも外側に拡げられた形状となっていて、ワーク2をスムースに案内して位置決めできるよう下細りのテーパー状に形成してある。
なお後退部6の形状は長方形に図示しているが、本発明はこれに限定するものではなく、楕円や円形などであっても良く、また第一パネルにおける貫通孔4のように切欠4aを設ける場合もある。
一方、抜き孔5は、収容するワーク2の外形よりも小さくなっており、ワーク2が脱落しないよう構成されている。
すなわち、第一パネル10の貫通孔4と、第二パネル11の内底部5aとによって、ポケット3が形成されている。
また貫通孔4の内壁4bの上部には上方に向かって外側に拡がる傾斜面4cが形成されており、該傾斜面4cの下辺部と横溝部4dの上辺部との間にある内壁4b(内側に突出した部分)でワーク2の水平動規制手段を構成している。傾斜面4cはポケット3にワーク2を収容する際に円滑に案内するために付したものであり、垂直軸に対して例えば3°程度の傾斜としてある。
図5に示すのは第一パネル10の貫通孔4の周囲に後退部7を設けた例であって、さらに後退部7は下方に向かって外側に広がる傾斜面に形成してあって、後退部7の傾斜は、傾斜面がワーク2からはみ出した接着剤2cと接触しない程度の傾斜、例えば垂直軸に対して10°程度の傾斜とすることができる。
この傾斜はワーク2の寸法や上部部材2aと下部部材2bとの接合部の上下方向の位置、およびワーク2の周辺部からはみ出すことが予想される接着剤2cのはみ出し寸法に応じて適宜設定する。
また第一パネル10と第二パネル11とを分離して洗浄することが可能であるため、ポケット3の内部、特に横溝部4dの内部に接着剤が付着してしまった場合であっても、極めて容易に洗浄することができる。
これらのことから、トレイ1の清浄度を常に高く維持し、ワーク2のポケット3への出し入れおよび正確な位置決めを円滑に行うことが可能な電子部品収容用のトレイを提供することができる。したがって、接着剤2cの付着によるトレイ1の汚染やワーク2の出し入れの際におけるワーク2やトレイ1の損傷が防止され、ワーク加工を円滑に行うことができる。
なお、第一パネル10と第二パネル11とを分離不能に固着してしまう構成であっても、生産コストの低減という発明の利益は得ることができる。
本発明に係る電子部品収容用トレイの第2実施例について説明する。
図7は本実施例に係るトレイの分解斜視図、図8はポケット部分の断面図であって、上記第1実施例と説明の重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
ここで後退貫通孔9の外形は後退部6の外形に対応し、後退部6の深さが第三パネル12の厚みに対応している。
2 ワーク
2a 上部部材
2b 下部部材
2c 接着剤
3 ポケット
4 貫通孔
4a 切欠部
4b 内壁
4c 傾斜面
4d 横溝部
5 抜き孔
5a 内底部
6 後退部
7 後退部
8 トレイ
9 後退貫通孔
10 第一パネル
10a ボス孔
11 第二パネル
11a ピン
12 第三パネル
31 ポケット
31a 内壁
32 トレイ
33 ワーク
33a 上部部材
33b 下部部材
34 接着剤
Claims (4)
- 電子部品を個別に収容するポケットを多数有するトレイであって、前記トレイは複数枚のパネルを重ねてなり、第一パネルは多数の貫通孔を有し、該貫通孔の内側面によって前記ポケットにおける電子部品の水平方向の動きを規制する水平動規制手段を構成し、第二パネルは前記貫通孔に対向する部位に前記ポケットにおける電子部品の底部を支承する支持手段を有し、かつ、前記第一パネルまたは第二パネルのいずれか一方または両方に、前記水平動規制手段よりも外側に拡げられた後退部を形成したことにより、前記第一パネルと第二パネルとを重ね合わせた際に前記水平動規制手段と前記支持手段との間に前記後退部により横溝部が構成され、ポケット内に収容した電子部品からこの電子部品の製造の際に使用した接着剤がはみ出しても前記横溝部が接着剤の逃げとなって接着剤がトレイに付着しにくいように構成したことを特徴とする電子部品収容用トレイ。
- 電子部品を個別に収容するポケットを多数有するトレイであって、前記トレイは複数枚のパネルを重ねてなり、第一パネルは多数の貫通孔を有し、該貫通孔の内側面によって前記ポケットにおける電子部品の水平方向の動きを規制する水平動規制手段を構成し、第二パネルは前記貫通孔に対向する部位に前記ポケットにおける電子部品の底部を支承する支持手段を有し、第三パネルは前記第一パネルと第二パネルとの間に配置され、前記貫通孔に対向する位置において前記水平動規制手段よりも外側に拡げられた後退貫通孔を有し、前記第一ないし第三パネルを重ね合わせた際に、前記水平動規制手段と前記支持手段との間に前記後退貫通孔により横溝部が構成され、ポケット内に収容した電子部品からこの電子部品の製造の際に使用した接着剤がはみ出しても前記横溝部が接着剤の逃げとなって接着剤がトレイに付着しにくいように構成したことを特徴とする電子部品収容用トレイ。
- 前記複数枚のパネルは分離可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子部品収容用トレイ。
- 前記第一パネルにおいて、前記貫通孔の内壁の上部には上方に向かって外側に拡がる傾斜面をなし、該傾斜面の下辺部と前記横溝部の上辺部との間における内側に突出した部分で前記水平動規制手段を構成してなる請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電子部品収容用トレイ。
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