JP4627083B2 - 液晶レンズ、光ピックアップ、情報記録装置及び情報再生装置 - Google Patents

液晶レンズ、光ピックアップ、情報記録装置及び情報再生装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば外部電圧により焦点を変えることができる液晶レンズ、このような液晶レンズを備える光ピックアップ、並びにこのような光ピックアップを備える情報記録装置及び情報再生装置の技術分野に関する。
二枚の透明電極にて液晶材料を挟んだ構造の液晶レンズが考案されている。液晶レンズは、通常の受動型の光学素子とは異なり、媒質である液晶材料の屈折率を電圧印加により比較的容易に可変制御できるため、焦点を任意に変えることができる。また、フレネルレンズ状基板内に封入された液晶分子の配向方向を電気的に制御して、液晶分子の屈折率を異常光に対する値から常光に対する値まで連続的に変化させることで、焦点を調節する液晶レンズも考案されている。また、第1の電極と孔を有する第2の電極との間に液晶材料を収容し且つ孔を有する第2の電極と液晶材料との間に絶縁層を設けることで、簡単な構造で極めて容易に且つ迅速に焦点を可変制御できる液晶レンズも考案されている(特許文献1参照)。
特開2004−4616号公報
しかしながら、上述した従来の液晶レンズは、入射する光に対して凸レンズのように作用することはできても、凹レンズやフレネルレンズ等のように作用することはできなかった。従って、単純な凸レンズ以外のレンズが必要な場合には、電気的に焦点を変えることができる液晶レンズを用いることができないという問題点を有している。
本発明が解決しようとする課題は上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、電気的に焦点を変えることができる液晶レンズ、このような液晶レンズを備える光ピックアップ、並びにこのような光ピックアップを備える情報記録装置及び情報再生装置を提供することを課題とする。
以下、本発明の液晶レンズ、光ピックアップ、情報記録装置及び情報再生装置について説明を進める。
(液晶レンズ)
本発明の液晶レンズは、第1電極が形成されている第1電極層と、液晶層と、前記液晶層を挟んで前記第1電極と互いに対向し且つ前記第1電極との間に所定の電圧が印加される第2電極が形成されている第2電極層とを少なくとも備え、前記液晶層内での電位差が中央付近と外周部で異なる。
本発明の液晶レンズによれば、第1電極と第2電極との間に液晶材料が収容されている。第1電極と第2電極との間に所定の電圧が印加されることで、液晶分子の配向状態を変化させることができ、その結果液晶材料の屈折率を変化させることができる。これにより、液晶レンズ全体としての焦点を変化させることができる。また、初期状態における液晶分子の配向状態を調整することで、第1電極と第2電極との間に電圧を印加しない場合等に、当該液晶レンズをガラスとして作用させることができる。
本発明では特に、電圧の印加によって液晶レンズ中に生ずる電位分布において、第1電極の付近で液晶層での電位差が最も大きくなり、第1電極から遠ざかるにつれて、液晶層での電位差は小さくなっていく。その結果、本発明に係る液晶レンズを、凹レンズとして作用させることができる。これにより、本発明に係る液晶レンズは、電気的に焦点を変えることができ且つ凹レンズとして作用することができる。
本発明の液晶レンズの一の態様は、前記第1電極は、前記第2電極と対向する位置に当該第2電極の形状に対して外周端部を除いた形状に形成されている。
この態様によれば、第1電極は、第2電極の形状に対して外周端部を除いた形状に形成されている。即ち、第1電極は、第1電極層の中心部に例えば島状の形状を有して形成されている。尚、本発明における「外周端部」とは、まさに第2電極の外側の端の部分を示す他、その端の部分にある程度近接する部分をも含んでいる。
このような第1電極と第2電極との間に所定の電圧を印加すれば、後にグラフを用いて詳細に説明するように液晶層内においては第1電極付近において(即ち、第1電極層の中心部下において)最も大きな電位差が発生し、第1電極から離れるにつれて(即ち、第1電極層の外周端部に近づくにつれて又は第1電極から離れるにつれて)電位差が小さくなる。その結果、本発明に係る液晶レンズを、凹レンズとして作用させることができる。これにより、本発明に係る液晶レンズは、電気的に焦点を変えることができ且つ凹レンズとして作用することができる。
上述の如く、第1電極が、第2電極と対向する位置に第2電極の形状に対して外周端部を除いた形状に形成されている液晶レンズの態様では、前記第1電極層の前記外周端部に、前記電圧が印加されない第1ダミー電極が形成されているように構成してもよい。
このように構成すれば、第1ダミー電極が形成されることで、第1電極が第1電極層の一部に形成されないことに起因して生じ得る各種の悪影響を好適に排除することができる。
上述の如く第1ダミー電極が形成されている液晶レンズの態様では、前記第1ダミー電極の光の透過率は、前記第1電極の光の透過率と略同一であるように構成してもよい。
このように構成すれば、第1ダミー電極が形成されることで、第1電極が第1電極層の一部に形成されないことに起因して生じ得る液晶レンズの部分的な光の透過率のバラツキを好適に防ぐことができる。従って、より好適な光学特性を有する液晶レンズを実現することができる。
上述の如く第1ダミー電極が形成されている液晶レンズの態様では、前記第1ダミー電極の光の屈折率は、前記第1電極の光の屈折率と略同一であるように構成してもよい。
このように構成すれば、第1ダミー電極が形成されることで、第1電極が第1電極層の一部に形成されないことに起因して生じ得る液晶レンズの部分的な光の屈折率のバラツキを好適に防ぐことができる。従って、より好適な光学特性を有する液晶レンズを実現することができる。
上述の如く、第1電極が、第2電極と対向する位置に第2電極の形状に対して外周端部を除いた形状に形成されている液晶レンズの態様では、前記第2電極は、前記第2電極層のうち前記第1電極と対向する中心部を除く外周端部に形成されているように構成してもよい。
このように構成すれば、液晶レンズ内における電位は、液晶レンズの断面において液晶層の中央付近と外周部との電位差が大きくなる傾向がより強くなる。その結果、本発明に係る液晶レンズを、凹レンズとして好適に作用させることができる。これにより、本発明に係る液晶レンズは、電気的に焦点を変えることができ且つ凹レンズとして好適に作用することができる。
上述の如く第2電極層の外周端部に第2電極が形成されている液晶レンズの態様では、前記第2電極層の前記中心部に、前記電圧が印加されない第2ダミー電極が形成されているように構成してもよい。
このように構成すれば、第2ダミー電極が形成されることで、第2電極が第2電極層の一部に形成されないことに起因して生じ得る各種悪影響を好適に排除することができる。
上述の如く第2ダミー電極が形成されている液晶レンズの態様では、前記第2ダミー電極の光の透過率は、前記第2電極の光の透過率と略同一であるように構成してもよい。
このように構成すれば、第2ダミー電極が形成されることで、第2電極が第2電極層の一部に形成されないことに起因して生じ得る液晶レンズの部分的な光の透過率のバラツキを好適に防ぐことができる。従って、より好適な光学特性を有する液晶レンズを実現することができる。
上述の如く第2ダミー電極が形成されている液晶レンズの態様では、前記第2ダミー電極の光の屈折率は、前記第2電極の光の屈折率と略同一であるように構成してもよい。
このように構成すれば、第2ダミー電極が形成されることで、第2電極が第2電極層の一部に形成されないことに起因して生じ得る液晶レンズの部分的な光の屈折率のバラツキを好適に防ぐことができる。従って、より好適な光学特性を有する液晶レンズを実現することができる。
上述の如く、第1電極が、第2電極と対向する位置に第2電極の形状に対して外周端部を除いた形状に形成されている液晶レンズの態様では、前記第1電極層の前記外周端部を除く中心部における当該液晶レンズ全体の光の透過率は、前記第1電極層の前記外周端部における当該液晶レンズ全体の光の透過率と略同一であるように構成してもよい。
このように構成すれば、第1電極が第1電極層の一部に形成されない或いは第2電極が第2電極層の一部に形成されないことに起因して生じ得る液晶レンズの部分的な光の透過率のバラツキを好適に防ぐことができる。より具体的には、第1電極が形成されている部分と、第1電極が形成されていない部分との位置関係や夫々の部分の占める割合等を考慮して、例えば好適な透過率を有する第1ダミー電極を形成すれば、液晶レンズの部分的な光の透過率のバラツキを好適に防ぐことができる。更に、第2電極が第2電極層の一部に形成されない場合には、第1電極が形成されている部分及び第1電極が形成されていない部分の夫々に加えて、第2電極が形成されている部分及び第2電極が形成されていない部分の夫々との位置関係や夫々の部分の占める割合等をも考慮して、例えば夫々好適な透過率を有する第1ダミー電極或いは第2ダミー電極を形成すれば、液晶レンズの部分的な光の透過率のバラツキを好適に防ぐことができる。従って、より好適な光学特性を有する液晶レンズを実現することができる。
上述の如く、第1電極が、第2電極と対向する位置に第2電極の形状に対して外周端部を除いた形状に形成されている液晶レンズの態様では、前記第1電極層の前記外周端部を除く中心部における当該液晶レンズ全体の光の屈折率は、前記第1電極層の前記外周端部における当該液晶レンズ全体の光の屈折率と略同一であるように構成してもよい。
このように構成すれば、液晶レンズの透過率の場合と同様の態様で第1ダミー電極或いは第2ダミー電極を形成する個とで、第1電極が第1電極層の一部に形成されない或いは第2電極が第2電極層の一部に形成されないことに起因して生じ得る液晶レンズ全体の光の屈折率のバラツキを好適に防ぐことができる。従って、より好適な光学特性を有する液晶レンズを実現することができる。
上述の如く、第1電極が、第2電極と対向する位置に第2電極の形状に対して外周端部を除いた形状に形成されている液晶レンズの態様では、前記第1電極は、複数のサブ電極を含んでいるように構成してもよい。
このように構成すれば、複数のサブ電極の夫々に印加する電圧の強度を調整することで、より細かな部分において、液晶レンズ内における電位分布を制御することができる。その結果、本発明に係る液晶レンズを、凹レンズとして好適に作用させることができる。これにより、本発明に係る液晶レンズは、電気的に焦点を変えることができ且つ凹レンズとして好適に作用することができる。
上述の如く、第1電極が、第2電極と対向する位置に第2電極の形状に対して外周端部を除いた形状に形成されている液晶レンズの態様では、前記第1電極の形状は、略円形であるように構成してもよい。
このように構成すれば、液晶レンズ内における電位は、液晶レンズの断面において液晶層の中央付近と外周部との電位差が大きくなる傾向がより強くなる。その結果、本発明に係る液晶レンズを、凹レンズとして好適に作用させることができる。これにより、本発明に係る液晶レンズは、電気的に焦点を変えることができ且つ凹レンズとして好適に作用することができる。
本発明の液晶レンズの他の態様は、前記第1電極と互いに対向し且つ中央部に開孔を有する第3電極が形成されている第3電極層を更に備え、前記第2電極は、前記液晶層を挟んで前記第3電極と互いに対向し且つ中央部に開孔を有しており、前記第2電極の前記開孔の大きさが、前記第3電極の前記開孔の大きさよりも大きい。
この態様によれば、第2電極と第3電極との間に液晶材料が収容されている。第1電極、第2電極及び第3電極の夫々或いは少なくとも一つに所定の電圧が印加されることで、液晶材料中の液晶分子の配向状態を変化させることができ、その結果液晶材料の屈折率を変化させることができる。これにより、液晶レンズ全体としての焦点を変化させることができる。また、初期状態における液晶分子の配向状態を調整することで、第1電極、第2電極及び第3電極の夫々に電圧を印加しない場合等に、当該液晶レンズをガラスとして作用させることができる。
本発明では特に、第2電極及び第3電極の夫々は、それらの中央部付近に開孔を有している。即ち、第2電極及び第3電極の夫々は、中央部がくり抜かれた形状を有している。そして、第2電極の開孔の大きさ(例えば、開孔の半径や面積等)は、第3電極の開孔の大きさよりも大きい。
このような構成を有する液晶レンズにおいて、第1電極、第2電極及び第3電極の夫々或いは少なくとも一つに所定の電圧を印加すれば、液晶層内においては第1電極付近において(即ち、第1電極層の中心部下において)最も大きな電位差が発生し、第1電極から離れるにつれて(即ち、第1電極層の外周端部に近づくにつれて又は第1電極から離れるにつれて)電位差が小さくなる。その結果、本発明に係る液晶レンズを、凹レンズとして作用させることができる。これにより、本発明に係る液晶レンズは、電気的に焦点を変えることができ且つ凹レンズとして作用することができる。
そして特に、第2電極及び第3電極の夫々が開孔を有し且つ第2電極の開孔の大きさを第3電極の開孔の大きさよりも大きくすることで、液晶レンズ内における電位の分布の態様を、二乗曲線により近づけることができる。つまり、液晶レンズの断面のより広い範囲において、電位の分布の態様を二乗曲線に近づけることができる。これにより、電位の分布にある程度の勾配を持たせることができるため、液晶レンズのパワーを強くすることができる。これにより、液晶レンズの焦点距離を短くすることができる。
上述の如く第3電極層を備える液晶レンズの態様では、前記第3電極の前記開孔に、電圧が印加されない第1ダミー電極が形成されているように構成してもよい。
このように構成すれば、第1ダミー電極が形成されることで、第3電極が開孔を有することに起因して生じ得る各種の悪影響を好適に排除することができる。
上述の如く第1ダミー電極が形成されている液晶レンズの態様では、前記第1ダミー電極の光の透過率は、前記第3電極の光の透過率と略同一であるように構成してもよい。
このように構成すれば、第1ダミー電極が形成されることで、第3電極が開孔を有することに起因して生じ得る液晶レンズの部分的な光の透過率のバラツキを好適に防ぐことができる。従って、より好適な光学特性を有する液晶レンズを実現することができる。
上述の如く第1ダミー電極が形成されている液晶レンズの態様では、前記第1ダミー電極の光の屈折率は、前記第3電極の光の屈折率と略同一であるように構成してもよい。
このように構成すれば、第1ダミー電極が形成されることで、第3電極が開孔を有することに起因して生じ得る液晶レンズの部分的な光の屈折率のバラツキを好適に防ぐことができる。従って、より好適な光学特性を有する液晶レンズを実現することができる。
上述の如く第3電極層を備える液晶レンズの態様では、前記第2電極の前記開孔に、電圧が印加されない第2ダミー電極が形成されているように構成してもよい。
この態様によれば、第2ダミー電極が形成されることで、第2電極が開孔を有することに起因して生じ得る各種の悪影響を好適に排除することができる。
上述の如く第2ダミー電極が形成されている液晶レンズの態様では、前記第2ダミー電極の光の透過率は、前記第2電極の光の透過率と略同一であるように構成してもよい。
このように構成すれば、第2ダミー電極が形成されることで、第2電極が開孔を有することに起因して生じ得る液晶レンズの部分的な光の透過率のバラツキを好適に防ぐことができる。従って、より好適な光学特性を有する液晶レンズを実現することができる。
上述の如く第2ダミー電極が形成されている液晶レンズの態様では、前記第2ダミー電極の光の屈折率は、前記第2電極の光の屈折率と略同一であるように構成してもよい。
このように構成すれば、第2ダミー電極が形成されることで、第2電極が開孔を有することに起因して生じ得る液晶レンズの部分的な光の屈折率のバラツキを好適に防ぐことができる。従って、より好適な光学特性を有する液晶レンズを実現することができる。
上述の如く第3電極層を備える液晶レンズの態様では、前記第3電極層のうちの前記開孔が形成されている部分に対応する当該液晶レンズ全体の光の透過率は、前記第3電極層のうちの前記開孔が形成されている部分を除く部分に対応する当該液晶レンズ全体の光の透過率と略同一であるように構成してもよい。
この様に構成すれば、第3電極が開孔を有することに起因して生じ得る液晶レンズの部分的な光の透過率のバラツキを好適に防ぐことができる。より具体的には、第3電極が形成されている部分と、第3電極が形成されていない部分(即ち、開孔が形成されている部分)との位置関係や夫々の部分の占める割合等を考慮して、例えば好適な透過率を有する第1ダミー電極等を形成すれば、液晶レンズの部分的な光の透過率のバラツキを好適に防ぐことができる。従って、より好適な光学特性を有する液晶レンズを実現することができる。
上述の如く第3電極層を備える液晶レンズの態様では、前記第2電極層のうちの前記開孔が形成されている部分に対応する当該液晶レンズ全体の光の透過率は、前記第2電極層のうちの前記開孔が形成されている部分を除く部分に対応する当該液晶レンズ全体の光の透過率と略同一であるように構成してもよい。
このように構成すれば、第2電極が開孔を有することに起因して生じ得る液晶レンズの部分的な光の透過率のバラツキを好適に防ぐことができる。より具体的には、第3電極が形成されている部分と、第2電極が形成されていない部分(即ち、開孔が形成されている部分)との位置関係や夫々の部分の占める割合等を考慮して、例えば好適な透過率を有する第2ダミー電極等を形成すれば、液晶レンズの部分的な光の透過率のバラツキを好適に防ぐことができる。従って、より好適な光学特性を有する液晶レンズを実現することができる。
上述の如く第3電極層を備える液晶レンズの態様では、前記第2電極の前記開孔及び前記第3電極の前記開孔は、略円形の形状を有しているように構成してもよい。
このように構成すれば、液晶レンズ内における電位は、液晶レンズの断面において液晶層の中央付近と外周部との電位差が大きくなる傾向がより強くなる。その結果、本発明に係る液晶レンズを、焦点距離の短い凹レンズとして好適に作用させることができる。これにより、本発明に係る液晶レンズは、電気的に焦点を変えることができ且つ焦点距離の短い凹レンズとして好適に作用することができる。
上述の如く第3電極層を備える液晶レンズの態様では、前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極の少なくとも一つは、複数のサブ電極を含んでいるように構成してもよい。
このように構成すれば、複数のサブ電極の夫々に印加する電圧の強度を調整することで、液晶レンズ内における電位を、より細かな部分において或いはより細かなレベルで、液晶レンズ内における電位分布を制御することができる。その結果、本発明に係る液晶レンズを、焦点距離の短い凹レンズとして好適に作用させることができる。これにより、本発明に係る液晶レンズは、電気的に焦点を変えることができ且つ焦点距離の短い凹レンズとして好適に作用することができる。
上述の如く複数のサブ電極を含む液晶レンズの態様では、前記複数のサブ電極は同心円状に分布するように構成してもよい。
このように構成すれば、液晶レンズ内における電位は、液晶レンズの断面において液晶層の中央付近と外周部との電位差が大きくなる傾向がより強くなる。その結果、本発明に係る液晶レンズを、焦点距離の短い凹レンズとして好適に作用させることができる。これにより、本発明に係る液晶レンズは、電気的に焦点を変えることができ且つ焦点距離の短い凹レンズとして好適に作用することができる。
上述の如く複数のサブ電極を含む液晶レンズの態様では、前記複数のサブ電極のうち前記開孔に相対的に近い側に位置するサブ電極に印加される電圧は、前記複数のサブ電極のうち前記開孔に相対的に遠い側に位置するサブ電極に印加される電圧よりも大きいように構成してもよい。
このように構成すれば、液晶レンズ内における電位は、液晶レンズの断面において液晶層の中央付近と外周部との電位差が大きくなる傾向がより強くなる。その結果、本発明に係る液晶レンズを、焦点距離の短い凹レンズとして好適に作用させることができる。これにより、本発明に係る液晶レンズは、電気的に焦点を変えることができ且つ焦点距離の短い凹レンズとして好適に作用することができる。
上述の如く第3電極層を備える液晶レンズの態様では、前記第1電極層と前記第3電極層との間、前記第3電極層と前記液晶層との間、及び前記液晶層と前記第2電極層との間の少なくとも一つに、ガラス基板層を備えるように構成してもよい。
このように構成すれば、より好適な光学特性を有する液晶レンズを実現することができると共に、レンズとしての有効半径を広くすることができる。
(光ピックアップ)
本発明の光ピックアップは、レーザ光を照射するレーザ素子と、上述した本発明の液晶レンズ(但し、その各種態様を含む)と、前記液晶レンズを介して前記レーザ光が透過するコリメーターレンズと対物レンズと、少なくとも前記第1電極及び前記第2電極の夫々に電圧を印加する電圧印加手段とを備える。
本発明の光ピックアップによれば、レーザ素子から例えば記録媒体に向けてレーザ光を照射することができる。レーザ素子から照射されるレーザ光は、液晶レンズを透過した後、対物レンズにより、例えば記録媒体の記録面上に集光される。
このとき、電圧印加手段の動作により、第1電極と第2電極との間に所定の電圧を印加すれば、液晶レンズの焦点を電気的に変化させることができる。これにより、液晶レンズを凹レンズとして作用させたり、或いは単なるガラスとして作用させたりすることができる。従って、レーザ光が照射される記録媒体の基板厚等に応じて好適な焦点を実現すれば、基板厚の異なる複数種類の記録媒体の夫々に好適にレーザ光を集光することができる。
(情報記録装置)
本発明の情報記録装置は、上述した本発明の光ピックアップと、前記レーザ光を情報記録媒体に照射するように前記光ピックアップを制御することで所定の情報を前記情報記録媒体に記録する記録手段とを備える。
本発明の情報記録装置によれば、上述した本発明に係る光ピックアップを備えているため、基板厚の異なる複数種類の記録媒体の夫々に好適にレーザ光を集光することができる。その結果、基板厚の異なる複数種類の記録媒体の夫々に好適に情報を記録することができる。
(情報再生装置)
本発明の情報再生装置は、上述した本発明の光ピックアップと、前記レーザ光を情報記録媒体に照射するように前記光ピックアップを制御することで前記情報記録媒体に記録された所定の情報を再生する再生手段とを備える。
本発明の情報再生装置によれば、上述した本発明に係る光ピックアップを備えているため、基板厚の異なる複数種類の記録媒体の夫々に好適にレーザ光を集光することができる。その結果、基板厚の異なる複数種類の記録媒体の夫々に記録された情報を好適に再生することができる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
以上説明したように、本発明の液晶レンズは、第1電極の付近で最も高い電圧を示し、第1電極から遠ざかるにつれて電位が低くなる。または、本発明の光ピックアップは、上述した本発明の液晶レンズを備える。また、本発明の情報記録装置又は情報再生装置は、上述した本発明の光ピックアップを備える。従って、電気的に焦点を変えることができる。
第1実施例に係る液晶レンズの基本構成を概念的に示す断面図及び平面図である。 第1実施例に係る液晶レンズに電界を印加した場合の、液晶レンズ内の電位の分布の態様を概略的に示すグラフである。 液晶レンズの焦点を算出する際の光学系の構成を概念的に示す断面図である。 第1実施例に係る液晶レンズを備えた光ピックアップの基本構成及び該光ピックアップ内におけるレーザ光の光路を概念的に示す断面図である。 第2実施例に係る液晶レンズの基本構成を概念的に示す断面図及び平面図である。 第3実施例に係る液晶レンズの基本構成を概念的に示す断面図及び平面図である。 第4実施例に係る液晶レンズの基本構成を概念的に示す断面図及び平面図である。 第5実施例に係る液晶レンズの基本構成を概念的に示す断面図及び平面図である。 第6実施例に係る液晶レンズの基本構成を概念的に示す断面図及び平面図である。 第1変形例に係る液晶レンズの基本構成を概念的に示す断面図及び平面図である。 第1変形例に係る液晶レンズに電圧を印加した場合の液晶材料中の電位の分布の態様を概略的に示すグラフである。 比較例に係る液晶レンズの基本構成を概念的に示す断面図及び平面図である。 比較例に係る液晶レンズに電圧を印加した場合の液晶材料中の電位の分布の態様を概略的に示すグラフである。 第2変形例に係る液晶レンズの基本構成を概念的に示す断面図及び平面図である。 第3変形例に係る液晶レンズの基本構成を概念的に示す断面図及び平面図である。 第4変形例に係る液晶レンズの基本構成を概念的に示す断面図及び平面図である。 第5変形例に係る液晶レンズの基本構成を概念的に示す断面図である。 第6変形例に係る液晶レンズの基本構成を概念的に示す断面図である。 本実施例に係る情報記録再生装置の基本構成を概念的に示すブロック図である。
符号の説明
1、2、3、4、5、6、7 液晶レンズ
11、第1電極
14、17 第2電極
16、18、19、20 ダミー電極
31 第1電極
32 第3電極
34 液晶材料
35 第2電極
38、39、40 ダミー電極
100 光ピックアップ
111 半導体レーザ素子
121 コリメータレンズ
122 対物レンズ
131 電圧印加回路
200 情報記録再生装置
353 信号記録再生手段
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態としての好適な実施例について説明する。
(液晶レンズの実施例)
図1から図10を参照して、本発明の液晶レンズに係る実施例について説明する。ここでは、液晶レンズの構成の相違に基づいて、第1実施例から第6実施例までの6種類の液晶レンズについて説明する。
(1) 第1実施例
初めに図1から図4を参照して、第1実施例に係る液晶レンズ1について説明する。ここに、図1は、第1実施例に係る液晶レンズ1の基本構成を概念的に示す断面図及び平面図であり、図2は、第1実施例に係る液晶レンズ1に電圧を印加した場合の液晶レンズ1内の電位の分布の態様を概略的に示すグラフであり、図3は、液晶レンズ1の焦点を算出する際の光学系の構成を概念的に示す断面図であり、図4は、第1実施例に係る液晶レンズ1を備えた光ピックアップ100の基本構成及び該光ピックアップ100内におけるレーザ光の光路を概念的に示す断面図である。
図1(a)に示すように、第1実施例に係る液晶レンズ1は、第1電極11と、第1ガラス基板12と、液晶材料13と、第2電極14と、第2ガラス基板15とを備えている。
第1電極11は、第1ガラス基板12と共に本発明の「第1電極層」の一具体例を構成しており、ITO(Indium Titan Oxide)などの透明電極である。特に、第1電極11は、図1(a)の液晶レンズ1を矢印Aの方向から観察した場合の平面図である図1(b)に示すように、第1ガラス基板12の中心部に円形の島状の形状を有して形成されている。言い換えれば、第1電極11は、第1ガラス基板12の外周端部を除く中心部上に円形の島状の形状を有して形成されている。
第2電極14は、第2ガラス基板15と共に本発明の「第2電極層」の一具体例を構成しており、ITO(Indium Titan Oxide)などの透明電極である。尚、第1実施例においては、第2電極14は第2ガラス基板15上の全面に形成されている。
ここで第1実施例に係る液晶レンズ1の製造工程について説明する。
初めに、第1ガラス基板12上に第1電極11が形成され、第2ガラス基板15上に第2電極14が形成される。ここでは、例えば蒸着法等の各種方法を用いて第1電極11及び第2電極14が形成される。第1電極11は、その径が概ね8mmとなるように形成される。第1ガラス基板12及び第2ガラス基板15として、例えば25mm×20mのサイズを有し且つその厚さが概ね0.7mmとなるガラス基板が用いられる。
続いて、第1ガラス基板の側面のうち第1電極が形成される側の側面とは反対側の側面(即ち、図1(a)に示す第1ガラス基板12の下側の側面)及び第2電極14のうち液晶材料13と隣接する側の側面(即ち、図1(a)に示す第2電極14の上側の側面)の夫々に、スピンコート法等により配向膜が塗布される。配向膜は、例えば日産化学の130Bなる品番で示されるポリイミドを希釈用シンナーと1:1で希釈したものが用いられる。スピンコート法は、例えばピーク時の回転数を3000rpmに設定した上で20秒間行われる。
スピンコート法による配向膜の塗布が終了した後、焼成処理が行われる。具体的には、概ね80℃の温度環境下で概ね15分プリベーク処理が行われ、その後概ね200℃の温度環境下で概ね60分間ポストベーク処理が行われる。その結果、概ね700Åの配向膜が形成される。
続いて、液晶材料12中の液晶分子が同一方向に配向するように、配向膜のラビング処理が行われる。ここでは、例えばホモジニアス配向となるようにラビング処理が行われる。ラビング処理は、ラビングを行うローラーの回転速度を500rpmに設定し、第1ガラス基板12及び第2ガラス基板15が搭載されるステージの移動速度を50mm/sに設定した上で、概ね5回繰り返し行われる。
続いて、シール材に概ね100μmの大きさを有するプラスチックスペーサを混ぜ、該プラスチックスペーサが混ぜられたシール材が、第2電極14のうち液晶材料13と隣接する側の側面に塗布される。シール材として、例えば三菱化学のXN−21−Sなる品番にて示されるシール材が用いられる。塗布後は、概ね80℃の温度環境下で概ね30分プリベーク処理が行われる。
その後、第1ガラス基板12と第2ガラス基板とが貼り合わせられる。このとき、第1ガラス基板12と第2ガラス基板15との位置合わせを高精度に或いは好適に行いながら、真空包装機を用いて、第1ガラス基板12と第2ガラス基板の全体が同一圧力で押下されるように貼り合わせられる。その後、真空包装機による真空包装を施したまま、シール材に対して、概ね150℃の温度環境下で概ね90分ポストベーク処理が行われる。
続いて、シール材の隙間から液晶材料13が注入される。液晶材料13として、例えばメルクのMJ04209なる品番にて示される液晶材料が用いられる。液晶材料13の注入後、紫外線硬化剤等を用いて液晶材料13を注入した隙間をふさぐ。
これにより、液晶レンズ1が製造される。液晶材料13の厚さ(即ち、図1(a)の上下方向における大きさ)は、シール材に混ぜられたプラスチックスペーサの大きさに応じて、100μmとなる。
尚、上述した製造工程や実際の液晶レンズ1のサイズは一具体例であり、他の製造工程により液晶レンズ1が製造されてもよく、また液晶レンズ1のサイズを適宜変更してもよいことは言うまでもない。
このような構成を有する液晶レンズ1の第1電極11及び第2電極14の間に所定の電圧を印加することで、図2に示すような電位分布曲線が得られる。尚、図2に示す電位分布曲線は、第1電極11に5[V]の電圧を印加し、第2電極14に0[V]の電圧を印加した場合に、図1(b)のI−I’断面における電位の分布の態様を示している。
図2に示すように、第1実施例に係る液晶レンズ1内の電位分布は、第1電極11の付近で液晶層での電位差が最も大きくなり、第1電極11から遠ざかるにつれて液晶層での電位差は小さくなっていく。従って、このような態様で電位が分布する第1実施例に係る液晶レンズ1は、凹レンズとして作用する。また、第1電極11及び第2電極14の夫々に印加する電圧の大きさを適宜調整することで、液晶レンズ1内における電位の分布の態様を更に変化させることができる。電位の分布の態様が変化すれば、それに伴って液晶分子13の配向状態も変化するため、液晶レンズ1の焦点も変化する。また、電位の分布の態様が変化したとしても、上述の如き構成を有する第1電極11の存在により、液晶層での電位差の関係は保たれる。これにより、第1実施例に係る液晶レンズ1は、電気的に焦点を変えることができ且つ凹レンズとして作用することができる。
ここで、実際に上述した製造工程により製造された液晶レンズの焦点について、図3を参照してより詳細に説明する。
図3に示すように、液晶レンズ1が備える配向膜のラビング方向と同じ方向の偏光を液晶レンズ1に対して入射させることで焦点(言い換えれば、焦点距離)が計測される。このとき、液晶レンズ1は凹レンズとして作用するため、凸レンズと組み合わせて焦点を計測する。液晶レンズ1と凸レンズとの距離dを100mmに設定し、液晶レンズ1に印加する電圧を50[V]に設定し、凸レンズから入射光が集光する位置までの距離s2を実測する。
このとき、図3に示す光学系においては、液晶レンズ1の焦点距離をf1とし、凸レンズの焦点距離をf2とすると、s2=(f2×(f1−d))/(f1+f2−d)なる数式関係が成立する。これより、f1=(s2×d−f2×d−s2×f2)/(s2−f2)となり、液晶レンズ1の焦点距離を計測することができる。
この手法により算出された液晶レンズ1焦点距離は、−1338mmと−255mmの2種類が計測される。ここで液晶レンズ1の焦点が2種類計測されるのは、作製上の問題であり、必要な作製条件を満たすことで単焦点にすることは可能である。
図4(a)及び図4(b)に、このような液晶レンズ1を用いた光ピックアップ100を示す。本実施例に係る光ピックアップ100は、レーザ光LBを照射する半導体レーザ素子111と、レーザ光LBの光路を変化させるコリメーターレンズ121と対物レンズ122と、レーザ光LBの光路を変化させる液晶レンズ1と、液晶レンズ1の第1電極11及び第2電極14の夫々に所定の電圧を印加する電圧印加回路131と、ビームスプリッタ141と、対物レンズ142と、フォトディテクタ143とを備えている。尚、光ピックアップ100は、例えばCDやDVDやBlu−ray DiscやHD−DVD等の光ディスク500にデータを記録するため或いはこれらの光ディスク500に記録されたデータを再生するために用いられる。
半導体レーザ素子111から照射されたレーザ光LBは、コリメーターレンズ121を透過することで平行光束に変えられる。平行光束となったレーザ光LBは、ビームスプリッタ141及び液晶レンズ1を介して対物レンズ122に入射し、光ディスク500の記録面上に集光される。本実施例では特に、電圧印加回路131の動作により、光ディスク500の基板厚に応じた電圧が、液晶レンズ1の第1電極11及び第2電極14の夫々に印加される。即ち、光ディスク500の基板厚に応じて、液晶レンズ1の焦点が変化させられる。
例えば、図4(a)に示すように、基板厚が0.1mmの光ディスク500a(例えば、Blu−ray Disc)の記録面上にレーザ光LBを集光する際には、液晶レンズ1が単なるガラス基板として作用するように、第1電極11及び第2電極14の夫々には電圧は印加されない(即ち、0[V]の電圧が印加される)。
他方、例えば、図4(b)に示すように、基板厚が0.6mmの光ディスク500b(例えば、HD−DVD)の記録面上にレーザ光LBを集光する際には、液晶レンズ1が凹レンズとして作用するように、第1電極11及び第2電極14の夫々に所定の大きさの電圧が印加される。
これにより、図4(a)及び図4(b)の夫々に示すように、半導体レーザ素子111から照射されたレーザ光LBは、光ディスク500a及び500bの夫々の記録面上に好適に集光される。もちろん、0.1mm及び0.6mm以外の基板厚を有する光ディスク500についても同様に、光ディスク500の記録面上にレーザ光LBが集光されるように、基板厚に応じた電圧が第1電極11及び第2電極14の夫々に印加されることで液晶レンズ1の焦点が制御される。
また、光ディスク500a及び500bの記録面(具体的には、反射膜)において反射されたレーザ光LBは、ビームスプリッタ141において光路を変えられ、対物レンズ142に入射し、フォトディテクタ143において検出される。
このように、本実施例に係る光ピックアップ100は、異なる基板厚を有する複数種類の光ディスク500の夫々の記録面上に好適にレーザ光LBを集光させることができる。特に、上述した液晶レンズ1を用いているため、電気的にレーザ光LBの光路を変化させることができる。また、液晶レンズ1が凹レンズとして作用するがゆえに、異なる基板厚を有する複数種類の光ディスク500の夫々の記録面上に好適にレーザ光LBを集光させることができる。これは、対物レンズの設計上、平行光束が対物レンズへ入射した場合に一番薄い基板厚を有する光ディスク(具体的には、一番密度の高い光ディスク)の記録面上に好適にレーザー光LBを集光するような設計を行うことが一般的である、という点を考慮すると、液晶レンズ1が凸レンズとして作用する場合には実現できない大きな利点である。即ち、液晶レンズ1が凸レンズとして作用すれば、光ピックアップ1は、上述した構成以外に、更に機械的に光束の直径等を変換する倍率変換機構等の複雑な構成を備える必要があり、光ピックアップの構成が相対的に複雑なものとなってしまう。しかるに、本実施例に係る光ピックアップ100は、上述した凹レンズとして作用する液晶レンズ1を備えているため、機械的に光束の直径等を変換する倍率変換機構等を備える必要はない。また、液晶レンズ1の焦点を電気的に変えることができるため、光ピックアップ100の構成も相対的に簡易なものとすることができる。このように、上述した液晶レンズ1は、構成が簡易な光ピックアップ100を作成するには欠かせないものであり、電気的に焦点を変えることができ且つ凹レンズとして作用する液晶レンズ1の実現は、それだけで既存の液晶レンズ1にはない大きな利点を持つと言えよう。また、このような液晶レンズ1を用いた光ピックアップ100は、既存の液晶レンズにはない大きな利点を持つと言えよう。
尚、第1電極11の大きさは、電位分布曲線の特性に応じて、実験的、経験的、数学的又は理論的に、若しくはシミュレーション等を用いて個別具体的に(例えば、好適なレンズ特性が得られるように)より適切な大きさを指定することが好ましい。
また、第1実施例においては説明の簡略化のため、液晶レンズの主要な構成を選択して説明を進めている。このため、上述した構成以外の構成を更に有していてもよいことは言うまでもない。例えば、液晶配向膜や絶縁膜等を更に有していてもよい。これは、以下の第2実施例から第6実施例においても同様である。
(2) 第2実施例
続いて、図5を参照して、第2実施例に係る液晶レンズ2について説明する。ここに、図5は、第2実施例に係る液晶レンズ2の基本構成を概念的に示す断面図及び平面図である。
図5(a)に示すように、第2実施例に係る液晶レンズ2は、第1実施例に係る液晶レンズ1と同様に、第1電極11と、第1ガラス基板12と、液晶材料13と、第2電極14と、第2基板15とを備えている。このような液晶レンズ2内における電位分布は、第1実施例に係る液晶レンズ1と同様となる。
第2実施例では特に、図5(a)及び図5(a)に示す液晶レンズ2を矢印Aの方向から観察した場合の平面図である図4(b)の夫々に示すように、第1電極11が形成されていない領域である第1ガラス基板12の外周端部上にダミー電極16が形成されている。ダミー電極16には電圧は印加されないため、ダミー電極16は導電性を有していてもよいし或いは有していなくともよい。
ダミー電極16は、第1電極11と同一の或いは概ね同一の屈折率や透過率等を有する任意の部材(例えば、金属部材や非金属部材等)から構成されている。言い換えれば、ダミー電極16は、第1ガラス基板12の中心部における液晶レンズ2全体の光の透過率や屈折率が、第1ガラス基板12の外周端部における液晶レンズ2全体の光の透過率や屈折率と同一或いは概ね同一となるような任意の部材から構成されている。即ち、ダミー電極16は、光a1と光a2との夫々に対する液晶レンズ2の透過率や屈折率が等しく或いは概ね等しくなるような任意の部材から構成されている。
このように、ダミー電極16を第1ガラス基板12上に形成することで、液晶レンズ2部分的な光の透過率や屈折率のバラツキの発生を抑制し或いはなくすことができる。これにより、第1ガラス基板12の中心部に第1電極11が形成される液晶レンズ2であっても、液晶レンズ2全体としての透過率や屈折率を一定にすることができ、その結果、より好適な光学特性を有する液晶レンズ2を実現することができる。
(3) 第3実施例
続いて、図6を参照して、第3実施例に係る液晶レンズ3について説明する。ここに、図6は、第3実施例に係る液晶レンズ3の基本構成を概念的に示す断面図及び平面図である。
図6(a)に示すように、第3実施例に係る液晶レンズ3は、第1実施例に係る液晶レンズ1と同様に、第1電極11と、第1ガラス基板12と、液晶材料13と、第2基板15とを備えている。
第3実施例に係る液晶レンズ3では特に、第2電極17は、その中心部に孔を有するように形成されている。言い換えれば、図6(a)の液晶レンズ3のW−W‘断面から観察した場合の平面図である図6(b)に示すように、第2電極17は、第2ガラス基板15の中心部を除く外周端部上に形成されている。
このような構成を有する液晶レンズ3の第1電極11及び第2電極17の間に所定の電圧を印加することで、液晶レンズ3内の電位分布は、第1電極11の付近で液晶層での電位差が最も大きくなり、第1電極から遠ざかるにつれて、液晶層での電位差は小さくなっていく。これにより、第3実施例に係る液晶レンズ3は、電気的に焦点を変えることができ且つ凹レンズとして作用することができる。
(4) 第4実施例
続いて、図7を参照して、第4実施例に係る液晶レンズ4について説明する。ここに、図7は、第4実施例に係る液晶レンズ4の基本構成を概念的に示す断面図及び平面図である。
図7に示すように、第4実施例に係る液晶レンズ4は、第3実施例に係る液晶レンズ3と同様に、第1電極11と、第1ガラス基板12と、液晶材料13と、第2電極17と、第2基板15とを備えている。このような液晶レンズ4内における電位分布は、第3実施例に係る液晶レンズ3と同様となる。
第4実施例では特に、図7に示すように、第1電極11が形成されていない領域である第1ガラス基板12の外周端部上にダミー電極18が形成されている。ダミー電極18には電圧は印加されないため、ダミー電極18は導電性を有していてもよいし或いは有していなくともよい。
ダミー電極18は、第1ガラス基板12の中心部における液晶レンズ4全体の光の透過率や屈折率が、第1ガラス基板12の外周端部における液晶レンズ4全体の光の透過率や屈折率と同一或いは概ね同一となるような任意の部材から構成されている。即ち、ダミー電極18は、光a1と光a2との夫々に対する液晶レンズ4の透過率や屈折率が等しく或いは概ね等しくなるような任意の部材から構成されている。
このように、ダミー電極18を第1ガラス基板12上に形成することで、液晶レンズ4の部分的な光の透過率や屈折率のバラツキの発生を抑制し或いはなくすことができる。これにより、第1ガラス基板12の中心部に第1電極11が形成され且つ第2ガラス基板15の外周端部に第2電極17が形成される液晶レンズ4であっても、液晶レンズ4全体としての透過率や屈折率を一定にすることができ、その結果、より好適な光学特性を有する液晶レンズ4を実現することができる。
尚、ダミー電極18は、第1電極11と同一の或いは概ね同一の屈折率や透過率等を有する任意の部材(例えば、金属部材や非金属部材等)から構成されていてもよい。このように構成しても、液晶レンズ4の部分的な光の透過率や屈折率のバラツキの発生を相応に抑制し或いはなくすことができる。このため、相応に好適な光学特性を有する液晶レンズ4を実現することができる。
(5) 第5実施例
続いて、図8を参照して、第5実施例に係る液晶レンズ5について説明する。ここに、図8は、第5実施例に係る液晶レンズ5の基本構成を概念的に示す断面図及び平面図である。
図8に示すように、第5実施例に係る液晶レンズ5は、第3実施例に係る液晶レンズ3と同様に、第1電極11と、第1ガラス基板12と、液晶材料13と、第2電極17と、第2基板15とを備えている。このような液晶レンズ5内における電位分布は、第3実施例に係る液晶レンズ3と同様となる。
第5実施例では特に、図8に示すように、第1電極11が形成されていない領域である第1ガラス基板12の外周端部上にダミー電極19が形成されている。また、第2電極17が形成されていない領域である第2ガラス基板15の中心部上にダミー電極20が形成されている。ダミー電極19及び20には電圧は印加されないため、ダミー電極19及び20は導電性を有していてもよいし或いは有していなくともよい。
ダミー電極19及び20の夫々は、第1ガラス基板12の中心部における液晶レンズ5全体の光の透過率や屈折率が、第1ガラス基板12の外周端部における液晶レンズ5全体の光の透過率や屈折率と同一或いは概ね同一となるような任意の部材から構成されている。即ち、ダミー電極19及び20の夫々は、光a1と光a2との夫々に対する液晶レンズ5の透過率や屈折率が等しく或いは概ね等しくなるような任意の部材から構成されている。
このように、ダミー電極19を第1ガラス基板12上に形成し且つダミー電極20を第2ガラス基板15上に形成することで、液晶レンズ5の部分的な光の透過率や屈折率のバラツキの発生を抑制し或いはなくすことができる。これにより、第1ガラス基板12の中心部に第1電極11が形成され且つ第2ガラス基板15の外周端部に第2電極17が形成される液晶レンズ5であっても、液晶レンズ5全体としての透過率や屈折率を一定にすることができ、その結果、より好適な光学特性を有する液晶レンズ5を実現することができる。
尚、ダミー電極19は、第1電極11と同一の或いは概ね同一の屈折率や透過率等を有する任意の部材(例えば、金属部材や非金属部材等)から構成されていることが好ましい。同様に、ダミー電極20は、第1電極11と同一の或いは概ね同一の屈折率や透過率等を有する任意の部材(例えば、金属部材や非金属部材等)から構成されていることが好ましい。このように構成することで、液晶レンズ5の部分的な光の透過率や屈折率のバラツキの発生を好適に抑制し或いはなくすことができると共に、ダミー電極19及び20の夫々の部材を比較的容易に選択することができるという利点を有する。
(6) 第6実施例
続いて、図9を参照して、第6実施例に係る液晶レンズ6について説明する。ここに、図9は、第6実施例に係る液晶レンズ6の基本構成を概念的に示す断面図及び平面図である。
図9(a)に示すように、第6実施例に係る液晶レンズ6は、第1実施例に係る液晶レンズ1と同様に、第1ガラス基板12と、液晶材料13と、第2電極14と、第2基板15とを備えている。
第6実施例に係る液晶レンズ6は特に、図9(a)及び図9(a)の液晶レンズ6を矢印Aの方向から観察した場合の平面図である図9(b)に示すように、複数の第1サブ電極11a、11b及び11cを備えている。複数のサブ電極11a、11b及び11cの夫々は、上述した第1実施例に係る液晶レンズ1の第1電極11と同様に、第1ガラス基板12の中心部に、複数のサブ電極11a、11b及び11cが組み合わさることで島状の形状を実現するように形成されている。
複数のサブ電極11a、11b及び11cには、夫々異なる電圧が印加されてもよいし或いは少なくとも二つのサブ電極に同一の電圧が印加されてもよい。複数のサブ電極11a、11b及び11cの夫々への電圧の印加パターンは、電位分布曲線の特性に応じて、実験的、経験的、数学的又は理論的に、若しくはシミュレーション等を用いて個別具体的に(例えば、好適なレンズ特性が得られるように)より適切なパターンを指定することが好ましい。いずれにせよ、液晶レンズ6を凹レンズとして好適に作用させることができる電圧が複数のサブ電極11a、11b及び11cの夫々に印加される。
このように、複数のサブ電極11a、11b及び11cの夫々に印加される電圧を調整することで、液晶レンズ6内における電位を、より好適な態様で分布させることができる。また、より細かな部分において(言い換えれば、より細かい分解能で)、液晶レンズ6内における電位分布を制御することができる。その結果、第6実施例に係る液晶レンズ6を、凹レンズとしてより好適に作用させることができる。
尚、第2電極14についても、複数のサブ電極を有するように構成してもよい。これにより、液晶レンズ6内における電位を、更に好適な態様で分布させることができる。また、更に細かな部分において(言い換えれば、より細かい分解能で)、液晶レンズ6内における電位分布を制御することができる。その結果、第6実施例に係る液晶レンズ6を、凹レンズとして更に好適に作用させることができる。
以上、第1実施例から第6実施例に係る液晶レンズについて説明してきたが、本発明の範囲はこれに限定されないことは言うまでもない。例えば、複数の電極が第1ガラス基板12上にマトリクス状に配置されてなる液晶レンズであっても、電気的に焦点を変えることができ且つ凹レンズとして作用させることができる。また、複数の電極がマトリクス状に配置されてなる液晶レンズでは、夫々の電極毎に印加する電圧を変えることで、例えば多焦点のレンズとして作用させることができる。より具体的には、例えばフレネルレンズやレンチキュラーレンズ等として作用させることができる。
尚、上述した第2実施例から第6実施例に係る液晶レンズを備える光ピックアップも、上述した光ピックアップ100と同様の利益を享受することはできるのは言うまでもない。即ち、上述した光ピックアップ100が備える液晶レンズは、第1実施例に係る液晶レンズ1に限定されず、第2実施例から第6実施例に係る液晶レンズ2、3、4、5及び6であってもよいことは言うまでもない。
(変形例)
続いて、図10から図18を参照して、本発明の液晶レンズに係る変形例について説明する。ここでは、液晶レンズの構成の相違に基づいて、第1変形例から第6変形例までの6種類の液晶レンズについて説明する。
(1) 第1変形例
初めに図10から図13を参照して、第1変形例に係る液晶レンズ7aについて説明する。ここに、図10は、第1変形例に係る液晶レンズ7aの基本構成を概念的に示す断面図及び平面図であり、図11は、第1変形例に係る液晶レンズ7aに電圧を印加した場合の液晶材料中の電位の分布の態様を概略的に示すグラフであり、図12は、比較例に係る液晶レンズ70の基本構成を概念的に示す断面図及び平面図であり、図13は、比較例に係る液晶レンズ70に電圧を印加した場合の液晶材料中の電位の分布の態様を概略的に示すグラフである。
図10(a)に示すように、第1変形例に係る液晶レンズ7aは、第1電極31と、第3電極32と、第1ガラス基板33と、液晶材料34と、第2電極35と、第2ガラス基板36とを備えている。
第1電極31は、第1ガラス基板33の一部と共に本発明の「第1電極層」の一具体例を構成しており、ITO(Indium Titan Oxide)などの透明電極である。
第3電極32は、第1ガラス基板33の一部と共に本発明の「第3電極層」の一具体例を構成しており、ITO(Indium Titan Oxide)などの透明電極である。特に、第3電極32は、図10(a)の液晶レンズ7aを矢印Aの方向から観察した場合の第3電極32の平面図である図10(b)に示すように、その中央部に略円形状の開孔部分を有している。
第2電極35は、第2ガラス基板36と共に、本発明の「第2電極層」の一具体例を構成しており、ITO(Indium Titan Oxide)などの透明電極である。特に、第2電極35は、図10(a)の液晶レンズ7aを矢印Aの方向から観察した場合の第2電極35の平面図である図10(b)に示すように、その中央部に略円形状の開孔部分を有している。そして、第2電極35が有する開孔部分の大きさは、第3電極32が有する開孔部分の大きさよりも大きい。より具体的には、第3電極32が有する開孔部分の径r1と、第2電極35が有する開孔部分の径r2との間に、r1<r2が成立している。
このような構成を有する液晶レンズ7aの第1電極31、第3電極32及び第2電極35の夫々に所定の電圧を印加することで、液晶レンズ7a内の電位分布は、第1電極11の付近で液晶層での電位差が最も大きくなり、第1電極から遠ざかるにつれて、液晶層での電位差は小さくなっていく。従って、このような態様で電位が分布する第1変形例に係る液晶レンズ7aは、凹レンズとして作用する。また、第1電極31、第3電極32及び第2電極35の夫々に印加する電圧の大きさを適宜調整することで、液晶レンズ7a内における電位の分布の態様を更に変化させることができる。電位の分布の態様が変化すれば、それに伴って液晶材料34内の液晶分子の配向状態も変化するため、液晶レンズ7aの焦点も変化する。また、電位の分布の態様が変化したとしても、電位は凹レンズの形状の如き態様で分布する。これにより、第1変形例に係る液晶レンズ7aは、電気的に焦点を変えることができ且つ凹レンズとして作用することができる。
そして、図11に示すように、液晶材料34中における電位は、広い範囲に渡って二乗分布特性を有している。言い換えれば、液晶材料34部分における電位分布曲線は、二乗曲線に近づく或いは二乗曲線と略同一となる。従って、電位の分布に勾配を持たせることができるため、液晶レンズ7aのパワーを強くすることができる。これにより、液晶レンズ7aの焦点距離を短くすることができる。
ここで、第1変形例に係る液晶レンズ7aの比較例として、図12に示す液晶レンズ70について説明を進める。図12に示すように、比較例に係る液晶レンズ70は、第1電極71と、第3電極72と、第1ガラス基板73と、液晶材料74と、第2電極75と、第2ガラス基板76とを備えている。そして、特に、第3電極72は、図12(a)の液晶レンズ70を矢印Aの方向から観察した場合の第3電極72の平面図である図12(b)に示すように、その中央部に略円形状の開孔部分を有している。
このような構成を有する液晶レンズ70の第1電極71、第3電極72及び第2電極75の夫々に所定の電圧を印加することで、液晶レンズ70内の電位分布は、第1電極71の付近で液晶層での電位差が最も大きくなり、第1電極から遠ざかるにつれて、液晶層での電位差は小さくなっていく。尚、図13に示す電位分布曲線は、第1電極71に+10[V]の電圧を印加し、第3電極72に+5[V]の電圧を印加し、第2電極75をGNDとした場合に、図12(b)のIV−IV’断面における電位の分布の態様を示している。
しかしながら、比較例に係る液晶レンズ70内においては、第1変形例に係る液晶レンズ7aと比較して、液晶レンズ70の厚み方向の狭い範囲で電位が変化しているに過ぎない。また、図13に示すように、比較例に係る液晶レンズ70の液晶材料74中における電位は、特に両端部において二乗分布特性を有していない。
しかるに第1変形例に係る液晶レンズ7aによれば、液晶レンズ7a内の広い範囲に渡って電位が変化しており、また液晶材料34中における電位も二乗分布特性を有している。従って、上述したように、第1変形例に係る液晶レンズ7aは、焦点距離が比較的短い凹レンズとして好適に作用することができる。
このような液晶レンズ7aを用いて、上述の光ピックアップ100(図4参照)を構成した場合についても、図4における説明と同様の動作を行うことができ、同様の利益を享受することができる。特に、液晶レンズ7aが焦点距離の短い(言い換えれば、パワーの強い)凹レンズとして作用するがゆえに、異なる基板厚を有する複数種類の光ディスク500の夫々の記録面上に好適にレーザ光LBを集光させることができる。
尚、第1電極31、第3電極32及び第2電極35の夫々の大きさ(或いは、第3電極32が有する開孔部分及び第2電極35が有する開孔部分の夫々の大きさ)は、電位分布曲線の特性に応じて、実験的、経験的、数学的又は理論的に、若しくはシミュレーション等を用いて個別具体的に(例えば、開孔の大きさを変えながら実験を行うことで好適なレンズ特性が得られるように)より適切な大きさを指定することが好ましい。
また、第1変形例においては説明の簡略化のため、液晶レンズ7aのその他の主要な構成を選択して説明を進めている。このため、上述した構成以外の構成を更に有していてもよいことは言うまでもない。例えば、液晶配向膜や絶縁膜等を更に有していてもよい。これは、以下の第2変形例から第6変形例においても同様である。
(2) 第2変形例
続いて、図14を参照して、第2変形例に係る液晶レンズ7bについて説明する。ここに、図14は、第2変形例に係る液晶レンズ7bの基本構成を概念的に示す断面図及び平面図である。
図14(a)に示すように、第2変形例に係る液晶レンズ7bは、第1変形例に係る液晶レンズ7aと同様に、第3電極32と、第1ガラス基板33と、液晶材料34と、第2電極35と、第2ガラス基板36とを備えている。
第2変形例に係る液晶レンズ7bは特に、図14(a)及び図14(a)の液晶レンズ7bを矢印Aの方向から観察した場合の平面図である図14(b)に示すように、複数の第1サブ電極31a、31b及び31cを備えている。複数の第1サブ電極31a、31b及び31cの夫々は、同心円状に分布するように形成されている。
複数の第1サブ電極31a、31b及び31cには、夫々異なる電圧が印加されてもよいし或いは少なくとも二つの第1サブ電極に同一の電圧が印加されてもよいが、焦点距離の短い凹レンズを実現するという観点からは、液晶レンズ7bの中心から遠い位置にある第1サブ電極に対してより小さな電圧を印加することが好ましい。より具体的には、第1サブ電極31aに所定の大きさの電圧V1を印加し、第1サブ電極31aよりも外側に位置する第1サブ電極31bに電圧V1よりも小さな電圧V2を印加し、第1サブ電極31bよりも外側に位置する第1サブ電極31cに電圧V1及びV2よりも小さな電圧V3を印加することが好ましい。
或いは、複数の第1サブ電極31a、31b及び31cの夫々への電圧の印加パターンは、電位分布曲線の特性に応じて、実験的、経験的、数学的又は理論的に、若しくはシミュレーション等を用いて個別具体的に(例えば、印加する電圧を変えながら実験を行うことで好適なレンズ特性が得られるように)より適切なパターンを指定してもよい。いずれにせよ、液晶レンズ7bを焦点距離の短い凹レンズとして好適に作用させることができる電圧が複数の第1サブ電極31a、31b及び31cの夫々に印加される。
このように、複数の第1サブ電極31a、31b及び31cの夫々に印加される電圧を調整することで、液晶レンズ7b内における電位を、より好適な態様で分布させることができる。また、より細かな部分において(言い換えれば、より細かい分解能で)、液晶レンズ7b内における電位分布を制御することができる。その結果、第2変形例に係る液晶レンズ7bを、焦点距離の短い凹レンズとしてより好適に作用させることができる。
(3) 第3変形例
続いて、図15を参照して、第3変形例に係る液晶レンズ7cについて説明する。ここに、図15は、第3変形例に係る液晶レンズ7cの基本構成を概念的に示す断面図及び平面図である。
図15(a)に示すように、第3変形例に係る液晶レンズ7cは、第1変形例に係る液晶レンズ7aと同様に、第1電極31と、第1ガラス基板33と、液晶材料34と、第2電極35と、第2ガラス基板36とを備えている。
第3変形例に係る液晶レンズ7cは特に、図15(a)及び図15(a)の液晶レンズ7cを矢印Aの方向から観察した場合の平面図である図15(b)に示すように、複数の第3サブ電極32a及び32bを備えている。複数の第3サブ電極32a及び32bの夫々は、同心円状に分布するように形成されている。
複数の第3サブ電極32a及び32bには、夫々異なる電圧が印加されてもよいし或いは同一の電圧が印加されてもよいが、焦点距離の短い凹レンズを実現するという観点からは、液晶レンズ7cの中心から遠い位置にある第3サブ電極により小さな電圧を印加することが好ましい。より具体的には、第3サブ電極32aに所定の大きさの電圧V1を印加し、第3サブ電極32aよりも外側に位置する第3サブ電極32bに電圧V1よりも小さな電圧V2を印加することが好ましい。或いは、複数の第3サブ電極32a及び32bの夫々への電圧の印加パターンは、電位分布曲線の特性に応じて、実験的、経験的、数学的又は理論的に、若しくはシミュレーション等を用いて個別具体的に(例えば、電圧を変えながら実験を行うことで好適なレンズ特性が得られるように)より適切なパターンを指定してもよい。いずれにせよ、液晶レンズ7cを焦点距離の短い凹レンズとして好適に作用させることができる電圧が複数の第3サブ電極32a及び32bの夫々に印加される。
このように、複数の第3サブ電極32a及び32bの夫々に印加される電圧を調整することで、液晶レンズ7c内における電位を、より好適な態様で分布させることができる。また、より細かな部分において(言い換えれば、より細かい分解能で)、液晶レンズ7c内における電位分布を制御することができる。その結果、第3変形例に係る液晶レンズ7cを、焦点距離の短い凹レンズとしてより好適に作用させることができる。
(4) 第4変形例
続いて、図16を参照して、第4変形例に係る液晶レンズ7dについて説明する。ここに、図16は、第4変形例に係る液晶レンズ7dの基本構成を概念的に示す断面図及び平面図である。
図16(a)に示すように、第4変形例に係る液晶レンズ7dは、第1変形例に係る液晶レンズ7aと同様に、第1電極31と、第3電極32と、第1ガラス基板33と、液晶材料34と、第2ガラス基板36とを備えている。
第4変形例に係る液晶レンズ7dは特に、図16(a)及び図16(a)の液晶レンズ7dを矢印Aの方向から観察した場合の平面図である図16(b)に示すように、複数の第2サブ電極35a及び35bを備えている。複数の第2サブ電極35a及び35bの夫々は、同心円状に分布するように形成されている。
複数の第2サブ電極35a及び35bには、夫々異なる電圧が印加されてもよいし或いは同一の電圧が印加されてもよいが、焦点距離の短い凹レンズを実現するという観点からは、液晶レンズ7dの中心から遠い位置にある第2サブ電極により小さな電圧を印加することが好ましい。より具体的には、第2サブ電極35aに所定の大きさの電圧V1を印加し、第2サブ電極35aよりも外側に位置する第2サブ電極35bに電圧V1よりも小さな電圧V2を印加することが好ましい。或いは、複数の第2サブ電極35a及び35bの夫々への電圧の印加パターンは、電位分布曲線の特性に応じて、実験的、経験的、数学的又は理論的に、若しくはシミュレーション等を用いて個別具体的に(例えば、電圧を変えながら実験を行うことで好適なレンズ特性が得られるように)より適切なパターンを指定してもよい。いずれにせよ、液晶レンズ7dを焦点距離の短い凹レンズとして好適に作用させることができる電圧が複数の第2サブ電極35a及び35bの夫々に印加される。
このように、複数の第2サブ電極35a及び35bの夫々に印加される電圧を調整することで、液晶レンズ7d内における電位を、より好適な態様で分布させることができる。また、より細かな部分において(言い換えれば、より細かい分解能で)、液晶レンズ7d内における電位分布を制御することができる。その結果、第4変形例に係る液晶レンズ7dを、焦点距離の短い凹レンズとしてより好適に作用させることができる。
(5) 第5変形例
続いて、図17を参照して、第5変形例に係る液晶レンズ7eについて説明する。ここに、図17は、第5変形例に係る液晶レンズ7eの基本構成を概念的に示す断面図である。
図17に示すように、第5変形例に係る液晶レンズ7eは、第1変形例に係る液晶レンズ7aと同様に、第1電極31と、第3電極32と、第1ガラス基板33と、液晶材料34と、第2電極35と、第2ガラス基板36とを備えている。このような液晶レンズ7e内における電位分布は、第1変形例に係る液晶レンズ7aと同様となる。
第5変形例では特に、図17に示すように、第3電極32が有する開孔部分に第1ダミー電極38が形成されている。第1ダミー電極38には電圧は印加されないため、第1ダミー電極38は導電性を有していてもよいし或いは有していなくともよい。
第1ダミー電極38は、第3電極32と同一の或いは概ね同一の屈折率や透過率等を有する任意の部材(例えば、金属部材や非金属部材等)から構成されている。言い換えれば、第1ダミー電極38は、第1電極31、第3電極32及び第2電極35の夫々に電圧を印加していない場合に、第3電極32が有する開孔部分に対応する液晶レンズ7e全体の光の透過率や屈折率が、第3電極32が有する開孔部分以外の部分に対応する液晶レンズ7e全体の光の透過率や屈折率と同一或いは概ね同一となるような任意の部材から構成されている。即ち、第1ダミー電極38は、第1電極31、第3電極32及び第2電極35の夫々に電圧を印加していない場合に、光a1と光a2との夫々に対する液晶レンズ7eの透過率や屈折率が等しく或いは概ね等しくなるような任意の部材から構成されている。
このように、第1ダミー電極38を第3電極32の開孔部分に形成することで、液晶レンズ7eの部分的な光の透過率や屈折率のバラツキの発生を抑制し或いはなくすことができる。これにより、第3電極32が開孔部分を有する液晶レンズ7eであっても、第1電極31、第3電極32及び第2電極35の夫々に電圧を印加していない場合の液晶レンズ7e全体としての透過率や屈折率を一定にすることができる。その結果、第1変形例に係る液晶レンズ7a等が有する利益と同様の利益を享受することができると共に、より好適な光学特性を有する液晶レンズ7eを実現することができる。
(6) 第6変形例
続いて、図18を参照して、第6変形例に係る液晶レンズ7fについて説明する。ここに、図18は、第6変形例に係る液晶レンズ7fの基本構成を概念的に示す断面図である。
図18に示すように、第6変形例に係る液晶レンズ7fは、第1変形例に係る液晶レンズ7aと同様に、第1電極31と、第3電極32と、第1ガラス基板33と、液晶材料34と、第2電極35と、第2ガラス基板36とを備えている。このような液晶レンズ7f内における電位分布は、第1変形例に係る液晶レンズ7aと同様となる。
第6変形例では特に、図18に示すように、第3電極32が有する開孔部分に第1ダミー電極39が形成され、且つ第2電極35が有する開孔部分に第2ダミー電極40が形成されている。第1ダミー電極39及び第2ダミー電極40の夫々には電圧は印加されないため、第1ダミー電極39及び第2ダミー電極40の夫々は導電性を有していてもよいし或いは有していなくともよい。
第1ダミー電極39及び第2ダミー電極40の夫々は、第1電極31、第2電極32及び第3電極35の夫々に電圧を印加していない場合に、第3電極32の開孔部分(或いは、第2電極35の開孔部分)における液晶レンズ7f全体の光の透過率や屈折率が、第3電極32が有する開孔部分以外の部分(或いは、第2電極35が有する開孔部分以外の部分)における液晶レンズ7f全体の光の透過率や屈折率と同一或いは概ね同一となるような任意の部材から構成されている。即ち、第1ダミー電極39及び第2ダミー電極40の夫々は、第1電極31、第3電極32及び第2電極35の夫々に電圧を印加していない場合に、光a1と光a2との夫々に対する液晶レンズ7fの透過率や屈折率が等しく或いは概ね等しくなるような任意の部材から構成されている。
このように、第1ダミー電極39を第3電極32が有する開孔部分に形成し且つ第2ダミー電極40を第2電極35が有する開孔部分に形成することで、液晶レンズ7fの部分的な光の透過率や屈折率のバラツキの発生をより好適に抑制し或いはなくすことができる。これにより、第3電極32が開孔部分を有し且つ第2電極35が開孔部分を有する液晶レンズ7fであっても、第1電極31、第3電極32及び第2電極35の夫々に電圧を印加していない場合の液晶レンズ7f全体としての透過率や屈折率を一定にすることができる。その結果、第1変形例に係る液晶レンズ7a等が有する利益と同様の利益を享受することができると共に、より好適な光学特性を有する液晶レンズ7fを実現することができる。
尚、第1ダミー電極39は、第3電極32と同一の或いは概ね同一の屈折率や透過率等を有する任意の部材(例えば、金属部材や非金属部材等)から構成されていることが好ましい。同様に、第2ダミー電極40は、第2電極35と同一の或いは概ね同一の屈折率や透過率等を有する任意の部材(例えば、金属部材や非金属部材等)から構成されていることが好ましい。このように構成することで、液晶レンズ7fの部分的な光の透過率や屈折率のバラツキの発生をより好適に抑制し或いはなくすことができると共に、第1ダミー電極39及び第2ダミー電極40の夫々の部材を比較的容易に選択することができるという利点を有する。
以上、第1変形例から第6変形例に係る液晶レンズについて説明してきたが、本発明の範囲はこれに限定されないことは言うまでもない。例えば、複数の第1サブ電極がマトリクス状に配置されてなる液晶レンズであっても、電気的に焦点を変えることができ且つ焦点距離の短い凹レンズとして作用させることができる。また、複数の電極がマトリクス状に配置されてなる液晶レンズでは、夫々の電極毎に印加する電圧を変えることで、例えば多焦点のレンズとして作用させることができる。より具体的には、例えばフレネルレンズやレンチキュラーレンズ等として作用させることができる。また、上述した第1変形例から第6変形例に係る液晶レンズの各構成を適宜組み合わせることで構成される液晶レンズも、当然の如く本発明の範囲に含まれる。
加えて、上述した第1実施例から第6実施例に係る液晶レンズと、第1変形例から第6変形例に係る液晶レンズとを、任意の組み合わせで適宜組み合わせるように構成してもよい。
また、上述した第2変形例から第6変形例に係る液晶レンズを備える光ピックアップも、上述した光ピックアップ100と同様の利益を享受することはできるのは言うまでもない。即ち、上述した光ピックアップ100が備える液晶レンズは、第1変形例に係る液晶レンズ7aに限定されず、第2変形例から第6変形例に係る液晶レンズ7b、7c、7d、7e及び7fであってもよいことは言うまでもない。
(情報記録再生装置の実施例)
続いて、図19を参照して、本実施例に係る情報記録再生装置200(即ち、上述した液晶レンズを備えた光ピックアップ100を備える情報記録再生装置)の基本的構成について説明する。ここに、図19は、本実施例に係る情報記録再生装置200の基本的な構成を概念的に示すブロック図である。尚、情報記録再生装置200は、光ディスク500にデータを記録する機能と、光ディスク500に記録されたデータを再生する機能とを備える。
図19に示すように、情報記録再生装置200は、実際に光ディスク100がローディングされ且つデータの記録やデータの再生が行なわれるディスクドライブ300と、該ディスクドライブ300に対するデータの記録及び再生を制御するパーソナルコンピュータ等のホストコンピュータ400とを備えている。
ディスクドライブ300は、光ディスク500、スピンドルモータ351、光ピックアップ100、信号記録再生手段353、CPU(ドライブ制御手段)354、メモリ355、OPC信号生成手段361、上書信号生成手段362、データ入出力制御手段306、及びバス357を備えて構成されている。また、ホストコンピュータ400は、CPU359、メモリ360、操作/表示制御手段307、操作ボタン310、表示パネル311、及びデータ入出力制御手段308を備えて構成される。
スピンドルモータ351は光ディスク500を回転及び停止させるもので、光ディスク500へのアクセス時に動作する。より詳細には、スピンドルモータ351は、図示しないサーボユニット等によりスピンドルサーボを受けつつ所定速度で光ディスク500を回転及び停止させるように構成されている。
光ピックアップ100は、光ディスク500への記録再生を行うために、例えば半導体レーザ素子111と、対物レンズ121及び122と、液晶レンズ1等から構成される(図4参照)。より詳細には、光ピックアップ100は、光ディスク500に対してレーザービーム等の光ビームを、再生時には読み取り光として第1のパワーで照射し、記録時には書き込み光として第2のパワーで且つ変調させながら照射する。
信号記録再生手段353は、スピンドルモータ351と光ピックアップ100を制御することで光ディスク500に対して記録再生を行う。より具体的には、信号記録再生手段353は、例えば、レーザダイオードドライバ(LDドライバ)及びヘッドアンプ等によって構成されている。レーザダイオードドライバは、例えば駆動パルスを生成し、光ピックアップ100内に設けられた半導体レーザ素子111を駆動する。ヘッドアンプは、光ピックアップ100の出力信号、即ち、光ビームの反射光を増幅し、該増幅した信号を出力する。
メモリ355は、記録再生データのバッファ領域や、信号記録再生手段353で使用出来るデータに変換する時の中間バッファとして使用される領域などディスクドライブ300におけるデータ処理全般及びOPC処理において使用される。また、メモリ355はこれらレコーダ機器としての動作を行うためのプログラム、即ちファームウェアが格納されるROM領域と、記録再生データの一時格納用バッファや、ファームウェアプログラム等の動作に必要な変数が格納されるRAM領域などから構成される。
CPU(ドライブ制御手段)354は、信号記録再生手段353及びメモリ355と、バス357を介して接続され、各種制御手段に指示を行うことで、ディスクドライブ300全体の制御を行う。通常、CPU354が動作するためのソフトウェア又はファームウェアは、メモリ355に格納されている。
データ入出力制御手段306は、ディスクドライブ300に対する外部からのデータ入出力を制御し、メモリ355上のデータバッファへの格納及び取り出しを行う。情報記録再生装置300とSCSIや、ATAPIなどのインタフェースを介して接続されている外部のホストコンピュータ400から発行されるドライブ制御命令は、データ入出力制御手段306を介してCPU354に伝達される。また、記録再生データも同様にデータ入出力制御手段306を介して、ホストコンピュータ400とやり取りされる。
操作/表示制御手段307はホストコンピュータ400に対する動作指示受付と表示を行うもので、例えば記録又は再生といった操作ボタン310による指示をCPU359に伝える。CPU359は、操作/表示制御手段307からの指示情報を元に、データ入出力手段308を介して、情報記録再生装置300に対して制御命令(コマンド)を送信し、ディスクドライブ300全体を制御する。同様に、CPU359は、ディスクドライブ300に対して、動作状態をホストに送信するように要求するコマンドを送信することができる。これにより、記録中や再生中といったディスクドライブ300の動作状態が把握できるためCPU359は、操作/表示制御手段307を介して蛍光管やLCDなどの表示パネル311にディスクドライブ300の動作状態を出力することができる。
メモリ360は、ホストコンピュータ400が使用する内部記憶装置であり、例えばBIOS(Basic Input/Output System)等のファームウェアプログラムが格納されるROM領域、オペレーティングシステムや、アプリケーションプログラム等の動作に必要な変数等が格納されるRAM領域などから構成される。また、データ入出力制御手段308を介して、図示しないハードディスク等の外部記憶装置に接続されていてもよい。
以上説明した、ディスクドライブ300とホストコンピュータ400を組み合わせて使用する一具体例は、映像を記録再生するレコーダ機器等の家庭用機器である。このレコーダ機器は放送受信チューナや外部接続端子からの映像信号をディスクに記録し、テレビなど外部表示機器にディスクから再生した映像信号を出力する機器である。メモリ360に格納されたプログラムをCPU359で実行させることでレコーダ機器としての動作を行っている。また、別の具体例では、ディスクドライブ300はディスクドライブ(以下、適宜ドライブと称す)であり、ホストコンピュータ400はパーソナルコンピュータやワークステーションである。パーソナルコンピュータ等のホストコンピュータとドライブはSCSIやATAPIといったデータ入出力制御手段306及び308を介して接続されており、ホストコンピュータ400にインストールされているライティングソフトウェア等のアプリケーションが、ディスクドライブ300を制御する。
本実施例に係る情報記録再生装置200は特に、上述した光ピックアップ100からレーザ光LBを照射することで、光ディスク500にデータを記録し、更に光ディスク500に記録されたデータを再生することができる。このため、電気的にレーザ光LBの光路を変化させつつ、異なる基板厚を有する複数種類の光ディスク500の夫々の記録面上に好適にレーザ光LBを集光させることができる。その結果、異なる基板厚を有する複数種類の光ディスク500の夫々に好適にデータを記録し、更に異なる基板厚を有する複数種類の光ディスク500の夫々に記録されたデータを好適に再生することができる。加えて、光ピックアップ100の構成を相対的に簡易なものとすることができるため、それに伴い情報記録再生装置200の構成を相対的に簡易なものとすることができる。
尚、上述の実施例では、記録媒体の一例として光ディスク100及び記録再生装置の一例として光ディスク100に係るレコーダ或いはプレーヤについて説明したが、本発明は、光ディスク及びそのレコーダに限られるものではなく、他の高密度記録或いは高転送レート対応の各種記録媒体並びにそのレコーダ或いはプレーヤにも適用可能である。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう液晶レンズ、光ピックアップ、情報記録装置及び情報再生装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明に係る液晶レンズ、光ピックアップ、情報記録装置及び情報再生装置は、例えば、情報記録媒体に対して情報の記録を行う情報記録装置に利用可能であり、更に情報記録媒体に対して情報の再生を行う情報再生装置に利用可能である。

Claims (18)

  1. 第1電極が形成されている第1電極層と、
    液晶層と、
    前記液晶層を挟んで前記第1電極と互いに対向し且つ前記第1電極との間に所定の電圧が印加される第2電極が形成されている第2電極層と
    前記第1電極と互いに対向し且つ中央部に開孔を有する第3電極が形成されている第3電極層
    少なくとも備え
    前記液晶層内での電位差が中央付近と外周部で異なり、且つ中央付近の電位差の方が大きく
    前記第2電極は、前記液晶層を挟んで前記第3電極と互いに対向し且つ中央部に開孔を有しており、
    前記第2電極の前記開孔の大きさが、前記第3電極の前記開孔の大きさよりも大きいことを特徴とする液晶レンズ。
  2. 前記第3電極の前記開孔に、電圧が印加されない第1ダミー電極が形成されていることを特徴とする請求の範囲第項に記載の液晶レンズ。
  3. 前記第1ダミー電極の光の透過率は、前記第3電極の光の透過率と略同一であることを特徴とする請求の範囲第項に記載の液晶レンズ。
  4. 前記第1ダミー電極の光の屈折率は、前記第3電極の光の屈折率と略同一であることを特徴とする請求の範囲第項に記載の液晶レンズ。
  5. 前記第2電極の前記開孔に、電圧が印加されない第2ダミー電極が形成されていることを特徴とする請求の範囲第項に記載の液晶レンズ。
  6. 前記第2ダミー電極の光の透過率は、前記第2電極の光の透過率と略同一であることを特徴とする請求の範囲第項に記載の液晶レンズ。
  7. 前記第2ダミー電極の光の屈折率は、前記第2電極の光の屈折率と略同一であることを特徴とする請求の範囲第項に記載の液晶レンズ。
  8. 前記第3電極層のうちの前記開孔が形成されている部分に対応する当該液晶レンズ全体の光の透過率は、前記第3電極層のうちの前記開孔が形成されている部分を除く部分に対応する当該液晶レンズ全体の光の透過率と略同一であることを特徴とする請求の範囲第項に記載の液晶レンズ。
  9. 前記第2電極層のうちの前記開孔が形成されている部分に対応する当該液晶レンズ全体の光の透過率は、前記第2電極層のうちの前記開孔が形成されている部分を除く部分に対応する当該液晶レンズ全体の光の透過率と略同一であることを特徴とする請求の範囲第項に記載の液晶レンズ。
  10. 前記第2電極の前記開孔及び前記第3電極の前記開孔は、略円形の形状を有していることを特徴とする請求の範囲第項に記載の液晶レンズ。
  11. 前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極の少なくとも一つは、複数のサブ電極を含んでいることを特徴とする請求の範囲第項に記載の液晶レンズ。
  12. 前記複数のサブ電極は同心円状に分布することを特徴とする請求の範囲第11項に記載の液晶レンズ。
  13. 前記複数のサブ電極のうち前記開孔に相対的に近い側に位置するサブ電極に印加される電圧は、前記複数のサブ電極のうち前記開孔に相対的に遠い側に位置するサブ電極に印加される電圧よりも大きいことを特徴とする請求の範囲第11項に記載の液晶レンズ。
  14. 前記第1電極層と前記第3電極層との間、前記第3電極層と前記液晶層との間、及び前記液晶層と前記第2電極層との間の少なくとも一つに、絶縁層を備えることを特徴とする請求の範囲第項に記載の液晶レンズ。
  15. 前記第1電極は、前記第2電極と対向する位置に当該大2電極の形状に尾対して外周端部を除いた形状に形成されており、
    前記第2電極は、前記第2電極層のうち前記第1電極と対向する中心部を除く外周端部に形成されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の液晶レンズ。
  16. レーザ光を照射するレーザ素子と、
    請求の範囲第1項に記載の液晶レンズと、
    前記液晶レンズを介して前記レーザ光が透過する対物レンズと、
    前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方に
    電圧を印加する電圧印加手段と
    を備えることを特徴とする光ピックアップ。
  17. 請求の範囲第16項に記載の光ピックアップと、
    前記レーザ光を情報記録媒体に照射するように前記光ピックアップを制御することで所定の情報を前記情報記録媒体に記録する記録手段と
    を備えることを特徴とする情報記録装置。
  18. 請求の範囲第16項に記載の光ピックアップと、
    前記レーザ光を情報記録媒体に照射するように前記光ピックアップを制御することで前記情報記録媒体に記録された所定の情報を再生する再生手段と
    を備えることを特徴とする情報再生装置。
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