JP2006331531A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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JP2006331531A
JP2006331531A JP2005153299A JP2005153299A JP2006331531A JP 2006331531 A JP2006331531 A JP 2006331531A JP 2005153299 A JP2005153299 A JP 2005153299A JP 2005153299 A JP2005153299 A JP 2005153299A JP 2006331531 A JP2006331531 A JP 2006331531A
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optical pickup
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Masakatsu Miyatake
賢勝 宮武
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Funai Electric Co Ltd
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Abstract

【課題】 装置の大型化及びコストアップをすることなく、非点収差の補正を行うこと
ができる光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】 光ピックアップ装置1においては、レーザ光源2から出射されたレーザ
ビームはハーフミラー3を透過し、コリメートレンズ4を経て対物レンズ5により光記録
媒体の記録面上に像を結ぶ。また、記録面で反射された反射光は、対物レンズ5、コリメ
ートレンズ4を経て、ハーフミラー3で反射されて受光部7で像を結ぶ。この光学系に用
いられるハーフミラー3は、電極に印加する電圧を調整することで屈折率を変化する液晶
の層を有しており、屈折率を調整することでハーフミラー3を透過するレーザビームの位
相を調整できるため、光記録媒体6上に発生する非点収差の補正を行うことが可能となる

【選択図】 図1

Description

本発明は、DVDやCD−ROM等の光記録媒体から情報を読取ったり、光記録媒体に
情報を記録したりする際に用いられる光ピックアップ装置に関し、より詳細には非点収差
の補正ができる光ピックアップ装置に関する。
現在では、CD(コンパクトディスク)やDVD(デジタル多用途ディスク)等の光記
録媒体にアクセスするためのドライブ装置として、光ディスク装置が普及している。この
光ディスク装置では、光記録媒体の記録面にレーザ光を照射して情報の記録又は消去を行
い、記録面からの反射光に基づいて情報の再生などを行っている。そして、このような機
能を有する光ディスク装置には、光記録媒体の記録面にレーザ光を照射して光スポットを
形成するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置として光ピックアップ装置
が備えられている。
図5は、従来の光ピックアップ装置101の一例を示している。この光ピックアップ装
置101においては、半導体レーザ102から出射されたレーザビームは、ハーフミラー
103で反射され、コリメートレンズ104で平行光にされた後に対物レンズ105によ
り光記録媒体106の記録面に焦点を結ぶ。また、光記録媒体106の記録面から反射し
たレーザビームの反射光は、再び対物レンズ105、コリメートレンズ104を通過し、
更にハーフミラー103を透過して受光素子107上に像を結ぶ。受光素子107からは
、記録面に記録されているデータの再生情報だけでなく、光ピックアップ装置101自体
及び対物レンズ105の位置制御に必要な情報(サーボ情報)などを含む信号が出力され
る。
受光素子107からの出力信号に基づいて、再生情報及びサーボ情報などを精度良く検
出するためには、所定の形状の光スポットが記録面に精度良く形成されることが必要とな
る。また、記録面に情報を記録する場合も、良好な記録品質を得るためには、所定の形状
の光スポットが記録面に精度良く形成されることが必要となる。
この点、従来は、光記録媒体106上の光スポットの品質を調整する場合、品質の良い
光学部品を使用するか、光学部品の組み付け精度を厳密にする等の手段により、光スポッ
トの品質の調整、すなわち、波面収差発生の抑制を行っていた。しかし、光学部品の加工
精度や組み付け精度を厳密にしようとすると、製造段階での加工、調整に手間がかかり、
装置コストの高騰を招くという問題があり、また、装置の組み立て後には、波面収差を抑
制するための調整が難しいという問題があった。
このため、特許文献1では、ハーフミラー面が形成されたプリズムと対物レンズとの間
の光路中に光学部材として液晶素子を配置し、液晶素子に加える電圧を調整して液晶素子
の屈折率を調整することで、記録媒体上での波面収差の発生を抑制する光情報記録再生装
置が提案されている。これによれば、光情報記録再生装置を組み立てた後に、波面収差の
抑制が行えるために、光学部品の加工精度や組み付け精度を従来に比べて緩和することが
可能となり、装置製造のコストダウンを図ることが可能となる。
また、特許文献2においても、光源と対物レンズの間に、電圧を印加するための透明電
極を有し、透明電極への印過電圧に応じて透過光束に対する屈折率が変化する液晶パネル
を配置して、装置の組み立て後に、各光学部品の加工精度、組み立て精度、光軸のずれ及
び傾きなどに起因して発生する非点収差の影響を補正できる光ピックアップ装置が提案さ
れている。
更に、特許文献3においては、電極を介して印加される電圧に応じた屈折率分布を有し
、記録面に集光される光束の波面収差における非点収差成分を補正する縦型の電気光学効
果を示す電気光学結晶(例えば、シレナイト構造を有し、ポッケルス効果を示すBi12
iO20)を光源と対物レンズの間に配置し、各光学部品を組み付けた後に、非点収差の補
正ができる光ピックアップ装置が提案されている。そして、この光ピックアップ装置によ
れば、各光学部品の組み付け作業等が容易になるために、装置製造のコストの削減が図れ
るばかりでなく、縦型の電気光学効果を示す電気光学結晶を用いているために、電気光学
素子を光軸方向に薄くでき、光ピックアップ装置を小型化が図れるとされている。
しかしながら、特許文献1から3に示される光ピックアップ装置又は光情報記録再生装
置においては、液晶素子又は電気光学結晶といった光学部品を光源と対物レンズとの間に
配置するにあたって、従来の光学系に新たに光学部品を設ける必要があるために、光ピッ
クアップ装置または光情報記録再生装置の大型化につながるという欠点があった。この点
、特許文献3の光ピックアップ装置においては、上述のように新たに導入する光学部品の
厚みを薄くできるためにし、特許文献1や2の光ピックアップ装置に比べて光ピックアッ
プ装置の小型化を図ることは可能であるものの、新たに光学部品を光路中に導入する必要
がある点では変わりなく、装置の大型化の問題が生じていた。
また、特許文献2の場合は、液晶パネル以外の光学部品を組み付けた状態で、予め光学
系に起因する非点収差を測定し、その結果に基づいて液晶パネルの配置方向及び透明電極
への印過電圧の大きさを決定している。このために、例えば、温度変化や経時変化などに
より各光学部品を固定している接着剤等の物性が変化し、光学系に起因する非点収差が変
化した場合には、非点収差の補正が困難であるという問題があった。更に、波面収差に含
まれる非点収差成分は、光学系に起因する非点収差だけでなく、光記録媒体の基板の複屈
折性に起因する非点収差も含まれるため、特許文献2の光ピックアップ装置では、その点
が考慮されていないという問題があった。
特開平8−212611号公報 特開平11−259892号公報 特開2004−39018号公報
以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、光ピックアップ装置の大型化及び装置組み立て
時のコストアップをすることなく、非点収差の補正を行うことができる光ピックアップ装
置を提供することである。また、本発の他の目的は、前述の光ピックアップ装置において
、装置の組み立て後に発生する非点収差の補正が行える光ピックアップ装置を提供するこ
とである。
上記目的を達成するために本発明は、光源と、該光源から出射される光束を集光して光
記録媒体の記録面に導く集束手段と、前記光源と前記集束手段との間の光路中に配置され
るハーフミラーと、前記記録面で反射される戻り光束が入射される受光部と、を備える光
ピックアップ装置において、前記ハーフミラーは、電圧を印加するための電極と、該電極
からの電界に応じて透過光の屈折率を変化させる液晶素子の層とを有し、前記光源から出
射される光束の一部を透過して前記記録面の方向に導き、前記記録面で反射される戻り光
束の一部を反射して前記受光部の方向に導くように配置され、前記受光部に入射した光か
ら検出される検出信号に基づいて、前記液晶素子の層の屈折率を前記電極の電圧の調整に
より変化させる屈折率制御手段を備えることを特徴としている。
また、上記目的を達成するために本発明は、光源と、該光源から出射される光束を集光
して光記録媒体の記録面に導く集束手段と、前記光源と前記集束手段との間の光路中に配
置されるハーフミラーと、前記記録面で反射される戻り光束が入射される受光部と、を備
える光ピックアップ装置において、前記ハーフミラーは、電圧を印加するための電極と、
該電極からの電界に応じて透過光の屈折率を変化させる屈折率変化層とを有し、前記光源
から出射される光束の一部を透過して前記記録面の方向に導き、前記記録面で反射される
戻り光束の一部を反射して前記受光部の方向に導くように配置されていることを特徴とし
ている。
また、本発明は、上記構成の光ピックアップ装置において、前記屈折率変化層は、液晶
素子で形成されることを特徴としている。
また、本発明は、上記構成の光ピックアップ装置において、前記受光部に入射した光か
ら検出される検出信号に基づいて、前記屈折率変化層の屈折率を前記電極の電圧の調整に
より変化させる屈折率制御手段を備えることを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、光源と対物レンズの間の光路中に、印加電圧を変化させ
ることで屈折率が変化する液晶素子を配置しているために、装置の組み立て後に非点収差
の補正ができる。このため、各光学部品について、必ずしも高品質の光学部品を用いる必
要がなく、安価な汎用部品を用いることが可能となり、部品コストの削減が図れる。また
、ハーフミラーに液晶素子の層を設ける構成としているために、非点収差の補正にあたっ
て、光路中に新たに光学素子を追加する必要が無く、装置を大型化することがない。また
、受光部で検出した検出信号に基づいて、印加電圧を制御により液晶素子の屈折率の調整
を行うことが可能な構成であるため、温度変化や経時変化等により各光学部品を固定して
いる接着剤等の物性変化により非点収差が変化しても、その都度容易に非点収差の補正を
行うことができ、更に、光記録媒体の基板の複屈折性に起因する非点収差も精度良く補正
することが可能となる。
また、本発明の第2の構成によれば、光源と対物レンズの間の光路中に、印加電圧を変
化させることで屈折率が変化する屈折率変化層を配置しているために、装置の組み立て後
に非点収差の補正ができる。このため、各光学部品について、必ずしも高品質の光学部品
を用いる必要がなく、安価な汎用部品を用いることが可能となり、部品コストの削減が図
れる。また、ハーフミラーに液晶素子の層を設ける構成としているために、非点収差の補
正にあたって、光路中に新たに光学素子を追加する必要が無く、装置を大型化することが
ない。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第2の構成の光ピックアップ装置において、
屈折率変化層に液晶素子を用いているために、光を透過することができ、且つ、電圧によ
り屈折率が変化する物質を容易に入手できる。
また、本発明の第4の構成によれば、上記第2又は第3の構成の光ピックアップ装置に
おいて、受光部で検出した検出信号に基づいて、印加電圧を制御により液晶素子の屈折率
の調整を行うことが可能な構成であるため、温度変化や経時変化等により各光学部品を固
定している接着剤等の物性変化により非点収差が変化しても、その都度容易に非点収差の
補正を行うことができ、更に、光記録媒体の基板の複屈折性に起因する非点収差も精度良
く補正することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、CDやDVD等の
光記録媒体に対して、情報の記録及び再生を行える、本発明の第1実施形態にかかる光ピ
ックアップ装置1の概略断面図である。なお、ここで説明する構成は、実施形態の一例を
示すものであり、この実施形態に限定されるものではない。
図1において、光ピックアップ装置1は、CDやDVDなどの光記録媒体6上にレーザ
ビームを照射し反射光を受光することにより、光記録媒体6の信号記録面に記載された情
報を読取る装置である。光ピックアップ装置1は、例えば、レーザ光源2と、ハーフミラ
ー3と、コリメートレンズ4と、対物レンズ5と、受光部7と、屈折率制御回路8とを備
えている。
レーザ光源2は、所定の波長のレーザビームを出射する半導体レーザダイオードである
。例えば、CD用には785nmの波長が、DVD用には650nmの波長のレーザビー
ムを出射できる半導体レーザダイオードが使用される。なお、本実施形態では1つのレー
ザ光源2から出射されるレーザビームの波長は1種類であるが、複数の波長のレーザビー
ムを出射できるレーザ光源を用いても構わない。レーザ光源2を出射されたレーザビーム
は、ハーフミラー3に送られる。
ハーフミラー3は、レーザ光源2から出射されたレーザビームを透過するとともに、光
記録媒体6で反射されたレーザビームをさらに反射して、受光部7にレーザビームを導く
素子である。また、本実施形態においては、ハーフミラー3は、例えば、液晶素子層等の
屈折率変化層を有しており、ハーフミラー3を透過したレーザビームに位相差を与えるこ
とができる。ハーフミラーの詳細な構成等については後述する。ハーフミラー3を透過し
たレーザビームは、コリメートレンズ4に送られる。
コリメートレンズ4は、ハーフミラー3を透過してきたレーザビームを平行光に変換す
るレンズである。ここで、平行光とは、ハーフミラー3を透過したレーザビームの全ての
光路が光軸とほぼ平行である光をいう。コリメートレンズ4を透過した平行光は、対物レ
ンズ5に送られる。
対物レンズ5は、コリメートレンズ4から送られてきた平行光を光記録媒体6の内部に
形成された情報記録面上に集光させる。また、対物レンズ5は、光記録媒体6上で反射し
たレーザビームを平行光に変換し、コリメートレンズ4に送られる。コリメートレンズ4
に送られたレーザビームはハーフミラー3で反射されて受光部7に送られる。
受光部7は、レーザビームを受光後、光情報を電気信号に変換して、例えば光ディスク
装置等に備えられるRFアンプ等に出力する。この電気信号は、記録面に記録されている
データの再生情報と、光ピックアップ装置1自体及び対物レンズ5の位置制御に必要な情
報(サーボ情報)などを含む。
屈折率制御回路8は、ハーフミラー3が有する屈折率変化層の屈折率を制御するために
用いられる。
図2は、第1実施形態にかかるハーフミラー3の構成を示した概略断面図である。図2
に示すように、ハーフミラー3は、例えば、液晶9と、配向膜10a、10bと、透明電
極11a、11bと、ガラス基板12a、12bと、誘電体多層膜13とで形成される。
液晶9は、両端に電圧を印加すると液晶分子の配向が変化し、これに伴い屈折率が変化
する。このため、液晶9に印加する電圧の調整により、液晶9の屈折率の調整が可能とな
る。屈折率が変化すると液晶内部を透過するレーザビームの光路長が変化するために、屈
折率の調整、すなわち液晶9に印加する電圧の調整により、液晶9を透過するレーザビー
ムに位相差を発生させることが可能となる。
配向膜10a、10bは、液晶9に所定の配向を与えるために設けられており、液晶9
を挟み込むように配置されている。
さらに、配向膜10a、10bを挟み込むように透明電極11a、11bが配置されて
いる。透明電極11a、11bは、例えば、酸化インジウム(In23)を主成分とし、
二酸化スズ(SnO2)を10%程度混ぜた固溶体の透明膜(ITO膜)等の光透過性を
有する素材で構成される。
図3(a)は、透明電極11aを図2の上方からみた平面図であり、図3(b)は、透
明電極11bを図2の下方からみた平面図である。図3に示すように、透明電極11aは
縦横に碁盤目状に分割した電極形状を有しており、透明電極11bは分割されていない対
向電極となっている。このため、透明電極11aの各分割された電極(以下、分割電極と
いう)について、加える電圧を独立して制御すると、透明電極11aの各分割電極と透明
電極11bとの間に挟まれた液晶ユニットは、それぞれ独立に屈折率を制御できる。従っ
て、各分割電極に印加する電圧を制御することにより、ハーフミラー3を透過するレーザ
ビームの位相を制御することが可能となる。
なお、本実施形態では、透明電極11aのみを碁盤目状に分割した電極とし、透明電極
11bは分割しない電極としたが、必ずしもこれに限定される趣旨ではなく、本発明の目
的を逸脱しない範囲で変更可能である。すなわち、例えば、両方を碁盤目状に分割した電
極とすることも可能であるし、透明電極11bのみを碁盤目状に分割した電極等とするこ
とも可能である。また、碁盤目状に分割した電極ではなく、非点収差を主とする波面収差
分布に対応したパターン電極等としても構わない。
ガラス基板12a、12bは透明な基板であり、ガラス基板12aの下面、ガラス基板
12bの上面に、それぞれ上述の透明電極11a、11bが蒸着されている。ガラス基板
12aの上面に誘電体多層膜13が設けられており、この誘電体多層膜13により、レー
ザ源2から出射されたレーザビームが透過光と反射光に分割され、光記録媒体6の記録面
で反射されてコリメートレンズ4を透過したレーザビームが透過光と反射光に分割される
。なお、本実施形態では、レーザビームを分割する物質として誘電体多層膜を用いたが、
これに限定される趣旨ではない。例えば、クロム膜やインコーネルなどを用いても構わな
い。
本実施形態では、ハーフミラー3を構成する屈折率変化層として液晶9を用いたが、こ
れに限定される趣旨ではない。例えば、LiNbO3やBi12SiO20等の電気光学結晶
を用いても構わない。なお、電気光学結晶を用いた場合には、配向膜10a、10bは不
要である。
以上のように構成されるハーフミラー3の光ピックアップ装置1中での配置は、本発明
が、ハーフミラー3中に設けられた液晶9等の屈折率変化層の屈折率を調整して非点収差
を補正する構成のために、レーザ光源2から出射されたレーザビームが、ハーフミラー3
を透過して光記録媒体6に到達する位置に配置する必要がある。ただし、ハーフミラー3
の配置は、本実施形態の位置に限定される趣旨ではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲
で変更可能である。すなわち、例えば、コリメートレンズ4とハーフミラー3の位置を変
更する等しても構わない。
次に、第1実施形態の光ピックアップ装置1を用いて、非点収差の補正を行う方法につ
いて説明する。前述のように、非点収差は、主に各光学部品の加工精度、組み立て精度、
光軸のずれ及び傾きなどに起因して発生する。このため、各光学部品を組み立てて光ピッ
クアップ装置1を製作した後に、レーザ光源2からレーザビームを出射した場合の非点収
差のパターンを測定し、この測定結果から非点収差を補正するための条件を求め、その情
報を予め屈折率制御回路8に備えられるメモリ(図示せず)に格納しておくことで非点収
差の補正が可能となる。
すなわち、屈折率制御回路8に備えられるメモリには、透明電極11aの各分割電極と
対向電極である透明電極11bとの間に印加する電圧の情報が記憶されており、この印加
電圧情報を用いて屈折率制御回路8は、各分割電極に印加する電圧を調整し、ハーフミラ
ー3中に設けられる液晶9の屈折率を制御して非点収差の補正を行う。
屈折率制御回路8に備えられるメモリに記憶される印加電圧情報は、次のように求める
ことができる。ハーフミラー3で発生する非点収差は、nをハーフミラーの屈折率、tを
ハーフミラー厚、θを光軸と垂直な面に対するハーフミラーの傾きとしたとき、
非点収差=((n2−1)t(sinθ)2)/((n2−(sinθ)23/2
で求められる。このため、測定結果から得られた非点収差のパターンに基づいて、上記式
を用いて、透明電極11aの各分割電極と対向電極である透明電極11bとの間に印加す
る電圧条件を演算により求めることができる。
なお、演算により求めた値を用いて収差の補正をすると、実際には収差の補正が正確に
できない可能性がある。このため、演算結果により求めた電圧を各分割電極に印加した後
、非点収差の測定を再度行い、非点収差の補正が正確にできていない場合には、透明電極
11に印加する電圧の条件を更に調整して、非点収差が最小となる条件を得てから、その
情報を屈折率制御回路8に備えられるメモリに記憶させるのが好ましい。
上述の第1実施形態の場合、光ピックアップ装置1を組み立てた後に、温度変化や経時
変化等により各光学部品を固定している接着剤等の物性変化により非点収差が変化した場
合や、光記録媒体の製造条件に由来する基板の複屈折性に起因する非点収差が発生した場
合には、非点収差の補正を行うことが困難である。このため、光ピックアップ装置1の構
成を第2実施形態のようにすることも可能である。
図4は、第2実施形態の光ピックアップ装置1を示す概略断面図である。光学系の構成
については、図1に示す第1実施形態の場合と同一であるため、その説明については省略
する。第2実施形態では、光ピックアップ装置1を使用中に受光部7で得られる収差信号
を一旦CPU14に送り、このCPU14により、CPU14に記憶されているプログラ
ムに従って収差補正条件を導き、導き出された条件で屈折率制御回路8を作動することで
、光記録媒体6上に発生する非点収差の補正を行っている。ここで、CPU14と屈折率
制御回路8とで屈折率制御手段15が構成される。
屈折率制御手段15により液晶9等の屈折率変化層の屈折率を制御する場合、予め屈折
率制御回路8の作動情報をメモリに記憶させておかなくても、非点収差の補正を行えるた
めに、光ピックアップ装置1を組み立てた後に、温度変化や経時変化等により各光学部品
を固定している接着剤等の物性変化により非点収差が変化した場合や、光記録媒体の製造
条件に由来する基板の複屈折性に起因する非点収差が発生した場合にも、非点収差の補正
を行うことが可能となる。
なお、第2実施形態の場合には、光ピックアップ装置1における収差の補正は、収差の
測定とCPU14によって求められた収差補正条件の変更を繰り返して、最終的に非点収
差の量が最小となる条件を導く形式となるため、収差の補正に時間を要する。このため、
少なくとも、各光学部品の加工精度、組み立て精度、光軸のずれ及び傾きなどに起因して
発生する非点収差については迅速に収差の補正ができるように、第1実施形態の場合と同
様にして得た非点収差の補正情報をCPU14に記憶させておくのが好ましい。
このようにすれば、初めに記憶した条件で非点収差の補正を行うことが可能となるので
、各光学部品の加工精度、組み立て精度、光軸のずれ及び傾きなどに起因して発生する非
点収差以外の非点収差が発生していなければ、迅速に非点収差の補正が可能となる。
本発明では、光源と、光源から出射される光束を集光して光記録媒体の記録面に導く対
物レンズと、光源と対物レンズとの間の光路中に配置されるハーフミラーと、記録面で反
射される戻り光束が入射される受光部と、を備える光ピックアップ装置において、ハーフ
ミラーは、電圧を印加するための電極と、電極からの電界に応じて透過光の屈折率を変化
させる屈折率変化層とを有し、光源から出射される光束を透過し、記録面で反射される戻
り光束を反射するように配置されている。
このため、従来のように新たに屈折率変化層を有する光学部品を付け加えなくても、ハ
ーフミラーがその役割も兼ねる為に、装置を大型化することなく、非点収差を行える光ピ
ックアップ装置を提供できる。
また、屈折率変化層として、一般に流通している液晶を用いることが可能であるため、
コストの増加を最低限に抑えつつ、非点収差の補正ができる光ピックアップ装置を提供で
きる。
また、受光部で検出した非点収差を用いて、非点収差の調整量を制御できる屈折率制御
手段を設けることにより、光ピックアップ装置の使用中に発生する非点収差についてまで
広く補正できる。
は、第1実施形態の光ピックアップ装置の概略断面図である。 は、本実施形態のハーフミラーの概略断面図である。 は、本実施形態のハーフミラーに設けられる透明電極の平面図である。 は、第2実施形態の光ピックアップ装置の概略断面図である。 は、従来の光ピックアップ装置の概略断面図である。
符号の説明
1 光ピックアップ装置
2 レーザ光源
3 ハーフミラー
5 対物レンズ(集束手段)
6 光記録媒体
7 受光部
9 液晶(屈折率変化層)
11 透明電極
15 屈折率制御手段

Claims (4)

  1. 光源と、該光源から出射される光束を集光して光記録媒体の記録面に導く集束手段と、
    前記光源と前記集束手段との間の光路中に配置されるハーフミラーと、前記記録面で反射
    される戻り光束が入射される受光部と、を備える光ピックアップ装置において、
    前記ハーフミラーは、電圧を印加するための電極と、該電極からの電界に応じて透過光の
    屈折率を変化させる液晶素子の層とを有し、前記光源から出射される光束の一部を透過し
    て前記記録面の方向に導き、前記記録面で反射される戻り光束の一部を反射して前記受光
    部の方向に導くように配置され、
    前記受光部に入射した光から検出される検出信号に基づいて、前記液晶素子の層の屈折率
    を前記電極の電圧の調整により変化させる屈折率制御手段を備えることを特徴とする光ピ
    ックアップ装置。
  2. 光源と、該光源から出射される光束を集光して光記録媒体の記録面に導く集束手段と、
    前記光源と前記集束手段との間の光路中に配置されるハーフミラーと、前記記録面で反射
    される戻り光束が入射される受光部と、を備える光ピックアップ装置において、
    前記ハーフミラーは、電圧を印加するための電極と、該電極からの電界に応じて透過光の
    屈折率を変化させる屈折率変化層とを有し、前記光源から出射される光束の一部を透過し
    て前記記録面の方向に導き、前記記録面で反射される戻り光束の一部を反射して前記受光
    部の方向に導くように配置されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  3. 前記屈折率変化層は、液晶素子で形成されることを特徴とする請求項2に記載の光ピッ
    クアップ装置。
  4. 前記受光部に入射した光から検出される検出信号に基づいて、前記屈折率変化層の屈折
    率を前記電極の電圧の調整により変化させる屈折率制御手段を備えることを特徴とする請
    求項2又は請求項3に記載の光ピックアップ装置。
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