JP4626959B2 - 粘稠性物質の注出容器 - Google Patents
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Description
中でも、上記したような各種の粘稠性または流動性を有する物質を収容した中空容器から内容物を取り出して使用する際に、従来のような複雑な構造をした注出ポンプや特別な道具を用いることなしに、そして、手を汚すようなこともなしに中空容器内から必要な量だけ注出できるようにした注出容器に関するものである。
また、上記したような各種の粘稠性または流動性を有する物質が、押圧変形が可能な軟質材からなるチューブ状その他の形状をした中空容器に収容されているものについては、容器の蓋を開口してから容器の胴部を押圧、変形せしめることにより内容物を注出して使用する方法が採られている。
また、後者のように軟質容器に収容したものについては、道具等を汚すことはないが、内容物の量が少なくなってくるにつれて、容器を圧迫して内容物を注出するのが次第に難しくなってくる。
そして、上記したような容器に収容された内容物は、使用するのに伴って容器内の空間が広くなって、内容物が空気に接触する面積が大きくなると、内容物が酸化したり、腐敗してしたりする確率が高くなるが、そのような内容物の変質を防止するのは非常に難しい。
そこで、このような従来の注出装置に比べて、もう少し簡単な構造をして部品の数が少なくて、組立にも手間がかからないようにして、製造コストを低減できる安価な注出装置を用いた注出容器が出現するのが望まれる。
そして、前記ノズル26を保護するように収納する頂壁部を有する蓋体22が容器本体21の上端部に回転軸27を介して開閉可能に設けられていて、前記蓋体を開いた状態にして中蓋25を押圧することにより高粘性の内容物がノズル26の先端開口から注出されるように構成した注出容器20である。
しかし、上記の考案は、吐出用のノズル26は保護されているので安全ではあるが、前記吐出管23を保持するのに、底部に係合支持棒21bを設けたり、貫通孔24aを有する保持板24を設けて固定するのでやや複雑になり、また、押圧して内容物を吐出させる中蓋25が不使用時に移動しないようにするストッパーが設けられていないので、不用意に内容物が注出する恐れが解消されておらず、まだ改善の余地が残されている。
そこで、高粘性を有する内容物を注出可能に収容する注出容器を、円筒状の注出容器本体と該注出容器本体内に密着して摺動する押圧ピストンを有する注出ピストンから構成して、前記注出ピストンの押圧部を押圧して前記押圧ピストンを降下させることにより、容器内の内容物を加圧して注出ノズルから注出するようにすると共に、不使用時には、前記押圧ピストンが降下しないようにストッパーを係止してノズルから不用意に内容物が注出されないように形成する。
そして、前記注出容器を、極力少ない点数の部品から構成される非常に簡単な構造にして、特別な注出手段を必要としない安価に製造できる安全な注出容器を提供する。
また、前記押圧ピストンは、前記注出容器本体に密着する円板の周縁部にピストンを周設して中空容器本体の内周面に摺動するように形成して、円板の中央部に前記底壁部の案内部材を挿通する連結筒部を形成して、前記押圧ピストンの連結筒部に注出ノズルと押圧部を形成した吐出管を嵌着、接続して押圧可能な注出ピストンを形成して、注出容器本体内に収容した高粘性を有する内容物を押圧して注出可能に形成する。
このように構成された注出容器本体の上端部に、前記注出ピストンの吐出管を上下動可能に貫通させた状態で蓋体を嵌着、密閉して、前記吐出管の蓋体の上部に突出した部分にストッパーを係止して、前記注出容器の高粘性を有する内容物を注出不可能にする。
また、前記注出容器本体に密着する円板の周縁部にピストンを周設して、注出容器本体の内周面に摺動可能にした内容物を押圧する押圧ピストンを形成すると共に、前記押圧ピストンの中央部に前記底壁部に立設した案内部材を挿通可能にする連結筒部を形成して、該連結筒部に注出ノズルと押圧部を形成した吐出管を連結して押圧可能な注出ピストンを形成する。
このように構成された注出容器の上端部に、前記吐出管を貫通させて蓋体を嵌着せしめて密閉して、該蓋体の上部に突出した吐出管にストッパーを係止して、前記吐出管先端部の注出ノズルを保護するように保護蓋を前記蓋体の上から被着して、高粘性を有する内容物を吐出可能に収容した注出容器を構成する。
本願発明は、図2に示すように、熱可塑性合成樹脂を射出成形して円筒体に成形された上端部2aに蓋体7を嵌着可能に形成すると共に、下端部に押圧ピストン5を案内、支持する棒状の案内部材4を立設した底壁部2bを設けて高粘性を有する内容物を収容可能な注出容器本体を成形する。
その一方で、前記注出容器本体2の上端部に嵌着可能な円板状をした蓋体7を、熱可塑性合成樹脂を射出成形して成形すると同時に、前記蓋体の中央部に注出ピストン3の吐出管6を摺動可能に挿通する嵌合筒7aを成形して、該蓋体により密閉可能にした注出容器本体2を形成する。
また、熱可塑性合成樹脂を射出成形して管状体を成形して、該管状体の下端に前記押圧ピストン5の連結筒部5bに嵌合、連結可能な嵌合部6aを形成し、上端部に注出ノズル8を形成すると共に押圧部6bを設けた吐出管6を成形すると同時に、該吐出管6の内部に前記案内部材4を上下動自在に挿通可能に形成して、更に、吐出管6の外周面にはストッパー9を係止可能な係合凹溝6cを形成する。
上記のような構成にした注出容器本体2の空腔部に高粘性を有する内容物を収容したものに対して、前記押圧ピストン5を前記注出容器本体底壁部2bに設けた案内部材4を挿通せしめて、注出容器本体2内に摺動可能にしてから(この時、実際には吐出管に蓋体が挿通されている)、前記注出容器本体の上端部2aに蓋体7を嵌着せしめることにより、図1に示したように、内容物を注出可能にした注出容器1が形成される。
そして、このようにして内容物を吐出不能な状態された注出容器1には、注出ピストン3を保護するカップ状をした保護蓋10を注出ノズル8の上から被せて、前記蓋体7の外側の係合部7bに保護蓋10の開口端に設けた嵌合部10aを嵌合せしめて固定することにより、図1に見るような商品としての注出容器1が構成される。
そこで、前記注出容器1をテーブルまたは鏡等の置き台や棚等の適当な平坦面の上に載置した状態にして、注出ノズル8の開口部を塞いでいた開閉蓋8aを開いてから、前記注出ピストンの押圧部(押圧ヘッド)6bを指先等で押圧すると、吐出管6を介して押圧ピストン5は下方へ押下げることができる。
このようにして、押圧ピストン5により加圧状態とされた内容物は、前記案内部材4の外周面に設けられた流出溝4aに沿って流動して、案内部材4と連結筒部5b内面及び吐出管6内面との隙間を通って上方へ押し上げられる。
その結果、内容物は前記注出ノズル8の先端開口部から注出されることになるので、必要な量を適当な受け皿や手のひら等に受け取って使用することが可能となる。
そこで、注出ピストン3の吐出管6の外周面に設ける前記係合凹溝6cを、内容物を注出する量の目安となる位置に複数個設けて、ストッパー9を係止可能に形成しておくことにより、前記係合凹溝6cを目視しながら押圧部を押圧すれば、係合凹溝6cが目盛りの役目を果たすので、必要とする量の内容物をほぼ正しく、且つ、容易に注出することができるようになる。
このようにして容器本体の中程で吐出管6を係止して注出ピストンを降下不能に固定することにより、不使用時に内容物が注出することがないばかりか、使いかけの場合に、容器内の内容物が空気中の酸素により酸化されて変質するのを防ぐことも可能になる。
また、注出ピストン3は、注出ノズル8と押圧部6bとを設けて成形した吐出管6に、別体に成形された押圧ピストン5を連結して押圧可能となる構造に形成したが、逆に吐出管6に押圧ピストン5を一体に形成しておいて、別体に成形した注出ノズル8と押圧部6bと接合することも可能である。
更に、注出容器の上端部を密閉する蓋体7を2つに分割可能な構造に形成しておけば、注出ピストン3を容器本体に装着するのが容易になる。
そして、本願発明は、注出容器を構成する部品の数を可能な限り少なくして、容器の構造を簡単なものにしたことから、それを組み立てるのが極めて容易になったことから、従来の注出容器に比べて低コストで製造することができる。
また、注出ピストンの移動を阻止するストッパー機能を設けたことにより、何らかの要因で容器本体部が不用意に押圧力が加えられたとしても、押圧ピストンの降下が阻止されているので、不使用時に内容物が注出する恐れはない。
また、マヨネーズやケチャップ、ホワイトソース等のペースト状をした各種の調味料や食品等を収容する容器、更には、グリース等の潤滑油や靴墨等の皮革保護材、あるいは、糊やその他の接着剤等の容器としても使用することが可能である。
2. 注出容器本体
3. 注出ピストン
4. 案内部材
5. 押圧ピストン
6. 吐出管
7. 蓋体
8. 注出ノズル
9. ストッパー
10. 保護蓋
Claims (3)
- 上端部は開放状に形成され、下端部は底壁部を設けて閉鎖状に形成された円筒体からなり、該円筒体の内側に形成された空腔部に粘稠性物質を内容物として収容する注出容器本体と、前記注出容器本体に密着し円板状に形成された押圧ピストンと、前記押圧ピストンと連結し、押圧によって前記注出容器本体に収容した内容物を注出する注出ピストンと、前記注出容器本体の上端部に嵌着され該注出容器本体を密閉する蓋体と、を備えた注出容器であって、
前記注出容器本体の底壁部に、前記注出ピストンと押出される内容物を案内する案内部材を立設し、
前記押圧ピストンの縁部に、前記注出容器本体の内周面と摺動するピストンを周設するとともに、該押圧ピストンの中央部に前記案内部材を挿通可能にした連結筒部を設け、
前記注出ピストンに、前記押圧ピストンの連結筒部と嵌合するとともに内部に前記案内部材を上下動自在に挿通可能とする吐出管と、該吐出管の上端部に位置し押圧によって前記押圧ピストンを押下げる押圧部と、該吐出管の先端に位置し前記案内部材と該吐出管との隙間を通って押し上げられた前記内容物を先端開口部から注出する注出ノズルとを設け、
前記吐出管の外周面に、該吐出管の長手方向に沿って間隔をあけて配列された複数個の係合凹溝を形成し、
前記蓋体の中央部に、前記吐出管を摺動可能に挿通する嵌合筒を形成するとともに、該蓋体の上面に、前記係合凹溝に係止せしめて前記押圧ピストンの降下を阻止するストッパーを設けたことを特徴とする粘稠性物質の注出容器。 - 前記案内部材は、棒状の部材であり、該棒状の部材の表面に、軸方向に沿って形成され前記内容物の流動を可能とする凹溝を設けたことを特徴とする請求項1に記載する粘稠性物質の注出容器。
- 前記ストッパーは、弾性変形を伴って前記係合凹溝に係合可能なC字状をなす係止部と、該係止部と連設する摘み片を有することを特徴とする請求項1または2に記載する粘稠性物質の注出容器。
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