JP4625863B2 - 送信装置および送受信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、デジタル信号の送信装置及び送受信装置に関し、特に、STB(Set Top Box)、DVDプレーヤー、DVDレコーダー等の映像信号及び音声信号の伝送に用いられる送信装置及び送受信装置に関するものである。
従来の映像信号の伝送に用いられる送信装置および送受信装置の規格として、DVI(Digital Visual Interface)規格が知られている(例えば、送信装置および送受信装置については特許文献1参照、DVI規格については非特許文献1参照)。DVI規格の拡張として、音声信号を映像信号に多重して伝送するHDMI(High Definition Multimedia Interface)規格も知られている(例えば非特許文献2参照)。HDMI規格はDVI規格の上位互換性を有しており、基本的にはDVI規格と同一の送受信方法を使用している。このため以下では、DVI規格を例にとって従来の送信装置および送受信装置について説明する。
図8は送信装置および送受信装置の従来例を示す。図8において、11はエンコーダ、12はパラレル・シリアル変換器、14は分周器、16はMPEG2デコーダー、32は10逓倍PLL、17はシリアル・パラレル変換器、18はデコーダ、19はクロック再生部、110は分周器、111はテレビ、112はケーブル、451は送信装置、114は受信装置であり、送信装置451と受信装置114とから送受信装置が構成されている。
DVI規格では、RGB3チャンネルのデータを送信するが、図8では簡略化のため、これらのうち1チャンネルのみを図示した。以下、図8を用いて、従来の送信装置および送受信装置について説明する。
MPEG2デコーダー16では、例えばDVDディスクに記録されているMPEG2データをデコードし、クロックCLK1とこれに同期した8ビットの映像信号をデータDATA1として出力する。エンコーダ11では8ビット−10ビット変換を行い、10ビットのデータを出力する。この8ビット−10ビット変換では、データをシリアルデータに変換した際に「1」や「0」が長期間連続することなく、かつDCバランスが取れるよう2ビットが追加される。パラレル・シリアル変換器12では、10ビットのパラレルデータが1ビットのシリアルデータに変換され、伝送路であるケーブル112へ送出される。
10逓倍PLL32は、PLL(Phase Locked Loop)を有しており、入力クロックCLK1に対して10倍の周波数のクロックCLK1×10を逓倍クロックとして生成する。パラレル・シリアル変換器12では、この逓倍クロックCLK1×10を用いて10ビットのパラレルデータを1ビットのシリアルデータに変換する。一方、逓倍クロックCLK1×10は分周器14において周波数が1/10となり、ケーブル112へ送信される。
以上の動作で、入力クロックCLK1と同一周波数のクロックCLK2と、入力クロックCLK1の10倍の周波数を有する逓倍クロックCLK1×10に同期したデータDATA2とが、ケーブル112へ送出される。以下、このクロックCLK2を送信クロック、データDATA2を送信データと呼ぶ。また、ケーブル112を介して受信装置114が受信したクロックCLK3を受信クロック、データDATA3を受信データと呼ぶ。
受信装置114では、ケーブル112を介して入力される受信クロックCLK3と1ビットのシリアルデータである受信データDATA3から、送信された8ビットのパラレルデータDATA4とこれに同期したクロックCLK4を出力する。受信クロックCLK3と受信データDATA3との間には、時間軸方向の揺れ(以下ジッタと呼ぶ)が存在する。このジッタには、送信データDATA2と送信クロックCLK2間のジッタに、ケーブル112伝送時に発生するジッタが加算されている。クロック再生部19では、受信クロックCLK3を10逓倍し、受信データDATA3のジッタに追従した10倍の周波数のクロックを逓倍クロックCLK3×10として生成する。シリアル・パラレル変換器17はこの逓倍クロックCLK3×10を用いて、1ビットシリアルデータを10ビットパラレルデータに変換する。デコーダ18は10ビット−8ビット変換を行い、送信された8ビットデータDATA4を復元する。分周器110は逓倍クロックCLK3×10を1/10分周し、送信されたクロックCLK4を復元する。最終的に受信装置114からはデータDATA4とクロックCLK4が出力され、これがテレビ111に表示される。
クロック再生部19については、例えば特許文献2の方式が知られている。図9にクロック再生部19の一例を示す。図9において、461は10逓倍PLL、462は多相化部、463はオーバーサンプラー、464は位相決定部である。以下図9を用いてクロック再生部19の動作を説明する。
10逓倍PLL461は、受信クロックCLK3の10倍の周波数のクロックCLK3×10を生成する。多相化部462は、クロックCLK3×10を位相シフトさせ、複数のクロック(以下多相クロックと呼ぶ)を生成する。図10に受信データと多相クロックとの関係を示す。図10では、多相化部462によって5個のクロック(以下5相クロックと呼ぶ)を生成した例を示した。図10(1)の受信データに対して、図10(2)〜(6)の5相クロックが生成されている。5相クロックの場合、各クロック間の位相シフト量はクロック周期の1/5である。なお、この位相シフトは例えば遅延線によって与えられる。
オーバーサンプラー463は、5相クロックのそれぞれによって受信データDATA3をサンプリングする。すなわち、5倍のオーバーサンプルを行う。位相決定部464は、オーバーサンプラー463の結果を受け、どのクロック位相で受信データDATA3をサンプルすれば最もセットアップ・ホールドマージンが大きくなるかを判定し、最もマージンの大きいクロック位相を選択して出力する。マージンの大きさを判定するためには、5相クロックの立ち上がり付近に受信データの変化点がないかどうかを判定すればよい。このようにして選択されたクロックを用いることによって、シリアル・パラレル変換器17では受信データDATA3のシリアル・パラレル変換を安定に行うことができる。
特開2002−314970号公報 特表平11−511926号公報 Digital Visual Interface DVI Revision 1.0、[online]、1999年4月2日、DDWG(Digital Display Working Group)、[平成18年2月17日検索]、インターネット<http://www.ddwg.org/lib/dvi_10.pdf> HDMI Retail Training Program Part II: Additional Information、[online]、2004年5月27日、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)、[平成18年2月17日検索]、インターネット<http://www.hdmi.org/pdf/HDMIPresPart2.ppt>
DVI規格では、様々なビデオフォーマットの伝送が定義されている。例えばスタンダード信号(以下、SD信号、クロック周波数27MHz)やハイビジョン信号(以下、HD信号、クロック周波数74.175MHz)の伝送を行うことができる。また途中でSD信号からHD信号へ切り替えることもできる。SD信号からHD信号へ切り替えを行った場合、クロック周波数が27MHzから74.175MHzへ切り替わる。このとき、クロック再生部19では、受信クロックCLK3の周波数変化に対し、位相決定部464が再度クロック位相を選択し直す必要がある。
図11に受信データと5相クロックの関係を示す。図10では時間軸を横方向に図示したが、図11では縦方向とし、受信データのジッタを図示している(図11(1)〜(5))。また図11(6)では、5相クロックを立ち上がりエッジ(a、b、c、d、e)のみで示している。
受信クロックCLK3の周波数変化時点で、受信データDATA3のジッタが図11のようであったとすると、位相決定部464は5相クロックの中からcを選択し(図11(7))、一旦動作を停止する。しかしながら、その後の周囲温度の変化、送信側の不安定要因等により、時間が経過すると、受信データDATA3のジッタ量が受信クロックCLK3の周波数変化時点から増大する場合がある。この例を図12に示す。図12では、本来5相クロックのdが選択されるべきではあるが、5相クロックのcが選択されたままになっていると、受信データDATA3のジッタ(図12(1)〜(5))に対してマージンが減少する。
このとき、シリアル・パラレル変換器17では、受信データDATA3とクロック再生部19の出力クロックCLK3×10との間のセットアップマージンまたはホールドマージンが減少し、ミスラッチが起こりデータ化けが発生しやすくなる。この状態はクロック再生部19が再度クロック位相を選択し直すまで継続し、この間データ化けがノイズとなってテレビ111に表示されてしまう。
さらに、クロック再生部19の応答の時定数は受信装置114によって様々であるため、テレビ111にノイズが表示される時間は受信装置114によって異なる。また、信号をHD信号からSD信号へ切り替えた場合も、同様の現象が発生してしまう。すなわち、クロック周波数が変化するような信号切り替えを送信装置451で行った場合に、テレビ111にノイズが表示される。
また、位相決定部464では、受信データDATA3の変化点を用いてクロック位相の選択を行っている。このため、受信クロックCLK3の周波数変化時点でデータの変化点が少ないと、正しいクロック位相が選択される確率が減少する。例えば受信データDATA3に「1」が連続すると、「1」から「0」または「0」から「1」への変化点がないので、この間位相決定部464ではクロック位相の選択ができない。この場合、受信データDATA3と受信クロックCLK3との間に大きなジッタがあっても、これを正しく検出し、望ましいクロック位相を選択することができない。すなわち、受信クロックCLK3の周波数変化時に、受信データDATA3において「1」「0」の変化点が少ないと、このときに大きなジッタがあってもマスクされてしまい、大きなジッタを反映したクロック位相の選択ができなくなる場合がある。このことは、テレビ111へのノイズ表示につながってしまう。
以上ではDVI規格について説明したが、HDMI規格でも同様の現象が発生する。またDVI規格、HDMI規格に限らず、同様の方式で送受信を行う場合、同様の現象が発生する。
このように、従来の構成では、例えばSD信号からHD信号に送信装置側で信号切り替えを行った場合、受信装置側のテレビでノイズが表示されるという問題点を有していた。
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、信号切り替え時に、ノイズの発生を低減することが可能な送信装置および送受信装置を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、送信装置として、入力クロックを受け、この入力クロックのN倍(Nは自然数)の周波数を有する逓倍クロックを生成するものであり、かつ、前記逓倍クロックのジッタ量を増減可能に構成されたクロック逓倍部と、入力データを受け、この入力データから前記逓倍クロックに同期したシリアルデータである送信データを生成する送信データ生成部と、前記逓倍クロックをN分の1に分周して、送信クロックを生成する送信クロック生成部と、前記入力クロックの周波数切り替え時に、所定時間、前記逓倍クロックのジッタ量を増加させるよう、前記クロック逓倍部を制御する制御部とを備えたものである。
本発明によると、クロック逓倍部が、生成する逓倍クロックのジッタ量を増減可能に構成されており、入力クロックの周波数切り替え時に、制御部からの制御によって、所定時間、逓倍クロックのジッタ量を増加させる。これにより、入力クロックの周波数切り替え時に、送信データと送信クロックとのジッタ量が、通常時よりも大きくなる。したがって、この送信データおよび送信クロックを受信する受信装置において、より望ましいクロック位相の選択が可能となり、クロック再生が正しく実行される。
また、本発明は、送信装置として、入力クロックを受け、この入力クロックのN倍(Nは自然数)の周波数を有する逓倍クロックを生成するクロック逓倍部と、入力データを受け、この入力データから前記逓倍クロックに同期したシリアルデータである送信データを生成する送信データ生成部と、前記逓倍クロックをN分の1に分周して、送信クロックを生成するものであり、かつ、前記送信クロックのジッタ量を増減可能に構成された送信クロック生成部と、前記入力クロックの周波数切り替え時に、所定時間、前記送信クロックのジッタ量を増加させるよう、前記送信クロック生成部を制御する制御部とを備えたものである。
本発明によると、送信クロック生成部が、送信クロックのジッタ量を増減可能に構成されており、入力クロックの周波数切り替え時に、制御部からの制御によって、所定時間、送信クロックのジッタ量を増加させる。これにより、入力クロックの周波数切り替え時に、送信データと送信クロックとのジッタ量が、通常時よりも大きくなる。したがって、この送信データおよび送信クロックを受信する受信装置において、より望ましいクロック位相の選択が可能となり、クロック再生が正しく実行される。
また、本発明は、送信装置として、入力クロックを受け、この入力クロックのN倍(Nは自然数)の周波数を有する逓倍クロックを生成するクロック逓倍部と、入力データを受け、この入力データから前記逓倍クロックに同期したシリアルデータである送信データを生成するものであり、かつ、前記送信データを所定の固定データに設定可能に構成された送信データ生成部と、前記逓倍クロックをN分の1に分周して、送信クロックを生成する送信クロック生成部と、前記入力クロックの周波数切り替え時に、所定時間、前記送信データを前記所定の固定データに設定するよう、前記送信データ生成部を制御する制御部とを備え、前記所定の固定データは、前記送信データにおいて「1」から「0」または「0」から「1」への変化点の発生頻度が、通常時と比べて高くなるようなデータであるものである。
本発明によると、送信データ生成部は、送信データを所定の固定データに設定可能に構成されており、入力クロックの周波数切り替え時に、制御部からの制御によって、所定時間、送信データを所定の固定データに設定する。この所定の固定データは、送信データにおいて「1」から「0」または「0」から「1」への変化点の発生頻度が、通常時と比べて高くなるようなデータである。これにより、入力クロックの周波数切り替え時に、送信データにおいて、通常時よりも「0」「1」の変化点の発生頻度を高めることができる。したがって、この送信データおよび送信クロックを受信する受信装置において、より望ましいクロック位相の選択が可能となり、クロック再生が正しく実行される。
また、本発明は、送信装置として、入力クロックを受け、この入力クロックのN倍(Nは自然数)の周波数を有する逓倍クロックを生成するクロック逓倍部と、映像信号を表す入力データを受け、この入力データから前記逓倍クロックに同期したシリアルデータである送信データを生成するものであり、かつ、前記入力データを所定の固定データに設定可能に構成された送信データ生成部と、前記逓倍クロックをN分の1に分周して、送信クロックを生成する送信クロック生成部と、前記入力クロックの周波数切り替え時に、所定時間、前記入力データにおける帰線期間以外のデータを前記所定の固定データに設定するよう、前記送信データ生成部を制御する制御部とを備え、前記所定の固定データは、前記送信データにおいて「1」から「0」または「0」から「1」への変化点の発生頻度が、通常時と比べて高くなるようなデータであるものである。
本発明によると、送信データ生成部は、映像信号を表す入力データを所定の固定データに設定可能に構成されており、入力クロックの周波数切り替え時に、制御部からの制御によって、所定時間、入力データにおける帰線期間以外のデータを所定の固定データに設定する。この所定の固定データは、送信データにおいて「1」から「0」または「0」から「1」への変化点の発生頻度が、通常時と比べて高くなるようなデータである。これにより、入力クロックの周波数切り替え時に、送信データにおいて、通常時よりも「0」「1」の変化点の発生頻度を高めることができる。したがって、この送信データおよび送信クロックを受信する受信装置において、より望ましいクロック位相の選択が可能となり、クロック再生が正しく実行される。
また、本発明は、前記各本発明に係る送信装置と、前記送信装置から送信された前記送信データおよび前記送信クロックを受信データおよび受信クロックとして受信する受信装置とを備えた送受信装置として、前記受信装置は、前記受信データおよび前記受信クロックから、前記受信データに同期した、前記受信クロックのN倍の周波数を有する逓倍クロックを再生するクロック再生部と、前記受信クロックの周波数の切り替わりを検知し、検知したとき、前記クロック再生部を初期化する周波数変化検知手段とを備えたものである。
本発明によると、受信装置において、周波数変化検知手段によって受信クロックの周波数の切り替わりが検知されたとき、クロック再生部が初期化される。これにより、正しいクロック位相が選択されるまでの時間が短縮される。
本発明によると、入力クロックの周波数切り替え時に、送信データと送信クロックとのジッタ量を通常時よりも大きくすることができる。また、入力クロックの周波数切り替え時に、送信データにおいて、通常時よりも「0」「1」の変化点の発生頻度を高めることができる。これにより、送信装置側で信号切り替えを行った場合に、この送信データおよび送信クロックを受信する受信装置において、クロック再生を正しく実行させることができる。したがって、受信装置側のテレビに表示されるノイズを低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、DVI規格を例にとり、また、DVI規格やHDMI規格では3チャンネルでデータ伝送を行うが、簡略化のため、1チャンネルで伝送を行う場合について示す。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る送信装置を含む構成を示すブロック図である。図1において、背景技術の項で説明した図8と共通の構成要素には、図8と同一の符号を付しており、ここではその詳細な説明を省略する。送信装置152は、10逓倍PLL32に代えて、入力クロックCLK1のN倍(Nは自然数、ここではN=10)の周波数を有する逓倍クロックCLK1×10を生成し、かつ、この逓倍クロックCLK1×10のジッタ量を増減可能に構成された10逓倍PLL13を備えている。また、送信装置152は、分周器14によって生成された送信クロックの位相シフト量すなわちジッタ量を増減可能に構成された位相調整部31と、エンコーダ11の出力を固定データに設定可能に構成された固定データ生成部61とを備えている。また、制御部としてのマイコン151は、10逓倍PLL13、位相調整部31および固定データ生成部61の制御を行う。マイコン151はリモコン101からの情報に基づいて動作する。
10逓倍PLL13によって、クロック逓倍部が構成されており、エンコーダ11、パラレル・シリアル変換部12および固定データ生成部61によって、送信データ生成部が構成されており、分周器14および位相調整部31によって、送信クロック生成部が構成されている。
図2は10逓倍PLL13の具体的な構成例を示す。図2において、21は位相比較器、22、23はローパスフィルタ(以下LPFと呼ぶ)、24は電圧制御発振器(以下VCOと呼ぶ)、25は分周器、26は選択回路である。位相比較器21および分周器25によって、位相比較部が構成されており、LPF22,23および選択回路26によって、フィルタ部が構成されている。
VCO24は入力クロックCLK1の10倍の周波数を有する逓倍クロックCLK1×10を発振出力している。この逓倍クロックCLK1×10がパラレル・シリアル変換器12と分周器14に供給される。また逓倍クロックCLK1×10は、分周器25によって1/10分周され、位相比較器21によって入力クロックCLK1と比較される。比較された結果は、LPF22またはLPF23において高調波が除去された後、VCO24に印加される。すなわち、位相比較器21、LPF22,23、VCO24、分周器25によってPLLが構成され、入力クロックCLK1に位相同期した逓倍クロックCLK1×10が生成される。
また、選択回路26は、マイコン151からの指示に従って、LPF22またはLPF23のいずれかの出力を選択し、VCO24に与える。ここでは、LPF23の通過帯域はLPF22に対して広いものとする。すなわち、LPF22,23および選択回路26からなるフィルタ部は、マイコン151からの指示に従って、通過帯域を切り替える。なお、通過帯域を切り替え可能なフィルタ部の構成は、図2に示したものに限られるものではなく、様々な構成が考えられる。
図3は位相調整部31の具体的な構成例を示す。図3において、41,42,…,43は遅延線、44、45は選択回路である。遅延線41,42,…,43はそれぞれ異なる遅延値を持つ。選択回路44は、マイコン151からの指示に従って、遅延線41,42,…,43のいずれかの出力を選択する。また選択回路45は、遅延線を介さない送信クロックCLK2と選択回路44の出力とのいずれかを選択する。このような構成により、位相調整部31は、送信クロックCLK2に複数種類の遅延量を付加可能に構成されている。
また、固定データ生成部61は、固定データ保持部62と選択回路63とを備えている。固定データ保持部62に保持された所定の固定データは、ここでは、「1」と「0」を交互に繰り返す値であるものとする。例えば、10ビットのデータであり、2進数で「1010101010」である。また、選択回路63は、マイコン151からの指示に従って、エンコーダ11の出力または固定データ保持部62に保持された所定の固定データのいずれかを選択する。所定の固定データが出力されたとき、パラレル・シリアル変換器12から出力される送信データDATA2は、「1010101010101010…」となり、送信クロックCLK2の10倍の周波数で「1」と「0」を交互に繰り返す。
図1〜図3の構成の動作について、説明する。
マイコン151からの指示により、MPEG2デコーダー16からSD信号やHD信号が出力される。HD信号はSD信号からアップコンバータによって生成されていてもよい。
そして、例えばSD信号からHD信号へ切り替える場合、信号の変化点において、すなわち、入力クロックCLK1の周波数切り替え時に、マイコン151は、10逓倍PLL13を制御して、逓倍クロックCLK1×10のジッタ量を増加させる。
図2において、通常時、マイコン151は、選択回路26がLPF22の出力を選択するよう制御している。このときのジッタ量が、平均的には図11に示したものであり、最大では図12に示したものであるとする。そして信号切り替え時に、マイコン151は選択回路26を制御して、LPF23の出力を選択させる。ここで、LPF23の通過帯域はLPF22に対して広いので、VCO24に与えられる出力において低域のノイズが通常時よりも増大する。この結果、VCO24から発振される逓倍クロックCLK1×10のジッタ量が増大する。すなわち、信号切り替え時には、通常時に比べて、逓倍クロックCLK1×10のジッタ量を増加させることができる。
図4はLPF23を選択してジッタ量が増大した場合の受信データ(図4(1)〜(5))と5相クロック(図4(6))との関係を示す。データがクロックに対して10倍の周波数で送信されるため、受信データのジッタ量はケーブル112の特性の影響によりLPF22選択時よりも増大する。ここでLPF23の通過帯域をLPF22に対して充分広くとれば、図4に示したように、図12に示した最大のジッタ量よりも充分大きなジッタ量を印加することができる。このため、正しい位相のクロック(図4(7))がクロック再生部19によって選択される。すなわち、フィルタ部の通過帯域を広げて送信クロックCLK2のジッタを一時的に増加させ、クロック再生部19が不正規な位置でロックすることを阻止する。この後、マイコン151から選択回路26を制御して、LPF22の出力を選択するようにすれば、通常時はジッタ量が減少するので、安定に動作させることができる。
また、例えばSD信号からHD信号へ切り替える場合、信号の変化点において、すなわち、入力クロックCLK1の周波数切り替え時に、マイコン151は、位相調整部31を制御して、送信クロックCLK2のジッタ量を増加させる。
図3において、通常時、マイコン151は、選択回路45が分周器14の出力をそのまま送信クロックCLK2として出力するよう制御している。このとき、位相調整部31において送信クロックCLK2に位相シフトは加算されない。そして信号切り替え時に、マイコン151は選択回路44,45を制御して、遅延線41,42,…,43の出力のうちいずれか1つをランダムに選択させる。各遅延線41,42,…43はそれぞれ異なる遅延値を持つので、これにより、送信クロックCLK2の遅延量がランダムに変化することとなり、従って送信クロックCLK2はランダムに位相シフトする。すなわち、送信データDATA2に対して送信クロックCLK2へランダムにジッタを加えることができる。
位相調整部31によって加えられるジッタ量は、通常時の最大ジッタ量よりも充分大きくしてやればよい。例えば通常時の最大ジッタ量が図12に示したものであるとすると、図4に示したようなジッタを位相調整部31によって加えることによって、クロック再生部19を正しく動作させることができる。この後、マイコン151から選択回路45を制御して、分周器14の出力をそのまま送信クロックCLK2として出力するようにすれば、通常時はジッタ量が減少するので安定に動作させることができる。
なお、マイコン151が選択回路44,45を制御して、遅延線41,42,…,43の出力のうちいずれか1つをランダムに選択する場合について説明したが、遅延線41,42,…,43の出力のうちいずれか1つを固定的に選択しても、通常時の最大ジッタ量よりも充分大きなジッタが加わることとなり、同様の効果が得られる。
また、例えばSD信号からHD信号へ切り替える場合、信号の変化点において、すなわち、入力クロックCLK1の周波数切り替え時に、マイコン151は、固定データ生成部61を制御して、送信データDATA2を固定データにすげ替える。より具体的には、マイコン151は選択回路63を制御して、パラレル・シリアル変換部12への入力を、エンコーダ11の出力から固定データ保持部62に保持された所定のデータに切り替える。
DVI規格では、伝送路112における「1」と「0」の交番の頻度を減らすために、エンコーダ11における8ビット−10ビット変換時に、「1」と「0」の交番回数が減るような変換が行われる。例えば、10ビット中に「1」から「0」または「0」から「1」の変化点が3回以下となるよう、変換を行う。よって、送信データを「1」と「0」が交互に繰り返す固定データにすげ替えることによって、「1」から「0」または「0」から「1」への変化点の発生頻度が上がる。この結果、解決課題の項で説明したような、大きなジッタをマスクしてしまうという現象が発生しなくなる。このため、クロック再生部19を正しく動作させることができる。この後、マイコン151は選択回路63を制御して、エンコーダ11の出力を送信させるようにすればよい。
なお、ここでは、SD信号からHD信号へ切り替える場合について動作を説明したが、HD信号からSD信号へ切り替える場合も、これと同様に、マイコン151から、10逓倍PLL13、位相調整部31および固定データ生成部61を制御すればよい。
以上のように本実施形態によると、信号切り替え時に、通常時よりも大きなジッタ量のクロックとデータを送信することによって、受信装置114のクロック再生部19を正しく動作させることができる。また信号切り替え時に、送信データを固定データとし、通常時よりも「0」「1」の変化点の発生頻度を高めることによって、受信装置114のクロック再生部19を正しく動作させることができる。したがって、テレビ111にノイズが表示されないようにすることができる。
なお、ここでは、分周器14の出力を位相調整部31によって位相シフトさせる場合について説明したが、位相調整部31を分周器14の前段に設けて、10逓倍PLL13の出力を位相シフトさせ、その後分周器14によって1/10分周し、送信クロックとして送信しても同様の効果が得られる。さらに、送信クロックの代わりに送信データを位相シフトさせる構成としても、送信データに対して相対的に送信クロックがジッタすることになるので、同等の効果が得られる。
なお、ここでは、固定データ保持部62に保持された所定の固定データは、「1」と「0」を交互に繰り返す値であるものとしたが、これに限られるものではなく、送信データにおいて「1」から「0」または「0」から「1」への変化点の頻度が、入力クロックCLK1の周波数を切り替えない通常時と比べて高くなるようなデータであれば、どのようなものでもかまわない。
なお、本実施形態では、10逓倍PLL13、位相調整部31および固定データ生成部61をそれぞれ制御するものとしたが、これらのうちいずれか1つ、またはいずれか2つの組み合わせを、制御するようにしてもかまわない。例えば、位相調整部31および固定データ生成部61を図1の構成から省いて、10逓倍PLL13のみをマイコン151から制御するようにしてもよい。また、10逓倍PLL13を従来の10逓倍PLLに代えるとともに固定データ生成部61を図1の構成から省いて、位相調整部31のみをマイコン151から制御するようにしてもよい。あるいは、10逓倍PLL13を従来の10逓倍PLLに代えるとともに位相調整部31を図1の構成から省いて、固定データ生成部61のみをマイコン151から制御するようにしてもよい。また例えば、固定データ生成部61を図1の構成から省き、10逓倍PLL13および位相調整部31をマイコン151から制御するようにしてもかまわない。
また、本実施形態では、マイコン151は、リモコン101から受信装置114の情報を受け、この情報に応じて、逓倍クロックのジッタ量を増加させる所定の時間、送信クロックのジッタ量を増加させる所定の時間、および、送信データを固定データにすげ替える所定の時間を、それぞれ設定するものとする。
まず、送信装置152および受信装置114の使用者は、リモコン101によって受信装置114の製造メーカーすなわち製造者を設定する。例えば、グラフィカル・ユーザー・インターフェース(以下GUIと呼ぶ)により、製造メーカーの一覧表の中から該当のものを選択する。マイコン151はGUIを処理し、受信装置114がどの製造メーカーのものであるか判断する。マイコン151には、逓倍クロックのジッタ量を増加させる所定の時間と製造メーカーとの対応表があり、この対応表から、設定された製造メーカーに応じて所定の時間を決定する。例えば製造メーカーAでは100msec、製造メーカーBでは200msecと決定される。これによって、受信装置114の製造メーカー毎に、逓倍クロックのジッタ量を増加させる時間が最適化される。また、送信クロックのジッタ量を増加させる所定の時間や、送信データを固定データにすげ替える所定の時間についても、同様に決定し最適化することができる。これにより、テレビ111へ通常の映像を表示するまでの時間が最短化され、テレビ111への出画時間を最適化できる。
なお、ここでは、リモコン101によって受信装置114の製造メーカーを設定するものとしたが、これに代えて、例えば機種名や愛称などを設定するようにしてもよい。要するに、受信装置114を特定できる情報をリモコン101を用いて設定すればよい。
また、受信装置114の情報を用いないで、逓倍クロックのジッタ量を増加させる所定の時間、送信クロックのジッタ量を増加させる所定の時間、送信データを固定データにすげ替える所定の時間を、それぞれ任意に設定するようにしてもかまわない。この場合、クロック再生部19の応答特性は受信装置114によって様々であるので、最も応答の遅い受信装置114に合わせて十分長く、所定の時間を設定するのが好ましい。
(第2の実施形態)
図5は本発明の第2の実施形態に係る送信装置を含む構成を示すブロック図である。図5において、図1および背景技術の項で説明した図8と共通の構成要素には、図1および図8と同一の符号を付しており、ここではその詳細な説明を省略する。送信装置162は、固定データ生成部61が省かれており、これに代えて、エンコーダ11の入力を所定の固定データとしてのミュート信号に設定可能に構成されたミュート信号生成部71を備えている。また、制御部としてのマイコン161は、10逓倍PLL13、位相調整部31およびミュート信号生成部71の制御を行う。マイコン161はリモコン101からの情報に基づいて動作する。ミュート信号生成部71、エンコーダ11およびパラレル・シリアル変換部12によって、送信データ生成部が構成されている。
ミュート信号生成部71は、ミュート信号保持部72、ミュート制御回路73および選択回路74を備えている。ミュート信号保持部72に保持されたミュート信号は、ここでは、エンコーダ11の出力である10ビットデータにおいて「1」から「0」または「0」から「1」の変化点が3回となるような値をとるものとする。例えばエンコーダ11の出力が2進数で「1010111000」となるよう、16進数で「37」が選ばれる。ミュート制御回路73は、マイコン161からの指示に従って選択回路74を制御する。具体的には、ミュート制御回路73は、映像信号の出力停止(ミュート)を指示されたとき、帰線期間を除く映像期間中、ミュート信号保持部72に保持されたミュート信号が出力されるよう選択回路74を制御する。
図5の構成の動作について、説明する。
マイコン161からの指示により、MPEG2デコーダー16からSD信号やHD信号が出力される。HD信号はSD信号からアップコンバータによって生成されていてもよい。
そして、例えばSD信号からHD信号へ切り替える場合、信号の変化点において、すなわち、入力クロックCLK1の周波数切り替え時に、マイコン161は、10逓倍PLL13を制御して逓倍クロックCLK1×10のジッタ量を増加させる。また、マイコン161は、位相調整部31を制御して送信クロックCLK2のジッタ量を増加させる。これらの動作は第1の実施形態と同様であり、説明は省略する。
またこのとき、マイコン161は、ミュート信号生成部71を制御して、入力データDATA1の映像信号部分をミュート信号にすげ替える。より具体的には、マイコン161はミュート制御回路73にミュートを指示する。この指示を受けて、ミュート制御回路73は、帰線期間を除く映像期間中、ミュート信号保持部72に保持されたミュート信号が出力されるよう選択回路74を制御する。
DVI規格では、伝送路112における「1」と「0」の交番の頻度を減らすために、エンコーダ11の8ビット−10ビット変換時に「1」と「0」の交番回数が減るような変換が行われる。例えば10ビット中に「1」から「0」または「0」から「1」の変化点が3回以下となるよう、8ビット−10ビット変換が行われる。ここで、ミュート信号は例えば16進数で「37」に設定されているので、エンコーダ11の出力は2進数で「1010111000」となり、10ビット中に「1」から「0」または「0」から「1」の変化点が3回となる。
このように映像信号を所定の固定データにミュートすることによって、「1」から「0」または「0」から「1」への変化点の発生頻度が、通常時の1回〜3回から、必ず3回に上がる。これにより、解決課題の項で説明したような大きなジッタをマスクしてしまうという現象が発生しにくくなる。このため、クロック再生部19を正しく動作させることができ、テレビ111にノイズが表示されないようにすることができる。この後、マイコン161はミュート制御回路73を制御して、入力データDATA1がエンコーダ11の入力として与えられるようにすればよい。
なお、ここでは、SD信号からHD信号へ切り替える場合について動作を説明したが、HD信号からSD信号へ切り替える場合も、これと同様に、マイコン161から、10逓倍PLL13、位相調整部31およびミュート信号生成部71を制御すればよい。
以上のように本実施形態によると、信号切り替え時に、送信データの映像信号部分をミュート信号とし、通常時よりも「0」「1」の変化点の発生頻度を高めることによって、受信装置114のクロック再生部19を正しく動作させることができる。したがって、テレビ111にノイズが表示されないようにすることができる。
なお、ここでは、ミュート信号保持部72に保持されたミュート信号は、例えば16進数の「37」に設定されているものとしたが、これに限られるものではなく、送信データにおいて「1」から「0」または「0」から「1」への変化点の頻度が、入力クロックCLK1の周波数を切り替えない通常時と比べて高くなるようなデータであれば、どのようなものでもかまわない。
なお、本実施形態では、10逓倍PLL13、位相調整部31およびミュート信号生成部71をそれぞれ制御するものとしたが、これらのうちいずれか1つ、またはいずれか2つの組み合わせを、制御するようにしてもかまわない。例えば、10逓倍PLL13を従来の10逓倍PLLに代えるとともに位相調整部31を図5の構成から省いて、ミュート信号生成部71のみをマイコン161から制御するようにしてもよい。
また、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、マイコン161は、リモコン101から受信装置114の情報を受け、この情報に応じて、逓倍クロックのジッタ量を増加させる所定の時間、送信クロックのジッタ量を増加させる所定の時間、入力データをミュートする所定の時間を、それぞれ設定するものとする。
まず、送信装置162および受信装置114の使用者は、リモコン101によって受信装置114の製造メーカーすなわち製造者を設定する。例えば、グラフィカル・ユーザー・インターフェース(以下GUIと呼ぶ)により、製造メーカーの一覧表の中から該当のものを選択する。マイコン161はGUIを処理し、受信装置114がどの製造メーカーのものであるか判断する。マイコン161には、製造メーカーと入力データをミュートする所定の時間との対応表があり、設定された製造メーカーに応じて所定の時間を決定する。例えば製造メーカーAでは100msec、製造メーカーBでは200msecと決定される。これによって、受信装置114の製造メーカー毎に、入力データをミュートする所定の時間が最適化される。また、逓倍クロックのジッタ量を増加させる所定の時間や、送信クロックのジッタ量を増加させる所定の時間についても、同様に決定し最適化することができる。これにより、テレビ111へ通常の映像を表示するまでの時間が最短化され、テレビ111への出画時間を最適化できる。
なお、ここでは、リモコン101によって受信装置114の製造メーカーを設定するものとしたが、これに代えて、例えば機種名や愛称などを設定するようにしてもよい。要するに、受信装置114を特定できる情報をリモコン101を用いて設定すればよい。
また、受信装置114の情報を用いないで、逓倍クロックのジッタ量を増加させる所定の時間、送信クロックのジッタ量を増加させる所定の時間、入力データをミュートする所定の時間を、それぞれ任意に設定するようにしてもかまわない。この場合、クロック再生部19の応答特性は受信装置114によって様々であるので、最も応答の遅い受信装置114に合わせて十分長く、所定の時間を設定するのが好ましい。
(第3の実施形態)
図6は本発明の第3の実施形態に係る送信装置を含む構成を示すブロック図である。図6において、図1および背景技術の項で説明した図8と共通の構成要素には、図1および図8と同一の符号を付しており、ここではその詳細な説明を省略する。
図6の構成の動作は、基本的には、図1の構成の動作と同様である。すなわち、制御部としてのマイコン221が、第1の実施形態と同様に、10逓倍PLL13、位相調整部31および固定データ生成部61をそれぞれ制御する。第1の実施形態と異なる点は、マイコン221が、リモコン101からの情報ではなく、EDID171から読み出した情報に基づいて動作を行う点である。
EDID171には、受信装置114やテレビ111の各種情報が記録されている。記録される各種情報とは例えば、テレビ111が表示可能な解像度、出音可能なオーディオサンプルレート、製造メーカーや製品品番等である。マイコン221には、ケーブル112を介してEDID171にアクセスし、各種情報を入手する読み出し手段223が設けられている。このような読み出し手段223としては、例えばシリアルインターフェースであるI2Cが広く知られている。
そして、マイコン221は、EDID171から読み出し手段223によって読み出した受信装置114の情報に応じて、逓倍クロックのジッタ量を増加させる所定の時間、送信クロックのジッタ量を増加させる所定の時間、および、送信データを固定データにすげ替える所定の時間を、それぞれ設定するものとする。
すなわち、マイコン221は、EDID171から読み出した情報の中から受信装置114の製造メーカーを抽出する。マイコン221には、逓倍クロックのジッタ量を増加させる所定の時間と製造メーカーとの対応表があり、この対応表から、抽出した製造メーカーに応じて所定の時間を決定する。例えば製造メーカーAでは100msec、製造メーカーBでは200msecと決定される。これによって、受信装置114の製造メーカー毎に、逓倍クロックのジッタ量を増加させる時間が最適化される。また、送信クロックのジッタ量を増加させる所定の時間や、送信データを固定データにすげ替える所定の時間についても、同様に決定し最適化することができる。これにより、テレビ111へ通常の映像を表示するまでの時間が最短化され、テレビ111への出画時間を最適化できる。
なお、ここでは、製造メーカーから所定の時間を設定するものとしたが、これに代えて、例えば機種名や愛称などを用いて設定するようにしてもよい。要するに、受信装置114を特定できる情報をEDID171から読み出して、所定の時間を設定すればよい。
なお、第2の実施形態における図5の構成において、本実施形態と同様に、マイコンが、リモコンからの情報ではなく、EDIDから読み出した情報に基づいて、入力データをミュートする所定の時間等を設定するようにしてもよい。
(第4の実施形態)
図7は本発明の第4の実施形態に係る送信装置を含む構成を示すブロック図である。図7において、図1および背景技術の項で説明した図8と共通の構成要素には、図1および図8と同一の符号を付しており、ここではその詳細な説明を省略する。
図7の送信装置152側の構成および動作は、第1の実施形態で示した図1の構成および動作と同様であり、ここではその説明を省略する。第1の実施形態と異なる点は、受信装置243に周波数変化検知手段241が設けられている点である。
受信装置243において、クロック再生部242は、受信データDATA3および受信クロックCLK3から、受信データDATA3に同期した、受信クロックCLK3のN倍(ここではN=10)の周波数を有する逓倍クロックCLK3×10を再生する。この内部構成は、図9に示すクロック再生部19と同様である。周波数変化検知手段241は、受信クロックCLK3の周波数の変化を検知可能に構成されており、この変化を検知したとき、クロック再生部242をリセットして初期化する。この動作によって、信号切り替え時に、クロック再生部242の状態がリセットされることになり、周波数が変化した受信クロックCLK3からのクロック再生が、途中状態からスタートされることなく、最適化できる。したがって、正しいクロック位相を選択するまでの時間を最短化することができる。
例えば図9の構成において、10逓倍PLL461の発振周波数を、HD信号の場合は74.175×10MHz付近に、SD信号の場合は27×10MHz付近に、それぞれ初期化すれば、10逓倍PLL461の引き込み時間を短縮することができる。これにより、クロック再生部242が正しいクロック位相を選択するまでの時間を短縮できる。
周波数変化検知手段241における周波数変化の検知は、例えば、受信クロックCLK3をローパスフィルタに通すことによって実現すればよい。例えば、SD信号とHD信号の切り替えを検知する場合には、ローパスフィルタのカットオフ周波数を50MHz付近に設定すればよい。この場合、SD信号のときは受信クロックCLK3が通過する一方、HD信号のときは受信クロックCLK3が通過しないので、周波数の変化を検知することができる。
以上のように、本実施形態によると、受信装置243に周波数変化検知手段241を設けて、受信クロックの周波数変化を検知したときにクロック再生部242をリセットすることによって、正しいクロック位相が選択されるまでの時間が短縮されるので、テレビ111への出画を高速に実行可能となる。
なお、送信装置側の構成は、図7に示したものに限られるものではない。例えば、図5や図6の構成において、受信装置に周波数変化検知手段を設けてもかまわないし、10逓倍PLL13、位相調整部31および固定データ生成部61のうちいずれか1つ、またはいずれか2つの組み合わせを、制御するようにした構成において、受信装置に周波数変化検知手段を設けてもかまわない。
なお、上述の各実施形態では、逓倍クロックは元のクロックの10倍の周波数を有するものとしたが、本発明は、これに限られるものではない。
なお、上述の各実施形態では、DVI規格を例にとって説明したが、HDMI規格に対しても、同様の構成および動作によって同様の効果が得られる。また、DVI規格やHDMI規格に限らず、同様の送受信を行う方式であれば、同様の構成および動作によって同様の効果が得られる。
本発明に係る送信装置および送受信装置は、例えばSD信号からHD信号への信号切り替え時に、テレビに表示されるノイズを低減することができるので、例えば、DVDプレーヤやDVDレコーダ等で再生される映像・音声信号を伝送し、プラズマテレビや液晶テレビで表示する場合に有用である。
本発明の第1の実施形態に係る送信装置を含む構成を示すブロック図である。 図1の構成における10逓倍PLLの具体的な構成例を示すブロック図である。 図1の構成における位相調整部の具体的な構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態におけるクロック再生の動作を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係る送信装置を含む構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る送信装置を含む構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態に係る送受信装置を含む構成を示すブロック図である。 従来の送信装置を含む構成を示すブロック図である。 クロック再生部の具体的な構成例を示すブロック図である。 図9のクロック再生部の動作を説明するための波形図である。 従来のクロック再生の動作を説明するための図である。 従来のクロック再生の動作を説明するための図である。
符号の説明
11 エンコーダ
12 パラレル・シリアル変換部
13 10逓倍PLL(クロック逓倍部)
14 分周器
19 クロック再生部
21 位相比較器
22 LPF
23 LPF
24 VCO
25 分周器
26 選択回路
31 位相調整部
41,42,43 遅延線
44,45 選択回路
61 固定データ生成部
71 ミュート信号生成部
101 リモコン
114,243 受信装置
151,161,221 マイコン(制御部)
152,162,222 送信装置
171 EDID
223 読み出し手段
241 周波数変化検知手段
242 クロック再生部

Claims (22)

  1. 入力クロックを受け、この入力クロックのN倍(Nは自然数)の周波数を有する逓倍クロックを生成するものであり、かつ、前記逓倍クロックのジッタ量を増減可能に構成されたクロック逓倍部と、
    入力データを受け、この入力データから前記逓倍クロックに同期したシリアルデータである送信データを生成する送信データ生成部と、
    前記逓倍クロックをN分の1に分周して、送信クロックを生成する送信クロック生成部と、
    前記入力クロックの周波数切り替え時に、所定時間、前記逓倍クロックのジッタ量を増加させるよう、前記クロック逓倍部を制御する制御部とを備えた
    ことを特徴とする送信装置。
  2. 請求項1において、
    前記クロック逓倍部は、
    前記入力クロックと前記逓倍クロックを1/Nに分周したクロックとの位相を比較する位相比較部と、
    前記位相比較部の出力を平滑化するものであり、かつ、通過帯域が切替可能に構成されたフィルタ部と、
    前記フィルタ部の出力に応じて発振周波数を可変し、前記逓倍クロックを生成する発振器とを備え、
    前記フィルタ部は、前記制御部からの指示に従って、通過帯域を切り替えるものである
    ことを特徴とする送信装置。
  3. 請求項1において、
    前記制御部は、
    外部から、前記送信データおよび送信クロックを送信する先の受信装置の情報を受け、この情報に応じて、前記所定時間を設定するものである
    ことを特徴とする送信装置。
  4. 請求項1において、
    前記制御部は、
    前記送信データおよび送信クロックを送信する先の受信装置の情報を、伝送路を介して読み出す読み出し手段を備え、
    前記読み出し手段によって読み出した受信装置の情報に応じて、前記所定時間を設定するものである
    ことを特徴とする送信装置。
  5. 請求項3または4において、
    前記受信装置の情報は、前記受信装置の製造者を少なくとも含む
    ことを特徴とする送信装置。
  6. 入力クロックを受け、この入力クロックのN倍(Nは自然数)の周波数を有する逓倍クロックを生成するクロック逓倍部と、
    入力データを受け、この入力データから前記逓倍クロックに同期したシリアルデータである送信データを生成する送信データ生成部と、
    前記逓倍クロックをN分の1に分周して、送信クロックを生成するものであり、かつ、前記送信クロックのジッタ量を増減可能に構成された送信クロック生成部と、
    前記入力クロックの周波数切り替え時に、所定時間、前記送信クロックのジッタ量を増加させるよう、前記送信クロック生成部を制御する制御部とを備えた
    ことを特徴とする送信装置。
  7. 請求項6において、
    前記送信クロック生成部は、
    前記送信クロックに、複数種類の遅延量を付加可能に構成された位相調整部を備え、
    前記位相調整部は、前記制御部からの指示に従って、前記送信クロックに前記複数種類の遅延量をランダムに付加するものである
    ことを特徴とする送信装置。
  8. 請求項6において、
    前記制御部は、
    外部から、前記送信データおよび送信クロックを送信する先の受信装置の情報を受け、この情報に応じて、前記所定時間を設定するものである
    ことを特徴とする送信装置。
  9. 請求項6において、
    前記制御部は、
    前記送信データおよび送信クロックを送信する先の受信装置の情報を、伝送路を介して読み出す読み出し手段を備え、
    前記読み出し手段によって読み出した受信装置の情報に応じて、前記所定時間を設定するものである
    ことを特徴とする送信装置。
  10. 請求項8または9において、
    前記受信装置の情報は、前記受信装置の製造者を少なくとも含む
    ことを特徴とする送信装置。
  11. 入力クロックを受け、この入力クロックのN倍(Nは自然数)の周波数を有する逓倍クロックを生成するクロック逓倍部と、
    入力データを受け、この入力データから前記逓倍クロックに同期したシリアルデータである送信データを生成するものであり、かつ、前記送信データを所定の固定データに設定可能に構成された送信データ生成部と、
    前記逓倍クロックをN分の1に分周して、送信クロックを生成する送信クロック生成部と、
    前記入力クロックの周波数切り替え時に、所定時間、前記送信データを前記所定の固定データに設定するよう、前記送信データ生成部を制御する制御部とを備え、
    前記所定の固定データは、前記送信データにおいて「1」から「0」または「0」から「1」への変化点の発生頻度が、通常時と比べて高くなるようなデータである
    ことを特徴とする送信装置。
  12. 請求項11において、
    前記所定の固定データは、「1」と「0」を交互に繰り返す値である
    ことを特徴とする送信装置。
  13. 請求項11において、
    前記制御部は、
    外部から、前記送信データおよび送信クロックを送信する先の受信装置の情報を受け、この情報に応じて、前記所定時間を設定するものである
    ことを特徴とする送信装置。
  14. 請求項11において、
    前記制御部は、
    前記送信データおよび送信クロックを送信する先の受信装置の情報を、伝送路を介して読み出す読み出し手段を備え、
    前記読み出し手段によって読み出した受信装置の情報に応じて、前記所定時間を設定するものである
    ことを特徴とする送信装置。
  15. 請求項13または14において、
    前記受信装置の情報は、前記受信装置の製造者を少なくとも含む
    ことを特徴とする送信装置。
  16. 入力クロックを受け、この入力クロックのN倍(Nは自然数)の周波数を有する逓倍クロックを生成するクロック逓倍部と、
    映像信号を表す入力データを受け、この入力データから前記逓倍クロックに同期したシリアルデータである送信データを生成するものであり、かつ、前記入力データを所定の固定データに設定可能に構成された送信データ生成部と、
    前記逓倍クロックをN分の1に分周して、送信クロックを生成する送信クロック生成部と、
    前記入力クロックの周波数切り替え時に、所定時間、前記入力データにおける帰線期間以外のデータを前記所定の固定データに設定するよう、前記送信データ生成部を制御する制御部とを備え、
    前記所定の固定データは、前記送信データにおいて「1」から「0」または「0」から「1」への変化点の発生頻度が、通常時と比べて高くなるようなデータである
    ことを特徴とする送信装置。
  17. 請求項16において、
    前記Nは10であり、
    前記所定の固定データは、前記送信データにおいて「1」から「0」または「0」から「1」への変化点が10ビット中に3回以上含まれるようなデータである
    ことを特徴とする送信装置。
  18. 請求項16において、
    前記制御部は、
    外部から、前記送信データおよび送信クロックを送信する先の受信装置の情報を受け、この情報に応じて、前記所定時間を設定するものである
    ことを特徴とする送信装置。
  19. 請求項16において、
    前記制御部は、
    前記送信データおよび送信クロックを送信する先の受信装置の情報を、伝送路を介して読み出す読み出し手段を備え、
    前記読み出し手段によって読み出した受信装置の情報に応じて、前記所定時間を設定するものである
    ことを特徴とする送信装置。
  20. 請求項18または19において、
    前記受信装置の情報は、前記受信装置の製造者を少なくとも含む
    ことを特徴とする送信装置。
  21. 請求項1〜20のうちいずれか1項において、
    DVI規格またはHDMI規格に基づいて、送信を行う
    ことを特徴とする送信装置。
  22. 請求項1〜21のうちいずれか1項に記載の送信装置と、
    前記送信装置から送信された前記送信データおよび前記送信クロックを、受信データおよび受信クロックとして受信する受信装置とを備え、
    前記受信装置は、
    前記受信データおよび前記受信クロックから、前記受信データに同期した、前記受信クロックのN倍の周波数を有する逓倍クロックを再生するクロック再生部と、
    前記受信クロックの周波数の切り替わりを検知し、検知したとき、前記クロック再生部を初期化する周波数変化検知手段とを備えたものである
    ことを特徴とする送受信装置。
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