JP4624699B2 - フッ素ガス生成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フッ素ガス生成装置に関し、特に半導体処理システムのガス供給系に配設されるフッ素ガス生成装置に関する。なお、ここで、半導体処理とは、半導体ウエハやLCD基板等の被処理基板上に半導体層、絶縁層、導電層等を所定のパターンで形成することにより、該被処理基板上に半導体デバイスや、半導体デバイスに接続される配線、電極等を含む構造物を製造するために実施される種々の処理を意味する。
半導体デバイスの製造においては、被処理基板、例えば半導体ウエハやLCD基板に、成膜、エッチング、拡散等の各種の半導体処理が施される。このような処理を行う半導体処理システムでは、例えば、シリコン膜やシリコン酸化膜をエッチングする場合や、処理室内をクリーニングする場合等、種々の用途の処理ガスとしてフッ素系のガスが利用される。新規なエッチングガス及びクリーニングガスとして、フッ素ガスが注目されているが、安全性及び信頼性の面で問題が完全に解消されていないため、半導体デバイスの製造の現場でフッ素を生成することは一般的に行われていない。
一方、ガス製造工場においてフッ素ガスを生成する装置として、電解槽を使用した装置が知られている。電解槽では、フッ化水素を含む溶融塩からなる電解浴中でフッ化水素を電解する。これにより、陽極(アノード)側にフッ素ガスを主成分とするプロダクトガスを発生させると共に、陰極(カソード)側に水素ガスを主成分とする副生ガスを発生させる。フッ素ガスは非常に活性な酸化剤(支燃性)であり、フッ素ガスと水素ガスとが接触して反応することは非常に危険である。このため、陽極側のプロダクトガスと陰極側の副生ガスとの混触することを防止するための様々な工夫がなされている。
例えば、特許文献1及び特許文献2には、ガス製造工場においてフッ素ガスを生成するフッ素ガス生成装置が開示される。これらの公報に開示の装置では、上方から溶融塩中に延びる仕切り板(スカート)により、電解槽内が中央の陽極室と周囲の陰極室とに仕切られる。陽極室内には異なる高さで終端する一対のプローブが配設される。一対のプローブは、陽極及び陰極間に供給する電流のオン/オフを制御するための液面計として機能する。即ち、この装置では、仕切り板により、陽極側のプロダクトガスと陰極側の副生ガスとの混触を防止すると共に、溶融塩の液面を検出しながらフッ素ガスの発生を制御する。
また、特許文献2に開示の装置では、プロダクトガスを取り出すための供給配管に、液面制御用の電磁弁、ブランク塔、吸収塔、フィルタ塔等が、上流側からこの順に配設される。また、副生ガスを排出するための排気配管にも、液面制御用の電磁弁、ブランク塔、吸収塔等(フィルタ塔はない)が、上流側からこの順に配設される。ブランク塔は、プロダクトガス中に含まれる電解浴の飛沫を除去するために使用される。
特表平第9−505853号公報 特開2002−339090
本発明者等の研究によれば、従来の装置では、運転時間が長くなると、後述するように、稼動効率や安全性及び信頼性の面でいくつかの問題点が発生することが見出されている。このような問題が解消されないと、自動化された生産システム、例えば、半導体デバイスの製造システムにフッ素ガス生成装置を組込んで使用することは実際上困難となる。
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、長時間の運転においても高稼動効率で作動することが可能なフッ素ガス生成装置を提供することを目的とする。特に、本発明は、オンサイトで且つオンデマンドでフッ素ガスを生成する装置を提供することを目的とする。ここで、オンサイトとは、フッ素ガス生成装置が、所定の主処理装置、例えば、半導体処理システムの主処理装置と組合わされることを意味する。また、オンデマンドとは、主処理装置側からの要求に応じたタイミングで且つ必要とされる成分調整を伴ってガスが供給可能となることを意味する。
本発明の第1の視点は、フッ素ガスを生成する装置であって、
フッ化水素を含む溶融塩からなる電解浴中でフッ化水素を電解することにより、陽極側の第1気相部分にフッ素ガスを主成分とするプロダクトガスを発生させると共に、陰極側の第2気相部分に水素ガスを主成分とする副生ガスを発生させる電解槽と、
前記第1気相部分から前記プロダクトガスを導出する第1配管と、
前記第2気相部分から前記副生ガスを導出する第2配管と、
前記第1配管に配設された第1流量制御弁と、
前記電解槽と前記第1流量制御弁との間で前記第1配管に配設された前記プロダクトガスを通過させる第1フィルタと、
前記第1フィルタよりも上流側の系内圧力を測定する第1圧力計と、
前記第1圧力計の測定結果に基づいて第1流量制御弁の開度を調整する第1制御部材と、
前記第1フィルタの逆洗浄を行う第1逆洗浄機構と、
を具備し、前記第1逆洗浄機構は、
前記第1フィルタと前記第1流量制御弁との間で前記第1配管に第1逆洗浄ガスを供給する第1逆洗浄配管と、
前記電解槽と前記第1フィルタとの間で前記第1配管から前記第1逆洗浄ガスを排出する第1排気配管と、
前記第1配管に対する前記第1逆洗浄配管及び前記第1排気配管の連通を切替える第1供給弁及び第1排気弁と、
前記第1フィルタの上流側または下流側の系内圧力に基づいて前記第1フィルタの閉塞状態を判定する第1判定部と、
前記第1判定部の判定に基づいて前記第1供給弁及び前記第1排気弁の開閉を制御する第1逆洗浄制御部と、
を含むことと、を特徴とする。
本発明の第2の視点は、第1の視点の装置において、前記第1判定部は、前記第1フィルタよりも上流側の系内圧力が異常に上昇したことを代表する基準情報に基づいて前記第1フィルタの閉塞状態を判定することを特徴とする。
本発明の第3の視点は、第2の視点の装置において、前記基準情報は、前記第1流量制御弁の開度が、所定時間以上に亘って所定値以上となることであることを特徴とする。
本発明の第4の視点は、第1の視点の装置において、前記第1流量制御弁よりも下流側で前記第1配管に前記プロダクトガスを吸引する吸引手段が接続され、前記第1判定部は、前記第1フィルタと前記吸引手段との間の系内圧力が異常に低下したことを代表する基準情報に基づいて前記第1フィルタの閉塞状態を判定することを特徴とする。
本発明の第5の視点は、第4の視点の装置において、前記基準情報は、前記第1フィルタと前記吸引手段との間の系内圧力が、所定時間以上に亘って所定値以下となることであることを特徴とする。
本発明の第6の視点は、第1乃至第5の視点のいずれかの装置において、
前記電解槽と前記第1流量制御弁との間で互いに並列となるように前記第1配管に配設された複数の第1並列配管と、
前記複数の第1並列配管に夫々が配設された前記プロダクトガスを通過させる複数の第1フィルタと、前記第1フィルタは前記複数の第1フィルタの1つであることと、
前記複数の第1フィルタと前記第1配管とを選択的に連通させるように、前記複数の第1並列配管に夫々が配設された複数の第1切替え構造と、
前記第1判定部の判定に基づいて、前記第1配管に対して前記複数の第1フィルタを所定の順序で連通させるように、前記複数の第1切替え構造を制御する第1切替え制御部と、
を具備し、前記第1判定部は、前記複数の第1フィルタの内で前記第1配管に対して連通する使用状態の第1フィルタの上流側または下流側の系内圧力に基づいて、前記使用状態の第1フィルタの閉塞状態を判定することを特徴とする。
本発明の第7の視点は、第6の視点の装置において、前記第1逆洗浄制御部は、前記複数の第1フィルタの全てが閉塞したと判定された時、前記第1切替え制御部と協働して、前記複数の第1フィルタを一括して逆洗浄することを特徴とする。
本発明の第8の視点は、第6の視点の装置において、前記第1逆洗浄制御部は、前記第1切替え制御部と協働して、前記第1配管に対して前記複数の第1フィルタの1つが連通して前記プロダクトガスを流している状態において、閉塞したと判定された前記複数の第1フィルタの他を逆洗浄することを特徴とする。
本発明の第9の視点は、第8の視点の装置において、前記複数の第1切替え構造の夫々は、前記複数の第1フィルタの夫々を挟んで配設された1対の第1切替え弁を具備し、前記第1逆洗浄配管及び前記第1排気配管の夫々は、前記1対の第1切替え弁間で前記複数の第1並列配管に接続された複数の分岐配管を具備することを特徴とする。
本発明の第10の視点は、第1乃至第9の視点のいずれかの装置において、前記第1逆洗浄制御部は、前記第1逆洗浄ガスとしてフッ素ガスを選択的に供給可能であることを特徴とする。
本発明の第11の視点は、第1乃至第10の視点のいずれかの装置において、
前記第2配管に配設された第2流量制御弁と、
前記電解槽と前記第2流量制御弁との間で前記第2配管に配設された前記副生ガスを通過させる第2フィルタと、
前記第2フィルタよりも上流側の系内圧力を測定する第2圧力計と、
前記第2圧力計の測定結果に基づいて第2流量制御弁の開度を調整する第2制御部材と、
前記第2フィルタの逆洗浄を行う第2逆洗浄機構と、
を更に具備し、前記第2逆洗浄機構は、
前記第2フィルタと前記第2流量制御弁との間で前記第2配管に第2逆洗浄ガスを供給する第2逆洗浄配管と、
前記電解槽と前記第2フィルタとの間で前記第2配管から前記第2逆洗浄ガスを排出する第2排気配管と、
前記第2配管に対する前記第2逆洗浄配管及び前記第2排気配管の連通を切替える第2供給弁及び第2排気弁と、
前記第2フィルタの上流側または下流側の系内圧力に基づいて前記第2フィルタの閉塞状態を判定する第2判定部と、
前記第2判定部の判定に基づいて前記第2供給弁及び前記第2排気弁の開閉を制御する第2逆洗浄制御部と、
を具備することを特徴とする。
本発明の第12の視点は、第11の視点の装置において、
前記電解槽と前記第2流量制御弁との間で互いに並列となるように前記第2配管に配設された複数の第2並列配管と、
前記複数の第2並列配管に夫々が配設された前記副生ガスを通過させる複数の第2フィルタと、前記第2フィルタは前記複数の第2フィルタの1つであることと、
前記複数の第2フィルタと前記第2配管とを選択的に連通させるように、前記複数の第2並列配管に夫々が配設された複数の第2切替え構造と、
前記第2判定部の判定に基づいて、前記第2配管に対して前記複数の第2フィルタを所定の順序で連通させるように、前記複数の第2切替え構造を制御する第2切替え制御部と、
を具備し、前記第2判定部は、前記複数の第2フィルタの内で前記第2配管に対して連通する使用状態の第2フィルタの上流側または下流側の系内圧力に基づいて、前記使用状態の第2フィルタの閉塞状態を判定することを特徴とする。
更に、本発明の実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されることで発明が抽出された場合、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
本発明によれば、長時間の運転においても高稼動効率で作動することが可能なフッ素ガス生成装置を提供することができる。
本発明者等は、本発明の開発の過程において、従来のフッ素ガス生成装置における安全性及び信頼性の面の問題について研究した。その結果、本発明者等は、以下に述べるような知見を得た。
電解槽を使用するフッ素ガス生成装置では、安全性及び信頼性の観点から、電解槽内の電解浴液面の制御が非常に重要となる。本件出願人による特願2002−202734には、陽極及び陰極の夫々の圧力を常時監視して流量制御弁により微細に流量を独立して圧力を制御することにより、電解槽内の電解浴液面を確実に制御するフッ素ガス生成装置が開示される。この種の流量制御弁は、ガス流路の口径が極めて小さく、ガスに同伴される異物(例えば微小なミスト、パーティクル、塵)で閉塞してしまう恐れがある。このため、両極夫々の上流側にフィルタを配設することにより流量制御弁を保護する。
しかし、本発明者等がこの装置について更に実験を重ねたところ、電解初期は電解浴の制御が良好であるが、陽極側及び陰極側の両者において、配管内の差圧が生じる部分(例えばフィルタ)において短時間で閉塞が生じ、連続運転が不可能になるという新たな問題が発生した。この原因として、電解槽で発生した夫々のガスに同伴された溶融塩のミストがフィルタ表面に堆積して詰まらせていることが分かった。
ガスに同伴した細かい溶融塩ミストは、配管或いは電解槽とコンプレッサとの間に存在する各部材、特にフィルタのメディア内に侵入する。ミストは融点が80℃付近であるため、配管内では固体として存在する。このミスト量が多くなるに従ってフィルタの閉塞、或いは切替え弁内の弁座を損傷する等の問題が発生する。
ミストの堆積によりフィルタが閉塞した場合、直ぐに電解槽の運転を中止し、フィルタに詰まったミストを取り除く作業が必要となる。この場合、配管に存在するプロダクトガス(フッ素を主成分とする)を窒素等の不活性ガスに完全に置換する作業を行ったあとに、オペレータが手作業でフィルタの取付け及び取外し(交換作業)を行う。しかし、配管内には反応性ガスのフッ素も存在するため、フィルタ等の配管内部品の交換作業は細心の注意と危険を伴う。
また、切替え弁内の弁座が損傷した場合には、弁に漏れが起こるため、やはり電解槽の運転を中止することが必要となる。また切替え弁が頻繁にその動作を繰り返すため、弁の寿命が短くなる。
これらの点に関し、特許文献2に開示の装置では、ミストの堆積によるトラブルはより深刻になると考えられる。即ち、この装置では、陽極側も陰極側も液面制御用の電磁弁の下流にミストを除去するためのブランク塔が配設される。従って、電磁弁はミストの堆積によるトラブルから保護されていない。
また、特許文献2に開示の装置では、陽極側にはプロダクトガス配管上でブランク塔の下流にフィルタ塔が配設される一方、陰極側にはフィルタ塔が配設されていない。フィルタ塔(焼結体フィルタからなる)は、ニッケルや鉄を含む無機錯体の粒子だけでなく、溶融塩のミストを除去するためにも使用される。フィルタ塔は時間と共にミストが堆積して閉塞してくるため、陽極側では圧力上昇が生じる一方、フィルタ塔が配設されていない陰極側ではこのような圧力上昇が生じない。即ち、この装置では、陽極側と陰極側との圧力バランスが崩れやすく、電解槽内の電解浴液面の制御が困難となる。
本発明者等は、この種のフッ素ガス生成装置で発生する溶融塩のミストの形態を詳しく知るため、実験を行った。まず、フッ素ガス生成装置で発生したミストを電子顕微鏡(SEM)及びX線回折装置(XRD)を使用して分析した。XRDから得られたミストの回折パターンをデタベースにより検索を行ったところ、酸性フッ化カリウム(KFとHFの複合塩)と同定された。また、SEMで得られた写真から得られたミストの粒度分布は、およそ1〜10μmであった。
なお、電解槽の陰極側には、副生ガス(水素ガスが主成分)が爆発反応を起こす危険性を低下させるため(副生ガスが何等かの原因で陽極側に侵入してフッ素と化学反応を起こした場合)、窒素ガス等の不活性ガスが供給される。このような不活性ガスによるガス流量の増加及び溶融塩に対する刺激により、ガスに同伴されるミストの量は、陽極側よりも陰極側の方が多くなる。例えば、単位時間あたり600〜800SCCMのプロダクトガスが発生(副生ガスも等量発生)する場合、陰極側には200〜300SCCMの窒素ガスが供給される。この場合、一般的に使用される同仕様のフィルタの閉塞するまでの時間は、おおよそ陽極側が200時間であるのに対して、陰極側は120時間であり、その比は5:3となる。
以下に、このような知見に基づいて構成された本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
図1は、本発明の実施の形態に係る、フッ素ガス生成装置を組込んだ半導体処理システムを示す概略図である。この半導体処理システムは、半導体ウエハやLCD基板等の被処理基板に、成膜、エッチング、或いは拡散等の処理を施す半導体処理装置10を有する。
半導体処理装置10は、被処理基板を収納すると共に半導体処理を施すための処理室12を具備する。処理室12内には、被処理基板を載置するための下部電極兼載置台(支持部材)14が配設される。処理室12内にはまた、載置台14に対向して上部電極16が配設される。両電極14、16間にRF(高周波)電源15からRFパワーが印加されることにより、処理ガスをプラズマに転化するためのRF電界が処理室12内に形成される。処理室12の下部には、内部を排気すると共に真空に設定するための排気系18が接続される。また、処理室12の上部には、処理ガスを供給するためのガス供給系20が接続される。
図2は、図1図示のガス供給系20と組み合わせて使用される半導体処理装置の変更例10xを示す概略図である。半導体処理装置10xは、被処理基板を収納すると共に半導体処理を施すための処理室12を具備する。処理室12内には、被処理基板を載置するための載置台(支持部材)14が配設される。処理室12の下部には、内部を排気すると共に真空に設定するための排気系18が接続される。処理室12の上部には、プラズマを生成するためのリモートプラズマ室13が接続される。リモートプラズマ室13の周囲には、コイルアンテナ17が巻回される。コイルアンテナ17にRF(高周波)電源15からRFパワーが印加されることにより、処理ガスをプラズマに転化するための誘導電界がリモートプラズマ室13内に形成される。また、リモートプラズマ室13の上部には、処理ガスを供給するためのガス供給系20が接続される。
なお、本発明の実施の形態に係るフッ素ガス生成装置は、プラズマを利用しない半導体処理装置、例えば熱CVD装置に対してクリーニングガス等を供給する場合にも適用することができる。
図1に戻り、ガス供給系20には、処理室12内に任意のガス、例えば半導体処理を行うための処理ガスや処理室12内をクリーニングするための処理ガスを、選択的に切替え且つ所定の流量で供給するための流れ管理部22が配設される。流れ管理部22には、種々な活性ガスや不活性ガスを貯蔵する複数のガス源を有するガス貯蔵部24が接続される。流れ管理部22にはまた、フッ素ガス系の処理ガスを反応処理により生成するガス生成部26が接続される。
流れ管理部22及びガス生成部26には、本発明の実施の形態に係るフッ素ガス生成装置30が着脱可能に接続される。即ち、生成装置30は、流れ管理部22にフッ素ガスを直接供給するか、或いはガス生成部26にフッ素ガス原料を供給するために使用される(切替え用の弁は図示せず)。生成装置30の全体の動作は、CPU40によって制御される。
フッ素ガス生成装置30は、フッ化水素を含む溶融塩からなる電解浴を収納する気密な電解槽32を有する。溶融塩は、フッ化カリウム(KF)とフッ化水素(HF)との混合物(KF/2HF)或いはフレミー塩(Fremy's salt)とフッ化水素との混合物からなる。電解槽32は上方から溶融塩中に延びる仕切り板(スカート)35により、陽極室34及び陰極室36に分割される。陽極室34及び陰極室36内で、溶融塩中にはカーボン電極(陽極)42及びニッケル電極(陰極)44が夫々浸漬される。電解槽32には、陽極42及び陰極44間に電流を供給するための電流源38が付設される。
陰極室36には、溶融塩中に消費原料であるフッ化水素ガスを供給するため、原料供給管31が溶融塩中に浸漬された状態で配設される。また、陽極室34及び陰極室36には、溶融塩の液面を検出する液面センサ37a、37bが配設される。なお、図1では、液面センサ37a、37bが夫々一本の線で示されるが、各液面センサ37a、37bは、複数の液面レベルを検出できるように、複数のセンサの組み合わせからなる。
電解処理中、電解槽32は付随するヒータ33により80〜90℃に加熱保温される。電解浴中でフッ化水素を電解することにより、陽極室34の気相部分にフッ素ガス(F2 )を主成分とするプロダクトガスが発生され、陰極室36の気相部分に水素ガスを主成分とする副生ガスが発生される。プロダクトガス及び副生ガスの夫々には、原料の溶融塩中のフッ化水素ガスの蒸気圧分だけ、フッ化水素ガスが混入する(例えば5%)。陽極室34及び陰極室36には、夫々の気相部分の圧力を連続的に測定するため、第1及び第2圧力計46、48が配設される。
陽極室34には、プロダクトガスを導出し、ガス供給系20の流れ管理部22及びガス生成部26に送るための第1配管52が接続される。第1配管52には、上流側から順に、後述する逆洗浄機構の付いたフィルタ部50、第1流量制御弁54、吸着カートリッジ56、ミニバッファタンク58、コンプレッサ(吸引手段)62、主バッファタンク64等が配設される。陽極室34で発生されたプロダクトガスは、コンプレッサ62により第1配管52が吸引されることにより、陽極室34から強制的に引出され、主バッファタンク64に貯留される。なお、図1において符号66はラインフィルタを示す。
上述のように、プロダクトガス中には、数パーセント(例えば5%)のフッ化水素が混入する。このフッ化水素は、プロダクトガスが吸着カートリッジ56を通過する際に除去される。このため、カートリッジ56内には、フッ化水素を吸着により捕捉する吸着剤が内蔵される。吸着剤は、取扱いや圧力損失を考慮し、カートリッジ56内に充填された多数のペレットからなる。吸着剤は、例えば、フッ化ナトリウム(NaF)のような、その吸着能力が温度により変化する吸着剤からなる。カートリッジ56の周囲には、カートリッジ56の温度を調節するための温度調節ジャケット(ヒータ)57が配設される。
主バッファタンク64には圧力計65が配設され、タンク64内の圧力が連続的に測定される。この測定結果は、電流源38に付随する制御部材39に伝達される。制御部材39は、伝達された測定結果に基づいて電流源38をオン/オフし、電解槽32への電流の供給を制御する。即ち、タンク64内の圧力が、ある圧力まで減少すると電流源38がオンされてフッ素ガスの生成が開始され、また、ある圧力まで増加すると電流源38がオフされてフッ素ガスの生成が停止される。これにより、電解槽32内の陽極室34及び陰極室36間で溶融塩の液面レベルに差をつけずに電解を止めることができる。なお、タンク64内の圧力は、例えば大気圧〜大気圧+0.18Mpaに設定される。
一方、陰極室36には、副生ガスを導出するための第2配管72が接続される。第2配管72は、例えば半導体製造工場の排気系(吸引手段)78の配管に着脱可能に接続される。第2配管72には、上流側から順に、後述する逆洗浄機構の付いたフィルタ部70、第2流量制御弁74、除害部76等が配設される。陰極室36で発生された副生ガスは、排気系78により第2配管72が吸引されることにより、陰極室36から強制的に引出され、除害部76を通過した後、排気系78に送られる。
また、陰極室36には、陰極室36の気相部分に不活性ガス、例えば窒素ガスを導入するため、第1希釈管82が接続される。第1希釈管82は、マスフローコントローラのような流量制御部(図示せず)を介して、例えば半導体製造工場の不活性ガス源に接続される。生成装置30の正常運転中、CPU40の制御下で、第1希釈管82から陰極室36の気相部分に不活性ガスが制御された流量で導入される。これにより、爆発反応を起こす危険性を低下させるように、陰極室36の気相部分におけるガス中の水素濃度が所定の値に低減される。なお、窒素ガスは溶融塩には溶けないため、そのまま水素ガスと混合されて第2配管72に排出される。
上述或いは後述するように、電解処理中、種々の要因で、陽極室34及び陰極室36間の圧力バランスが崩れ、電解漕32内で液面変動が起こりやすい。また、電解処理中以外でも、例えば、窒素ガスによる電解漕32内のパージ、原料フッ化水素ガスの供給時終了後の窒素パージ工程等、主にガス切替え工程の直後に、電解漕32内で液面変動が起こりやすい。これ等は、フッ素ガス生成装置の安全性及び信頼性を損なう原因となる。
これに対して、図1図示のフッ素ガス生成装置30においては、陽極室34及び陰極室36の夫々の気相部分の圧力が第1及び第2圧力計46、48により連続的に測定される。これ等の測定結果は、第1及び第2流量制御弁54、74の夫々に付随する第1及び第2制御部材55、75に伝達される。第1及び第2制御部材55、75は、伝達された測定結果に基づいて、陽極室34及び陰極室36の夫々の気相部分の圧力が互いに実質的に等しい第1及び第2設定値に維持されるように、第1及び第2流量制御弁54、74の開度を調整する。即ち、第1及び第2流量制御弁54、74は、夫々に付随する第1及び第2制御部材55、75の制御下で連続的に開度が調整される。
このように、陽極室34及び陰極室36の圧力が、夫々独立して常時測定され且つ制御されるため、陽極室34及び陰極室36における溶融塩の液面の状態が均一に維持される。換言すれば、この構成により、電解槽32は、フッ素の発生状態、第1及び第2配管52、72内の状態、コンプレッサ62や半導体製造工場の排気系78の動作状態、その他の環境等の変動による悪影響から保護される。このため、高価な電極等に与える損害、例えば陽極効果を未然に回避することができ、安全にしかも突然の電解停止をすることなくフッ素の発生を進行させることができる。また、第1及び第2配管52、72の入口で溶融塩が固化してこれ等を閉塞させることがないため、頻繁にメンテナンスをする必要がなくなる。
なお、上述の陽極室34及び陰極室36の夫々の気相部分の第1及び第2設定値は、望ましくは大気圧〜820Torr、より望ましくは大気圧〜770Torrに設定される。また、陽極室34及び陰極室36の圧力を安定させるため、第1及び第2流量制御弁54、74は応答性よく開度が連続的に調整可能であることが必要である。かかる観点から、第1及び第2流量制御弁54、74としてピエゾ弁が望ましくは使用される。
ところで、上述のように、プロダクトガス及び副生ガス中には、溶融塩のミスト(KFを主成分とする)が電解槽から同伴する。このフッ化水素及び溶融塩のミストは、プロダクトガス及び副生ガスが夫々フィルタ部50、70を通過する際に除去される。これにより、第1及び第2配管52、72内で溶融塩が固化してこれ等を閉塞させることがなくなり、頻繁にメンテナンスをする必要がなくなる。しかし、フィルタ部50、70のフィルタは時間と共にミストが堆積して閉塞して使用できなくなる。この問題に対処するため、本実施の形態においては、フィルタを逆洗浄することによりフィルタの再生を行う。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る陽極側のフィルタ部50内部の配管構造と、そのフィルタの逆洗浄機構50Wとの関係を示す概略図である。図3に示すように、第1配管52には、電解槽32と第1流量制御弁54との間で互いに並列となるように3本の並列配管102が配設される。並列配管102には、プロダクトガスを通過させるフィルタ104が夫々配設される。フィルタ104と第1配管52とを選択的に連通させるように、並列配管102に切替え弁106が夫々配設される。なお、フィルタ104の仕様は、次のような条件を考慮して選択される。
フィルタ104に堆積する、プロダクトガス(陰極側では副生ガス)に同伴される溶融塩のミストは非常に細かい(およそ1〜10μm)。溶融塩は、フッ化カリウム(KF)とフッ化水素(HF)との混合物(KF/2HF)或いはフレミー塩(Fremy's salt)とフッ化水素との混合物からなる。従って、フィルタ104は、溶融塩やフッ素ガスに対して耐食性を有すること、細かいミストを捕獲できる機能を有すること、及び後述するように逆洗浄が可能であることが必要となる。
かかる観点から、フィルタ104の材料として、ニッケル、モネル、インコネル、銅等の耐食性材料を使用することが望ましい。なお、後述する陰極側のフィルタでは、フィルタとフッ素ガスとの接触がないため、上記材料に加えて、ハステロイ、ステンレス鋼等も使用することができる。また、ガスと接するフィルタ104のメディア形状は、通常の金網状、金属ファイバを焼結した不織布状、金属粒子を焼結した焼結体状等とすることができる。また、プロダクトガスを流す前に、フッ素でフィルタ104表面に不動態膜を形成することにより、フィルタ104の腐食を防ぐことができる。
図3に戻り、切替え弁106を制御するため、CPU40内に切替え制御部108が形成される。切替え制御部108は、切替え弁106を切替えることにより、3個のフィルタ104を所定の順序で(例えば図3の上から順に)1つずつ第1配管52に対して連通させる。ここで、使用中のフィルタ104が閉塞したと判定されると、次のフィルタ104を使用するように、切替え弁106が順に切替えられる。
また、フィルタ部50には、フィルタ104の逆洗浄を行うため、逆洗浄機構50Wが付設される。逆洗浄機構50Wは、逆洗浄ガスを供給する逆洗浄配管112と、逆洗浄ガスを排出する排気配管122とを含む。逆洗浄配管112は、フィルタ104と第1流量制御弁54との間で第1配管52に接続される。一方、排気配管122は、電解槽32とフィルタ104との間で第1配管52に接続される。なお、逆洗浄配管112及び排気配管122の接続位置に関しては、並列配管102も第1配管52の一部として考えることができる。
逆洗浄配管112は、逆洗浄ガスとして窒素ガス及びフッ素ガスを選択的に使用できるように、窒素ガス供給部114及びフッ素ガス供給部116に接続される。一方、排気配管122には、逆洗浄時に第1配管52内を吸引するための真空排気ポンプ124が接続される。逆洗浄配管112及び排気配管122には、第1配管52に対するこれらの配管の連通を切替えるため、供給弁118及び排気弁126が夫々配設される。また、排気配管122と電解槽32との間で、第1配管52には、逆洗浄時に電解槽32側への連通を遮断するための遮断弁128が配設される。
逆洗浄機構50Wを制御するため、CPU40内に逆洗浄制御部132が形成される。逆洗浄制御部132は、弁118、126、128の開閉、ガス供給部114、116の選択、真空排気ポンプ124の作動等を制御することにより、所定の態様で、フィルタ104の逆洗浄を行う。ここで、逆洗浄制御部132は、フィルタ104を閉塞した順に1つずつ逆洗浄するのではなく、フィルタ104の全てが閉塞したと判定された時、切替え制御部108と協働して、全フィルタ104を一括して逆洗浄するように設定される。
上述の制御を行うため、CPU40内に、フィルタ104の閉塞状態を判定して、その判定結果を切替え制御部108及び逆洗浄制御部132に伝達する判定部142が形成される。即ち、使用中のフィルタ104が閉塞してくると、電解槽32で発生したプロダクトガスは、コンプレッサ(吸引手段)62で給されているものの、第1配管52を流れにくくなる。このため、フィルタ104よりも上流側の系内圧力が異常に上昇する一方、フィルタ104とコンプレッサ(吸引手段)62との間の系内圧力が異常に低下する。このような状態を代表する情報を基準情報として、判定部142はフィルタ104の閉塞状態を判定する。
具体的には、本実施の形態において、判定部142はピエゾ弁からなる第1流量制御弁54の開度をモニターし、この開度が所定時間以上に亘って所定値以上となった時、使用中のフィルタ104が閉塞したと判定する。例えば、判定部142は、第1流量制御弁54の全開状態が30秒間継続すると、フィルタ104が閉塞したと判定して、その旨を切替え制御部108及び逆洗浄制御部132に伝達する。
何故なら、前述のように、第1流量制御弁54の開度は、電解槽32の陽極室34の気相部分に配設された第1圧力計46の測定結果に基づいて調整される。使用中の第1フィルタ104の閉塞が進行して第1圧力計46の測定値が高くなると、第1流量制御弁54は、プロダクトガスをより多量に流すことができるように、開度を大きくする。しかし、使用中のフィルタ104が閉塞していると、第1圧力計46の測定値は低下せず、第1流量制御弁54の開度が大きくなったまま戻らなくなる。判定部142は、このような状態を判定の基準として使用する。
次に、フィルタ104の切替え及び逆洗浄の操作方法について説明する。上述のように、切替え制御部108は、切替え弁106を切替えることにより、3個のフィルタ104を所定の順序で(例えば図3の上から順に)1つずつ第1配管52に対して連通させる。ここで、使用中のフィルタ104が閉塞したと判定されると、次のフィルタ104を使用するように、切替え弁106が順に切替えられる。このようにして、フィルタ104を自動的に順に切替えることにより、電解槽32を連続運転することができる。
しかし、判定部142によりフィルタ104の全てが閉塞したと判定されると、CPU40は、電解槽32の運転を停止する。切替え制御部108は全ての切替え弁106を開放し、3個のフィルタ104の全てを第1配管52に対して連通させる。一方、逆洗浄制御部132は、第1流量制御弁54及び遮断弁128を閉鎖すると共に、供給弁118及び排気弁126を開放し、逆洗浄配管112及び排気配管122を第1配管52に対して連通させる。また、逆洗浄制御部132は、真空排気ポンプ124をオン状態とすると共に、先ず、窒素ガス供給部114を逆洗浄ガスの供給部として選択する。
上述のように逆洗浄機構50Wが設定されることにより、3個のフィルタ104のミストが堆積した上流側に真空排気ポンプ124の吸引力が負荷され、フィルタ104からミストが剥がされる。更に、窒素ガス供給部114から逆洗浄配管112に供給された窒素ガスが、真空排気ポンプ124に吸引されながら、フィルタ104上のミスト間に形成された隙間を通して流れることにより、フィルタ104からミストが引き離される。このようにしてフィルタ104から引き離されたミストは、窒素ガスの流に乗って第1配管52から排気配管122へと除去される。
より望ましくは、フィルタ104の逆洗浄中、窒素ガス供給部114からの窒素ガスの供給を継続したまま、供給弁118の開閉動作(オン/オフ)を例えば、30回程度繰り返す。この場合、供給弁118が閉鎖された状態において逆洗浄配管112内に窒素ガスが充満する一方、第1配管52内は真空排気ポンプ124の作用により高減圧状態となる。従って、供給弁118が開放されると、充満した窒素ガスが一挙に逆洗浄配管112からフィルタ104を通して排気配管122に流れる。このように、いわゆるフラッシュパージ工程を繰り返すことにより、フィルタ104目に深く入りこんだミストを確実に除去することが可能となる。
なお、ミストは電解槽32内の溶融塩(支持電解質)に由来するため、フィルタ104から除去したミストを廃棄していると、長期の運転により電解槽32内の支持電解質が不足してくる。このため、不足分の支持電解質を定期的に電解槽に補給することが必要になる。しかし、フィルタ104から除去したミストを電解槽32内に再び戻すことにより、支持電解質の補給量を低減することが可能になる。
所定時間、例えば10分間に亘って窒素ガスによりフィルタ104を逆洗浄すると、逆洗浄制御部132は、真空排気ポンプ124をオン状態としたまま、逆洗浄ガスの供給部を窒素ガス供給部114からフッ素ガス供給部116へ切替える。そして、所定時間、例えば5分間に亘って、フッ素ガス供給部116から、逆洗浄配管112、第1配管52、及び排気配管122の順で、フッ素ガスが流される。これにより、第1流量制御弁54及び遮断弁128間に溜まった窒素ガスが、プロダクトガスに近いフッ素ガスにより置換される。なお、フッ素ガスを使用する際も、上述のフラッシュパージ工程を繰り返すことができる。
上述の手順においては、フッ素ガスは、逆洗浄ガスというより、置換ガスとして使用される。但し、フィルタ104の逆洗浄を、窒素ガスを使用せず、最初からフッ素ガスのみで行うこともできる。この場合、最後のガス置換の工程が不要となるため、作業時間を短縮することができる。なお、フッ素ガス供給部116のガス供給源としては、自身が生成した、例えば主バッファタンク64内の、プロダクトガスを使用することができる。
フィルタ104の逆洗浄処理が終了すると、切替え制御部108は、所定の順序に従った最初の1つのフィルタ104のみが第1配管52に対して連通するように、切替え弁106を切替える。一方、逆洗浄制御部132は、供給弁118及び排気弁126を閉鎖すると共に、第1流量制御弁54及び遮断弁128を開放し、第1配管52をプロダクトガスが供給可能な状態に設定する。その後、CPU40が電解槽32の運転を再開することにより、フッ素ガス生成装置30が正常運転状態に復帰する。
上述の操作方法によれば、ミストの堆積によりフィルタ104が閉塞しても、第1配管52からフィルタ104を取外して部品交換を行う必要がない。このため、配管内部品の取外し作業に伴う危険性や装置の長いダウンタイムを排除することができる。また、フィルタ104を新規のものと交換する回数は必然的に少なくなるため、装置のメンテナンスコストも下げることができる。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る陰極側のフィルタ部70内部の配管構造と、そのフィルタの逆洗浄機構70Wとの関係を示す概略図である。陰極側のフィルタ部70及び逆洗浄機構70Wは、陽極側のフィルタ部50及び逆洗浄機構50Wと同じコンセプトで構成される。従って、陰極側の構造内の部材には、陽極側の構造内の部材と同一符号を付して図示することにより、詳細な説明は省略する。但し、陰極側は、以下の点において陽極側と異なっている。
第1の相違点は、陰極側の第2配管72には、5つのフィルタ104が並列となるように配設されることである。前述のように、陰極側に供給される希釈用窒素ガスの影響で、フィルタの閉塞するまでの時間の比は、陽極側:陰極側=約5:3となる。従って、この比に対応して、陰極側のフィルタ104の数を陽極側よりも多くすることにより、陽極側のフィルタ104の全てが閉塞する時間と、陰極側のフィルタ104の全てが閉塞する時間とを近似させることができる。この場合、陽極側及び陰極側のいずれか一方でフィルタ104の逆洗浄が開始された場合、陽極側及び陰極側の他方でもフィルタ104の逆洗浄を開始するように、CPU40を設定することが好ましい。これにより、装置全体のダウンタイムを少なくすることができる。
第2の相違点は、陰極側の逆洗浄配管112には、フッ素ガス供給部は接続されておらず、窒素ガス供給部114のみが接続されることである。何故なら、陽極側の第1配管52はプロダクトガスを供給するためのものであるから、フィルタ104の逆洗浄後に使用した窒素ガスを、プロダクトガスに近いフッ素ガスにより置換する必要がある。しかし、陽極側の第2配管72は不要な副生ガスを排出するためのものであるから、フィルタ104の逆洗浄後に使用した窒素ガスを、例えば副生ガスに近い水素ガスで置換する必要はない。
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る陽極側のフィルタ部50内部の配管構造と、そのフィルタの逆洗浄機構50Wとの関係を示す概略図である。図5に示すように、第1配管52には、電解槽32と第1流量制御弁54との間で互いに並列となるように2本の並列配管202が配設される。並列配管202には、プロダクトガスを通過させるフィルタ204が夫々配設される。フィルタ204と第1配管52とを選択的に連通させるように、並列配管202に切替え構造206が夫々配設される。切替え構造206の夫々は、対応のフィルタ204を挟んで配設された1対の切替え弁207a、207bを有する。なお、フィルタ204の仕様等は、前述のフィルタ104と同様である。
切替え構造206を制御するため、CPU40内に切替え制御部208が形成される。切替え制御部208は、切替え構造206の切替え弁207a、207bを切替えることにより、2個のフィルタ204を交互に1つずつ第1配管52に対して連通させる。ここで、使用中の一方のフィルタ204が閉塞したと判定されると、他方のフィルタ204を使用するように、切替え構造206が切替えられる。
また、フィルタ部50には、フィルタ204の逆洗浄を行うため、逆洗浄機構50Wが付設される。逆洗浄機構50Wは、逆洗浄ガスを供給する逆洗浄配管212と、逆洗浄ガスを排出する排気配管222とを含む。逆洗浄配管212の端部は2つの分岐配管213に分岐し、これらがフィルタ204と下流側の切替え弁207bとの間で各並列配管202に接続される。一方、排気配管222の端部も2つの分岐配管223に分岐し、これらが上流側の切替え弁207aとフィルタ204との間で各並列配管202に接続される。なお、逆洗浄配管212及び排気配管222の接続位置に関しては、並列配管202も第1配管52の一部として考えることができる。
逆洗浄配管212は、逆洗浄ガスとして窒素ガス及びフッ素ガスを選択的に使用できるように、窒素ガス供給部214及びフッ素ガス供給部216に接続される。一方、排気配管222には、逆洗浄時に第1配管52内を吸引するための真空排気ポンプ224が接続される。逆洗浄配管212及び排気配管222には、各並列配管202に対するこれらの配管の連通を切替えるため、供給弁218及び排気弁226が夫々配設される。
逆洗浄機構50Wを制御するため、CPU40内に逆洗浄制御部232が形成される。逆洗浄制御部232は、弁218、226の開閉、ガス供給部214、216の選択、真空排気ポンプ224の作動等を制御することにより、所定の態様で、フィルタ204の逆洗浄を行う。ここで、逆洗浄制御部232は、全フィルタ204を一括して逆洗浄するのではなく、切替え制御部208と協働して、一方のフィルタ204を使用している間に、閉塞した他方のフィルタ204を逆洗浄するように設定される。
上述の制御を行うため、CPU40内に、フィルタ204の閉塞状態を判定して、その判定結果を切替え制御部208及び逆洗浄制御部232に伝達する判定部242が形成される。この点に関し、第1の実施形態に係る判定部142は、第1流量制御弁54の開度をモニターし、フィルタ104よりも上流側の系内圧力が異常に上昇したことを実質的に検出することにより、フィルタ104の閉塞状態を判定する。しかし、第2の実施の形態に係る判定部242は、フィルタ204とコンプレッサ(吸引手段)62との間の系内圧力が異常に低下したことを実質的に検出することにより、フィルタ204の閉塞状態を判定する。
具体的には、本実施の形態において、フィルタ204と第1流量制御弁54との間で第1配管52に圧力計234が配設される。判定部242は圧力計234の測定値をモニターし、この測定値が所定時間以上に亘って所定値以下となった時、使用中のフィルタ204が閉塞したと判定する。例えば、判定部242は、圧力計234の測定値が−50Kpa以下となっている状態が30秒間継続すると、フィルタ204が閉塞したと判定して、その旨を切替え制御部208及び逆洗浄制御部232に伝達する。
何故なら、使用中の第1フィルタ204の閉塞が進行して第1圧力計46の測定値が高くなると、第1流量制御弁54は、プロダクトガスをより多量に流すことができるように、開度を大きくする。しかし、電解槽32で発生したプロダクトガスは、第1フィルタ204の閉塞に伴ってこれを通過し難くなるため、第1フィルタ204より下流では、コンプレッサ(吸引手段)62の吸引力により系内圧力が異常に低下する。判定部242は、このような状態を判定の基準として使用する。
次に、フィルタ204の切替え及び逆洗浄の操作方法について説明する。上述のように、切替え制御部208は、切替え構造206の切替え弁207a、207bを切替えることにより、2個のフィルタ204を交互に1つずつ第1配管52に対して連通させる。ここで、使用中の一方のフィルタ204が閉塞したと判定されると、他方のフィルタ204を使用するように、切替え構造206が切替えられる。このようにして、フィルタ204を自動的に交互に切替えることにより、電解槽32を連続運転することができる。
例えば、図5の上側のフィルタ204が使用されており、判定部242によりこれが閉塞したと判定されたとする。この場合、切替え制御部208は、上側の切替え弁207a、207bを閉鎖して上側のフィルタ204を第1配管52から遮断すると共に、下側の切替え弁207a、207bを開放して下側のフィルタ204を第1配管52に対して連通させる。一方、逆洗浄制御部232は、上側の供給弁218及び排気弁226を開放し、逆洗浄配管212及び排気配管222を上側の並列配管202に対して連通させる。また、逆洗浄制御部232は、真空排気ポンプ224をオン状態とすると共に、先ず、窒素ガス供給部214を逆洗浄ガスの供給部として選択する。
上述のように逆洗浄機構50Wが設定されることにより、上側のフィルタ204のミストが堆積した上流側に真空排気ポンプ224の吸引力が負荷され、フィルタ204からミストが剥がされる。更に、窒素ガス供給部214から逆洗浄配管212に供給された窒素ガスが、真空排気ポンプ224に吸引されながら、フィルタ204上のミスト間に形成された隙間を通して流れることにより、フィルタ204からミストが引き離される。このようにしてフィルタ204から引き離されたミストは、窒素ガスの流に乗って第1配管52から排気配管222へと除去される。
より望ましくは、第1の実施の形態と同様、フィルタ204の逆洗浄中、窒素ガス供給部214からの窒素ガスの供給を継続したまま、供給弁218の開閉動作(オン/オフ)を例えば、30回程度繰り返す。このように、いわゆるフラッシュパージ工程を繰り返すことにより、フィルタ204目に深く入りこんだミストを確実に除去することが可能となる。また、フィルタ204から除去したミストを電解槽32内に再び戻すことにより、支持電解質の補給量を低減することが可能になる。
所定時間、例えば10分間に亘って窒素ガスにより上側のフィルタ204を逆洗浄すると、逆洗浄制御部232は、真空排気ポンプ224をオン状態としたまま、逆洗浄ガスの供給部を窒素ガス供給部214からフッ素ガス供給部216へ切替える。そして、所定時間、例えば5分間に亘って、フッ素ガス供給部216から、逆洗浄配管212、第1配管52、及び排気配管222の順で、フッ素ガスが流される。これにより、上側の並列配管202内に溜まった窒素ガスが、プロダクトガスに近いフッ素ガスにより置換される。なお、フッ素ガスを使用する際も、上述のフラッシュパージ工程を繰り返すことができる。
上述の手順においても、フッ素ガスは、逆洗浄ガスというより、置換ガスとして使用される。但し、必要に応じて、フィルタ204の逆洗浄を、窒素ガスを使用せず、最初からフッ素ガスのみで行うこともできる。この場合、最後のガス置換の工程が不要となるため、作業時間を短縮することができる。なお、フッ素ガス供給部216のガス供給源としては、自身が生成した、例えば主バッファタンク64内の、プロダクトガスを使用することができる。
上側のフィルタ204の逆洗浄処理が終了すると、逆洗浄制御部232は、供給弁218及び排気弁226を閉鎖し、上側のフィルタ204をプロダクトガスが供給可能な状態に設定する。一方、下側のフィルタ204は、上側のフィルタ204の逆洗浄中もプロダクトガスのフィルタとして使用されている状態にある。従って、切替え制御部208は、判定部242により下側のフィルタ204が閉塞したと判定されるまで、切替え構造206の設定状態を維持する。
次に、判定部242により下側のフィルタ204が閉塞したと判定されると、切替え制御部208は、切替え構造206を切替えて、今度は、下側のフィルタ204を第1配管52から遮断すると共に、上側のフィルタ204を第1配管52に対して連通させる。この状態で、逆洗浄制御部232は、上述の態様で下側のフィルタ204の逆洗浄処理を行う。
上述の操作方法によれば、ミストの堆積によりフィルタ204が閉塞しても、第1配管52からフィルタ204を取外して部品交換を行う必要がない。このため、配管内部品の取外し作業に伴う危険性や装置の長いダウンタイムを排除することができる。また、フィルタ204を新規のものと交換する回数は必然的に少なくなるため、装置のメンテナンスコストも下げることができる。更に、一方のフィルタ204をプロダクトガスのフィルタとして使用している間に、他方のフィルタ204の逆洗浄を行うことができる。このため、フィルタ204の寿命が来るまで、フィルタ204を自動的に交互に切替えることにより、電解槽32を連続運転することができる。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る陰極側のフィルタ部70内部の配管構造と、そのフィルタの逆洗浄機構70Wとの関係を示す概略図である。陰極側のフィルタ部70及び逆洗浄機構70Wは、陽極側のフィルタ部50及び逆洗浄機構50Wと同じコンセプトで構成される。従って、陰極側の構造内の部材には、陽極側の構造内の部材と同一符号を付して図示することにより、詳細な説明は省略する。但し、陰極側は、以下の点において陽極側と異なっている。
即ち、陰極側の逆洗浄配管212には、フッ素ガス供給部は接続されておらず、窒素ガス供給部214のみが接続される。陽極側の第1配管52はプロダクトガスを供給するためのものであるから、フィルタ204の逆洗浄後に使用した窒素ガスを、プロダクトガスに近いフッ素ガスにより置換する必要がある。しかし、陰極側の第2配管72は不要な副生ガスを排出するためのものであるから、フィルタ204の逆洗浄後に使用した窒素ガスを、例えば副生ガスに近い水素ガスで置換する必要はない。
なお、上記実施の形態において、フッ素ガス生成装置30は、半導体処理システムに着脱可能に組込まれているが、同システム内に固定的に据え付けられるものであってもよい。また、フッ素ガス生成装置30内の幾つかの部材、例えば、コンプレッサ62、主バッファタンク64、除害部76、窒素ガス供給部114、214、フッ素ガス供給部116、216、真空排気ポンプ124、224等は、半導体製造工場側に設置されたものを使用することもできる。また、フッ素ガスは、流れ管理部22或いはガス生成部26に択一的に供給されるが、このガスは、他の処理ガスとは別に直接処理室12に供給するようにしてもよい。また、ガス生成部26は、ハロゲン間フッ素化合物ガスではなく、他のフッ素系の処理ガスを生成するように構成することもできる。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明によれば、オンサイトで且つオンデマンドでフッ素ガスを生成するのに最適なフッ素ガス生成装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る、フッ素ガス生成装置を組込んだ半導体処理システムを示す概略図。 図1図示のガス供給系と組み合わせて使用される半導体処理装置の変更例を示す概略図。 本発明の第1の実施の形態に係る陽極側のフィルタ部内部の配管構造と、そのフィルタの逆洗浄機構との関係を示す概略図。 本発明の第1の実施の形態に係る陰極側のフィルタ部内部の配管構造と、そのフィルタの逆洗浄機構との関係を示す概略図。 本発明の第2の実施の形態に係る陽極側のフィルタ部内部の配管構造と、そのフィルタの逆洗浄機構との関係を示す概略図。 本発明の第2の実施の形態に係る陰極側のフィルタ部内部の配管構造と、そのフィルタの逆洗浄機構との関係を示す概略図。
符号の説明
10…半導体処理装置;20…ガス供給系;30…ガス生成装置;32…電解槽;34…陽極室;36…陰極室;40…CPU;46、48、234…圧力計;50、70…フィルタ部;50W、70W…逆洗浄機構;52、72…配管;54、74…流量制御弁;62…コンプレッサ;64…バッファタンク;102、202…並列配管;104、204…フィルタ;106、207a、207b…切替え弁;108、208…切替え制御部;112、212…逆洗浄配管;114、214…窒素ガス供給部;116、216…フッ素ガス供給部;118、218…供給弁;122、222…排気配管;124、224…真空排気ポンプ;126、226…排気弁;132、232…逆洗浄制御部、142、242…判定部。

Claims (9)

  1. フッ素ガスを生成する装置であって、
    フッ化水素を含む溶融塩からなる電解浴中でフッ化水素を電解することにより、陽極側の第1気相部分にフッ素ガスを主成分とするプロダクトガスを発生させると共に、陰極側の第2気相部分に水素ガスを主成分とする副生ガスを発生させる電解槽と、
    前記第1気相部分から前記プロダクトガスを導出する第1配管と、
    前記第2気相部分から前記副生ガスを導出する第2配管と、
    前記第1配管に配設された第1流量制御弁と、
    前記電解槽と前記第1流量制御弁との間で前記第1配管に配設された前記プロダクトガスを通過させる第1フィルタと、
    前記第1フィルタよりも上流側に位置する前記陽極側の第1気相部分の圧力を測定する第1圧力計と、
    前記第1圧力計の測定結果に基づいて第1流量制御弁の開度を調整する第1制御部材と、
    前記第1フィルタの逆洗浄を行う第1逆洗浄機構と、
    を具備し、
    前記第1逆洗浄機構は、
    前記第1フィルタと前記第1流量制御弁との間で前記第1配管に第1逆洗浄ガスを供給する第1逆洗浄配管と、
    前記電解槽と前記第1フィルタとの間で前記第1配管から前記第1逆洗浄ガスを排出する第1排気配管と、
    前記第1配管に対する前記第1逆洗浄配管及び前記第1排気配管の連通を切替える第1供給弁及び第1排気弁と、
    前記第1流量制御弁の開度が所定時間に亘って所定値以上となる基準情報に基づいて前記第1フィルタの閉塞状態を判定する第1判定部と、
    前記第1判定部の判定に基づいて前記第1供給弁及び前記第1排気弁の開閉を制御する第1逆洗浄制御部と、
    を含むことを特徴とするフッ素ガス生成装置。
  2. 前記基準情報は、前記第1流量制御弁の開度の大きさおよびその継続時間であることを特徴とする請求項1に記載のフッ素ガス生成装置。
  3. 前記電解槽と前記第1流量制御弁との間で互いに並列となるように前記第1配管に配設された複数の第1並列配管と、
    前記複数の第1並列配管に夫々が配設された前記プロダクトガスを通過させる複数の第1フィルタと、前記第1フィルタは前記複数の第1フィルタの1つであることと、
    前記複数の第1フィルタと前記第1配管とを選択的に連通させるように、前記複数の第1並列配管に夫々が配設された複数の第1切替え構造と、
    前記第1判定部の判定に基づいて、前記第1配管に対して前記複数の第1フィルタを所定の順序で連通させるように、前記複数の第1切替え構造を制御する第1切替え制御部と、
    を具備することを特徴とする請求項1または2に記載のフッ素ガス生成装置。
  4. 前記第1逆洗浄制御部は、前記複数の第1フィルタの全てが閉塞したと判定された時、前記第1切替え制御部と協働して、前記複数の第1フィルタを一括して逆洗浄することを特徴とする請求項3に記載のフッ素ガス生成装置。
  5. 前記第1逆洗浄制御部は、前記第1切替え制御部と協働して、前記第1配管に対して前記複数の第1フィルタの1つが連通して前記プロダクトガスを流している状態において、閉塞したと判定された前記複数の第1フィルタの他を逆洗浄することを特徴とする請求項3に記載のフッ素ガス生成装置。
  6. 前記複数の第1切替え構造の夫々は、前記複数の第1フィルタの夫々を挟んで配設された1対の第1切替え弁を具備し、前記第1逆洗浄配管及び前記第1排気配管の夫々は、前記1対の第1切替え弁間で前記複数の第1並列配管に接続された複数の分岐配管を具備することを特徴とする請求項5に記載のフッ素ガス生成装置。
  7. 前記第1逆洗浄制御部は、前記第1逆洗浄ガスとしてフッ素ガスを選択的に供給可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のフッ素ガス生成装置。
  8. 前記第2配管に配設された第2流量制御弁と、
    前記電解槽と前記第2流量制御弁との間で前記第2配管に配設された前記副生ガスを通過させる第2フィルタと、
    前記第2フィルタよりも上流側の系内圧力を測定する第2圧力計と、
    前記第2圧力計の測定結果に基づいて第2流量制御弁の開度を調整する第2制御部材と、
    前記第2フィルタの逆洗浄を行う第2逆洗浄機構と、
    を更に具備し、前記第2逆洗浄機構は、
    前記第2フィルタと前記第2流量制御弁との間で前記第2配管に第2逆洗浄ガスを供給する第2逆洗浄配管と、
    前記電解槽と前記第2フィルタとの間で前記第2配管から前記第2逆洗浄ガスを排出する第2排気配管と、
    前記第2配管に対する前記第2逆洗浄配管及び前記第2排気配管の連通を切替える第2供給弁及び第2排気弁と、
    前記第2流量制御弁の開度が所定時間に亘って所定値以上となる基準情報に基づいて前記第2フィルタの閉塞状態を判定する第2判定部と、
    前記第2判定部の判定に基づいて前記第2供給弁及び前記第2排気弁の開閉を制御する第2逆洗浄制御部と、
    を具備することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のフッ素ガス生成装置。
  9. 前記電解槽と前記第2流量制御弁との間で互いに並列となるように前記第2配管に配設された複数の第2並列配管と、
    前記複数の第2並列配管に夫々が配設された前記副生ガスを通過させる複数の第2フィルタと、前記第2フィルタは前記複数の第2フィルタの1つであることと、
    前記複数の第2フィルタと前記第2配管とを選択的に連通させるように、前記複数の第2並列配管に夫々が配設された複数の第2切替え構造と、
    前記第2判定部の判定に基づいて、前記第2配管に対して前記複数の第2フィルタを所定の順序で連通させるように、前記複数の第2切替え構造を制御する第2切替え制御部と、
    を具備することを特徴とする請求項8に記載のフッ素ガス生成装置。
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