JP4624523B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技者の操作に応じて遊技が行われるパチンコ遊技機、コイン遊技機、スロット機等の遊技機に関し、特に、遊技盤における遊技領域において遊技者の操作に応じて遊技が行われる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、表示状態が変化可能な可変表示部が設けられ、可変表示部の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様となった場合に所定の遊技価値を遊技者に与えるように構成されたものがある。
【0003】
なお、遊技価値とは、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態となるための権利を発生させたりすることや、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態になることことである。また、所定量の遊技球やコインが付与されたり得点が加算されたりすることも遊技価値に含まれる。
【0004】
パチンコ遊技機では、特別図柄を表示する可変表示部の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様の組合せとなることを、通常、「大当り」という。大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば16ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば29.5秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。また、大入賞口が閉成した時点で所定の条件(例えば、大入賞口内に設けられているVゾーンへの入賞)が成立していない場合には、大当り遊技状態は終了する。
【0005】
また、「大当り」の組合せ以外の表示態様の組合せのうち、複数の可変表示部の表示結果のうちの一部が未だに導出表示されていない段階において、既に確定的な、または一時的な表示結果が導出表示されている可変表示部の表示態様が特定の表示態様の組合せとなる表示条件を満たしている状態を「リーチ」という。
そして、可変表示部に可変表示される識別情報の表示結果が「大当り」となる条件を満たさない場合には「はずれ」となり、可変表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
【0006】
そして、遊技球が遊技盤に設けられている入賞口に遊技球が入賞すると、あらかじめ決められている個数の賞球払出が行われる。遊技の進行は主基板に搭載された遊技制御手段によって制御されるので、入賞にもとづく賞球個数は、遊技制御手段によって決定され、払出制御基板に送信される。なお、以下、遊技制御手段およびその他の制御手段を、それぞれ電気部品制御手段と呼ぶことがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、特別図柄を表示する可変表示部の表示結果が特定の表示態様の組合せとなった場合に「大当り」となるため、特別図柄の変動時間を短縮して短時間により多くの表示結果を得るようにずれば、より遊技を楽しむことが可能となる。
【0008】
しかし、単位時間あたりの入賞回数に比べて特別図柄の変動時間が短すぎると、可変表示部に「大当り」が発生したか否かに関係する表示がなされない時間が長くなってしまうため、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行うことができない期間が長くなってしまい、面白味に欠けた遊技機となってしまう。また、単位時間あたりの大当り判定などに用いられる入賞回数(有効始動回数)が増加するため、遊技者の射幸心を不当にあおるおそれがある。
【0009】
そこで、本発明は、適正な変動時間短縮制御を行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、識別情報の可変表示を行うことが可能な表示装置と、表示装置を制御する表示制御手段とを備え、遊技制御手段は、表示装置の可変表示を開始させることが可能な始動条件の成立に応じて、識別情報の可変表示を行う可変表示時間を決定する可変表示時間決定手段を含み、可変表示時間決定手段は、始動条件の成立から始動条件の成立にもとづく可変表示の開始に関連する時期までの始動待機期間が所定の基準時間を超えているか否かを判定することにより、可変表示時間を短縮するか否かを決定可能であり、遊技制御手段は、表示制御手段に対して、識別情報の可変表示を開始するときに可変表示時間決定手段により決定された可変表示時間を特定可能な可変表示時間コマンド(例えば、変動パターン指定コマンド)と表示装置に導出表示する表示結果を特定可能な表示結果コマンドとを出力し、その後に可変表示を制御するためのコマンドを出力せず、可変表示時間が終了したときに確定コマンドを出力し、表示制御手段は、可変表示時間コマンドが出力されたタイミングで可変表示を開始し、確定コマンドが出力されたタイミングで表示装置に表示結果コマンドで特定された表示結果を導出表示する制御を行うことを特徴とするものである。
【0011】
複数の始動条件の成立に対応して遊技状態の判定に用いる判定用情報がそれぞれ格納される複数の保留メモリ(例えば、特別図柄乱数値格納エリア)を備え、各保留メモリに対応して始動待機期間を特定可能なタイマ(例えば、変動短縮タイマ)を有する構成としてもよい。
【0012】
可変表示時間決定手段は、タイマ(例えば、変動短縮タイマ)の内容と始動条件の成立数とにより可変表示時間を短縮するか否かの決定を行うようにしてもよい。
【0013】
遊技機は、遊技者が所定の遊技を行った結果が所定の態様となったことを条件として遊技者に有利な特定遊技状態に制御することが可能であるとともに、特定遊技状態とは異なり特定遊技状態となりやすい特別遊技状態に制御することが可能であって、可変表示時間決定手段は、特別遊技状態であるか、特別遊技状態でない状態であるかによって、異なる数の始動条件の成立数で可変表示時間を短縮する旨の判定を行うようにしてもよい。
【0014】
表示制御手段は、コマンドにより指定された可変表示時間内で行う制御内容を複数種類の中から選択実行可能であるようにしてもよい。
【0015】
表示制御手段は、予告に関わる選択(例えば、予告を行うか否か、予告の種類など)を行うことを特徴とする構成としてもよい。
【0016】
識別情報の可変表示を行った後、表示結果が特定の識別情報となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となり、表示制御手段は、可変表示時間に従った時期に表示結果を導出するために可変表示中の識別情報を所定の識別情報(例えば、背景、キャラクタ)に差替える制御を行うに際して、差替えられる所定の識別情報を選択するようにしてもよい。
【0017】
表示制御手段は、可変表示における識別情報の更新速度が異なる可変表示パターン(例えば、低速変動、高速変動などのパターン)を選択可能であることを特徴とする構成としてもよい。
【0018】
識別情報の再変動制御が可能であり、表示制御手段は、再変動の前に導出する識別情報の種類を選択するようにしてもよい。
【0019】
遊技機の電源供給停止時においてもタイマ(例えば、変動短縮タイマ)の内容がバックアップ可能なことを特徴とする構成としてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、例えばコイン遊技機やスロット機等であってもよい。
【0021】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3からあふれた払出球を貯留する余剰玉受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が設けられている。
【0022】
遊技領域7の中央付近には、複数種類の図柄を可変表示するための可変表示部9と7セグメントLEDによる可変表示器(普通図柄表示器)10とを含む可変表示装置8が設けられている。また、可変表示器10の下部には、4個のLEDからなる通過記憶表示器(普通図柄用記憶表示器)41が設けられている。この実施の形態では、可変表示部9には、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがある。可変表示装置8の側部には、打球を導く通過ゲート11が設けられている。通過ゲート11を通過した打球は、玉出口13を経て始動入賞口14の方に導かれる。通過ゲート11と玉出口13との間の通路には、通過ゲート11を通過した打球を検出するゲートスイッチ12がある。また、始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ17によって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0023】
可変入賞球装置15の下部には、大当り状態(特定遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。この実施の形態では、開閉板20が大入賞口を開閉する手段となる。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(Vゾーン)に入った入賞球はVカウントスイッチ22で検出される。また、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。可変表示装置8の下部には、始動入賞口14に入った入賞球数を表示する4個の表示部を有する始動入賞記憶表示器18が設けられている。この例では、4個を上限として、始動入賞がある毎に、始動入賞記憶表示器18は点灯している表示部を1つずつ増やす。そして、可変表示部9の可変表示が開始される毎に、点灯している表示部を1つ減らす。
【0024】
遊技盤6には、複数の入賞口19,24が設けられ、遊技球の入賞口19,24への入賞は入賞口スイッチ19a,24aによって検出される。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、遊技効果LED28aおよび遊技効果ランプ28b,28cが設けられている。
【0025】
そして、この例では、一方のスピーカ27の近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、他方のスピーカ27の近傍に、補給玉が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技台1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50も示されている。
【0026】
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ151、カード内に記録された残額情報に端数(100円未満の数)が存在する場合にその端数を打球供給皿3の近傍に設けられる度数表示LEDに表示させるための端数表示スイッチ152、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、およびカード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0027】
打球発射装置から発射された打球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が通過ゲート11を通ってゲートスイッチ12で検出されると、可変表示器10の表示数字が連続的に変化する状態になる。また、打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示部9内の図柄が回転を始める。図柄の変動を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶を1増やす。
【0028】
可変表示部9内の画像の回転は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の画像の組み合わせが大当り図柄の組み合わせであると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球が特定入賞領域に入賞しVカウントスイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0029】
例えば、大当り状態決定後や大当り状態終了後に、例えば可変表示部9内に表示される例えば特別図柄とは異なる確変判定図柄(特別遊技状態報知手段)の画像が確率変動を示す表示となった場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、高確率状態(確変状態)という遊技者にとってさらに有利な状態(特別遊技状態)となる。また、可変表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、高確率状態では、可変表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。なお、確変判定図柄には、特別図柄と同じ図柄を用いるようにしてもよい。
【0030】
次に、パチンコ遊技機1の裏面に配置されている各基板について説明する。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の裏面では、枠体2A内の機構板の上部に球貯留タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から遊技球が球貯留タンク38に供給される。球貯留タンク38内の遊技球は、誘導樋39を通って賞球ケース40Aで覆われる球払出装置に至る。
【0031】
遊技機裏面側では、可変表示部9を制御する可変図柄制御ユニット29、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37、およびモータの回転力を利用して打球を遊技領域7に発射する打球発射装置が設置されている。さらに、装飾ランプ25、遊技効果LED28a、遊技効果ランプ28b,28c、賞球ランプ51および球切れランプ52等に信号を送るためのランプ制御基板35、スピーカ27からの音声発生を制御するための音声制御基板70および打球発射装置を制御するための発射制御基板91も設けられている。
【0032】
さらに、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板910が設けられ、上方には、各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた情報端子盤(外部情報出力装置)34が設置されている。なお、図2には、ランプ制御基板35および音声制御基板70からの信号を、枠側に設けられているスピーカ27、遊技効果LED28a、遊技効果ランプ28b,28c、賞球ランプ51および球切れランプ52に供給するための電飾中継基板A77が示されているが、信号中継の必要に応じて他の中継基板も設けられる。
【0033】
また、図3はパチンコ遊技機1の機構板を背面からみた背面図である。球貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導樋39を通り、図3に示されるように、球切れ検出器(球切れスイッチ)187a,187bを通過して球供給樋186a,186bを経て球払出装置97に至る。球払出装置97から払い出された遊技球は、連絡口45を通ってパチンコ遊技機1の前面に設けられている打球供給皿3に供給される。連絡口45の側方には、パチンコ遊技機1の前面に設けられている余剰玉受皿4に連通する余剰玉通路46が形成されている。入賞にもとづく景品球が多数払い出されて打球供給皿3が満杯になり、ついには遊技球が連絡口45に到達した後さらに遊技球が払い出されると遊技球は、余剰玉通路46を経て余剰玉受皿4に導かれる。さらに遊技球が払い出されると、感知レバー47が満タンスイッチ48を押圧して満タンスイッチ48がオンする。その状態では、球払出装置97内のステッピングモータの回転が停止して球払出装置97の動作が停止するとともに打球発射装置34の駆動も停止する。
【0034】
賞球払出制御を行うために、入賞口スイッチ(図示せず)、始動口スイッチ17およびVカウントスイッチ22からの信号が、主基板31に送られる。主基板31のCPU56は、始動口スイッチ17がオンすると6個の賞球払出に対応した入賞が発生したことを知る。また、カウントスイッチ23がオンすると15個の賞球払出に対応した入賞が発生したことを知る。そして、入賞口スイッチがオンすると10個の賞球払出に対応した入賞が発生したことを知る。なお、この実施の形態では、例えば、入賞口24に入賞した遊技球は、入賞口24からの入賞球流路に設けられている入賞口スイッチ24aで検出され、入賞口19に入賞した遊技球は、入賞口19からの入賞球流路に設けられている入賞口スイッチ19aで検出される。
【0035】
図4は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、払出制御基板37、ランプ制御基板35、音制御基板70、発射制御基板91および図柄制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ19a,24aおよび賞球カウントスイッチ301Aからの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16および開閉板20を開閉するソレノイド21等を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
【0036】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示部9の画像表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する情報出力回路64を含む。
【0037】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、マイクロコンピュータにおける情報入出力可能な端子である。
【0038】
さらに、主基板31には、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路65と、基本回路53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート部57のうちのいずれかのI/Oポートを選択するための信号を出力するアドレスデコード回路67とが設けられている。なお、球払出装置97から主基板31に入力されるスイッチ情報もあるが、図4ではそれらは省略されている。
【0039】
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
【0040】
なお、この実施の形態では、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段が、遊技盤に設けられている始動記憶表示器18、ゲート通過記憶表示器41および装飾ランプ25の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている遊技効果ランプ・LED28a,28b,28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行う。ここで、ランプ制御手段は発光体制御手段の一例である。また、特別図柄を可変表示する可変表示部9および普通図柄を可変表示する可変表示器10の図柄制御は、図柄制御基板80に搭載されている図柄制御手段によって行われる。
【0041】
図5は、図柄制御基板80内の回路構成を、可変表示部9の一実現例であるLCD(液晶表示装置)82、可変表示器10、主基板31の出力ポート(ポートA,B)571,572および出力バッファ回路63A,63Bとともに示すブロック図である。出力ポート571からは8ビットのデータが出力され、出力ポート572からは1ビットのストローブ信号(INT信号)が出力される。
【0042】
図柄制御用CPU101は、制御データROM102に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からノイズフィルタ107および入力バッファ回路105Bを介してINT信号が入力されると、入力バッファ回路105Aを介して表示制御コマンドを受信する。入力バッファ回路105A,105Bとして、例えば汎用ICである74HC540,74HC14を使用することができる。なお、図柄制御用CPU101がI/Oポートを内蔵していない場合には、入力バッファ回路105A,105Bと図柄制御用CPU101との間に、I/Oポートが設けられる。
【0043】
そして、図柄制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドに従って、LCD82に表示される画面の図柄制御を行う。具体的には、表示制御コマンドに応じた指令をVDP103に与える。VDP103は、キャラクタROM86から必要なデータを読み出す。VDP103は、入力したデータに従ってLCD82に表示するための画像データを生成し、R,G,B信号および同期信号をLCD82に出力する。
【0044】
なお、図5には、VDP103をリセットするためのリセット回路83、VDP103に動作クロックを与えるための発振回路85、および使用頻度の高い画像データを格納するキャラクタROM86も示されている。キャラクタROM86に格納される使用頻度の高い画像データとは、例えば、LCD82に表示される人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からなる画像などである。
【0045】
入力バッファ回路105A,105Bは、主基板31から図柄制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、図柄制御基板80側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。すなわち、入力バッファ回路105A,105Bは、入力ポートともに不可逆性情報入力手段を構成する。図柄制御基板80内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が主基板31側に伝わることはない。
【0046】
なお、出力ポート571,572の出力をそのまま図柄制御基板80に出力してもよいが、単方向にのみ信号伝達可能な出力バッファ回路63A,63Bを設けることによって、主基板31から図柄制御基板80への一方向性の信号伝達をより確実にすることができる。すなわち、出力バッファ回路63A,63Bは、出力ポートともに不可逆性情報出力手段を構成する。
【0047】
また、高周波信号を遮断するノイズフィルタ107として、例えば3端子コンデンサやフェライトビーズが使用されるが、ノイズフィルタ107の存在によって、表示制御コマンドに基板間でノイズが乗ったとしても、その影響は除去される。なお、主基板31のバッファ回路63A,63Bの出力側にもノイズフィルタを設けてもよい。
【0048】
図6は、主基板31およびランプ制御基板35における信号送受信部分を示すブロック図である。この実施の形態では、遊技領域7の外側に設けられている遊技効果LED28a、遊技効果ランプ28b,28cと遊技盤に設けられている装飾ランプ25の点灯/消灯と、賞球ランプ51および球切れランプ52の点灯/消灯とを示すランプ制御コマンドが主基板31からランプ制御基板35に出力される。また、始動記憶表示器18およびゲート通過記憶表示器41の点灯個数を示すランプ制御コマンドも主基板31からランプ制御基板35に出力される。
【0049】
図6に示すように、ランプ制御に関するランプ制御コマンドは、基本回路53におけるI/Oポート部57の出力ポート(出力ポートE,F)575,576から出力される。出力ポート575は8ビットのデータを出力し、出力ポート576は1ビットのINT信号を出力する。ランプ制御基板35において、主基板31からの制御コマンドは、入力バッファ回路355A,355Bを介してランプ制御用CPU351に入力する。なお、ランプ制御用CPU351がI/Oポートを内蔵していない場合には、入力バッファ回路355A,355Bとランプ制御用CPU351との間に、I/Oポートが設けられる。
【0050】
ランプ制御基板35において、ランプ制御用CPU351は、各制御コマンドに応じて定義されている遊技効果LED28a、遊技効果ランプ28b,28c、装飾ランプ25の点灯/消灯パターンに従って、遊技効果LED28a、遊技効果ランプ28b,28c、装飾ランプ25に対して点灯/消灯信号を出力する。点灯/消灯信号は、遊技効果LED28a、遊技効果ランプ28b,28c、装飾ランプ25に出力される。なお、点灯/消灯パターンは、ランプ制御用CPU351の内蔵ROMまたは外付けROMに記憶されている。
【0051】
主基板31において、CPU56は、賞球残数があるときに賞球ランプ点灯を指示する制御コマンドを出力し、遊技盤裏面の遊技球補給路に設置されている球切れ検出センサがオンすると球切れランプ点灯を指示する制御コマンドを出力する。ランプ制御基板35において、各制御コマンドは、入力バッファ回路355A,355Bを介してランプ制御用CPU351に入力する。ランプ制御用CPU351は、それらの制御コマンドに応じて、賞球ランプ51および球切れランプ52を点灯/消灯する。なお、点灯/消灯パターンは、ランプ制御用CPU351の内蔵ROMまたは外付けROMに記憶されている。
【0052】
さらに、ランプ制御用CPU351は、制御コマンドに応じて始動記憶表示器18およびゲート通過記憶表示器41に対して点灯/消灯信号を出力する。
【0053】
入力バッファ回路355A,355Bとして、例えば、汎用のCMOS−ICである74HC540,74HC14が用いられる。入力バッファ回路355A,355Bは、主基板31からランプ制御基板35へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、ランプ制御基板35側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。たとえ、ランプ制御基板35内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号がメイン基板31側に伝わることはない。なお、入力バッファ回路355A,355Bの入力側にノイズフィルタを設けてもよい。
【0054】
また、主基板31において、出力ポート575,576の外側にバッファ回路62A,62Bが設けられている。バッファ回路62A,62Bとして、例えば、汎用のCMOS−ICである74HC250,74HC14が用いられる。このような構成によれば、外部から主基板31の内部に入力される信号が阻止されるので、ランプ制御基板70から主基板31に信号が与えられる可能性がある信号ラインをさらに確実になくすことができる。なお、バッファ回路62A,62Bの出力側にノイズフィルタを設けてもよい。
【0055】
次に遊技機の動作について説明する。
図7は、主基板31におけるCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対する電源が投入されると、メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う(ステップS1)。
【0056】
そして、電源断時にバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えば、パリティデータの付加等の停電発生NMI処理)が行われたか否かの確認を行う(ステップS2)。不測の電源断が生じた場合には、詳細は省略するが、例えばバックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われる。そのような保護処理が行われていた場合をバックアップありとする。バックアップなしという確認結果であれば、初期化処理を実行する(ステップS2,S3)。なお、バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば電源断時にバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認する。本例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。なお、本例では、電源断時のバックアップRAM領域のデータ保護処理において、後述する特別図柄判定用バッファを含む乱数値格納エリアや普通図柄判定用バッファを含む乱数値格納エリア(抽出値格納領域)の内容が保護されるための処理も行われる。従って、電源復旧時には、後述する変動短縮タイマなどの抽出値格納領域の内容が、電源断時に格納されていた内容に復元される。
【0057】
バックアップRAM領域にバックアップデータがある場合には、この実施の形態では、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS4)。不測の電源断が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されていたはずであるから、チェック結果は正常になる。チェック結果が正常でない場合には、内部状態を電源断時の状態に戻すことができないので、停電復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する(ステップS5,S3)。
【0058】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、内部状態を電源断時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS6)。従って、例えば図8に示すように、バックアップフラグの値が「55H」に設定されており、かつチェック結果が正常である場合に、ステップS6の遊技状態復旧処理に移行する。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の指すアドレスに復帰する(ステップS7)。
【0059】
通常の初期化処理の実行(ステップS2,S3)を終えると、CPU56により実行されるメイン処理は、タイマ割込フラグの監視(ステップS9)の確認が行われるループ処理に移行する。なお、ループ内では、表示用乱数更新処理(ステップS8)も実行される。
【0060】
なお、この実施の形態では、ステップS2でバックアップデータの有無を確認したあと、バックアップデータが存在する場合にステップS4でバックアップ領域のチェックを行うようにしていたが、逆に、バックアップ領域のチェック結果が正常であったことを確認したあと、バックアップデータの有無の確認を行うようにしてもよい。また、バックアップデータの有無の確認、またはバックアップ領域のチェックの何れか一方の確認を行うことで、停電復旧処理を実行するか否かを判定する構成としてもよい。
【0061】
また、例えば停電復旧処理を実行するか否か判断する場合のパリティチェック(ステップS4)の際に、すなわち、遊技状態を復旧するか否か判断する際に、保存されていたRAMデータにおける特別プロセスフラグ等や始動入賞記憶数データによって、遊技機が遊技待機状態(図柄変動中でなく、大当り遊技中でなく、確変中でなく、また、始動入賞記憶がない状態)であることが確認されたら、遊技状態復旧処理を行わずに初期化処理を実行するようにしてもよい。
【0062】
通常の初期化処理では、図9に示すように、RAMのクリア処理が行われる(ステップS3a)。次いで、作業領域初期設定テーブルのアドレス値にもとづいて、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、払出コマンド格納ポインタなど)に初期値を設定する初期値設定処理(ステップS3b)が行われる。そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているタイマレジスタの初期設定(タイムアウトが2msであることと繰り返しタイマが動作する設定)が行われる(ステップS3c)。すなわち、ステップS3cで、タイマ割込を能動化する処理と、タイマ割込インタバルを設定する処理とが実行される。そして、初期設定処理(ステップS1)において割込禁止(図11参照)とされているため、初期化処理を終える前に割込が許可される(ステップS3d)。
【0063】
従って、この実施の形態では、CPU56の内部タイマが繰り返しタイマ割込を発生するように設定される。この実施の形態では、繰り返し周期は2msに設定される。そして、図10に示すように、タイマ割込が発生すると、CPU56は、タイマ割込フラグをセットする(ステップS12)。
【0064】
CPU56は、ステップS9において、タイマ割込フラグがセットされたことを検出すると、タイマ割込フラグをリセットするとともに(ステップS10)、遊技制御処理を実行する(ステップS11)。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で遊技制御処理を実行してもよい。
【0065】
このように、この実施の形態では、バックアップデータの有無により電源断時の状態に復旧するか否かの判断を行うようにしている。従って、停電後の電源復旧時などにおいて電源投入された時に、バックアップデータ記憶領域の内容に応じて電源断時の状態に復旧させるか否かの判断が行われる。
【0066】
また、バックアップデータの状態により電源断時の状態に復旧するか否かの判断を行うようにしているため、停電後の電源復旧時などにおいて電源投入された時に、バックアップデータ記憶領域の内容の状態に応じて電源断時の状態に復旧させるか否かの判断が行われる。
【0067】
図11は、ステップS1の初期設定処理を示すフローチャートである。初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1a)。割込禁止に設定すると、CPU56は、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS1b)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS1c)。そして、CPU56は、内蔵デバイスレジスタの初期化(ステップS1d)、CTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS1e)を行ったあと、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS1f)。
【0068】
なお、初期設定処理にて設定され得るINT信号の入力により割込が許可されるマスカブル割込の割込モードには、以下の3種類のモードがある。
割込モード0:割込要求を行った内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPU56は、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、CPU56は自動的に割込モード0になる。よって、割込モード1または割込モード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込モード1または割込モード2に設定するための処理を行う必要がある。
割込モード1:割込処理プログラムのスタートアドレス(38(H))が、予め定められているモードである。
割込モード2:CPU56の特定レジスタの値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すなわち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ、下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。
【0069】
図12は、ステップS11の遊技制御処理を示すフローチャートである。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートセンサ12、始動口センサ17、カウントセンサ23および入賞口スイッチ19a,24aの状態を入力し、各入賞口や入賞装置に対する入賞があったか否か判定する(スイッチ処理:ステップS21)。
【0070】
次いで、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:ステップS22)。
【0071】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を示す各カウンタを更新する処理を行う(ステップS23)。CPU56は、さらに、停止図柄の種類を決定する乱数等の表示用乱数を更新する処理を行う(ステップS24)。
【0072】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、7セグメントLEDによる可変表示器10を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0073】
また、CPU56は、図柄制御基板80に送出される表示制御コマンド(特別表示制御コマンドや普通表示制御コマンド)をRAM55の所定の領域に設定する処理を行った後に、特別表示制御コマンドや普通表示制御コマンドを出力する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS27,普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
【0074】
次いで、CPU56は、各種出力データの格納領域の内容を各出力ポートに出力する処理を行う(データ出力処理:ステップS29)。なお、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに出力される大当り情報、始動情報、確率変動情報などの出力データを格納領域に設定する出力データ設定処理などの他の処理も行う。
【0075】
また、CPU56は、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS30)。ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21を駆動し、可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態とする。
【0076】
また、CPU56は、各入賞口17,23,19a,24aの検出に基づく賞球数の設定などを行う(ステップS31)。すなわち、所定の条件が成立すると払出制御基板37に払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371は、払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0077】
以上のように、メイン処理には遊技制御処理に移行すべきか否かを判定する処理が含まれ、CPU56の内部タイマが定期的に発生するタイマ割込にもとづくタイマ割込処理で遊技制御処理に移行すべきか否かを判定するためのフラグがセットされるので、遊技制御処理の全てが確実に実行される。つまり、遊技制御処理の全てが実行されるまでは、次回の遊技制御処理に移行すべきか否かの判定が行われないので、遊技制御処理中の全ての各処理が実行完了することは保証されている。
【0078】
従来の一般的な遊技制御処理は、定期的に発生する外部割込によって、強制的に最初の状態に戻されていた。図12に示された例に則して説明すると、例えば、ステップS31の処理中であっても、強制的にステップS21の処理に戻されていた。つまり、遊技制御処理中の全ての各処理が実行完了する前に、次回の遊技制御処理が開始されてしまう可能性があった。
【0079】
なお、ここでは、主基板31のCPU56が実行する遊技制御処理は、CPU56の内部タイマが定期的に発生するタイマ割込にもとづくタイマ割込処理でセットされるフラグに応じて実行されたが、定期的に(例えば2ms毎)信号を発生するハードウェア回路を設け、その回路からの信号をCPU56の外部割込端子に導入し、割込信号によって遊技制御処理に移行すべきか否かを判定するためのフラグをセットするようにしてもよい。
【0080】
そのように構成した場合にも、遊技制御処理の全てが実行されるまでは、フラグの判定が行われないので、遊技制御処理中の全ての各処理が実行完了することが保証される。
【0081】
図13は、遊技制御に用いられる大当り決定用乱数等の各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り決定用)
(2)ランダム2−1〜2−3:左右中のはずれ図柄決定用
(3)ランダム3:大当り時の図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用)
(7)ランダム7:普通図柄による当りとするか否か決定する(当り判定用)
(8)ランダム8:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン用)
【0082】
なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(3)、(7)(8)の乱数以外の乱数も用いられている。
ステップS23では、CPU56は、(1)の大当り決定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数および(7)の当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数である。
【0083】
図14は、特別図柄判定用バッファを含む乱数値格納エリア(抽出値格納領域)の例を示す説明図である。各乱数値格納エリアには、それぞれ、例えば以下の抽出値が格納される。なお、確変判定用乱数の抽出値など他の値を格納するように構成してもよい。
特別図柄判定用バッファ:大当り決定用乱数(ランダム1)の抽出値。
大当り図柄用バッファ:大当り図柄決定用乱数(ランダム3)の抽出値。
特別図柄左用バッファ:左のはずれ図柄決定用乱数(ランダム2−1)の抽出値。
特別図柄中用バッファ:中のはずれ図柄決定用乱数(ランダム2−2)の抽出値。
特別図柄右用バッファ:右のはずれ図柄決定用乱数(ランダム2−3)の抽出値。
変動短縮タイマバッファ:特別図柄の変動時間を短縮するか否かの判断を行うために用いられる変動時間短縮判定時間(例えば、3.6秒)に対応する値(本例では、2ms毎のタイマ割込により後述する変動短縮タイマ減算処理が実行されるため、0708(H)とされる)。この変動短縮タイマバッファに格納された値は、後述するように時間経過とともに減算される(本例では、2ms毎に−1される)。そして、後述するが、変動短縮判定処理の際に、変動短縮タイマバッファの格納値にもとづいた判断がなされる。変動時間短縮判定時間は、他の値であってもよい。なお、各変動短縮タイマバッファに格納されている値のことを変動短縮タイマという。
【0084】
なお、この実施の形態では、最大4個の始動入賞口17に入賞した入賞球にそれぞれ対応した抽出値を格納可能とするための乱数値格納エリアが4個(特別図柄乱数値格納エリア0〜特別図柄乱数値格納エリア3)設けられている。従って、各乱数値格納エリア(特別図柄乱数値格納エリア0〜特別図柄乱数値格納エリア3)には、入賞球に対応した大当り決定用乱数の抽出値などが格納される。
【0085】
次に、始動入賞口14への入賞にもとづいて可変表示部9に可変表示される図柄(特別図柄)などの決定方法、および特別図柄乱数値格納エリアのシフト処理について図15〜図20を参照して説明する。図15は打球が始動入賞口14に入賞したことを判定する処理を示し、図16は可変表示部9の可変表示の停止図柄を決定する処理を示す。図17は、特別図柄乱数値格納エリアの格納情報がシフトする様子を示す説明図である。図18は、大当りとするか否か決定する処理を示すフローチャートである。図19は、変動パターンと変動時間との関係を示す説明図である。図20は、変動短縮判定処理の一例を示すフローチャートである。
【0086】
打球が遊技盤6に設けられている始動入賞口14に入賞すると、始動口センサ17がオンする。遊技制御処理のステップS25の特別図柄プロセス処理において、図15に示すように、CPU56は、スイッチ回路58を介して始動口センサ17がオンしたことを判定すると(ステップS71)、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS72)。始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞記憶数を1増やす(ステップS73)。
【0087】
次いで、CPU56は、大当り決定用乱数や大当り図柄決定用乱数などの各乱数値を抽出して、始動入賞記憶数の値に対応した乱数値格納エリア(特別図柄乱数値格納エリア0,1,2,または3)に格納する(ステップS74)。そして、CPU56は、始動入賞記憶数の値に対応した乱数値格納エリアに含まれている変動短縮タイマバッファに、変動時間短縮判定時間(本例では、3.6秒)に対応する値(本例では、0708(H))を設定する(ステップS75)。なお、始動入賞記憶数が4に達している場合には、始動入賞記憶数を増やす処理を行わない。すなわち、この実施の形態では、最大4個の始動入賞口17に入賞した打球数が記憶可能である。
【0088】
図16に示すように、CPU56は、ステップS25の特別図柄プロセス処理において始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS81)。始動入賞記憶数が0でなければ、始動入賞記憶数=1に対応する乱数値格納エリア(特別図柄乱数値格納エリア0)に格納されている値を読み出す(ステップS82)。
【0089】
次いで、CPU56は、各乱数値格納エリアの値をシフトする(ステップS83)。この場合、例えば図17に示すように、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する乱数値格納エリア(特別図柄乱数値格納エリア1,2,3)に格納されている値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する乱数値格納エリア(特別図柄乱数値格納エリア0,1,2)に格納する。この場合、各乱数値格納エリアの値をシフトしたあとに、特別図柄乱数値格納エリア3にクリアデータを格納するようにしてもよい。各乱数値格納エリアの値をシフトすると、CPU56は、始動入賞記憶数の値を1減らす(ステップS85)。また、CPU56は、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するための後述する変動短縮判定処理を行う(ステップS96)。
【0090】
そして、CPU56は、ステップS82で読み出した値、すなわち抽出されている大当り決定用乱数の値にもとづいて当り/はずれを決定する(ステップS86)。ここでは、大当り決定用乱数は0〜299の範囲の値をとることにする。図18に示すように、低確率時には例えばその値が「3」である場合に「大当り」と決定し、それ以外の値である場合には「はずれ」と決定する。高確率時には例えばその値が「3」,「7」,「79」,「103」,「107」のいずれかである場合に「大当り」と決定し、それ以外の値である場合には「はずれ」と決定する。
【0091】
大当りと判定されたときには、CPU56は、ステップS82で読み出された大当り図柄決定用乱数(ランダム3)の値に従って大当り図柄を決定する(ステップS90)。
【0092】
はずれと判定された場合には、CPU56は、この実施の形態では、ステップS82で読み出されたランダム2−1の値に従って左図柄を決定する(ステップS93)。また、ステップS82で読み出されたランダム2−2の値に従って中図柄を決定する(ステップS94)。さらに、ステップS82で読み出されたランダム2−3の値に従って右図柄を決定する(ステップS95)。すなわち、ランダム2−1〜ランダム2−3の値の0〜12の値に対応したいずれかの図柄が停止図柄として決定される。ここで、決定された左図柄、中図柄および左図柄が全て一致した場合には、中図柄に対応した乱数の値に1加算した値に対応する図柄を中図柄の確定図柄として、大当り図柄と一致しないようにする。
【0093】
そして、CPU56は、例えばステップS86における判定結果などの各種の条件に応じて複数の変動パターン用乱数を抽出したあと、さらに複数の変動パターン用乱数の中から1つの変動パターン用乱数を選択することにより、変動パターンの選択を行う(ステップS97)。すなわち、変動パターン用乱数は、例えば、大当りとするか否か、確変とするか否か、現在の遊技の状態が高確率状態とされているか否か、停止する図柄の組合せなどの条件に応じて複数抽出され、抽出された各変動パターン用乱数の中から1つが選択される。そして、本例では各変動パターン用乱数に、変動時間を短縮する場合の変動パターン(図19の右欄)と変動時間を短縮しない場合の変動パターン(図19の左欄であって、短縮する場合の変動パターンと隣り合っている変動パターン)とが対応付けられており、変動時間を短縮するとされているか否かによって選択する変動パターンが決定される。
【0094】
図19は、選択される変動パターンと図柄の変動開始時から図柄確定時までの時間(変動時間)との関係を示す説明図である。従って、本例では、ステップS97において、図19に示す68の変動パターン(変動パターン特1〜変動パターン特68)の中から使用する変動パターンが選択される。変動パターン特1〜変動パターン特68は、それぞれ、後述する特別図柄変動パターン1〜特別図柄変動パターン68(図25参照)を指すものであり、以下単に変動パターンX(X=1〜68)ということがある。各変動パターンには、それぞれ対応した変動時間が定められている。なお、本例では、ステップS96において変動時間の短縮をしないと判定された場合には、変動パターン1から変動パターン34の中から使用する変動パターンが選択される。また、ステップS96において変動時間の短縮をすると判定された場合(変動時間を短縮すると判断されたか否かは、変動短縮フラグにより判断される)には、CPU56は、変動時間が短縮される変動パターン(変動パターン35〜変動パターン68のいずれか)を選択して、変動短縮フラグをクリアする。なお、本例の変動パターンの数は一例であり他の数としてもよい。
【0095】
以上のようにして、始動入賞にもとづく図柄変動の表示態様を大当りとするか、リーチ態様とするか、はずれとするか、変動時間を短縮するかなどが決定され、それぞれの停止図柄の組合せが決定される。
【0096】
なお、高確率状態において、次に大当りとなる確率が上昇するとともに、7セグメントLEDによる可変表示器10の可変表示の確定までの時間が短縮され、かつ、可変表示器10の可変表示結果にもとづく当り時の可変入賞球装置15の開放回数および開放時間が高められるようにパチンコ遊技機1が構成されていてもよいし、可変表示器10の可変表示結果にもとづく当りの確率が高くなるように構成されていてもよい。また、それらのうちのいずれか一つまたは複数の状態のみが生ずるパチンコ遊技機1であってもよい。
【0097】
また、この実施の形態で用いられた乱数および乱数値の範囲は一例であって、どのような乱数を用いてもよいし、範囲設定も任意である。
【0098】
図20は、ステップS96に示したCPU56が実行する変動短縮判定処理の一例を示すフローチャートである。変動短縮判定処理において、CPU56は、変動短縮タイマバッファ0に格納されている変動短縮タイマが「0」であるか否かを確認する(ステップS96a)。変動短縮タイマバッファ0の変動短縮タイマが「0」でなければ、変動時間短縮判定時間がまだ経過していないため、変動時間の短縮を設定することなく処理を終える。
【0099】
変動短縮タイマバッファ0の変動短縮タイマが「0」であれば、変動時間短縮判定時間がすでに経過しているため、CPU56は、高確率状態であるか否かについて確認する(ステップS96b)。
【0100】
高確率状態であれば、CPU56は、始動入賞記憶数が2未満であるか否か確認する(ステップS96c)。そして、始動入賞記憶数が2未満でなければ、CPU56は、変動時間の短縮設定を行うために変動短縮フラグを設定する。すなわち、高確率状態であるときには、始動入賞記憶数が2以上ある場合に変動時間短縮の設定が行われる。なお、始動入賞記憶数が他の数以上あるときに、変動時間短縮が設定されるようにしてもよい。
【0101】
一方、高確率状態でなければ、CPU56は、始動入賞記憶数が4未満であるか否か確認する(ステップS96d)。そして、始動入賞記憶数が4未満でなければ、CPU56は、変動時間の短縮設定を行うために変動短縮フラグを設定する。すなわち、高確率状態でないときには、始動入賞記憶数が4以上である場合(本例では、4である場合)に変動時間短縮の設定が行われる。なお、始動入賞記憶数が他の数以上あるときに、変動時間短縮が設定されるようにしてもよい。
【0102】
図21は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図21に示す特別図柄プロセス処理は、図12のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)を行ったあと、内部状態に応じて、図21に示すステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。
【0103】
図22は、ステップS310の変動短縮タイマ減算処理の一例を示すフローチャートである。変動短縮タイマ減算処理では、CPU56は、変動短縮タイマバッファ0に格納されている変動短縮タイマが「0」であるか否か確認する(ステップS310a、ステップS310b)。「0」でなければ、変動短縮タイマバッファ0の変動短縮タイマを減算(−1)する(ステップS310c)。
【0104】
次いで、CPU56は、変動短縮タイマバッファ1に格納されている変動短縮タイマが「0」であるか否か確認する(ステップS310d、ステップS310eのN、ステップ310b)。「0」でなければ、変動短縮タイマバッファ0の変動短縮タイマを減算(−1)する(ステップS310c)。変動短縮タイマバッファ2および変動短縮タイマバッファ3についても同様の処理を実行する。そして、変動短縮タイマバッファ3についての処理を終えると、ここでの処理を終了する(ステップS310d、ステップ310eのY)。なお、入賞のない入賞記憶数に対応する変動短縮タイマバッファについては処理を行わないようにしてもよい。
【0105】
従って、本例では、変動時間短縮判定時間の対応値(0708(H))が設定されたあと、変動短縮タイマ減算処理が1800回(3.6秒相当)繰返されると、1800(0708(H))が減算されて変動短縮タイマが「0」とされる。変動短縮タイマ減算処理が行われると、ステップS300〜S309の各処理において、以下のような処理が実行される。
【0106】
特別図柄変動待ち処理(ステップS300):始動入賞口14(この実施の形態では可変入賞球装置15の入賞口)に打球入賞して始動口センサ17がオンするのを待つ。始動口センサ17がオンすると、始動入賞記憶数が満タンでなければ、始動入賞記憶数を+1するとともに大当り決定用乱数を抽出し、また、変動時間短縮判定時間の対応値を設定する。すなわち、図15に示された処理が実行される。
特別図柄判定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、抽出されている大当り決定用乱数の値に応じて大当りとするかはずれとするか決定する。すなわち、図16に示された処理の前半が実行される。
停止図柄設定処理(ステップS302):左右中図柄の停止図柄を決定する。
すなわち、図16に示された処理の中半が実行される。
【0107】
リーチ動作設定処理(ステップS303):リーチ判定用乱数の値に応じてリーチ動作するか否か決定するとともに、大当りとするか否かなどの各種条件に応じて変動パターンを決定して特別図柄の変動期間(リーチとしない場合を含む)を決定する。すなわち、図16に示された処理の後半が実行される。
【0108】
全図柄変動開始処理(ステップS304):可変表示部9において全図柄が変動開始されるように制御する。このとき、図柄制御基板80に対して、左右中最終停止図柄と変動パターンなどの変動態様を指令する情報とが送信される。処理を終えると、内部状態(プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。
【0109】
全図柄停止待ち処理(ステップS305):ステップS97で選択された変動パターンに対応して定められている変動時間が経過すると、可変表示部9において表示される全図柄が停止されるように制御する。そして、停止図柄が大当り図柄の組み合わせである場合には、内部状態(プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。なお、変動短縮フラグが設定されていた場合には、変動短縮フラグをクリアする。
【0110】
大入賞口開放開始処理(ステップS306):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、大当りフラグ(大当り中であることを示すフラグ)のセットを行う。処理を終えると、内部状態(プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。
【0111】
大入賞口開放中処理(ステップS307):大入賞口ラウンド表示の表示制御コマンドデータを表示制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最終的な大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
【0112】
特定領域有効時間処理(ステップS308):Vカウントスイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS306に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS309に移行するように更新する。
【0113】
大当り終了処理(ステップS309):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための表示を行う。その表示が終了したら、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0114】
上述したように、始動入賞口14に打球が入賞すると、基本回路53は、ステップS25(図12参照)の特別図柄プロセス処理において、変動時間を短縮するかしないか、大当りとするかはずれとするか、停止図柄、リーチ態様、確変とするかしないか、特別図柄の変動態様を決定するが、その決定に応じた表示制御コマンドなどの制御コマンドを、図柄制御手段などの電気部品制御手段に送出する。例えば図柄制御手段では、主基板31からの表示制御コマンドに応じて可変表示部9の図柄制御が行われる。
【0115】
次に、主基板31から他の電気部品制御基板に対する制御コマンドの送出について説明する。図23は、主基板31から図柄制御基板80などの各電気部品制御基板に送出される制御コマンドのコマンド形態の一例を示す説明図である。この実施の形態では、制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、図23に示されたコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。
【0116】
図24は、図柄制御基板80などの各電気部品制御基板に対する制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号(ストローブ信号)との関係を示すタイミング図である。図24に示すように、MODEまたはEXTのデータが出力ポートに出力されてから、所定期間が経過すると、CPU56は、データ出力を示す信号であるINT信号をオン状態にする。また、そこから所定期間が経過するとINT信号をオフ状態にする。
【0117】
図25は、電気部品制御基板のうちの図柄制御基板80に送出される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図25に示す例において、コマンド8000(H)〜8021(H)、8100(H)〜8121(H)は、特別図柄を可変表示する可変表示部9における特別図柄の変動パターンを指定する表示制御コマンドである。なお、変動パターンを指定するコマンドは変動開始指示も兼ねている。また、図25に示す例では68種類の変動パターン指定が可能であるが、それらの変動パターン指定のうちの一部のみを使用するようにしてもよい。
【0118】
コマンド88XX(X=4ビットの任意の値)は、普通図柄表示器10で可変表示される普通図柄の変動パターンに関する表示制御コマンドである。コマンド89XXは、普通図柄の停止図柄を指定する表示制御コマンドである。コマンド8AXX(X=4ビットの任意の値)は、普通図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンドである。
【0119】
コマンド91XX、92XXおよび93XXは、特別図柄の左中右の停止図柄を指定する表示制御コマンドである。また、コマンドA000は、特別図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンドである。コマンドBXXXは、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される表示制御コマンドである。そして、コマンドC000〜EXXXは、特別図柄の変動および大当り遊技に関わらない可変表示部9の表示状態に関する表示制御コマンドである。図柄制御基板80の図柄制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した表示制御コマンドを受信すると図25に示された内容に応じて可変表示部9および普通図柄表示器10の表示状態を変更する。
【0120】
図25に表示制御コマンドについて示したが、本例では、他の制御コマンド(音声制御コマンド、ランプ制御コマンドおよび払出制御コマンド)も全てMODE部分とEXT部分とからなっている。すなわち、音声制御コマンドとランプ制御コマンドの形態は共通している。また、音声制御コマンドと払出制御コマンドの形態は共通している。ランプ制御コマンドと払出制御コマンドの形態も共通している。そして、表示制御コマンドと音声制御コマンドの形態は共通している。また、表示制御コマンドとランプ制御コマンドの形態は共通している。表示制御コマンドと払出制御コマンドの形態も共通している。
【0121】
遊技制御手段から送出される各コマンドの形態が共通しているので、遊技制御手段のCPU56が実行するプログラムにおいて、各コマンドの作成部分と出力部分を容易に共通化することができる。その結果、遊技制御プログラムのコマンドの送出に関するモジュールが簡略化され、プログラム保守が容易になるとともに、他機種へのプログラム流用も容易になる。
【0122】
また、遊技演出に関わる電気部品制御手段(この例では、図柄制御手段、ランプ制御手段および音声制御手段)に伝えられる一つの演出制御内容は、2つの制御信号で構成される(図柄制御手段について図25参照)。遊技演出に関わる電気部品制御手段は、一の制御信号(MODEバイト)で制御内容の種類を特定することができ、他の制御信号(EXTバイト)で詳細な制御内容を特定することができる。
【0123】
遊技制御手段から各電気部品制御基板に制御コマンドを出力しようとするときに、コマンド送信テーブルの設定が行われる。図26(A)は、コマンド送信テーブルの一構成例を示す説明図である。1つのコマンド送信テーブルは3バイトで構成され、1バイト目にはINTデータが設定される。また、2バイト目のコマンドデータ1には、制御コマンドの1バイト目のMODEデータが設定される。そして、3バイト目のコマンドデータ2には、制御コマンドの2バイト目のEXTデータが設定される。
【0124】
なお、EXTデータそのものがコマンドデータ2の領域に設定されてもよいが、コマンドデータ2には、EXTデータが格納されているテーブルのアドレスを指定するためのデータが設定されるようにしてもよい。この実施の形態では、コマンドデータ2のビット7(ワークエリア参照ビット)が0あれば、コマンドデータ2にEXTデータそのものが設定されていることを示す。なお、そのようなEXTデータはビット7が0であるデータである。また、ワークエリア参照ビットが1あれば、他の7ビットが、EXTデータが格納されているテーブルのアドレスを指定するためのオフセットであることを示す。
【0125】
この実施の形態では複数のコマンド送信テーブルが用意され、使用すべきコマンド送信テーブルはポインタで指定される。また、複数のコマンド送信テーブルはリングバッファとして使用される。従って、CPU56は、例えば、入賞球信号処理において、書込ポインタが指しているコマンド送信テーブルに、INTデータ、コマンドデータ1およびコマンドデータ2を設定する。そして、書込ポインタの値を更新する。1つのコマンド送信テーブルは3バイト構成であるから、具体的には、書込ポインタ値は+3される。
【0126】
図26(B)はINTデータの一構成例を示す説明図である。INTデータにおけるビット0は、払出制御基板37に払出制御コマンドを送出すべきか否かを示す。ビット0が「1」であるならば、払出制御コマンドを送出すべきことを示す。従って、CPU56は、例えば入賞球信号処理において、INTデータに「01(H)」を設定する。
【0127】
INTデータのビット1,2,3は、それぞれ、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音声制御コマンドを送出すべきか否かを示すビットであり、CPU56は、それらのコマンドを送出すべきタイミングになったら、特別図柄プロセス処理等で、ポインタが指しているコマンド送信テーブルに、INTデータ、コマンドデータ1およびコマンドデータ2を設定する。それらのコマンドを送出するときには、INTデータの該当ビットが「1」に設定され、コマンドデータ1およびコマンドデータ2にMODEデータおよびEXTデータが設定される。
【0128】
図27は、図12に示された遊技制御処理におけるコマンド制御処理(ステップS27、ステップS28)の処理例を示すフローチャートである。コマンド制御処理は、コマンド出力処理とINT信号出力処理とを含む処理である。コマンド制御処理において、CPU56は、まず、コマンド送信テーブルのアドレス(読出ポインタの内容)をスタック等に退避する(ステップS231)。そして、読出ポインタが指していたコマンド送信テーブルのINTデータを引数1にロードする(ステップS232)。引数1は、後述するコマンド送信処理に対する入力情報になる。また、コマンド送信テーブルを指すアドレスを+1する(ステップS233)。従って、コマンド送信テーブルを指すアドレスは、コマンドデータ1のアドレスに一致する。
【0129】
そこで、CPU56は、コマンドデータ1を読み出して引数2に設定する(ステップS234)。引数2も、後述するコマンド送信処理に対する入力情報になる。そして、コマンド送信処理ルーチンをコールする(ステップS235)。
【0130】
図28は、コマンド送信ルーチンを示すフローチャートである。コマンド送信ルーチンにおいて、CPU56は、まず、引数1に設定されているデータすなわちINTデータを、比較値として決められているワークエリアに設定する(ステップS251)。次いで、送信回数=4を、処理数として決められているワークエリアに設定する(ステップS252)。そして、払出制御信号を出力するためのポート1(図示せず)のアドレスをIOアドレスにセットする(ステップS253)。
【0131】
次に、CPU56は、比較値を1ビット右にシフトする(ステップS254)。シフト処理の結果、キャリービットが1になったか否か確認する(ステップS255)。キャリービットが1になったということは、INTデータにおける最も右側のビットが「1」であったことを意味する。この実施の形態では4回のシフト処理が行われるのであるが、例えば、払出制御コマンドを送出すべきことが指定されているときには、最初のシフト処理でキャリービットが1になる。
【0132】
キャリービットが1になった場合には、引数2に設定されているデータ、この場合にはコマンドデータ1(すなわちMODEデータ)を、IOアドレスとして設定されているアドレスに出力する(ステップS256)。最初のシフト処理が行われたときにはIOアドレスにポート1のアドレスが設定されているので、結局、払出制御コマンドのMODEデータがポート1に出力される。
【0133】
次いで、CPU56は、IOアドレスを1加算するとともに(ステップS257)、処理数を1減算する(ステップS258)。加算前にポート1を示していた場合には、IOアドレスに対する加算処理によって、IOアドレスにはポート2のアドレスが設定される。ポート2は、この実施の形態では出力ポート571であり(図5参照)、表示制御コマンドを出力するためのポートである。そして、CPU56は、処理数の値を確認し(ステップS259)、値が0になっていなければ、ステップS254に戻る。ステップS254で再度シフト処理が行われる。
【0134】
2回目のシフト処理ではINTデータにおけるビット1の値が押し出され、ビット1の値に応じてキャリーフラグが「1」または「0」になる。従って、表示制御コマンドを送出すべきことが指定されているか否かのチェックが行われる。同様に、3回目および4回目のシフト処理によって、ランプ制御コマンドおよび音声制御コマンドを送出すべきことが指定されているか否かのチェックが行われる。このように、それぞれのシフト処理が行われるときに、IOアドレスには、シフト処理によってチェックされるコマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音声制御コマンド)に対応したIOアドレスが設定されている。
【0135】
よって、キャリーフラグが「1」になったときには、対応する出力ポート(ポート1〜ポート4)に制御コマンドが送出される。すなわち、1つの共通モジュールで、各電気部品制御手段に対する制御コマンドの送出処理を行うことができる。なお、この実施の形態では、ポート3のアドレスは、出力ポート575のアドレスである(図6参照)。
【0136】
また、このように、シフト処理のみによってどの電気部品制御手段に対して制御コマンドを出力すべきかが判定されるので、いずれの電気部品制御手段に対して制御コマンドを出力すべきか判定する処理が簡略化されている。
【0137】
次に、CPU56は、シフト処理開始前のINTデータが格納されている引数1の内容を読み出し(ステップS260)、読み出したデータをポート0に出力する(ステップS261)。INTデータでは、ステップS251〜S259の処理で出力された制御コマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音声制御コマンド)に応じたINT信号の出力ビットに対応したビットが「1」になっている。従って、ポート1〜ポート4のいずれかに出力された制御コマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音声制御コマンド)に対応したINT信号がオン状態になる。
【0138】
次いで、CPU56は、ウェイトカウンタに所定値を設定し(ステップS262)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS263,S264)。この処理は、図24のタイミング図に示されたINT信号(制御信号INT)のオン期間を設定するための処理である。ウェイトカウンタの値が0になると、クリアデータ(00)を設定して(ステップS265)、そのデータをポート0に出力する(ステップS266)。よって、INT信号はオフ状態になる。そして、ウェイトカウンタに所定値を設定し(ステップS262)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS268,S269)。この処理は、1つ目のINT信号の立ち下がりからEXTデータ出力開始までの期間を設定するための処理である。
【0139】
従って、ステップS267でウェイトカウンタに設定される値は、1つ目のINT信号の立ち下がりからEXTデータ出力開始までの期間が、制御コマンド受信対象となる全ての電気部品制御手段が確実にコマンド受信処理を行うのに十分な期間になるような値である。また、ウェイトカウンタに設定される値は、その期間が、ステップS251〜S259の処理に要する時間よりも長くなるような値である。
【0140】
以上のようにして、制御コマンドの1バイト目のMODEデータが送出される。そこで、CPU56は、図27に示すステップS236で、コマンド送信テーブルを指す値を1加算する。従って、3バイト目のコマンドデータ2の領域が指定される。CPU56は、指し示されたコマンドデータ2の内容を引数2にロードする(ステップS237)。また、コマンドデータ2のビット7(ワークエリア参照ビット)の値が「0」であるか否か確認する(ステップS239)。0でなければ、コマンド拡張データアドレステーブルの先頭アドレスをポインタにセットし(ステップS239)、そのポインタにコマンドデータ2のビット6〜ビット0の値を加算してアドレスを算出する(ステップS240)。そして、そのアドレスが指すエリアのデータを引数2にロードする(ステップS241)。
【0141】
コマンド拡張データアドレステーブルには、電気部品制御手段に送出されうるEXTデータが順次設定されている。よって、以上の処理によって、ワークエリア参照ビットの値が「1」であれば、コマンドデータ2の内容に応じたコマンド拡張データアドレステーブル内のEXTデータが引数2にロードされ、ワークエリア参照ビットの値が「0」であれば、コマンドデータ2の内容がそのまま引数2にロードされる。なお、コマンド拡張データアドレステーブルからEXTデータが読み出される場合でも、そのデータのビット7は「0」である。
【0142】
次に、CPU56は、コマンド送信ルーチンをコールする(ステップS242)。従って、MODEデータの送出の場合と同様のタイミングでEXTデータが送出される。その後、CPU56は、コマンド送信テーブルのアドレスを復帰し(ステップS243)、コマンド送信テーブルを指す読出ポインタの値を更新する(ステップS244)。1つのコマンド送信テーブルは3バイト構成であるから、具体的には、読出ポインタの値は+3される。
【0143】
以上のようにして、1つの制御信号出力モジュールであるコマンド制御処理モジュールによって、2バイト構成の各制御コマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音声制御コマンド)が、対応する電気部品制御手段に送信される。電気部品制御手段では、取込信号としてのINT信号の立ち下がりを検出すると制御コマンドの取り込み処理を開始するのであるが、いずれの電気部品制御手段についても、取り込み処理が完了する前に遊技制御手段からの新たな信号が信号線に出力されることはない。すなわち、各電気部品制御手段において、確実なコマンド受信処理が行われる。なお、各電気部品制御手段は、INT信号の立ち上がりで制御コマンドの取り込み処理を開始してもよい。また、INT信号の極性を図24に示された場合と逆にしてもよい。
【0144】
また、この実施の形態では、複数のコマンド送信テーブルがリングバッファとして用いられ、図27に示すコマンド制御処理では、読出ポインタが指しているコマンド送信テーブルを対象としてコマンド出力制御が行われ、コマンド送信テーブルにデータを設定する処理、例えば、遊技制御処理における入賞球信号処理では、書込ポインタが指すコマンド送信テーブルを対象としてコマンド設定処理が行われる。従って、同時に複数のコマンド送出要求が発生しても、それらの要求にもとづくコマンド出力処理は問題なく実行される。
【0145】
次に、図柄の変動を具体例を用いて説明する。
図29は、左右中図柄の一例を示す説明図である。図29に示すように、この実施の形態では、左右中図柄として表示される各図柄は、左右中で同一の12図柄である。図柄番号12の図柄が表示されると、次に、図柄番号1の図柄が表示される。そして、左右中図柄が、例えば、「一」、「三」、「五」、「七」、「九」または「下駄」で揃って停止すると高確率状態となる。すなわち、それらが確変図柄となる。
【0146】
図30は、この実施の形態で用いられる可変表示部9に表示される背景図柄の例を示す説明図である。この例では、(A)道場、(B)閃光、(C)オーラ、および(D)煙の背景が用いられる。また、図30(E)に示された表示は、遊技機の非遊技中等に表示されるデモンストレーション画面の例を示す。
【0147】
図31および図32は、この実施の形態で用いられる可変表示部9に表示されるキャラクタの例を示す説明図である。この例では、(A)キャラクタA、(B)キャラクタBおよび(C)キャラクタCが用いられる。なお、キャラクタAは、リーチ予告用のキャラクタとしても用いられる。この実施の形態では、複数のリーチ予告態様があり、例えば、キャラクタAの目が光るように表示されると(リーチ予告1)、またはキャラクタAが吹き出しで予告すると(リーチ予告2)、リーチ予告が行われたことになる。また、キャラクタAは、リーチを成立させるためのキャラクタとしても用いられ、所定の条件が成立すると、キャラクタAの足が右図柄を蹴るように表示されて左右図柄が同一図柄で停止する表示制御が行われる。
【0148】
さらに、リーチ動作中に、キャラクタA,B,Cは、吹き出しによって大当り予告を行うように表示される。この実施の形態では、複数の大当り予告態様(大当り予告1および2)があり、大当り予告1の態様は単独で用いられるが、大当り予告2の態様は大当り予告1の表示がなされてから所定時間が経過すると表示される。
【0149】
なお、この実施の形態では、リーチ予告および大当り予告として、それぞれ2つずつの態様が使用されるが、さらに多くの種類を用いてもよい。また、この実施の形態では、キャラクタの吹き出しによって予告がなされるが、予告の態様は、遊技者が予告されていることが認識可能であれば、どのような態様によってもよい。例えば、通常とは異なるキャラクタの動作や通常とは異なる図柄の変動態様によってもよい。さらに、確変図柄で大当りが生ずる可能性が高い場合に用いられる予告を、確変大当り予告としてもよい。また、大当りが発生する確率の高い予告と、大当りが発生する確率が低い予告とに分け、確率が低い方の予告をリーチ予告と定義づけてもよい。
【0150】
図柄制御基板80における図柄制御用CPU101は、主基板31から表示制御コマンドを受信すると、各変動パターンにおいてあらかじめ決められている背景やキャラクタを画面上で移動表示する制御を行う。なお、あらかじめ決められているタイミングで背景やキャラクタの切替も行われるが、それらも図柄制御用CPU101が独自に制御する。
【0151】
図33〜図35は、この実施の形態で用いられる主基板31から図柄制御基板80に送信される表示制御コマンド例を示す説明図である。上述したように、1つの表示制御コマンドは2バイト(MODE,EXT)で構成される。
【0152】
図33には、左図柄の停止図柄を示す表示制御コマンドが示されている。図35に示すように、2バイトの制御データMODE,EXTで構成される表示制御コマンドによって停止図柄が指定される。なお、それらの指定において、1バイト目の制御データCMD1の値は、「91(H)」である。
【0153】
図34には、中図柄の停止図柄を示す表示制御コマンドが示されている。図36に示すように、2バイトの制御データMODE,EXTで構成される表示制御コマンドによって停止図柄が指定される。なお、それらの指定において、1バイト目の制御データCMD1の値は、「92(H)」である。
【0154】
図35には、右図柄の停止図柄を示す表示制御コマンドが示されている。図37に示すように、2バイトの制御データMODE,EXTで構成される表示制御コマンドによって停止図柄が指定される。なお、それらの指定において、1バイト目の制御データCMD1の値は、「93(H)」である。
【0155】
以下、図36〜図40を参照して図柄の変動パターンの例について説明する。図36は、各変動パターンを構成するパターン(変動状態)の一例を示す説明図である。図37は、リーチとしないはずれ時における図柄の変動の一例を示すタイミング図である。また、図38〜図40は、リーチ時(大当りの場合および大当りとしない場合)の図柄の変動の一例を示すタイミング図である。
【0156】
この実施の形態では、はずれ時には、図37(A)に示すように、可変表示部9における「左」の図柄表示エリアにおいて、まず、パターンaに従って図柄の変動が行われる。パターンaは、図36に示すように、少しずつ変動速度が上がるパターンである。その後、パターンbの一定速の変動が行われ、停止図柄の3図柄前の図柄が表示されるように制御された後、パターンc従って3図柄の変動が行われる。パターンcは、図36に示すように、徐々に遅くなって停止するパターンである。
【0157】
また、可変表示部9における「右」の図柄表示エリアにおいて、パターンaに従って図柄の変動が行われる。その後、一定速変動の後、停止図柄の3図柄前の図柄が表示されるように制御された後、パターンcに従って図柄の変動が行われる。「中」の図柄表示エリアにおいても、まず、パターンaに従って図柄の変動が行われる。その後、一定速変動の後、停止図柄の3図柄前の図柄が表示されるように制御された後、パターンcに従って図柄の変動が行われる。
【0158】
なお、図柄制御基板80の図柄制御用CPU101は、中図柄が確定するまで、左右図柄を変動方向の正方向と逆方向に繰り返し変動させる。すなわち、左右図柄を、いわゆる揺れ変動状態に表示制御する。揺れ変動とは、図柄が上下に揺れる表示されることをいう。また、揺れ変動は、最終停止図柄(確定図柄)が表示されるまで行われる。そして、主基板31から全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信すると、左右図柄の揺れ変動状態を終了させて左右中図柄が動かない確定状態になる。本例では、図柄制御用CPU101は、変動パターン指定#1コマンドにもとづく変動態様で図柄表示を行うため、変動時間を短縮することなく9.0秒間図柄変動処理を行ったあと確定状態とする。なお、中図柄も、パターンcによる変動の後に揺れ動作を行い、その後確定状態になるようにしてもよい。また、揺れ変動を、図柄を上下に揺らす態様ではなく、左右に揺らしたりする態様としてもよい。
【0159】
図柄が変動している間、図柄制御用CPU101は、背景として「道場」(図30参照)が表示されるように表示制御を行うとともに、画面中にキャラクタA(図31参照)を表示して適宜キャラクタAを運動させるように表示制御を行う。具体的には、背景およびキャラクタをVDP103に通知する。すると、VDP103は、指示された背景の画像データを作成する。また、指示されたキャラクタの画像データを作成し背景画像と合成する。さらに、VDP103は、合成画像に、左右中図柄の画像データを合成する。VDP103は、キャラクタが運動するような表示制御および図柄が変動するような表示制御も行う。すなわち、あらかじめ決められている運動パターンに従ってキャラクタの形状および表示位置を変える。また、図柄制御用CPU101から通知される変動速度に応じて図柄表示位置を変えていく。
【0160】
なお、図柄制御用CPU101は、左右中の図柄表示エリアにおいて、指定された停止図柄で図柄変動が停止するように、所定のタイミングで停止図柄の3図柄前の図柄を表示制御する。変動開始時に左右中の停止図柄が通知され、かつ、はずれ時の変動パターンはあらかじめ決められているので、図柄制御用CPU101は、パターンaからパターンbへの切替タイミングおよびパターンbからパターンcへの切替タイミングを認識することができるとともに、差し替えるべき3図柄前の図柄も決定できる。決定された差し替え図柄はVDP103に通知され、VDP103は、そのときに表示している図柄に関係なく、通知された図柄を表示する。
【0161】
図37(B)は、確率変動状態におけるはずれ時の変動パターンの一例を示す。この変動パターンでは、図に示されるように、パターンa、パターンbおよびパターンcに従って左右中図柄の変動が行われた後に、左右中図柄が同時に停止する。この例では、図柄制御用CPU101は、変動パターン指定#35コマンドにもとづく変動態様で図柄表示を行うため、変動時間が短縮された5.5秒の間図柄変動処理を行ったあと確定状態とする。この変動パターンを用いるときも、図柄制御用CPU101は、背景として「道場」(図30参照)が表示されるように表示制御を行うとともに、画面中にキャラクタA(図31参照)を表示して適宜キャラクタAを運動させるように表示制御を行うことにする。
【0162】
つまり、この実施の形態では、図柄制御用CPU101は、遊技制御手段すなわち主基板31のCPU56から変動パターンを指定する表示制御コマンド(図25参照)を受信すると、その指定の内容に応じて図37(A)や(B)に示された変動パターンを用いて左右中図柄を可変表示することに決定するとともに、キャラクタAを出現させること、および「道場」の背景画面を使用することを決定する。
【0163】
図38は、主基板31から変動時間として例えば17.0秒が通知されたときに表示される変動パターンの例を示す。図柄制御用CPU101は、変動時間が通知されると、その変動時間で表示する複数の変動パターンのうちの何れの変動パターンを用いるのかを独自に決定する。図38には、複数の変動パターンのうちの1つが例示されている。
なお、主基板31のCPU56がリーチ種類を決定し、決定したリーチ種類に応じた変動パターンを示すコマンドを送るようにしてもよい。
【0164】
図38に示された変動パターンでは、左右図柄が停止した後パターンdの中図柄の変動が行われる。なお、図柄制御用CPU101は、中図柄変動中の左右図柄の停止状態では左右図柄を揺れ動作させている。パターンdは、変動速度が徐々に低下し、その後一定速度で変動が行われるパターンである。そして、リーチ動作に入り、パターンbおよびパターンcに従って中図柄の変動が行われる。主基板31から全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信すると、左右図柄の揺れ変動状態を終了させて左右中図柄が動かない確定状態になる。この例では、図柄制御用CPU101は、変動パターン指定#9コマンドにもとづく変動態様で図柄表示を行うため、変動時間の短縮がされることなく17.0秒の間図柄変動処理を行ったあと確定状態とする。
【0165】
また、図柄制御用CPU101は、主基板31から通知されている停止図柄で図柄が確定するように、リーチ動作開始前に図柄の差し替え(図柄の飛ばし制御)を行う。変動パターンはあらかじめ決められているので、図柄制御用CPU101は、パターンdからパターンbへの切替タイミングおよびパターンbからパターンcへの切替タイミングを認識することができるとともに、差し替えるべき3図柄前の図柄も決定できる。なお、中図柄の変動中に、背景およびキャラクタの種類は変化しない。
【0166】
以上のように、この実施の形態では、図柄制御用CPU101は、主基板31のCPU56から変動パターン指定#9コマンドを受信すると、17.0秒間可変表示する複数の変動パターンのうちのいずれを用いて左右中図柄を可変表示するかを決定する。
【0167】
そして、図38の変動パターンを用いることに決定した場合には、左右図柄が停止してリーチ状態になるとキャラクタAおよび「道場」の背景画面を継続して使用することに決定する。
【0168】
なお、図38に示された変動時間17.0秒の変動パターンでも、図柄制御用CPU101は、中図柄が確定するまで、左右図柄を上下に揺れ動作させる。また、中図柄の図柄差し替え制御は、右図柄が停止するタイミングで実行される。図柄制御用CPU101は、変動開始時に主基板31から通知されている中停止図柄と、リーチ変動期間(例えば図38におけるパターンd、パターンbおよびパターンcの変動期間)における図柄の変動数とに応じて、差し替え図柄を決定する。
【0169】
さらに、図柄制御用CPU101は、リーチ予告を行うことに決定している場合には、キャラクタAがリーチ予告1またはリーチ予告2の態様で可変表示部9に表示されるようにVDP103を制御し、大当り予告を行うことに決定している場合には、リーチ動作中に、そのときに表示されているキャラクタが大当り予告1または大当り予告2の態様で可変表示部9に表示されるようにVDP103を制御する。なお、大当り予告2の態様は、大当り予告1の発展形である。また、図柄制御用CPU101は、リーチとすることを示す表示制御コマンドを受信すると、リーチ予告および大当り予告を行うか否かと予告の態様とを独自に決定するが、具体的な決め方は後述する。
【0170】
図39は、主基板31から変動時間として22.0秒(リーチ中期間)が通知されたときに表示される変動パターンの例を示す。図柄制御用CPU101は、変動時間として22.0秒が通知されると、複数の変動パターンのうちの何れの変動パターンを用いるのかを独自に決定する。なお、図39には、複数の変動パターンのうちの一つのパターンが例示されている。
【0171】
図39に示された変動パターンでは、左右図柄が停止した後パターンdの中図柄の変動が行われる。そして、リーチ動作に入り、パターンbおよびパターンfに従って中図柄の変動が行われる。パターンfは高速変動であり、パターンfによる変動開始前に一時停止期間がおかれる。主基板31から全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信すると、左右図柄の揺れ変動状態を終了させて左右中図柄が動かない確定状態になる。この例では、図柄制御用CPU101は、変動パターン指定#8コマンドにもとづく変動態様で図柄表示を行うため、変動時間の短縮がされることなく22.0秒の間図柄変動処理を行ったあと確定状態とする。
【0172】
また、図柄制御用CPU101は、主基板31から通知されている停止図柄で図柄が確定するように、リーチ動作開始前に図柄の差し替えを行う。なお、図39に示された変動パターンでは、右図柄が停止すると、図柄制御用CPU101は、背景画像を「閃光」(図30参照)に切り替える。また、右図柄停止時に、図柄制御用CPU101は、キャラクタAが右図柄を蹴るように表示制御を行う(図31参照)。
【0173】
以上のように、この実施の形態では、図柄制御用CPU101は、主基板31のCPU56から変動パターン指定#8コマンドを受信すると、22.0秒間可変表示する複数の変動パターンのうちのいずれを用いて左右中図柄を可変表示するかを決定する。
【0174】
そして、図39の変動パターンを用いることに決定した場合には、左右図柄が停止してリーチ状態になると背景画面を「閃光」に切り替えることに決定する。
【0175】
図39に示された変動時間22.0秒の変動パターンでも、図柄制御用CPU101は、中図柄が確定するまで、左右図柄を上下に揺れ動作させる。また、中図柄の図柄飛ばし制御は、右図柄が停止するタイミングで実行される。
【0176】
さらに、図柄制御用CPU101は、リーチ予告を行うことに決定している場合には、キャラクタAがリーチ予告1またはリーチ予告2の態様で可変表示部9に表示されるようにVDP103を制御し、大当り予告を行うことに決定している場合には、リーチ動作中に、そのときに表示されているキャラクタが大当り予告1または大当り予告2の態様で可変表示部9に表示されるようにVDP103を制御する。
【0177】
図40は、主基板31から変動時間として37.5秒(リーチ長期間)が通知されたときに表示される変動パターンの例を示す。図柄制御用CPU101は、変動時間として37.5秒が通知されると、複数の変動パターンのうちの何れの変動パターンを用いるのかを独自に決定する。図40には、複数の変動パターンのうちの一つのパターンが例示されている。
【0178】
図40に示された変動パターンでは、左右図柄が停止した後パターンdの中図柄の変動が行われる。そして、リーチ動作に入り、パターンbおよびパターンcによる変動後、一時停止期間をおいてパターンfに従って中図柄の変動が行われる。また、図柄制御用CPU101は、主基板31から通知されている停止図柄で図柄が確定するように、リーチ動作開始前に図柄の差し替えを行う。この例では、図柄制御用CPU101は、変動パターン指定#10コマンドにもとづく変動態様で図柄表示を行うため、変動時間の短縮がされることなく37.5秒の間図柄変動処理を行ったあと確定状態とする。なお、図40に示された変動パターンでは、右図柄が停止すると、図柄制御用CPU101は、背景画像を「閃光」(図30参照)に切り替える。
【0179】
さらに、図40に示された変動パターンでは、中図柄がパターンfで高速変動する際に、左右図柄も同様に高速変動する。従って、最終停止図柄が大当り図柄の組み合わせである場合には、一時停止時の一時停止図柄も、図柄の種類は異なるが、やはり大当り図柄の組み合わせである。例えば、一時停止図柄が非確変図柄で最終停止図柄が確変図柄になったりする。
【0180】
よって、遊技者は、一時停止時に大当りが発生したと感ずるとともに、再変動後に再度大当り図柄が提供されて再度興趣がかき立てられる。なお、一時停止図柄は、図柄制御用CPU101が、停止図柄から逆算して独自に決定した図柄である。パターンfの変動速度と変動期間とはあらかじめ決められているので、図柄制御用CPU101は、最終停止図柄から一時停止図柄を容易に逆算することができる。
【0181】
図40に示された変動時間37.5秒の変動パターンでも、図柄制御用CPU101は、中図柄が確定するまで、左右図柄を上下に揺れ動作させる。また、中図柄の図柄飛ばし制御は、右図柄が停止するタイミングで実行される。
【0182】
以上のように、この実施の形態では、図柄制御用CPU101は、主基板31のCPU56から変動パターン指定#10コマンドを受信すると、37.5秒の間可変表示される複数の変動パターンのうちのいずれを用いて左右中図柄を可変表示するかを決定する。
【0183】
そして、図40の変動パターンを用いることに決定した場合には、左右図柄が停止してリーチ状態になると背景画面を「閃光」に切り替えることに決定する。
【0184】
以下、上述した表示例を実現するための遊技制御手段および図柄制御手段の制御について説明する。
図41は、図21に示された特別図柄プロセス処理における全図柄変動開始待ち(ステップS304)の処理を示すフローチャートである。ステップS302,S303の停止図柄設定処理およびリーチ動作設定処理において変動時間と停止図柄が決定されると、それらを指示するための表示制御コマンドの送出制御が行われるのであるが、ステップS304では、CPU56は、まず、コマンドの送出完了を待つ(ステップS304a)。なお、コマンド送出完了は、遊技制御処理(図12参照)中のコマンド制御処理(ステップS27、ステップS28)から通知されるようにプログラム構成することができる。あるいは、コマンド送信テーブルに送出コマンドを設定した時点で、コマンド送信完了と判断してもよい。
【0185】
この実施の形態では、主基板31のCPU56は、図柄の変動を開始させるときに、図25に示された変動時間(図19参照)を特定可能なコマンド(変動パターン指定#1〜変動パターン指定#68)のいずれかを図柄制御基板80に送出する。また、続けて、既に決定されている左右中の停止図柄を示す表示制御コマンドを図柄制御基板80に送出する。よって、ステップS304aのコマンド送信完了処理では、それら全てのコマンドの送出が完了したか否か確認される。なお、CPU56は、左右中の停止図柄を示す表示制御コマンドを送出してからコマンド(変動パターン指定#1〜変動パターン指定#68)のいずれかを送出してもよい。
【0186】
表示制御コマンドの送出が完了すると、CPU56は、図柄制御基板80に通知した変動時間を測定するための変動時間タイマをスタートする(ステップS304b)。そして、ステップS305に移行するように、特別図柄プロセスフラグを更新する(ステップS304c)。
【0187】
図42は、図21に示された特別図柄プロセス処理における全図柄停止待ち処理(ステップS305)を示すフローチャートである。ステップS305では、CPU56は、変動時間タイマがタイムアップしたか否か確認する(ステップS305a)。タイムアップしたら、全図柄停止を指示する表示制御コマンドを設定する(ステップS305b)。そして、表示制御コマンドデータ送出要求をセットし(ステップS305c)、ステップS306に移行するように、特別図柄プロセスフラグを更新する(ステップS305d)。
【0188】
以上のように、特別図柄プロセス処理において、CPU56は、変動の開始時に変動時間を特定可能な情報と停止図柄を指示する情報とを図柄制御基板80に送出し、変動時間タイマがタイムアップしたら、すなわち指示した変動時間が終了したら、全図柄停止を指示する情報を図柄制御基板80に送出する。その間、CPU56は、図柄制御基板80に表示制御コマンドを送出しない。従って、主基板31のCPU56の表示制御に要する負荷は大きく低減されている。
【0189】
図43は、特別図柄の変動時間の短縮に関する処理のタイミングを示す説明図である。図43に示すように、始動口14に入賞した遊技球が始動口スイッチ17を通過したときに、ステップS75にて説明したように始動入賞記憶数に対応する変動短縮タイマバッファに変動時間短縮判定時間が設定される。次いで、入賞に対応して表示される特別図柄の図柄などを決定する際に、ステップS96および図20に示したように変動時間を短縮するか否かの判定処理が行われる。変動時間短縮判定処理において変動時間を短縮すると判定された場合には、ステップS96eに示したように変動短縮フラグが設定される。そして、変動短縮フラグの状態によって、通常の変動時間あるいは短縮した変動時間が設定される。
【0190】
なお、始動入賞記憶数が0である場合には、始動口14に入賞した遊技球が始動口スイッチ17を通過したときから図柄の変動が開始されるまで(変動時間が設定されるまで)における図柄停止停止状態を解消するようにしてもよい。この場合、まず、例えば始動口14に入賞した遊技球が始動口スイッチ17を通過したときに、主基板31側から変動開始を指令するための図柄制御コマンドを出力して、特別図柄の変動を開始させる。次いで、CPU56は、大当りとするか否か、確変とするか否か、時短とするか否か、変動パターン(変動時間を含む)などの決定や、エリアシフトなどの処理を行ったあと、変動パターンを示す図柄制御コマンドを出力し、変動パターンに従った変動図柄の表示をさせる。そして、CPU56は、停止図柄を決定して、停止図柄を指定するための図柄制御コマンドを出力し、指定して図柄で図柄を停止させる。このように図柄制御コマンドを順次出力するように構成すれば、始動口14に入賞した遊技球が始動口スイッチ17を通過したあと直ちに図柄変動が開始され、図柄停止停止状態を短くすることができる。
【0191】
図44は、通常確率状態(高確率状態でない状態)における特別図柄の変動時間の短縮に関する処理のタイミングを示す説明図である。図44に示すように、入賞2に対する変動時間短縮判定においては、入賞2により遊技球が始動口スイッチ17を通過したときからの時間が変動時間判定短縮時間(3.6秒)を経過していないため、変動時間の短縮はしないと判定される(図20のステップS96aのN参照)。入賞3に対する変動時間短縮判定においては、入賞3により遊技球が始動口スイッチ17を通過したときからの時間が変動時間判定短縮時間(3.6秒)を経過しており、かつ、始動入賞記憶数が4であるため、変動時間を短縮すると判定される(図20のステップS96aのY、ステップS96dのNおよびステップS96e参照)。
【0192】
図45は、高確率状態における特別図柄の変動時間の短縮に関する処理のタイミングを示す説明図である。図45に示すように、入賞2に対する変動時間短縮判定においては、入賞2により遊技球が始動口スイッチ17を通過したときからの時間が変動時間判定短縮時間(3.6秒)を経過していないため、変動時間の短縮はしないと判定される(図20のステップS96aのN参照)。入賞3に対する変動時間短縮判定においては、入賞3により遊技球が始動口スイッチ17を通過したときからの時間が変動時間判定短縮時間(3.6秒)を経過しており、かつ、始動入賞記憶数が2であるため、変動時間を短縮すると判定される(図20のステップS96aのY、ステップS96cのNおよびステップS96e参照)。
【0193】
図46は、高確率状態においてステップS97にて変動パターン68が選択された場合における特別図柄の変動時間の短縮に関する処理のタイミングを示す説明図である。図46に示すように、入賞2に対する変動時間短縮判定においては、入賞2により遊技球が始動口スイッチ17を通過したときからの時間が変動時間判定短縮時間(3.6秒)を経過しており、かつ、始動入賞記憶数が2であるため、変動時間を短縮すると判定される(図20のステップS96aのY、ステップS96cのNおよびステップS96e参照)。そして、可変表示部9にて、変動パターン特68に対応した時間(4.2秒)変動図柄が表示されたあと、停止図柄が表示される。従って、この場合、入賞したときから図柄が停止されるまでに、少なくとも7.804秒かかることになる。
【0194】
以上のように、この実施の形態では、特別図柄の変動時間を短縮するか否かの判断を、始動入賞記憶数や入賞したときからの期間にもとづいて行う構成としたことで、入賞したときから確定図柄が表示されるまでの時間が不当に短縮されることがなく、特定遊技状態とするか否かに関連する報知が行われない期間を最小限にすることができるとともに、より多くの価値付与の機会を遊技者に与えることができ、変動時間制御の適正化を図ることができる。
【0195】
また、上述したように、遊技状態などに応じて変動パターンを選択して変動時間を定める構成としたことで、変動時間を簡易に指定することができ、遊技制御手段の制御負担を軽減することができる。
【0196】
なお、始動入賞口開閉処理で用いられる開放パターンは、例えば、低確率時には、可変入賞球装置15が1回だけ0.2秒間開放するようなパターンである。また、高確率時には、可変入賞球装置15が1.15秒間開放した後4.4秒の閉成期間をおいて再度1.15秒間開放するようなパターンである。可変入賞球装置15は、開放パターンに従って開閉制御される。なお、この実施の形態では、可変入賞球装置15は、始動入賞口14と兼用されている。
【0197】
図47は、図柄制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。なお、図柄制御用CPU101による図柄制御手段(表示制御手段)は、識別情報の制御を行う識別情報制御手段でもある。
【0198】
メイン処理では、まず、RAM領域をクリアする等の初期値設定処理が行われる(ステップS281)。その後、この実施の形態では、図柄制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS282)の確認を行うループ処理に移行する。そして、図48に示すように、タイマ割込が発生すると、図柄制御用CPU101は、タイマ割込フラグをセットする(ステップS287)。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、図柄制御用CPU101は、そのフラグをクリアするとともに(ステップS283)、表示制御プロセス処理を行う(ステップS285)。表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。
【0199】
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかるとする。すなわち、表示制御処理は、2ms毎に起動される。
【0200】
図49は、割込処理による表示制御コマンド受信処理を示すフローチャートである。主基板31からの表示制御INT信号は図柄制御用CPU101の割込端子に入力されている。よって、主基板31からのINT信号がオン状態になると、図柄制御用CPU101において割込がかかる。そして、図49に示す表示制御コマンドの受信処理が開始される。
【0201】
表示制御コマンドの受信処理において、図柄制御用CPU101は、まず、各レジスタをスタックに退避する(ステップS850)。次いで、表示制御コマンドデータの入力に割り当てられている入力ポートからデータを読み込む(ステップS851)。そして、2バイト構成の表示制御コマンドのうちの1バイト目であるか否か確認する(ステップS852)。1バイト目であるか否かは、受信したコマンドの先頭ビットが「1」であるか否かによって確認される。先頭ビットが「1」であるのは、2バイト構成である表示制御コマンドのうちのMODEバイト(1バイト目)のはずである(図23参照)。そこで、図柄制御用CPU101は、先頭ビットが「1」であれば、有効な1バイト目を受信したとして、受信したコマンドを受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタが示す確定コマンドバッファに格納する(ステップS853)。
【0202】
表示制御コマンドのうちの1バイト目でなければ、1バイト目を既に受信したか否か確認する(ステップS854)。既に受信したか否かは、受信バッファに有効なデータが設定されているか否かによって確認される。
【0203】
1バイト目を既に受信している場合には、受信した1バイトのうちの先頭ビットが「0」であるか否か確認する。そして、先頭ビットが「0」であれば、有効な2バイト目を受信したとして、受信したコマンドを、受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタ+1が示す確定コマンドバッファに格納する(ステップS855)。先頭ビットが「0」であるのは、2バイト構成である表示制御コマンドのうちのEXTバイト(2バイト目)のはずである(図23参照)。なお、ステップS854における確認結果が1バイト目を既に受信したである場合には、2バイト目として受信したデータのうちの先頭ビットが「0」でなければ処理を終了する。
【0204】
ステップS855において、2バイト目のコマンドデータを格納すると、コマンド受信個数カウンタに2を加算する(ステップS856)。そして、コマンド受信カウンタが12以上であるか否か確認し(ステップS857)、12以上であればコマンド受信個数カウンタをクリアする(ステップS858)。その後、退避されていたレジスタを復帰し(ステップS859)、割込許可に設定する(ステップS859)。
【0205】
この例では、2バイト構成の表示制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式の受信バッファが用いられる。従って、受信バッファは、バッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。
【0206】
表示制御コマンドは2バイト構成であって、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)とは、受信側で直ちに区別可能に構成されている。すなわち、先頭ビットによって、MODEとしてのデータを受信したのかEXTとしてのデータを受信したのかを、受信側において直ちに検出できる。よって、上述したように、適正なデータを受信したのか否かを容易に判定することができる。そして、適正でないデータは、受信バッファにおいて次の受信データで上書きされることによって消去される。
【0207】
図50は、図柄制御用CPU101が扱う表示用乱数を示す説明図である。図50に示すように、この実施の形態では、表示用乱数として、リーチ予告用乱数および大当り予告用乱数がある。リーチ予告用乱数はリーチ予告を行うか否か決定するためのものであり、大当り予告用乱数は大当り予告を行うか否か決定するためのものである。
【0208】
図51は、抽出されたリーチ予告用乱数とリーチ予告との関係(図51(A))、抽出された大当り予告用乱数と大当り予告との関係(図51(B))を示す説明図である。なお、大当りとするか否かは、変動時間を指定する表示制御コマンド(図25、図19参照)ともに送出された左右中図柄の停止図柄を示す表示制御コマンドにもとづいて判定される。
【0209】
また、リーチとすることを示す表示制御コマンドを受信した場合には、図柄制御用CPU101は、リーチ予告用乱数を抽出し、その値が0〜3のいずれかであればリーチ予告を行わないことに決定し、抽出値が4または5であればリーチ予告1の態様でリーチ予告を行うことに決定し、抽出値が6または7であればリーチ予告2の態様でリーチ予告を行うことに決定する。はずれとすることを示す表示制御コマンドを受信した場合には、図柄制御用CPU101は、リーチ予告用乱数の抽出値が7であったときにリーチ予告1の態様でリーチ予告を行うことに決定する。
【0210】
さらに、リーチとすることを示す表示制御コマンドを受信した場合には、図柄制御用CPU101は、大当り予告用乱数を抽出し、大当りとする場合には、その値が0であれば大当り予告を行わないことに決定し、抽出値が1であれば大当り予告1の態様で大当り予告を行うことに決定し、抽出値が2であれば大当り予告2の態様で大当り予告を行うことに決定する。また、大当りとしない場合には、大当り予告用乱数の抽出値が0または1であれば大当り予告を行わないことに決定し、抽出値が2であれば大当り予告1の態様で大当り予告を行うことに決定する。
【0211】
図52は、図47に示されたメイン処理における表示制御プロセス処理(ステップS285)を示すフローチャートである。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてステップS720〜S870のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0212】
表示制御コマンド受信待ち処理(ステップS720):コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な表示制御コマンドを受信したか否か確認する。具体的には、確定コマンドバッファに格納された受信コマンドが、変動時間を特定可能な表示制御コマンドであるか否か確認する。
【0213】
リーチ動作設定処理(ステップS750):リーチ時には、図38〜図40に示された変動パターンなどの複数の変動パターンのうちのいずれのパターンを使用するのかを決定する。また、リーチ予告および大当り予告を行うか否か決定するとともに、予告を行うことに決定した場合には予告の種類を決定する。
【0214】
全図柄変動開始処理(ステップS780):左右中図柄の変動が開始されるように制御する。
【0215】
図柄変動中処理(ステップS810):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度や背景、キャラクタ)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。
【0216】
全図柄停止待ち設定処理(ステップS840):変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信していたら、図柄の変動を停止し最終停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。
【0217】
大当り表示処理(ステップS870):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。
【0218】
図53は、表示制御コマンド受信待ち処理(ステップS720)を示すフローチャートである。表示制御コマンド受信待ち処理において、図柄制御用CPU101は、まず、コマンド無受信タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS721)。コマンド無受信タイマは、所定期間以上主基板31から図柄の変動を示す表示制御コマンドを受信しなかったときにタイムアウトとする。タイムアウトした場合には、図柄制御用CPU101は、可変表示部9にデモンストレーション画面を表示する制御を行う(ステップS722)。
【0219】
コマンド無受信タイマがタイムアウトしていなければ、図柄制御用CPU101は、変動時間を特定可能な表示制御コマンドを受信したか否か確認する(ステップS723)。この実施の形態では、変動時間を特定可能な表示制御コマンドは、図25に示されたコマンド(変動パターン指定#1〜変動パターン指定#68)のいずれかである。変動時間を特定可能な表示制御コマンドを受信した場合には、表示制御プロセスフラグの値をリーチ動作設定処理(ステップS750)に対応した値に変更する(ステップS724)。
【0220】
特別図柄を変動させるときに、主基板31から図柄制御基板80に最初に送信される表示制御コマンドは、変動時間を示すコマンドと左右中図柄の停止図柄を指定するコマンドである。それらは、確定コマンドバッファに格納されている。なお、以下、変動時間を示すコマンドとともに送られてきた停止図柄を、仮停止図柄と呼ぶ。
【0221】
図54は、リーチ動作設定処理(ステップS750)を示すフローチャートである。リーチ動作設定処理において、図柄制御用CPU101は、まず、リーチ予告を行うか否か決定する(ステップS751)。次いで、変動時間を特定可能な表示制御コマンドから、リーチにもならないはずれか否か判断する(ステップS752)。
【0222】
はずれであるならば、左右の仮停止図柄が異なっているものであるか否か確認する(ステップS753)。一致していた場合には、右仮停止図柄を1図柄ずらしたものとする(ステップS754)。そして、左右中の仮停止図柄を所定の記憶エリアに格納する(ステップS755)。また、監視タイマに7.9秒を設定する(ステップS756)。7.9秒は、はずれ時の変動時間7.8秒に対して余裕を持たせた値であり、監視タイマがタイムアウトする前に全図柄停止を指定するコマンドを受信できなかったときには所定の処理が行われる。
【0223】
ステップS752において、はずれでなかったら、左右の仮停止図柄が同一か否か確認する(ステップS757)。異なっていた場合には、右仮停止図柄を左仮停止図柄と同じものにする(ステップS758)。そして、左右中の仮停止図柄を所定の記憶エリアに格納する(ステップS759)。また、図柄制御用CPU101は、表示制御コマンドに応じた変動時間に0.1秒を加算した値を監視タイマに設定する(ステップS760)。そして、大当り予告を行うか否か決定する(ステップS762)。
【0224】
以上のように、この実施の形態では、図柄制御用CPU101は、可変表示を開始させる際に主基板31から送出された変動パターンと受信した左右中仮停止図柄とが矛盾しているときには仮停止図柄を補正する。従って、何らかの原因で左右中仮停止図柄に誤りが生じたとしてもその誤りは是正される。誤りとは、例えば、主基板31から図柄制御基板80に至るケーブルにノイズが乗ってコマンドにビット誤りが生じたような場合である。この結果、遊技制御手段が決定したはずれ/リーチと矛盾するような確定図柄の表示がなされることが防止される。
【0225】
さらに、再変動ありの場合となしの場合とで変動時間を異ならせ、再変動を行う変動パターンでは確変図柄で確定するように構成した場合に、主基板31から受信したコマンドが再変動ありを指示し、主基板31から受信した停止図柄が確変図柄でなかったときには、図柄制御用CPU101が確変図柄に補正するようにしてもよい。例えば、主基板31から停止図柄として「七」、「六」、「七」を示すコマンドを受信した場合に、「七」、「七」、「七」に補正する。
【0226】
そして、図柄制御用CPU101は、選択された変動パターンに応じたプロセステーブルを使用することを決定する(ステップS763)。各プロセステーブルには、その変動パターン中の各変動状態(変動速度やその速度での変動期間等)が設定されている。また、各プロセステーブルはROMに設定されている。そして、図柄制御用CPU101は、表示制御プロセスフラグの値を全図柄変動開始処理(ステップS780)に対応した値に変更する(ステップS764)。
【0227】
図55は、ステップS751のリーチ予告決定処理を示すフローチャートである。リーチ予告決定処理において、図柄制御用CPU101は、まず、リーチ予告用乱数を抽出する(ステップS751a)。そして、リーチとするのかはずれとするのかを確認する(ステップS751b)。確認は、主基板31から受信した停止図柄を示す表示制御コマンドを用いて行われる。はずれとする場合には、図51(A)の右側に示されたテーブルを用いて、リーチ予告を行うか否か決定し、予告を行う場合には予告の態様を決定する(ステップS751c)。また、リーチとする場合には、図51(B)の左側に示されたテーブルを用いて、リーチ予告を行うか否か決定し、予告を行う場合には予告の態様を決定する(ステップS751d)。
【0228】
そして、リーチ予告を行うことに決定した場合には、リーチ予告開始時間決定用タイマをスタートする(ステップS751e)。なお、リーチ予告開始時間決定用タイマは、図柄の変動開始からリーチ予告発生までの時間を決定するタイマである。
【0229】
図56は、ステップS762の大当り予告決定処理を示すフローチャートである。大当り予告決定処理において、図柄制御用CPU101は、まず、大当り予告用乱数を抽出する(ステップS762a)。そして、大当りとするか否かを確認する(ステップS762b)。確認は、主基板31から受信した左右中停止図柄を示す表示制御コマンドを用いて行われる。大当りとしない場合には、図51(B)の右側に示されたテーブルを用いて、大当り予告を行うか否か決定し、予告を行う場合には予告の態様を決定する(ステップS762c)。また、大当りとする場合には、図51(B)の左側に示されたテーブルを用いて、大当り予告を行うか否か決定し、予告を行う場合には予告の態様を決定する(ステップS762d)。
【0230】
そして、大当り予告を行うことに決定した場合には、大当り予告開始時間決定用タイマをスタートする(ステップS762e)。大当り予告開始時間決定用タイマは、図柄の変動開始から大当り予告1の態様を表示開始するまでの時間を決定するタイマである。
【0231】
図57は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。それぞれの変動パターンに対応した各プロセステーブルには、時系列的に、変動速度やその速度での変動期間、背景やキャラクタの切替タイミング等が設定されている。また、ある速度での変動期間を決めるためのプロセスタイマ値も設定されている。また、各プロセステーブルは、複数の3バイト単位のプロセスデータで構成されている。
【0232】
例えば、図39に示された変動パターンに対応したプロセステーブルにおいて、最初のプロセスデータ(3バイト)には、左右中図柄を低速で変動させることと、次の表示状態切り替えタイミングまでの時間を示すプロセスタイマ値が設定されている。最初の変動はパターンaによる変動(加速)であって、まず、低速変動を開始すべきだからである。
【0233】
次に、左図柄を中速で変動させることと、次の表示状態切り替えタイミングまでの時間を示すプロセスタイマ値が設定されている。その次には、右図柄を中速で変動させることと、次の表示状態切り替えタイミングまでの時間を示すプロセスタイマ値が設定されている。さらに、中図柄を中速で変動させることと、次の表示状態切り替えタイミングまでの時間を示すプロセスタイマ値が設定されている。以降、表示状態をどのように切り替えるのかと、次の表示状態切り替えタイミングまでの時間を示すプロセスタイマ値とが順次設定されている。
【0234】
なお、表示状態切り替えタイミングとは、左右中図柄のいずれかの変動速度を切り替えるタイミングであるが、さらに、背景およびキャラクタの切り替えタイミングや図柄の差し替えをすべきタイミングも含まれる。
【0235】
よって、図柄制御用CPU101は、プロセスタイマのタイムアップによって何らかの表示状態を変更しなければならないことを知ることができる。そして、変更すべき表示状態は、プロセステーブルにおける次のプロセスデータの3バイト目の設定値から知ることができる。
【0236】
図58は、全図柄変動開始処理(ステップS780)を示すフローチャートである。全図柄変動開始処理において、図柄制御用CPU101は、使用することが決定されたプロセステーブルの最初に設定されているプロセスタイマ値でタイマをスタートさせる(ステップS781)。また、3バイト目に設定されている変動状態を示すデータにもとづいて図柄変動制御、背景およびキャラクタの表示制御を開始する(ステップS782)。そして、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理(ステップS810)に対応した値に変更する(ステップS783)。
【0237】
図59は、図柄変動中処理(ステップS810)を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、図柄制御用CPU101は、リーチ予告開始時間決定用タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS811)。タイムアウトしていたら、既に決定されているリーチ予告態様による表示が行われるようにVDP103を制御する(ステップS812)。また、大当り予告開始時間決定用タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS813)。タイムアウトしていたら、大当り予告1の態様による表示が行われるようにVDP103を制御する(ステップS814)。
【0238】
そして、大当り予告2による予告が行われることに決定していた場合には(ステップS815)、大当り予告2開始時間決定用タイマをスタートする(ステップS816)。この実施の形態では、大当り予告2は大当り予告1の発展形であるとしているので、大当り予告2による予告は、大当り予告1による予告がなされてから所定時間後(大当り予告2開始時間決定用タイマのタイムアウトまで)に行われる。
【0239】
また、図柄制御用CPU101は、大当り予告2開始時間決定用タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS817)。タイムアウトしていたら、大当り予告2の態様による表示が行われるようにVDP103を制御する(ステップS818)。
【0240】
次いで、図柄制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS819)。プロセスタイマがタイムアウトした場合には、プロセステーブル中のデータを示すポインタを+3する(ステップS820)。そして、ポインタが指す領域のデータが終了コードであるか否か確認する(ステップS821)。終了コードでなければ、ポインタが指すプロセスデータの3バイト目に設定されている変動状態を示すデータにもとづいて図柄変動制御、背景およびキャラクタの表示制御を変更するとともに(ステップS822)、1,2バイト目に設定されているプロセスタイマ値でタイマをスタートさせる(ステップS823)。
【0241】
ステップS821で、終了コードであれば、表示制御プロセスフラグの値を全図柄停止待ち処理(ステップS840)に対応した値に変更する(ステップS824)。
【0242】
図60は、全図柄停止待ち処理(ステップS840)を示すフローチャートである。全図柄停止待ち処理において、図柄制御用CPU101は、全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信しているか否か確認する(ステップS841)。全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信していれば、記憶されている仮停止図柄で図柄を停止させる制御を行う(ステップS842)。そして、次の表示制御コマンドの受信までの時間を監視するために、コマンド無受信タイマをスタートさせる(ステップS843)。
【0243】
全図柄停止を指定する表示制御コマンドを受信していない場合には、監視タイマがタイムアウトしているかどうか確認する(ステップS845)。タイムアウトした場合には、何らかの異常が発生したと判断して、可変表示部9にエラー画面を表示する制御を行う(ステップS846)。
【0244】
ステップS843の処理を行ったら、図柄制御用CPU101は、表示制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS870)に対応した値に設定する(ステップS844)。
【0245】
図61は、大当り表示処理(ステップS870)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、図柄制御用CPU101は、確変大当りか否か判定する(ステップS871)。図柄制御用CPU101は、例えば、確定図柄にもとづいて確変大当りか否かを判定することができる。確変大当りであれば、図柄制御用CPU101は、例えば、「確変大当り」を可変表示部9に表示させる表示制御を行う(ステップS872)。具体的には、「確変大当り」の表示指示をVDP103に通知する。すると、VDP103は、指示された表示の画像データを作成する。また、画像データを背景画像と合成する。確変大当りでなければ、図柄制御用CPU101は、例えば、「大当り」を可変表示部9に表示させる表示制御を行う(ステップS873)。
【0246】
その後、大当り表示処理では、主基板31から送信される大当り遊技状態における表示制御コマンドにもとづいて可変表示部9の表示制御を行う。例えば、ラウンド数の表示等が行われる。そして、主基板31から大当り遊技の終了を示す表示制御コマンドを受信すると(ステップS874)、表示制御プロセスフラグの値を表示制御コマンド受信待ち(ステップS720)に対応した値に設定する(ステップS844)
【0247】
以上説明したように、図柄制御手段は、遊技制御手段から受信した表示制御コマンドにもとづいて、識別情報の可変表示の態様の詳細(低速変動、中速変動、高速変動、コマ送り、およびそれらの切替時期)を決定するので、遊技制御手段は、変動態様の詳細を決定する処理を行わなくてよい。従って、遊技制御手段の図柄の可変表示制御に関する負荷が軽減される。
【0248】
また、図柄制御手段は、遊技制御手段から受信した表示制御コマンドにもとづいて、図柄の可変表示中に可変表示部9にキャラクタを表示させるか否かと、表示させる場合にはキャラクタの種類も決定する。従って、遊技制御手段は、表示キャラクタに関して何らの制御も行わなくてよいので、遊技制御手段の表示制御に要する負荷が軽減されている。
【0249】
また、図柄制御手段は、遊技制御手段から受信した表示制御コマンドにもとづいて、リーチ予告を行うか否かと、リーチ予告を行う場合にはいずれのリーチ予告態様を用いるのかとを決定する。従って、遊技制御手段は、リーチ予告に関して何らの制御も行わなくてよいので、遊技制御手段の表示制御に要する負荷が軽減されている。
【0250】
さらに、図柄制御手段は、遊技制御手段から受信した表示制御コマンドにもとづいて、大当り予告を行うか否かと、大当り予告を行う場合にはいずれの大当り予告態様を用いるのかとを決定する。従って、遊技制御手段は、大当り予告に関して何らの制御も行わなくてよいので、遊技制御手段の表示制御に要する負荷が軽減されている。
【0251】
また、可変表示の終了時に、遊技制御手段から指示された停止図柄で停止するように、所定のタイミングで図柄の差し替え制御を行う。よって、遊技制御手段は、図柄の変動に関わる制御負荷をさらに軽減することができる。また、図柄の再変動を行う可変表示パターンでは、再変動前に導出する図柄の種類を決定する。例えば、図40に示された可変表示パターンでは、変動パターンdの開始時に図柄の差し替えを行うことによって、変動パターンfの開始前に表示される図柄の種類を決定することができる。従って、遊技制御手段は、図柄の変動に関わる制御負荷をさらに軽減することができる。
【0252】
上記の実施の形態では、各変動パターンに応じて、用いられる背景およびキャラクタがあらかじめ決まっていた(図38〜図40参照)。従って、図柄制御用CPU101が、受信した表示制御コマンドに応じて変動パターン(リーチ種類)を決定するということは、表示される背景およびキャラクタを、それぞれ複数種類のうちから選択する処理も行われたことになる。しかし、背景およびキャラクタを変動パターンとは独立に決定するようにしてもよい。また、上記の実施の形態では、どの変動パターンにおいてもキャラクタが表示されたが、ある変動パターンではキャラクタを登場させなかったり、途中から登場させるようにしてもよい。
【0253】
なお、上記の実施の形態では、前述した揺れ動作状態と確定状態とを含めて停止状態と定義している。すなわち、その状態において表示されている図柄が次の図柄に変更されることのない場合には、それを停止状態と定義している。
【0254】
以上のように、この実施の形態では、特別図柄の変動時間を短縮するか否かの判断を、始動入賞記憶数や入賞したときからの期間にもとづいて行う構成としたことで、入賞したときから確定図柄が表示されるまでの時間が不当に短縮されることがなく、特定遊技状態とするか否かに関連する報知が行われない期間を最小限にすることができるとともに、より多くの価値付与の機会を遊技者に与えることができ、変動時間制御の適正化を図ることができる。
【0255】
また、上述したように、遊技状態などに応じて変動パターンを選択して変動時間を定める構成としたことで、変動時間を簡易に指定することができ、遊技制御手段の制御負担を軽減することができる。
【0256】
また、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機1は、始動入賞にもとづいて可変表示部9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。
【0257】
さらに、パチンコ遊技機に限られず、スロット機等においても、本発明を適用することができることは勿論である。
【0258】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、遊技機を、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、識別情報の可変表示を行うことが可能な表示装置と、表示装置を制御する表示制御手段とを備え、遊技制御手段は、表示装置の可変表示を開始させることが可能な始動条件の成立に応じて、識別情報の可変表示を行う可変表示時間を決定する可変表示時間決定手段を含み、可変表示時間決定手段は、始動条件の成立から始動条件の成立にもとづく可変表示の開始に関連する時期までの始動待機期間が所定の基準時間を超えているか否かを判定することにより、可変表示時間を短縮するか否かを決定可能であり、遊技制御手段は、表示制御手段に対して、識別情報の可変表示を開始するときに可変表示時間決定手段により決定された可変表示時間を特定可能な可変表示時間コマンドと表示装置に導出表示する表示結果を特定可能な表示結果コマンドとを出力し、その後に可変表示を制御するためのコマンドを出力せず、可変表示時間が終了したときに確定コマンドを出力し、表示制御手段は、可変表示時間コマンドが出力されたタイミングで可変表示を開始し、確定コマンドが出力されたタイミングで表示装置に表示結果コマンドで特定された表示結果を導出表示する制御を行うようにしたので、入賞したときから確定図柄が表示されるまでの時間が不当に短縮されることがなく、特定遊技状態とするか否かに関連する報知が行われない期間を最小限にすることができるとともに、より多くの価値付与の機会を遊技者に与えることができ、可変表示時間制御の適正化を図ることができる。また、可変表示時間を簡易に指定することができ、遊技制御手段の制御負担を軽減することができる。
【0259】
複数の始動条件の成立に対応して遊技状態の判定に用いる判定用情報がそれぞれ格納される複数の保留メモリを備え、各保留メモリに対応して始動待機期間を特定可能なタイマを有するとした場合には、各入賞記憶毎に変動開始タイマによる測定を行うことができる。
【0260】
可変表示時間決定手段が、タイマの内容と始動条件の成立数とにより可変表示時間を短縮するか否かの決定を行うことを特徴とする場合には、入賞したときから確定図柄が表示されるまでの時間が不当に短縮されることがなく、特定遊技状態とするか否かに関連する報知が行われない期間を最小限にすることができるとともに、より多くの価値付与の機会を遊技者に与えることができ、変動時間制御の適正化を図ることができる。
【0261】
遊技機は、遊技者が所定の遊技を行った結果が所定の態様となったことを条件として遊技者に有利な特定遊技状態に制御することが可能であるとともに、特定遊技状態とは異なり特定遊技状態となりやすい特別遊技状態に制御することが可能であって、可変表示時間決定手段は、特別遊技状態であるか、特別遊技状態でない状態であるかによって、異なる数の始動条件の成立数で可変表示時間を短縮する旨の判定を行うとした場合には、例えば入賞しやすい制御状態であるときなどの制御状態に応じて適切な変動時間制御を行うことができる。
【0262】
表示制御手段は、コマンドにより指定された可変表示時間内で行う制御内容を複数種類の中から選択実行可能であるとした場合には、同一の所定期間内であっても演出内容が豊富となる。
【0263】
表示制御手段は、予告に関わる選択を行うとした場合には、予告に関する豊富な演出が可能となる。
【0264】
識別情報の可変表示を行った後、表示結果が特定の識別情報となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となり、表示制御手段は、可変表示時間に従った時期に表示結果を導出するために可変表示中の識別情報を所定の識別情報に差替える制御を行うに際して、差替えられる所定の識別情報を選択するとした場合には、遊技制御手段の図柄についての制御負担を軽減することができる。
【0265】
表示制御手段は、可変表示における識別情報の更新速度が異なる可変表示パターンを選択可能であるとした場合には、遊技制御手段の図柄についての制御負担を軽減することができる。
【0266】
識別情報の再変動制御が可能であり、表示制御手段は、再変動の前に導出する識別情報の種類を選択するとした場合には、遊技制御手段の図柄についての制御負担を軽減することができる。
【0267】
遊技機への電源供給停止時においてもタイマの内容がバックアップ可能な構成とした場合には、電源復旧がされたあとに適正に時短制御をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】 パチンコ遊技機の裏面に設けられている各基板を示す説明図である。
【図3】 パチンコ遊技機の機構板を背面からみた背面図である。
【図4】 遊技制御基板(主基板)の回路構成を示すブロック図である。
【図5】 図柄制御基板内の回路構成を示すブロック図である。
【図6】 ランプ制御基板内の回路構成を示すブロック図である。
【図7】 主基板におけるCPUが実行するメイン処理の例を示すフローチャートである。
【図8】 遊技状態復旧処理を実行するか否かの決定方法の例を示す説明図である。
【図9】 初期化処理の例を示すフローチャートである。
【図10】 2msタイマ割込処理の例を示すフローチャートである。
【図11】 初期設定処理の例を示すフローチャートである。
【図12】 遊技制御処理の例を示すフローチャートである。
【図13】 各乱数を示す説明図である。
【図14】 特別図柄乱数値格納エリアの例を示す説明図である。
【図15】 打球が始動入賞口に入賞したことを判定する処理を示すフローチャートである。
【図16】 可変表示の停止図柄を決定する処理およびリーチ種類を決定する処理を示すフローチャートである。
【図17】 特別図柄乱数値格納エリアの格納値がシフトした状態の例を示す説明図である。
【図18】 大当り判定の処理を示すフローチャートである。
【図19】 各変動パターンと図柄の変動開始時から図柄確定時までの時間との対応を示す説明図である。
【図20】 変動短縮判定処理を示すフローチャートである。
【図21】 特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図22】 変動短縮タイマ減算処理を示すフローチャートである。
【図23】 制御コマンドのコマンド形態の一例を示す説明図である。
【図24】 制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【図25】 表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図26】 コマンド送信テーブルの一構成例を示す説明図である。
【図27】 コマンド制御処理の処理例を示すフローチャートである。
【図28】 コマンド送信ルーチンを示すフローチャートである。
【図29】 可変表示部に表示される左右中図柄の例を示す説明図である。
【図30】 可変表示部に表示される背景図柄の例を示す説明図である。
【図31】 可変表示部に表示されるキャラクタの例を示す説明図である。
【図32】 可変表示部に表示されるキャラクタの例を示す説明図である。
【図33】 左図柄の停止図柄の表示制御コマンドを示す説明図である。
【図34】 中図柄の停止図柄の表示制御コマンドを示す説明図である
【図35】 右図柄の停止図柄の表示制御コマンドを示す説明図である。
【図36】 図柄の各変動パターンを構成する変動状態を示す説明図である。
【図37】 リーチとしないはずれ時の図柄の変動の一例を示すタイミング図である。
【図38】 リーチ時の図柄の変動の一例を示すタイミング図である。
【図39】 リーチ時の図柄の変動の一例を示すタイミング図である。
【図40】 リーチ時の図柄の変動の一例を示すタイミング図である。
【図41】 特別図柄プロセス処理における全図柄変動開始待ちの処理を示すフローチャートである。
【図42】 特別図柄プロセス処理における全図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【図43】 特別図柄の変動時間の短縮に関する処理のタイミングを示す説明図である。
【図44】 通常確率状態における特別図柄の変動時間の短縮に関する処理のタイミングを示す説明図である。
【図45】 高確率状態における特別図柄の変動時間の短縮に関する処理のタイミングを示す説明図である。
【図46】 変動パターン68が選択された場合における特別図柄の変動時間の短縮に関する処理のタイミングを示す説明図である。
【図47】 表示制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図48】 タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図49】 コマンド受信割込処理を示すフローチャートである。
【図50】 表示用乱数を示す説明図である。
【図51】 表示用乱数とリーチ態様、リーチ予告態様および大当り予告態様との関係を示す説明図である。
【図52】 表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図53】 表示制御プロセス処理の表示制御コマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。
【図54】 表示制御プロセス処理のリーチ動作設定処理を示すフローチャートである。
【図55】 リーチ予告決定処理を示すフローチャートである。
【図56】 大当り予告決定処理を示すフローチャートである。
【図57】 表示制御プロセステーブルの構成例を示す説明図である。
【図58】 表示制御プロセス処理の全図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【図59】 表示制御プロセス処理の全図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図60】 表示制御プロセス処理の全図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【図61】 表示制御プロセス処理の大当り表示処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
31 主基板
80 図柄制御基板
56 CPU
101 図柄制御用CPU
Claims (10)
- 遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
識別情報の可変表示を行うことが可能な表示装置と、
該表示装置を制御する表示制御手段とを備え、
前記遊技制御手段は、
前記表示装置の可変表示を開始させることが可能な始動条件の成立に応じて、識別情報の可変表示を行う可変表示時間を決定する可変表示時間決定手段を含み、
該可変表示時間決定手段は、前記始動条件の成立から該始動条件の成立にもとづく可変表示の開始に関連する時期までの始動待機期間が所定の基準時間を超えているか否かを判定することにより、前記可変表示時間を短縮するか否かを決定可能であり、
前記遊技制御手段は、前記表示制御手段に対して、識別情報の可変表示を開始するときに前記可変表示時間決定手段により決定された可変表示時間を特定可能な可変表示時間コマンドと前記表示装置に導出表示する表示結果を特定可能な表示結果コマンドとを出力し、その後に可変表示を制御するためのコマンドを出力せず、前記可変表示時間が終了したときに確定コマンドを出力し、
前記表示制御手段は、前記可変表示時間コマンドが出力されたタイミングで可変表示を開始し、前記確定コマンドが出力されたタイミングで前記表示装置に前記表示結果コマンドで特定された表示結果を導出表示する制御を行う
ことを特徴とする遊技機。 - 複数の始動条件の成立に対応して遊技状態の判定に用いる判定用情報がそれぞれ格納される複数の保留メモリを備え、
各保留メモリに対応して始動待機期間を特定可能なタイマを有する
ことを特徴とする請求項1記載の遊技機。 - 可変表示時間決定手段は、タイマの内容と始動条件の成立数とにより可変表示時間を短縮するか否かの決定を行う
ことを特徴とする請求項2記載の遊技機。 - 遊技機は、遊技者が所定の遊技を行った結果が所定の態様となったことを条件として遊技者に有利な特定遊技状態に制御することが可能であるとともに、前記特定遊技状態とは異なり前記特定遊技状態となりやすい特別遊技状態に制御することが可能であって、
可変表示時間決定手段は、前記特別遊技状態であるか、特別遊技状態でない状態であるかによって、異なる数の始動条件の成立数で可変表示時間を短縮する旨の判定を行う
ことを特徴とする請求項3記載の遊技機。 - 表示制御手段は、コマンドにより指定された可変表示時間内で行う制御内容を複数種類の中から選択実行可能である
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4記載の遊技機。 - 表示制御手段は、予告に関わる選択を行う
ことを特徴とする請求項5記載の遊技機。 - 識別情報の可変表示を行った後、表示結果が特定の識別情報となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となり、表示制御手段は、可変表示時間に従った時期に表示結果を導出するために可変表示中の識別情報を所定の識別情報に差替える制御を行うに際して、差替えられる前記所定の識別情報を選択する
ことを特徴とする請求項5または請求項6記載の遊技機。 - 表示制御手段は、可変表示における識別情報の更新速度が異なる可変表示パターンを選択可能である
ことを特徴とする請求項7記載の遊技機。 - 識別情報の再変動制御が可能であり、
表示制御手段は、再変動の前に導出する識別情報の種類を選択する
ことを特徴とする請求項7または請求項8記載の遊技機。 - 遊技機への電源供給停止時においてもタイマの内容がバックアップ可能である
ことを特徴とする請求項2ないし請求項9記載の遊技機。
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