JP4623758B2 - プラスチック樹脂パイプ用の管継手 - Google Patents

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Description

本発明は、給水管、給湯管の可撓性プラスチック樹脂パイプを接続するための管継手に関するものである。
従来、給水、給湯管には鋳鉄管や鋼管が使用されていたが、近年、耐蝕性、耐震性、衛生面、作業性及びコスト面から、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、ポリブテン、エチレン.オクテン.コポリマーなどのプラスチック樹脂で成形されたパイプが、戸建住宅、共同住宅、産業ビルなどでの給水及び給湯用の配管、床暖房、ロードヒーティングの熱媒体用の配管として用いられるようになってきた。
そのため、プラスチック樹脂パイプの接続に有効な管継手として、従来例1及び2の継手が提案されている。
図11は、特許文献1として挙げた従来例1の管継手であり、(A)は接続前の状態の側断面図であり、(B)は接続状態の側断面図である。
即ち、従来例1(図11)の管継手は、継手本体110と、割りリング120と、袋ナット130とから成り、図11(A)に示す如く、継手本体110は、外周面にねじ面を備えた雄ねじ管部111からインナーコア部112を突設し、インナーコア部112の外周面には、プラスチック管の内周面を保持するための係止用刻み部113を、全長に亘って配置している。
また、プラスチック管の外周面に嵌める割りリング120には、縮径用の割れ部121を配置すると共に、内周面に突条部122を突設し、外側にテーパー面部t120を備えた外周面には、摩擦低減用に、フッ素樹脂の被膜層123を形成している。
また、袋ナット130には、前部内周面に、雄ねじ管部111の外周に螺合するための雌ねじ部131を配置し、後部内周面には、割りリングを縮径するためのテーパー面部t130を配置し、該テーパー面部t130にはフッ素樹脂の被膜層133を形成している。
そして、プラスチック管Pの継手本体110への接続に際しては、図11(A)に示す如く、プラスチック管Pの接続端部外周に、袋ナット130を嵌め、次いで割りリング120を嵌めて、図11(B)の如く、プラスチック管Pの接続部を、継手本体110のインナーコア部113の基端まで被覆嵌合して、プラスチック管先端をインナーコア部113の基端に当接し、次いで袋ナット130を継手本体110に螺合前進締着し、袋ナット130が割りリング120を、インナーコア部113の基端まで押し進めると共に、袋ナット130のテーパー面部t130が割りリング120を押圧縮径することにより、プラスチック管Pを、内周面に位置するインナーコア部112の刻み部113と、外周面に位置する割りリング120の突条部123とによって挟着保持するものである。
図12は、特許文献2として挙げた従来例2の説明図であって、(A)はプラスチック管の締着状態断面図であり、(B)は、(A)の要部拡大図である。
即ち、従来例2は、図12に示す如く、継手本体210の内周面凹部には、Oリング220と、補助リング230と、外周面には後方へ縮径するテーパー部t250を備えた縮径可能な押圧リング250、とを順次配置し、且つ、押圧リング250の前端の凹部には係止リング240を収納し、押圧リング250のテーパー部t250と整合するテーパー部t260を前端内周に備えたキャップ260を継手本体210に螺合するものである。
そして、管接続に際しては、プラスチック管Pの接続端部をキャップ内周面C260及び継手本体内周面に沿って嵌入し、キャップ260を継手本体210に螺入締着することにより、キャップ260のテーパー面t260と押圧リング250のテーパー面t250との協仂作用で押圧リング250を前進縮径させ、押圧リング250と係止リング240が、プラスチック管外周面を押圧止着すると共に、押圧リング250の前進による補助リング230の前進によってOリング220を押圧して、Oリング220の径方向変位によってプラスチック管外周面をシールし、且つ係止リング240と押圧リング250とで、プラスチック管Pの外周を圧接係止保持するものであり、プラスチック管Pを管継手に挿入してキャップ260を回動するだけで、プラスチック管Pがワンタッチで接続出来る管継手である。
特開平9−229258号公報 特開平11−141765号公報
従来例1(図11)の管継手は、割りリング120の縮径によって、割りリング内周面の突条部123がプラスチック管Pの外周面に食い込んで■み、インナーコア部112の外周の刻み部113との協仂作用で、プラスチック管Pの引き抜けを阻止するものであって、管継手の締着作用でのプラスチック管Pの共廻りは、割りリング外周面と、袋ナット内周のテーパー面とに付与した、フッ素系樹脂の被膜層123と133相互のすべりによって抑制出来るが、プラスチック管Pの挿入接合時には、袋ナット130及び割りリング120を個々に装着するので作業性に問題がある。
即ち、従来例1の管継手は、割りリング120を袋ナット130に収納して、継手本体110に袋ナット130を仮螺着した状態で現場に搬入し、現場では、
(a).継手本体110、割りリング120、袋ナット130に分解する。
(b).図11(A)の如く、プラスチック管Pに袋ナット130と割りリング120とを間隔を保って嵌合する。
(c).プラスチック管Pをインナーコア部112の基端まで被着する。
(d).割りリング120をインナーコア部112の基端まで移動する。
(e).袋ナット130を割りリング120上に被着して継手本体110に螺着する。
以上、(a)〜(e)の作業工程での接続作業となり、管の接続は煩雑で、時間を要する。
また、従来例1(図11)の管継手にあっては、袋ナット120を適正締着していても、ウォーターハンマー作用(液体圧力変動による振動作用)や、熱膨張の繰返し作用で、耐用中に弛みを生じて漏水やプラスチック管Pの抜脱を生ずる怖れがある。
また、漏水防止のために袋ナット130を過締着すれば、プラスチック管Pは、内周面がインナーコア部112の複数の刻み部113による過圧縮を受け、外周面が割りリング突条部122による過圧縮を受けて変形し、長期間経過するとクリープ変形(応力を付加しないのに時間と共に増加する変形)を生来し、止水性が低下する怖れがある。
また、プラスチック管Pの先端の接続部は、内周面に対するインナーコア部112の複数の刻み部113の食い込みと、外周面に対する割りリング120の突条部122の食い込みとによって変形して、漏水防止状態が維持されるため、プラスチック管の耐用中に塑性変形した接続部は、再度の管接続には利用出来ない。
また、従来例2(図12)の管継手にあっては、図12(A)の如く、継手本体210の内周面に、Oリング220、補助リング230、係止リング240及び押圧リング250を内包してキャップ挿入部261を継手本体210内に嵌入仮螺合した管継手に、プラスチック管Pを挿入してキャップ260を螺入締着するワンタッチ方式の管継手であるが、係止リング240は、押圧リング250内の凹部に姿勢制御されないで収納された状態であるため、縮径しない補助リング230と縮径する押圧リング250との間で、変位自在に縮径してプラスチック管Pに食い込み、微視的には、プラスチック管Pへの自在な食い込み作用を奏し、係止リング240は、プラスチック管Pに対して、不安定な食い込み、及び不安定な係止作用を奏し、プラスチック管への強固、且つ不変の係止は期待出来ない。
また、可撓性のプラスチック管Pは巻物で現場に搬入されるため、巻癖が付いており、管継手への挿入用接続部の管断面は、楕円形に変形している。
そのため、プラスチック管接続部を、無造作にキャップ内径部C260に嵌入すれば、内径方向に露出しているOリング220に管先端が衝突して、継手本体210の内周の溝に嵌合しているOリング220に、内周方向に引出す作用を付与し、Oリング220を、嵌入溝から脱落させたり、切断したり、変形させたりし、プラスチック管Pを接続した管継手は、Oリング220が所期のシール性を発揮出来ない怖れがあり、係止リング240の制御不能で不確実な係止作用と相俟って、漏水を生じたり、係止の弛みによるプラスチック管の抜脱の怖れがある。
そして、管継手に漏水やパイプ係止弛みが生ずれば、キャップ260を取外し、プラスチック管Pを抜去して、押圧リング250、係止リング240、補助リング230、Oリング220を一旦取外した後、再度管継手を再セットし、プラスチック管を挿入することとなる。
従って、巻癖の付いたプラスチック管Pの接続作業は、注意力を要する困難な作業となり、作業性が悪い。
また、例え、プラスチック管PがOリング220を損傷せずに管継手内に挿入出来ても、キャップ締着作業は、キャップ内径部C260がプラスチック管P外周面に接触して回転すること、及び最終締付けが押圧リング250に回動押圧力を付与することにより、プラスチック管Pは、押圧リング250と共廻りして部分捩れを発生し、プラスチック管Pに座屈、又は応力歪を生じ、プラスチック管自体の耐久性を損なう問題がある。
そして、プラスチック管Pが共廻り捩れで締着していれば、プラスチック管Pの捩れからの回復応力がキャップ260に緩め応力として作用し、耐用中のウォーターハンマー作用、及び熱による膨張収縮作用の繰返しと相俟って、締着力の緩みによる漏水、及びプラスチック管の抜脱の怖れがある。
本発明は、これら従来例1,2の問題を解決又は改善した画期的な、ワンタッチ接続タイプのプラスチック管継手を提供するものである。
本発明は、例えば図1に示す如く、端部にインナーコア部1Tを備えた管状の継手本体1Aにキャップ5を冠着し、可撓性のプラスチック樹脂パイプ13をキャップ5を介してインナーコア部1T上に被覆挿入し、キャップ5の回動によってプラスチック樹脂パイプ13を継手本体1Aに接続する管継手1であって、継手本体1Aは、外周面にねじ面1Sを備えたキャップ締着用の大径の突起部1Pと、突起部1Pの外面から、段差部dhを介して、外周にOリング6を嵌着した、小径のインナーコア部1Tを突出し、キャップ5は、後端にプラスチック樹脂パイプ13挿通孔H5を備えて、後部内面には前方に拡径するテーパー面t5を、前部内面には継手本体1Aの突起部1Pに螺着するねじ面5Sを備え、インナーコア部1Tの外周には、パイプ挿入用の隙間dgを保って、後側に縮径用の補助リング10を、前側に縮径用の固定リング8を配置し、補助リング10は、後端外周に、キャップ内面のテーパー面t5と整合するテーパー面t10を、前部には縮径する係止リング9を内方突出形態で嵌着し、固定リング8は、外周面に前方へ緩傾斜縮径するテーパー面t8を備え、固定リング8の外側には、内周面が前方へ緩傾斜縮径するテーパー面t7を備えたテーパーリング7を配置した、プラスチック樹脂パイプ用の管継手1である。
この場合、管継手1を構成する各部材の材質は問わないが、典型的には、慣用の管継手と同様の砲金製が耐衝撃性から好ましく、継手本体1A、キャップ5、テーパーリング7、固定リング8は砲金製の、係止リング9はステンレス製の、補助リング10はポリフェニレンオキサイド樹脂(商品名:ノリル樹脂)製の、おのおの成形品である。
また、継手本体1Aのインナーコア部(ソケット部)1Tの外周面1cと、固定リング8及び補助リング10の内周面との隙間dgは、プラスチック樹脂パイプ13が嵌入出来る寸法であれば良く、隙間dgの形成は、管継手の製作面、及び適用するプラスチック樹脂パイプから選択決定すれば良い。
また、管継手1を適用するプラスチック樹脂パイプ13は、典型的には、リサイクルが可能で、可撓性に優れるエチレン.オクテン.コポリマー(PE−RT)樹脂製である。
また、Oリング6は、典型的には、耐磨耗性、耐熱性に優れた、JISB2401のニトリルゴムの、太さ1.9mm、断面円形リングであり、適用するプラスチック樹脂パイプ13の許容誤差に対応出来る形態に配置すれば良く、JIS規格の呼び径13mmの外径R13が17mm、内径R13´が13mmのプラスチック樹脂パイプ13では、許容誤差が±0.15mmであるため、太さ1.9mmのOリング6は、外径R1が12.8mmのインナーコア部1Tの外周面1cら0.5mm突出形態とすれば、プラスチック樹脂パイプ内周面13dとOリング6とは、Oリング6が押圧されて係止溝1G内に着座する。
そして、Oリング6は、プラスチック樹脂パイプ13の許容誤差にも十分なシール性を発揮するため、典型的には、固定リング8の押圧域内に2本、間隔配置する。
また、パイプ形状のテーパーリング7と固定リング8とは、大径のテーパーリング7内に中径の固定リング8を内挿して、テーパーリング7の前面(先端)7Fが継手本体1Aの段差部dhに当接支持された状態で、固定リング8をテーパーリング7内で前進縮径させるものであって、テーパーリング7の内周面7d及び固定リング8の外周面8cは、互いに、緩傾斜(標準:3°)で整合させているため、継手本体1Aへのキャップ5の螺着は、工具を使用せずとも、人手による軽い力で締め付けても、テーパーリング7内を固定リング8が内方(前方)に摺動して、プラスチック樹脂パイプ13の外周面13cを傷めずに、平滑作用で全周面把持する。
また、補助リング10は、プラスチック樹脂パイプ13の表面に食い込む係止リング9を嵌着した状態で、キャップ5の螺合前進によって固定リング8に圧接出来れば良く、典型的には、補助リング10は、図1(B)に示す如く、固定リング8の挿通孔H8(標準:17.2mm)より大径(標準:17.5mm)の挿通孔H10を備え、外周後部にはキャップ5のテーパー面t5に整合するテーパー面t10を、前面には係止リング9を着座させる切欠C10及び係止リング9の姿勢保持用のテーパー面t10´を、固定リング8の後端のテーパー面t8´と整合形態で備えたものである。
また、係止リング9は、プラスチック樹脂パイプ13の挿通を許容し、保持体としての補助リング10の縮径によって、共に縮径して、係止リング9の先端縁e9がプラスチック樹脂パイプ13の外周面13cに食い込んで、パイプ13の抜脱阻止機能を発揮すれば良く、典型的には、図8に示す如く、1枚のC字状ステンレス鋼板である。
そして、係止リング9の補助リング内周面10dからの、先端縁e9の内方への径方向突出は、補助リング10の縮径前の自由状態では、プラスチック樹脂パイプ13の挿通を許容し、補助リング10が固定リング8と密着した状態では、係止リング9の先端縁e9がプラスチック樹脂パイプ13の外周面13cに食い込み作用を奏するために、補助リング10の内周面10dから内方に、0.12〜0.18mmの微突出(標準:0.15mm)させれば良い。
そして、係止リング9の内方への突出は、材質面、嵌着性等の面から決定すれば良いが、典型的には、図1(B)に示す如く、切欠C10は、係止リング9の嵌着用のテーパー面t10´を備えた断面三角形等であって、テーパー面t10´は、固定リング8の後面8Bのテーパー面t8´と同一の勾配(標準:45°)である。
従って、本発明の管継手1でのプラスチック樹脂パイプ13の接続作業は、図1の如く、キャップ5の後面5Bの挿通孔H5からプラスチック樹脂パイプ13を挿入し、パイプ13を、キャップ5に内包保持された係止リング9及び補助リング10と、インナーコア部1T外周面1cの隙間を経由して、インナーコア部1Tの外周面1cと固定リング8の内周面8dとの隙間dgの最奥の段差部dhまで挿入し、キャップ5を手動で回転するだけで、キャップ5が継手本体1の突起部1P上を螺合前進し、同時に補助リング10がキャップ5に押圧されて、固定リング8後面に係止リング9を挟着した形態で前進する。
そして、前面7Fが、インナーコア部1Tの基端の段差部dhに衝突して前方への移動の阻止されたテーパーリング7の内周面7dを固定リング8が摺動前進し、同時に、補助リング10及び係止リング9はキャップ5の後部内面のテーパー面t5の作用で、固定リング8はテーパーリング7の内周面のテーパー面t7で、共に縮径する。
そのため、パイプ13は、内周面13dがインナーコア部外周のOリング6に圧接されると共に、外周面13cが係止リング9の食い込み作用を受け、パイプ13は、手作業での締着によって、継手本体1Aのインナーコア部1Tに水密状態で係止把持出来、ワンタッチ方式でプラスチック樹脂パイプ13の管継手への接続締着が実施出来る。
また、インナーコア部1Tの存在により、巻癖の付いたプラスチック樹脂パイプ13であっても、管継手内への挿入は真円形態での案内挿入となり、例えパイプ先端がOリング6の突出表面に衝突しても、パイプ13の先端は、Oリング6に対して、Oリング6を弾性拡径して係止溝1G内から引出す程の応力を付与すること無く、Oリング6上をスムーズに摺動して、Oリング6に対する変形、損傷は生じない。
そして、キャップ5の締着初期段階では、固定リング8及び係止リング9を備えた補助リング10は、キャップ5の回動によってパイプ13外周面13cに対するすべり回動で前進し、パイプ13に捩れを生ずること無く進む。
そして、固定リング8に係止リング9を介して補助リング10が密接押圧し、テーパーリング7が固定リング8の縮径を開始し、パイプ13の外周面13cに押圧摩擦を漸増させる段階からは、固定リング8の内周面8dとパイプ13の外周面13cとの摩擦力の増大、及び補助リング10と固定リング8とで挟着した係止リング9のパイプ外周面13cへの押圧食い込み作用が、キャップ5の補助リング10への伝達回転力よりも大となり、プラスチック樹脂パイプ13の継手本体1Aへの押圧締着段階では、もはや、パイプ13にはキャップ5による共廻りは生じることはない。
従って、本発明の管継手は、プラスチック樹脂パイプ13の継手との接続は、従来例2(図12)の管継手同様に、ワンタッチ操作でありながら、プラスチック樹脂パイプ13に、共廻りによる座屈、又は捩れを生ずることなく、且つ、Oリング6に対する変位や損傷も生ずることなく、確実な水密接続が達成出来、ウォーターハンマー(流体圧力変動)作用や、熱膨張の繰返し作用にも対抗出来る、確実なパイプ13の接続保持を保証する。
また、本発明の管継手にあっては、補助リング10は、図9(B)に示す如く、前面10Fに、内方へ縮径するテーパー面t10´を備えた切欠C10を有し、切欠C10に係止リング9を弾撥力で嵌着し、係止リング9の先端縁e9がプラスチック樹脂パイプ13の外周面13cに傾斜押圧するのが好ましい。
この場合、弾性板材の係止リング9は、典型的には、図8に示す如く、縮径用の切開間隔9Gを備えた断面皿状のステンレス鋼板片である。
また、補助リング10のテーパー面t10´は、係止リング9の弾性縮径による装着性、及び係止リング先端縁e9のパイプ外周面13cへの作用角度から選定すれば良く、典型的には45°傾斜面である。
従って、管継手1の組立て及び分解に際し、小片の係止リング9の補助リング10への装着は、係止リング9を手で弾性縮径して補助リング10の切欠C10に嵌合するだけで、係止リング9は、図9(B)に示す如く、切欠C10に対し、基端縁b9が最奥部に着座し、先端縁e9が斜向突出した、脱落しない状態に保持出来、管継手の組立てが容易である。
しかも、係止リング9は、補助リング10のテーパー面t10´に当接して補助リング10と一体となって縮径するため、係止リング先端縁e9のプラスチック樹脂パイプ13の外周面13cへの押圧作用は、姿勢の制御された作用となり、設計値どおりの係止作用を奏する。
また、本発明の管継手1にあって、固定リング8は、図5に示す如く、後端外周には、切欠C8を介してテーパーリング後面7Bと隙間gpを形成するための突起8Pを、後端内周には、補助リング10のテーパー面t10´と整合するテーパー面t8´を備えているのが好ましい。
この場合、突起8Pは、管継手の締着時に、テーパーリング7の後面7Bとの間に、ドライバー刃先の挿入を許容する隙間gpを保持するためであり、切欠C8は、管継手の締着時に、補助リング10の前面10Fとの当接を回避するためであり、典型的には、突起8Pは、図9(A)に示す如く、固定リング後面8Bから0.5mm幅の水平面gfを保って突起幅が1.2mmのリブである。
そして、テーパーリング7と固定リング8との関係構造は、管継手1の締着時には、突起8Pとテーパーリング後面7Bとの間に隙間gp(標準:0.8mm)が形成出来る構造としておけば良い。
従って、管継手1の締着時、即ち、テーパーリング7の前面7Fが継手本体1Aの段差部dhに衝突し、且つ固定リング8が、テーパーリング7の内周面からの押圧作用で縮径して、プラスチック樹脂パイプ外周面13cを押圧締着した時には、固定リング8とテーパーリング7とは、緩傾斜(標準:3°)のテーパー面t7とt8とが密着しているため、例えキャップ5を取外しても、固定リング8のテーパーリング7からの抜脱は困難であるが、固定リング8の突起8Pとテーパーリング7の後面7Bとの隙間gpに、ドライバー等の挿入により、固定リング8のテーパーリング7からの抜去は容易となる。
また、管継手の締着作用時にも、固定リング後端の切欠C8によって補助リング10の前面10Fと固定リング8の後面8Bとの当接は回避出来るため、キャップ5の螺合前進による補助リング10の固定リング8への当接押圧は、係止リング9を介在した作用となり、係止リング9は、補助リングテーパー面t10´と、固定リングテーパー面t8´との、整合テーパー面(標準45°)で強固に挟着される。
そのため、本発明の管継手は、パイプ外周面13cへの、係止リング9の姿勢制御された作用下での、先端縁e9の食い込みと、パイプ外周面13cへの、固定リング8の広面積の密接圧着によって、パイプ13の確実な水密接合を保証し、且つ、管継手の分解時には、テーパーリング後面7Bと固定リング8の突起8Pとの間に隙間gpが存在するため、締着作用状態の、固定リング8のテーパーリング7からの取外しも容易な管継手となる。
また、本発明の管継手1にあって、インナーコア部1Tは、図1(A)に示す如く、複数本のOリング6を、各広幅の嵌入溝1G内から頂面突出形態で間隔配置し、固定リング8がOリング6の配置域を被覆し、プラスチック樹脂パイプ13を締着するのが好ましい。
この場合、係止溝1Gの広幅の意は、図1(A)に示す如く、Oリング6の直径より大の意であり、典型的には、長さ23mmのインナーコア部1Tの先端eTから9.5mm位置に、深さ1.4mmで2.5mm幅の嵌入溝1Gを、更に、6mmの中心間距離Laを保って同形状の係止溝1Gを計2本配置し、太さW6が1.9mmのOリング6を嵌着する。
従って、各係止溝1Gから頂面が若干(標準:0.5mm)突出した各Oリング6は、パイプ13の締着時に、固定リング8の内周面8dでのパイプ13を介した押圧作用を受けて、係止溝1G内で断面楕円形態となってシール機能を発揮し、複数本(標準:2本)の間隔(標準:6mm)で配置した各Oリング6間で、パイプ内周面13dとインナーコア部1T外周面1c間の界面に面シール機能を保証し、固定リング8の内周面8dによるパイプ外周面13cに対する広域全周面圧接と相俟って、管継手の確実な水密締着を保証する。
また、本発明の管継手1は、キャップ5の外周前部は、図3に示す如く、角ナット5N形態であり、継手本体1Aは突出部1Pに隣接する基部1Kの外周に対向平坦面1fを備え、キャップ5締着状態で、キャップ5の角ナット5N外周と、継手本体の平坦面1fとに、弾撥性板材から成る回り止め金具11を弾性嵌着し、キャップ5と継手本体1Aとの関係回動を抑制するのが好ましい。
この場合、回り止め金具11は、キャップ5と継手本体1Aとの関係回動を阻止するものであれば良く、例えば図10(D)に示す如く、板金折曲材で、冠着当接部11Uから継手本体1Aへの水平圧接片11Mを一体的に突設した金具11を、締着状態の管継手に弾撥力で嵌着すれば良い。
従って、プラスチック樹脂パイプ13を、接続締着した状態の管継手1に、回り止め金具11を弾性装着すれば、管継手の耐用中のナット5Nの継手本体1Aに対する関係回動が阻止出来、ウォーターハンマー作用等でキャップ5に対する回動緩み作用が抑制出来る。
本発明の管継手は、継手本体1Aの端部にキャップ5を仮螺着した状態で、キャップ5の後面の挿通孔H5から、プラスチック樹脂パイプ13をインナーコア部1Tの外周に沿って、固定リング8の内面隙間dgに挿入し、キャップ5を継手本体1Aに、手動で回動して螺合締着するだけで、プラスチック樹脂パイプ13は、外周面13cが、テーパーリング7で縮径する固定リング8の内周面8dと、キャップ5で縮径する補助リング10、及び補助リング10から内方突出した係止リング9との押圧係止作用を受け、内周面13dがインナーコア部1T外周面1cへの面圧接の下にOリング6とで強固なシール作用を受けるため、流水管としての継手本体1Aに対する、プラスチック樹脂パイプ13の水密的、且つパイプ引抜けの怖れも無い、強固な接続を達成する。
そして、プラスチック樹脂パイプ13は、巻癖の付いた状態、即ち、湾曲癖や楕円変形癖の付いた状態であっても、管継手内への挿入は、インナーコア部1Tへの被覆嵌入であるため、可撓性のパイプ13は、断面真円形態に修正されながら挿入され、インナーコア部1Tの外周面1cに配置したOリング6上を平滑に通過して、Oリング6が抜脱や損傷を受けることがない。
そのため、本発明の管継手は、例え変形癖の付いた、プラスチック樹脂パイプ13であっても、固定リング8及び補助リング10での外周面13cへの押圧作用、及びOリング6による内周面13dへのシール作用が、設計どおりに達成出来る。
また、キャップ5の継手本体1Aへの回転螺合前進作用は、補助リング10から固定リング8へと、回転力を伴なった押圧前進作用を付与するが、キャップ5が前進して、補助リング10の縮径と固定リング8のテーパーリング7による縮径とで、プラスチック樹脂パイプ13の外周面13cが補助リング10の内周面10d、及び固定リング8の内周面8dで押圧作用を受け始めれば、補助リング10から内方へ突出した係止リング9、及び固定リング8の内周面8dがパイプ外周面13cに対して、摩擦力の増大を発生させる。
そして、以後のキャップ5の回動締着作用での、キャップ5のテーパー面t5から補助リング10のテーパー面t10への回転押進力は、補助リング10及び固定リング8のパイプ13との摩擦力によって、補助リング10及び固定リング8は、回転作用を受けないで押進縮径作用のみを受ける。
そのため、本発明の管継手1によるプラスチック樹脂パイプ13の接続締着は、プラスチック樹脂パイプ13がキャップ5の締着時の回転作用による捩れを生ずることなく、即ちパイプ13は共廻りを生ずることなく達成出来、管継手1は、従来例2(図12)の如きパイプ13の捩れ回復作用に起因するキャップ5の緩み回動が抑制出来た、強固な接続締着を達成する。
本発明のソケット型管継手の説明図であって、(A)は縦断側面図、(B)は(A)のB部拡大図、(C)は(A)のC部拡大図である。 継手本体1Aの説明図であって、(A)は側面図、(B)は(A)の矢印B視図、(C)は縦断側面図、(D)は(C)のD−D線切断面図である。 キャップ5の説明図であって、(A)は側面図、(B)は(A)の矢印B視図、(C)は縦断側面図である。 補助リング10の説明図であって、(A)は側面図、(B)は(A)の矢印B視図、(C)は縦断側面図である。 固定リング8の説明図であって、(A)は側面図、(B)は(A)の矢印B視図、(C)は縦断側面図である。 テーパーリング7の説明図であって、(A)は側面図、(B)は(A)の矢印B視図、(C)は縦断側面図である。 Oリング6の説明図であって、(A)は側面図、(B)は正面図、(C)は縦断側面図である。 係止リング9の説明図であって、(A)は平面図、(B)は斜視図、(C)は(A)のC−C線断面図である。 本発明の要部拡大説明図であって、(A)は固定リング8の部分断面図、(B)は係止リング9を装着した補助リング10の部分断面図である。 回り止め金具の適用説明図であって、(A)は水栓ソケット管継手の締着状態の縦断側面図、(B)は水栓ソケット管継手に回り止め金具11を装着した状態の側面図、(C)は(B)の矢印C視図、(D)は水栓ソケット管継手に適用する回り止め金具11の斜視図である。 従来例1の説明図であって、(A)は接続前の状態の縦断側面図、(B)は接続状態の縦断側面図である。 従来例2の説明図であって、(A)は接続状態の縦断側面図、(B)は(A)の部分拡大図である。
本発明を、JIS規格の呼び径13Aで、外径が17mm、内径が13mmのプラスチック樹脂パイプ13に適用する、両側に管継手を備えたソケット型管継手1として、実施形態を説明する。
図1(A)は、ソケット型管継手1の使用状態の縦断面図であって、図1(A)に於いて、右側の管継手はパイプを接続した状態を、左側の管継手はパイプ挿入寸前の状態を示す図であり、図1(B)は、図1(A)のB部拡大図であり、図1(C)は、図1(A)のC部拡大図である。
ソケット型管継手1は、図1(A)に示す如く、挿通孔H1を備え、基部1Kから左右対称にインナーコア部1Tを延出した継手本体1Aの各インナーコア部1T外周に、前側に固定リング8とテーパーリング7とを、後側に係止リング9を備えた補助リング10を、パイプ挿入用の隙間dgを保って嵌合被覆して、キャップ5を継手本体1Aに螺合冠着するものである。
〔継手本体1A(図2)〕
図2は、ソケット型継手本体の説明図であって、(A)は側面図、(B)は(A)の矢印B視図、(C)は縦断側面図、(D)は(C)のD−D線断面図である。
継手本体1Aは、砲金製の一般肉厚が2.9mmのパイプ状鋳物成形品であり、構造は、図2に示す如く、全長L1が72mmで、内径7mmの挿通孔H1を備え、両側のインナーコア部1Tは、外径R1が12.8mmで長さ23mmであり、中央には、外径16mm、長さ10mmの基部1Kを、基部1Kとインナーコア部1Tとの間には、幅WPが8mmで直径R1´が25.5mmの円盤形態突起部1Pを備えたものである。
そして、突起部1Pの外周面には、キャップ螺合用のねじ面1Sを配置し、円筒状基部1Kの外周両側には、図1(D)に示す如く、回り止め金具の水平圧接片板を当接させるための、幅6mm、長さ8mmの平坦面1fを配置し、インナーコア部1Tは、基端部に突起部1Pの垂直面段差部dhをパイプ13の先端当接面として備え、幅2.5mm、深さ1.4mmのOリング6を嵌入するための係止溝1Gを、先端から9.5mmの位置と、中心間距離6mm(La)を保った内側に、もう1本の同形状係止溝1Gを配置したものである。
〔キャップ5(図3)〕
キャップ5は図1に示す如く、継手本体1Aに螺合嵌着するものであって、図3(A)はキャップ側面図、図3(B)は図3(A)の矢印B視正面図、図3(C)は縦断側面図である。
キャップ5は、継手本体1A同様に、砲金製であって、一般肉厚が2mmのパイプ形状の鋳物成形品であって、全長L5が27mm、外径R5が29.5mm、内径R5´が25.5mmで、後面5Bの蓋面は1mm厚である。
そして、前部の外周面には、図3(B)に示す如く、幅(W5)10mmに六角形状で、対面寸法がキャップ外径R5と同じ29.5mm、対角寸法h5が33.6mmのナット5Nを配置し、ナット5Nの対応内周面には、継手本体の突起部1Pと螺合するための、ねじ面5Sを、前面5Fから幅(W5)10mmに亘って配置し、後面5Bでは、蓋面に直系17.5mmのパイプ挿通孔H5を配置し、内周面後部に、45°のテーパー面t5を形成したものである。
〔Oリング6(図7)〕
Oリング6は、図1に示す如く、インナーコア部1Tの係止溝1G内に嵌着するものであって、図7(A)は側面図、図7(B)は正面図、図7(C)は縦断側面図である。
Oリング6は、耐摩耗性、耐熱性に優れたニトリルゴム(JISB2401)の断面太さW6が1.9mm、内径R6が9.8mmの断面円形リングを採用し、継手本体のインナーコア部1Tに配置した係止溝1G(幅:2.4mm、深さ:1.4mm)に配置して、インナーコア部1Tの外周面1cからOリング6の頂面が0.5mm突出させる。
〔テーパーリング7(図6)〕
図6はテーパーリング7の説明図であって、(A)は側面図、(B)は後面図、(C)は縦断側面図である。
テーパーリング7は、図1に示す如く、固定リング8の外周に嵌合して固定リング8に縮径作用を付与する円筒部材であって、継手本体1A同様に、砲金製の鋳物成形品であり、外径R7が23.8mm、前後方向長さ、即ち幅W7が13.5mmで、内周面は、前面7Fで内径R7´が18.7mmで後面7Bに向かって3°の緩勾配で、拡径するテーパー面t7の挿通孔H7を配置したものである。
〔固定リング8(図5、図9(A))〕
固定リング8は、図1に示す如く、テーパーリング7の内周に嵌入してパイプ13の外周面を押圧する同筒部材であって、図5は固定リング8の説明図であり、図5(A)は側面図、図5(B)は後面図、図5(C)は縦断側面図である。
固定リング8は、継手本体1A同様に、砲金製の鋳物成形品であって、全体形状は、図5(C)に示す如く、パイプ13挿通用の直径R8´が17.2mmのパイプ挿通孔H8を備え、前後方向長さ、即ち幅W8が15.3mmであり、外周面8cは、前面8Fの外径FRが19mm、後面8Bの外径BRが20.42mmと、勾配3°で後方に拡径するテーパー面t8を備えた円筒体であって、図5(B)に示す如く、縮径用の幅2.5mmのスリット8Gを備えたものである。
そして、図9(A)に示す如く、固定リング8の後面8Bでは、外周面8cに、0.5mmの水平面gfと高さd8が1.25mmの立上り面8mとで切欠C8を形成して、肉厚1.2mmの環状リブの突起8Pを突設して、突起8Pの外周径R8を、補助リング10の外径R10と同寸の23.6mmとし、内周面8dには、幅wtが1.4mmで後端へ勾配45°で拡径するテーパー面t8´を、補助リング10に嵌着した係止リング9の姿勢制御用に配置したものである。
〔係止リング9(図8)〕
係止リング9は図1に示す如く、補助リング10の前側の切欠C10内に弾性嵌着するものであり、図8は係止リング9の説明図であって、(A)は平面図、(B)は斜視図、(C)は(A)のC−C線断面図である。
係止リング9は、図8(B)に示す如く、幅W9が3.4mm、厚さ0.3mmの、C字形状のステンレス鋼板片であって、自由状態では、内径daが22mm、外径dbが28.8mmで、切開間隔9Gが20mmで、高さh9が2.3mmの断面裁頭円錐形状であって、図1(B)に示す如く、補助リング10の切欠C10に、弾性嵌着すれば、外周縁としての基端縁b9が切欠C10の最奥部に係止着座し、補助リング10の、幅2.2mmで45°勾配のテーパー面t10´から先端縁e9が、勾配1(45°)で0.21mm斜行突出して、補助リング内周面10dから径方向に0.15mm突出するものである。
〔補助リング10(図4、図9(B))〕
補助リング10は、図1に示す如く、前面に係止リング9を装着して固定リング8の後部に配置するものであり、図4は補助リングの説明図であって、(A)は側面図、(B)は(A)の矢印B視図、(C)は縦断側面図である。
補助リング10は、ポリフェニレンオキサイド樹脂(商品面:ノリル樹脂)製の成形品であって、全体形状は、図4に示す如く、中央には、プラスチック樹脂パイプ13を挿通するための、直径R10´が17.5mmの挿通孔H10を備え、前後方向幅W10が3mm、外径R10が23.6mmで、縮径用の小幅(標準:2.5mm)のスリット10Gを備え、前面10Fには同心円状の切欠C10を、後面10B外周コーナーには、キャップ5内周後部のテーパー面t5と協仂作用するためのテーパー面t10を備えたものである。
そして、図9(B)に示す如く、切欠C10は、勾配45°の、係止リング9着座用のテーパー面t10´と上面の水平面10fとで、且つ切欠C10の先端垂直辺10mが補助リング10の前面10Fから小寸(標準:0.4mm)入り込んだ形態であり、ステンレス鋼板製の係止リング9を切欠C10に弾性嵌着すれば、係止リング先端縁e9は、図9(B)に示す如く、補助リング10の前面10Fから45°傾斜で0.21mm突出し、且つ補助リング10の内周面10dからは、内径方向に0.15mm突出する関係寸法である。
〔管継手の使用〕
管継手1は、工場内で、図1(A)の左半に示す如く、外径R1が12.8mmのインナーコア部1Tの外周面1cに配置した2本の係止溝1Gに、各Oリング6を外周面1cから0.5mm突出形態で嵌着し、次いで、インナーコア部1Tの外周面1c上には、外側のテーパーリング7と内側の固定リング8とを重ねた状態で嵌め、次いで、係止リング9を切欠C10に嵌着した補助リング10を、固定リング8の外側から嵌め、最後に、キャップ5をインナーコア部1Tの外端から被冠して、キャップ前端を継手本体1Aの突起部1Pに螺合仮固定しておく。
この場合、キャップ5が補助リング10を押圧して、補助リング前面10Fが固定リング後面8Bに接触して固定リング8を前進させた状態にキャップ5を螺合しておけば、補助リング10は、後端のテーパー面t10がキャップ内面のテーパー面t5での押圧作用により、インナーコア部1Tに対する同心円配置となって、固定リング8もテーパーリング7と共に、補助リング10の同心円配置作用に追従してインナーコア部1Tの外周面1cの外側に、外径が17mm、内径が13mmで肉厚2mmのパイプ13挿入用の隙間dg(標準:2.2mm)が形成出来る。
次いで、プラスチック樹脂パイプ13を、仮螺着したキャップ5の後面の挿通孔H5から補助リング10内周面10dとインナーコア部1Tの外周面1cとの間の隙間dgに挿入すれば、補助リング10に嵌着した係止リング9の内方への斜行突出した先端縁e9のガイド作用と相俟って、パイプ13は、先端が継手本体1Aの段差部dhに当接した形態に挿入出来る。
次いで、図1(A)の右半に示す如く、キャップ5を手動で固く感じるまで回動すれば、角ナット5Nでの螺合前進が、キャップ後面のテーパー面t10による補助リング10の後面のテーパー面t10への、前進押圧作用を付与して、補助リング10からの固定リング8への押圧前進作用付与を生じ、固定リング8は、前面7Fが継手本体1Aの段差部dhに当接したテーパーリング7の内面の緩傾斜(3°)テーパー面t7の作用を受けて縮径前進して、プラスチック樹脂パイプ13の外周面13cを締め付け、パイプ内周面13dとインナーコア部1T外周面1cとは、頂面が0.5mm突出していたOリング6の、係止溝1G内での押圧楕円変形化圧接により、水密シール出来る。
従って、耐用中に、パイプ13に対する引抜き作用が生じても、固定リング8の圧締作用、及び前方へ微小寸法(標準:0.21mm)斜行突出した係止リング先端縁e9の楔形態の係止作用で抜去が阻止出来、キャップ5を解除しない限り、パイプ13の水密接続は保証される。
〔管継手1の解除(図1)〕
プラスチック樹脂パイプ13は、耐用中の劣化等の取換えが生じた際には、図1(A)の右半の状態でパイプ13を締着している管継手1のキャップ5を手で回動して継手本体1Aから後方へ外し、次いで、キャップ5による押圧から開放されて拡径した補助リング10及び係止リング9を一体とし、インナーコア部1Tから後方に手で引出す。
そして、固定リング8はテーパーリング7と、緩傾斜(3°)のテーパー面t7,t8の面密着のため、手による固定リング8の引抜きは困難であるが、固定リング後端外周の突起8Pとテーパーリング7の後面7Bとの隙間gpにドライバーの刃先を入れて傾動すれば、固定リング8のテーパーリング内周との密着が解除出来、固定リング8及びテーパーリング7のインナーコア部1Tからの引抜きが出来、パイプ13のインナーコア部1Tからの引抜きも出来る。
〔キャップ5の回り止め防止(図10)〕
図10(A)は、慣用の水栓ソケットのパイプ接続口に本発明を適用した水栓ソケット管継手の締着状態の縦断側面図であり、(B)は回り止め金具を適用した状態の側面図、(C)は(B)の矢印C視図、(D)は回り止め金具11の斜視図である。
水栓ソケット管継手1´は、図1の接続用ソケット管継手1よりも、耐用中にウォーターハンマー作用を受け易く、キャップ5の弛みが生じ易いため、回り止め金具11の適用が有効である。
回り止め金具11は、キャップ5と継手本体1A´の相対回動を抑制する部材であり、図10(A)の水栓ソケット管継手用の回り止め金具は、図10(D)に示す如く、両端にアンカー片11Aを備え、上下水平辺11fと2面の傾斜辺11tとで、キャップ5の角ナット5Nに対する冠着当接部を備え、対面水平辺11fから内向垂直片11Bを介して水平圧接片11Mを備えている。
回り止め金具11の寸法関係は、図10(D)に示す如く、0.8mm厚の鋼板製であって、冠着当接部11Uは、キャップ5の角ナット5Nの外周面に整合当接するために、幅W11が10mmで、対面高さh11が31.6mmであり、水平辺11fの自由端には、長さ5mmで波形状の溝11Gを幅方向に備えるアンカー片11Aを延設し、溝11Gの裏面の突出底部Aeが、図10(C)の如く、キャップナット5Nの緩傾斜角に係止する形状であり、対向水平辺11fから側方に平坦延出部11f´を介して垂直片11Bを対向内方延出し、垂直片11Bから水平圧接片11Mを側方に延出し、垂直片11Bの先端には突起11Pを備えており、垂直片11Bの垂直延出長は、冠着当接部11Uをキャップ5のナット5Nに被着すれば、両水平圧接片11Mが、継手本体1A´の対向平坦面1fを圧接挟着する寸法であり、平坦延出部11f´の延出長は垂直片11Bが継手本体1A´の突出部1P´の側面に当接する寸法であれば良い。
従って、図10(A)及び(B)に示す如く、回り止め金具11は、パイプ13の接続締着状態の水栓ソケット管継手1´に対し、側方から、冠着当接部11Uを角ナット5N上に嵌合すれば、各水平辺11f及び傾斜辺11tはナット5Nに整合密接し、アンカー片11Aの溝11Gの突出底部Aeが回り止め金具11の側方への自由抜脱を阻止し、対向する水平圧接片11Mが継手本体1A´の対向平坦面1fを挟着し、ナット5Nのウォーターハンマー作用等による弛み作用は、回り止め金具11の冠着当接部11Uと水平圧接片11Mとの垂直片11Bを介した捩れ抗力で阻止出来る。
勿論、垂直片11Bの先端の突起11Pの配置は必須でないが、継手本体1A´の突起部1P´と平坦面1f間に溝Goがある場合は、溝Goに嵌合する突起11Pを配置すれば、回り止め金具11の継手長手方向のすべり防止を確実とすると共に、補強リブ機能も期待出来る。
以上の如く、回り止め金具11は、継手本体に螺合したキャップの継手本体に対する相対回動を阻止出来れば良く、例えば図1の両側に管継手1を備えたタイプでも、図10(A)の如く、一側端に管継手1´を備えたタイプでも、キャップがナット5N等の平坦表面を備えており、且つ継手本体1A,1A´も、図2(A)の如き平坦面1f、又は図10(B)の如きナット部の平坦面1f´を備えておれば、即ち、管継手が継手本体側とキャップ側とに平坦面を備えていれば、剛板製の回り止め金具の適用が可能であり、回り止め金具11は、適用する管継手の、継手本体外周の平坦面と、キャップ外周の平坦面とに当接保持出来る寸法関係に、板金を折曲形成すれば、本発明の範囲内の管継手に適用可能である。
本発明の管継手は、図1に示すパイプ相互を長尺化接続するソケット型の両端管継手に有効であるばかりか、慣用のエルボ型の両端管継手にも、座付水栓エルボ型管継手にも、雄用水栓ソケット管継手(図10(A))にも、雌用水栓ソケット管継手にも適用出来、インナーコア部1Tが配置出来る管継手で、且つ係止リング9の楔作用(Wedge Action)が期待出来る対象パイプ用の管継手の全てに有効に適用出来る。
勿論、回り止め金具11も、管継手が、継手本体表面とキャップ表面とに、ナット5Nの表面の如き、当接平面を備えていれば、適用可能である。
1,1´ 管継手
1A,1A´ 継手本体
1c,5c,7c,8c,10c 外周面
1d,5d,7d,8d,10d 内周面
1f 継手本体平坦面(平坦面)
1G 係止溝
1K,1K´ 基部
1P,1P´ 突起部
1S,5S ねじ面
1T インナーコア部
5 キャップ
5B,7B,8B,10B 後面
5F,7F,8F,10F 前面
5N 角ナット(ナット、ナット部)
6 Oリング
7 テーパーリング
8 固定リング
8G,10G スリット
gf,10f 水平面
8P,11P 突起
9 係止リング
10 補助リング
10m 先端垂直辺
11 回り止め金具
11A アンカー片
11B 垂直片
11G,Go 溝
11f 水平辺(水平板)
11M 水平圧接片
11t 傾斜辺(傾斜板)
11U 冠着当接部
13 プラスチック樹脂パイプ(パイプ)
C8,C10 切欠
dh 段差部
dg,gp,sd 隙間
b9 係止リング基端縁(基端縁)
e9 係止リング先端縁(先端縁)
H1,H5,H7,H8,H10 挿通孔
t5,t7,t8,t8´,t10,t10´ テーパー面

Claims (5)

  1. 端部にインナーコア部(1T)を備えた管状の継手本体(1A)にキャップ(5)を冠着し、可撓性のプラスチック樹脂パイプ(13)をキャップ(5)を介してインナーコア部(1T)上に被覆挿入し、キャップ(5)の回動によってプラスチック樹脂パイプ(13)を継手本体(1A)に接続する管継手(1)であって、継手本体(1A)は、外周面にねじ面(1S)を備えたキャップ締着用の大径の突起部(1P)と、突起部(1P)の外面から、段差部(dh)を介して、外周にOリング(6)を嵌着した、小径のインナーコア部(1T)を突出し、キャップ(5)は、後端にプラスチック樹脂パイプ(13)挿通孔(H5)を備えて、後部内面には前方に拡径するテーパー面(t5)を、前部内面には継手本体の突起部(1P)に螺着するねじ面(5S)を備え、インナーコア部(1T)の外周には、パイプ挿入用の隙間(dg)を保って、後側に縮径用の補助リング(10)を、前側に縮径用の固定リング(8)を配置し、補助リング(10)は、後端外周に、キャップ内面のテーパー面(t5)と整合するテーパー面(t10)を、前部には縮径する係止リング(9)を内方突出形態で嵌着し、固定リング(8)は、外周面に前方へ緩傾斜縮径するテーパー面(t8)を備え、固定リング(8)の外側には、内周面が前方へ緩傾斜縮径するテーパー面(t7)を備えたテーパーリング(7)を配置した、プラスチック樹脂パイプ用の管継手。
  2. 補助リング(10)は、前面(10F)に、内方へ縮径するテーパー面(t10´)を備えた切欠(C10)を有し、切欠(C10)に係止リング(9)を弾撥力で嵌着し、係止リング(9)の先端縁(e9)がプラスチック樹脂パイプ(13)の外周面(13c)に傾斜押圧する、請求項1に記載の管継手。
  3. 固定リング(8)は、後端外周には、切欠(C8)を介してテーパーリング後面(7B)と隙間(gp)を形成するための突起(8P)を、後端内周には、補助リング(10)のテーパー面(t10´)と整合するテーパー面(t8´)を備えている、請求項1又は2に記載の管継手。
  4. インナーコア部(1T)は、複数本のOリング(6)を、各広幅の嵌入溝(1G)内から頂面突出形態で間隔配置し、固定リング(8)がOリング(6)の配置域を被覆してプラスチック樹脂パイプ(13)を締着する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の管継手。
  5. キャップ(5)の外周前部は角ナット(5N)形態であり、継手本体(1A)は突出部(1P)に隣接する基部(1K)の外周に対向平坦面(1f)を備え、キャップ(5)締着状態で、キャップ(5)の角ナット(5N)外周と、継手本体の平坦面(1f)とに、弾撥性板材から成る回り止め金具(11)を弾性嵌着し、キャップ(5)と継手本体(1A)との関係回動を抑制する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の管継手。
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