JP4227081B2 - 管継手 - Google Patents
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Description
リング部材46は、内周側が歯部とされ、歯部が管継手に挿入されたパイプ41の管壁に食い込んで抜け止めするための金属製の部材である。リング部材46は、パイプ41を挿入させるのは容易であるが、引き抜き方向には歯部が立ち上がりパイプ41に食い込むよう、内周側が管継手中心部側へ向かって「く」字形に折り曲げられたものである(例えば、特許文献1参照)。
そこで、リング部材46の位置と相対する挿入筒部42の外周面に溝を設けている。つまり、パイプ41に引き抜き力Fが作用し、リング部材46の歯部が立ち上がって歯部がパイプ41に食い込むことにより生ずるパイプ41の縮径(絞り込み)部分が、その溝の中へ入ることを可能とさせ、パイプ41の内周面と挿入筒部42の外周面との引っ掛かりにより、歯部の食い込みを緩和させ、パイプ41が切断されることを防いでいる。
従って、この柔らかく伸びやすいパイプの場合、図9に示すようにパイプに引き抜き力Fが作用すると、挿入筒部42の外周面にパイプ41の内周面が引っ掛からずにパイプ41が伸びて、パイプ41の抜け防止、パイプ41の切断防止の効果が十分に発揮されないというおそれがある。
また、上記外筒体には、上記テーパ内周面の小径部に連続する軸心に直交方向の段付面が形成されている。
また、上記継手本体の上記挿入筒部の外周面であって上記テーパ内周面の径方向内方側の対応する部分に、上記抜け止め部材の外周面側からの押圧による上記パイプの縮径変形を許容させる凹周溝が形成されたものである。
特に、パイプが柔らかく伸び易い樹脂パイプであっても、抜け止め部材とテーパ内周面とによるテーパ(楔)作用により、抜け止め部材が縮径し、パイプを継手本体の挿入筒部に強固に押し付ける(締め付ける)ことができ、パイプが抜け出ることがない。
また、パイプを管継手に挿し入れたにもかかわらず、万が一、拡径片が締付環体から離脱せず接続の失敗(施工ミス)が生じた場合であっても、締付環体が未だパイプを締め付けていない状態であれば、パイプを管継手から抜くことが可能である。従って、接続のやり直しを簡単かつ迅速に行うことができる。
この管継手は、被接続用のパイプPの端部に挿入させる挿入筒部2を有する継手本体1と、挿入筒部2に外嵌されたパイプPの外周面に弾発的に締め付け力をもって密に外嵌するスリット4を有する締付環体(クランプリング)3と、継手本体1に一端部6a側が取着され締付環体3に隙間をもって外嵌状となる外筒体6と、締付環体3の弾発力に抗して締付環体3を拡径するようにスリット4に離脱可能に差し込まれると共に挿入されるパイプPの先端部に当接して離脱する拡径片5と、を備えている。
離脱した拡径片5は、図2に示すように、外筒体6と挿入筒部2との間の収容空間部20に収納される。
そして、外筒体6の内周面のうち、締付環体3よりも他端部6b側のパイプ挿し口10側に、パイプ挿し口10に向かって縮径するテーパ内周面7が形成されている。
また、外筒体6の円筒本体部16の内径は、拡径状態にある締付環体3の拡径外径より僅かに大きい。
そして、段付面9の内周端から挿入筒部2と対面状となる円筒内周面17が形成され、その端部が外筒体6の開口端(パイプ挿し口10)となる。
そして、パイプPと管継手とを接続させた状態(締付環体3にて締め付けた図2の状態)において、パイプPに引き抜き力Fが作用して締付環体3と共に移動すると、図7から図8に示すように、締付環体3のパイプ挿し口10側の端面18により、リング状抜け止め部材8が押圧されてパイプ挿し口10側へ移動し、抜け止め部材8は、テーパ内周面7に当接(押圧)されることで縮径し、パイプPを外周面側から押圧して抜け止めする。
抜け止め部材8は、断面円形でC形リングとされることで、テーパ内周面7に沿ってパイプ挿し口10側へ強制的に移動されることで、C形の抜け止め部材8は縮径し、パイプPを外周面から押圧し、パイプPの外周面に食い込むと共にパイプPを絞る。抜け止め部材8による食い込みは押圧面が円弧形であり、弾性変形を及ぼすのみであって管壁に傷をつけることがない。
そして、抜け止め部材8は、図8に示すように、外筒体6の段付面9に当接して位置規制され、抜け止め部材8及び締付環体3が嵌着したパイプPは管継手から抜け出ることがない。
または、抜け止め部材8の内径を、パイプPの外径より小さくしてもよく、この場合でも、締付環体3により抜け止め部材8がテーパ内周面7に押し付けられなければ、抜け止め部材8がパイプPを絞ることがない。つまり、拡径片5が締付環体3から離脱しない限りパイプPの抜き差しが可能となる。
これにより、パイプPを管継手に挿し入れたにもかかわらず、万が一、拡径片5が締付環体3から離脱せず接続の失敗(施行ミス)が生じた場合であっても、締付環体3がパイプPを締め付けていない状態であれば、パイプPを管継手から抜くことが可能である。従って、接続やり直しを簡単かつ迅速に行うことができる。
また、図1に示すように、外筒体6は、円筒本体部16の外周面(内周面であってもよい)に形成した係合部22において継手本体1に取着され、さらに外筒体6は、直管状の円筒本体部16とテーパ内周面7が形成された先端縮径状のテーパ筒部19とを経て、段付面9が形成された端部24を有するため、図8に示すように、抜け止め部材8が段付面9に当接する受圧部と、円筒本体部16の板厚中心線25との距離Hが小さいため、パイプPに作用する引き抜き力Fはそのまま外筒体6に引き抜き力Fに平行な軸力として作用することができる。即ち、外筒体6のパイプ挿し口10側の端部24は、曲げモーメント(曲げ応力)の発生が小さい。即ち、外筒体6は強度的に優れた構造とされている。
つまり、外筒体6のテーパ内周面7は、抜け止め部材8を介して、凹周溝11にパイプPを押し付けるのに必要なだけ縮径させた形状であると言える。
さらに、抜け止め部材8の内周側部は円弧形状であり、パイプPに深く鋭い傷(ノッチ)を付けることがなく、しかも、パイプPを強固に押圧することができ、パイプPを確実に抜け止めさせる。
また、継手本体1の挿入筒部2の外周面であってテーパ内周面7の径方向内方側の対応する部分に、抜け止め部材8の外周面側からの押圧によるパイプPの縮径変形を許容させる凹周溝11が形成されたものであるため、抜け止め部材8の押圧により、パイプPを凹周溝11において縮径させることで、パイプPと継手本体1の挿入筒部2との引っ掛かりが可能となり、パイプPが抜け出ることがなく、かつ、パイプPを破損させることがない。
2 挿入筒部
3 締付環体
4 スリット
5 拡径片
6 外筒体
7 テーパ内周面
7a 小径部
8 抜け止め部材
9 段付面
10 パイプ挿し口
11 凹周溝
C 軸心
P パイプ
Claims (3)
- 被接続用のパイプ(P)の端部に挿入させる挿入筒部(2)を有する継手本体(1)と、
該挿入筒部(2)に外嵌された上記パイプ(P)の端部を外周面側から弾発的な締め付け力で締め付けるためのスリット(4)付きの締付環体(3)と、
該締付環体(3)の弾発力に抗して該締付環体(3)を拡径するように上記スリット(4)に離脱可能に差し込まれると共に挿入される上記パイプ(P)の先端部に当接して離脱する拡径片(5)と、
該締付環体(3)よりもパイプ挿し口(10)側に該パイプ挿し口(10)に向かって縮径するテーパ内周面(7)が形成された透明樹脂の外筒体(6)と、
該テーパ内周面(7)と該締付環体(3)との間に配設されてパイプ(P)に引き抜き力が作用して該締付環体(3)がパイプ(P)と共に上記パイプ挿し口(10)側へ移動すると該締付環体(3)のパイプ挿し口(10)側端面(18)が当接押圧して該パイプ挿し口(10)側へ該締付環体(3)と共に移動し該テーパ内周面(7)に当接することで縮径し上記パイプ(P)を外周面側から押圧して抜け止めする断面が切欠のない円形であってパイプ(P)外周面を押圧する押圧面が断面円弧形のリング状抜け止め部材(8)と、
を備えたことを特徴とする管継手。 - 上記外筒体(6)には、上記テーパ内周面(7)の小径部(7a)に連続する軸心(C)に直交方向の段付面(9)が形成されている請求項1記載の管継手。
- 上記継手本体(1)の上記挿入筒部(2)の外周面であって上記テーパ内周面(7)の径方向内方側の対応する部分に、上記抜け止め部材(8)の外周面側からの押圧による上記パイプ(P)の縮径変形を許容させる凹周溝(11)が形成された請求項1又は2記載の管継手。
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