JP4623476B2 - 水浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浄水場の凝集沈澱池等において使用される水浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、浄水場の凝集沈澱池等の池においては、極微粒子を含む水中の浮遊物等の異物に対して凝集剤を注入することによって、独立した粒子と見なし得る粒子集合体であるフロックを生成し、このフロックを沈降沈澱させて捕捉することにより浄化作用を施すことが行われている。
【0003】
この種の浄化作用に使用される水浄化装置として、例えば特開平6−226243号公報によれば、凝集沈澱池等の上部にビームを架設すると共に、複数個の捕捉板を上下方向に所定間隔を置いて配列し、前記ビームに吊り下げ支持された吊り下げ部材によって前記各捕捉板を上下に連結した構成が開示されている。
【0004】
この水浄化装置によれば、略水平に保持されている各捕捉板上に、凝集剤の注入によって粒径及び比重が大きくされたフロックを沈降沈澱させて捕捉し、この捕捉されたフロックが所望の量に達した時点で、各捕捉板を傾斜させることによりフロックを滑落させて、池の底部に堆積させることが行われる。
【0005】
なお、この堆積したフロックは、清掃用の機械装置類によって池の底部から除去される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記公報に開示れた水浄化装置は、前記ビームの軸心廻りの回動と前記各捕捉板の傾斜動とが連動構成され、或いは前記ビームに一端が枢支されたアームの回動と前記各捕捉板の傾斜動とが連動構成されている。
【0007】
従って、この水浄化装置によれば、ビーム或いはアームを一の方向に回動させることによって、各捕捉板が略水平の状態から傾斜してフロックが滑落し、他の方向に回動させることによって、各捕捉板が当初の略水平な状態に復帰する。
【0008】
この場合、前記ビームを回動させるには、そのビームに操作ロッド等を別途取り付け、作業者がその操作ロッド等を操作する必要があり、また前記アームを回動させるには、駆動用シリンダやリンク機構等で構成された回転駆動装置を別途備え、作業者がその回転駆動装置を操作する必要がある。
【0009】
このため、水浄化装置の構造が複雑になり且つ部品点数が増加して、コストの高騰を招くと共に、作業者は、各捕捉板上に所望量のフロックが堆積する度に、各捕捉板を強制的に傾斜させ且つ復帰させるための煩雑な作業を強いられ、多大な労力を要するという問題がある。
【0010】
そして、同公報に開示の水浄化装置は、多数のビーム及び多数のアームを備えているため、この種の問題が一層顕著になる。
【0011】
本発明は、係る従来の課題に鑑み、構造の簡素化及び部品点数の削減を図ることができる水浄化装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上下方向に所定間隔をおいて配置された複数個の捕捉板を備え、捕捉姿勢の前記各捕捉板上に水中の異物を沈澱させて捕捉した後、前記各捕捉板を傾斜させてその沈殿物を滑落させるようにした水浄化装置において、水中に一対の吊り下げ支柱を吊設し、前記各捕捉板の一端を一対のヒンジ手段を介して前記各吊り下げ支柱に回動可能に連結し、前記各捕捉板を上下に連結して該各捕捉板を吊支えるための吊支用条体を前記一対の吊り下げ支柱間の略中央で前記ヒンジ手段から他端側に離れた位置に配置し、該吊支用条体を介して、沈殿物を捕捉するときに前記各捕捉板を前記捕捉姿勢にロックし且つ沈殿物を滑落させるときに前記各捕捉板を傾斜状態に回動させる回動付与装置を備え、前記一対の吊り下げ支柱を沈澱池上に架設された吊り下げ用ビームに対して略対称に吊設し、該吊り下げ支柱の下端部を前記沈澱池中に配置された連結部材に連結したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図10は、本発明に係る水浄化装置の一実施形態を例示する。図1〜図3に示すように、この水浄化装置1 は、例えば凝集沈澱池2 に据え付けられるものであって、この凝集沈澱池2 の水の流れは矢印A で示す方向とされ、その上流側には例えば薬品混和池が、またその下流側には例えば濾過池が夫々構築されている。この場合、凝集沈澱池2 においては、上流側での凝集剤の注入によって、極微粒子を含む水中の浮遊物等の異物が、粒径及び比重の大きな粒子集合体であるフロックになり、このフロックが沈降沈澱するようになっている。そして、前記水浄化装置1 は、この沈降沈澱したフロックを捕捉するための構造を備えている。
【0014】
前記凝集沈澱池2 には、水の流れ方向A に沿うように上流側から下流側に亘って略等間隔で複数個の沈降ユニット3 が吊設されている。この各沈降ユニット3 は、凝集沈澱池2 の上部に架設された吊り下げ用ビーム4 と、この吊り下げ用ビーム4 に吊り下げ支持された複数本の吊り下げ支柱5 と、この各吊り下げ支柱5 に連結された複数枚の捕捉板6 とを備えている。
【0015】
前記各吊り下げ用ビーム4 は、中空状の角パイプ又は断面コ字型の型鋼であって、平面視で水の流れ方向A と直交する方向(以下、左右方向という) に延びるように凝集沈澱池2 の左右両側壁2aの上部に跨がって架設されている。この左右両側壁2aの上端には、図4に示すように(右側壁は図示略)、各吊り下げ用ビーム4 の配列位置に対応して上下方向に延びるガイドロッド8 が固設され、この各ガイドロッド8 は、各吊り下げ用ビーム4 の左右両端部に上下に貫通して形成された各ガイド孔4aに挿通されている。そして、この各吊り下げ用ビーム4 の左右両端部の下端面と、前記左右両側壁2aの上端面との間には、弾性体、即ちガイドロッド8 の外周に巻回されたバネ9 が介設され、これによって各吊り下げ用ビーム4 の左右両端部が前記左右側壁2aの上端に弾性支持されている。従って、各吊り下げ用ビーム4 は、各弾性体(バネ9 )の作用によって振動の付与が許容される支持構造とされ、例えば加振手段の作用によって上下方向に対する振動が付与されるようになっている。なお、前記ガイドロッド8 は、アンカーボルト等によって固着されている。
【0016】
前記各吊り下げ用ビーム4 の下面には、図5及び図6に示すように、その長手方向に対して略等間隔で複数個のステー10が溶接等によって固定され、この各ステー10は、水の流れ方向A に沿って延びるように配列されている。この各ステー10には、吊り下げ用ビーム4 を基準として相対称となる位置に一対の支持部材としての吊り下げ支柱5 が吊設されている。この各吊り下げ支柱5 は、図7及び図8に示すように、角パイプであって、その上端が、ブラケット11を介して前記ステー10に固定され、その下端が、凝集沈澱池2 の底面に接地されずに水中の所定深さ位置に浮いた状態とされている。
【0017】
前記各吊り下げ支柱5 には、上下方向に所定間隔を置いて配列された複数個の捕捉板6 の一端部が、ヒンジ手段13を介して回動可能に連結されている。詳述すれば、各ステー10に吊り下げ支持された一対の吊り下げ支柱5 には、その左右方向両側に、複数段の高さ位置毎に一対の捕捉板6 が夫々一対のヒンジ手段13を介して連結されている。従って、各捕捉板6 の一端部は、水の流れ方向A に沿う流軸線廻りに回動可能に吊り下げ支柱5 に連結されている。
【0018】
前記各捕捉板6 の平面視での配列構造は、図3に示すように、各捕捉板6 が水の流れ方向A に対して複数列に配列され、隣り合う列の各捕捉板6 が左右方向に対して相互に変位して千鳥状とされている。また、前記各捕捉板6 の側面視での配列構造は、図1に示すように、隣り合う列の各捕捉板6 が上下に半ピッチ分だけ変位して千鳥状とされている。
【0019】
前記各捕捉板6 は、凝集沈澱池2 内で水による浮力によって浮上する構造とされ、具体的には、各捕捉板6 が水よりも比重の小さい樹脂等の材料で形成されている。そして、各捕捉板6 に水による浮力が作用した場合には、各捕捉板6 の一端部の浮上がヒンジ手段13によって規制されているため、各捕捉板6 には反ヒンジ手段13側を浮上させる力、即ち各捕捉板6 を一端部の廻りに回動させる力が作用するようになっている。この各捕捉板6 の下面には、図4及び図5に示すように、水の流れ方向A に沿って延びる複数本(図例では4本)のフロック再浮上阻止体としてのリブ14が下方に突出して形成されている。
【0020】
前記各捕捉板6 は、上方位置の捕捉板6 に作用する浮力よりも下方位置の捕捉板6 に作用する浮力の方が小さくなる構造とされている。換言すれば、各捕捉板6 に同程度のフロックによる重量が作用した場合に、下方位置の捕捉板6 の方が上方位置の捕捉板6 よりも先に反ヒンジ手段13側が浮力に抗して下降傾斜する構造とされている。この場合、最上位の捕捉板6 から順に下方に移行するに従って、一枚毎にその浮力が徐々に小さくなる構造としてもよく、また複数枚毎に段階的にその浮力が小さくなる構造としても良い。
【0021】
前記各ヒンジ手段13は、図7及び図8に示すように、吊り下げ支柱5 の側面に固定された固定ブラケット15と、捕捉板6 の上面に固定された可動ブラケット16とをピン部材17を介して回動可能に連結した構成とされている。前記可動ブラケット16には、その上方に突出する突片18が取り付けられ、この突片18は、前記固定ブラケット15の端面に当接及び離反可能とされている。そして、この突片18が前記固定ブラケット15の端面に当接している状態の下では、前記捕捉板6 が略水平の状態にあり、この捕捉板6 がその反ヒンジ手段13側が下降するように傾斜することによって、前記突片18が固定ブラケット15の端面から離反する構成とされている。従って、浮力の作用による捕捉板6 のヒンジ手段13廻りの回動、即ち捕捉板6 の反ヒンジ手段13側が上昇する方向の回動は、前記突片18と固定ブラケット15とから構成されたストッパ手段19によって、捕捉板6 が略水平になった状態で規制されるようになっている。
【0022】
前記各吊り下げ支柱5 の平面視での配列構造は、左右方向に一列に並ぶ各吊り下げ支柱5 が、水の流れ方向A に対して複数列に配列されている。この各吊り下げ支柱5 の下端部は、各列毎に、前記左右両側壁2aの高さ方向中間部に跨がって左右方向に延びるように夫々架設されたワイヤロープ等の各連結部材12に各連結具20を介して連結されている(図2参照)。この各連結具20は、例えば図9及び図10に示すように、大径孔が形成されたリング状体21と、小径孔が形成された筒状体22とを、交差状に固着一体化して構成され、前記筒状体22の周壁部にはボルト23が螺合されている。前記リング状体20の大径孔には、吊り下げ支柱5 の下端部が遊挿され、前記筒状体21の小径孔には、連結部材12が挿通され、この連結部材12は、前記ボルト23及びロックナット24を用いて前記筒状体21に締結固定されている。
【0023】
なお、この水浄化装置1 には、各捕捉板6 を補助的に回動させるための回動付与装置25が備えられている。この回動付与装置25は、図4〜図6に示すように、各吊り下げ用ビーム4 の一端部に夫々配設された各駆動手段26と、各吊り下げ用ビーム4 の長手方向(左右方向)における各吊り下げ支柱5 に対応する位置に夫々配設された各従動手段27とを備えている。
【0024】
前記各駆動手段26は、吊り下げ用ビーム4 に固定された駆動源28の駆動軸29廻りに回動可能に取り付けられた駆動回転体30を備え、この駆動回転体30は、電動モータ31又はエアシリンダや油圧シリンダ或いは手動操作用のハンドル32によって回動する構成とされている。この駆動回転体30には、駆動軸29から所定寸法離間した位置に、ワイヤロープ等の可撓性を有する連動用条体33が連結されている。
【0025】
前記各従動手段27は、吊り下げ用ビーム4 の上面に固定されたブラケット34に一対の支軸35,36 を介して夫々回動可能に取り付けられた第1従動回転体37及び第2従動回転体38と、この両回転体37,38 に夫々一体的に回動可能に取り付けられ且つ相互に噛合する第1歯車39及び第2歯車40とを備えている。前記第1従動回転体37及び第2従動回転体38の両者には、各支軸35,36 から夫々所定寸法離間し且つ相対称となる位置に、ワイヤロープ等の可撓性を有する第1吊支用条体41及び第2吊支用条体42が連結され、更に第2従動回転体38には、その支軸36から所定寸法離間した位置に、前記連動用条体33が連結されている。
【0026】
前記第1吊支用条体41及び第2吊支用条体42には、吊り下げ支柱5 の左右両側の各捕捉板6 が、各ヒンジ手段13の上下方向の配列ピッチと同一ピッチで上下に連結されている。この連結部は、捕捉板6 に形成された貫通孔43に前記吊支用条体42(41)を挿通し、この捕捉板6 を上下両側から挟む一対の球状体44を前記吊支用条体42(41)に固定した構成とされている。前記第2従動回転体38は、第1従動回転体37よりも駆動手段26から離反して配置されており、この第2従動回転体38に連結されている第2吊支用条体42の下方への引っ張り力は、前記連動用条体33に作用するようになっている。なお、前記第1吊支用条体41及び第2吊支用条体42は、前記吊り下げ用ビーム4 に左右方向に延び且つ上下に貫通するように形成された長孔45に挿通されて垂下している。
【0027】
この実施形態に係る水浄化装置1 によれば、水が上流側から矢印A 方向に沿って凝集沈澱池2 内を下流側へと流れる間においては、その水中に浮遊している微粒子等の異物が、上流側での凝集剤の注入によって、粒子集合体としてのフロックになり、このフロックが各沈降ユニットの各捕捉板6 上に沈降沈澱する。そして、時間経過と共に各捕捉板6 上のフロックの量が増加して、そのフロックと各捕捉板6 との重量の総和が浮力よりも大きくなった時点で、各捕捉板6 の反ヒンジ手段13側が下降傾斜し始める。この後、更なるフロックの量の増加に起因して、各捕捉板6 の傾斜角度が所定値以上となった時点で、フロックが自重によって滑落する。このように、フロックの重量増と浮力とのバランスに起因する自然現象が有効利用されて、フロックが時間経過に伴って自然に滑落することになるので、各捕捉板6 を外部から駆動する必要がなくなり、装置の簡素化や製作コストの削減が図られる。
【0028】
この場合、フロックの滑落は自然現象に委ねられているため、各捕捉板6 上のフロックが全てスムーズに滑落するとは限らない。そこで、各捕捉板6 上のフロックの滑落が不充分な場合には、作業者の足の踏力により或いは別途備えた加振装置により手動又は自動で各吊り下げ用ビーム4 に振動を付与し、この振動を各捕捉板6 に伝達させることによって、各捕捉板6 上のフロックを一挙同時に強制的に滑落させることが行われる。
【0029】
しかも、各捕捉板6 は、上方位置の捕捉板6 に作用する浮力よりも下方位置の捕捉板6 に作用する浮力の方が小さくなる構造とされているので、上方の捕捉板6 の方が下方の捕捉板6 よりも先に下降傾斜するといった事態は生じず、上下の捕捉板6 が干渉してフロックの円滑な滑落が妨げられる等の不具合が効果的に回避される。
【0030】
以上のようにしてフロックが滑落した後は、各捕捉板6 が浮力によって非傾斜方向に復帰動し、可動ブラケット16の突片18が固定ブラケット15の端面に当接した時点で、その復帰動が規制されて各捕捉板6 が略水平の状態に維持される。そして、再び水中の異物がフロックとなって各捕捉板6 上に沈降沈澱して行くことにより、上記と同様の動作が繰り返して実行される。
【0031】
この水浄化装置1 は、以上のような動作が行われることを基本とするものであり、そのためには、各捕捉板6 が略水平の状態から傾斜して行く過程において、連動条体33が引っ張られた状態でロックされていないことが条件とされる。
【0032】
これに対して、この水浄化装置1 では、補助的に回動付与装置25を作動させることによって、各捕捉板6 に対して以下に示すような動作を行わせることができる。
【0033】
即ち、各捕捉板6 上に滑落を確実に生じさせるに足る充分な量のフロックが堆積するまでの間は、連動用条体33をロックさせて各捕捉板6 を略水平の状態に維持させておき、充分な量のフロックが各捕捉板6 上に堆積した時点で、駆動手段26のモータ31或いはハンドル32の操作により、連動用条体33を弛緩させる。
【0034】
これにより、図4に示す第2従動回転体38及び第2歯車40が時計方向に回転すると共に、第1従動回転体37及び第1歯車39が反時計方向に回転し、第1吊支用条体41及び第2吊支用条体42が下方に移動する。これに伴って、各捕捉板6 が傾斜してその傾斜角度が所定値以上になった時点で、各捕捉板6 上のフロックが一挙に滑落する。なお、この時点においては、全ての捕捉板6 上のフロックが確実に滑落するように、前述の場合と同様にして各吊り下げ用ビーム4 に振動を付与することもできる。
【0035】
この後は、各捕捉板6 が水の浮力によって非傾斜方向に復帰動するが、これと共に駆動手段26のモータ31或いはハンドル32の操作によって連動用条体33を緊張させ、可動ブラケット16の突片18を固定ブラケット15の端面に当接させて各捕捉板6 を略水平の状態に維持させる。以上のような動作を繰り返し行うことによって、水中の異物が各捕捉板6 を経由して凝集沈澱池2 の底面に堆積することになり、その上層部の水の浄化が適切に行われる。
【0036】
このように、回動付与装置25により補助的に各捕捉板6 の傾斜角度を任意に変更できるようにしているので、折々の維持管理をリモート操作等によって省力的に行えることになる。この回動付与装置25の作動回数は、極めて少ないものとされる。
【0037】
なお、前記各捕捉板6 がフロックの堆積によって傾斜した状態にあっても、各捕捉板6 は水の流れ方向A に沿う流軸線廻りに回動して傾斜しているので、その傾斜面に水の流れが正面から衝突することはなく、従って各捕捉板6 を高密度に装備することが可能となる。
【0038】
また、前記各捕捉板6 は、隣り合う列の各捕捉板6 が左右方向に相互に変位して千鳥状とされているので、一の列の各捕捉板6 が傾斜してその列の左右方向に隣接する捕捉板6 の相互間に隙間が生じても、この隙間と、隣り合う他の列に同様にして生じる隙間とが、水の流れ方向に対して一直線上に並ぶことはない。従って、水が隙間を一直線上に沿って流れるという事態が回避され、各捕捉板6 による異物の捕捉動作が凝集沈澱池2 の全体に亘って均一に行われ得る。
【0039】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施することができる。
【0040】
例えば、前記実施形態では、吊り下げ用ビームを弾性支持する弾性体としてコイルバネを使用したが、これに代えて、板バネ、又はゴム等のクッション材を使用しても良い。また、前記実施形態では、吊り下げ用ビームを上下方向に振動させるように構成したが、これに代えて又はこれと共に、吊り下げ用ビームを水の流れ方向A に沿う方向及び/又は左右方向に振動させるように構成しても良い。
【0041】
更に、前記実施形態では、駆動手段と従動手段との連結、従動手段と捕捉板との連結、各捕捉板の相互間の連結、及び各吊り下げ支柱の相互間の連結に、可撓性を有する条体を使用したが、これらの全て又は一部の連結に、リンク機構或いは剛体等を使用しても良い。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、上下方向に所定間隔をおいて配置された複数個の捕捉板を備え、捕捉姿勢の前記各捕捉板上に水中の異物を沈澱させて捕捉した後、前記各捕捉板を傾斜させてその沈殿物を滑落させるようにした水浄化装置において、水中に一対の吊り下げ支柱を吊設し、前記各捕捉板の一端を一対のヒンジ手段を介して前記各吊り下げ支柱に回動可能に連結し、前記各捕捉板を上下に連結して該各捕捉板を吊支えるための吊支用条体を前記一対の吊り下げ支柱間の略中央で前記ヒンジ手段から他端側に離れた位置に配置し、該吊支用条体を介して、沈殿物を捕捉するときに前記各捕捉板を前記捕捉姿勢にロックし且つ沈殿物を滑落させるときに前記各捕捉板を傾斜状態に回動させる回動付与装置を備え、前記一対の吊り下げ支柱を沈澱池上に架設された吊り下げ用ビームに対して略対称に吊設し、該吊り下げ支柱の下端部を前記沈澱池中に配置された連結部材に連結しているので、構造の簡素化及び部品点数の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る水浄化装置の全体構成を示す概略側面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る水浄化装置の全体構成を示す概略正面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る水浄化装置の全体構成を示す概略平面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る水浄化装置の要部構成を示す拡大正面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る水浄化装置の要部構成を示す拡大平面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る水浄化装置の要部構成を示す拡大縦断側面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る水浄化装置の要部構成を示す拡大平面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る水浄化装置の要部構成を示す拡大縦断正面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る水浄化装置の要部構成を示す拡大縦断側面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る水浄化装置の要部構成を示す拡大横断平面図である。
【符号の説明】
1 水浄化装置
4 ビーム(吊り下げ用ビーム)
5 支持部材 (吊り下げ支柱)
6 捕捉板
9 振動許容手段 (弾性体)
12 連結部材
13 ヒンジ手段
19 ストッパ手段
Claims (2)
- 上下方向に所定間隔をおいて配置された複数個の捕捉板を備え、捕捉姿勢の前記各捕捉板上に水中の異物を沈澱させて捕捉した後、前記各捕捉板を傾斜させてその沈殿物を滑落させるようにした水浄化装置において、水中に一対の吊り下げ支柱を吊設し、前記各捕捉板の一端を一対のヒンジ手段を介して前記各吊り下げ支柱に回動可能に連結し、前記各捕捉板を上下に連結して該各捕捉板を吊支えるための吊支用条体を前記一対の吊り下げ支柱間の略中央で前記ヒンジ手段から他端側に離れた位置に配置し、該吊支用条体を介して、沈殿物を捕捉するときに前記各捕捉板を前記捕捉姿勢にロックし且つ沈殿物を滑落させるときに前記各捕捉板を傾斜状態に回動させる回動付与装置を備え、前記一対の吊り下げ支柱を沈澱池上に架設された吊り下げ用ビームに対して略対称に吊設し、該吊り下げ支柱の下端部を前記沈澱池中に配置された連結部材に連結したことを特徴とする水浄化装置。
- 前記吊支用条体を前記各捕捉板の貫通孔に挿通して、該吊支用条体により前記各ヒンジ手段の上下の配列ピッチと略同ピッチで前記各捕捉板を上下に連結したことを特徴とする請求項1に記載の水浄化装置。
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