本発明は、予め準備された入力項目選択用の表示画面の中からアイコンを選択して情報を入力する情報処理装置や、携帯電話機、情報携帯端末装置等に適用して好適な入力装置、タッチパネル及び電子機器に関する。
詳しくは、X方向及びY方向を規定した入力操作領域で操作体の押下力に対応してZ方向の厚みが変化する誘電性の膜を透明導電性の膜上に備え、操作体の入力位置において、透明導電性の膜と誘電性の膜と操作体とにより構成される静電容量に依存した複数種類の電圧検出情報を検出できるようにすると共に、三次元検出機能付きのタッチパネルを提供できるようにしたものである。
近年、ユーザ(操作者)は、デジタルカメラや、携帯電話機、カムコーダ、PDA(Personal Digital Assistants)等の携帯用の電子機器に様々なコンテンツを取り込み、それを利用するようになってきた。これらの電子機器には入力装置が具備される。入力装置にはキーボードや、JOGダイヤル等の入力手段、表示部を合わせたタッチパネルなどが使用される場合が多い。タッチパネルには、静電容量方式や抵抗膜方式が使用されている。
静電容量方式のタッチパネルには、入力操作面下に静電容量シートが設けられ、入力操作面において、指を触れた入力位置を検出して、指を触れた状態と、指で触れていない状態(非接触)とを判別するようになされる。抵抗膜方式のタッチパネルには、入力操作面下に抵抗調整膜が設けられ、入力操作面において、指を触れた入力位置を検出して、指を触れた状態と、指で触れていない状態(非接触)とを判別するようになされる。
静電容量方式のタッチパネルは、静電容量シートと操作者の指の間に、筺体等の入力操作面が介在していても動作するので、防水性かつデザイン性に優れている。また、抵抗膜方式のタッチパネルと比較して、メカ的に動く部分がない等により耐久性に優れている。
デジタルカメラや、携帯電話機、カムコーダ、PDA等の携帯用の電子機器の表示部に搭載されるタッチパネルについて、より多くの機能が搭載され、表示素子は高性能化の一途を辿ってきている。それに伴って、上述の電子機器には、ノートパソコン(以下ノートPCという)等のように、画面上のカーソルを任意に移動させ、アイコンにカーソルを合わせて決定するというような、いわゆる“カーソリング機能”が求められてきている。
このような要求は、“選ぶ“という動作と、”決定“するという動作の2種類の入力操作を区別して検出できることが要求される。人間工学的なものの見方からすると、前者の選ぶという動作は、”なぞる“という動作、後者の決定という動作は”押込む“という動作と直結すると考えることは容易である。
一方、電気機器の筺体に配置されるスイッチについても、より多くの機能が搭載され、さらにデザイン的な要求から、機能が増えているにもかかわらず、スイッチ数を減らす、スイッチと筺体の間の段差を減らすなどの要求が多く出てきている。また、この入力操作領域においても、スライド操作などの、前記“なぞる”という動作と、決定の意味をもつ“押込む”という動作が同一平面上で操作できることが要求されてきている。
この種の携帯端末装置に関連して特許文献1には、携帯情報端末及びプログラムが開示されている。この携帯情報端末によれば、端末装置本体に表示部と、本体のほぼ中央にJOGダイヤルとを備える。JOGダイヤルは、表示部とは別の位置に設けられる。このJOGダイヤルは、時計方向又は反時計方向に回転され、この回転に連動して表示部に表示された画像が回転するようになされる。しかも、JOGダイヤルを本体の方向に押下すると、画像範囲を変更するようになされる。このように情報端末を構成すると、より快適に各種の操作を実行できるというものである。つまり、JOGダイヤルは、メカ的な構造を採用することによって、操作者に、表示部において、入力項目を選択する毎に、表示部の変化と同期して入力が確定できるというものである。
特許文献2には、タッチパネルの入力方法が開示されている。この入力方法によれば、重要な項目選択の場合は、強くタッチ操作をし、単純な選択操作は軽くタッチ操作するようになされる。このようにすると、操作員の誤操作を防止できるというものである。
特許文献3には、外部モニタとエレクトロビュファインダを備えた撮像装置が開示されている。この撮像装置によれば、エレクトロビュファインダには、タッチパネルの操作に連動して、画面内を移動するポインタと、このポインタで指示され、選択される撮影情報等の各種操作の指令を入力する操作領域とが表示される。タッチパネルの操作に基づいて撮影情報に係る各種操作の指令を入力するようになされる。このようにすると、エレクトロビュファインダ専用の操作系を設けることがないので、コストアップを防止できるというものである。
特許文献4には、タッチパネルを備えた入力装置及び入力方法が開示されている。この入力方法によれば、入力操作時、タッチパネルで押圧指示しようとする場合に、入力しようとする入力画面の一部をユーザの指示位置を指示する表示体と共に入力ガイド情報と共に別途表示するようになされる。このようにすると、視認性を向上でき、かつ、入力ミスを防止でき、操作性を向上できるというものである。
特許文献5には、指やペンなどにより入力可能な座標入力装置が開示されている。この座標入力装置によれば、静電容量圧力センサと表示手段とを組み合わせて入出力一体型の座標入力装置を構成するようになされる。このようにすると、専用の電子ペン等を使用せずに、また、電磁ノイズを発生することなく、指やペンなどにより入力情報を選択できるというものである。
特開2003−256120号公報(第2乃至3頁 第1図)
特開平 09−022330号公報(第2頁 図3)
特開2000−184241号公報(第2頁 図2)
特開2004−021933号公報(第3頁 図3)
特開2000−347807号公報(第3頁 図5)
ところで、従来例に係る情報処理装置や、携帯電話機、情報携帯端末装置等の電子機器によれば、以下のような問題がある。
i.現在、上述の電子機器には、“なぞる”動作と“押し込む”動作とを同一平面上に実現することが求められている。しかし、従来方式では、上述の2つの動作のうち、違和感のない人間の操作において、どちらか1つの動作しか実現できていないのが現状である。因みに、ノートPCのタッチパッドなどは、ダブルクリックなどで上記2つの機能を分けているが、人間工学的な観点からは、違和感のある操作といわざるを得ない。
ii.また、特許文献1〜特許文献4に見られるような各種方式のタッチパネルと表示部とを合わせた二次元入力機能付きの携帯端末装置によれば、表示部でアイコンを選択した際に、その選択位置において、”押込み”操作による入力確定ができていないのが現状である。
iii.なお、特許文献5に見られるような静電容量シートとメカニカルタクトスイッチを組み合わせて、“なぞる”動作と“押し込む”動作とを同一平面上で実現することが考えられるが、特許文献5に見られるようなメカニカルタクトスイッチを採用すると、装置が大型化するばかりか、デザイン面でのデメリットが生じてしまい、及び、“なぞり”動作時の操作感がメカニカルスイッチをなぞることになる。このため、意図しない凹凸感を感じてしまい、人間工学的に好ましくない。
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、操作体の入力位置で検出される静電容量に依存した複数種類の電圧検出情報を検出できるようにすると共に、その押下力に対するZ方向への「押下」、X方向又はY方向への「なぞり」を判別できるようにした入力装置、タッチパネル及び電子機器を提供することを目的とする。
上述した課題は、X方向及びY方向を規定した入力操作領域で操作体の入力位置を検出する抵抗調整膜と、抵抗調整膜上の全面に設けられて光を透過する透明導電性の膜と、透明導電性の膜上の全面に設けられて光を透過すると共に、入力操作領域に対する鉛直方向をZ方向としたとき、操作体の押下力に対応してZ方向の厚みが変化する誘電性の膜と、誘電性の膜上の全面に設けられて光を透過する絶縁性の膜とを備え、誘電性の膜が熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物からなり、弾性率が、前記絶縁性の膜の弾性率よりも低いことを特徴とする入力手段によって解決される。
従って、操作体の入力位置において、透明導電性の膜と誘電性の膜と操作体とによって構成される静電容量に依存した電圧検出情報をそのZ方向への押下力に対応して変化させることができる。これにより、操作体によるZ方向への押下力を複数種類の電圧検出情報を検出することができる。
本発明に係るタッチパネルは、表示手段と、この表示手段の上部に配置され、操作体の接触位置を検出する機能及び操作体の押圧力を検出する機能を有した入力手段と、操作体の入力位置を検出した際に入力手段から得られる電圧検出情報を入力して操作体の押下力を判別する判別手段と、判別手段に設定し、操作体の入力位置における閾値を得るための閾値関数を記憶した記憶手段とを備え、入力手段は、X方向及びY方向を規定した入力操作領域で操作体の入力位置を検出する抵抗調整膜と、抵抗調整膜上の全面に設けられて光を透過する透明導電性の膜と、透明導電性の膜上の全面に設けられて光を透過すると共に、入力操作領域に対する鉛直方向をZ方向としたとき、操作体の押下力に対応してZ方向の厚みが変化する誘電性の膜と、誘電性の膜上の全面に設けられて光を透過する絶縁性の膜とを有し、誘電性の膜は、熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物からなり、弾性率が、絶縁性の膜の弾性率よりも低く、閾値関数は、入力手段の入力操作領域の一端から他端に至る入力位置に関して許容最大力で連続又は所定のステップで押下した際に検出される最大検出電圧値を取得し、取得された入力操作領域の一端から他端に至る入力位置に対応する最大検出電圧値に定数を演算して作成され、判別手段は、電圧検出情報に対して一つ以上の閾値情報を設定し、操作体の入力位置を検出した際に得られる電圧検出情報と、記憶手段から読み出した入力位置の閾値関数とを比較し、比較結果に基づいて、操作体の「なぞり」又は「押下」を判別することを特徴とするものである。
本発明に係る入力装置によれば、入力手段は、表示手段の上部に配置され、操作体の接触位置を検出する機能及び記憶手段に記憶された閾値関数を基に、判別手段によって操作体の押圧力を検出し、操作体の入力位置を検出した際に得られる電圧検出情報と入力位置に応じて設定された閾値情報を基に、操作体の「なぞり」又は「押下」を判別する機能を有している。入力手段には本発明の入力装置が応用されるので、操作体の入力位置で検出される静電容量に依存した電圧検出情報をそのZ方向への押下力に対応して変化させることができる。
従って、操作体によるZ方向への押下力を複数種類の電圧検出情報を検出できるので、これらの電圧検出情報と閾値情報とを比較することで、現在の入力位置における操作体の押下力に対するZ方向への「押下」又はX方向又はY方向への「なぞり」を判別できるようになる。
例えば、判別手段は、入力手段から得られる電圧検出情報を入力して操作体の押下力を判別する。判別手段は、電圧検出情報に対して一つ以上の閾値情報を設定し、この電圧検出情報と閾値情報とを比較する。判別手段は、電圧検出情報が閾値情報を越える場合は、操作体のZ方向への「押下」を判別し、電圧検出情報が閾値情報以下である場合は、操作体のX方向又はY方向への「なぞり」を判別する。
従って、操作体の押下力に対するZ方向への「押下」、X方向又はY方向への「なぞり」を判別可能な三次元検出機能付きのタッチパネルを提供できるようになる。
本発明に係る電子機器は、表示手段と、表示手段の上部に配置され、操作体の接触位置を検出して位置検出信号を出力する機能及び操作体の押圧力を検出して力検出信号を出力する機能とを有した入力手段と、操作体の入力位置を検出した際に入力手段から得られる電圧検出情報を入力して操作体の押下力を判別する判別手段と、判別手段に設定し、操作体の入力位置における閾値を得るための閾値関数を記憶した記憶手段とを備えた電子機器おいて、入力手段は、X方向及びY方向を規定した入力操作領域で操作体の入力位置を検出する抵抗調整膜と、抵抗調整膜上の全面に設けられて光を透過する透明導電性の膜と、透明導電性の膜上の全面に設けられて光を透過すると共に、入力操作領域に対する鉛直方向をZ方向としたとき、操作体の押下力に対応してZ方向の厚みが変化する誘電性の膜と、誘電性の膜上の全面に設けられて光を透過する絶縁性の膜とを有し、誘電性の膜は、熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物からなり、弾性率が、絶縁性の膜の弾性率よりも低く、閾値関数は、入力手段の入力操作領域の一端から他端に至る入力位置に関して許容最大力で連続又は所定のステップで押下した際に検出される最大検出電圧値を取得し、取得された入力操作領域の一端から他端に至る入力位置に対応する最大検出電圧値に定数を演算して作成され、判別手段は、電圧検出情報に対して一つ以上の閾値情報を設定し、操作体の入力位置を検出した際に得られる電圧検出情報と、記憶手段から読み出した入力位置の閾値関数とを比較し、比較結果に基づいて、操作体の「なぞり」又は「押下」を判別することを特徴とするものである。
本発明に係る電子機器によれば、本発明のタッチパネルが応用されるので、操作体の入力位置で検出される静電容量に依存した電圧検出情報をそのZ方向への押下力に対応して変化させることができる。
従って、操作体によるZ方向への押下力を複数種類の電圧検出情報を検出することができる。これにより、操作体の押下力に対するZ方向への「押下」、X方向又はY方向への「なぞり」を判別可能な三次元検出機能付きのタッチパネルを備えた電子機器を提供できるようになる。
本発明に係る入力装置によれば、X方向及びY方向を規定した入力操作領域で操作体の押下力に対応してZ方向の厚みが変化する誘電性の膜を備えるものである。
この構成によって、操作体の入力位置において、透明導電性の膜と誘電性の膜と操作体とによって構成される静電容量に依存した電圧検出情報(レベル)をそのZ方向への押下力に対応して変化させることができる。従って、操作体によるZ方向への押下力を複数種類の電圧検出情報を検出することができる。これにより、当該入力装置を三次元検出機能付きのタッチパネルに応用することができる。
本発明に係るタッチパネルによれば、本発明の入力装置が応用されるので、操作体の入力位置で検出される静電容量に依存した電圧検出情報をそのZ方向への押下力に対応して変化させることができる。
この構成によって、操作体によるZ方向への押下力を複数種類の電圧検出情報を検出することができる。これにより、操作体の押下力に対するZ方向への「押下」、X方向又はY方向への「なぞり」を判別可能な三次元検出機能付きのタッチパネルを提供できるようになる。
本発明に係る電子機器によれば、本発明のタッチパネルが応用されるので、操作体の入力位置で検出される静電容量に依存した電圧検出情報をそのZ方向への押下力に対応して変化させることができる。
この構成によって、操作体によるZ方向への押下力を複数種類の電圧検出情報を検出することができる。これにより、操作体の押下力に対するZ方向への「押下」、X方向又はY方向への「なぞり」を判別可能な三次元検出機能付きのタッチパネルを備えた電子機器を提供できるようになる。
続いて、この発明に係る入力装置、タッチパネル及び電子機器の一実施例について、図面を参照しながら説明をする。
図1は本発明に係る第1の実施例としての三次元入力機能付きの入力装置100の構成例を示す斜視図である。この実施例では、従来方式のXY位置検出機能に加えて、押込む方向の力を識別又は検出できるようにしたものである。
図1に示す入力装置100は、予め準備された入力項目選択用の表示画面の中からアイコンを選択して情報を入力する装置であり、情報処理装置や、携帯電話機、情報携帯端末装置等のタッチパネルに適用して好適である。入力装置100は、基板1上に抵抗調整膜2、ITO膜3(Indium Tin Oxide膜;インジュム錫酸化物)及びSiゴム膜4を積層して構成される。基板1にはガラス基板が使用される。この例で、入力装置100と液晶表示パネル等の平面表示素子を組み合わせて使用する場合は、基板1は平面表示素子の上部ガラス基板が兼用される。
基板1上には、入力操作領域を有する抵抗調整膜2が設けられ、操作者の指(操作体)の接触(入力)位置を検出するようになされる。入力操作領域の大きさは、長さがL[mm]程度で、幅がW[mm]程度である。この例で、入力操作領域には、X方向及びY方向が規定され、また、入力操作領域に対する鉛直方向がZ方向と規定されている。これは、三次元入力機能付きの入力装置100を構成するためである。
抵抗調整膜2上の全面には、透明導電性の膜の一例となるITO膜3が設けられ、平面(蓄積)電極を構成すると共に下部からの光を透過するように使用される。抵抗調整膜2には、引出し線Lx1,Lx2,Ly1,Ly2が接続される。引出し線Lx1,Lx2、Ly1,Ly2は駆動回路5に接続され、交流波信号Sacに基づいて抵抗調整膜2のX方向及びY方向で検出される電圧(以下検出電圧という)V1,V2を出力するようになされる。駆動回路5には交流波発振装置6が接続され、交流波信号Sacを供給するようになされる。
ITO膜3上の全面には、誘電性の膜の一例となるSiゴム膜4(膨脂膜)が設けられ、下部からの光を透過すると共に、操作者の指の押下力に対応してZ方向の厚み(距離d)が変化する。Siゴム膜4は、所望の弾性率、誘電率、光学透過率(光学特性)及び厚みを有している。Siゴム膜4の弾性率は、例えば、SiO2膜の弾性率と比べると低いものである。
この例で、ITO膜3とSiゴム膜4と操作者の指とによって静電容量(C=ε・S/d)が構成される。εはSiゴム膜4の誘電率であり、Sは操作者の指が入力面に触れている部分の面積(接触面積)であり、dはSiゴム膜4を介した操作者の指とITO膜3との間の距離である。Siゴム膜4の厚みは、操作者の指の加圧によりITO膜3との距離が変化すればよい程度である。
この例で、Siゴム膜4等の膨脂膜を使用するようにしたのは、当該入力装置100における操作者の指の接触位置において、ITO膜3とSiゴム膜4と操作者の指とによって構成される静電容量Cに依存した電圧検出情報(レベル)をそのZ方向への押下力に対応して変化させる。この変化の結果で得られる、操作者の指によるZ方向への押下力に基づく複数種類の電圧検出情報を検出するためである。
上述した膨脂膜は、Siゴム膜4に限定されることはなく、透明であり、弾性率が高い樹脂であれば何でもよい。膨脂膜には、例えば、厚みが0.5mm程度のSiゴム膜4を使用する。膨脂膜には、指(例えば、SR6 Siゴム)で、当該膨脂膜を垂直に加圧した場合、50gf印加時に0.1mm程度、更に、250gf印加時に0.3mm程度の変形を起し、透過率が80%以上であるような樹脂が好ましい。
次に、膨脂膜として使用可能な超透明ゴムの特性について説明する。膨脂膜としては、例えば、熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物から成る超透明ゴムが使用できる。この熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物または有機過酸化物硬化型オルガノポリシロキサン組成物とすることが望ましい。
この場合、超透明ゴムの成分である付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物は、
(I)1分子中に平均2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン100重量部、
(II)1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン0.1〜50重量部、及び、
(III)適度な触媒量の付加反応触媒からなるものである。
有機過酸化物硬化型オルガノポリシロキサン組成物は、
(i)1分子中に平均2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン100重量部及び、
(ii)適度な触媒量の有機過酸化物からなるものである。
ここで、超透明ゴムの成分(I)の付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物の1分子中に平均2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンとしては、次の平均組成式(1)で示されるものを用いる。
(1)式中、R1は互いに同一または異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換一価炭素水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数である。
超透明ゴムに関して上述の平均組成式(1)のR1で示されるケイ素原子に結合した非置換又は置換の一価炭素水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基トリフロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。
この場合、基R1の少なくとも2個はアルケニル基(特に炭素2〜8のものが好ましく、更に好ましくは2〜6である)である。なお、アルケニル基の含有量は、ケイ素原子に結合する全有機基中(即ち、前記平均組成式(1)におけるR1としての非置換又は置換の一価炭素水素基中)0.001〜20モル%、特に0.01〜10モル%とすることが好ましい。
このアルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、両者に結合していてもよいが、組成物の硬化速度、硬化物の物性等の点から、本発明で用いるオルガノポリシロキサンは、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含んだものであることが好ましい。
上述のオルガノポリシロキサンの構造は、通常は、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された基本的には直鎖状構造を有するジオルガノポリシロキサンであるが、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよい。このアルケニル基含有オルガノポリシロキサンの重合度(重量平均重合度)50〜20,000、好ましくは100〜2000程度のものが使用される。この平均重合度が50未満では、硬化物としてのゴム物性が不充分な場合がある。
また、超透明ゴムの成分(II)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、次の平均組成式(2)で示され、1分子中に少なくとも2個(通常2〜200個)好ましくは、3個以上、より好ましくは3〜150個程度のケイ素原子結合水素原子(即ち、SiH基)を有することが必要である。
上述の平均組成式(2)の中で、R2は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭素水素基であり、この基R2としては先に示した平均組成式(1)中のR1と同様の基を上げることができる。また、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0で、かつb+cは0.8〜3.0を満足する正数であり、好ましくはbは1.0〜2.0、cは0.01〜1.0、b+cは1.5〜2.5である。
上述の超透明ゴムの成分で、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上含有されるSiH基は、分子鎖末端、分子鎖途中のいずれに位置してもよく、また、この両方に位置するものであってもよい。更にまた、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は通常2〜300個、好ましくは4〜150個程度の室温(25℃)で液状のものが望ましい。
上述の平均組成式(2)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして具体的には、例えば1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ギメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキシサン・メチルハイドロジェンシロキシサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキシサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンロキサン・ジフェニルシ共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキシサン・ジフェニルシロキサン共重合体、(CH3)2HSiO 1/2単位と(CH3)3SiO 1/2単位の他にSiO2 4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO 1/2単位とSiO 4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO 1/2単位の他にSiO 4/2単位と(C6H5)3SiO 4/2単位とからなる共重合体などが挙げられる
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、超透明ゴムの成分(I)のオルガノポリシロキサン100重量部に対して0.1〜50重量部、特に0.3〜20重量部とすることが好ましい。
また、超透明ゴムの成分(II)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、その成分(I)中のケイ素原子に結合したアルケニル基1モルに対して、その成分(II)中のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)の量が0.5〜5モル特に0.8〜2.5モル程度となる量で配合することもできる。
なお、超透明ゴムの成分(III)の付加反応触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などの白金族金属触媒が挙げられる。この付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができ、通常、白金族金属として0.5〜1000ppm、特に1〜500ppm程度とすればよい。また、超透明ゴムの成分(I)の付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物の1分子中に平均2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンとしては、超透明ゴムの成分(I)と同様のものを使用することが出来る。
また、超透明ゴムの成分(ii)の有機過酸化物としては、従来公知のものを使用することができ、例えばベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチルービス(2.5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジーt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,6−ビス(t−ブチルパーオキシカルオキシ)ヘキサン等が挙げられる。
有機過酸化物の配合量は、触媒量で示され、通常、超透明ゴムの成分(I)のオルガノポリシロキサン100重量部に対して0.01〜10重量部とすることができる。有機過酸化物硬化型オルガノポリシロキサン組成物は、超透明ゴムの成分(I)及び成分(ii)にて構成される。これにより、Siゴム膜4等の膨脂膜を構成することができる。
図2A〜Cは、入力装置100のZ方向の検出原理を示す断面図である。図2Aに示す入力装置100は、基板1上に抵抗調整膜2、ITO膜3及びSiゴム膜4が順次積層され、押下スイッチとしての機構的な構成がなされている。Siゴム膜4の静止時の厚みはd1である。ここで、接地(GND)を基準にして、Siゴム膜4上に操作者の指30aを接近したとき、指30aとSiゴム膜4との間の空間に分布する静電容量は、C1で示される。ITO膜3上のSiゴム膜4を誘電体とする静電容量は、C2で示される。なお、Siゴム膜4上に接近する操作者の指30aは、等価的に抵抗R3及び静電容量C3の直列回路で示すことがきる。これを状態”A”という。
更に、操作者の指30aをSiゴム膜4上に接近させ、そのSiゴム膜4上に軽く接触したとき、指30aとSiゴム膜4との間の静電容量C1は分布し無くなる。この入力位置に、ITO膜3とSiゴム膜4と操作者の指30aとによって静電容量C2(=ε・S1/d1)が分布される。εはSiゴム膜4の誘電率であり、S1は操作者の指30aが入力面に軽く触れている部分の面積(接触面積)であり、d1はSiゴム膜4を介した操作者の指30aとITO膜3との間の距離である。例えば、Siゴム膜4上に人指し指30aで50gf(なぞり)程度の力を加えた状態である。これを状態”B”という。
更に、またその入力位置で、操作者はSiゴム膜4上に人指し指30aで250gf(押込み)程度の力を加える。これを状態”C”という。このとき、ITO膜3とSiゴム膜4と操作者の指30aとによって静電容量C2’(=ε・S2/d2)が分布される。εはSiゴム膜4の誘電率であり、S2は操作者の指30aが入力面に強く押された部分の面積(接触面積;S1<S2)であり、d1はSiゴム膜4を介した操作者の指30aとITO膜3との間の距離(d1>d2)である。
この状態”B”の静電容量C2と状態”C”の静電容量C2’との関係は、C2’>C2である。つまり、操作者の指30aが入力面に軽く触れている場合の静電容量C2に比べて、指30aを入力面に強く押した場合の静電容量C2’の方が大きくなる。この静電容量のC2→C2’の変化は、検出電圧V1、V2に現れる。この検出電圧V1、V2の変化を予め設定した閾値で判別すると、操作者の指30aのなぞり(50gf)又は押込み(押下;250gf)をCPU等の制御系で判別できるようになる。制御系は、例えば、なぞり及び押込みの違いをZ方向の閾値で区別するようになされる。
図3A及びBは、入力装置100の駆動回路5及び抵抗調整膜2の構成例を示す回路図である。図3Aに示す駆動回路5によれば、X方向の検出系を注目した場合、2個のバイポーラトランジスタQ1,Q2と、4個の抵抗器R11、R13、R21、R23を有して構成される。Y方向の検出系も同様に構成されるので、その説明は割愛する。
図3Aにおいて、抵抗器R13及びR23の各々の一端は、電源線VCCに接続される。抵抗器R13の他は、npn型のバイポーラトランジスタ(以下単にトランジスタという)Q1のコレクタに接続され、抵抗器R23の他も、npn型のバイポーラトランジスタ(以下単にトランジスタという)Q2のコレクタに接続される。各々のトランジスタQ1,Q2のベースは、交流波発振装置6に接続される。
各々のトランジスタQ1,Q2のエミッタ間には、図3Bに示す抵抗調整膜2が接続される。図3Bにおいて、抵抗調整膜2のX方向での、”なぞり”及び”押込み”に供されるスライド範囲は、X=0からX=MAXに至るまでである。X=0は、抵抗調整膜2の一端であり、X=MAXは、その抵抗調整膜2の他端である。
例えば、トランジスタQ1のエミッタには、抵抗調整膜2の一方の端部の引出し端子53及び抵抗器R11の一端が接続され、トランジスタQ2のエミッタには、抵抗調整膜2の他方の端部の引出し端子54及び抵抗器R21の一端が接続される。抵抗器R11及びR21の各々の他端は、接地線GNDに接続される。
トランジスタQ1のコレクタには出力端子51が接続され、検出電圧V1を出力するようになされる。トランジスタQ2のコレクタにも出力端子52が接続され、検出電圧V2を出力するようになされる。このように、駆動回路5を構成すると、状態”A”、”B”及び”C”、すなわち、操作者の指30aのなぞり又は押込みによる静電容量C2→C2’によって変化する複数の検出電圧V1,V2を得ることができる。
図4A及びBは、駆動回路5における”なぞり”及び”押込み”時の動作例を示す回路図である。
図4Aに示す駆動回路5によれば、操作者の指30aによる”なぞり”状態(B状態)のときは、抵抗調整膜2がX方向で定点I(x=I)で分圧(分割)される。その定点Iを基準した分割抵抗はR1、R2である。この定点Iにおける抵抗分圧点には、図2Bに示した操作者の指30aの等価回路R3+C3に静電容量C2が直列に接続される。これにより、駆動回路5は、操作者の指30aの”なぞり”状態による静電容量C2に基づく検出電圧V1,V2を出力するようになる。
また、その入力位置で、操作者はSiゴム膜4上を指30aで強く押し込む。このとき、図4Bに示す駆動回路5によれば、操作者の指30aによる”押込み”状態(C状態)で、抵抗調整膜2がX方向で定点Iで分圧されたままである。そして、この定点Iにおける抵抗分圧点には、図2Bに示した操作者の指30aの等価回路R3+C3に静電容量C2’が直列に接続される。これにより、駆動回路5は、操作者の指30aの”押込み”状態による静電容量C2’に基づく検出電圧V1’,V2’を出力するようになる。図中、静電容量C2’は距離d1によって容量が変化する可変コンデンサで示している。検出電圧V1,V2と検出電圧V1’,V2’との関係は、例えば、V1’>V1、V2’>V2である。
図5は、駆動回路5によるXY位置情報の検出例を示す特性図である。図5において、縦軸は検出電圧VXであり、駆動回路5から得られる検出電圧V1,V2である。横軸は、入力位置であり、スライド範囲を示している。スライド範囲は、X=0〜X=MAXである。図中、右肩上がりの一点鎖線は、非接触(A)状態で入力位置をX=0(左側)からX=MAX(右側)に至る範囲を移動して検出した電圧である。右肩上がりの波線は、同様にして、なぞり(B)状態で入力位置をX=0からX=MAXに至る範囲をスライドして検出した電圧である。更に、右肩上がりの実線は、押込み(C)状態で、入力位置をX=0からX=MAXに至る範囲をスライドして検出した電圧である。
反対に、左肩上がりの一点鎖線は、非接触(A)状態で入力位置をX=MAX(右側)からX=0(左側)に至る範囲を移動して検出した電圧である。左肩上がりの波線は、同様にして、なぞり(B)状態で入力位置をX=MAXからX=0に至る範囲をスライドして検出した電圧である。更に、左肩上がりの実線は、押込み(C)状態で、入力位置をX=MAX(左側)からX=0(右側)に至る範囲をスライドして検出した電圧である。なお、二点鎖線はZ方向の定点Iを示す線である。
この例では、Z方向の入力動作現象(なぞる及び押込む)に関して、検出電圧V1(又はV2)の絶対値を読み取るようになされる。ここで、検出電圧V1及びV2に関して、定点Iにおいて、指30aが入力面に近いが触れていないA状態(非接触状態)の検出電圧をV1A、V2Aとし、指30aが入力面に軽く触れているB状態の検出電圧をV1B、V2Bとし、指30aがB状態よりも強く押されているC状態の検出電圧をV1C、V2Cとする。C状態では、ダイナミックにSiゴム膜4がへこむ状態である。
このような定点Iにおいて、上述の検出電圧V1A,V2A,V1B,V2B,V1C,V2Cの間には、V1A:V2A=V1B:V2B=V1C:V2C、かつ、V1A<V1B<V1Cなる関係がある。すなわち、任意の定点IにおけるXY位置情報(二次元情報)は、V1X:V2X(X=A,B,C)により与えられる。
図6は、定点IにおけるZ方向の検出電圧V2Fの判別例を示す特性図である。
この実施例では、Z方向の押下入力について、なぞりや、押込み等の入力を区別できるようにした。例えば、指30aでSiゴム膜4上を50gfと250gfとで押下した場合に、その相違を検出できるようになった。この例では、入力位置によって閾値を変化させている。つまり、その都度、その入力位置に適した閾値を設定するようになされる。
図6において、縦軸は検出電圧VX=V2であり、横軸は入力位置であり、左位置はX=0で右位置はX=XMAXである。従来方式では、状態A〜Cの現象が区分できなかったが、本発明方式では、その絶対値を判別できるようになったので、状態A〜Cの現象を区分できるようになった。つまり、従来方式のように抵抗調整膜2の分圧を見ながらXY位置情報を検出すると共に、本発明方式では、押下力250gfや50gf等の変化量に対する検出電圧VXの絶対値を検出するようにした。
この例で、状態Cをこれ以上、電圧検出情報が上昇しないMAXの状態と定義する。例えば、Siゴム膜4上を1000gfで押す場合に検出電圧V2=MAXが検出される状態とする。状態CでSiゴム膜4上を押下しながらX方向を一端から他端まで(X=0〜MAX)なぞったときに、駆動回路5から出力される検出電圧V2の値をX方向の分解能数分だけ計測し、又は、それ以下の分解能刻みで検出電圧V2の値を計測する。これを関数f(x)とする。
また、範囲0<a<1となる定数aを関数f(x)に設定して、g(x)=a・f(x)なる関数を作成する。g(x)=a・f(x)なる関数は、予め準備してROM等に格納するようになされる。この関数g(x)は、定点IにおけるZ方向の検出電圧V2を判別する際に、閾値g(I)を得るために設定される閾値関数となる。例えば、関数g(x)は、力F対検出電圧V2特性が線形で、なおかつ、状態Cがf(x)=1000gfのとき、定数aを0.25とした場合に250gfとなる。
ここで、ある入力位置(定点I)で、ある力Fで入力面を押下した場合において、上述の関数g(x)を使用して、その定点IにおけるZ方向の検出電圧V2Fを判別する手順を示す。このときの検出電圧V2はV2=V2Fとする。この場合、まず、制御系は、駆動回路5から出力される検出電圧V2Fを読み込む。次に、制御系は、ROMに記述された閾値関数g(x)を参照して、定点Iにおける閾値g(I)を読み出すようになされる。
その後、定点Iにおける検出電圧V2Fと閾値g(I)とを比較する。V2F>閾値g(I)の場合は、状態A(押込み)フラグを立てて上位の制御系に「押込み」を送信する。また、V2F<閾値g(I)の場合は、状態B(なぞり)フラグを立てて上位の制御系に「なぞり」を送信する(三次元情報)。
表1には、X方向のスライド範囲(入力位置)X=0〜x=MAXに対する関数f(x)と関数g(x)との関係例を示している。
表1によれば、入力位置X=0で、関数f(x)と関数g(x)とは共に「0」である。X=1で、関数f(x)=αのとき、関数g(x)はaαである。同様にして、X=2で、関数f(x)=βのとき、関数g(x)はaβであり、X=3で、関数f(x)=γのとき、関数g(x)はaγである。もちろん、閾値関数g(x)は、複数存在してもよく、その場合のアルゴリズムについては、図11で説明する。
このように、第1の実施例としての入力装置100によれば、X方向及びY方向を規定した入力操作領域において、抵抗調整膜2は、操作者の指30aの入力位置を検出する。抵抗調整膜2上の全面に設けられたITO膜3は、平面(蓄積)電極を構成する。ITO膜3上の全面にはSiゴム膜4が設けられる。このSiゴム膜4は、所望の弾性率、誘電率、光学透過率及び厚みを有している。静電容量Cは、ITO膜3とSiゴム膜4と操作者の指30aとによって構成される。Siゴム膜4は、下方からの光を透過すると共に、操作者の指30aの押下力に対応してZ方向の厚みが変化する。
従って、操作者の指30aの入力位置で検出される静電容量Cに依存した電圧検出情報(レベル)をそのZ方向への押下力に対応して変化させることができる。これにより、操作者の指30aによるZ方向への押下力を複数種類の電圧検出情報として検出することができる。従って、当該入力装置100を三次元検出機能付きのタッチパネルに応用できるようになる。
図7は、第2の実施例としてのタッチパネル101の構成例を示す斜視図である。図7に示すタッチパネル101は、下部筐体10、上部筐体20及び表示入力ユニット40を有して構成される。
下部筐体10は、箱状を有しており、その一辺の長さは、L1[mm]で、幅がW1[mm]で、高さがH1[mm]程度を有している。下部筐体10は、底部10a及び開放面を有し、かつ、側面に係合部を有したものが使用される。下部筐体10の側面には、係合部として、1組の細長い断面三角状の係合爪部7a,7bが形成され、反対側の側面にも、1組の係合爪部7c,7d(図示せず)が形成される。下部筐体10には、所定の厚みを有した合成樹脂部材や、アルミニウム、鉄、銅又はこれらの合金、ステンレススチール(SUS)等の金属部材が使用される。
上部筐体20は、下部筐体10よりも広く、その一辺は、長さがL2[mm]で、幅がW2[mm]で、高さがH2[mm]程度の箱状を有している。上部筐体20には、下部筐体10と同様にして、所定の厚みを有した合成樹脂部材や金属部材等が使用される。上部筐体20は、映像表示面を見通せるような表示窓部20a及び当該表示窓部20aの反対側に開放面を有し、かつ、側面に係合穴部8a,8b,8c,8dを有したものが使用される。表示窓部20aは、表示入力ユニット40の表示面の大きさよりも、やや小さめな四角形状を有しており、その一辺の長さがl[mm]で、幅がw[mm]程度を有している。下部筐体10や上部筐体20等を樹脂成形する場合は、射出成形金型が使用される。これら筐体10,20を金属成形する場合は、プレス加工機や、穴開け加工機、板金加工機等が使用される。
表示入力ユニット40は、下部筐体10と上部筐体20との間に挟まれる形態で収納される。例えば、下部筐体10と上部筐体20との間に表示入力ユニット40を収納した状態で、係合爪部7aが係合穴部8aに係合され、係合爪部7bが係合穴部8bに係合され、係合爪部7cが係合穴部8cに係合され、係合爪部7dが係合穴部8dに各々係合されて一体部品化される。
表示入力ユニット40は、入力手段24及び表示手段29を有して構成される。表示手段29は、表示モジュール用の上部ガラス基板29a、下部ガラス基板29b及び光学シート29cを有して構成され、入力項目選択用の画面やアイコン等を表示するようになされる。表示手段29には、液晶表示パネルが使用される。上部ガラス基板29a及び下部ガラス基板29bは、幅がW2[mm]、その長さがほぼL2[mm」程度を有している。下部ガラス基板29bの裏面(下方)には、光学シート29cが設けられ、光を出射するようになされる。光学シート29cは、下部ガラス基板29bよりも短く、下部ガラス基板29bと光学シート29cとは、長さL2−Lの差を有している。このW×(L2−L)の領域を電子部品実装領域となされる。電子部品実装領域には、図1に示したような駆動回路5を構成するIC等が実装される。
上部ガラス基板29a及び下部ガラス基板29bの間には、図示しないスペーサ部材が設けられ、この間には液晶が封入される。上部ガラス基板29a及び下部ガラス基板29bには、厚み0.33mm程度の無アルカリ性のガラス板が使用される。表示手段29が平面表示装置の場合には、上部ガラス基板29a及び下部ガラス基板29bの間にEL層が設けられる。
上部ガラス基板29a上には入力手段24が設けられ、操作者の指30aの押下位置を検出して位置検出信号を出力する機能及び操作者の指30aの押圧力を検出して力検出信号を出力する機能とを有している。入力手段24には、本発明に係る三次元入力機能付きの入力装置100が応用される。
入力手段24は、上部ガラス基板29a上に抵抗調整膜2、ITO膜3及びSiゴム膜4を順次積層して構成される。上部ガラス基板29a上には、入力操作領域を有する抵抗調整膜2が設けられ、操作者の指30aの接触(入力)位置を検出するようになされる。入力操作領域の大きさは、長さがL[mm]程度で、幅がW[mm]程度である。この例で、入力操作領域には、X方向及びY方向が規定され、また、入力操作領域に対する鉛直方向がZ方向と規定されている。
抵抗調整膜2上の全面には、ITO膜3が設けられ、平面(蓄積)電極を構成すると共に下部からの映像表示光を透過するように使用される。ITO膜3上の全面には、Siゴム膜4(膨脂膜)が設けられ、下部からの映像表示光を透過すると共に、操作者の指30aの押下力に対応してZ方向の厚みが変化する。Siゴム膜4は、所望の弾性率、誘電率、光学透過率(光学特性)及び厚みを有している。
上述のITO膜3とSiゴム膜4と操作者30aの指とによって静電容量Cが構成される。この静電容量Cに依存した電圧検出情報をそのZ方向への押下力に対応して変化させる。この変化の結果で得られる、操作者の指30aによるZ方向への押下力に基づく複数種類の電圧検出情報を検出するようになされる。
図8は、タッチパネル101の制御系の構成例を示すブロック図である。図8に示すタッチパネル101は、駆動回路5、入力手段24、表示手段29、ROM37、判別手段39及び映像処理部44’を有して構成される。判別手段39は、A/Dドライバ31及びCPU32を有している。
映像処理部44’は、CPU32からの[D]指令に基づいて表示信号Svを出力する。映像処理部44’には表示手段29が接続され、表示信号Svに基づいて入力項目選択用の画面を表示するようになされる。
表示手段29の前面には入力手段24が配置され、入力項目選択用の表示画面の中からアイコンを選択して情報を入力するように操作される。入力手段24には駆動回路5が接続され、操作者の指30aの入力位置や、X方向又はY方向への「なぞり」、Z方向への「押下」を検出して、位置検出及び力検出に係る検出電圧V1,V2を出力するようになされる。
駆動回路5にはA/Dドライバ31が接続され、検出電圧(値)V1,V2をアナログ・デジタル変換して位置検出に係る検出電圧データ(位置検出情報)Dを出力し、また、入力量(押下力F)に係る検出電圧データ(押下力検出情報)D2を出力する。A/Dドライバ31にはCPU32が接続される。CPU32にはROM37が接続され、操作者の指30aの押下力を判別するための閾値関数を二値化した閾値データDthが格納される。
閾値関数は、入力手段24の入力操作領域の一端から他端に至る入力位置に関して許容最大力で連続又は所定のステップで押下した際に検出される最大検出電圧値V2=MAXを取得し、ここに取得された入力操作領域の一端から他端に至る入力位置に対応する最大検出電圧値V2=MAXに定数a[0<a<1]を演算して作成されたものである。閾値関数は、定点IにおけるZ方向の検出電圧V2を判別する際に、関数g(x)から閾値g(I)を得るために設定される。
CPU32は、電圧検出データD1,D2を入力して操作者の指30aの押下力を判別するようになされる。例えば、定点Iの電圧検出情報V2Fに関してCPU32は、電圧検出データD2に対して一つ以上の閾値データDthを設定し、電圧検出情報V2Fと閾値g(I)とを比較し、電圧検出情報V2Fが閾値g(I)を越える場合は、操作者の指30aのZ方向への「押下」を判別し、電圧検出情報V2Fが閾値g(I)以下である場合は、操作者の指30aのX方向又はY方向への「なぞり」を判別する。このようにすると、単一のアルゴリズムを追加するのみにより、現在の入力位置における操作者の指30aの押下力に対するZ方向への「押下」又はX方向又はY方向への「なぞり」を判別できるようになる。
続いて、タッチパネル101の第1の動作例を説明する。図9は、定点Iにおける”なぞり”及び”押込み”の判別例を示すフローチャートである。
この実施例では、入力手段24におけるある入力位置(定点I)で、ある力Fで入力面を押下した場合において、ROM37に格納された閾値関数g(x)を使用して、その定点IにおけるZ方向の検出電圧V2Fを判別する場合を例に採る。このときの検出電圧V2はV2=V2Fとする。
これを判別条件にして、図9に示すフローチャートのステップE1でA/Dドライバ31は、駆動回路5から出力される検出電圧V2Fを読み込む。次に、ステップE2でCPU32は、ROM37に記述された閾値関数g(x)を参照して、定点Iにおける閾値データDth=閾値g(I)を読み出すようになされる。
その後、ステップE3でCPU32は、定点Iにおける検出電圧V2Fと閾値g(I)とを比較する。検出電圧V2F>閾値g(I)の場合は、ステップE4に移行して、状態A(押込み)フラグを立てて上位の制御系に「押込み」を送信する。また、検出電圧V2F<閾値g(I)の場合は、ステップE5に移行して状態B(なぞり)フラグを立てて上位の制御系に「なぞり」を送信する(三次元情報)。その後、ステップE1に戻って上述した処理を繰り返すようになされる。
このように、第2の実施例としてのタッチパネル101によれば、入力手段24は、表示手段29の上部に配置され、操作者の指30aの接触位置を検出する機能及び操作者の指30aの押圧力を検出する機能を有している。入力手段24には本発明の入力装置100が応用される。これを前提にして、操作者の指30aの入力位置で検出される静電容量Cに依存した電圧検出データD2(レベル)をそのZ方向への押下力に対応して変化させることができる。
従って、操作者の指30aによるZ方向への押下力を複数種類の電圧検出データD2によって検出できるので、これらの電圧検出データD2と閾値データDthとを比較することで、現在の入力位置における操作者の指30aの押下力に対するZ方向への「押下」又はX方向又はY方向への「なぞり」を判別できるようになる。これにより、操作者の指30aの押下力に対するZ方向への「押下」、X方向又はY方向への「なぞり」を判別可能な三次元検出機能付きのタッチパネル101を提供に寄与するところが大きい。
図10は、第3の実施例としてのタッチパネル101に係る複数の閾値関数の設定例を示す特性図である。
この実施例では、CPU32に設定するための複数の閾値関数を記憶したROM37を備え、各々閾値関数は、入力手段24の入力操作領域の一端から他端に至る入力位置に関して許容最大力で連続又は所定のステップで押下した際に検出される最大検出電圧値を取得し、ここに取得された入力操作領域の一端から他端に至る入力位置に対応する最大検出電圧値に各々が異なった定数a,b,c[0<c<b<a<1]を演算して作成されたものである。
図10において、縦軸は検出電圧VX=V2であり、横軸は入力位置であり、左位置はX=0で右位置はX=XMAXである。
この例でも、状態Cをこれ以上、電圧検出情報V2が上昇しないMAXの状態と定義する。例えば、Siゴム膜4上を1000gfで押す場合に検出電圧V2=MAXが検出される状態とする。状態CでSiゴム膜4上を押下しながらX方向を一端から他端まで(X=0〜MAX)なぞったときに、駆動回路5から出力される検出電圧V2の値をX方向の分解能数分だけ計測し、又は、それ以下の分解能刻みで検出電圧V2の値を計測する。これを関数f(x)とする。
この例では、第2の実施例と異なり、範囲0<c<b<a<1となる定数a、b,cを関数f(x)に設定して、g(x)=a・f(x)、h(x)=b・f(x)及びi(x)=c・f(x)なる3つの関数を作成する。g(x)=a・f(x)、h(x)=b・f(x)及びi(x)=c・f(x)なる関数は、予め準備してROM37等に格納するようになされる。
この関数g(x)、h(x)及びi(x)は、閾値データDthによって設定される。関数g(x)は、定点IにおけるZ方向の検出電圧V2を判別する際に、閾値g(I)を得るために設定される閾値関数となる。例えば、関数g(x)は、力F対検出電圧V2特性が線形で、なおかつ、状態Cがf(x)=1000gfのとき、定数aを0.8とした場合に800gfとなる。
関数h(x)は、定点IにおけるZ方向の検出電圧V2を判別する際に、閾値h(I)を得るために設定される閾値関数となる。例えば、関数h(x)は、上述と同様にして、f(x)=1000gfのとき、定数bを0.55とした場合に550gfとなる。関数i(x)は、定点IにおけるZ方向の検出電圧V2を判別する際に、閾値i(I)を得るために設定される閾値関数となる。例えば、関数i(x)は、上述と同様にして、f(x)=1000gfのとき、定数cを0.3とした場合に300gfとなる。
表2には、X方向のスライド範囲(入力位置)X=0〜x=MAXに対する関数f(x)と、関数g(x)、h(x)及びi(x)との関係例を示している。
表2によれば、入力位置X=0で、関数f(x)、関数g(x)、関数h(x)及び関数i(x)は共に「0」である。X=1で、関数f(x)=αのとき、関数g(x)はaαであり、関数h(x)はbαであり、関数i(x)はcαである。同様にして、X=2で、関数f(x)=βのとき、関数g(x)はaβであり、関数h(x)はbβであり、関数i(x)はcβである。X=3で、関数f(x)=γのとき、関数g(x)はaγであり、関数h(x)はbγであり、関数i(x)はγβである。
続いて、タッチパネル101の第2の動作例を説明する。図11は、定点Iにおける押下状態”イ”、”ロ”、”ハ”、”ニ”の判別例を示すフローチャートである。
この例では、図10に示すように、ある位置(定点)x=Iで、ある力Fで入力面を押下した場合に、関数f(x)と関数g(x)の間の押下状態(押込み)を(イ)とし、関数g(x)と関数h(x)の間の押下状態(なぞり#2)を(ロ)とし、関数h(x)と関数i(x)の間の押下状態(なぞり#1)を(ハ)とし、関数i(x)よりも弱い押下状態(非接触)を(ニ)とする。このときの検出電圧V2はV2=V2Fとする。入力手段24におけるある入力位置(定点I)で、ある力Fで入力面を押下した場合において、ROM37に格納された閾値関数g(x)、h(x)及びi(x)を使用して、その定点IにおけるZ方向の検出電圧V2Fを判別する場合を例に採る。
これを判別条件にして、図11に示すフローチャートのステップST1でA/Dドライバ31は、駆動回路5から出力される検出電圧V2Fを読み込む。次に、ステップST2でCPU32は、ROM37に記述された閾値関数i(x)を参照して、定点Iにおける閾値データDth=閾値i(I)を読み出すようになされる。
その後、ステップST3でCPU32は、定点Iにおける検出電圧V2Fと閾値i(I)とを比較して、検出電圧V2Fと閾値i(I)の大小を判別する。検出電圧V2F≦閾値i(I)の場合は、ステップST4に移行して、押下状態”ニ”(非接触)フラグを立てて上位の制御系に「非接触」を送信する。また、検出電圧V2F>閾値g(I)の場合は、ステップST5に移行して、定点Iにおける閾値データDth=閾値h(I)を読み出すようになされる。
その後、ステップST6でCPU32は、定点Iにおける検出電圧V2Fと閾値h(I)とを比較して、検出電圧V2Fと閾値h(I)の大小を判別する。検出電圧V2F≦閾値h(I)の場合は、ステップST7に移行して、押下状態”ハ”(なぞり#1)フラグを立てて上位の制御系に「なぞり#1」を送信する。また、検出電圧V2F>閾値h(I)の場合は、ステップST8に移行して、定点Iにおける閾値データDth=閾値g(I)を読み出すようになされる。
その後、ステップST9でCPU32は、定点Iにおける検出電圧V2Fと閾値g(I)とを比較して、検出電圧V2Fと閾値g(I)の大小を判別する。検出電圧V2F≦閾値g(I)の場合は、ステップST10に移行して、押下状態”ロ”(なぞり#2)フラグを立てて上位の制御系に「なぞり#2」を送信する。また、検出電圧V2F>閾値g(I)の場合は、ステップS11に移行して、押下状態”イ”(押込み)フラグを立てて上位の制御系に「押込み」を送信する(三次元情報)。その後、ステップST1に戻って上述した処理を繰り返すようになされる。
このように、第3の実施例としてのタッチパネル101によれば、入力手段24は、表示手段29の上部に配置され、操作者の指30aの接触位置を検出する機能及び操作者の指30aの押圧力を検出する機能を有している。入力手段24には本発明の入力装置100が応用される。これを前提にして、操作者の指30aの入力位置で検出される静電容量Cに依存した電圧検出データD1、D2(レベル)をそのZ方向への押下力に対応して変化させることができる。
従って、操作者の指30aによる定点IにおけるZ方向への押下力を電圧検出データD1、D2によって検出できるので、これらの電圧検出データD1、D2と3種類の閾値データDth=関数g(x)、h(x)及びi(x)に基づく関数g(I)、h(I)又はi(I)とを比較することで、現在の入力位置における操作者の指30aの押下力に対するZ方向への「押込み」、又は、X方向又はY方向への「なぞり#2」、「なぞり#1」、「非接触」を判別できるようになる。これにより、操作者の指30aの押下力に対するZ方向への「押下」、X方向又はY方向への「なぞり#1、#2」、「非接触」を判別可能な三次元検出機能付きのタッチパネル101を提供に寄与するところが大きい。
図12は、第4の実施例としてのタッチパネル102の構成例を示す斜視図である。この実施例では、Siゴム膜4上の全面に絶縁性の膜が設けられ、下方からの映像表示光を透過するようになされる。
図12に示すタッチパネル102は、下部筐体10、上部筐体20及び表示入力ユニット40’を有して構成される。表示入力ユニット40’は、下部筐体10と上部筐体20との間に挟まれる形態で収納される。表示入力ユニット40’は、入力手段24’及び表示手段29を有して構成される。
この例でも、上部ガラス基板29a上には入力手段24’が設けられ、操作者の指30aの押下位置を検出して位置検出信号を出力する機能及び操作者の指30aの押圧力を検出して力検出信号を出力する機能を有している。入力手段24’には、本発明に係る三次元入力機能付きの入力装置100が応用される。
入力手段24’は、上部ガラス基板29a上に抵抗調整膜2、ITO膜3、Siゴム膜4及びSiO2膜9を順次積層して構成される。SiO2膜9は、絶縁性の膜の一例であり、表示手段29からの映像表示光を透過するようになされる。SiO2膜9はSiゴム膜4よりも剛性を有しており、Siゴム膜4上を保護すると共に押下時、第1の実施例に比べて接触面積を広くするように機能する。
この例でも、ITO膜3上の全面に設けられたSiゴム膜4(膨脂膜)は、下部からの映像表示光を透過すると共に、操作者の指30aの押下力に対応してZ方向の厚みが変化する。Siゴム膜4は、所望の弾性率、誘電率、光学透過率(光学特性)及び厚みを有している。上述のITO膜3とSiゴム膜4とSiO2膜9と操作者30aの指とによって静電容量Cが構成される。
この静電容量Cに依存した電圧検出情報V1,V2をそのZ方向への押下力に対応して変化させる。この変化の結果で得られる、操作者の指30aによるZ方向への押下力に基づく複数種類の電圧検出情報V1,V2を検出するようになされる。なお、第1の実施例と同じ名称及び同じ符号のものは同じ機能を有するのでその説明を省略する。
このように、第4の実施例としてのタッチパネル102によれば、入力手段24’は、表示手段29の上部に配置され、操作者の指30aの接触位置を検出する機能及び操作者の指30aの押圧力を検出する機能を有している。入力手段24には本発明の入力装置100が応用され、しかも、Siゴム膜4上の全面にSiO2膜9が設けられるので、入力面を保護しつつ、操作者の指30aの入力位置で検出される静電容量Cに依存した電圧検出データD2(レベル)をそのZ方向への押下力に対応して変化させることができる。
従って、操作者の指30aによるZ方向への押下力を複数種類の電圧検出データD2を検出できるので、これらの電圧検出データD2と閾値データDthとを比較することで、現在の入力位置における操作者の指30aの押下力に対するZ方向への「押下」又はX方向又はY方向への「なぞり」を判別できるようになる。これにより、操作者の指30aの押下力に対するZ方向への「押下」、X方向又はY方向への「なぞり」を判別可能な保護膜付きの三次元検出機能付きのタッチパネルの提供に寄与するところが大きい。
図13は、第5の実施例としての三次元入力機能付きの携帯電話機200の構成例を示す斜視図である。
この実施例では、第1又は第2のタッチパネル101、102を携帯電話機に実装して三次元入力機能付きの携帯電話機200の構成し、その入力操作面において、操作者の指30a等のなぞり又は押込みを検出して情報を入力できるようにすると共に、表示手段29に表示されたボタンアイコン等の入力を確定できるようにしたものである。
図13に示す携帯電話機200は電子機器の一例であり、表示画面上の入力操作面を摺動接触操作及び押下操作される、例えば、三次元入力機能付きの入力装置100を有している。携帯電話機200は下部筐体60及び上部筐体70を備えている。この例で、第1のタッチパネル101が一体部品化された入力装置100を上部筐体70内に組み込まれる。もちろん、入力装置100に代えて、第2のタッチパネル102が一体部品化した入力装置100を上部筐体70内に組み込んでもよい。
これらの下部筐体60及び上部筐体70間は、回転レンジ機構11によって可動自在に係合されている。この回転レンジ機構11によれば、下部筐体60の操作面の一端に設けられた図示しない軸部と、下部筐体60の裏面の一端に設けられた図示しない軸受け部とが回転自在に係合され、上部筐体70は下部筐体60に対して角度±180°の回転自由度を有して面結合されている。
下部筐体60には、複数の押しボタンスイッチ12から成る操作パネル18が設けられる。押しボタンスイッチ12は、「0」〜「9」数字キー、「*」や「#」等の記号キー、「オン」や「オフ」等のフックボタン、メニューキー等から構成される。下部筐体60において、操作パネル面の下方には、通話用のマイクロフォン13が取付けられ、送話器として機能するようになされる。
また、下部筐体60の下端部には、モジュール型のアンテナ16が取付けられ、その上端内部側面には、大音響用のスピーカー36aが設けられ、着信メロディ等を放音するようになされる。下部筐体60には、バッテリーや回路基板17等が設けられ、下部筐体60の裏面にはカメラ34が取付けられている。
上述の下部筐体60に対して、回転レンジ機構11によって可動自在に係合された上部筐体70には、その表面の上方に通話用のスピーカー36bが取付けられ、受話器として機能するようになされる。上部筐体70のスピーカー取付け面の下方には、三次元入力機能付き入力装置100が設けられる。入力装置100は、入力手段24及び表示手段29を有しており、操作者の指30aの入力位置を検出して位置検出信号を出力する機能及び操作者の指30aの押圧力を検出して力検出信号を出力する機能とを有している。
入力手段24は、図1に示したように、X方向及びY方向を規定した入力操作領域で操作者の指30aの入力位置を検出する抵抗調整膜2と、この抵抗調整膜2上の全面に設けられて光を透過するITO膜3と、このITO膜3上の全面に設けられて光を透過すると共に、入力操作領域に対する鉛直方向をZ方向としたとき、操作者の指30aの押下力に対応してZ方向の厚みが変化するSiゴム膜4とを有する。
次に、携帯電話機200の内部構成例について説明をする。図14は、三次元入力機能付き携帯電話機200の内部構成例を示すブロック図である。
図14に示す携帯電話機200は、下部筐体60の回路基板17に各機能のブロックを実装して構成される。なお、図13に示した各部及び手段と対応する部分は、同一符号で示している。携帯電話機200は、制御手段15、操作パネル18、受信部21、送信部22、アンテナ共用器23、入力手段24、表示手段29、電源ユニット33、カメラ34及び記憶手段35を有している。
入力手段24は操作者30の指30aを介して少なくとも位置検出信号S1(検出電圧V1)および入力量(押圧力F)となる押下力検出信号S2(検出電圧V2)を制御手段15に出力するようになされる。制御手段15は制御系を構成し、A/Dドライバ31、CPU32、画像処理部26、ROM37及び映像&音声処理部44を有している。
A/Dドライバ31には、入力手段24からの位置検出信号S1および押下力検出信号S2が供給される。A/Dドライバ31ではカーソリングとアイコン選択の機能を区別するために位置検出信号S1および押下力検出信号S2よりなるアナログ信号をデジタルデータに変換する。この他にA/Dドライバ31は、このデジタルデータを演算処理して、カーソリング入力かアイコン選択情報かを検出し、カーソリング入力かアイコン選択かを区別するフラグデータD3あるいは位置検出情報(電圧検出データ)D1または押下力検出情報(電圧検出データ)D2をCPU32に供給するようになされる。これらの演算はCPU32内で実行してもよい。
A/Dドライバ31にはCPU32が接続される。CPU32はシステムプログラムに基づいて当該電話機全体を制御するようになされる。CPU32には記憶手段35が接続され、当該電話器全体を制御するためのシステムプログラムデータが格納される。図示しないRAMはワークメモリとして使用される。CPU32は電源オンと共に、記憶手段35からシステムプログラムデータを読み出してRAMに展開し、当該システムを立ち上げて携帯電話機全体を制御するようになされる。
CPU32にはROM37が接続され、当該CPU32に設定するための閾値関数が記憶されている。閾値関数は、入力手段24の入力操作領域の一端から他端に至る入力位置に関して許容最大力で連続又は所定のステップで押下した際に検出される最大検出電圧V2=MAXを取得し、ここに取得された入力操作領域の一端から他端に至る入力位置に対応する最大検出電圧V2=MAXに定数a[0<a<1]を演算して作成されたものである。
CPU32は、三次元入力機能付きの入力手段24から得られる位置検出情報D1及び押下力検出情報D2を入力して操作者の指30aの入力位置及び押下力を判別する。CPU32は、操作者の指30aの入力位置を検出した際に得られる押下力検出情報D2と、ROM37から読み出した当該入力位置の閾値関数とを比較し、比較結果に基づいて、操作者の指30aの「なぞり」又は「押下」を判別する。
例えば、CPU32は、押下力検出情報D2に対して一つ以上の閾値データDthを設定し、押下力検出情報D2と閾値データDthとを比較し、押下力検出情報D2が閾値データDthを越える場合は、操作者の指30aのZ方向への「押下」を判別し、押下力検出情報D2が閾値データDth以下である場合は、操作者の指30aのX方向又はY方向への「なぞり」を判別する。このようにすると、単一のアルゴリズムを追加するのみにより、現在の入力位置における操作者の指30aの押下力に対するZ方向への「押下」又はX方向又はY方向への「なぞり」を判別できるようになる。
上述したROM37に記憶する閾値関数は、入力手段24の入力操作領域の一端から他端に至る入力位置に関して許容最大力で連続又は所定のステップで押下した際に検出される最大検出電圧V2=MAXを取得し、ここに取得された入力操作領域の一端から他端に至る入力位置に対応する最大検出電圧V2=MAXに各々が異なった定数a,b,c[0<c<b<a<1]を演算して作成されたものであってもよい。
この例でROM37には、入力位置に対応する上限閾値関数(以下単に関数g(x)という)及び下限閾値関数(以下単に関数h(x)という)に係る閾値データDthが記憶され、CPU32は、押下力検出情報D2に対して閾値データDth=関数g(x)及び関数h(x)を設定し、押下力検出情報D2が閾値データDth関数g(x)を越える場合は、操作者の指30aのZ方向への「押下」を判別し、押下力検出情報D2が閾値データDth=関数h(x)を越え、かつ、関数g(x)以下である場合は、操作者の指30aのX方向又はY方向への「なぞり」を判別する。このようにすると、単一のアルゴリズムを追加するのみにより、現在の入力位置における操作者の指30aの押下力に対するZ方向への「押下」又はX方向又はY方向への「なぞり」を判別できるようになる。
なお、CPU32は、A/Dドライバ31からの位置検出情報D1、押下力検出情報D2及びフラグデータD3(以下単に入力データともいう)を受けて所定の指令データ[D]を電源ユニット33や、カメラ34、記憶手段35、映像&音声処理部44等のデバイスに供給したり、受信部21からの受信データを取り込んだり、送信部2へ送信データを転送するように制御する。
上述のCPU32には記憶手段35が接続される。記憶手段35には、入力項目選択用の表示画面を、例えば、表示手段29で3次元的に表示するための表示情報D4が記憶される。記憶手段35には、EEPROMや、ROM、RAM等が使用される。
表示手段29は、ユーザに入力操作を促すボタンやアイコンなどの画像情報を表示する。画像情報はCPU32から供給される指令[D]に基づいて表示される。表示手段29には液晶表示装置(LCD)や平面表示素子が使用される。CPU32には表示手段29の他に操作パネル18が接続される。
CPU32には画像処理部26が接続され、ボタンアイコンを3次元的に表示するための表示情報D4を画像処理するようになされる。画像処理後の表示情報D4は[D]指令として映像&音声処理部44に出力される。映像&音声処理部44は、デジタルの表示情報D4をアナログの表示信号Svに変換する。表示信号Svは、表示手段29に供給するようになされる。この例で、CPU32は、表示画面中のボタンアイコンを奥行方向に遠近感を有して3次元的に表示するように表示手段29を表示制御する。
このように構成された入力装置100を内蔵した携帯電話機200は、例えば、入力項目選択用の表示画面に表示された複数のボタンアイコンの1つを押下(接触)して当該表示画面上で三次元入力機能付きの入力手段24をZ方向に押下するようになされる。
表示手段29の表示内容は操作者の目による視覚により、スピーカー36a、36b等からの放音は、操作者の耳による聴覚により各機能を判断するようになされる。上述のCPU32には操作パネル18が接続され、例えば、相手方の電話番号を手動入力する際に使用される。表示手段29には上述のアイコン選択画面の他に映像信号Svに基づいて着信映像を表示するようにしてもよい。
また、図14に示すアンテナ16は、アンテナ共用器23に接続され、着呼時、相手方からの無線電波を基地局等から受信する。アンテナ共用器23には受信部21が接続され、アンテナ16から導かれる受信データを受信して映像や音声等を復調処理し、復調後の映像及び音声データDinをCPU32等に出力するようになされる。受信部21には、CPU32を通じて映像&音声処理部44が接続され、デジタルの音声データをデジタル/アナログ変換して音声信号Soutを出力したり、デジタルの映像データをデジタル/アナログ変換して映像信号Svを出力するようになされる。
映像&音声処理部44には大音響用及び受話器を構成するスピーカー36a、36bが接続される。スピーカー36aは、着呼時、着信音や着信メロディ等を鳴動するようになされる。スピーカー36bは、音声信号Sinを入力して相手方の話声30d等を拡大するようになされる。この映像&音声処理部44にはスピーカー36a、36bの他に、送話器を構成するマイクロフォン13が接続され、操作者の声を集音して音声信号Soutを出力するようになされる。映像&音声処理部44は、発呼時、相手方へ送るためのアナログの音声信号Sinをアナログ/デジタル変換してデジタルの音声データを出力したり、アナログの映像信号Svをアナログ/デジタル変換してデジタルの映像データを出力するようになされる。
CPU32には受信部21の他に、送信部22が接続され、相手方へ送るための映像及び音声データDout等を変調処理し、変調後の送信データをアンテナ共用器23を通じアンテナ16に供給するようになされる。アンテナ16は、アンテナ共用器23から供給される無線電波を基地局等に向けて輻射するようになされる。上述のCPU32には送信部22の他に、カメラ34が接続され、被写体を撮影して、例えば、静止画情報や動作情報を送信部22を通じて相手方に送信するようになされる。電源ユニット33は、バッテリー14を有しており、操作パネル18、受信部21、送信部22、入力手段24、表示手段29、CPU32、カメラ34及び記憶手段35にDC電源を供給するようになされる。
続いて、携帯電話機200の情報処理例について説明をする。図15は、携帯電話機200における情報処理例を示すフローチャートである。
この実施例では、三次元入力機能付きの携帯電話機200の入力操作面において、操作者の指30a等のなぞり又は押込みを検出して情報を入力できるようにすると共に、表示手段29に表示されたボタンアイコン等の入力を確定する場合を前提とする。
これらを情報処理条件にして、CPU32は、図15に示すフローチャートのステップG1で電源オンを待機する。例えば、CPU32は電源オン情報を検出してシステムを起動する。電源オン情報は通常、時計機能等が稼働し、スリーピング状態にある携帯電話機等の電源スイッチをオンされたときに発生する。
そして、ステップG2に移行してCPU32は、アイコン画面を表示するように表示手段29を制御する。例えば、CPU32は、表示手段29に表示データD4を供給して表示画面に入力情報を表示する。表示画面に表示された入力情報は、入力操作面を有した入力手段24を通じて目視可能になされる。そして、ステップG3に移行してCPU32は、ボタンアイコン入力モード又はその他の処理モードに基づいて制御を分岐する。ボタンアイコン入力モードとは、ボタンアイコン選択時に入力操作面上のアイコンボタンを押下する入力操作をいう。
ボタンアイコン入力モードが設定された場合、ボタンアイコンが押し込まれるので、ステップG4に移行してCPU32は、図1に示した駆動回路5から検出電圧VF2を読み込む。このとき、A/Dドライバ31には、入力手段24からの位置検出信号S1および押下力検出(入力量)信号S2が供給される。A/Dドライバ31では、位置検出信号S1および押下力検出信号S2をデジタルデータに変換する。この他にA/Dドライバ31は、このデジタルデータを演算処理して、カーソリング入力かアイコン選択情報かを検出し、カーソリング入力かアイコン選択かを区別するフラグデータD3あるいは位置検出情報(電圧検出データ)D1または押下力検出情報(電圧検出データ)D2をCPU32に供給するようになされる。これらの演算はCPU32内で実行してもよい。
そして、ステップG5に移行して、CPU32は、ROM37から閾値データDth=関数g(x)、関数h(x)を読み出して設定する。その後、ステップG6に移行してCPU32は、押下力検出情報D2=検出電圧V2Fと閾値データDth=関数h(x)と比較してその大小を判別する。検出電圧V2Fが関数h(x)未満の場合(V2F<h(x))は、操作者の指30aは非接触状態”A”であるので、そのままステップG12に移行する。
検出電圧V2Fが関数h(x)を越える場合(検出電圧V2F>関数h(x))は、ステップG7に移行して、CPU32は、押下力検出情報D2=検出電圧V2Fが閾値データDth=関数h(x)以上、かつ、閾値データDth=関数g(x)未満であるか否かを判別する。h(x)≦V2F<g(x)の場合は、ステップG8に移行して状態B(なぞり)フラグを発生する。
また、h(x)≦V2F<g(x)でない場合、すなわち、検出電圧V2Fが閾値データDth=関数g(x)を越える場合(V2F>関数g(x))は、ステップG9に移行してCPU32は、状態C(押込み)フラグを発生する。その後、ステップG10に移行して入力を確定する。このとき、CPU32は、入力操作面で当該押下位置に表示された入力情報を確定する。そして、ステップG12に移行する。
なお、ステップG3で他の処理モードが選択された場合は、ステップG11に移行して他の処理モードを実行する。他の処理モードには、電話モードやメール作成、送信表示モード等が含まれる。電話モードには、相手方に電話を発信する操作が含まれる。ボタンアイコンは、電話モード選択時の文字入力項目が含まれる。他の処理モードを実行した後は、ステップG12に移行する。
ステップG12でCPU32は終了判断をする。例えば、電源オフ情報を検出して情報処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合は、ステップG2に戻って、メニュー等のアイコン画面を表示し、上述した処理を繰り返すようになされる。
このように、第5の実施例として携帯電話機200によれば、第1〜4の実施例に係る三次元入力機能付きの入力装置100,タッチパネル101,102のいずれかが応用され、そのタッチパネルの入力操作面において、操作者の指30aの入力位置で検出される静電容量Cに依存した押下力検出情報D2(レベル)をそのZ方向への押下力に対応して変化させることができる。
従って、その入力操作面における操作者30の指30a等の押下操作に対してZ方向の情報を入力できるようになり、表示手段29に表示されたボタンアイコン等の入力を確定できるようになる。しかも、入力装置100、タッチパネル101,102の部品点数削減、組み立て簡素化及び小型薄型化が図られることから、三次元入力機能付きの携帯電話機200の低廉化及び小型薄型化を図ることが可能となる。これにより、三次元入力機能付きの入力手段24を表示手段29の表示面上に設けた、低電力消費型の三次元入力機能付きの携帯電話機200を提供することができる。
この発明は、予め準備された入力項目選択用の表示画面の中からアイコンを選択して情報を三次元入力する情報処理装置や、携帯電話機、情報携帯端末装置等に適用して極めて好適である。
本発明に係る第1の実施例としての三次元入力機能付きの入力装置100の構成例を示す斜視図である。
(A)〜(C)は、入力装置100のZ方向の検出原理を示す断面図である。
(A)及び(B)は、入力装置100の駆動回路5及び抵抗調整膜2の構成例を示す回路図である。
(A)及び(B)は、駆動回路5における”なぞり”及び”押込み”時の動作例を示す回路図である。
駆動回路5によるXY位置情報の検出例を示す特性図である。
定点IにおけるZ方向の検出電圧V2Fの判別例を示す特性図である。
第2の実施例としてのタッチパネル101の構成例を示す斜視図である。
タッチパネル101の制御系の構成例を示すブロック図である。
定点Iにおける”なぞり”及び”押込み”時の判別例を示すフローチャートである。
第3の実施例としてのタッチパネル101に係る複数の閾値関数の設定例を示す特性図である。
定点Iにおける押下状態”イ”、”ロ”、”ハ”、”ニ”の判別例を示すフローチャートである。
第4の実施例としてのタッチパネル102の構成例を示す斜視図である。
第5の実施例としての三次元入力機能付きの携帯電話機200の構成例を示す斜視図である。
三次元入力機能付きの携帯電話機200の内部構成例を示すブロック図である。
携帯電話機200における情報処理例を示すフローチャートである。
符号の説明
1・・・基板、2・・・抵抗調整膜、3・・・ITO膜(透明導電性の膜)、4・・・Siゴム膜(誘電性の膜)、5・・・駆動回路、6・・・交流波発振装置、9・・・SiO2膜、10・・・下部筐体、11・・・回転レンジ機構、15・・・制御手段、20・・・上部筐体、21・・・受信部、22・・・送信部、24・・・入力手段、29・・・表示手段、32・・・CPU(制御手段)、35・・・記憶手段、37・・・ROM、100・・・入力装置、101、102・・・タッチパネル、200・・・携帯電話機(電子機器)