JP4621872B2 - カム機構 - Google Patents

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Description

本願発明は、カム機構に関し、たとえば、血液などの体液の採取を行なうのに用いられる穿刺装置に穿刺用部材をセッティングする際に穿刺用部材を回転させるために用いるカム機構に関する。
糖尿病患者が血糖値を測定しようとして血液採取を行なう場合、穿刺装置が用いられている。この穿刺装置の一般的な構造は、使い捨てタイプのランセットを着脱自在なランセットホルダが、筒状のハウジング内に往復動可能に配された構造となっている。上記ランセットホルダにランセットを保持させてから、上記ハウジングの先端部を人体の皮膚に当接させた状態において、上記ホルダを前進させると、上記ランセットの針を人体の皮膚に突き刺すことができる。このことにより、皮膚に出血が生じ、血液採取を行なうことができる。
ランセットの従来例としては、たとえば特開平6−133955号公報(特許文献1)に所載のものがあり、これを本願の図17に示す。図示されたランセット9は、金属製の針91が合成樹脂製の本体ボディ90に支持されているとともに、この本体ボディ90には、針91の先端部を覆うキャップ92が一体的に樹脂成形された構成を有している。キャップ92と本体ボディ90との境界部分93は、括れた形状とされている。
上記構成のランセット9によれば、針91がキャップ92によって覆われているために、未使用時には針91の衛生状態を維持することができる。また、ランセット9を所定の穿刺装置にセッティングして使用するときには、キャップ92を捩じることによって、このキャップ92と本体ボディ90との境界部分93を破断させ、それらを分離させることができる。したがって、針91を露出させた状態で穿刺装置にセッティングすることもできる。
しかしながら、上記従来技術においては、ランセット9を穿刺装置にセッティングする場合、ランセット9からキャップ92を外した後に、このランセット9を穿刺装置のランセットホルダに保持させている。これでは、そのセッティング作業時にランセット9の露出した針91にユーザの指が触れてしまい、この針91が指に刺さる虞れがあり、適切ではない。
上記した不具合を解消する手法としては、ランセット9を穿刺装置のランセットホルダに保持させた後にキャップ92をランセット9から取り外すことが考えられる。ところが、従来においてこのような手法を適用した場合、ユーザは、境界部分93が破断するまでキャップ92を指で摘んで捩じらなければならない。したがって、その操作は面倒である。とくに、穿刺装置にランセットをセッティングする場合には、ランセットやランセットホルダを穿刺装置のハウジングの奥部に適当量だけ押し込むようにするのが一般的であり、このような場合にはランセット9のセッティング作業がより面倒なものとなる。
特開平6−133955号公報
本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、簡易な操作によって穿刺用部材を穿刺装置に適切にセッティングすることが可能なように、そのような穿刺装置に組み込んで使用するのに適するカム機構を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
本願発明によって提供されるカム機構は、筒状のハウジングと、このハウジングの軸長方向における第1位置と第2位置間を第1および第2の方向への往復動が可能に上記ハウジング内に収容された可動部材と、を備えており、かつ、上記可動部材には、上記第1位置から上記第1の方向への移動時に回転を行なわせる一方、上記第2位置から上記第2の方向への移動時に非回転での直進を行なわせるためのカム機構であって、上記可動部材は、回転力を付与するべき対象物を嵌入して保持し、上記対象物に押されて上記第1位置から上記第1の方向へ上記第2位置まで移動し、上記ハウジングおよび上記可動部材の一方には、上記ハウジングの軸長方向に対して傾斜した第1のカム溝と、上記ハウジングの軸長方向に延びた直線状の第2のカム溝とが繋がって設けられ、かつ他方には、上記第1および第2のカム溝内に進入させるための凸部が設けられており、上記可動部材の上記第1位置から上記第1の方向への移動時には上記第1のカム溝内を上記凸部が移動するとともに、上記可動部材の上記第2位置から上記第2の方向への移動時には上記第2のカム溝内を上記凸部が移動するように構成されており、かつ、上記可動部材は、これに対する上記対象物の嵌入時に、上記凸部が上記第1のカム溝へ移行するように回転させられることを特徴としている。
このような構成によれば、上記可動部材が前進する(第2の方向へ移動する)ときには回転を伴うことなく直進するとともに、上記可動部材が後退する(第1の方向へ移動する)ときには積極的に回転する動作を、簡易な構造により実現することができる。したがって、このカム機構は、穿刺装置において、穿刺用部材を保持するためのホルダを回転させる機構として用いるのに適する。
本願発明のその他の特徴および利点については、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1〜図6は、穿刺装置への穿刺用部材のセッティング方法に用いられる穿刺用ユニットの一例を示している。本願発明の理解を容易にするため、穿刺用ユニットの構成の一例から先に説明する。
図1および図2によく表われているように、穿刺用ユニットUは、ケース1、ランセット2、キャップ29、およびセンサホルダ3を備えている。
ケース1は、たとえば合成樹脂製のキャップ状であり、一端(上端)に開口部12が形成された略円筒状の筒状部10と、この筒状部10の他端(下端)に繋がった底面部11とを有している。このケース1は、本願発明でいう筒状部を有する支持部材の一例に相当している。筒状部10の内周には、後述するように、このケース1を穿刺装置Aの所定部分に外嵌するときにこのケース1の回転止めの役割を果たす凸部13が形成されている。ケース1の上面部には、開口部12を塞ぐ蓋材としてのフィルム14が接着されており、このことによりケース1内は密封されている。フィルム14としては、たとえばアルミ箔のフィルムあるいはアルミ箔のラミネートフィルムが用いられている。
図3によく表われているように、ランセット2は、合成樹脂製のボディ部20と、このボディ部20に保持されて先端部がこのボディ部20から突出した金属製の針21とを有している。ボディ部20は、後述する穿刺装置Aのランセットホルダ5への装着を適切に行なうことが可能な形状に形成されており、針21と同方向に延びる複数条のリブ22や凹部23が形成されている。
キャップ29は、針21を覆うようにボディ部20と一体的に樹脂成形され、かつボディ部20の先端側(下端側)において針21と同方向に延びている。キャップ29とボディ部20との境界部分28は、これらを比較的容易に分離することができるように括れており、他の部分よりも小径とされている。このキャップ29の下端部には、孔部29aが形成されており、図6に示すように、この孔部29aは、ケース1の底面部11に突設されている突起15に嵌合可能である。このことにより、キャップ29はケース1内において起立保持されている。むろん、上記構造とは反対に、ケース1の底面部11に凹部を形成するとともに、キャップ29の底部にその凹部に嵌入する突起を形成した構成とすることもできる。キャップ29は、接着剤を用いてケース1に接着されている。接着手段としては、接着剤を用いる手段に代えて、たとえば超音波溶着や熱融着を用いることも可能である。この点に関しては、穿刺用ユニットの他の部分どうしの接着についても同様である。ランセット2の針21は、ケース1内に組み込む前の段階において、γ線照射などによって予め滅菌処理されている。好ましくは、ケース1内には後述するセンサSの品質保護を図るのに役立つ乾燥剤(図示略)も収容されている。なお、キャップ29、ボディ部20およびケース1の三者を一体成形することも可能である。
センサホルダ3は、血液の分析に用いられる後述のセンサSを保持するものである。このセンサホルダ3は、合成樹脂製であり、図4によく表われているように、断面円弧状の側壁部31と、この側壁部31に繋がった水平壁部32とを有している。水平壁部32の底面部分は、たとえば傾斜状に形成されており、この部分にセンサSが接着されている。
センサSは、チップ状であり、たとえば図5(a),(b)に示すような構成を有している。このセンサSは、基板390の表面に、血液中のグルコースと一定の反応(たとえば酸化反応)を生じる酵素を含有する試薬39aと、その反応度合いを電気的に検出するための一対の電極39bとが設けられた構成を有している。基板390上には、間隔を隔てて並んだ一対のスペーサ391およびこれら一対のスペーサ391を覆うカバー392も積層して設けられており、これらによってキャピラリ393が形成されている。基板390、各スペーサ391、およびカバー392には、血液の導入口となる凹部394が一連に形成されている。この凹部394内に血液が付着すると、この血液は毛細管現象によってキャピラリ393内を進行し、試薬39aに導かれるようになっている。
図4において、センサホルダ3の水平壁部32には、一対の貫通孔32aと、一対の保持用壁部32bとが形成されている。一対の貫通孔32aは、後述する穿刺装置Aの一対の測定プローブ62を挿通させることによってこれらの測定プローブ62をセンサSの一対の電極39bに接触させるための部分である。一対の保持用壁部32bは、キャップ29の下部29bに対してその両側から挟み付けるように外嵌可能である。キャップ29の下部29bはたとえば円柱状であるのに対し、一対の保持用壁部32bは、その外周面に対応した略円弧状に湾曲した形状を有している。図1および図2に示すように、センサホルダ3は、一対の保持用壁部32bがキャップ29の下部に外嵌していることにより、キャップ29を介してケース1内に組み付けられている。ただし、このセンサホルダ3は、その上方にスライドしてキャップ29から離脱可能となっている。
この穿刺用ユニットUは、フィルム14によってケース1内が密封されているため、センサSの試薬39aが湿気などに晒されるといったことはなく、短期間で品質劣化をきたさないようにすることができる。ランセット2の針21は、キャップ29によって覆われており、しかもこのキャップ29はランセット2のボディ部20と一体形成されたものであるから、優れた密封性が得られ、ランセット2をケース1に組み込む以前の段階から、その滅菌状態を適切に維持することが可能である。
この穿刺用ユニットUの製造は、ケース1内にキャップ29を備えたランセット2を組み付けた後に、センサホルダ3をキャップ29に組み付け、その後フィルム14によってケース1の開口部12を塞ぐことにより、簡単に行なうことができる。とくに、ランセット2の組み付けはキャップ29の孔部29aをケース1の突起15に嵌合させることにより行なうことができるとともに、センサホルダ3の組み付けは一対の保持用壁部32bをキャップ29に外嵌させることにより行なうことができるため、穿刺用ユニットUの製造は一層容易となり、製造コストを廉価にすることができる。
図7〜図16は、本願発明に係るカム機構およびこれが用いられた穿刺装置の構成の一例およびこれに関連する事項を示している。
図7によく表われているように、穿刺装置Aは、ハウジング4、ランセットホルダ5、ラッチ用部材59、カム機構C、およびその他の後述する各部材を具備して構成されている。
ハウジング4は、たとえばその先端部、中間部、および後端部を構成する3つのスリーブ40a〜40cを一連に連結することにより構成されており、外部ケース70に固定されている。スリーブ40aの先端部(下端部)は、人体の皮膚に当接させるための部分であり、開口部41を形成している。図11に示すように、このスリーブ40aは、穿刺用ユニットUのケース1をスライド嵌合させることが可能な形状およびサイズに形成されている。このスリーブ40aの外面には、ケース1の凸部13が嵌入可能な凹溝42が形成されている。この凹溝42は、ケース1をスリーブ40aに外嵌させるときにケース1が回転しないように、スリーブ40aの長手方向に延びている。この穿刺装置Aにおいては、穿刺用ユニットUのランセット2およびセンサホルダ3をこの穿刺装置Aに装着するときに、ケース1をスリーブ40aにスライド嵌合させるようになっており、このことによりランセット2やセンサホルダ3が穿刺装置Aの後述する所定位置に正確に導かれるようになっている。
図8によく表われているように、スリーブ40a内には、保持部6が設けられている。この保持部6は、穿刺用ユニットUのセンサホルダ3を保持するための部分であり、空隙部60aを形成する第1および第2の壁部60b,60cを有する合成樹脂製のアタッチメント60がスリーブ40aに固定して取り付けられていることにより構成されている。空隙部60aは、図12および図13に示すように、穿刺用ユニットUのセンサホルダ3の側壁部31をその下方から進入させるための部分である。保持部6には、バネ61が設けられており、空隙部60a内にセンサホルダ3の側壁部31が進入したときにはこのバネ61が側壁部31を第2の壁部60c寄り、すなわちスリーブ40aの中心寄りに向けて押圧する弾発力Fを発揮し、このことによりセンサホルダ3を保持できるようになっている。もちろん、センサホルダ3の保持を確実化するため、センサホルダ3とこの保持部6とに係脱自在な係合手段を設けるといった構成を採用することもできる。
図13によく表われているように、空隙部60aの幅s1は、センサホルダ3の側壁部31の厚みt1よりも大きくされている。このことにより、センサホルダ3がケース1内に組み付けられたまま、その側壁部31が空隙部60a内に進入したときには、この側壁部31と第2の壁部60cとの間に隙間60a'が発生するようになっている。その一方、図14に示すように、センサホルダ3とキャップ29とが分離した状態では、バネ61の弾発力Fによってセンサホルダ3の側壁部31が第2の壁部60cの一側面に押し当てられるようになっている。
図7および図8において、保持部6の第2の壁部60cには、一対の測定プローブ62が保持されている。これら一対の測定プローブ62は、センサSの一対の電極39bに接触させるためのものであり、ハウジング4の軸長方向に延びている。各測定プローブ62の先端部62aは、伸縮自在であり、センサホルダ3が穿刺装置Aに装着されていないときには適当なバネ(図示略)の弾発力によって下方に伸びている。これに対し、図12〜図14に示すように、保持部6にセンサホルダ3が装着されるときには、先端部62aは、センサSによって上方に押されて収縮するように構成されている。図面においては省略しているが、外部ケース70内の適所には、一対の測定プローブ62と電気的に接続された制御回路が設けられている。この制御回路は、たとえばCPUとこれに付属するメモリなどから構成されており、一対の測定プローブ62を介して検出される電流値に基づいて試薬39aに導入された血液中のグルコース濃度の算出を行なう。
ランセットホルダ5は、ランセット2を保持して前進させるための部材であり、本願発明でいうホルダ(穿刺用部材を保持するホルダ)の一例に相当している。このランセットホルダ5は、スリーブ40bに対して回転可能かつその軸長方向にスライド可能に嵌入している。このランセットホルダ5の下端部には、凹部50が形成されており、この凹部50にランセット2のボディ部20を押し込むことによって、このランセットホルダ5にランセット2を抜き外し可能に保持させることができるようになっている。
凹部50内には、ランセット2のボディ部20の複数のリブ22が嵌入する複数の凹溝50aが形成されており、このことにより凹部50内にランセット2のボディ部20が嵌入したときには、このボディ部20とランセットホルダ5との相対回転が規制されるように構成されている。ただし、各凹溝50aとリブ22との一方の一部または全体は、螺旋状に傾斜している。このため、凹部50内にランセット2のボディ部20を嵌入させたときには、後述するように、ボディ部20およびランセットホルダ5が比較的小さい一定の角度だけ一方向に回転する構成となっている。
カム機構Cは、ランセットホルダ5と、ハウジング4とによって構成されている。より具体的には、図9に示すように、ランセットホルダ5の頭部51の周面には、複数の突起52が等角度間隔で設けられており、これらの突起52は、ハウジング4のスリーブ40bの内壁面に形成された複数条ずつの第1および第2のカム溝43A,43Bに嵌入してガイドされるようになっている。ランセットホルダ5は、本願発明に係るカム機構の可動部材の一例に相当している。
第1のカム溝43Aは、このランセットホルダ5が穿刺用ユニットUのランセット2によって上方に押し込まれるときにこのランセットホルダ5を回転させるための溝であり、スリーブ40bの軸長方向に対して傾斜している。これに対し、第2のカム溝43Bは、ランセット2を人体の皮膚に突き刺すようにランセット2およびランセットホルダ5をハウジング4の先端部に向けて前進させるときにこれらの直進ガイドを行なうための溝であり、スリーブ40bの軸長方向に直線状に延びている。
これら複数ずつの第1および第2のカム溝43A,43Bの一部分を平面的に展開すると、図10(a)〜(e)に示すような形状であり、これらは互いに繋がっている(同図においては、第1および第2のカム溝43A,43Bの周辺部分にクロスハッチングを入れている)。同図(a)に示すように、第1および第2のカム溝43A,43Bのそれぞれの一端部(下端部)43A',43B'どうしは、それらのトータルの幅s4が比較的大きくなるようにハウジング4の周方向に並んで繋がっている。これに対し、第1のカム溝43Aの他端部(上端部)43A", 43B"どうしは、他端部43B"が適当な寸法s5だけ他端部43A"よりも上方に突出するように交差して繋がっている。ランセットホルダ5がハウジング4の軸長方向に移動するときには突起52が第1および第2のカム溝43A,43Bに沿って移動するが、その具体的な動作内容については後述する。
図7および図8に示すように、ラッチ用部材59は、ランセットホルダ5の上部に連結され、かつハウジング4内にスライド可能に収容されている。ラッチ用部材59の下端部にはブッシュ58が回転不能に嵌入しているとともに、このブッシュ58内には、ランセットホルダ5の上面部に突設された複数の突起53が回転可能に挿通している。このことにより、ランセットホルダ5は回転可能であるのに対し、ラッチ用部材59はそれに伴って回転しないようになっている。各突起53の上端は、ブッシュ58の上端部に対して抜け止め状態に係止しており、このことによりランセットホルダ5とラッチ用部材59との連結が図られている。
ラッチ用部材59の上部には、一対のラッチ爪59aが形成されている。これら一対のラッチ爪59aは、スリーブ40cに設けられた一対の切り欠き孔44の各一端縁に係止させるためのものであり、後述するように、ランセットホルダ5およびラッチ用部材59が穿刺用ユニットUのランセット2によって上方に押し込まれることにより上記係止がなされる。スリーブ40cの上部には、ラッチ解除用のプッシャ71と、これに連結された操作用キャップ72とが装着されている。また、プッシャ71とラッチ用部材59の中間壁部59bとの間には、バネ73が設けられている。このバネ73は、たとえば圧縮コイルバネである。操作用キャップ72は、スリーブ40cに対してその軸長方向にスライド可能であり、バネ73を圧縮させながらこの操作用キャップ72を押し下げると、これに伴ってプッシャ71も下降し、ラッチ爪59aを押圧するようになっている。このことにより、図16に示すように、切り欠き孔44の一端縁からラッチ爪59aを強制的に外し、圧縮されたバネ73の弾発力によってラッチ用部材59およびランセットホルダ5を下方に前進させることができる。ハウジング4内には、ランセットホルダ5およびラッチ用部材59が前進した後にこれらを後退させるリターン用バネ74も設けられている。
次に、穿刺装置Aにランセット2をセッティングする方法、および穿刺装置Aの作用について説明する。
まず、図11に示すように、穿刺用ユニットUのケース1を穿刺装置Aのスリーブ40aに外嵌させる。この場合、ケース1からは事前にフィルム14を剥離し、その開口部12を開放させておく。スリーブ40aにケース1を外嵌させることにより、ランセット2のボディ部20をランセットホルダ5の凹部50に嵌入させてランセットホルダ5に保持させることができる。ケース1を矢印N1に示す上方に押し上げていくと、ランセットホルダ5がランセット2によって上方に押し上げられる。この過程において、次に述べるように、ランセットホルダ5とランセット2のボディ部20とは、矢印N2方向に回転し、ランセット2とキャップ29との境界部分28が捩じり変形により破断することとなる。
すなわち、図10(a)に示すように、ランセットホルダ5の突起52は、当初は第2のカム溝43Bの一端部43B'内に位置しているものの、まず同図(b)の矢印N3に示すように、第1のカム溝43Aの一端部43A'寄りに変移する。この変移は、ランセット2のボディ部20の各リブ22とランセットホルダ5の凹部50の各凹溝50aとの一方が螺旋状に傾斜しているため、凹部50内にボディ部20が嵌入したときに、ランセットホルダ5に回転力が発生するからである。次いで、ランセットホルダ5がランセット2によって上方へ押し上げられていくと、突起52は、図10(c),(d)に示すように、第1のカム溝43A内を移動する。この作用により、ランセットホルダ5が回転し、またこれに伴ってランセット2のボディ部20も回転する。一方、穿刺用ユニットUのキャップ29は、ケース1に固定されているため回転しない。したがって、ランセット2のボディ部20とキャップ29との境界部分28は捩じられ、この境界部分28は破断する。
図10(d)に示すように、突起52が第2のカム溝43B内に到達したときには、その上端部43B"に進入する。既述したとおり、この上端部43B"は、第1のカム溝43Aの上端部43A"よりも適当な寸法だけ上方に突出しているために、この部分にガイドされた突起52はハウジング4の周方向に不安定に振れないようにし、ランセットホルダ5を安定させることが可能となる。
なお、図10(d)に示された第1のカム溝43Aの傾斜角度θを大きくするほど、ランセットホルダ5を回転させるのに必要なランセット2の押し込み力を小さくすることができる。ただし、その反面、ランセットホルダ5を一定角度だけ回転させるのに必要なランセット2の押し込み量が大きくなる。したがって、カム機構Cの設計に際しては、ランセットホルダ5の回転操作性をできる限り良くしつつ、ランセット2のボディ部20とキャップ29とを捩じり切るのに必要なランセットホルダ5の回転角度が確保できるように、上記した傾斜角度θなどを決定することが望まれる。
また、ケース1は、ハウジング4に対して相対回転不能に外嵌されているが、本願発明においては、たとえば突起52が図10(d)に示す位置に達した以降は、ケース1の凸部13がハウジング4の凹溝42の形成箇所を通過することによって、ケース1がハウジング4に対して相対回転可能となるようにすることもできる。このようにすれば、仮に、ランセットホルダ5を回転させることによってランセット2のボディ部20とキャップ29との境界部分28を完全に破断させることができない事態を生じたときには、ユーザがその後ケース1を回転させることによって境界部分28を破断させることが可能となるため、便利である。
ケース1を適当量だけ上方に押し上げると、図12に示すように、ラッチ用部材59も上昇し、各ラッチ爪59aが各切り欠き孔44の一端縁に係止する。これにより、ラッチ用部材59のラッチがなされる。また、ケース1が上方に押し上げられると、図13に示したように、センサホルダ3の側壁部31が保持部6の空隙部60a内に進入し、バネ61の弾発力Fを受ける。センサホルダ3は、キャップ29に支持されている状態では弾発力Fに対して突っ張った姿勢を維持するため、第2の壁部60cと側壁部31との間には隙間60a'が形成されたままとなる。各測定プローブ62の先端部62aは、センサSによって上方へ押し上げられるが、その押し上げに対する反発力を発揮しつつセンサSの電極39bに接触する。したがって、各測定プローブ62と各電極39bとの電気的な接続は確実化される。
上記したケース1の押し上げ動作を終えた後には、図14に示すように、ケース1をスリーブ40aから下方に抜く。既述したとおり、ランセット2のボディ部20とキャップ29との境界部分28は捩じりにより破断しているために、ランセット2とキャップ29とは適切に分離することとなる。この分離により、ランセット2については針21を露出させた状態でランセットホルダ5に保持させておくことができるとともに、キャップ29についてはケース1に組み付けたままにすることができる。一方、センサホルダ3については、保持部6に保持され、キャップ29とは分離することとなる。このように、この穿刺用ユニットUおよび穿刺装置Aによれば、ケース1をスリーブ40aに適当量だけスライド外嵌させてから抜き外す操作を行なうだけで、ランセットホルダ5へのランセット2の装着、ラッチ用部材59のラッチ、ランセット2とキャップ29との分離、および保持部6へのセンサホルダ3の装着を行なうことができる。ケース1にはキャップ29が固定されたままとなるため、これらの廃棄処理などに際しても便利となる。
ケース1がスリーブ40aから抜き外されることにより、センサホルダ3とキャップ29とが分離したときには、このセンサホルダ3の側壁部31は、バネ61の弾発力Fによって第2の壁部60cに押し付けられる。すなわち、センサホルダ3は、図13に示した隙間60a'の寸法分だけスリーブ40aの中心寄り(図14の矢印N4方向)に変移することとなる。このようにセンサホルダ3が変移すると、その分だけセンサSをランセット2による穿刺位置に接近させることが可能となり、後述するような利点が得られる。
上記した手順によりランセット2およびセンサホルダ3を穿刺装置Aに装着した後には、図15に示すように、穿刺装置Aのスリーブ40aの先端部分を、穿刺対象となる人体の皮膚99に当接させる。この状態において、操作用キャップ72を押圧し、プッシャ71を前進させる。すると、図16に示すように、各ラッチ爪59aが各切り欠き孔44の一端縁から外れ、バネ73の弾発力によってラッチ用部材59およびランセットホルダ5が下降前進し、ランセット2の針21が皮膚99に突き刺さる。その際、ランセット2のボディ部20の一部をセンサホルダ3の水平壁部32に当接させることにより、針21が皮膚99に対して必要以上に深く突き刺さらないようにすることができる。ランセットホルダ5の下降前進時には、図10(e)に示すように、突起52が第2のカム溝43Bに沿って移動するために、ランセットホルダ5を適切に直進させることが可能である。また、この直進動作により、突起52を同図(a)に示した初期のポジションと同様なポジションに復帰させることが可能となり、その後の繰り返し動作が可能となる。
針21が皮膚99に突き刺さった直後には、リターン用バネ74の弾発力によってラッチ用部材59やランセットホルダ5は即座に適当量だけ後退し、針21は皮膚99から抜き去られる。好ましくは、穿刺装置Aには、ポンプまたはポンプ機構を具備させておき、穿刺を行なうときにスリーブ40a内に負圧を生じさせるように構成しておく。このようにすると、皮膚99からの出血を負圧により促進することができるために、ランセット2の針21の突き刺し量を少なくし、皮膚99のダメージを少なくするのに有利となる。
皮膚99から出た血液は、センサSに付着し、センサSの試薬39aに導かれる。図14を参照して説明したとおり、センサホルダ3については、スリーブ40aの中心寄り、すなわち穿刺位置に接近させているために、血液をセンサSの所定箇所に付着させることが確実化される。
上記した穿刺作業がなされると、穿刺装置Aに組み込まれている既述の制御回路によって血液中のグルコース濃度が算出される。穿刺装置Aにおいては、その算出値をたとえば液晶画面などの表示部(図示略)を利用して表示させるといった構成を採用することができる。一方、使用済みとなったランセット2およびセンサホルダ3については、穿刺装置Aから取り外して廃棄する。これらの取り外し作業は、好ましくは、たとえばスリーブ40a内への進入が可能であって、かつその進入時にはランセット2やセンサホルダ3を掛止保持することが可能に構成された用具または部材を利用して行う。このようにすれば、ユーザが使用済みのランセット2やセンサホルダ3に直接手を触れなくて済む。
本願発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本願発明に係るカム機構の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
穿刺用ユニットの一例を示す一部破断斜視図である。 図1の側面断面図である。 (a)は、キャップ付きのランセットの一例を示す斜視図であり、(b)は、その断面図である。 センサホルダの一例を示す斜視図である。 (a)は、センサの一例を示す斜視図であり、(b)は、その分解斜視図である。 図1に示す穿刺用ユニットの分解一部断面図である。 穿刺装置の一例を示す断面図である。 図7の要部拡大断面図である。 カム機構の一例を示す説明図である。 (a)〜(e)は、ランセットホルダの突起がガイドされる動作を示す説明図である。 穿刺装置に穿刺用ユニットのランセットとセンサホルダとを装着する途中の動作を示す要部断面図である。 穿刺装置に穿刺用ユニットのランセットとセンサホルダとを装着する途中の動作を示す要部断面図である。 図12の要部拡大断面図である。 穿刺装置に穿刺用ユニットのランセットとセンサホルダとの装着を完了した状態を示す要部断面図である。 穿刺装置の使用例を示す断面図である。 穿刺装置の使用例を示す断面図である。 従来のランセットの一例を示す側面図である。
符号の説明
U 穿刺用ユニット
A 穿刺装置
C カム機構(回転手段)
1 ケース(支持部材)
2 ランセット(穿刺用部材)
4 ハウジング
5 ランセットホルダ(ホルダ)
12 開口部(ケースの)
20 ボディ部(ランセットの)
21 針(ランセットの)
29 キャップ
43A 第1のカム溝
43B 第2のカム溝
52 突起

Claims (2)

  1. 筒状のハウジングと、このハウジングの軸長方向における第1位置と第2位置間を第1および第2の方向への往復動が可能に上記ハウジング内に収容された可動部材と、を備えており、かつ、
    上記可動部材には、上記第1位置から上記第1の方向への移動時に回転を行なわせる一方、上記第2位置から上記第2の方向への移動時に非回転での直進を行なわせるためのカム機構であって、
    上記可動部材は、回転力を付与するべき対象物を嵌入して保持し、上記対象物に押されて上記第1位置から上記第1の方向へ上記第2位置まで移動し、
    上記ハウジングおよび上記可動部材の一方には、上記ハウジングの軸長方向に対して傾斜した第1のカム溝と、上記ハウジングの軸長方向に延びた直線状の第2のカム溝とが繋がって設けられ、かつ他方には、上記第1および第2のカム溝内に進入させるための凸部が設けられており、
    上記可動部材の上記第1位置から上記第1の方向への移動時には上記第1のカム溝内を上記凸部が移動するとともに、上記可動部材の上記第2位置から上記第2の方向への移動時には上記第2のカム溝内を上記凸部が移動するように構成されており、かつ、
    上記可動部材は、これに対する上記対象物の嵌入時に、上記凸部が上記第1のカム溝へ移行するように回転させられることを特徴とする、カム機構。
  2. 上記第1のカム溝は、上記第1位置側から上記第2位置側へ向かうほど、傾斜が大きくなるように形成されている、請求項1に記載のカム機構。
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