JP4621406B2 - フィルタ装置 - Google Patents

Description

【０００１】
背景技術
本発明は、独立請求項１の上位概念部に記載した形式のフィルタ装置に関する。
【０００２】
このようなフィルタ装置は既知である。通常、フィルタ挿入体はフィルタ装置内に締付けねじによって固定される。このためには、ハウジングに固定エレメントが設けられている。既知のフィルタ挿入体では、軸方向でハウジングに被せ嵌められるカバーによってフィルタ挿入体をハウジング内に位置固定することも可能である。ほぼ円筒状に形成されたフィルタ挿入体が、狭められた空間比率下で組み込まれなければならないかまたは取り外されなければならない限り、軸方向に向けられた引出しまたは引上げを行うことはできない。この事例では、フィルタ挿入体をハウジングから取り出すことが必要となる。すなわち、ハウジングが、周壁面の一部をカバーしているカバーによって閉鎖されている。フィルタ挿入体はカバーの開放後にハウジングから取り出すことができ、新たなフィルタ挿入体が挿入可能となる。
【０００３】
このハウジング構造における問題は、粗空気領域と清浄空気領域との間をシールするためにフィルタ挿入体の軸方向移動が必要となることにある。この軸方向の移動は、フィルタ挿入体のための特殊な螺合またはバヨネット結合または特殊な取付け装置によってしか可能とならない。
【０００４】
本発明の課題は、フィルタ挿入体を、狭められた空間比率下で組み込むことができると共に取り外すことができ、粗空気領域と清浄空気領域との間の確実なかつ簡単なシールが保証されるフィルタ装置を提供することである。
【０００５】
この課題は、独立請求項１の上位概念部から出発して、独立請求項１の特徴部に記載の特徴によって解決される。
【０００６】
発明の利点
本発明の主要な利点は、締付け楔が設けられており、該締付け楔が、所定の力を加えるようになっており、これによって、円筒状のフィルタ挿入体の軸方向シール部材が、ハウジング固定されたシール面に確実に接触するようになっていることにある。本発明の有利な構成によれば、締付け楔はカバーに配置されている。このカバーの閉鎖によって緊締、すなわち、フィルタ挿入体のシールが行われる。カバーの開放によってフィルタ挿入体の解離ひいては簡単な交換が行われる。
【０００７】
本発明の別の有利な構成では、締付け楔をフィルタ挿入体の舌片に導入することができる。締付け楔を支持するためには、支持面または別のエレメントがハウジング固定されて設けられている。締付け楔は少なくとも部分的に楔状に形成されているので、簡単な力導入がカバーの閉鎖時にもしくは締付け楔の導入時に可能となる。
【０００８】
本発明の別の有利な構成では、フィルタ挿入体の、シール面とは反対の側に軸方向ガイドが設けられている。すなわち、この側でフィルタ挿入体がハウジングに支持されていて、軸方向公差範囲内で固定されている。
【０００９】
フィルタ挿入体のこの支承の利点は、濾材が軸方向の緊締力を吸収する必要がないことにある。さらに、フィルタハウジング自体をより肉薄に寸法設定することができる。なぜならば、フィルタハウジングが力伝達経路に結合されていないからである。
【００１０】
本発明の有利な構成によれば、フィルタ挿入体が、ジグザグ状に折り畳まれた濾紙または濾布から成っている。この濾紙または濾布は、極めて高いダスト吸収容量と共に対を成して僅かな通流抵抗を有している。フィルタ挿入体の端板は熱可塑性のプラスチックから成っている。これによって、フィルタ挿入体は簡単に廃熱することができる。
【００１１】
本発明の有利な構成の前記特徴およびその他の特徴は、特許請求の範囲のほかに、実施例の説明および図面の簡単な説明からも明らかである。この場合、個々の特徴は、それぞれそれ自体でまたは組み合わされた形で本発明の構成を実現することができる。
【００１２】
実施例の説明
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
【００１３】
図１の概略図には、フィルタハウジング１０が詳細にならびにハウジングカバー１１が示してある。フィルタハウジング１０内にはフィルタエレメント１２が配置されている。このフィルタエレメント１２は、端板１３を備えたジグザグ状に折り畳まれた濾材から成っている。シールリング１４が端板１３に接着されているかまたは端板１３に溶着されている。シールリング１４はフィルタハウジング１０のシール面１５に接触している。このシール面１５は清浄空気出口（図示せず）を取り囲んでいる。端板１３は舌片状の突出部１６を備えている。この舌片状の突出部１６と支持部１７との間には締付け楔１８が押し込まれる。この締付け楔１８はハウジングカバー１１に固定されていて、シールリング１４とシール面１５との間に良好なシール作用が得られるようにフィルタ挿入体１２に軸方向力を加える。
【００１４】
図２には、フィルタ装置の全体構造が断面図で示してある。同じ部材には同じ符号が付してある。図面から知ることができるように、右側の端部には粗空気入口１９が設けられており、左側の端部には清浄空気出口２０が設けられている。フィルタハウジング１０はフィルタ挿入体１２を装着している。このフィルタ挿入体１２は右側の端部に端板２１を備えている。この端板２１はガイド付設部２２を有している。このガイド付設部２２はガイドシリンダ２３内に係合している。このガイドシリンダ２３はハウジング１０に固定されている。この支承によって、半径方向の移動可能性およびフィルタ挿入体長さが種々異なる場合の良好な誤差補償が可能となる。フィルタ挿入体１２は左側に端板１３を装備している。この端板１３は突出部１６を備えている。この突出部１６は清浄空気管片２４にわたって延びていて、フィルタ挿入体１２の軸方向のガイドのために働く。シールリング１４は、この実施例では、ＰＵＲ（ポリウレタン）フォームから成っていて、端板１３に発泡成形によって一体に形成されている。ハウジング１０には支持部１７が位置している。この支持部１７と突出部１６との間には締付け楔１８が挿入されている。この締付け楔１８は完全なフィルタ挿入体１２を左方に清浄空気管片２４に向かって引っ張っていて、清浄空気と粗空気との間の確実なシールを行っている。
【００１５】
図３には、締付け楔１８の平面図が示してある。この締付け楔１８はハウジングカバー１１に剛性的に結合されている。フィルタ挿入体１２の端板１３に設けられた突出部１６ａ，１６ｂは締付け楔１８を取り囲んでいる。この締付け楔１８は支持部１７ａ，１７ｂに支持されているので、予め規定された領域にわたって、フィルタエレメント１２の端板１３に対する締付け力を導入することができる。ハウジングカバー１１の取外し時には、締付け楔１８も同じく一緒に引き出される。フィルタエレメント１２は簡単にフィルタハウジング１０から取り出すことができ、新たなフィルタエレメントに取り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 フィルタ装置の細部の概略図である。
【図２】 フィルタ挿入体の横断面図である。
【図３】 図２に示したフィルタ挿入体の平面図である。
【符号の説明】
１０ フィルタハウジング、 １１ ハウジングカバー、 １２ フィルタエレメント、 １３ 端板、 １４ シールリング、 １５ シール面、 １６，１６ａ，１６ｂ 突出部、 １７，１７ａ，１７ｂ 支持部、 １８ 締付け楔、 １９ 粗空気入口、 ２０ 清浄空気出口、 ２１ 端板、 ２２ ガイド付設部、 ２３ ガイドシリンダ、 ２４ 清浄空気管片

Claims (6)

1. 特に内燃機関の吸込み空気を濾過するためのフィルタ装置であって、当該フィルタ装置が、粗空気入口と清浄空気出口とを備えたハウジングと、該ハウジング内に配置された交換可能なフィルタ挿入体とから成っており、該フィルタ挿入体が、ハウジングの粗空気領域を清浄空気領域から分離していて、ほぼ円筒状に形成されており、少なくとも１つの端板に軸方向シール部材が設けられており、該軸方向シール部材が、ハウジングのシール面と相俟って粗空気領域と清浄空気領域との間をシールするようになっている形式のものにおいて、締付け楔が設けられており、該締付け楔が、所定の力をフィルタ挿入体に加えるようになっており、これによって、軸方向シール部材が、ハウジングのシール面に確実に接触するようになっていることを特徴とする、フィルタ装置。
2. 締付け楔が、ハウジングのためのカバーに結合されていて、該カバーの閉鎖時にフィルタ挿入体を緊締している、請求項１記載のフィルタ装置。
3. フィルタ挿入体が、端板に少なくとも１つの舌片を有しており、該舌片に沿って締付け楔が滑動するようになっており、該締付け楔が、ハウジング固定された支持部にまたはハウジングのシール面に支持されている、請求項１記載のフィルタ装置。
4. フィルタ挿入体が、該フィルタ挿入体の、シール側とは反対の側でハウジングに軸方向で案内されている、請求項１から３までのいずれか１項記載のフィルタ装置。
5. フィルタ挿入体が、ジグザグ状に折り畳まれた濾材、特に濾紙または濾布からなっおり、該濾材が、自己支持性を有していて、端面に熱可塑性の端板を備えており、軸方向シールが、清浄空気出口に面した側の端板に設けられたＰＵＲフォームシール部材を介して行われている、請求項１から４までのいずれか１項記載のフィルタ装置。
6. 特に請求項１記載のフィルタ装置内に使用するためのフィルタ挿入体において、当該フィルタ挿入体が、ジグザグ状に折り畳まれた濾紙または濾布から成っており、該濾紙または該濾布が、自己支持性を有していて、端面に熱可塑性の端板を備えており、少なくとも１つの端板に少なくとも１つの舌片が設けられており、該舌片に締付け楔が、当該フィルタ挿入体の軸方向移動のために係合するようになっていることを特徴とする、フィルタ挿入体。

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