JP4620074B2 - ブレーキ力検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ディスクブレーキによるブレーキ力(制動力)を検出するブレーキ力検出装置に関する。
車両の制動制御を行う場合には、制動力が重要な情報の一つである。例えば、ブレーキをかけている時、実際にかかっている制動力が検出できれば、容易に路面の状態を推測することができる。路面の状態が判れば、ABS制御(アンチスキッドブレーキシステム制御)をより正確に行え、安全に短い距離で停止できるようになる。
また、車両旋回時又は低摩擦係数(μ)の路面等においてブレーキをかけた時、各車輪にかかる制動力を検出できれば、各車輪の制動力を個別に制御できるようになり、車両の走行制御をより安全に行うことができるようになる。
従来は、ディスクブレーキの摩擦パッドの固定支持体の支持係合部にロードセルを設けたり、或いは歪ゲージを貼付したりすることにより、ブレーキ力を検出するディスクブレーキが開発されている。
そこで、ブレーキキャリパとナックルアーム間に測定用の支持部材を設けた制動力測定装置が特開平6−123665号で提案されている。この公開公報に開示された制動力測定装置は、ブレーキキャリパとナックルアームの間に介装され、略垂直な一対の梁を有する支持部材と、梁の変位を検出する検出手段とを備えて構成される。
特開平6−123665号公報
上述した特許文献1記載の制動力測定装置によると、制動力測定装置の断面がH型であるため、キャリパブラケットとナックルとの間のブレーキディスク軸方向の距離が大きくなり、測定装置が大型化してしまうという問題がある。また、二つの梁の間に変位検出装置を配置するのも難しい。
さらに、特許文献1記載の制動力測定装置では、車両の前進時と後退時とで、ブレーキ力による変形が逆方向に作用するため、歪も引張、圧縮の両方向に生じ、センサ出力のゼロ点補正が困難であるなど検出出力の安定化の課題がある。
そこで、本出願人は、上下力や横方向の力に影響され難く、検出出力の安定化が可能なブレーキ力検出装置を先に提案した(特願2006−257071)。この先願のブレーキ力検出装置によると、歪検出手段が取り付けられたセンサプレートがブレーキ荷重受け部の外側に固定されているので、ブレーキがかけられるとセンサプレートが常に圧縮方向の変形を受ける。
このセンサプレートの圧縮変形を歪検出手段で検出することにより、ブレーキ力を検出することができる。センサプレートはキャリパブラケットに加わるブレーキ入力の方向と直交するように取り付けられているので、センサプレートの歪を安定して検出することができる。
ところで、この先願のブレーキ力検出装置によると、車両前進時にブレーキがかけられた場合には、パッドがブレーキディスクを圧接しながらブレーキディスクが回転するため、パッドがブレーキディスクに引き摺られてブレーキディスクの回転方向に移動し、パッドが接着されたパッドバックプレートがキャリパブラケットのブレーキ荷重受け部に圧接する。
このとき、ブレーキ荷重受け部は、ブレーキディスクの回転中心を中心とするピストンの押圧中心を通る円弧の該押圧中心を通る接線をブレーキディスクの半径方向に跨いで延在するため、パッドバックプレートとブレーキ荷重受け部の接触点が接線よりも上にあったり、下にあったりして安定しない。
パッドバックプレートが接線よりも下側でブレーキ荷重受け部に接触する場合には、この接触点を支点として反対側のパッドバックプレート端部が半径方向外側に動くモーメントが発生し、その結果反対側のブレーキ荷重受け部が外側に撓み、それに伴いアウターブリッジが引っ張られ、センサプレートに不要な歪が発生する恐れがあるという問題がある。
よって、本発明の目的は、キャリパブラケットの不要な引っ張りにより発生するキャリパブラケットの歪発生を防止し、回出側のブレーキ荷重受け部の撓みで発生する歪のみを検出可能なブレーキ力検出装置を提供することである。
本発明によると、車輪を回転可能に支持するとともに、サスペンションによって車体に支持される車輪支持体と、車輪とともに回転するブレーキディスクと、該ブレーキディスクの両側に配置される一対の摩擦パッドと、前記摩擦パッドを前記ブレーキディスクに向けて押動する前記ブレーキディスクの軸線と平行な方向に進退する押動部材を内蔵するブレーキキャリパと、前記摩擦パッドの前記ブレーキディスクの円周方向の両側で前記摩擦パッドを支持するとともに、前記ブレーキキャリパを支持し、前記車輪支持体に固定されたキャリパブラケットと、を備えたブレーキ装置のブレーキ力検出装置であって、前記摩擦パッドの回出側円周方向端部に接してブレーキ荷重を受ける前記キャリパブラケットの回出側ブレーキ荷重受け部の外側に生じるブレーキ時の歪を検出する歪検出手段を具備し、前記パッドバックプレートの回出側円周方向端部又は該回出側円周方向端部に接してブレーキ荷重を受ける前記キャリパブラケットの回出側ブレーキ荷重受け部の少なくとも一方には、前記回出側円周方向端部と前記回出側ブレーキ荷重受け部の接する部位が、前記ブレーキディスクの回転中心を中心とする前記押動部材の押動中心を通る円弧の該押動中心を通る接線よりも前記ブレーキディスクの半径方向外側になるよう突起が設けられていることを特徴とするブレーキ力検出装置が提供される。
請求項2記載の発明によると、請求項1記載の発明において、前記摩擦パッドの回入側円周方向端部に接してブレーキ荷重を受ける前記キャリパブラケットの回入側ブレーキ荷重受け部の外側に生じるブレーキ時の歪を検出する第2歪検出手段を更に具備し、前記パッドバックプレートの回入側円周方向端部又は該回入側円周方向端部に接してブレーキ荷重を受ける前記キャリパブラケットの回入側ブレーキ荷重受け部の少なくとも一方には、前記回入側円周方向端部と前記回入側ブレーキ荷重受け部の接する部位が、前記接線よりも前記ブレーキディスクの半径方向外側になるように第2突起が設けられていることを特徴とするブレーキ力検出装置が提供される。
請求項1記載の発明によると、前進方向にブレーキトルクが発生した場合、押動部材の押動中心を通る円弧の該押動中心を通る接線よりもブレーキディスクの半径方向外側になるように突起が設けられているため、該接線よりもブレーキディスクの半径方向内側を支点としてパッドバックプレートの円周方向反対側が半径方向外側に動くモーメントの発生を防止できる。
その結果、このモーメントによってキャリパブラケットの回入側ブレーキ荷重受け部を押すことで発生するキャリパブラケットの歪発生がなく、キャリパブラケットの回出側ブレーキ荷重受け部の撓みで発生する歪のみを検出できるため、リニアな歪特性を得ることができ、ブレーキ力の検出精度を向上することができる。
請求項2記載の発明によると、第2歪検出手段を具備しているため、後進方向にブレーキトルクが発生した場合も、前進方向にブレーキトルクが発生した場合と同様に、パッドバックプレートがキャリパブラケットの回入側ブレーキ荷重受け部に突き当たって発生するモーメントの発生を防ぐことができる。
その結果、このモーメントによってキャリパブラケットの回出側ブレーキ荷重受け部を押すことで発生するキャリパブラケットの歪発生がなく、キャリパブラケットの回入側ブレーキ荷重受け部の撓みで発生する歪のみを検出できるため、リニアな歪特性を得ることができ、ブレーキ力の検出精度を向上することができる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。図1は本発明実施形態のブレーキ力検出装置を具備したディスクブレーキの外観斜視図である。図2は図1の左側面図である。
図1及び図2に示すように、ブレーキディスク(ディスクロータ)2は図示しない車輪に固定されており、車輪とともに回転する。4はナックル(車輪支持体)であり、車輪を回転可能に支持するとともに、図示しないサスペンションを介して車体に連結されている。
8はキャリパブラケットであり、ボルト10,12によりナックル4に取り付けられている。キャリパブラケット8は、ブレーキディスク2の回入側及び回出側の両側(円周方向の両側)でブレーキディスク2の軸方向両側に配置される一対の摩擦パッド19,21を支持している。摩擦パッド19,21はそれぞれパッドバックプレート18,20に接着している。
キャリパブラケット8には、2本のボルト14,16によりブレーキキャリパ6に固定された2本のスライドピン15,17が摺動可能に嵌合されており、このブレーキキャリパ6は、図3に示すように、ブレーキディスク2の軸線と平行な方向に進退して摩擦パッド19,21をブレーキディスク2に向けて押し付けるピストン(押動部材)24を内蔵している。
ブレーキキャリパ6はホイールシリンダ22を一体的に有しており、ホイールシリンダ22内にはピストン24が嵌合されている。ピストン室26には、液圧供給口28を介してブレーキマスタシリンダからの液圧が供給される。
ブレーキディスク2はハブ3に連結されている。液圧供給口28を介してブレーキマスタシリンダから液圧がピストン室26内に供給されると、ピストン24が図3で左方向に押し出されてパッド19がブレーキディスク2に押し付けられる。
ピストン24がパッド19をブレーキディスク2に押し付けた反力でブレーキキャリパ6が右方向に移動し、反対側のパッド21もブレーキディスク2に押し付けられ、ブレーキディスク2の回転を制動する。
図4を参照すると、本発明実施形態のブレーキ力検出装置の要部正面図が示されている。ブレーキディスク2、摩擦パッド19,21、ブレーキキャリパ6等は省略されている。図5は図4の右側面図、図6は図5の平面図である。
キャリパブラケット8は正面視概略U形状をしており、一対のブレーキ荷重受け部(ブレーキトルク受け部)8a,8bと、ブレーキ荷重受け部8a,8bをそれぞれ連結する内側連結部(インナーブリッジ部)8cと、外側連結部(アウターブリッジ部)8dとから構成される。
図4に最もよく示されるように、キャリパブラケット8はボルト10,12が螺合されるネジ穴32,34と、スライドピン15,17が嵌合される嵌合穴36,38を有している。キャリパブラケット8は、ブレーキディスク2の回転中心とピストン(押動部材)24の中心を結ぶ線について略線対称の形状をしている。
図5を参照すると、ブレーキ荷重受け部8bは、内側連結部8cに連結される内側アーム部40aと、外側連結部8dに連結される外側アーム部40bと、内側アーム部40aと外側アーム部40bを連結する連結部40cから構成される。
ブレーキ荷重受け部8bの内側アーム部40aには、内側アーム部40aの長手方向に伸長するセンサプレート42が互いに離間した一対のボルト44,46により固定されている。
センサプレート42には歪ゲージ48が貼付されており、歪ゲージ48はその出力を増幅するアンプ50に接続されている。図4を参照すると明らかなように、センサプレート42の背面のブレーキ荷重受け部8bには切欠き52が形成されている。
車両前進時にブレーキがかけられた場合には、パッド19,21がブレーキディスク2を圧接しながらブレーキディスクが回転するため、パッド19,21がブレーキディスク2に引き摺られてブレーキディスクの回転方向に移動し、パッドバックプレート18,20がキャリパブラケット8のブレーキ荷重受け部8bに圧接する。
センサプレート42は内側アーム部40aの外側にボルト44,46で固定されているため、ブレーキ荷重受け部8bがブレーキ荷重(ブレーキトルク)を受けると、センサプレート42には圧縮歪が発生する。
この圧縮歪は歪ゲージ48により検出され、歪ゲージ48に接続されたアンプ50で歪ゲージ48の出力を増幅することにより、センサプレート42の歪量に基づいて制動力が検出される。
センサプレート42の歪は、ブレーキトルクがキャリパブラケット8のブレーキ荷重受け部8bを介して伝達されたときにのみ発生するため、上下力や横方向の力に影響されにくく、精度良くブレーキ力を検出可能である。
更に本実施形態では、ボルト止めされたセンサプレート42の背面のブレーキ荷重受け部8bには切欠き52が形成されているため、センサプレート42はブレーキ荷重を受けたとき切欠きがない場合に比較してより変形し易くなる。これによりセンサプレート42により大きな歪が発生されるため、ブレーキ力の検出精度を向上することができる。
センサプレート42はキャリパブラケット8のブレーキ荷重受け部8bに加わるブレーキ入力の方向と直交する方向に取り付けられているため、ブレーキ印加時の歪を安定して検出することができる。
ブレーキ力が入力する方向と平行にセンサプレート42を固定すると、ブレーキ荷重受け部8bが撓んだ際にキャリパブラケット8とセンサプレート42の接触部分がずれて、ブレーキを解除しても歪が残り、ゼロ点がずれるという不具合が発生するが、本実施形態ではブレーキ力の入力方向と直交する方向にセンサプレート42を取り付けているため、このような不具合が発生することはない。
尚、上述した実施形態の歪ゲージ48に代えて、他の歪検出手段をセンサプレート42に取り付けるようにしてもよく、又、センサプレート及び歪検出手段をキャリパブラケットの円周方向両外側にそれぞれ設ければ、前進時及び後退時の両方のブレーキ力を検出することができる。
図7は本発明が解決すべき課題を説明するための比較例のブレーキ力検出装置の要部を示している。図7は図4では省略されているパッドバックプレート18を追加したものである。
パッドバックプレート18は突出両端部18a,18bを有しており、ブレーキ荷重受け部8aには突出端部18aを受け入れる凹部9が形成され、ブレーキ荷重受け部8bには突出端部18bを受け入れる凹部11が形成されている。
24aはピストン24の押圧中心であり、24bはピストン24の押圧部である。キャリパブラケット8のブレーキ荷重受け部8bは、ブレーキディスク2の回転中心を中心とするピストン24の押圧中心24aを通る円弧の該押圧中心を通る接線に対してブレーキディスク2の半径方向内側から外側に渡り延在している。
よって、車両前進時にブレーキがかけられると、パッド19,21がブレーキディスク2を圧接しながらブレーキディスク2が矢印56方向に回転するため、パッド19,21がブレーキディスク2に引き摺られてブレーキディスクの回転方向に移動し、パッドバックプレート18,20がキャリパブラケット8のブレーキ荷重受け部8bに圧接するが、この圧接点は上記接線の半径方向内側にあったり、外側にあったりして安定しない。
矢印58に示すようにパッドバックプレート18とブレーキ荷重受け部8bとの圧接点が上記接線よりも半径方向内側にある場合には、この圧接点を支点としてパッドバックプレート18の円周方向反対側が矢印60に示すように半径方向外側に動くモーメントが発生する。
その結果、パッドバックプレート18の突出端部18aがブレーキ荷重受け部8aの突起部23を押し上げ、ブレーキ荷重受け部8aが矢印62に示すように外側に撓み、それに伴いアウターブリッジ8dが引っ張られ、センサプレート42に不要な歪が発生する。
図8はこの問題を解決した本発明実施形態にかかるブレーキ力検出装置の要部を示している。図9は図8に類似しており、ブレーキディスク2の回転中心を中心とするピストン24の押圧中心24aを通る円弧70の該押圧中心24aを通る接線72を示している。図10は図8の要部拡大図である。
図9に最も良く示されるように、パッドバックプレート18の円周方向の突出両端部18a,18bには突出端部18a,18bとブレーキ荷重受け部8a,8bの接触する部分が、前記接線72よりもブレーキディスク2の半径方向外側になるように突起64,66がそれぞれ設けられている。パッドバックプレート20にも同様な位置に突起が形成されている。
よって、車両前進時にブレーキがかけられた場合には、パッド19,21がブレーキディスク2を圧接しながらブレーキディスク2が矢印56方向に回転するため、パッド19,21がブレーキディスク2に引き摺られてブレーキディスク2の回転方向に移動し、パッドバックプレート18,20の突起66が矢印68で示すようにキャリパブラケット8の回出側ブレーキ荷重受け部8bに圧接する。
このように、本実施形態によると、パッドバックプレート18,20が上記接線72よりもブレーキディスク2の半径方向外側で回出側ブレーキ荷重受け部8bに圧接するため、パッドバックプレート18,20の円周方向反対側端部(回入側端部)18aがブレーキディスク2の半径方向外側に動くモーメントが発生しない。
その結果、このモーメントによって回入側のキャリパブラケット8のブレーキ荷重受け部8aを押し上げることで発生するアウターブリッジ8dの引っ張りによるセンサプレート42の歪発生がなく、回出側のキャリパブラケット8のブレーキ荷重受け部8bの撓みで発生するセンサプレート42の歪のみを検出できるため、リニアな歪特性を得ることができ、ブレーキ力検出装置の精度を向上することができる。
上述した実施形態では、パッドバックプレート18の突出端部18bに突起66を形成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図11に示すように回出側ブレーキ荷重受け部8bの凹部11に突起74を形成するようにしても良い。
次に、図12及び図13を参照して、回入側のブレーキ荷重受け部8aに歪センサを取り付けて、車両後退時のブレーキ荷重を検出可能にした比較例及び本発明第2実施形態について説明する。図12が比較例であり、図13が本発明第2実施形態をそれぞれ示している。
図12及び図13に示すように、回入側ブレーキ荷重受け部8aの内側アーム部には、内側アーム部の長手方向に伸長するセンサプレート76が互いに離間した一対のボルト78,80により固定されている。
センサプレート76には歪ゲージ82が貼付されており、歪ゲージ82はその出力を増幅する図示しないアンプに接続されている。図12及び図13を参照すると明らかなように、センサプレート76の背面のブレーキ荷重受け部8aには切欠き84が形成されている。
図12に示す比較例において、車両後退時にブレーキがかけられた場合には、ブレーキディスク2には矢印86で示したように前進時と反対方向に回転するため、パッド19,21がブレーキディスク2に引き摺られて、パッドバックプレート18,20がブレーキ荷重受け部8aに圧接する。
矢印88で示すように、パッドバックプレート18の突出端部18aが上記接線72よりブレーキディスク2の半径方向内側でブレーキ荷重受け部8aに圧接した場合には、パッドバックプレート18の円周方向反対側の突出端部18bに矢印90で示すようにブレーキディスク2の半径方向外側に動くモーメントが発生し、このモーメントがブレーキ荷重受け部8bの突起部25を押し上げ、回出側ブレーキ荷重受け部8bが矢印92で示すように外側に撓み、センサプレート76に不要な歪が発生する。
図13に示した本発明第2実施形態では、パッドバックプレート18の突出端部18aと回入側ブレーキ荷重受け部8aの接触する部分が、前記接線72よりもブレーキディスク2の半径方向外側になるように突出端部18aに突起64が形成されているため、パッドバックプレート18の円周方向反対側端部(回出側端部)18bがブレーキディスク2の半径方向外側に動くモーメントが発生しない。
よって、このモーメントによって回出側のキャリパブラケット8のブレーキ荷重受け部8bを押すことで発生するアウターブリッジ8dの引っ張りによるセンサプレート76の歪発生がなく、回入側のキャリパブラケット8のブレーキ荷重受け部8aの撓みで発生するセンサプレート76の歪のみ検出できるため、後退方向でもリニアな歪特性を得ることができ、ブレーキ力検出装置の精度を向上することができる。
本発明のブレーキ力検出装置が適用可能なディスクブレーキの外観斜視図である。 図1のディスクブレーキの左側面図である。 ディスクブレーキの概略断面図である。 本発明実施形態のブレーキ力検出装置の要部正面図である。 図4の右側面図である。 図4の平面図である。 比較例の要部を示す正面図である。 本発明第1実施形態に係るブレーキ力検出装置の要部を示す正面図である。 図8に類似しており、ブレーキディスクの回転中心を中心とするピストンの押圧中心を通る円弧と、押圧中心を通る該円弧の接線を示す図である。 図8の要部拡大図である。 第1実施形態の変形例の要部を示す図である。 車両後退時の比較例の作用を説明する正面図である。 車両後退時の本発明第2実施形態の作用を説明する正面図である。
符号の説明
2 ブレーキディスク(ディスクロータ)
4 ナックル
6 ブレーキキャリパ
8 キャリパブラケット
8a,8b ブレーキ荷重受け部(ブレーキトルク受け部)
8c 内側連結部(インナーブリッジ部)
8d 外側連結部(アウターブリッジ部)
18,20 パッドバックプレート
19,21 パッド
48,82 歪ゲージ
42,76 センサプレート
64,66 突起
70 ブレーキディスクの回転中心を中心とするピストンの押圧中心を通る円弧
72 押圧中心を通り、前記円弧に接する接線

Claims (2)

  1. 車輪を回転可能に支持するとともに、サスペンションによって車体に支持される車輪支持体と、
    車輪とともに回転するブレーキディスクと、
    該ブレーキディスクの両側に配置される一対の摩擦パッドと、
    前記摩擦パッドを前記ブレーキディスクに向けて押動する前記ブレーキディスクの軸線と平行な方向に進退する押動部材を内蔵するブレーキキャリパと、
    前記摩擦パッドの前記ブレーキディスクの円周方向の両側で前記摩擦パッドを支持するとともに、前記ブレーキキャリパを支持し、前記車輪支持体に固定されたキャリパブラケットと、
    を備えたブレーキ装置のブレーキ力検出装置であって、
    前記摩擦パッドの回出側円周方向端部に接してブレーキ荷重を受ける前記キャリパブラケットの回出側ブレーキ荷重受け部の外側に生じるブレーキ時の歪を検出する歪検出手段を具備し、
    前記パッドバックプレートの回出側円周方向端部又は該回出側円周方向端部に接してブレーキ荷重を受ける前記キャリパブラケットの前記回出側ブレーキ荷重受け部の少なくとも一方には、前記回出側円周方向端部と前記回出側ブレーキ荷重受け部の接する部位が、前記ブレーキディスクの回転中心を中心とする前記押動部材の押動中心を通る円弧の該押動中心を通る接線よりも前記ブレーキディスクの半径方向外側になるよう突起が設けられていることを特徴とするブレーキ力検出装置。
  2. 前記摩擦パッドの回入側円周方向端部に接してブレーキ荷重を受ける前記キャリパブラケットの回入側ブレーキ荷重受け部の外側に生じるブレーキ時の歪を検出する第2歪検出手段を更に具備し、
    前記パッドバックプレートの回入側円周方向端部又は該回入側円周方向端部に接してブレーキ荷重を受ける前記キャリパブラケットの回入側ブレーキ荷重受け部の少なくとも一方には、前記回入側円周方向端部と前記回入側ブレーキ荷重受け部の接する部位が、前記接線よりも前記ブレーキディスクの半径方向外側になるように第2突起が設けられていることを特徴とする請求項1記載のブレーキ力検出装置。
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