JP4619514B2 - 飲み口装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、飲料用のボトルに取り付けられる飲み口装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、清涼飲料等を収容して販売する際に、ポレチエンテレフタレートによるボトル,すなわち、ペット(PET)ボトルが多用されている。
このような飲料用のペットボトルに関して、特に、最近では、例えば、容量500ccのものや容量350cc等の小容量のボトルに種々の飲料を収容して販売されるようになってきている。
【0003】
このような小さなボトルに、例えば、果汁等の乳幼児に適する飲料を収容したものを購入した場合においては、内容量は少ないけれども、これを乳幼児が飲用する場合には、やはり一度に飲むには多すぎて残してしまう。このため、一度口をあけたボトルに残りの飲料を収容した状態で蓋をすることができるようにすることが好ましい。
また、飲用の際にも、ボトルの飲み口を繰り返しそのまま口に含むことは、馴れない乳幼児には難しく、こぼしてしまったり、非衛生的であるという問題もあることから、例えば、図7に示すような飲み口容器が工夫されている。
【0004】
図において、ボトル5に上端の小さな開口には、飲み口装置1が取付けられている。
この飲み口装置1は、ボトル5の上端開口に着脱されるようになっており、その中心にボトル5内に延びるストロー6を支持する本体2を有している。この本体2は、上端側にストロー6と連通する吸い口部4を備えており、本体2には、開閉可能なキャップ3が取付けられている。
【0005】
これにより、キャップ3を閉じれば、吸い口部4がカバーされて清潔であり、また、乳幼児は、キャップ3を開いて吸い口部4からストロー6を介してボトル内の飲料を飲むことができるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような飲み口装置1は、ボトル5内の飲料を途中まで飲んだ状態でキャップ3を閉じれば、ボトル内の飲料がこぼれない利点があるが、乳幼児が繰り返し吸い口4を口に含むことで、使用者の涎がボトル5内に入り込んでしまうという欠点がある。
つまり、吸い口4がキャップ3でカバーされる点では衛生的であるが、乳幼児にとって、一回の摂取では飲みきれず、キャップ3を閉じて、例えば、冷蔵庫に入れて保存することを繰り返した場合や、さらには、ストロー状の吸い口を介して飲用することに馴れていないことからも、このような飲み口装置1を使用すると、吸い口4から唾液もしくは涎が侵入し、時間の経過によってはボトル5内で細菌が繁殖して非衛生的である。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、ボトル内の飲料を乳幼児が容易に飲むことができて、飲料をこぼすことが防止され、しかも衛生的に使用することができる飲み口装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1の発明にあっては、液体を収容するボトルの細い筒状の開口に装着する飲み口装置であって、少なくともボトル内に差し込まれるストローを支持して、ストローとは反対側に突出する中空の飲み口本体を備える飲み口部材と、前記飲み口本体の周囲を覆う構成のキャップ部とを有し、前記飲み口部材は、前記飲み口本体と、前記ストローを支持する支持部とを含む着脱可能な少なくとも2部材を備えており、かつ、この飲み口本体と、前記ストローを支持する支持部との間に弁手段を有する、飲み口装置により、達成される。
請求項1の構成によれば、前記飲み口部材の前記飲み口本体と、前記ストローを支持する支持部とは着脱可能に構成され、その間に弁手段を有している。この弁手段は飲み口本体を口に含んだ使用者の唾液や涎等が内部に侵入することを防止することができる。さらに、一回の吸引力が弱い乳幼児が使用する場合に、吸引中に息継ぎしても、弁手段の働きにより、ストローの水面が下がらないことから、吸引しやすい。
また、飲み口本体と、支持部とは着脱可能に構成されているから、この飲み口本体と、支持部とを分離することで、弁手段が露出されるので、容易に洗浄することができ、清潔に使用することができる。
【0009】
また、上記目的は、請求項2の発明にあっては、液体を収容するボトルの細い筒状の開口に装着する飲み口装置であって、ボトルの前記開口に当接され、ボトル内に差し込まれるストローを支持して、ストローとは反対側に突出する中空の飲み口本体を備える飲み口部材と、前記ボトルの開口に対して着脱され、内側に前記飲み口部材を支持する蓋部材と、この蓋部材の周囲に装着されるベース部と、前記飲み口部材から延びていて、前記蓋部材を貫通した飲み口本体の周囲を覆うキャップ本体とを備えたキャップ部とを有し、前記飲み口部材は、前記飲み口本体と、前記ストローを支持する支持部とを含む着脱可能な少なくとも2部材を備えており、かつ、この飲み口本体と、前記ストローを支持する支持部との間に弁手段を有する、飲み口装置により、達成される。
【0010】
請求項2の構成によれば、本発明の飲み口装置は、そのより具体的な形態においては、飲み口部材と、蓋部材と、キャップ部とを備える。すなわち、後述する内圧調整手段を形成する場合には、請求項1の発明の構成に加えて、蓋部材を設けることが好ましい。
飲み口部材は、一番内側に位置して、ボトル内に差し込まれるストローを支持するための支持部と、このストローに連通してボトルの上方に突出する中空の飲み口本体を有している。
蓋部材は、飲み口本体の周囲を塞いで、前記ボトルの開口に対して着脱される。キャップ部は、一番外側で、前記蓋部材の周囲に装着されるベース部と、このベース部に支持されるキャップ本体を有しており、キャップ本体は前記飲み口本体の周囲をカバーする。このキャップ部のベース部と蓋部材とにより、後述するように、ボトル内の空間と外部空間とを開閉する内圧調整手段を形成することができる。したがって、蓋部材と同等の作用を発揮する部材を設ける場合に、これを飲み口部材またはキャップ部と別体にすることなく、これらと一体に設けてもよい。
そして、請求項1の場合と同様に、前記飲み口部材の前記飲み口本体と、前記ストローを支持する支持部とは着脱可能に構成され、その間に弁手段を有している。この弁手段は飲み口本体を口に含んだ使用者の唾液や涎等が内部に侵入することを防止することができる。また、飲み口本体と、支持部とは着脱可能に構成されているから、この飲み口本体と、支持部と分離することで、弁手段が露出されるので、容易に洗浄することができ、清潔に使用することができる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2の構成において、前記蓋部材には、その中心に前記飲み口本体を通過させるとともに、その周囲に前記ボトル内部と外気との間に介在する隙間を有する蓋開口部を有しており、前記ベース部に設けられ、前記蓋開口部とを連通させる第1連通手段と、前記蓋部材に設けられ、前記第1連通手段と前記蓋開口部との間に介在する第2連通部とを有し、前記ベース部の回動位置に応じて、前記第1及び第2の連通手段が連通される内圧調整手段を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項3の構成によれば、前記ベース部の回動位置に応じて、内圧調整手段の前記第1及び第2の連通手段が連通されるので、このベース部を所定の回動位置に合わせてから、飲み口本体を口に含むことにより、内容量の減少に対応して、ボトル内部の気圧と外気圧とが調整されて、収容された飲料を飲用しやすくなる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3の構成において、前記キャップ本体と前記ベース部とは所定の可撓性を有する接続部材により接続されており、前記蓋部材には、キャップ本体を開放した状態で、折り曲げられた前記接続部材を固定保持する保持手段を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項4の構成によれば、キャップ本体を開放して飲み口本体を露出させ、この飲み口本体を口に含もうとした場合に、ベース部からの接続部材の先端に設けられたキャップ本体が使用者の顔の周辺に位置して、飲用の妨げとなる。この場合、接続部材を顔から遠ざかる方向に折り曲げて、前記蓋部材側の保持手段に、保持させることによって、使用者は飲用がしやすくなる。
【0015】
請求項5の発明は、請求項4の構成において、前記保持手段は、前記内圧調整手段が前記ボトル内部と外気とを連通させる状態に対応した前記ベース部の回動位置において、前記接続部材を折り返した外部位置に露出されて配置されていることを特徴とする。
請求項5の構成によれば、使用者は、蓋部材の外部の保持手段の位置を目安として、ベース部を回動させて、キャップ本体を保持させれば、この位置で自動的に内圧調整手段が開放されて、ボトル内部と外気とを連通させる飲用に適した位置にすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態を添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0017】
図1は、本発明の飲み口装置の実施形態の全体を示す概略斜視図である。
図において、飲み口装置10は、例えばペットボトル等のボトル50の上端に形成された細い筒状の開口に着脱可能に構成されている。
飲み口装置10が装着されるボトル50は、ペットボトルに限られず、同種の形状のあらゆる材質のボトルに取付けることができる。
【0018】
この飲み口装置10は、図2にその拡大断面図が示されており、図1及び図2を参照しながら、その構成を説明する。
これらの図において、飲み口装置10は、これを構成する各部材が、例えば、合成樹脂の成形品により形成されており、ボトル50の開口18に当接され、ボトル内に差し込まれるストロー17を支持して、ストローとは反対側に突出する中空の飲み口本体を備える飲み口部材11と、ボトル50の開口18に対して着脱され、内側に飲み口部材11を支持する蓋部材12と、この蓋部材12の周囲に装着されるベース部14と、飲み口部材11から延びていて、蓋部材12を貫通した飲み口本体16の周囲を覆うキャップ本体15とを備えたキャップ部13を有している。
【0019】
そして、図2に示されているように、飲み口部材11は、飲み口本体16の部分と、ストロー17を支持する支持部31の2部材を有していて、飲み口本体16と支持部31とは着脱可能に構成されている。
この飲み口本体16と支持部31との間には弁手段32が設けられている。
【0020】
これらの構成をさらに詳しく説明する。
蓋部材12は、下端が大きく開口した短い円筒体でなり、下端側開口径は装着されるボトル50の開口18の周囲よりも僅かに大きく、この蓋部材12の下端側内周には、ボトル50の開口18の外周に形成された雄ネジ部と螺合する雌ネジが形成されている。これにより、蓋部材12は、ボトル50の開口18の周囲に着脱できるようになっている。
【0021】
蓋部材12の上端は中央部を除いて閉じられていることによって、ボトル50の開口18を塞ぐようになっている。蓋部材12の中央部の蓋開口部23は、その中心に挿通される飲み口本体16の外径に対して、所定の隙間を有するように、僅かに大きく形成されている。
蓋部材12の外周部には、後述するベルトの保持手段35が設けられている。
【0022】
キャップ部13のベース部14は、ほぼリング形状をしたカバー状の部材であり、蓋部材12の上部の形状に対応して、はめ込まれることで、蓋部材12の周囲で回動できるとともに、蓋部材12の上部を塞いでいる。ベース部12の中央には貫通孔が形成されており、この貫通孔28は、その中心に挿通される飲み口本体16の外周に緊密に接する内径を有していて、ボトル50内の飲料が外部に漏れないようにされている。
【0023】
このベース部14の例えば外周部には、例えば、図1で示すようなベルト状の接続部材33の一端が固定されており、その他端にはドーム状のキャップ本体15の下端外周部が接続されている。
少なくとも、この接続部材33の部分は、他の部分と同一の材料か、必要により別の材料で形成され、好ましくは、ある程度の可撓性を備えた合成樹脂材、例えば、ポリプロピレン,ポリエチレン,ナイロン,エラストマー等により形成されており、図1の状態から、キャップ本体15を開放して、折り曲げた図6の位置まで変形させることができるようになっている。
【0024】
キャップ本体15は、例えばドーム状の形状であり、好ましくは、透明に形成されていることにより、内側が視認できるようになっている。キャップ15の内径は、図2に示すように、閉止状態において、ベース部14の外周に緊密にはめ込まれる大きさとされており、飲み口本体16や貫通孔28から僅かにもれた液体を閉じこめることができるようになっている。
尚、好ましくは、図2に示されているように、キャップ本体15の上端内面にストッパ36を設けてもよい。ストッパ36は、キャップ本体15を閉止した時に飲み口本体16の上端開口に入り込んで、飲み口本体16からボトル50内の液体が漏れることを完全に防止することができる。
【0025】
また、上記ベース部14には、外部と蓋開口部23を連通させる第1連通手段としての貫通孔22,22を備えている。
この貫通孔22は、上述した飲み口本体16が通過する中心の貫通孔28の周囲の領域に形成され、この場合、2つの弧状の貫通孔22,22として形成されている。この貫通孔22,22は、後述する内圧調整手段24の一部を構成する。
【0026】
図3ないし図5は、上記ベース部14が装着される蓋部材12の蓋開口部23の付近を詳しく示す部分拡大図であり、図3はその部分拡大平面図、図4は図3のA−A断面図、図5は図3のB−B断面図である。
これらの図において、蓋部材12の上面の上端付近には、中央に蓋開口部23が形成されている。この蓋開口部23の直径は、上記したベース部14の中央の貫通孔28よりも大きく設定されている。
【0027】
上記蓋開口部23の周囲は、図3に示されているように、各4分割された領域において、連通孔と閉止部26とが2つずつ形成されている。
すなわち、蓋開口部23の中心に関して、互いに180度の位置になるように、蓋開口部の外周縁27に近い高さとなる様、高く構成された閉止部26,26(図4参照)が設けられている。また、各閉止部26,26の間で、互いに180度の位置になるように第2連通手段である連通孔25,25が形成されている。
上記連通孔25,25は、図5に示すように、それぞれ、外周部が蓋開口部23の外周縁27と同じ高さであり、蓋開口部23の下端に向かうように内方へ徐々に下降する傾斜孔部で構成されている。
本実施形態では、例えば、上記蓋開口部23と連通孔25,25及び、キャップ部15のベース部14に形成した貫通孔22,22により内圧調整手段24を構成している。
【0028】
次に、図6に示す飲み口部材11について説明する。
飲み口部材11は、既に説明したように、飲み口本体16の部分と、ストロー17を支持する支持部31の2部材を有していて、飲み口本体16と支持部31とは着脱可能に構成されている。
この飲み口本体16と支持部31との間には弁手段32が設けられている。
【0029】
飲み口本体16は、図示されているように、使用者が口に含むことができるように長く延びる中空の筒体であり、の下部には、ほぼ断面においてほぼ水平に延びるフランジ部45を有しており、フランジ部45はボトル50の開口18の上端に当接されている。すなわち、蓋部材12は、このフランジ部45を介在させるようにしてボトル50の開口18の周囲に装着されている。このフランジ部45は内側の周方向にそって隙間ないし孔42を有している。
このフランジ部45がボトル50と蓋部材12との間でパッキンとして機能するため、飲料が外にもれることが無いようになっている。
また、飲み口部材11は、好ましくは、全体が柔軟な材料,例えば、エラストマーやシリコンで形成されているため、飲み口本体16を曲げて口に含むことができる。このため、飲用の際には、ボトル50を傾けることなく飲用することが可能で、母乳や哺乳瓶の乳首からの飲用に慣れた乳幼児が使用する場合にも、違和感を感じさせないようになっている。
【0030】
また、飲み口本体16の下端は、支持部31のやや拡径された上端部46内に挿入されている。
この支持部31も筒状の部材であり、上端部36には、やや小さなフランジ部44を備えており、フランジ部44と飲み口本体16のフランジ部45との間には、所定の間隙もしくは孔43を形成するようになっている。
支持部31の上端部46の飲み口本体16下端が挿入された箇所は、弁手段32が内蔵されるようになっている。弁手段32は、好ましくは、エラストマーやシリコン等の柔軟な材料で形成され、本実施形態では、支持部31の上端部46内に設けられた上向きのリング状溝内に挿入されたリング状の本体41と、この本体41に一端が固定され、図6の点線に示すように揺動する弁体41aとを備えている。
このため、支持部31の上端部46の飲み口本体16下端が挿入された箇所は、弁体41aが揺動可能な空間を有する弁箱として構成されている。
さらに、支持部31の下端はその外径が下方に向けて徐々に縮径されるような挿入部31aとされており、ストロー17内に挿入されることで、ストロー17を支持するようになっている。
【0031】
したがって、飲み口部材11は、使用者が飲み口本体16を口に含んでボトル50内の飲料を吸い上げた時には、弁体41aが点線に示すように上方に揺動して弁手段32が開放される。また、吸引を止め、使用者の唾液等が上から落下しようとする場合には、弁体41aが実線のように閉じられることにより、これらの液体がボトル50内に戻らないようになっている。
そして、使用後には、飲み口部材11の支持部31から飲み口本体16を引き抜くと、上記弁箱の部分が分解され、弁手段32が露出されるようになっている。これにより、支持部31や飲み口本体16及び弁手段32を全て清潔に洗浄することができるようになっている。
また、弁手段32全体もしくは、少なくとも弁体41aは、柔軟な材料で形成されているから、支持部31と飲み口本体16の下部の連結部が密閉される。このため、この連結部から外部の空気が入ってのみずらくなったり、あるいはここから液体が漏れることが防止される。
さらに、息継ぎ等のため、使用者が吸引を止めても、ストロー17内に導かれた飲料の液面が下がらないので、吸引力が弱い使用者でも特に使用しやすい。
【0032】
次に、上述した内圧調整手段24の機能と関連して、接続部材33を固定保持する保持手段35の構成を説明する。
使用者が上述したベース部14を蓋部材12の周囲で図3に示す矢印方向に沿って回動させることにより、貫通孔22,22が連通孔25,25の上に位置した時に、上記内圧調整手段24が開放される。
すなわち、外気は、貫通孔22,22から、連通孔25,25を介して蓋開口部23を通り、飲み口部材11の飲み口本体16のフランジ部45の隙間ないし孔42と、支持部31のフランジ部44の上の隙間ないし孔43をそれぞれ通過してボトル50の内部と連通される。
【0033】
この内圧調整手段24が開放されている位置において、ベース部14に一端が固定されているベルトである接続部材33を図6に示すように湾曲させて、折り曲げると、その位置に対応した蓋部材12の外周部分に位置して保持手段35が設けられている。
この保持手段35は、例えば、図1によく表れているように、縦方向に平行に配置された一対のリブ48,48と、このリブ48,48の内側に形成された縦長のボス49(図6参照)を有している。
一対のリブ48,48の間の距離は、接続部材33の幅よりも僅かに大きくされており、図6に示すように、この一対のリブ48,48の間に接続部材33を強制的に押し込むと、接続部材33がリブ48,48の内側に形成された縦長のボス49,49を乗り越えることで、掛止されるようになっている。
【0034】
本実施形態は以上のように構成されており、次にその作用を説明する。
本実施形態の飲み口装置10は、ボトル50に飲料(図示せず)が収容されている状態において、このボトル50の上端開口18に蓋部材12の内周に設けたネジを締め込むことにより装着される。
【0035】
使用する場合には、使用者は、キャップ本体15を図2に示すように閉止したまま、キャップ部13のベース部14を蓋部材12の周囲で回動させる。
この場合、蓋部材12の外周の保持手段35の位置と、図1に示されているキャップ部13のベルト(接続部材)33の位置が合った位置までベース部14を回動させる。
これにより、ベース部14の貫通孔22,22は、蓋部材12に対して、相対的に図3の矢印の方向に回動して、この位置では、図3の内圧調整手段24を構成するベース部14の貫通孔22,22と、連通孔25,25は連通されることになる。
【0036】
これによって、図6に示すように、ボトル50内と外気は連通される。そして、キャップ本体15を手で外して開放し、ベルト33を外側へ折り返して、図示のように保持手段35に保持させれば、ベルト33が動いて、キャップ本体15が顔に当たったりすることがない。つまり、キャップ本体15は飲み口本体16を開放した状態で保持されるようになっており、接続部材33は図示のように、ボトル50側の折り返された状態で保持されるから、外したキャップ本体15が飲用の邪魔になることがない。そして、使用者が、飲み口本体16を口に含んだ状態で、吸引すると、弁手段32の弁体41aは図6の点線のように揺動して開くことで、ボトル50内の飲料を吸い上げることができる。
この時、口に一度含んだ飲料が飲み口本体16からボトル50内に戻ろうとしても、弁手段32の働きにより弁体41aが図6の実線のように閉じて、ボトル50内に戻ることはない。
【0037】
したがって、乳幼児等の飲用動作に馴れない者が使用しても、一度口に含んだ飲料が唾液や涎とともにボトル内に戻ることがないので、ボトル50内で細菌が繁殖したりすることなく、清潔な状態をたもつことができる。
しかも、キャップ部13のベース部14を回動させて、ベルト33を保持手段35に保持させる位置で、内圧調整手段24が自動的に開放されることから、液体の吸引とともに、外気がボトル50内に導入されるので、ボトル50内の飲料を容易に飲むことができる。
このため、口腔内に負圧を作ることに不慣れな乳幼児や老人等においても、ボトル50内の飲料を簡単に吸い上げることができる。
【0038】
また、弁手段32の作用により、一度口に含んだ飲料がボトル50内に戻ることを防止できるだけでなく、吸引を途中で休んだ時には、弁体41aが閉じて、ストロー17内の飲料がボトル50内に落下して戻りにくくするので、再度吸引を開始した時には、飲料を吸い上げを途中から継続することができ、この点においても、乳幼児や老人等の使用に適している。
【0039】
また、使用後は、ベルト33を保持手段35から外して、キャップ本体15をベース部14の外周に嵌合させれば、キャップ本体15が飲み口本体16の上端部を囲むので、使用者の口に触れる飲み口本体16の上端部を汚れから保護することができて、衛生的である。
特に、この状態で、ベース部14を回動させると、ベース部14の貫通孔22,22は、蓋部材12に対して、相対的に図3にて鎖線で示す矢印の方向に回動して、図3の内圧調整手段24を構成するベース部14の貫通孔22,22と、連通孔25,25が連通されない位置とすれば、外気がボトル50内に侵入せず、ボトル50内の飲料がストロー17を介して、飲み口部材11から出にくくすることができる。このため、ボトル50及び飲み口装置10を傾けても、液体飲料が外部にもれることはほとんどない。
【0040】
そして、飲み口装置10の使用後においては、ボトル50に対する蓋部材12の螺合を外すことで、飲み口装置10を簡単に外すことができる。
次いで、飲み口部材11を外して、飲み口部材11の支持部31から飲み口本体16を引き抜くと、弁箱の部分が分解され、弁手段32が露出されるようになっている。これにより、支持部31や飲み口本体16及び弁手段32を全て清潔に洗浄することができるので、衛生的に使用することができる。
【0041】
本発明は、上述の実施形態に限定されない。
例えば、キャップ本体15をベース部14の外周にはめ込むのでなく、キャップ本体15を小さく形成し、飲み口本体16の先端部に装着するようにしてもよい。
さらにまた、キャップ本体15をベース部と接続しないで、キャップ本体を大きく形成し、蓋部材12の上部全体を覆い得るフード状のものにより構成してもよい。
さらに、また、キャップ本体15を省略してもよい。この場合、好ましくは、飲み口本体16を柔軟な材料で形成して長く外部に突出するようにし、途中で折り返して、ストローの先端部を蓋部材13の上面に形成した凹部または開口に嵌入して固定するようにしてもよい。
また、キャップ部13の接続部材33を保持する構造としては、上述のものの他、例えば、蓋部材12の外周にボスを設け、ベルト33側にこのボスを嵌入させる孔を形成する等種々の方法が考えられる。
さらに、上述の実施形態の構成の一部は、必要により省略することができるし、他の構成と組み合わせることも可能である。
さらにまた、キャップ部のベース部に形成される貫通孔や蓋開口部に形成される連通孔は他の形状,形態としてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、ボトル内の飲料を乳幼児が容易に飲むことができて、飲料をこぼすことが防止され、しかも衛生的に使用することができる飲み口装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による飲み口装置の実施形態をボトルに装着した様子を示す概略斜視図である。
【図2】図1の飲み口装置の拡大断面図である。
【図3】図1の飲み口装置の蓋部材の蓋開口部付近を拡大して示す概略平面図である。
【図4】図3のA−A線概略断面図である。
【図5】図3のB−B線概略断面図である。
【図6】図1の飲み口装置の蓋部材の蓋開口部付近を拡大して示す概略平面図である。
【図7】従来の飲み口装置の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10・・・飲み口装置、11・・・飲み口部材、12・・・蓋部材、13・・・キャップ部、14・・・ベース部、15・・・キャップ本体、16・・・飲み口本体、17・・・ストロー、18・・・ボトル開口、22・・・第1連通手段(貫通孔)、23・・・蓋開口部、24・・・内圧調整手段、25・・・第2連通手段(連通孔)、26・・・閉止部、31・・・支持部、32・・・弁手段
Claims (5)
- 液体を収容するボトルの細い筒状の開口に装着する飲み口装置であって、
少なくともボトル内に差し込まれるストローを支持して、ストローとは反対側に突出する中空の飲み口本体を備える飲み口部材と、
前記飲み口本体の周囲を覆う構成のキャップ部と
を有し、
前記飲み口部材は、前記飲み口本体と、前記ストローを支持する支持部とを含む着脱可能な少なくとも2部材を備えており、
かつ、この飲み口本体と、前記ストローを支持する支持部との間に弁手段を有する
ことを特徴とする、飲み口装置。 - 液体を収容するボトルの細い筒状の開口に装着する飲み口装置であって、
ボトルの前記開口に当接され、ボトル内に差し込まれるストローを支持して、ストローとは反対側に突出する中空の飲み口本体を備える飲み口部材と、
前記ボトルの開口に対して着脱され、内側に前記飲み口部材を支持する蓋部材と、
この蓋部材の周囲に装着されるベース部と、前記飲み口部材から延びていて、前記蓋部材を貫通した飲み口本体の周囲を覆うキャップ本体とを備えたキャップ部と
を有し、
前記飲み口部材は、前記飲み口本体と、前記ストローを支持する支持部とを含む着脱可能な少なくとも2部材を備えており、
かつ、この飲み口本体と、前記ストローを支持する支持部との間に弁手段を有する
ことを特徴とする、飲み口装置。 - 前記蓋部材には、その中心に前記飲み口本体を通過させるとともに、その周囲に前記ボトル内部と外気との間に介在する隙間を有する蓋開口部を有しており、
前記ベース部に設けられ、前記蓋開口部とを連通させる第1連通手段と、
前記蓋部材に設けられ、前記第1連通手段と前記蓋開口部との間に介在する第2連通部とを有し、
前記ベース部の回動位置に応じて、前記第1及び第2の連通手段が連通される内圧調整手段を備える
ことを特徴とする、請求項2に記載の飲み口装置。 - 前記キャップ本体と前記ベース部とは所定の可撓性を有する接続部材により接続されており、
前記蓋部材には、キャップ本体を開放した状態で、折り曲げられた前記接続部材を固定保持する保持手段を備えることを特徴とする、請求項3に記載の飲み口装置。 - 前記保持手段は、前記内圧調整手段が前記ボトル内部と外気とを連通させる状態に対応した前記ベース部の回動位置において、前記接続部材を折り返した外部位置に露出されて配置されていることを特徴とする、請求項4に記載の飲み口装置。
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CN104909056B (zh) * | 2015-06-19 | 2018-07-27 | 李红彪 | 一种可自动密封的吸管盖 |
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