JP4617522B2 - 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの精製方法 - Google Patents

1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの精製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウレタン発泡剤および冷媒などとして有用な1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(以下、HFC−245faとも言う。)の精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
HFC−245faの製造は、多くの場合、アンチモンなどの種々の触媒の存在下に、気相又は液相において、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(以下、HCC−240faとも言う。)をフッ素化水素する反応方法により行われている。かかるHFC−245faの製造では、原料のHCC−240faに対して、フッ化水素(以下、HFとも言う。)を大過剰で使用するため、上記反応により得られる反応生成物中には、目的物である、HFC−245faのほかに、多量の未反応のHFが残留するので、反応生成物からHFを除去することにより、HFC−245faを分離回収する必要がある。
【0003】
上記反応生成物からのHFC−245faの分離回収では、そこに含まれる多量のHFを同時に回収して反応系に戻し、再使用することが経済上も必要とされている。しかし、HFC−245faとHFとは、相互に均一に混合し、相分離により分離できないだけでなく、両者は沸点も近く、共沸混合物を形成することから、単純な蒸留によっては、HFを含まない、純度の高いHFC−245faを得ることは困難である。
【0004】
従来、かかるHFC−245faとHFの混合物を分離する方法として、HFに対する溶解度が小さく、HFC−245faをなるべく選択的に溶解する抽出剤を使用する方法が提案されている。WO98/00378号公報に開示されるように、HFの抽出剤として硫酸を用いる方法や、特開平9−249589号公報に開示されるように芳香族化合物を用いる方法、特開平10−17501号公報に開示されるように、ヒドロフルオロカーボン類、含フッ素アミン類、含フッ素エーテル類又はヒドロクロロカーボン類から選ばれる抽出剤を用いる方法などが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の方法において、抽出剤として硫酸を用いる方法では、硫酸によって抽出されたHFをリサイクルするには、これを蒸留し、硫酸を分離してHFを回収する必要があるので、その強い腐食性による問題がある。
【0006】
また、芳香族化合物、ヒドロフルオロカーボン類、含フッ素アミン類、含フッ素エーテル類又はヒドロクロロカーボン類を用いる方法でも、これらの抽出剤はHFに多かれ少なかれ溶存するため、回収されたHFをそのまま反応系に戻すことはできず、抽出剤の分離が必要になる。
【0007】
上記従来技術では、特開平10−17501号により、HCC−240faを抽出剤に用いることが提案されており、これがHFC−245faの原料であることから、回収したHFをそのまま反応系に戻すことが可能であることが示されている。しかしながら、HCC−240faを抽出剤として用いた場合には、比較例に示すように、HCC−240faとHFを含む液は室温下に直ちに着色を呈し、オレフィンなどへの分解が起こり、また抽出効率が悪いことが確認された。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような難点を有さない、HFC−245faとHFとの混合物からHFC−245faおよび/又はHFを分離回収する方法について検討を行った結果、本発明に至ったものである。
【0009】
即ち、本発明は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンおよびフッ化水素を含む混合物と、当該混合物に接触させる抽出剤の量が1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンに対し、1〜10倍(モル比)である以下の(a)〜(d)から選ばれる少なくとも1種の抽出剤とを接触させ、分液することにより、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンと抽出剤を主成分とする抽出剤相およびフッ化水素を主成分とするフッ化水素相を得て、上記抽出剤相から1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを分離回収することを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの精製方法にある。
(a)3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、(b)1−クロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン、(c)3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、(d)1,3−ジクロロ−1,1,3−トリフルオロプロパン。
【0010】
本発明で使用される抽出剤たる上記(a)〜(d)の物質は、HCC−240−faをHFによりフッ素化してHFC−245faを製造する際に得られる幾つかの中間化合物に該当する。従って、これらは、目的物であるHFC−245faと構造が類似し、それらの物性もHFC−245faと近似することが予想されたが、予想に反して、本発明者の知見によると、これらは、HFC−245faに対して大きな相互溶解度を有する一方、HFに対しては小さな相互溶解度を有することが判明した。
【0011】
かくして、本発明では、上記(a)〜(d)の物質を抽出剤として使用することにより、HFC−245faおよびHFを含んでなる混合物から、高純度のHFC−245faおよびHFを効率的に抽出分離でき、さらに分離回収したHFは、そこに含まれる抽出剤を分離することなくHFC−245faを製造する反応系に戻すことができることを見出した。これは、本発明で使用される抽出剤がもともとHFC−245faの中間物であるためであり、HF中に溶存した抽出剤は反応系に戻されることによって目的物であるHFC−245faに変換されるためである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について更に詳しく説明する。
【0013】
本発明において対象とされる、HFC−245faおよびHFを含む混合物とは、HFC−245faおよびHFを主成分として含むものであり、各成分は液体および/又は気体で存在する。混合物に含まれるHFC−245faとHFの比率は限定されないが、代表的には、HFC−245faの100重量部に対し、HFを5〜1000重量部、好ましくは、10〜100重量部含むものである。HFが5重量部より小さい場合は抽出剤を使用する効果が小さく、一方、HFが1000重量部より大きい場合はHFC−245faのフッ化水素相への溶解量が多く、分離効率が悪い。
【0014】
本発明でHFC−245faおよびHFを含む混合物の代表例としては、HCC−240faをアンチモンなどの種々の触媒の存在下にHFによりフッ素化して得られる反応生成物である。この反応生成物には、HFC−245faおよびHFのほかに、本発明で抽出剤として使用される(a)〜(d)の物質および3−クロロ−1,1,1−トリクロロ−2−プロペン、1,3,3−トリクロロ−1,1−ジフルオロプロパンなどが少量含まれているが、本発明の実施に支障になることはない。むしろ、(a)〜(d)の物質が含まれている場合は、抽出剤の使用量が少なくでき有益である。
【0015】
本発明で使用される抽出剤は、(a)3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(以下、HCFC−244faとも言う。)、(b)1−クロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン(以下、HCFC−244fbとも言う。)、(c)3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン(以下、HCFC−243faとも言う。)、(d)1,3−ジクロロ−1,1,3−トリフルオロプロパン(以下、HCFC−243fbとも言う。)から選ばれる少なくとも1種である。これらの抽出剤は、HFC−245faの製造時の中間物として調達できるが、もちろん外部から調達してもよい。本発明の抽出剤としては、(a)〜(d)の物質のなかでも、HFの溶解度が低いという理由で上記(c)のHCFC−243faの使用が好ましい。もちろん、(a)〜(d)の物質を併用することができ、また、他の抽出剤を併用することもできる。
【0016】
本発明で、抽出剤の使用量は、HFC−245faおよびHFを含む混合物に含まれるHFC−245faに対してモル比で、1〜10倍である。抽出剤の使用量が倍より小さい場合は、抽出効率が悪く、フッ化水素相にHFC−245faが残存してしまい、一方、10倍より大きい場合には、蒸留によるHFC−245faの回収効率が悪くなってしまう。
【0017】
本発明において、HFC−245faおびHFを含む混合物と抽出剤との接触および分液は、既知の手段により実施される。接触と分液は、同じ装置を使用して同時に行ってもよいが、別の装置を使用して別個に行ってもよい。
【0018】
接触および分液の際の温度は、接触後のHFおよびHFC−245faを含む抽出剤が液化する温度である、−40℃〜100℃で行うのが好ましい。温度が−40℃より低い場合は、冷却設備のコストが高くなり好ましくなく、一方、100℃を超えると処理圧力を高く保つ必要があり、装置コストが高くなり好ましくない。特に好ましくは、−20℃〜40℃で実施される。圧力は、温度と関係するが、通常は1〜30気圧、好ましくは、1〜10気圧で行われる。
【0019】
HFC−245faおよびHFを含む抽出液を分液することにより、HFC−245faおよび抽出剤を主成分とする抽出剤相と、HFを主成分とするフッ化水素相との2相に分けることができる。
【0020】
前者の抽出剤相は、好ましくは、通常行われる適当な後処理、例えば、アルカリ洗浄や蒸留などに付することによって少量含まれるHFを除去することにより、実質的にHFC−245faと抽出剤とからなる混合物を得ることができる。この混合物を、適宜の分離処理、好ましくは、蒸留などに付することにより、抽出剤を実質的に含まない状態でHFC−245faを得ることができる。また、予め、HFを分離することなく、抽出剤相を直接蒸留処理して、場合により、複数の蒸留処理を組み合わせて、操作条件を適当に選択することにより、HFおよび抽出剤を含まないHFC−245faを得ることもできる。
【0021】
一方、後者のフッ化水素相には、HFのほかに少量のHFC−245faおよび抽出剤が含まれるが、これは、HFの原料として別個に使用できるとともに、上記したように、HFC−245faの製造工程である、HCC−240faをHFによりフッ素化する反応工程に循環される。後者の場合には、フッ化水素相に含まれるいずれの成分も支障となるどころか有効に利用できるので有益である。
【0022】
本発明の方法の実施に使用される、接触、分液装置、各種蒸留装置、更には、配管などの各種の設備の材質は、耐食性を有する種々のものが使用できるが、なかでも、ハステロイ、ステンレス鋼、モネル、ニッケルなど、或いは、フッ素系樹脂をライニングした材質の使用が好ましい。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を、具体的な実施例に基づき説明するが、本発明がこれらの実施例によって制限して解釈されるべきでないことはいうまでもない。なお、下記において、例1〜例4は、本発明の実施例であり、例5は比較例である。
〔例1〕
撹拌機および還流凝縮器を設置したアルミニウム製の500mlのオートクレーブ(反応器)に、SbF5(アンチモン触媒)の36gおよびHFの250gを仕込み、撹拌を行いながら60℃に昇温後、HFの20g/時間(1モル/時間)およびHCC−240faの22g/時間(0.1モル/時間)を連続的に反応器内に供給した。
【0024】
20℃に冷却した還流凝縮器をとおして、反応器内圧が0.4MPa(ゲージ圧)になるように生成ガスを連続的に抜き出すことによって反応を行い、粗
ガスをー40℃に冷却した金属容器中に回収した。20時間反応を行うことによって465.5gの粗液を回収した。
【0025】
上記粗液を分析した結果、以下に示す組成をもつことが確認された。
【0026】
Figure 0004617522
この粗液をオートクレーブに仕込み、20℃に保ったが、これらの液は、相互い溶解した。更に、0℃まで冷却したが、相互に溶解したままであった。これに対し、抽出剤として、2000gのHCFC−243faを加え、温度を0℃に保ったまま1分間撹拌し、静置すると、約15秒間で2相に分離し界面が鮮明に現れた。
【0027】
2分間以上静置してから抽出剤相とフッ化水素相に分離した。抽出剤相は、重量測定後、水で洗浄し、ガスクロマトグラフで分析し、予め作成した検量線を用いて抽出溶媒とHFC−245faの量を求めた。また、洗浄した水相に含まれるHFの量を苛性ソーダによる滴定で求めた。一方、フッ化水素相を重量測定後、抽出剤相と同じ方法で組成を分析し、その結果を以下に示す。
Figure 0004617522
得られた抽出剤相として、HFC−245faの91%が回収され、フッ化水素相として、HFの95%が回収された。
【0028】
上記抽出剤相は、加圧蒸留装置により抽出溶媒のHCFC−243faの蒸留分離を行った後、10重量%の水酸化カリウム水溶液100gと室温で混合撹拌して残存するHFを除去した後、更に加圧蒸留装置により不純物を分離し、99%以上の純度のHFC−245faを得ることができた。蒸留分離を行ったHCFC−243faは、再度、抽出剤として使用可能であった。
【0029】
また、得られたフッ化水素相は、そのままアンチモン触媒を用いたHCC−240faの連続フッ素化反応装置にリサイクルしてもフッ素化反応の成績は全く変わらないことを確認した。
〔例2〕
HFC−245faの200gとHFの200gをオートクレーブに仕込み、0℃まで冷却した後、これに対して、抽出剤として、1000gのHCFC−244faを加えた。温度を0℃に保ったまま1分間撹拌し、静置すると、約15秒間で2相に分離し界面が鮮明に現れた。
【0030】
更に、2分間以上静置することにより、抽出剤相とフッ化水素相とに分離した。抽出剤相は、重量測定後、水で洗浄後、ガスクロマトグラフで分析し、予め作成した検量線を用いて抽出溶媒とHFC−245faの量を求めた。また、洗浄した水相に含まれるHFの量を苛性ソーダによる滴定で求めた。
【0031】
一方、フッ化水素相は、重量測定後、抽出剤相と同じ方法で組成を分析した。
その結果を以下に示す。
Figure 0004617522
上記抽出剤相は、加圧蒸留装置により、抽出剤であるHCFC−244fa の蒸留分離を行った後、10重量%の水酸化カリウム水溶液100gと、室温で混合撹拌して残存するHFを除去した後、加圧蒸留装置で蒸留することにより純度99%以上のHFC−245faを得た。
〔例3〕
HFC−245faの200gとHFの200gをオートクレーブに仕込み、20℃に保ったがこれらの液は相互に溶解した。更に、0℃まで冷却したが相互に溶解したままであった。これに対して、抽出剤として、1000gのHCFC−243fbを加え,温度を0℃に保ったまま1分間撹拌し、静置すると、約15秒間で2相に分離し、界面が鮮明に現れた。
【0032】
更に、2分間以上静置することにより、抽出剤相とフッ化水素相とに分離した。抽出剤相は、重量測定後、水で洗浄後、ガスクロマトグラフで分析し、予め作成した検量線を用いて抽出溶媒とHFC−245faの量を求めた。また、洗浄した水相に含まれるHFの量を苛性ソーダによる滴定で求めた。
【0033】
一方、フッ化水素相は、重量測定後、抽出剤相と同じ方法で組成を分析した。
その結果を以下に示す。
Figure 0004617522
得られた抽出剤相として、HFC−245faの90%が回収され、フッ化水素相として、HFの95%が回収された。
【0034】
上記抽出剤相は、加圧蒸留装置により、抽出剤であるHCFC−243fa の蒸留分離を行った後、10重量%の水酸化カリウム水溶液100gと、室温で混合撹拌して残存するHFを除去した後、更に、加圧蒸留装置により不純物を分離し、99%以上の純度のHFC−245faを得た。
〔例4〕
HFC−245faの200gとHFの200gをオートクレーブに仕込み、0℃まで冷却した後、抽出剤として、1000gのHCFC−244fbを加え,温度を0℃に保ったまま1分間撹拌し、静置すると、約15秒間で2相に分離し、界面が鮮明に現れた。
【0035】
更に、2分間以上静置することにより、抽出剤相とフッ化水素相とに分離した。抽出剤相は、重量測定後、水で洗浄後、ガスクロマトグラフで分析し、予め作成した検量線を用いて溶媒とHFC−245faの量を求めた。また、洗浄した水相に含まれるHFの量を苛性ソーダによる滴定で求めた。
【0036】
一方、フッ化水素相は、重量測定後、抽出剤相と同じ方法で組成を分析した。
その結果を以下に示す。
Figure 0004617522
抽出剤相として、HFC−245faの90%が回収され、フッ化水素相として、HFの95%が回収された。
【0037】
得られた抽出剤相は、加圧蒸留装置により、抽出剤であるHCFC−244fbの蒸留分離を行った後、10重量%の水酸化カリウム水溶液100gと、室温で混合撹拌して残存するHFを除去した後、更に、加圧蒸留装置により不純物分離し、99%以上の純度のHFC−245faを得た。
〔例5〕
HFC−245faの200gとHFの200gをオートクレーブに仕込み、20℃に保ったが、これらの液は相互に溶解した。更に、0℃まで冷却したが相互に溶解したままであった。これに対して、抽出剤として、1000gのHCC−240faを加え,温度を0℃に保ったまま1分間撹拌し、静置すると、約15秒間で2相に分離し、界面が鮮明に現れた。
【0038】
更に、2分間以上静置することにより、抽出剤相とフッ化水素相とに分離した。抽出剤相は、重量測定後、水で洗浄後、ガスクロマトグラフで分析し、予め作成した検量線を用いて溶媒とHFC−245faの量を求めた。また、洗浄した水相に含まれるHFの量を苛性ソーダによる滴定で求めた。
【0039】
一方、フッ化水素相は、重量測定後、抽出剤相と同じ方法で組成を分析した。
その結果を以下に示す。
Figure 0004617522
上記抽出剤相を蒸留することにより、回収されたHFC−245faは、初期量の45%にとどまった。
【0040】
【発明の効果】
本発明の方法によると、液相により2相への分離が困難なHFC−245faとHFとを容易に効果的に分離でき、HFC−245faは、高純度且つ高収率で回収できる。HFおよび使用された抽出剤は、精製しなくてもHFC−245faの製造工程に戻し、蓄積することなく原料として循環使用できるで工業的に極めて有用である。

Claims (6)

  1. 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンおよびフッ化水素を含む混合物と、当該混合物に接触させる抽出剤の量が1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンに対し、1〜10倍(モル比)である以下の(a)〜(d)から選ばれる少なくとも1種の抽出剤とを接触させ、分液することにより、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンと抽出剤を主成分とする抽出剤相およびフッ化水素を主成分とするフッ化水素相を得て、上記抽出剤相から1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを分離回収することを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの精製方法。
    (a)3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、
    (b)1−クロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン、
    (c)3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、
    (d)1,3−ジクロロ−1,1,3−トリフルオロプロパン。
  2. 前記抽出剤が、(b)1−クロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパンおよび/または(d)1,3−ジクロロ−1,1,3−トリフルオロプロパンである請求項1に記載の方法。
  3. 抽出剤相およびフッ化水素相を得る分液を、温度が−40℃〜100℃、圧力が1〜30気圧にて行う請求項1又は2記載の方法。
  4. 抽出剤相を蒸留することによって、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを分離回収し、同時に抽出剤を分離回収し、該抽出剤を接触工程に戻す請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 混合物が、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンをフッ化水素にてフッ素化する反応から得られる反応生成物である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. フッ化水素相を、そこに含まれる抽出剤および1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを除去することなく、混合物を得る反応工程に戻す請求項5に記載の方法。
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