JP2001097899A - 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの精製方法 - Google Patents

1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの精製方法

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JP2001097899A
JP2001097899A JP28156199A JP28156199A JP2001097899A JP 2001097899 A JP2001097899 A JP 2001097899A JP 28156199 A JP28156199 A JP 28156199A JP 28156199 A JP28156199 A JP 28156199A JP 2001097899 A JP2001097899 A JP 2001097899A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(H
FC−245fa)およびフッ化水素を含む混合物から
のHFC−245faの精製方法を提供する。 【解決手段】抽出剤として、3−クロロ−1,1,1,
3−テトラフルオロプロパン、1−クロロ−1,1,
3,3−テトラフルオロプロパン、3,3−ジクロロ−
1,1,1−トリフルオロプロパン、および1,3−ジ
クロロ−1,1,3−トリフルオロプロパンから選ばれ
る少なくとも1種を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウレタン発泡剤お
よび冷媒などとして有用な1,1,1,3,3−ペンタフル
オロプロパン(以下、HFC−245faとも言う。)
の精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】HFC−245faの製造は、多くの場
合、アンチモンなどの種々の触媒の存在下に、気相又は
液相において、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン
(以下、HCC−240faとも言う。)をフッ素化水
素する反応方法により行われている。かかるHFC−2
45faの製造では、原料のHCC−240faに対し
て、フッ化水素(以下、HFとも言う。)を大過剰で使
用するため、上記反応により得られる反応生成物中に
は、目的物である、HFC−245faのほかに、多量
の未反応のHFが残留するので、反応生成物からHFを
除去することにより、HFC−245faを分離回収す
る必要がある。
【0003】上記反応生成物からのHFC−245fa
の分離回収では、そこに含まれる多量のHFを同時に回
収して反応系に戻し、再使用することが経済上も必要と
されている。しかし、HFC−245faとHFとは、
相互に均一に混合し、相分離により分離できないだけで
なく、両者は沸点も近く、共沸混合物を形成することか
ら、単純な蒸留によっては、HFを含まない、純度の高
いHFC−245faを得ることは困難である。
【0004】従来、かかるHFC−245faとHFの
混合物を分離する方法として、HFに対する溶解度が小
さく、HFC−245faをなるべく選択的に溶解する
抽出剤を使用する方法が提案されている。WO98/0
0378号公報に開示されるように、HFの抽出剤とし
て硫酸を用いる方法や、特開平9−249589号公報
に開示されるように芳香族化合物を用いる方法、特開平
10−17501号公報に開示されるように、ヒドロフ
ルオロカーボン類、含フッ素アミン類、含フッ素エーテ
ル類又はヒドロクロロカーボン類から選ばれる抽出剤を
用いる方法などが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法におい
て、抽出剤として硫酸を用いる方法では、硫酸によって
抽出されたHFをリサイクルするには、これを蒸留し、
硫酸を分離してHFを回収する必要があるので、その強
い腐食性による問題がある。
【0006】また、芳香族化合物、ヒドロフルオロカー
ボン類、含フッ素アミン類、含フッ素エーテル類又はヒ
ドロクロロカーボン類を用いる方法でも、これらの抽出
剤はHFに多かれ少なかれ溶存するため、回収されたH
Fをそのまま反応系に戻すことはできず、抽出剤の分離
が必要になる。
【0007】上記従来技術では、特開平10−1750
1号により、HCC−240faを抽出剤に用いること
が提案されており、これがHFC−245faの原料で
あることから、回収したHFをそのまま反応系に戻すこ
とが可能であることが示されている。しかしながら、H
CC−240faを抽出剤として用いた場合には、比較
例に示すように、HCC−240faとHFを含む液は
室温下に直ちに着色を呈し、オレフィンなどへの分解が
起こり、また抽出効率が悪いことが確認された。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
難点を有さない、HFC−245faとHFとの混合物
からHFC−245faおよび/又はHFを分離回収す
る方法について検討を行った結果、本発明に至ったもの
である。
【0009】即ち、本発明は、1,1,1,3,3−ペンタ
フルオロプロパンおよびフッ化水素を含む混合物と、以
下の(a)〜(d)から選ばれる少なくとも1種の抽出
剤とを接触させ、分液することにより、1,1,1,3,3
−ペンタフルオロプロパンと抽出剤を主成分とする抽出
剤相およびフッ化水素を主成分とするフッ化水素相を得
て、上記抽出剤相から1,1,1,3,3−ペンタフルオロ
プロパンを分離回収することを特徴とする1,1,1,3,
3−ペンタフルオロプロパンの精製方法にある。 (a)3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプ
ロパン、(b)1−クロロ−1,1,3,3−テトラフ
ルオロプロパン、(c)3,3−ジクロロ−1,1,1
−トリフルオロプロパン、(d)1,3−ジクロロ−
1,1,3−トリフルオロプロパン。
【0010】本発明で使用される抽出剤たる上記(a)
〜(d)の物質は、HCC−240−faをHFにより
フッ素化してHFC−245faを製造する際に得られ
る幾つかの中間化合物に該当する。従って、これらは、
目的物であるHFC−245faと構造が類似し、それ
らの物性もHFC−245faと近似することが予想さ
れたが、予想に反して、本発明者の知見によると、これ
らは、HFC−245faに対して大きな相互溶解度を
有する一方、HFに対しては小さな相互溶解度を有する
ことが判明した。
【0011】かくして、本発明では、上記(a)〜
(d)の物質を抽出剤として使用することにより、HF
C−245faおよびHFを含んでなる混合物から、高
純度のHFC−245faおよびHFを効率的に抽出分
離でき、さらに分離回収したHFは、そこに含まれる抽
出剤を分離することなくHFC−245faを製造する
反応系に戻すことができることを見出した。これは、本
発明で使用される抽出剤がもともとHFC−245fa
の中間物であるためであり、HF中に溶存した抽出剤は
反応系に戻されることによって目的物であるHFC−2
45faに変換されるためである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明について更に詳しく
説明する。
【0013】本発明において対象とされる、HFC−2
45faおよびHFを含む混合物とは、HFC−245
faおよびHFを主成分として含むものであり、各成分
は液体および/又は気体で存在する。混合物に含まれる
HFC−245faとHFの比率は限定されないが、代
表的には、HFC−245faの100重量部に対し、
HFを5〜1000重量部、好ましくは、10〜100
重量部含むものである。HFが5重量部より小さい場合
は抽出剤を使用する効果が小さく、一方、HFが100
0重量部より大きい場合はHFC−245faのフッ化
水素相への溶解量が多く、分離効率が悪い。
【0014】本発明でHFC−245faおよびHFを
含む混合物の代表例としては、HCC−240faをア
ンチモンなどの種々の触媒の存在下にHFによりフッ素
化して得られる反応生成物である。この反応生成物に
は、HFC−245faおよびHFのほかに、本発明で
抽出剤として使用される(a)〜(d)の物質および3
−クロロ−1,1,1−トリクロロ−2−プロペン、
1,3,3−トリクロロ−1,1−ジフルオロプロパン
などが少量含まれているが、本発明の実施に支障になる
ことはない。むしろ、(a)〜(d)の物質が含まれて
いる場合は、抽出剤の使用量が少なくでき有益である。
【0015】本発明で使用される抽出剤は、(a)3−
クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(以
下、HCFC−244faとも言う。)、(b)1−ク
ロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン(以
下、HCFC−244fbとも言う。)、(c)3,3
−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン(以
下、HCFC−243faとも言う。)、(d)1,3
−ジクロロ−1,1,3−トリフルオロプロパン(以
下、HCFC−243fbとも言う。)から選ばれる少
なくとも1種である。これらの抽出剤は、HFC−24
5faの製造時の中間物として調達できるが、もちろん
外部から調達してもよい。本発明の抽出剤としては、
(a)〜(d)の物質のなかでも、HFの溶解度が低い
という理由で上記(c)のHCFC−243faの使用
が好ましい。もちろん、(a)〜(d)の物質を併用す
ることができ、また、他の抽出剤を併用することもでき
る。
【0016】本発明で、抽出剤の使用量は、HFC−2
45faおよびHFを含む混合物に含まれる。HFC−
245faに対してモル比で、好ましくは、0.3〜3
0倍が好ましい。抽出剤の使用量が0.3倍より小さい
場合は、抽出効率が悪く、フッ化水素相にHFC−24
5faが残存してしまい、一方、30倍より大きい場合
には、蒸留によるHFC−245faの回収効率が悪く
なってしまう。なかでも、抽出剤の使用量は、1〜10
倍が特に好ましい。
【0017】本発明において、HFC−245faおび
HFを含む混合物と抽出剤との接触および分液は、既知
の手段により実施される。接触と分液は、同じ装置を使
用して同時に行ってもよいが、別の装置を使用して別個
に行ってもよい。
【0018】接触および分液の際の温度は、接触後のH
FおよびHFC−245faを含む抽出剤が液化する温
度である、−40℃〜100℃で行うのが好ましい。温
度が−40℃より低い場合は、冷却設備のコストが高く
なり好ましくなく、一方、100℃を超えると処理圧力
を高く保つ必要があり、装置コストが高くなり好ましく
ない。特に好ましくは、−20℃〜40℃で実施され
る。圧力は、温度と関係するが、通常は1〜30気圧、
好ましくは、1〜10気圧で行われる。
【0019】HFC−245faおよびHFを含む抽出
液を分液することにより、HFC−245faおよび抽
出剤を主成分とする抽出剤相と、HFを主成分とするフ
ッ化水素相との2相に分けることができる。
【0020】前者の抽出剤相は、好ましくは、通常行わ
れる適当な後処理、例えば、アルカリ洗浄や蒸留などに
付することによって少量含まれるHFを除去することに
より、実質的にHFC−245faと抽出剤とからなる
混合物を得ることができる。この混合物を、適宜の分離
処理、好ましくは、蒸留などに付することにより、抽出
剤を実質的に含まない状態でHFC−245faを得る
ことができる。また、予め、HFを分離することなく、
抽出剤相を直接蒸留処理して、場合により、複数の蒸留
処理を組み合わせて、操作条件を適当に選択することに
より、HFおよび抽出剤を含まないHFC−245fa
を得ることもできる。
【0021】一方、後者のフッ化水素相には、HFのほ
かに少量のHFC−245faおよび抽出剤が含まれる
が、これは、HFの原料として別個に使用できるととも
に、上記したように、HFC−245faの製造工程で
ある、HCC−240faをHFによりフッ素化する反
応工程に循環される。後者の場合には、フッ化水素相に
含まれるいずれの成分も支障となるどころか有効に利用
できるので有益である。
【0022】本発明の方法の実施に使用される、接触、
分液装置、各種蒸留装置、更には、配管などの各種の設
備の材質は、耐食性を有する種々のものが使用できる
が、なかでも、ハステロイ、ステンレス鋼、モネル、ニ
ッケルなど、或いは、フッ素系樹脂をライニングした材
質の使用が好ましい。
【0023】
【実施例】以下、本発明を、具体的な実施例に基づき説
明するが、本発明がこれらの実施例によって制限して解
釈されるべきでないことはいうまでもない。なお、下記
において、例1〜例4は、本発明の実施例であり、例5
は比較例である。 〔例1〕撹拌機および還流凝縮器を設置したアルミニウ
ム製の500mlのオートクレーブ(反応器)に、Sb
5(アンチモン触媒)の36gおよびHFの250g
を仕込み、撹拌を行いながら60℃に昇温後、HFの20
g/時間(1モル/時間)およびHCC−240faの
22g/時間(0.1モル/時間)を連続的に反応器内
に供給した。
【0024】20℃に冷却した還流凝縮器をとおして、
反応器内圧が0.4MPa(ゲージ圧)になるように生
成ガスを連続的に抜き出すことによって反応を行い、粗
ガスをー40℃に冷却した金属容器中に回収した。20
時間反応を行うことによって465.5gの粗液を回収
した。
【0025】上記粗液を分析した結果、以下に示す組成
をもつことが確認された。
【0026】 この粗液をオートクレーブに仕込み、20℃に保った
が、これらの液は、相互い溶解した。更に、0℃まで冷
却したが、相互に溶解したままであった。これに対し、
抽出剤として、2000gのHCFC−243faを加
え、温度を0℃に保ったまま1分間撹拌し、静置する
と、約15秒間で2相に分離し界面が鮮明に現れた。
【0027】2分間以上静置してから抽出剤相とフッ化
水素相に分離した。抽出剤相は、重量測定後、水で洗浄
し、ガスクロマトグラフで分析し、予め作成した検量線
を用いて抽出溶媒とHFC−245faの量を求めた。
また、洗浄した水相に含まれるHFの量を苛性ソーダに
よる滴定で求めた。一方、フッ化水素相を重量測定後、
抽出剤相と同じ方法で組成を分析し、その結果を以下に
示す。 得られた抽出剤相として、HFC−245faの91%
が回収され、フッ化水素相として、HFの95%が回収
された。
【0028】上記抽出剤相は、加圧蒸留装置により抽出
溶媒のHCFC−243faの蒸留分離を行った後、1
0重量%の水酸化カリウム水溶液100gと室温で混合
撹拌して残存するHFを除去した後、更に加圧蒸留装置
により不純物を分離し、99%以上の純度のHFC−2
45faを得ることができた。蒸留分離を行ったHCF
C−243faは、再度、抽出剤として使用可能であっ
た。
【0029】また、得られたフッ化水素相は、そのまま
アンチモン触媒を用いたHCC−240faの連続フッ
素化反応装置にリサイクルしてもフッ素化反応の成績は
全く変わらないことを確認した。 〔例2〕HFC−245faの200gとHFの200
gをオートクレーブに仕込み、0℃まで冷却した後、こ
れに対して、抽出剤として、1000gのHCFC−2
44faを加えた。温度を0℃に保ったまま1分間撹拌
し、静置すると、約15秒間で2相に分離し界面が鮮明
に現れた。
【0030】更に、2分間以上静置することにより、抽
出剤相とフッ化水素相とに分離した。抽出剤相は、重量
測定後、水で洗浄後、ガスクロマトグラフで分析し、予
め作成した検量線を用いて抽出溶媒とHFC−245f
aの量を求めた。また、洗浄した水相に含まれるHFの
量を苛性ソーダによる滴定で求めた。
【0031】一方、フッ化水素相は、重量測定後、抽出
剤相と同じ方法で組成を分析した。その結果を以下に示
す。 上記抽出剤相は、加圧蒸留装置により、抽出剤であるH
CFC−244faの蒸留分離を行った後、10重量%
の水酸化カリウム水溶液100gと、室温で混合撹拌し
て残存するHFを除去した後、加圧蒸留装置で蒸留する
ことにより純度99%以上のHFC−245faを得
た。 〔例3〕HFC−245faの200gとHFの200
gをオートクレーブに仕込み、20℃に保ったがこれらの
液は相互に溶解した。更に、0℃まで冷却したが相互に
溶解したままであった。これに対して、抽出剤として、
1000gのHCFC−243fbを加え,温度を0℃
に保ったまま1分間撹拌し、静置すると、約15秒間で
2相に分離し、界面が鮮明に現れた。
【0032】更に、2分間以上静置することにより、抽
出剤相とフッ化水素相とに分離した。抽出剤相は、重量
測定後、水で洗浄後、ガスクロマトグラフで分析し、予
め作成した検量線を用いて抽出溶媒とHFC−245f
aの量を求めた。また、洗浄した水相に含まれるHFの
量を苛性ソーダによる滴定で求めた。
【0033】一方、フッ化水素相は、重量測定後、抽出
剤相と同じ方法で組成を分析した。その結果を以下に示
す。 得られた抽出剤相として、HFC−245faの90%
が回収され、フッ化水素相として、HFの95%が回収
された。
【0034】上記抽出剤相は、加圧蒸留装置により、抽
出剤であるHCFC−243faの蒸留分離を行った
後、10重量%の水酸化カリウム水溶液100gと、室
温で混合撹拌して残存するHFを除去した後、更に、加
圧蒸留装置により不純物を分離し、99%以上の純度の
HFC−245faを得た。 〔例4〕HFC−245faの200gとHFの200
gをオートクレーブに仕込み、0℃まで冷却した後、抽
出剤として、1000gのHCFC−244fbを加
え,温度を0℃に保ったまま1分間撹拌し、静置すると、
約15秒間で2相に分離し、界面が鮮明に現れた。
【0035】更に、2分間以上静置することにより、抽
出剤相とフッ化水素相とに分離した。抽出剤相は、重量
測定後、水で洗浄後、ガスクロマトグラフで分析し、予
め作成した検量線を用いて溶媒とHFC−245faの
量を求めた。また、洗浄した水相に含まれるHFの量を
苛性ソーダによる滴定で求めた。
【0036】一方、フッ化水素相は、重量測定後、抽出
剤相と同じ方法で組成を分析した。その結果を以下に示
す。 抽出剤相として、HFC−245faの90%が回収さ
れ、フッ化水素相として、HFの95%が回収された。
【0037】得られた抽出剤相は、加圧蒸留装置によ
り、抽出剤であるHCFC−244fbの蒸留分離を行
った後、10重量%の水酸化カリウム水溶液100g
と、室温で混合撹拌して残存するHFを除去した後、更
に、加圧蒸留装置により不純物分離し、99%以上の純
度のHFC−245faを得た。 〔例5〕HFC−245faの200gとHFの200
gをオートクレーブに仕込み、20℃に保ったが、これら
の液は相互に溶解した。更に、0℃まで冷却したが相互
に溶解したままであった。これに対して、抽出剤とし
て、1000gのHCC−240faを加え,温度を0
℃に保ったまま1分間撹拌し、静置すると、約15秒間
で2相に分離し、界面が鮮明に現れた。
【0038】更に、2分間以上静置することにより、抽
出剤相とフッ化水素相とに分離した。抽出剤相は、重量
測定後、水で洗浄後、ガスクロマトグラフで分析し、予
め作成した検量線を用いて溶媒とHFC−245faの
量を求めた。また、洗浄した水相に含まれるHFの量を
苛性ソーダによる滴定で求めた。
【0039】一方、フッ化水素相は、重量測定後、抽出
剤相と同じ方法で組成を分析した。その結果を以下に示
す。 上記抽出剤相を蒸留することにより、回収されたHFC
−245faは、初期量の45%にとどまった。
【0040】
【発明の効果】本発明の方法によると、液相により2相
への分離が困難なHFC−245faとHFとを容易に
効果的に分離でき、HFC−245faは、高純度且つ
高収率で回収できる。HFおよび使用された抽出剤は、
精製しなくてもHFC−245faの製造工程に戻し、
蓄積することなく原料として循環使用できるで工業的に
極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 泰弘 千葉県市原市五井海岸10番地 旭硝子株式 会社内 (72)発明者 岡本 秀一 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AD11 AD16 BB12 BB46 BM10 BM71 EA02 FE71 FE74

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン
    およびフッ化水素を含む混合物と、以下の(a)〜
    (d)から選ばれる少なくとも1種の抽出剤とを接触さ
    せ、分液することにより、1,1,1,3,3−ペンタフル
    オロプロパンと抽出剤を主成分とする抽出剤相およびフ
    ッ化水素を主成分とするフッ化水素相を得て、上記抽出
    剤相から1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを分
    離回収することを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフ
    ルオロプロパンの精製方法。 (a)3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプ
    ロパン、 (b)1−クロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプ
    ロパン、 (c)3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプ
    ロパン、 (d)1,3−ジクロロ−1,1,3−トリフルオロプ
    ロパン。
  2. 【請求項2】混合物に接触させる抽出剤の量が、混合物
    に含まれる1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンに
    対し、0.3〜30倍(モル比)である請求項1に記載
    の方法。
  3. 【請求項3】抽出剤相およびフッ化水素相を得る分液
    を、温度が−40℃〜100℃、圧力が1〜30気圧に
    て行う請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】抽出剤相を蒸留することによって、1,1,
    1,3,3−ペンタフルオロプロパンを分離回収し、同時
    に抽出剤を分離回収し、該抽出剤を接触工程に戻す請求
    項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】混合物が、1,1,1,3,3−ペンタクロロ
    プロパンをフッ化水素にてフッ素化する反応から得られ
    る反応生成物である請求項1〜4のいずれかに記載の方
    法。
  6. 【請求項6】フッ化水素相を、そこに含まれる抽出剤お
    よび1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを除去す
    ることなく、混合物を得る反応工程に戻す請求項5に記
    載の方法。
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