JP4616851B2 - 排気温度制御装置をそなえた多気筒エンジン及びその運転制御方法 - Google Patents
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Description
かかる技術においては、各気筒の排気通路に各気筒出口の排気温度を検出する排気温度センサを設け、該排気温度センサで検出された排気温度データに基づき基準排気温度を検出し、排気温度センサで検出された現状の排気温度と前記基準排気温度との排気温度偏差に基づき各気筒毎の目標燃料噴射量を補正するように構成されている。
即ち、エンジンを同一の燃料噴射時期で、且つ同一噴射期間で、エンジン出力を制御した場合には、各シリンダ(気筒)に排気温度のばらつきがあると、NOx低減のために燃料噴射時期を遅らせる際には、最も高い排気温度のシリンダによって燃料噴射時期の遅角が制限され、目標とするNOx低減効果が得られにくい。
また、低負荷域で失火が発生しているシリンダがあっても、排気温度の復元手段を備えないので、失火を自動的に解除できない。
即ち、前記燃料噴射コントローラは、前記排気温度センサからの排気温度検出値に基づき、各過給機入口の排気温度検出値と予め設定された排気温度基準値との排気温度偏差及び該排気温度偏差に対応する燃料噴射時期調整量及び燃料噴射期間調整量を算出し、該燃料噴射時期調整量及び燃料噴射期間調整量に基づき前記各過給機に対応する各シリンダの必要燃料噴射時期及び必要燃料噴射期間を算出して、前記各シリンダの燃料噴射量を調整する燃料制御装置に出力するように構成する。
シリンダ毎に燃料噴射時期及び燃料噴射量を調整可能に構成された多気筒エンジンの運転制御方法であって、前記多気筒エンジンは複数の過給機をそなえ、各過給機の排気タービンに接続される排気マニホールドに各過給機に対応するシリンダの排気ポートが接続され、過給機毎に該過給機入口の排気温度を検出し、排気温度検出値に基づき各過給機入口の排気温度検出値と予め設定された排気温度基準値との排気温度偏差及び該排気温度偏差に対応する燃料噴射時期調整量及び燃料噴射期間調整量を算出し、該燃料噴射時期調整量及び燃料噴射期間調整量に基づき各過給機入口の排気温度が前記排気温度基準値になるように前記各過給機に対応するシリンダの燃料噴射時期及び燃料噴射期間を制御する操作を、前記各過給機入口の排気温度が前記排気温度基準値に達するまで、前記燃料噴射時期及び燃料噴射期間を変化させて繰り返すことを特徴とする。
燃料噴射開始時期及び燃料噴射期間(つまり燃料噴射量)を過給機毎に変化させて、各過給機入口の排気温度を、エンジン負荷あるいはエンジン回転数に適合した排気温度つまり排気温度基準値に収斂するように制御することにより、過給機毎の排気温度のばらつきが無くなり、各過給機の排気温度を前記排気温度基準値に均一に保持してエンジンを運転することが可能となる。
図1において、100はエンジン(多気筒4サイクルディーゼルエンジンで、この例では4気筒エンジンを示す)、30は該エンジン100のシリンダ、9は各シリンダ30に設けられた吸気ポート、7は各吸気ポート9を開閉する吸気弁、8は各シリンダ30に設けられた排気ポート、6は前記各排気ポート8を開閉する排気弁である。
23は前記各吸気ポート9が接続される吸気マニホールド、24は前記各排気ポート8が接続される排気マニホールドである。
21は前記各シリンダ30内に燃料を噴射する燃料噴射弁、22は燃料を高圧に加圧し、この高圧燃料を所定の噴射タイミングで前記燃料噴射弁21に圧送する燃料噴射装置である。
そして、前記過給機5のコンプレッサ5bから圧送された吸気(空気)は、前記吸気管26及び吸気マニホールド23から各シリンダ30の吸気ポート9に分配され、吸気弁7の開弁によりシリンダ30内に導入される。
次いで、該シリンダ30内において、前記燃料噴射弁21からの燃料噴射によって着火燃焼がなされ、着火燃焼後の排気ガスは、前記排気弁6の開弁により排気ポート8を通って排気マニホールド24に溜められてから、排気管25を通って過給機5の排気タービン5aに送り込まれて該排気タービン5aを駆動する。
本発明は、以上のような多気筒4サイクルエンジンにおける排気温度制御装置及び該多気筒4サイクルエンジンの運転制御方法に係るものである。
図1において、1は前記各シリンダの排気ポート8(排気枝管でもよい)に取り付けられて各シリンダ30出口の排気温度を検出する排気温度センサ、3は前記エンジン100に掛かるエンジン負荷を検出する負荷検出器、4は前記エンジン100の回転数を検出するエンジン回転数検出器、2は前記燃料噴射装置の燃料噴射時期及び燃料噴射期間(即ち燃料噴射量)を制御する燃料制御装置である。
10は燃料噴射コントローラで、前記各排気温度センサ1から各シリンダ30出口の排気温度検出値、前記負荷検出器3からエンジン負荷の検出値、前記エンジン回転数検出器4からエンジン回転数の検出値がそれぞれ入力され、これらの検出信号に基づき後述する演算を行い、その制御信号を前記燃料制御装置2に出力するものである。
図2は、本発明に第1実施例(参考例)に係る排気温度制御装置の制御ブロック図である。図3(A)は前記第1実施例(参考例)における燃料噴射時期と排気温度との関係線図、(B)は燃料噴射期間と排気温度との関係線図である。図4はエンジン負荷(あるいはエンジン回転数)と燃料噴射時期及び燃料噴射期間との関係線図である。
図2において、前記各排気温度センサ1からの各シリンダ30出口の排気温度検出値は、前記燃料噴射コントローラ10に該排気温度センサ1と同数設けられた排気温度偏差算出手段12に入力される。
符号13で示される排気温度/噴射時期設定手段には、図3(A)に示されるように、燃料噴射開始時期θ1と排気温度基準値との関係線Aが、エンジン負荷毎あるいはエンジン回転数毎に設定されている(図3(A)には、1つのエンジン負荷(あるいはエンジン回転数)について前記関係線Aを示している)。
また、符号15で示される排気温度/噴射期間設定手段には、図3(B)に示されるように、燃料噴射期間θsと排気温度基準値との関係線Bが、エンジン負荷毎あるいはエンジン回転数毎に設定されている(図3(B)には、1つのエンジン負荷(あるいはエンジン回転数)について前記関係線Bを示している)。
噴射期間調整量算出手段16においては、前記排気温度偏差算出手段12からの各シリンダの排気温度偏差ΔTを図3(B)の関係線Bに対応させて、該排気温度偏差ΔTに対応する燃料期間調整量Δθsをシリンダ毎に算出して噴射期間算出手段17に出力する。
たとえば排気温度検出値が排気温度基準値よりもΔTだけ高い場合には、図4の燃料噴射開始時期から前記燃料噴射時期調整量Δθ1だけ遅らせて、排気温度Tを排気温度基準値T0に低下せしめる。
たとえば排気温度検出値が排気温度基準値よりもΔTだけ高い場合には、図4の燃料噴射期間から前記燃料噴射期間調整量Δθsだけ縮小して、排気温度Tを排気温度基準値T0に低下せしめる。
また、低負荷域で失火が発生しているシリンダがあっても、燃料噴射時期及び燃料噴射期間を調整することにより、各シリンダの排気温度を前記排気温度基準値に復元できるので、失火を自動的に解除することができて、燃焼を安定化できる。これらによりエンジン性能を安定化できる。
本発明の第2実施例は、複数の過給機をそなえた多気筒エンジンを対象としており、図2において、各過給機5(図1参照)毎に該過給機5の排気タービン5a入口に接続される排気マニホールド24の排気温度を、該排気マニホールド24に取り付けた排気温度センサ1sで検出して前記燃料噴射コントローラ10に入力する。
該燃料噴射コントローラ10においては、前記第1実施例(参考例)と同様な手順で、各過給機5入口の排気温度を前記排気温度基準値になるように制御する。
かかる第2実施例の場合は排気温度センサ1sの場合は、排気温度センサ1sは各排気タービン5a入口のみに設けるので、前記第1実施例(参考例)よりも排気温度センサの数が少なくて済み、制御も簡単になる。
その他の作用、効果は前記第1実施例(参考例)と同様である。
1a 燃焼室
2 燃料制御装置
3 負荷検出器
4 エンジン回転数検出器
5 過給機(排気ターボ過給機)
5a 排気タービン
5b コンプレッサ
6 排気弁
7 吸気弁
8 排気ポート
9 吸気ポート
10 燃料噴射コントローラ
21 燃料噴射弁
22 燃料噴射装置
23 吸気マニホールド
24 排気マニホールド
30 シリンダ
100 エンジン(4サイクルディーゼルエンジン)
Claims (3)
- シリンダ毎に燃料噴射時期及び燃料噴射量を調整可能に構成された多気筒エンジンにおいて、
前記多気筒エンジンは複数の過給機をそなえ、各過給機の排気タービン入口に接続される排気マニホールドに各過給機に対応するシリンダの排気ポートが接続され、
過給機毎に該過給機入口の排気温度を検出する排気温度センサ、及び、前記排気温度センサからの排気温度検出値に基づき各過給機入口の排気温度検出値と予め設定された排気温度基準値との排気温度偏差及び該排気温度偏差に対応する燃料噴射時期調整量及び燃料噴射期間調整量を算出し、該燃料噴射時期調整量及び燃料噴射期間調整量に基づき各過給機入口の排気温度が前記排気温度基準値になるように、前記各過給機に対応するシリンダの燃料噴射時期及び燃料噴射期間を制御する燃料噴射コントローラを有してなることを特徴とする排気温度制御装置をそなえた多気筒エンジン。 - 前記燃料噴射コントローラは、前記排気温度センサからの排気温度検出値に基づき、各過給機入口の排気温度検出値と予め設定された排気温度基準値との排気温度偏差及び該排気温度偏差に対応する燃料噴射時期調整量及び燃料噴射期間調整量を算出し、該燃料噴射時期調整量及び燃料噴射期間調整量に基づき前記各過給機に対応する各シリンダの必要燃料噴射時期及び必要燃料噴射期間を算出して、前記各シリンダの燃料噴射量を調整する燃料制御装置に出力するように構成されたことを特徴とする請求項1記載の排気温度制御装置をそなえた多気筒エンジン。
- シリンダ毎に燃料噴射時期及び燃料噴射量を調整可能に構成された多気筒エンジンの運転制御方法であって、前記多気筒エンジンは複数の過給機をそなえ、各過給機の排気タービンに接続される排気マニホールドに各過給機に対応するシリンダの排気ポートが接続され、
過給機毎に該過給機入口の排気温度を検出し、排気温度検出値に基づき各過給機入口の排気温度検出値と予め設定された排気温度基準値との排気温度偏差及び該排気温度偏差に対応する燃料噴射時期調整量及び燃料噴射期間調整量を算出し、該燃料噴射時期調整量及び燃料噴射期間調整量に基づき各過給機入口の排気温度が前記排気温度基準値になるように前記各過給機に対応するシリンダの燃料噴射時期及び燃料噴射期間を制御する操作を、前記各過給機入口の排気温度が前記排気温度基準値に達するまで、前記燃料噴射時期及び燃料噴射期間を変化させて繰り返すことを特徴とする排気温度制御装置をそなえた多気筒エンジンの運転制御方法。
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