JP4616438B2 - 固体撮像素子の取付方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は固体撮像素子の取付方法に係り、特に光学ユニットに対して高精度な取り付けが可能な固体撮像素子の取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体撮像素子を光学ユニットに取り付ける固体撮像素子の取付方法に関し、本願出願人は、特開平11−252416号公報にその一例を開示している。
【0003】
斯かる取付方法は、固体撮像素子チップが搭載されたパッケージの上面に、固体撮像素子チップの結像面と平行な基準面を形成し、この基準面を光学ユニットの基準面に当接させた状態で、パッケージを板ばねで光学ユニットに押圧固定するものである。この取付方法によれば、パッケージと光学ユニットの基準面同士を当接させてパッケージを光学ユニットに取り付けるので、光学ユニットの光軸と固体撮像素子チップの結像面との垂直度を高精度に保持することができるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平11−252416号公報に開示された従来の取付方法では、パッケージ又は光学ユニットの基準面の面精度が悪いと、光学ユニットの基準面に対するパッケージの基準面の位置精度を保証することができないので、パッケージの取付精度を高精度に保持できないという欠点があった。
【0005】
特に、面精度を出し難いセラミック等のような焼結材料でパッケージが造られている場合には、上記欠点が顕著に現れて、光学ユニットの光軸に対する固体撮像素子の結像面のアオリ誤差が大きくなるという問題があった。したがって、前記従来の取付方法は、高画素の固体撮像素子チップが搭載されたセラミック製のパッケージには適用できないという問題があった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、前記従来の取付方法を改良することにより、固体撮像素子を光学ユニットに高精度に取り付けることができる固体撮像素子の取付方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1に係る発明は、固体撮像素子チップが搭載されるパッケージ上面の三箇所の面で構成された面を基準面とし、前記基準面と前記固体撮像素子チップの結像面が平行となるように前記固体撮像素子チップを前記パッケージに貼り付け、その後、前記パッケージの基準面を構成する同じ三箇所の面を、光学ユニットの基準面に突設された三本の突部に当接させ、該パッケージを光学ユニットに固定する固体撮像素子の取付方法であって、前記パッケージの光学ユニットへの固定は、前記パッケージを弾性部材で光学ユニットに押圧することによって行うとともに、パッケージに対する弾性部材の押圧箇所は、前記三本の突部を頂点とする三角形の辺で囲まれた範囲内に設定されていることを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、パッケージの基準面を、光学ユニットの基準面に突設された三本の突部に当接させたので、基準面の面精度が悪い場合でも、光学ユニットの基準面に対するパッケージの基準面の位置精度を保証することができる。よって、本発明は、基準面の面精度が悪い場合でも、固体撮像素子を光学ユニットに高精度に取り付けることができる。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、弾性部材でパッケージを光学ユニットに押圧することによって、パッケージを光学ユニットに固定する。この時、パッケージに対する弾性部材の押圧箇所を、前記三本の突部を頂点とする三角形の辺で囲まれた範囲内に設定したので、パッケージを光学ユニットに対して傾くことなく安定して固定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る固体撮像素子の取付方法の好ましい実施の形態について詳説する。
【0013】
まず、本発明方法に適用される固体撮像素子の構造について説明する。
【0014】
図1は固体撮像素子チップ12が搭載されたパッケージ10(以下、CCDパッケージという)の平面図であり、図2は図1の2−2線に沿う断面図である。
【0015】
これらの図面に示すように、CCDパッケージ10は、主として固体撮像素子チップ12、セラミック板14A〜14D、及びカバーガラス16から構成されている。
【0016】
固体撮像素子チップ12は、セラミック板14B上に搭載されている。また、各セラミック板14A〜14Dはそれぞれ貼り合わされており、カバーガラス16は、セラミック板14D上に貼り合わされている。
【0017】
セラミック板14A、14Bの横幅(図1、図2上で左右方向の寸法)は、セラミック板14C、14Dの横幅よりも大きく形成され、これにより、セラミック板14A、14Bの一部が横方向に張り出している。そして、この張出部の上面を、光学ユニットの光軸と固体撮像素子チップ12の結像面12Aとの垂直度を決めるための基準面20、22としている。また、左右の張出部には、それぞれ位置決め用のU字状の切欠き部24、26が形成されている。なお、基準面20、22は、固体撮像素子チップ12が搭載されるセラミック板14Bの上面と同一面である。
【0018】
図3は、CCDパッケージ10を図1の矢印Aの方向から見た側面図であり、図4はCCDパッケージ10の背面図である。これらの図面に示すように、CCDパッケージ10には、そのパッケージ側面から底面にわたって複数の接続端子18、19が露出するように設けられている。これにより、CCDパッケージ10を基板に表面実装できるようになっている。なお、固体撮像素子チップ12の端子と複数の接続端子18、19とは、アルミ線や金線等によってワイヤボンディングされている。
【0019】
次に、CCDパッケージ10を光学ユニットに取り付ける取付方法について説明する。
【0020】
まず、図5及び図6に示すようにCCDパッケージ10をフレキシブル基板30に表面実装する。この場合、まず、図5に示すようにCCDパッケージ10とフレキシブル基板30との位置合わせを行う。
【0021】
即ち、フレキシブル基板30には、CCDパッケージ10に形成された切欠き部24、26に対応して、予め位置決め用の孔35、36が形成されており、このフレキシブル基板30の位置決め用の孔35、36が位置合わせ用治具37の2本のボス38、39に挿入されるようにフレキシブル基板30を治具37に落とし込む。続いて、CCDパッケージ10の切欠き部24、26が同じボス38、39に挿入されるようにCCDパッケージ10を治具37に落とし込む。これにより、CCDパッケージ10とフレキシブル基板30との位置合わせ(即ち、CCDパッケージ10の接続端子18、19(図4参照)と、フレキシブル基板30の接続端子32、34との位置合わせ)が行われる。
【0022】
そして、このように位置合わせが行われたCCDパッケージ10の接続端子18、19と、フレキシブル基板30の接続端子32、34とをそれぞれ半田ゴテ加熱法、パルスヒータ加熱法、赤外線加熱リフロー法等の半田リフロー法によって半田付けする。図6は前記のようにしてCCDパッケージ10をフレキシブル基板30に表面実装し、治具37を外した状態を示す。
【0023】
次に、図7に示すように光学ユニット40の後方から光学ローパスフィルタ5、ゴム製のシール部材6、及びフレキシブル基板30に表面実装されたCCDパッケージ10(図6参照)を順次挿入する。
【0024】
ここで、CCDパッケージ10のセラミック板14C、14Dのうちの少なくとも一方の側面は、光学ユニット40(鏡胴モールド)の内側の側面に当接させられる。即ち、図1に示すように光学ユニット40側には3つの位置決め部材42、44、46が設けられており、また、位置決め部材42及び位置決め部材44、46に対向して、それぞれ弾性をもった押圧片(図示せず)が光学ユニットに一体成形されている。したがって、これらの押圧片の付勢力に抗してCCDパッケージ10を光学ユニット40内に押し込むことにより、CCDパッケージ10の側面21は、光学ユニット40側の位置決め部材42に当接させられ、CCDパッケージ10の側面23は、光学ユニット40側の位置決め部材44、46に当接させられる。
【0025】
これにより、固体撮像素子チップ12の結像面12Aの平面内の位置決め(即ち、固体撮像素子チップ12の有効撮像面の中心と、光学ユニット40の光軸との位置決め)が行われるとともに、有効撮像面の回転方向の位置決めが行われる。
【0026】
ところで、本実施の形態では、図1、図2、図7の如く、CCDパッケージ10の基準面20、22を、光学ユニット40の基準面60に突設された三本の突部62、62、62(図2、図7上では二本の突部62のみ図示)に当接させることにより、光学ユニット40の基準面60に対する固体撮像素子チップ12の取付面を規定している。これらの突部62、62、62のうち二本の突部62、62は、図1に示すCCDパッケージ10の基準面20の長手方向両側の破線で囲まれた二箇所の面64、64に当接され、残りの一本の突部62は、基準面22の長手方向中央部の破線で囲まれた面64に当接される。したがって、三箇所の面64、64、64の各中心を頂点とする三角形66の辺で囲まれたCCDパッケージ10側の面(基準面20、20と同一面)68が固体撮像素子チップ12の取付面と規定され、この面68と固体撮像素子チップ12の結像面12Aが平行となるように、固体撮像素子チップ12がセラミック板14Bに貼り付けられている。
【0027】
このように三点支持でCCDパッケージ10を光学ユニット40に固定すると、CCDパッケージ10の取付精度は基準面20、22及び基準面60の面精度に依存されなくなる。よって、本実施の形態は、CCDパッケージ10の基準面20、22及び基準面60の面精度が悪い場合でも、基準面60に対する面(固体撮像素子チップ12の取付面)68の位置精度を保証することができるので、固体撮像素子チップ12を光学ユニット40に高精度に取り付けることができる。
【0028】
次に、図7に示すようにフレキシブル基板30の背面に板ばね(弾性部材)50を当て、この板ばね50をビス52、52によって光学ユニット40に固定する。この板ばね50の付勢力により、CCDパッケージ10は光学ユニット40に押し付けられ、CCDパッケージ10の基準面20、22が光学ユニット40側の三本の突部62、62、62に押圧当接されて固定される。高精度の取り付けを行なうためには、押し圧が強すぎるとCCDパッケージ10や光学ユニット40が歪んでしまうので、この板バネ(弾性体)の押し圧は、2ニュートン〜5ニュートン程度の押し圧が好ましい。この時、本実施の形態では、CCDパッケージ10に接触する板ばね50の突部50A、50Bの位置を、図1の面68内に設定したので、CCDパッケージ10を光学ユニット40に対して傾くことなく安定して固定することができる。
【0029】
これにより、光学ユニット40の光軸と固体撮像素子チップ12の結像面12Aとの垂直度を高精度に保持することができるとともに、結像面12Aの光軸方向の位置も高精度に位置決めすることができる。
【0030】
したがって、面精度を出し難いセラミック製のCCDパッケージ10であっても、光学ユニット40の光軸に対する結像面12Aのアオリ誤差を抑えることができる。よって、本実施の形態の取付方法は、高画素の固体撮像素子チップが搭載されたセラミック製のCCDパッケージ10に適用することができる。
【0031】
図8は、固体撮像素子チップ12をセラミック板14Bに貼り付けるための貼付用治具70が示されている。この治具70には、光学ユニット40(図7参照)に形成された3本の突部62、62、62に相当する位置決め用の3本の突部62A、62A、62Aが形成されている。また、治具70には、スプリング72とチップ搭載装置74とが設けられ、スプリング72によってパッケージが3本の突部62A、62A、62Aに押圧当接され、チップ搭載装置によって、固体撮像素子チップ12がパッケージに搭載される。
【0032】
この治具70によれば、突部62A、62A、62Aにパッケージ側の面64、64、64(図9参照)をスプリング72で押圧当接させて、固体撮像素子チップ12の取り付け用の面68を規定し、この面68と結像面12Aとが平行になるように、固体撮像素子チップ12をチップ搭載装置74で下降させてセラミック板14Bに貼り付ける。これにより、パッケージの上面に、固体撮像素子チップ12の結像面12Aと平行な基準面20、22が形成されることになり、この基準面20、20に形成された面64、64、64を光学ユニット40側の突部62、62、62に当接する。これによって、光学ユニット40の光軸と固体撮像素子チップ12の結像面12Aとの垂直度を高精度に保持できる。
【0033】
本実施の形態では、CCDパッケージ10の基準面20、22を、光学ユニット40の突部62、62、62に当接させるように構成したが、図10の如く、CCDパッケージ10の基準面20、22側に三本の突部76、76、76(一本は不図示)を形成し、これらの突部76、76、76を光学ユニット40の基準面60に押圧固定してもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る固体撮像素子の取付方法によれば、パッケージの基準面を、光学ユニットの基準面に突設された三本の突部に当接させることにより、光学ユニットの基準面に対するパッケージの基準面の位置精度を保証したので、パッケージの基準面の面精度が悪い場合でも、固体撮像素子を光学ユニットに高精度に取り付けることができる。また、パッケージの基準面に形成された三本の突部を、光学ユニットの基準面に当接させても、光学ユニットの基準面に対するパッケージの基準面の位置精度を同様に保証できるので、固体撮像素子を光学ユニットに高精度に取り付けることができる。
【0035】
更に、本発明によれば、弾性部材でパッケージを光学ユニットに押圧することによって、パッケージを光学ユニットに固定するとともに、パッケージに対する弾性部材の押圧箇所を、前記三本の突部を頂点とする三角形の辺で囲まれた範囲内に設定したので、パッケージを光学ユニットに安定して固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に適用される固体撮像素子の平面図
【図2】図1の2−2線に沿う断面図
【図3】図1に示したCCDパッケージを矢印Aの方向から見た側面図
【図4】CCDパッケージの背面図
【図5】CCDパッケージとCCDパッケージが表面実装されるフレキシブル基板との位置合わせ方法を説明するために用いた斜視図
【図6】CCDパッケージが表面実装されたフレキシブル基板を示す斜視図
【図7】本発明を説明するために用いたCCDパッケージが取り付けられた光学ユニットの断面図
【図8】固体撮像素子チップの貼付用治具の断面図
【図9】固体撮像素子チップをパッケージに貼り付ける状態を示す模式図
【図10】CCDパッケージ側に三本の突部を形成した例を示す要部拡大断面図
【符号の説明】
10…CCDパッケージ、12…固体撮像素子チップ、14A〜14D…セラミック板、16…カバーガラス、20、22…CCDパッケージの基準面、30…フレキシブル基板、40…光学ユニット、50…板ばね、60…光学ユニットの基準面、62、76…突部、64…突部が当接する面
Claims (1)
- 固体撮像素子チップが搭載されるパッケージ上面の三箇所の面で構成された面を基準面とし、前記基準面と前記固体撮像素子チップの結像面が平行となるように前記固体撮像素子チップを前記パッケージに貼り付け、
その後、前記パッケージの基準面を構成する同じ三箇所の面を、光学ユニットの基準面に突設された三本の突部に当接させ、該パッケージを光学ユニットに固定する固体撮像素子の取付方法であって、
前記パッケージの光学ユニットへの固定は、前記パッケージを弾性部材で光学ユニットに押圧することによって行うとともに、パッケージに対する弾性部材の押圧箇所は、前記三本の突部を頂点とする三角形の辺で囲まれた範囲内に設定されていることを特徴とする固体撮像素子の取付方法。
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