JP4614875B2 - 生物脱臭装置 - Google Patents

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Description

本発明は、臭気ガスの生物脱臭装置に係り、特に下水処理場、し尿処理場、各種工場等から発生する臭気ガスを生物学的に脱臭する装置に関する。
微生物を付着させた担体を充填した充填層に、臭気ガスを通気して生物学的に脱臭する充填塔式生物脱臭法は、ランニングコストが低く、維持管理性が良い点が評価され、下水処理場、し尿処理場等で、脱臭対策における中心的役割を担っている。これらの処理場から発生する主な悪臭物質は、硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチル及び二硫化メチル等の硫黄系悪臭物質であり、従来から、該生物脱臭法によって、これらの悪臭物質を高効率除去するための検討がなされている。
硫黄系悪臭物質は、微生物によって酸化分解され、硫酸を生成する。そのため、充填層内の保持水pHは低下して強酸性となり、微生物の活性を低下させ、生物脱臭ができなくなる。生物脱臭装置では、このような酸性化を防止するために、装置上部より連続的又は間欠的にpH中性水の散水を行うことにより、生成した硫酸を中和もしくは洗浄するのが一般的である。しかしながら、この方法では、充填層全体をpH中性域に安定維持するために、大量の散水が必要であり、散水用水を確保することができない場合にはpHの変動をきたし、安定した性能が得られないという問題があった。
ところで、硫化水素除去の特性として、pHを安定維持することが前提ではあるが、中性条件だけでなく、強酸性条件でも高い除去能力が発揮されること、及び、残留硫化水素がメチルメルカプタン、硫化メチル及び二硫化メチル除去に影響を与えることが知られている。したがって、強酸性条件で硫化水素を完全除去する部分と、pH中性条件でメチルメルカプタン、硫化メチル及び二硫化メチルを除去する部分に上手く区分することで、散水量の低減と、悪臭物質の高率除去が可能になるのであるが、単に充填層の上から散水を行うだけでは、このような区分を安定して形成することは困難であった。
これに対して、特許第3063103号公報では、散水量を、充填層pHの測定値や臭気中の悪臭物質濃度測定値によって調整しながら、硫化水素除去用充填層のpHを2〜4に維持し、メチルメルカプタン分解用充填層及び硫化メチル分解用充填層のpHを6〜8に維持することを特徴とする生物脱臭方法を提唱している。しかし、高額な測定機器と制御装置が必要なばかりでなく、測定自体の技術的問題、すなわち、冠水状態でない充填層のpH測定や、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル濃度の連続測定が事実上困難であること、及び、装置の維持管理性等に問題があった。
充填塔式生物脱臭装置は、敷地・設置条件等の制約により、臭気を垂直方向に通気させる方式が一般的であるが、この場合、硫化水素分解用充填層のpHと、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層のpHとを制御することは、以下に示す理由により、さらに困難となる。
(a)下向き通気の場合、硫化水素分解用充填層が最上段となり、この部分のpHを強酸性にすると、下段のメチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル分解用充填層にも強酸性の水が落下し、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル除去を阻害する。
(b)上向き通気の場合、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル分解用充填層が最上段となり、この部分のpHを中性に維持するために、多少の余裕率をもって散水すると、下段の硫化水素分解用充填層にも、必要量以上の中性水が落下し、硫化水素除去を阻害する。その結果、上段充填層まで残留硫化水素が流入し、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル除去を阻害する。
上記のような充填層落下水による下段充填層への影響を無くすため、硫化水素分解用充填層を備えた充填塔とメチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層を備えた充填塔を別々にして直列多塔式にしたり、特許第2697066号公報では、臭気の流れは通しても上段充填層から下段充填層への水の落下を防止する仕切板を備えた装置が提唱されているが、いずれも装置構造の複雑化が避けられない。
特開2003−93838号公報 特開2003−181240号公報 特許第3063103号公報 特許第2697066号公報
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決し、極めて簡単かつ安価な方法で、少ない散水量で、生物脱臭装置内の微生物相を安定化し、高い悪臭物質除去性能を発揮することができる生物脱臭装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明では、硫黄系臭気ガスを通気して脱臭を行う生物脱臭装置であって、該生物脱臭装置は、散水した水の排水口、該臭気ガスの導入口、硫化水素を分解する充填層B、メチルメルカプタン及び/又は硫化メチル及び/又は二硫化メチルを分解する充填層A、充填層AにpH中性水を散水するための散水装置、処理ガスの出口を下から順に備え、該充填層BのpHを0.7〜2.0、該充填層AのpHを6.5〜8.5に維持するだけの散水を該散水装置により行うとともに、該充填層Bに保水量が10〜100L/m の充填材、該充填層Aに保水量が100〜1000L/m の充填材を用いることを特徴とする生物脱臭装置としたものである
また、本発明では、硫黄系臭気ガスを通気して脱臭を行う生物脱臭装置であって、該生物脱臭装置は、散水した水の排水口B、該臭気ガスの導入口、硫化水素を分解する充填層B、充填層BにpH中性水を散水するための散水装置B、処理ガスの出口Bを下から順に備えた充填塔Bと、散水した水の排水口A、該充填塔Bからの処理ガスの導入口、メチルメルカプタン及び/又は硫化メチル及び/又は二硫化メチルを分解する充填層A、充填層AにpH中性水を散水するための散水装置A、処理ガスの出口Aを下から順に備えた充填塔Aとから成り、該充填層BのpHを0.7〜2.0、該充填層AのpHを6.5〜8.5に維持するだけの散水を該散水装置B、該散水装置Aにより行うとともに、該充填層Bに保水量が10〜100L/m の充填材、該充填層Aに保水量が100〜1000L/m の充填材を用いることを特徴とする生物脱臭装置としたものである。
前記生物脱臭装置において、硫黄系臭気ガスは、下水処理場又はし尿処理場から発生するものであり、前記充填層Bの充填材は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルの1つ以上、前記充填層Aの充填材は、ポリビニルアルコール、ナイロン、ビニロン、キュプラ、ビスコースレーヨン、アセテート、多孔質体のセラミック、多孔質体のカーボン、ゼオライト、軽石の一つ以上を用いることができる。また、前記充填層Bの空塔速度が600〜3000hr −1 、前記充填層Aの空塔速度が200〜1000hr −1 とするのがよく、さらに、前記充填層Bの容積と前記充填層Aの容積の比が1:1〜5とすることができる。
本発明では、臭気ガスを、順次に、硫化水素分解用微生物を担持した硫化水素分解用充填層と、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用微生物を担持したメチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層とに通気させて、該各充填層に水を散布しながら脱臭する装置において、該硫化水素分解用充填層に、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層よりも保水量が少ない充填材を用いることで、高い悪臭物質除去性能を得ることができる。
本発明の装置によれば、硫化水素分解用充填層とメチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層とに一括して散水しても、各充填層における保持水量が異なるため、保水量が少ない硫化水素分解用充填層は、硫酸が高濃度に蓄積して、強酸性条件で安定する一方、保水量が多いメチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層は硫酸濃度が上昇しにくいため、pH中性条件で安定させることができ、生物脱臭装置内の微生物相を安定化し、高い悪臭物質除去性能を発揮することができる。
本発明における、もっとも簡単な装置構造の例は、上向き通気条件において、上段(上層)に保持水量の多い充填材を、下段(下層)に保持水量の少ない充填材を充填し、充填層上部に散水装置を備えたものである。このとき、散水は、上層充填材のpHが中性に維持されるだけの散水を行なえば良く、散水量は、臭気中の硫化水素を除いた、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチルの酸化分解で生成する総硫酸の量と散水用水のアルカリ度から、pHを中性域に維持できる量に設定すれば良い。このような散水条件で、下層充填材は自ずから強酸性域に安定維持され、この層で硫化水素が完全除去されるため、上段のメチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層に硫化水素が流入することがない。
各充填層のpHを制御する方法としては、散水量の制御の他に、リトマス溶液を散水に混ぜる方法や、通風量を制御する方法等が用いられる。
本発明者らが明らかにしたところによれば、pHの適正範囲は、硫化水素分解用充填層がpH0.7〜2.0、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル分解用充填層がpH6.5〜8.5であり、本発明の方法によれば、保水量の異なる充填層によって、このようなpH域を維持するのは極めて容易である。
pHの変動による悪臭物質除去性能の低下に苦慮していた、既存の生物脱臭装置に対しても、大幅に装置構造を変えることなく、充填層の充填材を変えるだけで、本発明の装置を実現できる。
本発明で用いる充填材は、保水量が異なることによって、硫化水素分解用充填層のpHとメチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層のpHを適正に維持することができるものであれば何ら制限はないが、本発明者らの研究結果によれば、このような性能を発揮するためには、硫化水素分解用充填層の保水量が、10〜100L/mであり、かつ、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層が、100〜1000L/mとなるような充填材が好ましい。具体的には、硫化水素分解用充填材としては、吸水性の低い、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂成形体が好ましく、一方、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填材としては、ナイロン、ビニロン、キュプラ、ビスコースレーヨン、アセテートなどの吸水性の高い樹脂成形体や、セラミックやカーボン等の多孔質体、ゼオライトや軽石などの吸水性の高いものが挙げられる。
なお、硫化水素分解用充填材として用いる吸水性の低い充填材は、材質がはっ水性であるがために、微生物付着性の良くないものが多いので、このような場合は、表面を親水化処理したものを用いるとよい。
各充填層の容積は、臭気組成及び運転条件等により任意に設定すればよいが、本発明の方法によれば、硫化水素のみでなく、生物脱臭法による除去が難しいとされてきたメチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチルも高速で除去できるため、充填層容積あたりの空塔速度が、硫化水素分解用充填層600〜3000hr−1、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層200〜1000hr−1程度となるような大きさに設定すれば良い。硫化水素分解用充填層が600hr−1以下であると、全容積に占めるメチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層の割合が減るため、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチルを充分に除去するには、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層の容積を増やす必要があり、充填層の全容積が大きくなる。
一方、硫化水素分解用充填層が3000hr−1以上であると、硫化水素分解用充填層にて硫化水素が充分に除去されないため、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層におけるメチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチルの充填塔出口における除去が悪くなる。これは、残留する硫化水素により、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチルの除去が阻害されるためである。また、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層が200hr−1以下では、装置全体の容積が大きくなる。一方、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層が1000hr−1以上では、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチルの除去が悪くなる。
また、充填層の容積割合は、硫化水素分解用充填層1に対して、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層1〜5程度で効率除去が可能である。硫化水素分解用充填層1に対して、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層1以下の場合には、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチルの充填塔出口における除去が悪くなる。一方、硫化水素分解用充填層1に対して、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層5以上の場合には、硫化水素分解用充填層にて硫化水素が充分に除去されないため、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層におけるメチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチルの充填塔出口における除去が悪くなる。
以下に、本発明を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の生物脱臭装置の概略構成図である。
図1において、充填塔3は、硫化水素分解用微生物を担持させるための充填材7を充填した充填層5と、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用微生物を担持させるための充填材6を充填した充填層4と、充填層4及び充填層5に散水用水8を散水するための散水部9と、散水した後の水を排水するための排水管10を備える。
散水部9から充填層4及び充填層5に対して散水すると共に、臭気ガス1を充填塔3に導入し、充填層5から4へと通気して臭気ガス1中に含まれる悪臭物質を除去し、処理ガス2として排出する。
図3は、本発明の別の生物脱臭装置の概略構成図である。
図3において、充填塔3を2塔備えた構造であり、1塔目の下段に硫化水素分解用微生物を担持させるための充填材7を充填した充填層5と、1塔目の上段、2塔目の下段、2塔目の上段にメチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用微生物を担持させるための充填材6を充填した充填層4と、充填層4及び充填層5に散水用水8を散水するための散水部9と、散水した後の水を排水するための排水管10とを備えている。
散水部9から充填層4及び充填層5に対して散水すると共に、臭気ガス1を充填塔3に導入し、充填層5から4へと通気して臭気ガス1中に含まれる悪臭物質を除去し、処理ガス2として排出する。
図4は、本発明の別の生物脱臭装置の概略構成図である。
図4において、充填塔3を2塔備えた構造であり、各塔は1段からなる。1塔目に硫化水素分解用微生物を担持させるための充填材7を充填した充填層5と、2塔目にメチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用微生物を担持させるための充填材6を充填した充填層4と、充填層4及び充填層5に散水用水8を散水するための散水部9と、散水した後の水を排水するための排水管10とを備えている。
散水部9から充填層4及び充填層5に対して散水すると共に、臭気ガス1を充填塔3に導入し、充填層5から4へと通気して臭気ガス1中に含まれる悪臭物質を除去し、処理ガス2として排出する。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1
図1に示す生物脱臭装置3の硫化水素分解用充填層5にポリウレタン発泡体を、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層4にポリビニルアルコール発泡体をそれぞれ充填し、下水汚泥集約処理施設から発生する臭気を原ガスとして、脱臭処理した。運転条件は次のとおりである。
原ガス性状 硫化水素濃度 :27 ppm
メチルメルカプタン濃度 :4.1 ppm
硫化メチル濃度 :0.07 ppm
二硫化メチル濃度 :0.10 ppm
温度 :28℃
空塔速度 :270hr−1
空塔線速度 :0.15 m/sec
散水頻度 :1時間に2分間
散水時の液ガス比(単位処理ガス量あたりの散水量) :3 L/m
脱臭処理開始から2週間経過後、処理ガスの悪臭物質濃度は、硫化水素0.001ppm以下、メチルメルカプタン0.001ppm以下、硫化メチル0.001ppm以下、二硫化メチル0.001ppm以下となった。なお、硫化水素除去用充填層のpHが強酸性、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層のpHが中性に維持され、各充填層ごとにpH域が明確に分かれていた。硫化水素は、硫化水素除去用充填層でほぼ完全に除去されていた。脱臭処理開始から1ヶ月経過後の脱臭成績を表1に、充填層高さ(A、Bともに0.5m)方向ごとのpH分布と悪臭物質濃度の分布を図2に示す。
実施例2
図1に示す生物脱臭装置3の硫化水素分解用充填層5にポリプロピレン糸集合体を、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層4にビニロン糸集合体をそれぞれ充填した以外は、実施例1と同じ条件で脱臭処理した。
脱臭処理開始から10日後、処理ガスの悪臭物質濃度は、硫化水素0.001ppm以下、メチルメルカプタン0.001ppm以下、硫化メチル0.001ppm以下、二硫化メチル0.001ppm以下となった。脱臭処理開始から1ヶ月経過後の脱臭成績を表1に示す。
比較例1
図1に示す生物脱臭装置3の硫化水素分解用充填層5と、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層4の両方に、ポリビニルアルコール発泡体を単独充填した以外は、実施例1と同じ条件で脱臭処理した。
脱臭処理開始から1ヶ月経過後、処理ガスの悪臭物質濃度は、硫化水素0.01ppm以下、メチルメルカプタン0.007ppm、硫化メチル0.004ppm、二硫化メチル0.017ppmであった。充填層pH域は実施例1のような明確な区分がなく、実施例1の硫化水素除去用充填層に相当する部分の充填層pHが2〜4を示し、この部分における硫化水素除去性能は実施例1よりも低かった。また、硫化水素の残留により、実施例1のメチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層に相当する部分のメチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチルの除去性能が阻害された。脱臭処理開始から1ヶ月経過後の脱臭成績を表1に、充填層高さ方向ごとのpH分布と悪臭物質濃度の分布を図2に示す。
比較例2
図1に示す生物脱臭装置3の硫化水素除去用充填層5と、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル除去用充填層4の両方に、ポリウレタン発泡体を単独充填した以外は、実施例1と同じ条件で脱臭処理した。
脱臭処理開始から1ヶ月経過後、処理ガスの悪臭物質濃度は、硫化水素0.001ppm以下、メチルメルカプタン0.18ppm、硫化メチル0.06ppm、二硫化メチル0.45ppmであった。充填層pH域は実施例1のような明確な区分がなく、かつ、充填層全体がpH4以下であったため、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチルの除去性能が低かった。脱臭処理開始から1ヶ月経過後の脱臭成績を表1に、充填層高さ方向ごとのpH分布と悪臭物質濃度の分布を図2に示す。
比較例3
図1に示す生物脱臭装置3の硫化水素分解用充填層5と、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解去用充填層4の両方に、ビニロン糸集合体を単独充填した以外は、実施例1と同じ条件で脱臭処理した。
脱臭処理開始から1ヶ月経過後、処理ガスの悪臭物質濃度は、硫化水素0.008ppm以下、メチルメルカプタン0.001ppm、硫化メチル0.001ppm以下、二硫化メチル0.001ppm以下であり、実施例1に比べて悪臭物質除去性能は若干低かった。脱臭処理開始から1ヶ月経過後の脱臭成績を表1に示す。
比較例4
図1に示す生物脱臭装置3の硫化水素分解用充填層5と、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層4の両方に、ポリプロピレン糸集合体を単独充填した以外は、実施例1と同じ条件で脱臭処理した。
脱臭処理開始から1ヶ月経過後、処理ガスの悪臭物質濃度は、硫化水素0.001ppm以下、メチルメルカプタン0.18ppm、硫化メチル0.06ppm、二硫化メチル0.45ppmであり、実施例1に比べて悪臭物質除去性能は低かった。脱臭処理開始から1ヶ月経過後の脱臭成績を表1に示す。
Figure 0004614875
実施例3
図3に示す生物脱臭装置3の硫化水素分解用充填層5にポリウレタン発泡体を、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層4にポリビニルアルコール発泡体をそれぞれ充填し、下水汚泥集約処理施設から発生する臭気を原ガスとして、脱臭処理した。運転条件は次のとおりである。
原ガス性状 硫化水素濃度 :28 ppm
メチルメルカプタン濃度 :1.9 ppm
硫化メチル濃度 :0.093ppm
二硫化メチル濃度 :0.037ppm
温度 :28℃
空塔速度 :270hr−1
(硫化水素分解用充填層1350hr−1、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用328hr−1
空塔線速度 :0.15m/sec
散水頻度 :33分に2分間
脱臭処理開始から2週間経過後、処理ガスの悪臭物質濃度は、硫化水素0.001ppm以下、メチルメルカプタン0.001ppm以下、硫化メチル0.001ppm以下、二硫化メチル0.001ppm以下となった。なお、硫化水素除去用充填層のpHが強酸性、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層のpHが中性に維持された。
実施例4
図4に示す生物脱臭装置3の硫化水素分解用充填層5にポリウレタン発泡体を、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層4にポリビニルアルコール発泡体をそれぞれ充填し、下水汚泥集約処理施設から発生する臭気を原ガスとして、脱臭処理した。運転条件は次のとおりである。
原ガス性状 硫化水素濃度 :31 ppm
メチルメルカプタン濃度 :1.7 ppm
硫化メチル濃度 :0.084ppm
二硫化メチル濃度 :0.041ppm
温度 :25℃
空塔速度 :180hr−1
(硫化水素分解用充填層900hr−1、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用225hr−1
散水頻度 :33分に2分間
脱臭処理開始から2週間経過後、処理ガスの悪臭物質濃度は、硫化水素0.001ppm以下、メチルメルカプタン0.001ppm以下、硫化メチル0.001ppm以下、二硫化メチル0.001ppm以下となった。なお、硫化水素除去用充填層のpHが強酸性、メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層のpHが中性に維持された。
本発明の生物脱臭装置の概略構成図。 実施例及び比較例の結果を示すグラフ。 本発明の他の生物脱臭装置の概略構成図。 本発明の他の生物脱臭装置の概略構成図。
符号の説明
1:臭気ガス、2:処理ガス、3:充填塔、4:メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填層、5:硫化水素分解用充填層、6:メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチル分解用充填材、7:硫化水素分解用充填材、8:散水用水、9:散水部、10排水管

Claims (6)

  1. 硫黄系臭気ガスを通気して脱臭を行う生物脱臭装置であって、該生物脱臭装置は、散水した水の排水口、該臭気ガスの導入口、硫化水素を分解する充填層B、メチルメルカプタン及び/又は硫化メチル及び/又は二硫化メチルを分解する充填層A、充填層AにpH中性水を散水するための散水装置、処理ガスの出口を下から順に備え、該充填層BのpHを0.7〜2.0、該充填層AのpHを6.5〜8.5に維持するだけの散水を該散水装置により行うとともに、該充填層Bに保水量が10〜100L/m の充填材、該充填層Aに保水量が100〜1000L/m の充填材を用いることを特徴とする生物脱臭装置。
  2. 硫黄系臭気ガスを通気して脱臭を行う生物脱臭装置であって、該生物脱臭装置は、散水した水の排水口B、該臭気ガスの導入口、硫化水素を分解する充填層B、充填層BにpH中性水を散水するための散水装置B、処理ガスの出口Bを下から順に備えた充填塔Bと、散水した水の排水口A、該充填塔Bからの処理ガスの導入口、メチルメルカプタン及び/又は硫化メチル及び/又は二硫化メチルを分解する充填層A、充填層AにpH中性水を散水するための散水装置A、処理ガスの出口Aを下から順に備えた充填塔Aとから成り、該充填層BのpHを0.7〜2.0、該充填層AのpHを6.5〜8.5に維持するだけの散水を該散水装置B、該散水装置Aにより行うとともに、該充填層Bに保水量が10〜100L/m の充填材、該充填層Aに保水量が100〜1000L/m の充填材を用いることを特徴とする生物脱臭装置。
  3. 前記硫黄系臭気ガスは、下水処理場又はし尿処理場から発生するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の生物脱臭装置。
  4. 前記充填層Bの充填材は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルの1つ以上、前記充填層Aの充填材は、ポリビニルアルコール、ナイロン、ビニロン、キュプラ、ビスコースレーヨン、アセテート、多孔質体のセラミック、多孔質体のカーボン、ゼオライト、軽石の一つ以上であることを特徴とする請求項又はに記載の生物脱臭装置。
  5. 前記充填層Bの空塔速度が600〜3000hr −1 、前記充填層Aの空塔速度が200〜1000hr −1 であることを特徴とする請求項1又は2に記載の生物脱臭装置。
  6. 前記充填層Bの容積と前記充填層Aの容積の比が1:1〜5であることを特徴とする請求項1又は2に記載の生物脱臭装置。
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