以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る遊技機としてのパチンコ遊技機1が示されている。このパチンコ遊技機1は、ハウジングを形成する本体枠1aを有している。本体枠1a内には、遊技を制御するための主制御回路30および副制御回路40(後述する)や払出・発射制御回路102(後述する)等から成る制御装置が組み込まれている。また、本体枠1aには、前面扉2Aと、皿パネル(皿ユニット)2Bとが開閉可能に取り付けられている。前面扉2Aのガラス2aの内側には、パチンコ遊技機1の遊技領域を構成する遊技盤3(図2参照)が本体枠1aに取り付けられて配置されており、この遊技盤3の面上に各種入賞領域が配設されている(後述する)。
また、遊技盤3の下方には、賞球または貸し球として払い出される遊技球(弾球;パチンコ球)を溜めるための上皿21が設けられており、上皿21に排出された遊技球は後述する所定の球供給経路を通じて皿パネル2Bの裏面側に設けられた発射装置82(図6参照)に供給される。
また、上皿21の下方には、灰皿20と、上皿21が遊技球で一杯となったときに溢れ出た遊技球を排出するための排出口22と、排出口22から排出された遊技球を貯留するための受け皿としての下皿23と、遊技球を遊技領域に向けて発射させる発射操作を行なうための発射ハンドル24とが設けられている。
また、本体枠1aの上側には左右に位置してスピーカ25L、25Rが設けられており、このスピーカ25L,25RからはBGMおよび効果音等が出力されるようになっている。
図2は、遊技盤3の具体的な構成例を示している。図示のように、遊技盤3の略中央には、遊技状態を決定するための識別情報としての識別図柄(特別図柄;普通図柄)の変動表示および演出アニメーションを含む表示を行なう図柄表示領域4が設けられている。この図柄表示領域4は、画像信号入力に基づいて識別図柄の変動表示および演出アニメーションを含む表示を主に行なう領域であり、具体的には、後述の始動入賞口6に遊技球が入賞(「始動入賞」という)することにより識別図柄の変動表示を開始する。
なお、図柄表示領域4は、本実施形態では液晶表示装置によって構成されているが、例えば、CRT(陰極線管)、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンス等によって構成されても良く、また、電気的表示装置ではなく、図柄を外周面上に描いた機械的な回転リール、模型等の動作物を含む他の機械的装置であっても良い。
また、パチンコ遊技機1では、識別図柄の変動表示が所定の表示態様で停止すると、「大当たり」となり、遊技者にとって有利な「特定遊技状態」(大当たり遊技状態)に移行するようになっている。大当たりとなる所定の停止態様は、例えば、図柄表示領域(液晶表示装置)4の左側に停止した識別図柄、図柄表示領域4の中央に停止した識別図柄、および、図柄表示領域4の右側に停止した識別図柄の3つがいずれも同一態様の図柄の場合で揃った停止態様(例えば図2に示される停止態様)である。また、大当たりとなる停止態様(以下、大当たり停止態様という)を構成する識別図柄の種類に応じて、前記「大当たり」が「確変大当たり」と「通常大当たり」とに区別される。
「確変大当たり」は、所定の確率変動遊技状態移行条件が成立したとき、すなわち、「確変図柄」が揃った「特定停止態様」となったときに発生する。また、「確変大当たり」となった場合は、「大当たり遊技状態」が終了した後の一般遊技状態において、大当たりの発生確率が高い状態(確率変動遊技状態)となる。他方、「通常大当たり」は、所定の変動短縮遊技状態移行条件が成立したとき、すなわち、「通常図柄」が揃った「非特定停止態様」となったときに発生する。「通常大当たり」となった場合は、「大当たり遊技状態」が終了した後の一般遊技状態において、大当たりの発生確率に変動はない。なお、このような一連の遊技状態の制御は、後述する主制御回路30によって行なわれる。
また、図柄表示領域4の下方には、スタートチャッカーと呼ばれる始動入賞口6を構成する普通電動役物5が設けられている。普通電動役物5は、始動入賞口6へ入賞しやすい第1状態と始動入賞口6に入賞しにくい第2状態とに変換可能な可動片6aを有する入賞装置(所謂「チューリップ」)である。なお、この可動片6aが閉じた第2状態であっても、遊技球が1個程度入賞可能である。そして、遊技球が始動入賞口6に入賞すると、例えば5個の賞球が払い出される。
また、図柄表示領域4の左右には普通図柄作動用ゲート7が設けられており、この普通図柄作動用ゲート7に遊技球が通過すると、図柄表示領域4によって普通図柄表示用の「○、×」の画像が交互に点灯されるようになっており、所定時間経過後、「○」の画像のみが点灯されると、普通電動役物5が第1状態に変換される。
普通電動役物5の下方には、遊技者にとって有利な「開状態」と遊技者にとって不利な「閉状態」に変換可能な扉開閉式の変動入賞装置からなるアタッカーと呼ばれる大入賞口8が設けられている。大入賞口8は、図柄表示領域4での特別図柄の変動表示が大当たり停止態様で停止したときに、所定時間だけ開状態に維持される。
そして、この大入賞口8に遊技球が入賞すると所定個数(例えば15個)の賞球が払い出されるように定められている。前述の「特定遊技状態」とは、この大入賞口8が開状態となった遊技状態をいい、この特定遊技状態中は、大入賞口8への10球入賞あるいは30秒経過まで開状態が連続する遊技(以下、「大当たり遊技」という)を、15回(ラウンド)行なえるようになっている。ここで、1回目の大当たり遊技を「第1ラウンド」と称し、2回目以降の大当たり遊技も同様に、「第2ラウンド」、「第3ラウンド」......と称する。なお、大当たり遊技が1ラウンド終了した後、次のラウンドを行うためには、一般的にV入賞口に遊技球が入賞する「V入賞」という所定の条件を満たす必要がある。
ここで、大入賞口8は複数の入賞口で構成され、V入賞は、その複数の入賞口のうちのV入賞口に遊技球が入賞した場合で、このV入賞の成立条件となるV入賞口は、通常、大入賞口8の端に設けられる。また、大入賞口8の下方には、アウト球を回収するアウト口9が設けられている。
また、遊技盤3の左側にはレール10が設置されている。遊技盤3の裏面側に設けられた発射装置82から発射された遊技球は、このレール10に沿って上昇移動し、遊技領域に打ち込まれる。
図柄表示領域4の右側には4つの普通図柄記憶LED12が設けられており、図柄表示領域4の両側には保留球記憶LED13a〜13dが設けられている。普通図柄記憶LED12は、普通図柄の変動中に普通図柄作動用ゲート7への遊技球通過がある度に1個ずつ点灯し、その時点での図柄表示領域4の普通図柄表示用の「○、×」の交互の点灯可能回数(4回を限度とする)を遊技者に知らせるものであり、5回目以降の通過はカウントされず無効となる。
図柄表示領域4の左右上下には、左風車14および右風車15が設けられており、この左風車14および右風車15は遊技球の流下経路を変更するとともに、遊技球が衝突したときに回転して遊技性を増大させる機能を果している。
また、始動入賞口6の左右側には、それぞれ入賞球があると10個の賞球を払出すように定められた一般入賞口16,17,18,19が設けられている。
また、図1に示されるように、遊技盤3の周囲のハウジング上には、遊技状態に応じて光による演出を行なう装飾用のランプ26が設けられている。
図3および図4には、下皿23の構造が具体的に示されている。これらの図から分かるように、下皿23の底面には、下皿23から遊技球を抜き去るための複数(本実施形態では5個)の球抜き穴140が設けられている。また、下皿23には、球抜き穴140を開閉するための開閉手段としての開閉プレート163が設けられている。この開閉プレート163は、図4に明確に示されるように、下皿23の底面に形成された空洞部S内に動作可能に配設されている。なお、開閉プレート163の前端部は、下皿23の側壁部23aに沿って形成された細長いスリット170を通じて前方に突出しており、遊技者が把持して操作する操作手段としての球抜きレバー142を形成している。
球抜き穴140は、下皿23の側壁部23aの例えば円弧形状に沿って一列に配置されている。また、開閉プレート163は、これらの円弧状の列を形成する複数の球抜き穴140を順次に連続的に開閉できるように、例えば回動軸190を中心に回動する略扇形の板状体として形成されている。
また、開閉プレート163(球抜きレバー142)は、下皿23に配設された付勢バネ149により、球抜き穴140を閉じる方向(図3の(b)に矢印Bで示される方向)に常時付勢されている。また、開閉プレート(球抜きレバー142)は、付勢バネ149の付勢力に抗して或いは付勢バネ149の付勢力により、全ての球抜き穴140が完全に開放される開位置(図3の(a)に示される位置)と全ての球抜き穴140が完全に閉じられる閉位置(図3の(b)に示される位置)との間でスリット170に沿って移動できる。すなわち、遊技者が球抜きレバー142を付勢バネ149の付勢力に抗して図3の(a)に示される矢印A方向に動かすと、開閉プレート163によって球抜き穴140が順次に開放され、下皿23に貯留された遊技球を、開放された球抜き穴140の数に応じた抜き出し率で下皿23から効果的に抜き出す(排出する)ことができる。一方、球抜き穴140が一部または全部開放された状態(例えば図3の(a)に示される全開状態)で遊技者が球抜きレバー142から手を離すと、付勢バネ149の付勢力(復元力)により球抜きレバー142が図3の(b)に示される矢印B方向に自動的に移動し、開閉プレート163によって球抜き穴140が順次に閉じられ、最終的に全ての球抜き穴140が閉じられる図3の(b)の状態となる。つまり、本実施形態においては、開閉プレート163の開閉移動経路に沿って複数の球抜き穴140が配置されるとともに、全ての球抜き穴140に対して1つの共通の開閉プレート163が設けられ、開閉プレート163の移動量(開度)に応じて開放される球抜き穴140の個数を選択できるようになっており、これにより、開放される球抜き穴140の数を選択可能にする開放穴数選択手段が構成されている。
また、本実施形態において、下皿23には、球抜き穴140を通過する遊技球を検知する検知手段としての球抜きセンサ154(図6参照)が設けられている。この場合、球抜きセンサ154は、各球抜き穴140に対応してそれぞれ個別に設けられている。また、球抜きセンサ154によって検知される遊技球の個数は、後述するサブCPU41に内蔵されたカウンタによって計測され、また、その計測値(球抜き穴140を通過する遊技球の個数)は、上皿21の側壁部21aに設けられた表示手段としての遊技球数表示部151に表示されるようになっている。
また、遊技球数表示部151に表示される計測値は、開放された球抜き穴140の全てが開閉プレート163によって閉じられた際、すなわち、球抜きレバー142が閉位置に位置された際にリセットされるようになっている。そのため、下皿23には、開閉プレート163または球抜きレバー142の閉位置を検知する球抜きレバーセンサ155(図6参照)が設けられている。具体的には、開閉プレート163および球抜きレバー142が閉位置に位置されて球抜き穴140が閉じられているか否かを、球抜きレバーセンサ155からの検知信号により後述するサブCPU41が判断する。この判断が肯定的である場合、球抜きレバー142と共にリセット手段を構成する前記サブCPU41が遊技球数表示部151に表示された計測値をゼロにリセットする。
なお、球抜きレバーセンサ155としては、例えば、球抜きレバー142または開閉プレート163が閉位置に位置した状態で球抜きレバー142または開閉プレート163と当接することにより機械的に作動するリミットスイッチや、光センサ等の光学的な検知手段等を挙げることができる。
また、本実施形態において、開閉プレート163は、球抜きレバー142を介した手動操作以外に、球抜きモータ150によって自動開閉されるようになっていても良い。具体的には、図5に示されるように、開閉プレート163の円弧状の周面に複数の歯153を連続的に刻設する(すなわち、開閉プレート163が一種の歯車を形成する)とともに、球抜きモータ150の回転軸150aにピニオン(歯車)152を固定し、このピニオン152を開閉プレート163の歯153と噛み合わせるようにする。これによれば、モータ150の回転軸150aを回転させることにより開閉プレート163を前記開位置と前記閉位置との間で回動させることができるようになる。
また、このような自動開閉構造を採用するにあたっては、球抜きモータ150の駆動を例えば後述するサブCPU41によって制御し、球抜きセンサ154からの検知信号により球抜き穴140を通過する遊技球の個数が所定の設定値に達したことが検出された時点で、球抜きモータ150を駆動させ、開閉プレート163によって球抜き穴140の全てを自動的に閉じるようにしても良い。この場合、前記設定値を遊技者が任意に設定できるように、球抜き個数設定部156を前面扉2Aの操作パネル180にスイッチの形態で設けても良い(図1参照)。
図6には、パチンコ遊技機1の制御部の具体的構成が示されている。図示のように、パチンコ遊技機1の遊技動作は、主制御手段としての主制御回路30により制御される。主制御回路30は、演算処理装置としてのCPU(以下、「メインCPU」という)31と、読み出し専用の記憶手段としてのROM(以下、「メインROM」という)32と、読み書き可能な記憶手段としてのRAM(以下、「メインRAM」という)33とを主たる構成要素として構成され、これらは一つの回路基板上に配置される。
メインRAM33としては、ダイナミック型メモリ(DRAM)が用いられる。主制御回路30に接続された各種センサからの入力信号は、この主制御回路30内のメインCPU31に入力され、メインCPU31は、入力信号に応じた処理をメインROM32に格納されている制御プログラムに従って実行する。
さらに、主制御回路30は、全体の遊技制御処理プログラムを定期的(例えば2ms毎)に実行するためのリセット信号を発生する(これを「割込発生」という)図示しないリセット用クロックパルス発生回路と、電源が投入されたときに回路についての初期処理を実行するための初期リセット信号を発生する初期リセット回路35とを備えている。
この主制御回路30には、信号入力手段として、例えば、大入賞口8に設けられたV入賞口に遊技球が入賞したことを検出するV・カウントスイッチ28Sと、大入賞口8のV入賞口を除いた特定入賞口に入賞した遊技球の数を計数するカウントスイッチ29Sと、一般入賞口16,17,18,19に入賞した遊技球を検出する一般入賞球スイッチ16S〜19Sと、普通図柄作動用ゲート7を通過した遊技球を検出する通過ゲートスイッチ7Sと、始動入賞口6に入賞した遊技球を検出する始動入賞口スイッチ6Sとが接続され、また、信号出力手段として、例えば、普通電動役物5に設けられ且つ可動片6aの変換動作を制御する始動口ソレノイド5aと、大入賞口8を開閉するための大入賞口ソレノイド8bと、大入賞口8に入賞する遊技球をV入賞口または特定の入賞口の何れかに振り分けて入賞させるシーソーソレノイド8aと、主制御回路30および遊技球を払い出す払出装置(遊技球払い出し手段)105を制御する払出・発射制御回路102にバックアップされているデータを消去するためのバックアップクリアスイッチ100とが接続されている。
このような構成では、例えば、始動入賞口スイッチ6Sからの信号がI/Oポート98を介して主制御回路30に入力されると、メインCPU31は、その入力信号を始動記憶数としてメインRAM33に累積的に記憶し、大当たりの有無等の判定処理を行なう。そして、それらの判定結果に基づいて生成された図柄表示領域4の表示に関する制御指令(「コマンド」)を、後述の副制御回路40に向けて送信する。
メインROM32には、図柄表示領域4の表示に関する各種の決定に必要なデータが格納されている。例えば、図柄表示領域4で行われる図柄変動の停止結果を大当たりとするか否かを判定する際に参照される「大当たり判定テーブル」、図柄変動の停止結果が外れのときにリーチを発生させるか否かを判定する際に参照される「リーチ判定テーブル」、特別図柄の最終的な停止態様である確定停止態様を決定する際に参照される「停止図柄決定テーブル」、そして、演出パターン(演出表示パターン)を選択する際に参照される「演出パターン選択テーブル」等がメインROM32に格納されている。
メインCPU32では、各種の乱数カウンタの更新処理を定期的に行ない、始動入賞時には、メインCPU32は、これら乱数カウンタのカウント値(以下、「乱数値」という)を読み出し、メインRAM33内に形成される所定の記憶領域に格納する。ここに格納された乱数値は、主制御回路30において行われる各種の判定等に用いられる。
前記「大当たり判定テーブル」は、図柄変動の停止結果を大当たりとするか否かの判定に用いられ、メインCPU31は、この判定の際に取り出した大当たり判定用乱数カウンタの値(「大当たり判定用乱数値」という)をこの大当たり判定テーブルに設定された数値範囲と照合し、上記の判定を行なう。
ここで、「大当たり判定用乱数カウンタ」は、メインCPU31内に形成され、”0〜315”の範囲内で定期的に更新される。一例として前記「大当たり判定テーブル」では、外れの判定となる大当たり判定用乱数値の数値範囲は”0〜6”または”8〜315”で、大当たりの判定となる大当たり判定用乱数値の数値範囲は”7”である。また、確変中に大当たり判定となる大当たり判定用乱数値は”7”、”57”、”117”、”217”、”297”の5つである。
また、メインCPU32は、始動入賞口6に遊技球が入賞したとき、始動入賞口スイッチ6Sが遊技球を検出すると、上述した大当たり判定の際に取り出した大当たり判定用乱数値をメインRAM33の保留球記憶領域に記憶するようになっており、このメインRAM33の保留球記憶領域には最大で4個の大当たり判定乱数値が保留球として記憶される。
そして、現在行われている特別図柄変動遊技が終了すると、メインRAM33に記憶された大当たり判定用乱数値に応じて次の新たな特別図柄変動遊技が保留球の記憶個数分だけ行われ、この遊技は保留球が消化されるまで継続される。
また、保留球記憶領域に保留球が記憶されたときに4個の保留球記憶LED13a〜13dのうち保留球の記憶個数に応じた分だけ点灯される。例えば、保留球LEDは、保留球記憶領域に1つの大当たり判定用乱数値が記憶されたときには、左側の保留球記憶LED13aのみが表示され、記憶領域に記憶される大当たり判定用乱数値が増えるに連れて左側から右側の保留球記憶領域LEDが順次に点灯される。
そして、現在行われている特別図柄変動遊技が終了すると、変動中の大当たり判定用乱数値が削除され、次に記憶された大当たり判定用乱数値が用いられるとともに点灯中の保留球記憶LED13のうち右側の保留球記憶LED13が消灯され、この動作は保留球が無くなるまで継続される。そして、変動中の特別図柄に対応する大当たり判定用乱数値がメインROM32に格納された大当たり判定用テーブルの大当たり乱数値と一致すれば、大当たりとなる。
ここで、メインRAM33に記憶される保留球は4個を上限としており、4個の保留球が記憶されて保留球LEDが全点灯しているときに、以後いくら始動球入賞が発生しても保留球として記憶されずに、それに基づいて大当たり判定も行われない。
また、パチンコ遊技機1は、主制御回路30とは別の一つの回路基板上に配置された副制御手段としての副制御回路40を備えている。この副制御回路40は、主制御回路30と同様に、CPU(以下、「サブCPU」という)41と、ROM(以下、「サブROM」という)42と、RAM(以下、「ワークRAM」という)43とを主たる構成要素として構成される。
サブCPU41は、画像表示制御手段を構成しており、主制御回路30に設けられたシリアル通信用IC(コマンド出力ポート)50および副制御回路40に設けられたコマンド入力ポート99を介して主制御回路30から送信されたコマンドに応じて、図柄表示領域(液晶表示装置)4での図柄変動および演出アニメーションを含んだ表示制御を行なう。また、サブCPU41では、図柄表示領域4の表示制御の他に主制御回路30から送信されたコマンドに応じたスピーカ25L,25Rからの音声出力制御と前面扉2および遊技盤3に配置される枠LED、盤面上LED等の発光体(ランプ26)の動作制御についても行なう。
主制御回路30から送信されたコマンドに応じた処理を実行する具体的手段として、副制御回路40は、図柄表示領域(液晶表示装置)4を制御するための画像制御回路45と、スピーカ25L,25Rを制御するための音声制御回路46と、ランプ26を制御するためのランプ制御回路部47とを備える。
画像制御回路45は、サブCPU41からの指令に基いて液晶画面に表示すべき画像データを生成し、この画像データの表示制御を実行するための手段で構成される。
具体的には、画像制御回路45は、画像データを生成するためのドットデータを格納する画像データROM、サブCPU41で設定されたパラメータに応じて前記画像データROM内のドットデータを読み込み表示すべき画像データを生成するVDP(Video
Display Processor)、VDPで生成された画像データをRGB信号に変換するD/Aコンバータおよび図柄制御プログラムが異常な処理ルーチンに入ったときにリセット信号を発生する初期リセット回路(いずれも図示せず)を備える。
音声制御回路46は、音源IC、増幅用回路(アンプ)および音声データROMを備え、音声発生手段としてのスピーカ25L,25RにBGMおよび効果音からなる音声信号を出力する。
また、サブCPU41には、遊技球数表示部151と、随意的に設けられる前述した球抜きモータ150とがそれぞれ電気的に接続されている。
なお、コマンド入力ポート99には、主制御回路30以外に、前述した球抜きセンサ154と、球抜きレバーセンサ155と、球抜き個数設定部156とがそれぞれ電気的に接続されている。
次に、上記構成のパチンコ遊技機1の作用効果について説明する。
一般に、下皿23が遊技球で満杯状態になると、遊技者は、図7に示されるように、下皿23の真下に球箱(いわゆるドル箱)170を配置し、遊技球を下皿23から球箱170に移し替える。具体的には、前述したように、球抜きレバー142を操作して球抜き穴140を開口させ、球抜き穴140を通じて下皿23の遊技球を球箱170に移し替える。この時、本実施形態では、開閉プレート163によって開放される球抜き穴140の数を選択できるようになっているため、下皿23から球箱170へと移し替えたい遊技球の個数に応じて、開放される球抜き穴140の数を任意に選択することにより、所望数の遊技球を下皿23から球箱170へと短い時間で正確に移し替えることができるようになる。
すなわち、例えば、下皿23から球箱170へ移し替えられる遊技球の個数が少ない場合には、球抜きレバー142を操作して開閉プレート163をわずかに開動作させることにより、開放される球抜き穴140の数を例えば1つに設定し、球抜き穴140から遊技球を1つずつ順次に球箱170へ排出することによって、下皿23から球箱170へと所望数の遊技球を正確に移し替えることができる。無論、この場合、移し替えられた個数の把握は、遊技球数表示部151によって可能となる。
一方、下皿23から球箱170へ多数の遊技球を移し替える場合には、移し替えの途中まで、開放される球抜き穴140の数を複数の任意の数に設定することにより、複数の球抜き穴140から遊技球を同時に球箱170へと排出して移し替え時間の短縮を図るとともに、移し替えの最終段階で、開放される球抜き穴140の数を例えば1つに設定変更して、球抜き穴140から遊技球を1つずつ順次に球箱170へ排出することにより、下皿23から球箱170へと所望数の遊技球を正確に移し替えることができる。
このように、本実施形態では、開閉プレート163によって開放される球抜き穴140の数を選択可能にすることにより、開放される球抜き穴140が1つである場合の欠点と複数の場合の欠点とを補いつつ同時にこれらの利点を生かすことができ、それにより、下皿23から球箱170への遊技球の移し替え時間の短縮化を図ることができるとともに、移し替え個数の精度を高めることができるようになる。
また、本実施形態では、開閉プレート163の閉動作に連動して、球抜きセンサ154によって検知される遊技球の個数の計測値が自動的にリセットされる(遊技球数表示部151の表示値がゼロにリセットされる)ため、遊技球の移し替えの度に計測値をいちいちリセットする必要がなく(すなわち、そのためのリセットボタン等を別個に設けないで済む)、遊技球の移し替え操作の操作性が良好となる。
図8には、下皿23の球抜き穴開閉機構における第1の変形例が示されている。図示のように、この変形例においては、各球抜き穴140を開放できるそれぞれの位置で球抜きレバー142を位置決め保持できるように、各球抜き穴140に対応する所定の位置に係止突起201が設けられるとともに、これらの各係止突起201に対して係脱可能に係止する係止片142aが球抜きレバー142に設けられている。この場合、係止突起201は、例えばスリット170の内側に位置する下皿23の側壁部23aの部位から突出するように設けられており、一方、係止片142aは、係止突起201と対向する球抜きレバー142の例えば下面部位に形成されている。
このように、本変形例において、係止片142aおよび各係止突起201は、開放される球抜き穴140の数が異なる複数の位置で開閉レバー142または開閉プレート163を位置決め保持できる保持手段を構成している。このように、各球抜き穴140の開放位置(開放される球抜き穴140の数が異なる複数の位置)で開閉レバー142または開閉プレート163を位置決めすることができれば、遊技球の移し替え作業中に開閉レバー142を例えば手により所望の位置に保持しておく必要がなくなる。そのため、移し替えの操作性が良好となり、遊技に集中しながら同時に遊技球の移し替え作業を的確に行なうことができる。
図9には、下皿23の球抜き穴開閉機構における第2の変形例が示されている。前述した第1の変形例では、下皿23と球抜きレバー142(開閉プレート163)との係止状態が球抜き穴140の各開放位置で段階的に得られているが、この第2の変形例においては、下皿23と球抜きレバー142との係止状態が球抜きレバー142の操作移動経路(開閉プレート163の開閉移動経路)の全体にわたって連続的に得られるようになっている。すなわち、本変形例においては、スリット170の全長にわたって係止突起201が連続的に形成されており、球抜きレバー142の係止片142aを任意の位置で係止突起201に係止させることができるようになっている。このような構成によれば、球抜き穴140の開放個数の微妙な調整を迅速且つ的確に行なえるようになる。
図10には、下皿23の球抜き穴開閉機構における第3の変形例が示されている。この変形例においては、前述した第1の変形例における係止片142aと係止突起201との係止が、凸部142bと凹部202との凹凸係合に取って代えられている。すなわち、本変形例においては、各球抜き穴140に対応するスリット170内の下皿側壁部位にそれぞれ凹状溝の形態を成す凹部202が設けられるとともに、これらの凹部202に対して係脱可能に係合する凸部142bが球抜きレバー142に設けられている。このような構成によっても、第1の変形例と同様の作用効果を得ることができる。
図11には、下皿23の球抜き穴開閉機構における第4の変形例が示されている。この変形例においては、下皿23の一方側に偏って前後に配列された複数の球抜き穴140A,140B(前側に位置する3つの前側球抜き穴140Aおよび後側に位置する2つの後側球抜き穴140B)を開閉するために2つの開閉プレート163A,163B(球抜きレバー142A,142B)が設けられている。これらの開閉プレート163A,163B(球抜きレバー142A,142B)は、回動軸190を中心に個別に回動操作(開閉操作)できるようになっている。また、各開閉プレート163A,163Bには、所定の球抜き穴140A,140Bと位置合わせ可能な部位に複数の開口210A,210Bが設けられている。特に本変形例において、第1の開閉プレート163Aには、前側球抜き穴140Aのうちの1つ及び後側球抜き穴140Bの2つを開閉することができる3つの開口210Aが形成されており、一方、第2の開閉プレート163Bには、前側球抜き穴140Bのうちの2つを開閉することができる2つの開口210Bが形成されている。また、第2の開閉プレート163Bには、全ての球抜き穴140A,140Bを一括して閉じることができる閉塞領域250が設けられている。
このような構成では、各開閉プレート163A,163Bを単独で使用し或いは2つの開閉プレート163A,163Bを組み合わせて使用することにより開閉プレート163A,163Bの開口210A,210Bを所定の球抜き穴140A,140Bに対して選択的に位置合わせすれば、開放される球抜き穴140A,140Bの数を複数段階で任意に設定することができる。すなわち、本変形例において、開口210A,210Bを有する各開閉プレート163A,163Bは、開放される球抜き穴の数を選択可能にする開放穴数選択手段を構成していると言える。
図12には、下皿23の球抜き穴開閉機構における第5の変形例が示されている。この変形例においては、第1の変形例と同様な態様で配置された各球抜き穴140に対してそれぞれ1つずつ開閉プレート163C〜163F(球抜きレバー142C〜142G)が設けられている。これらの各開閉プレート163C〜163F(球抜きレバー142C〜142G)は、互いに独立して前後に直線的に押し引き操作できるようになっている。また、各開閉プレート163C〜163Fには、対応する球抜き穴140と位置合わせ可能な1つの開口210c〜210gが設けられている。
したがって、このような構成においても、第4の変形例と同様、各開閉プレート163C〜163Fを単独で使用し或いは複数の任意の数の開閉プレート163C〜163Fを組み合わせて使用することにより開閉プレート163C〜163Fの開口210c〜210gを対応する球抜き穴140に対して選択的に位置合わせすれば、開放される球抜き穴140の数を任意に設定することができる。すなわち、本変形例においても、開口210c〜210gを有する各開閉プレート163C〜163Gは、開放される球抜き穴の数を選択可能にする開放穴数選択手段を構成していると言える。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは言うまでもない。例えば、前述した実施形態では、各種のセンサや駆動装置151,154,155,156が副制御回路40側に関連付けられているが、主制御回路30側に関連付けられていても良い(主制御回路30によって検知および駆動制御されても良い)。また、前述した実施形態では、上皿21と下皿23とが個別に設けられているが、下皿23を省き、上皿21が下皿23の機能を兼ね備えていても良い。