本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、複数の電子部品及びそれらの操作つまみを簡単な構造で容易に接近して設置することができる複合型電子部品及びその製造方法を提供することにある。
本願請求項1に記載の発明は、上面側固定部材に設けた収納部に第1電子部品を収納し、その裏面側(後方)に支持部材を設置して第1電子部品を収納部に保持し、一方前記支持部材の後方に第2電子部品を配置し、さらに前記上面側固定部材の前記第1,第2電子部品を取り付けた周囲を覆うと共に、第1電子部品を操作する第1操作つまみと、第2電子部品を操作する第2操作つまみとをそれぞれ露出する第1,第2露出部を設けた化粧ケースを設置したことを特徴とする複合型電子部品にある。
本願請求項2に記載の発明は、前記第2電子部品はその後方に配置された第1裏面側固定部材に取り付けられ、この第1裏面側固定部材が前記上面側固定部材に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の複合型電子部品にある。
本願請求項3に記載の発明は、前記第1裏面側固定部材の後方に第2裏面側固定部材を設置し、この第2裏面側固定部材が前記上面側固定部材に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の複合型電子部品にある。
本願請求項4に記載の発明は、前記化粧ケースは湾曲面を有し、前記第1,第2露出部はこの湾曲面の所定位置に互いに平行とは異なる方向を向いていることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の複合型電子部品にある。
本願請求項5に記載の発明は、前記第1電子部品は第1操作つまみによって押圧操作される押圧型スイッチであることを特徴とする請求項1乃至4の内の何れかに記載の複合型電子部品にある。
本願請求項6に記載の発明は、前記第2電子部品は第2操作つまみによって回動操作される回転式電子部品であることを特徴とする請求項1乃至5の内の何れかに記載の複合型電子部品にある。
本願請求項7に記載の発明は、上面側固定部材に設けた収納部に第1電子部品を収納し、その裏面側に支持部材を設置して第1電子部品を収納部に保持する工程と、前記支持部材の後方に第2電子部品が取り付いた第1裏面側固定部材を配置してこの第1裏面側固定部材を上面側固定部材に取り付ける工程と、前記第1裏面側固定部材の後方に第2裏面側固定部材を設置してこの第2裏面側固定部材を前記上面側固定部材に取り付ける工程と、前記第1電子部品を操作する第1操作つまみと、第2電子部品を操作する第2操作つまみとをそれぞれ露出する第1,第2露出部を設けた化粧ケースを、前記上面側固定部材の前記第1,第2電子部品を取り付けた周囲を覆うように設置する工程と、を具備することを特徴とする複合型電子部品の製造方法にある。
請求項1に記載の発明によれば、上面側固定部材の収納部に収納した第1電子部品の裏面側に支持部材を設置し、支持部材の後方に第2電子部品を配置したものを化粧ケースで覆うという部品点数の少ない簡単な構造で複合型電子部品を構成することができ、組み立ても容易で、両電子部品を容易に接近して設置することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、第2電子部品を取り付けた第1裏面側固定部材を上面側固定部材に取り付けるので、上面側固定部材に取り付けた第1電子部品の後方への第2電子部品の設置が容易に行なえる。
請求項3に記載の発明によれば、第2電子部品を取り付ける第1裏面側固定部材の他に第2裏面側固定部材を設置したので、第2裏面側固定部材にこの複合型電子部品以外の別の電子部品を取り付けることができ、別の電子部品を含む複合型電子部品の一体化(ブロック化)が図れる。
請求項4に記載の発明によれば、第1,第2操作つまみを互いに異なる方向に向けて化粧ケースから露出させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、第1電子部品を押圧型スイッチとすることができる。
請求項6に記載の発明によれば、第2電子部品を回転式電子部品とすることができる。
請求項7に記載の発明によれば、上面側固定部材に対して、順次、第1電子部品、第2電子部品が取り付いた第1裏面側固定部材、第2裏面側固定部材、を取り付けていくので、その組立作業が容易となる。またこのようにして一体化したものの周囲に化粧ケースを設置するので、化粧ケースの取り付けも容易になる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態にかかる複合型電子部品1の要部概略断面図、図2,図3は複合型電子部品1の分解斜視図(両図を合わせて1つの図面となる)である。なお図2,図3では複合型電子部品1の内の化粧ケース200と第1操作つまみ210の記載を省略している。これらの図に示すように複合型電子部品1は、上面側固定部材10に設けた収納部11に第1電子部品(以下「押圧型スイッチ」という)50を収納し、その裏面側に支持部材80を設置して押圧型スイッチ50を収納部11に保持し、前記支持部材80の後方に第1裏面側固定部材(以下「基台」という)121に取り付いた第2電子部品(以下「回転式電子部品」という)120と第2裏面側固定部材180とを配置し、さらにこれら押圧型スイッチ50や回転式電子部品120を取り付けた上面側固定部材10の周囲を覆うように化粧ケース200を設置して構成されている。以下各構成部品について説明する。
上面側固定部材10は合成樹脂の成形品であり、その面を表面側(化粧ケース200に対向する面側)に円形に突出することでその裏面側に円形凹状の収納部11を設け、収納部11の中央の面に円形に貫通する開口13を設け、また凹状の収納部11の周囲の略180°対向する位置に一対の小突起状の支持部材取付部17(図2ではその一方のみ示す)を設け、また収納部11の下側略半分に第2操作つまみ収納空間19を設け、その下部に略矩形状の凹部からなる取付部収納部21を設けて構成されている。第2操作つまみ収納空間19の周囲を囲む上面側固定部材10の裏面側の端面からは裏面側に向かって複数本(四本)の小突起状の固定部23が設けられている。また取付部収納部21の底面には矩形状で薄い深さの凹状のガイド溝25が設けられ、その両側には裏面側に向かって突出する一対の小突起状の取付部27(図2ではその一方のみ示す)が設けられている。また取付部収納部21の下側の側壁中央には裏面側に向かって突出する小突起状の取付固定部29が設けられている。
押圧型スイッチ50は、略矩形状の作動部材51の両面にそれぞれフレキシブル回路基板からなる第1,第2スイッチ基板部53,55を取り付けて構成されている。作動部材51は合成樹脂製であり、前記上面側固定部材10の収納部11内に収納される外形寸法形状に形成されている。この作動型物51の第1スイッチ基板部53を取り付ける表側(開口13側)の面は略平面状に形成され、第2スイッチ基板部55を取り付ける裏側(支持部材80側)の面は略平面状であってその外周を囲むように側壁部61を突設して構成されている。作動型物51の両面には、2本ずつ小突起状の固定部65,67(固定部65は図1参照)が突設されている(図ではその先端を熱カシメした状態を示している)。
第1スイッチ基板部53は、作動部材51の外形形状とほぼ同一の外形形状(略矩形形状)を有する合成樹脂フイルムの中央に第1押圧スイッチ71を設けて構成されており、第2スイッチ基板部55は、作動部材51の前記側壁部61の内側に収納される外形形状(略矩形状)を有する合成樹脂フイルムの中央に第2押圧スイッチ73を設けて構成されている。第1,第2スイッチ基板部53,55を構成する合成樹脂フイルムは同一の合成樹脂フイルム(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フイルム)であり、両者は帯状の連結部75によって連結されており、また第1スイッチ基板部53の外周からは帯状の出力用の第1フレキシブル回路基板77が引き出されている。第1,第2押圧スイッチ71,73は何れも合成樹脂フイルム上に一対の接点パターンを設け、その上に弾性金属板をドーム形状に形成してなる反転板79を、反転板79の外周辺が一方の接点パターンに当接し、反転板79の中央下面が他方の接点パターン上に所定間隔を有して対向するように取り付けて構成されている。なおこの実施形態の場合、第1押圧スイッチ71の反転板79の反転時の押圧力が、第2押圧スイッチ73の反転板79の反転時の押圧力よりも弱くなるように構成している。また第1,第2スイッチ基板部53,55の前記固定部65,67に対向する位置には小孔が設けられており、これら小孔に前記固定部65,67を挿入してその先端を熱カシメすることで、連結部75を折り返した状態で第1,第2スイッチ基板部53,55を作動部材51の両面に取り付けている。また第1フレキシブル回路基板77中の所定位置にも小孔78が設けられている。
支持部材80は合成樹脂製であり、略円板状の支持本体部81の裏面側(回転式電子部品120側)から支持部82及び基板ガイド部83を突出し、また支持本体部81の下部から裏面側に屈曲した後に下方に屈曲して延びる略矩形状の取付部(基板ガイド溝形成部)85を設けて構成されている。支持本体部81は前記上面側固定部材10の収納部11の裏面側に設置される外形形状に形成され、その表面側(押圧型スイッチ50側)の中央に柱状の押圧部87を突設し、また支持本体部81の左右両側から一対の舌片状の突出部89を突出してその内部に小孔からなる取付固定部91を設けている。各取付固定部91は前記上面側固定部材10の各支持部材取付部17に対向する位置に設けられている。支持部82と基板ガイド部83はこの実施形態では一体に形成されており、棒状に延びる一対の平行に設置した支持部82の間を連結するように平板状の基板ガイド部83が設けられている。基板ガイド部83の幅は、下記する回転式電子部品120から引き出される第2フレキシブル回路基板155の幅よりも少し長い寸法に形成されている。また両支持部82の突出長さは同一で、基板ガイド部83の突出長さは支持部82の突出長さよりも少し短く形成されている。取付部85には2つの小孔からなる固定部93が設けられている。これら固定部93は前記上面側固定部材10の取付部27に対向する位置に設けられている。
回転式電子部品120は合成樹脂製の基台121の一方の側の面から突出する柱状の軸123を、合成樹脂製で円板状の第2操作つまみ125の中央に設けた貫通孔127に回動自在に挿入し、その際第2操作つまみ125の基台121側の面に取り付けた弾性金属板製の摺動子129の摺接部131を基台121の軸123を突出した側の面に載置した回路基板部133上に設けた摺接パターン(この実施形態ではスイッチパターン)135に当接し、さらに第2操作つまみ125を貫通した軸123の先端をクリックばね139中央の開口141と押え部材143中央の開口145とに挿入し、軸123の先端を熱カシメによって固定して構成されている。なお第2操作つまみ125の摺動子129を取り付けた裏面側の面にはリング状の平板からなるクリック板147が取り付けられており、このクリック板147にリング状に複数個等間隔に設けたクリック孔149に前記クリックばね139の弾発部が弾接する。またクリックばね139と押え部材143とは予め一体に固定されており、固定された両者が軸123に取り付けられている。押え部材143はその外周近傍部分を第2操作つまみ125のクリック板147を収納するクリック板収納凹部151の周囲に設けたリング状の突起からなる当接部153に当接させることで第2操作つまみ125が軸123から抜けることを防止している。また回転式電子部品120の下部からは出力用の第2フレキシブル回路基板155が引き出されている。この第2フレキシブル回路基板155は前記回路基板部133と同じ合成樹脂フイルム(例えばPETフイルム)上に形成されており、回路基板部133の下部に連結されている。基台121はその上部である半円形状のつまみ取付部157と、下部である矩形状の基部159とを具備し、つまみ取付部157の裏面側(第2操作つまみ125を取り付ける面の裏面側)の左右両側から一対の小突起状の係止部161を突出し、基部159の4隅に小孔からなる係合部163を設けている。各係合部163は前記上面側固定部材10の各固定部23に対向する位置に設けられている。
第2裏面側固定部材180は金属板を板金加工して形成されており、前記基台121の裏面側の形状と略同一の基台支持部181を設けて構成されている。基台支持部181の下辺は基台121側に向かって90°折り曲げられた後、下方向に向かって90°折り曲げられている。基台支持部181の前記基台121の各係止部161に対向する位置にはこれらを挿通する開口部183が設けられており、また前記基台121の各係合部163に対向する位置には各係合部163よりもその径の大きい孔又は溝からなる挿通部185が設けられており、さらに第2裏面側固定部材180の下部(基台支持部181の下方でこの基台支持部181と平行に延びている面)にも開口187(図1参照)が設けられている。なおこの第2裏面側固定部材180の下部は、図示はしないが本実施形態にかかる複合型電子部品1−1以外の各種電子部品(別の電子部品)を取り付けることができるような取付面となっている。
化粧ケース200は図1に示すように、上面側固定部材10の押圧型スイッチ50と回転式電子部品120を取り付けた周囲を覆う形状に湾曲面を有して形成されており、且つ前記押圧型スイッチ50を押圧操作する第1操作つまみ210と、前記回転式電子部品120の第2操作つまみ125とを露出する第1,第2露出部201,203を有している。第1,第2露出部201,203は化粧ケース200の湾曲面の所定位置に互いに平行とは異なる方向(同一方向ではない方向)を向いている。化粧ケース200は合成樹脂を成形することで構成されており、一体成形でも良いし、複数の部材を組み合わせることで構成しても良い。一方化粧ケース200に取り付けられる第1操作つまみ210は合成樹脂製であり、略円板状のキートップ本体部211の外周下部から複数本のアーム213を突出してその先端に爪部214を設け、またキートップ本体部211の下面中央から柱状の押圧部215を突出して構成されている。第1操作つまみ210はその爪部214の部分が化粧ケース200の第1露出部201の底面に設けた小孔205内にスナップイン係合され、所定距離上下動自在に設置され、第1操作つまみ210の下面と第1露出部201の底面間をコイルばねなどの弾発手段207で上方向に弾発して取り付けられている。
次にこの複合型電子部品1の組立方法を説明する。まず予め押圧型スイッチ50から引き出された第1フレキシブル回路基板77と、回転式電子部品120から引き出された第2フレキシブル回路基板155とを所定位置で接続固定手段(図1参照)220によって連結しておく(図2,図3には接続固定手段220は示さず)。これによって第1フレキシブル回路基板77と第2フレキシブル回路基板155とが一体化される。なお両者を2部品としてではなく、1枚のフレキシブル回路基板で構成しても良い。そしてまず上面側固定部材10に設けた収納部11に押圧型スイッチ50を収納する。このとき押圧型スイッチ50の第1押圧スイッチ71は上面側固定部材10の開口13に露出する。次に押圧型スイッチ50の裏面側(後方)から支持部材80を上面側固定部材10に取り付け、その際上面側固定部材10の一対の支持部材取付部17を支持部材80の一対の取付固定部91に挿入し、同時に上面側固定部材10の一対の取付部27を支持部材80の一対の固定部93に挿入し、これら支持部材取付部17の先端と取付部27の先端とを熱カシメし、これによって上面側固定部材10に支持部材80を取り付けて、収納部11に押圧型スイッチ50を保持する。このとき図1に示すように、上面側固定部材10に設けたガイド溝25と支持部材80の取付部85の間に形成される基板ガイド溝230に第1フレキシブル回路基板77を通しておく。次に支持部材80の裏面側(後方)に回転式電子部品120を配置し、その際上面側固定部材10の第2操作つまみ収納空間19に第2操作つまみ125を収納し、同時に上面側固定部材10の各固定部23を回転式電子部品120の各係合部163に挿入してその先端を基台121の裏面側で熱カシメして取り付ける。次に回転式電子部品120の裏面側に第2裏面側固定部材180を設置し、その際前記熱カシメした各固定部23の先端を第2裏面側固定部材180の各挿通部185に露出し、且つ回転式電子部品120の各係止部161を第2裏面側固定部材180の各開口部183に挿入する。同時に上面側固定部材10の取付固定部29を第1フレキシブル回路基板77の小孔78と第2裏面側固定部材180の開口187に挿入する。次に前記係止部161と取付固定部29とを第2裏面側固定部材180の裏面側で熱カシメする。そして図1に示すように上面側固定部材10の押圧型スイッチ50と回転式電子部品120とを取り付けた周囲を覆うように化粧ケース200を設置し、第1操作つまみ210と第2操作つまみ125とをそれぞれ化粧ケース200に設けた第1,第2露出部201,203に露出する。これによって複合型電子部品1が完成する。
そして第1操作つまみ210のキートップ本体部211を押圧すると、その押圧部215が第1押圧スイッチ71の反転板79を反転し、これによって第1押圧スイッチ71がオンする。さらに第1操作つまみ210を押圧すれば、第1押圧スイッチ71がオンした状態のまま、作動部材51が押圧方向に移動して第2押圧スイッチ73の反転板79が支持部材80の押圧部87によって押圧されて反転し、これによって第2押圧スイッチ73がオンする。第1操作つまみ210への押圧を解除していけば、第2押圧スイッチ73、第1押圧スイッチ71の順にスイッチがオフする。一方第2操作つまみ125を回動すれば、摺動子129の摺接部131が回路基板部133の摺接パターン135上を摺接してその出力(この実施形態ではスイッチパターンのオンオフ状態)が変化する。なお第2操作つまみ125の回動の際、クリックばね139の弾発部がクリック板147のクリック孔149への係合・離脱を繰り返すことで、クリック感覚を生じる。
以上のようにこの複合型電子部品1は、上面側固定部材10に設けた収納部11に押圧型スイッチ50を収納し、その裏面側に支持部材80を設置して押圧型スイッチ50を収納部11に保持し、一方支持部材80の後方に回転式電子部品120を配置し、さらに上面側固定部材10の押圧型スイッチ50と回転式電子部品120とを取り付けた周囲を覆うと共に押圧型スイッチ50を操作する第1操作つまみ210と、回転式電子部品120を操作する第2操作つまみ125とをそれぞれ露出する第1,第2露出部201,203を設けた化粧ケース200を設置して構成されている。このように、上面側固定部材10の収納部11に収納した押圧型スイッチ50の裏面側に支持部材80を設置し、支持部材80の後方に回転式電子部品120を配置したものを化粧ケース200で覆った構成としたので、部品点数の少ない簡単な構造で複合型電子部品1が構成でき、組み立ても容易で、押圧型スイッチ50と回転式電子部品120とを容易に接近して設置することが可能となる。
そしてこの複合型電子部品1においては図1に示すように、支持部材80にこの支持部材80から突出する支持部82を設け、この支持部82の先端82aをこの複合型電子部品1の固定側部材の1つである基台121(その基部159)に当接している。これによって前記第1操作つまみ210を押圧して第1,第2押圧スイッチ71,73をオンする際に支持部材80に加えられる押圧力を支えることができる。支持部82による支持をより確実にするため、この実施形態では支持部82の支持本体部81からの突出方向が第1操作つまみ210の押圧方向と平行になるようにしている。支持部材80は上面側固定部材10に設けた一対の支持部材取付部17と一対の取付部27の先端の熱カシメによって上面側固定部材10に取り付けられている。しかしながら支持部82がないと、前記第1操作つまみ210を繰り返して継続的に押圧操作したり、或いは第1操作つまみ210を強い力で押圧したような場合に、それらの負荷が支持部材80に加わることで支持部材80が変形したり、前記熱カシメによる支持部材80の取り付けに緩みが生じてがたつきが生じる恐れがある。そこでこの実施形態においては上述のように、支持部82を設けて支持部材80を支えることで、前記支持部材80の変形やがたつきを確実に防止して良好な第1操作つまみ210の押圧操作感触が継続的に得られるようにしている。特に支持部材80が小型化した場合、その強度を強く保てて好適である。
またこの実施形態においては図1に示すように、押圧型スイッチ50から引き出された第1フレキシブル回路基板77を基板ガイド溝230によって所望の位置までガイドしているので、第1フレキシブル回路基板77が、集積して設置した2つの電子部品(押圧型スイッチ50と回転式電子部品120)を構成する各部材に当接することを防止できる。即ちこの実施形態の場合、予め組み立てた押圧型スイッチ50を上面側固定部材10に組み込むので、押圧型スイッチ50から引き出される第1フレキシブル回路基板77はその組み立て良さを考慮してある程度長い寸法に形成されている。このため実際に押圧型スイッチ50を上面側固定部材10に取り付けた際、第1フレキシブル回路基板77には余りの部分が生じて撓んだ状態となる。そこでこの実施形態においては前述のように、基板ガイド溝230を設けることによって第1フレキシブル回路基板77の余っている部分をガイドし、これによって第1フレキシブル回路基板77が他の各部品に当接する等の不都合を解消したのである。
またこの実施形態においては図1に示すように、回転式電子部品120から引き出された第2フレキシブル回路基板155が基板ガイド部83によって第2操作つまみ125から離れる方向にガイドされるので、第2フレキシブル回路基板155が第2操作つまみ125に当接することを防止できる。即ちこの実施形態の場合、第2操作つまみ125は支持部材80の裏面側に対向して設置されており、一方回転式電子部品120から引き出される第2フレキシブル回路基板155は第2操作つまみ125の面と接近して略平行にその半径方向外側に向けて突出していて両者は接近しており、且つ回転式電子部品120を上面側固定部材10に取り付ける際の組み立て良さを考慮してある程度長い寸法に形成されている。このため実際に回転式電子部品120を上面側固定部材10に取り付けた際、第2フレキシブル回路基板155には余りの部分が生じて撓んだ状態となる。そしてこの撓んだ部分が前記支持部材80の裏面側に位置して且つ第2フレキシブル回路基板155に接近して設置されている第2操作つまみ125に当接すると、第2操作つまみ125の回動感覚を阻害したり、逆に第2フレキシブル回路基板155を損傷する恐れが生じる。そこでこの実施形態においては前述のように、基板ガイド部83によって回転式電子部品120から引き出された第2フレキシブル回路基板155が第2操作つまみ125に触れないように第2フレキシブル回路基板155を第2操作つまみ125から離れる方向にガイド(押圧)したのである。特にこの実施形態においては、一対の支持部82の間を連結するように基板ガイド部83を一体に設けたので、支持部82と基板ガイド部83とが相互に強度を補強し合い、両者が小型化されてそれらの強度が単独では弱くなっても、十分各機能を発揮できるだけの強度が保持できるようになる。またこの実施形態においては回転式電子部品120を取り付けた基台121を上面側固定部材10に取り付けるので、上面側固定部材10に取り付けた押圧型スイッチ50の後方への回転式電子部品120の設置が容易に行なえる。またこの実施形態においては、回転式電子部品120を取り付ける基台121の他に第2裏面側固定部材180を設置したので、第2裏面側固定部材180にこの複合型電子部品1−1以外の別の電子部品を取り付けることができ、別の電子部品を含む複合型電子部品1−1の一体化(ブロック化)が図れる。またこの実施形態においては、上面側固定部材10に対して、順次、押圧型スイッチ50、回転式電子部品120が取り付いた基台121、第2裏面側固定部材180、を取り付けていくので、その組立作業が容易となる。またこのようにして一体化したものの周囲に化粧ケース200を設置するので、化粧ケース200の取り付けも容易になる。
図4は本発明の第2実施形態にかかる複合型電子部品1−2の要部概略断面図、図5,図6は複合型電子部品1−2の分解斜視図(両図を合わせて1つの図面となる)である。なお図5,図6では複合型電子部品1−2の内の化粧ケース200と第1操作つまみ210の記載を省略している。この実施形態において、前記第1実施形態にかかる複合型電子部品1と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1〜図3に示す第1実施形態と同じである。これらの図に示すように複合型電子部品1−2も、上面側固定部材10に設けた収納部11に第1電子部品(以下「押圧型スイッチ」という)50を収納し、その裏面側に支持部材80を設置して押圧型スイッチ50を収納部11に保持し、前記支持部材80の後方に第2電子部品(以下「回転式電子部品」という)120と第2裏面側固定部材180とを配置し、さらにこれら押圧型スイッチ50や回転式電子部品120を取り付けた上面側固定部材10の周囲を覆うように化粧ケース200を設置して構成されている。
そしてこの実施形態において第1実施形態と相違する点は、支持部材80をその前方側の上面側固定部材10に取り付ける代りに、後方側に設置した固定側部材である回転式電子部品120の基台121に取り付けた点である。このためこの実施形態では第1実施形態で設けていた上面側固定部材10の支持部材80を取り付けるための支持部材取付部17と取付部27を省略し、回転式電子部品120の基台121に新たに一対の小孔からなる取付部165を水平な位置に設け、そして支持部材80の構造を変更している。
即ち支持部材80は合成樹脂製であり、略矩形状の支持本体部81の裏面側(回転式電子部品120側)から支持部82及び基板ガイド部83を突出し、また支持本体部81の下部から裏面側に屈曲した後に下方に屈曲して延びる略矩形状の基板ガイド溝形成部85を設けて構成されている。支持本体部81は前記上面側固定部材10の収納部11の裏面側に設置される外形形状に形成され、その表面側(押圧型スイッチ50側)の中央に柱状の押圧部87を突設している。支持部82と基板ガイド部83はこの実施形態では一体に形成されており、矩形平板状に延びる一対の平行に設置した支持部82の間を連結するように平板状の基板ガイド部83が設けられている。基板ガイド部83の幅は第2フレキシブル回路基板155の幅よりも少し長い寸法に形成されている。両支持部82の突出長さは同一で、基板ガイド部83の突出長さは支持部82の突出長さよりも少し短く形成されている。両支持部82の先端辺は外方向(両者が離れる方向)に向かって直角に折り曲げられ、その先端側の部分を矩形平板状の当接取付部95としている。当接取付部95にはそれぞれ後方(回転式電子部品120側)に向かって突出する一対の小突起状の固定部97が設けられている。
一方回転式電子部品120の基台121に設ける取付部165は、前記一対の固定部97に対向する位置でこれら固定部97を挿入する寸法に形成され、また各取付部165の第2裏面側固定部材180側の面には取付部165の内径よりも大きい内径の凹部167を設けている。
そしてこの複合型電子部品1−2を組み立てるには、第1実施形態と同様に、まず予め押圧型スイッチ50から引き出された第1フレキシブル回路基板77と、回転式電子部品120から引き出された第2フレキシブル回路基板155とを所定位置で接続固定手段(図4参照)220によって連結しておく(図5,図6には接続固定手段220は示さず)。一方回転式電子部品120の前面側に支持部材80を設置し、その際支持部材80の一対の固定部97を基台121の一対の取付部165に挿入し、固定部97の先端を熱カシメする。その際熱カシメした固定部97の先端は凹部167内に収納される。そして上面側固定部材10に設けた収納部11に押圧型スイッチ50を収納する。次に押圧型スイッチ50の裏面側(後方)から支持部材80を取り付けた回転式電子部品120を配置し、その際上面側固定部材10の第2操作つまみ収納空間19に第2操作つまみ125を収納し、同時に上面側固定部材10の各固定部23を回転式電子部品120の各係合部163に挿入してその先端を基台121の裏面側で熱カシメして取り付ける。このとき図4に示すように、上面側固定部材10に設けたガイド溝25と支持部材80の基板ガイド溝形成部85の間に形成される基板ガイド溝230に第1フレキシブル回路基板77を通しておく。次に回転式電子部品120の裏面側に第2裏面側固定部材180を設置し、その際前記熱カシメした各固定部23の先端を第2裏面側固定部材180の各挿通部185に露出し、且つ回転式電子部品120の各係止部161を第2裏面側固定部材180の各開口部183に挿入する。同時に上面側固定部材10の取付固定部29を第1フレキシブル回路基板77の小孔78と第2裏面側固定部材180の開口187に挿入し、係止部161と取付固定部29とを第2裏面側固定部材180の裏面側で熱カシメする。そして図4に示すように上面側固定部材10の押圧型スイッチ50と回転式電子部品120とを取り付けた周囲を覆うように化粧ケース200を設置し、第1操作つまみ210と第2操作つまみ125とをそれぞれ化粧ケース200に設けた第1,第2露出部201,203に露出する。これによって複合型電子部品1−2が完成する。
押圧型スイッチ50と回転式電子部品120の操作方法及び動作は第1実施形態と同じである。以上のようにこの複合型電子部品1−2も、上面側固定部材10に設けた収納部11に押圧型スイッチ50を収納し、その裏面側に支持部材80を設置して押圧型スイッチ50を収納部11に保持し、一方支持部材80の後方に回転式電子部品120を配置し、さらに上面側固定部材10の押圧型スイッチ50と回転式電子部品120とを取り付けた周囲を覆うと共に押圧型スイッチ50を操作する第1操作つまみ210と、回転式電子部品120を操作する第2操作つまみ125とをそれぞれ露出する第1,第2露出部201,203を設けた化粧ケース200を設置して構成されている。このように、上面側固定部材10の収納部11に収納した押圧型スイッチ50の裏面側に支持部材80を設置し、支持部材80の後方に回転式電子部品120を配置したものを化粧ケース200で覆った構成としたので、部品点数の少ない簡単な構造で複合型電子部品1−2が構成でき、組み立ても容易で、押圧型スイッチ50と回転式電子部品120とを容易に接近して設置することが可能となる。
そしてこの複合型電子部品1−2においては、支持部材80の支持部82をこの複合型電子部品1−2の固定側部材の1つである基台121(その基部159)に取り付けているので、第1操作つまみ210を押圧して第1,第2押圧スイッチ71,73をオンする際に支持部材80に加えられる押圧力を支えることができる。またこの実施形態においては第1実施形態と同様に図4に示すように、押圧型スイッチ50から引き出された第1フレキシブル回路基板77を基板ガイド溝230によって所望の位置までガイドしているので、第1フレキシブル回路基板77が、集積して設置した2つの電子部品を構成する各部材に当接することを防止できる。またこの実施形態においては第1実施形態と同様に図4に示すように、回転式電子部品120から引き出された第2フレキシブル回路基板155が基板ガイド部83によって第2操作つまみ125から離れる方向にガイドされるので、第2フレキシブル回路基板155が第2操作つまみ125に当接することを防止できる。この実施形態においても、一対の支持部82の間を連結するように基板ガイド部83を一体に設けたので、支持部82と基板ガイド部83とが相互に強度を補強し合い、両者が小型化されてそれらの強度が単独では弱くなっても、十分各機能を発揮できるだけの強度が保持できるようになる。なお上記以外の各種効果も第1実施形態と同様に生じることはいうまでもない。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記実施形態では第1,第2電子部品として押圧型スイッチ50と回転式電子部品120とを用いたが、それぞれ他の各種電子部品を用いても良い。押圧型スイッチ50は、2段押圧型スイッチでなく、1段又は3段以上の押圧型スイッチでも良い。また上記実施形態では上面側固定部材10に設けたガイド溝25と支持部材80の取付部(基板ガイド溝形成部)85の間によって基板ガイド溝230を形成したが、凹状のガイド溝を取付部(基板ガイド溝形成部)85側に設けたり、または両者に凹状のガイド溝を設けること等によって基板ガイド溝を形成しても良い。また上記各実施形態では支持部材80から突出する支持部82を固定側部材の1つである基台121に当接(取り付けを含む)しているが、その代りに第2裏面側固定部材180等の他の固定側部材に当接してこれを支えても良く、要は支持部82を当接(取り付けを含む)させる固定側部材は複合型電子部品1,1−2を構成する部材の内の固定側の部品(静止している部品)であればどの部品であっても良い。